説明

新規組成物及びその使用

この発明は、固体を懸濁させることができる組織を形成するのに十分な界面活性剤とともに、水と、0から飽和までの糖を含んでなる組織化された界面活性剤系であって、該界面活性剤が、(i)主要部分としての10より大きいHLBを有する、少なくとも一つの糖エステル及び/又はトリテルペノイドグリコシド(サポニン);及び(ii)非主要部分としての少なくともひとつの脂肪酸及び/又はレシチンの混合物を含んでなる、組織化された界面活性剤系を提供する。本発明は、更に、本発明の組織化された界面活性剤系と、医薬的及び獣医学的に活性な成分を含んでなる薬剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に医薬的、獣医学的及び分析的使用に適する組織化された懸濁系に関する。
【0002】
本発明は、殊に内服用のための医薬的及び獣医学的に活性を持つ物質を懸濁することができる水性の組織化された界面活性剤系(aqueous structured surfactant system)に関連する。これは、懸濁固体を含む液相を含んでなる、経口、非経口又は肺投与、そしてまた、食物及び飲料を目的とした製剤に適している。
【0003】
本発明はまた、一般に、殊に強いイオン化界面活性剤が望ましくない、例えば、家庭又は工業用クリーニング製剤、パーソナルケア製剤において、そしてまた、農業又は園芸応用のための水性の組織化された界面活性剤中の固体又は水に混合しない液体の懸濁液に関連する。
【背景技術】
【0004】
経口薬剤は、そうしたものを飲み込むことに困難性を有している人々、殊に子供、高齢者及びある種の嚥下障害者が多いという事実にかかわらず、通例、錠剤、ピル又はカプセルの形態である。おそらく、大部分の人々は、もしそのような形態で利用できたとすれば、さわやかな味の液体の形態で薬剤を摂取することを好むであろう。静脈内、筋肉内及び腹腔内製剤を含む非経口薬剤は、通例、重大な問題を引き起こす液体の形態で投与しなければならず多くの生成物の使用が制限されている。種々の吸引製剤もまた、様々なネブライザー及び与圧デバイスを用いて液体の形態で投与されている。
【0005】
より多くの医薬が液体の形態で利用されない主要な理由は、大部分が、水又は他の任意の許容されている溶媒中で不溶性であるか、ほんの少ししか溶解しないということである。液体として投与するには、それらは懸濁しなければならないことになる。しかしながら、薬剤の懸濁液は放置しておくと沈降し、瓶を完全に振とうするという指示が十分順守されない場合は、過少又は過剰摂取の危険に繋がる。
【0006】
更なる問題は、生成物が許容されないほどの粘性を有しない場合は、比較的低濃度の固体が懸濁されうるに過ぎないということである。こうした理由のため、経口用懸濁液の使用は、成人用量のほんの一部が必要とされうる小児薬だけに大きく限定されてきた。すなわち、例えば、パラセタモールの懸濁液は、幼児を処置するのに広く使用されているが、しかし成人に対する同等物は全く利用できない。また、同様な理由のために、多くの非経口製剤は、薬物の必要な治療投与範囲を達成するには、所望の投与時間枠より長期にわたって所望より多い容量で投与しなければならない。
【0007】
水中に医薬を分散させる問題を解決する試みは、これまで、通例、増粘剤(例えば、ガム又はポリマー)の使用を伴い、液体媒体の粘度を増大させてきた。増粘剤は沈降を遅らせるに過ぎない。これらによって安定な懸濁液は提供されない。従って、例えば、パラセタモールの小児用懸濁液は大変粘性を有するけれども安定ではない。
【0008】
医薬を懸濁する粘性化剤の使用の唯一の代わりになる方法は、コロイド分散の状態を作り出すことであった。後者は、ブラウン運動によって沈降を防止する約1ミクロン以下の粒子を含んでいる。こうした系は、比較的粗い粒子を分散させることはできない。コロイド粒子はオスワルド熟成及び/又は凝集によって時間とともにサイズが増大する傾向にあるのでコロイド懸濁は沈降を受けやすい。
【0009】
前述とは対照的に、組織化された懸濁系(structured suspending system)は、懸濁媒体のレオロジー特性に左右され、サイズとは関係なく粒子を不動にする。これには、懸濁媒体が、懸濁される粒子によってもたらされる、沈降する、又はクリーム状になる力と比較して高いが、外部から課せられる応力(例えば、注入及び撹拌)下で、通常の液体のようにこの媒体が流動することを可能にするのに十分な低い降伏点を示すことが必要である。この組織は、一旦外部からの応力によって引き起こされる撹拌が停止すると、十分急速に矯正されて沈降を防止する。この唯一の組織化された系は、広範囲に及ぶ応用を見出すのに十分有効であり、水性界面活性剤メソフェーズ(mesophase)に基づいている。
【0010】
本明細書中で互換性をもって使用されている“組織化された系(structured system)”、“組織化された界面活性剤系(structured surfactant system)”、“組織化された懸濁系(structured suspending system)”という用語は、水、界面活性剤及びこの界面活性剤に懸濁特性を付与するのに必要な任意の組織化剤(structurant)を含んでなる組成物を意味する。こうした成分は、一緒になって系が静止している間ずっと沈降を引き起こさないで、非コロイド性水不溶性粒子を懸濁する能力を有するメソフェーズ、又は連続的水性媒体中、メソフェーズの分散を形成する。
【0011】
組織化された界面活性剤は、通例、界面活性剤の二層が界面活性剤の内側の疎水性の“尾部基”そして二層の外側の親水性の“頭部基”で配置されているLα−相から成っている。この二層は、平行又は同心円的に配置され、通例、水性媒体の層と交互の状態になっている。
【0012】
α−相は、しばしば、当技術分野でG−相と呼ばれている。これらは、通例、偏光顕微鏡のもとで観察される組織(texture)によって、及び/又は小角X線回折によって特徴付けられ、それは、通例、ラメラ対称(lamellar symmetry)を表すピーク、例えば、第一、第二、及び時に高いオーダーピーク(higher order peaks)を、d間隔(面間隔d:d-spacing)を単純な1:2:3の整数比で示す。このd間隔は、式2π/Q[式中、Qは運動量トランスファーベクトルである]によって付与される。
【0013】
組織化された懸濁系は、通例、ラメラの分散化、球状化及び/又は膨張化を含んでいる。ラメラ相が分散するとラメラ相の領域が、水性相中に分散されるか又は水性相と間隔をおいて点在し、ゲルが形成されて二相系になる。こうしたことは、特許文献1中に述べられている。
【0014】
球状相は、通常、当技術分野においてスフェルライト(球体:spherulites)と呼ばれている、界面活性剤の同心性シェル(concentric shell)から成るタマネギ状組織を有している回転楕円体(spheroidal bodies)を含んでいる。このスフェルライトは、通例、0.1〜15ミクロンの範囲の直径を有しており、そして古典的なエマルションに従って水相中に分散しているが、相互に作用して組織化された系を形成する。球状系については特許文献2中により詳細に述べられている。
【0015】
組織化された系の三番目のタイプは、Lα−相の膨張であり、これは、従来のLα−相と比較してより広いd間隔を有している単一相(single phase)である。従来のLα−相は、60〜75%(重量)の界面活性剤を含み、そして4〜7ナノメーターのd間隔を有している。こうした相に固体を懸濁させようと試みると、注入不可能か、不安定な、又はその両方である硬いペーストになる。Lα−相が膨張すると、8より大きい、例えば、10〜100ナノメーターのd間隔を有する。これらは、電解質を通常のLα−相を形成するのに必要な濃度より少ない濃度で水性界面活性剤に添加することによって調製することができる。Lα−相の膨張については、特許文献3により詳細に述べられている。
【0016】
組織化された界面活性剤では、固体を懸濁することができる系を形成するために、組織化剤、並びに界面活性剤及び水の存在が必要となることが大部分である。本明細書中で“組織化剤(structurant)”という用語は、水に溶解した時に、組織化された系を形成するか、あるいは強化する(例えば、組織化された系の降伏点を増大させる)界面活性剤と相互に作用することができる任意の非界面活性剤を述べるのに使用されている。それは、通例、界面活性剤の非可溶化剤(surfactant-desolubiliser)、例えば、電解質である。しかしながら、イソプロピルアミンアルキルベンゼンスルホネートのようないくつかの比較的疎水性の界面活性剤は、自己組織化性(self-structuring)があり、そしていずれの界面活性剤の非存在下でも固体を懸濁することができる。自己組織化系については、特許文献4中に述べられている。
【0017】
特許文献5には、組織化された界面活性剤組成物における解膠剤としての糖類及びアルギナート(alginate)のような炭水化物の使用が述べられている。後者は、炭水化物の非存在下で凝集した二相の組織化された界面活性剤系を形成するのに適している割合で、界面活性剤、水及び電解質を含んでいる。
【0018】
球状の又は他の分散Lα領域を可視光の波長より小さいサイズまで小さくすることによって、透明で球状の又は他の分散Lαの組織化された系を調製するための解膠剤ポリマーの使用は、特許文献6に述べられている。後者は、また、透明な液体を得る代替手段として水相の屈折率を修正するための糖の使用を述べている。
【0019】
炭水化物は界面活性剤と相互作用し、懸濁組織を形成することができるということが特許文献7から知られている。こうした系は、一般に、電解質によって組織化されたLα−相の膨張(electrolyte-structured expanded Lα-phase)に比較して一層大きいd間隔を示し、このことは特許文献8中に述べられている。糖によって組織化された系のd間隔は、特許文献9に述べられているが、通例、15nmより大きく、そして、例えば、50nmほどもありうる。こうした系は、一般的に透明であるか、又は半透明である。
【0020】
分散粒子を懸濁させるそれらの使用に加えて、組織化された系は、特許文献10に教示されているように、例えば、組成物のレオロジー及び/又は外観を修正するため固体のない液体製剤にも使用することができる。
【0021】
いくつかの上記の刊行物は、局所適用のための医薬成分を懸濁する組織化された界面活性剤の使用を示唆している。しかしながら、これまで述べられてきた組織化された系は、いずれも内服使用の場合の薬剤のための医薬産業に許容されることが判明されていない。
【0022】
実際的に適用されることが見出されている唯一の組織化された系は、洗濯洗剤、硬質の表面洗浄剤及びシャンプーのようなパーソナルケア製剤においてである。こうしたものは、容易に懸濁組織を形成するアニオン界面活性剤、及び殊にスルホネート類及びサルフェート類(sulfates)にかなりの程度まで依存しているが、経口投与の場合には許容されない。
【0023】
医薬及び食品用使用の場合に承認されている界面活性剤は、ほとんどもっぱら非イオンであり、速やかに組織化された系を形成しない。非イオン界面活性剤に関連する一つの問題は、ラメラメソフェーズの高温での不安定性である。
【0024】
特許文献11は、医薬を含む様々な活性成分を懸濁する非イオン組織化された系の使用について言及し、そして最高20%までのパラセタモールを含むことができるパラセタモール懸濁液を述べてきた。しかしながら、この製剤は、内服使用を目的とする生成物には
望ましくない高さである[特に、この界面活性剤系は高レベルのエトキシレートを含んでいるので]15%(重量)の界面活性剤の存在が必要であった。この組成物は、不快な苦い味を有し、そして生物学的系に対して若干身体的に侵略的である。高負荷の活性物質を加えた大抵の従来の懸濁液のように、この製剤はあまりにも粘性があり、好都合な調剤ではない。
【0025】
この明細書によれば、高温安定性には、少なくとも30%の折れ曲がった鎖基(bent chain groups)が必須であることが教示されている。特許文献11中で定義されている、医薬使用として許容されている折れ曲がった鎖基を有する唯一の化合物は、オレイル化合物であるが、これは放置しておくといやな匂いや味を生じうる。経口摂取を意図している生成物中の高レベルのオレエートは、通例、抗酸化剤を含めることが必要である。“折れ曲がった鎖(bent chain)”の定義では、オレイルよりも好ましいリノレニル基及び他のオメガ3基のようなポリ不飽和基を除外している。
【0026】
こうした問題の結果として、そして既存の方法の不足が自明であるにもかかわらず、組織化された系によって、依然として医薬品産業における応用が見出されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】EP 0 086 614
【特許文献2】EP 0 151 884
【特許文献3】EP 0 530 708
【特許文献4】EP 0 414 549
【特許文献5】WO 01/00788
【特許文献6】WO 00/63079
【特許文献7】WO 01/05932
【特許文献8】EP 0 530 708
【特許文献9】WO 01/05932
【特許文献10】US 4,244,840
【特許文献11】WO 2005007133
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0028】
発明者らは、比較的高いHLB(例えば、10を超える)を有する糖エステル(sugar ester)又はトリテルペノイドグリコシド(サポニン)と、小さい割合の脂肪酸との混合物が、先行技術と比較して、界面活性剤レベルを実質的に減少させても懸濁特性を有する、特有の、強固な、低い粘度系を形成することを見出した。たとえ、後者が、例えば、懸濁固体の不快な味をマスキングするか、あるいは降伏点を上昇させることを所望する場合であっても、この新規な系は、無味であり、そして水中で自己組織化するが、糖の高レベルの存在に対して耐容性がある。
【0029】
“HLB”とは、界面活性剤に関して親水性−親油性バランスを意味する。HLBは、当技術分野でよく知られている方法[例えば、Griffins experimental procedure, Griffins numerical procedure and Greenwalds water number given in:‘Guide To The Surfactants World’, X. Domingo, Ed. Proa., Barcelona, Spain (1995) ISBN 84-8256-096-4, 225-233頁参照]を用いて測定することができる。
【0030】
本発明者らは、更に、WO 2005007133の教示とは相違して、オレイル基のような折れ曲がった鎖を使用することなく、エトキシ化界面活性剤の実質的な非存在下で、薬理学的に許容される界面活性剤を加えて、医薬活性成分の注入可能な(pourable)懸濁液を形成することができる高温で安定な生成物を製剤化することが可能であることを見出した。こうした生成物は、先行技術と比較して界面活性剤のレベルを減少させ、そしてより低い粘度で調製することができる。これらは、また、実質的に風味を改善している。
【0031】
特に、発明者らは、比較的高いHLB(例えば、10を超える)を有する糖エステル又はトリテルペノイドグリコシド(サポニン)と、小さい割合の脂肪酸との混合物が、懸濁特性を有する、特有の、強固な、低い粘度系[たとえ後者が、例えば、懸濁固体の不快な味をマスキングするように所望する場合であっても、この系は、無味であり、そして水中で自己組織化するが、糖の高レベルの存在に対して耐容性がある]を形成することを見出した。
【0032】
従って、本発明の第一の局面は、
固体を懸濁させることができる組織を形成するのに十分な界面活性剤とともに、水と、0から飽和までの糖を含んでなる組織化された界面活性剤系であって、
該界面活性剤が、
(i)主要部分としての10より大きいHLBを有する、少なくとも一つの糖エステル及び/又はトリテルペノイドグリコシド(サポニン);及び
(ii)非主要部分としての少なくともひとつの脂肪酸及び/又はレシチンの混合物を含んでなることを特徴とする、組織化された界面活性剤系を提供する。
【0033】
本発明は、更に、アルコキシル化された界面活性剤を実質的に含まない、水性の、非イオン性の、組織化された界面活性剤系を提供し、そしてそこでは、少なくとも75%(重量)の疎水性基が飽和されるか、及び/又はポリ不飽和脂肪族アルキル又はアルケニル(polyunsaturated fatty alkyl or alkenyl)基である。従って、一つの好ましい実施態様では、本発明は、界面活性剤が、主要部分としての10より大きいHLBを有する、少なくとも一つの糖エステル又はサポニン、及び非主要部分としての少なくともひとつの脂肪酸の混合物を含んでなることを特徴とする、固体を懸濁させることができる組織を形成するのに十分な界面活性剤と一緒に、水と、0から飽和までの糖を含んでなる上述したような水性の非イオン性の組織化された界面活性剤系を提供する。
【0034】
上記に示したように、“組織化された界面活性剤系(structured surfactant system)”という用語は、水、界面活性剤及び界面活性剤に懸濁特性を付与するのに必要な任意の組織化剤を含んでなる組成物を含む。こうした成分は、一緒になってメソフェーズ、又は連続水性媒体におけるメソフェーズの分散を形成し、これはこの系が静止している間、沈降することなく非コロイド性、水不溶性粒子を懸濁させる能力を有する。“沈降することなく(without sedimentation)”は、組成物を、室温で2ヶ月間保管した場合、1%(重量)より少ない、好ましくは0.5%又は0.1%より少ない懸濁粒子が沈降すること、そして最も好ましくは全く沈降しない(すなわち、0%)ことを意味する。こうした沈降レベルは、2ヶ月より長い期間、例えば、少なくとも3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月あるいはそれ以上にわたって、達成されるのが有利である。いくぶんかの程度の沈降が生じる場合には、その組成物は、撹拌(例えば、振とう)し、沈降物質を懸濁液に戻すことができる。
【0035】
従って、本発明は、長期間懸濁液中に水不溶性粒子を保持することができる、医薬及び/又は動物薬に使用するのに適する水性界面活性剤組成物を提供する。
【0036】
一つの実施態様では、この組織化された界面活性剤系は、非イオン性であり、すなわち、この系の界面活性剤成分は、非イオン性である。
【0037】
本発明の次の議論では、それに反することが述べられない限り、パラメーターの許容領域の上限又は下限の別の値を開示することは、前記値のひとつが他と比較してより高度に好ましいということを示しているということを加味して、前記別の値の中で、より好ましい値と好ましくない値の間にある前記パラメーターの各中間的な値が、それ自体、前記好ましくない値、及びまた、前記好ましくない値と前記中間的な値の間にある各値よりも好ましいという黙示の陳述として解釈されるべきである。
【0038】
本発明の組成物(すなわち、組織化された界面活性剤系)は、任意の組織化剤を存在させて、安定な組織化された界面活性剤系を形成するのに十分な総量の界面活性剤を含んでなる。通例、これには、組織化された界面活性剤系の全量を基準にして、1%より多い(例えば、1.5%より多い)、好ましくは5%より多い、より好ましくは7%より多い、最も好ましくは8%より多い(重量)総量の界面活性剤が必要とされる。組織化剤の非存在下での糖エステルの脂肪酸との混合物は、界面活性剤と水の混合物を基準にして、通例、より高い濃度、例えば、8.5%より高い、より好ましくは9%より高い、最も好ましくは10%より高い濃度で組織(structures)を形成する。こうした高いレベルでさえ、我々の好ましい混合物は、流動性の高い懸濁液を付与する。糖組織化剤の存在下では、糖エステル・脂肪酸混合物の組織化は、より低い濃度で観察され、最少界面活性剤濃度は、糖レベルが高ければ高いほど低い。
【0039】
任意の所与の系の場合の最少の界面活性剤のレベルは、通例、次第に界面活性剤の濃度を増大させながら、系の粘度を測定することによって決定することができる。この粘度は、変曲点が観察されるまで軽度の直線的増加を示し、その後、粘度は、より急速に上がる。懸濁系は、界面活性剤、水及び組織化剤の重量を基準にして全界面活性剤重量パーセントとして、変曲点(point of inflection)に該当する濃度以上である濃度で得られ、下記において、“ci”と称する。界面活性剤濃度は、好ましくは、適切な降伏点を提供することになる最小値である。界面活性剤のレベルがより高いことは、一般的には臨床的に望ましくないことであり、そしてより高い粘度が生じる傾向にある。最高(ci+5)%までの界面活性剤の濃度が好ましく、より好ましくは最高(ci+4)%まで、最も好ましくは最高(ci+3)%までである。適切な降伏点を確保するためには、濃度は、(ci+0.1)%より高いのが好ましい。有利には、濃度は(ci+0.25)%と(ci+0.75)%の間、より好ましくは(ci+0.4)%と(ci+0.6)%の間、そして最も好ましくは約(ci+0.5)%である。
【0040】
変曲点に該当する界面活性剤の濃度は、当技術分野でよく知られている方法によって決定することができる。すなわち、変曲点の決定には、従属パラメーターを測定しプロットしながら、選択された独立変数を次第に増加させることが必要となる。
【0041】
糖エステルとソルビタンエステルとの混合物の場合、全界面活性剤は、組成物の重量で、5%より少なく、さらにより好ましくは4%より少なく、最も好ましくは3%より少なくありうる。
【0042】
組織化剤の非存在下における糖エステルの脂肪酸との好ましい混合物は、一般的には、界面活性剤と水の混合物を基準にして、より高い濃度、例えば、6%より高い、より好ましくは8%より高い、最も好ましくは10%より高い濃度で組織を形成する。こうした高いレベルでさえ、我々の好ましい混合物によって高い流動性のある懸濁液が生じる。
【0043】
糖組織化剤の存在下で、糖エステル・脂肪酸混合物の組織化は、より低い濃度[例えば、界面活性剤と水の混合物との重量で3%まで]で観察することができ、界面活性剤の最小濃度はより低くなると、糖レベルはそれだけ高くなる。飽和点又はその近くでの糖の濃度では、界面活性剤の最小濃度は、界面活性剤と水の総重量を基準にして、少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも7%、最も好ましくは少なくとも9%であるべきであるのが好ましい。
【0044】
本発明の組成物の界面活性剤成分は、主要部分としての10より大きいHLBを有する少なくとも一つの糖エステル又はトリテルペノイドグリコシドと、非主要部分としての少なくとも一つの脂肪酸を含んでなる。
【0045】
“主要部分(major portion)”及び“非主要部分(minor portion)”とは、界面活性剤成分が、脂肪酸(類)と比較して、より多くの糖エステル(類)又はトリテルペノイドグリコシドを含んでなることを意味する[重量含有率a%として測定された]。
【0046】
この主要部分は、10より大きい、好ましくは12より大きい、最も好ましくは14より大きいが、しかし好ましくは30より小さく、より好ましくは20より小さく、最も好ましくは17より小さいHLBを有する。高いHLBの主要部分は、総界面活性剤の重量に対して好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも30%、更により好ましくは不少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%を構成している。
【0047】
一つの実施態様では、10より大きいHLBを有している主要部分は、糖エステルである。
【0048】
糖エステルという用語には、蔗糖(スクロース)の飽和及び不飽和脂肪酸エステルが含まれる。適切なエステルには、オクタノアート(octanoates)、デカノアート、ラウラート、ミリスタート、パルミタート、ステアラート、ベヘナート、オレアート、リノレアート、リノレナート、エルカート(erucates)及びその混合物が含まれる。例えば、スクロースラウラートである低分子量アルキルエステルは、ややせっけんのような味を有しているが、例えば、ステアラート及びオレアートである高分子量エステルは、本質的に無味である。高級同族体(higher homologue)と小量の低級同族体(lower homologue)を含んでなる混合物は、ごくわずかな不都合な味と相まってよりよい溶解性のためにしばしば好ましい。
【0049】
糖は、好ましくは単糖類又は、より好ましくは、二糖類、最も好ましくは蔗糖(スクロース)であるが、例えば、フルクトース、マルトース、グルコース又は転化糖でありうる。商業的には魅力的ではないようであるが、使用されうる他の糖類には、例えば、マンノース、リボース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、タロース(talose)、グロース(gulose)、イドース(idose)、アラビノース、キシロース、リキソース、エリスロース、トレオース、アクロース(acrose)、ラムノース、フコース、グリセルアルデヒド、スタキオース、アガボース及びセロビオース又は三若しくは四糖類が含まれる。
【0050】
好ましい界面活性剤には、スクロースオレアートが含まれうるが、好ましくは、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは、10個の炭素原子より多いが、ただし33個より少ない、好ましくは20個より少ない、より好ましくは18個より少ない炭素原子を有する飽和又はポリ不飽和脂肪酸の蔗糖エステルを含んでなり、例えば、スクロースラウラート、スクロースステアラート及び/又はスクロースリノレナートがある。
【0051】
糖(例えば、蔗糖)エステルは、好ましくは、総界面活性剤の重量に対して、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも30%、更により好ましくは、少なくとも50%、最も好ましくは、少なくとも60%を構成する。
【0052】
実質的にモノエステルで構成されている蔗糖エステルが特に好ましい。
【0053】
代替的な好ましい実施態様では、高HLB(すなわち、>10)界面活性剤部分は、キラヤ樹皮エキス(quillaja bark extract)のようなトリテルペノイドグリコシド(サポニン)である。適切なサポニンは、Guinness Chemical Products Ltd, London, UKから商業的に入手可能である。
【0054】
本発明の組織化された界面活性剤系の界面活性剤成分は、更に、非主要部分として脂肪酸又はレシチンを含んでなる。
【0055】
この非主要部分は、好ましくは低HLB非イオン性界面活性剤である。“低HLB”とは、非主要部分が10より小さい、好ましくは8より小さい、より好ましくは7より小さい、最も好ましくは5より小さいHLBを有していることを意味する。低HLB界面活性剤は、通常、1より大きい、好ましくは2より大きい、最も好ましくは3より大きいHLBを有している。低HLBの界面活性剤は、低HLB糖エステルを含むことができる。しかしながら、完全に糖エステルから成る界面活性剤混合物は、許容されないほど粘性がある傾向がある。こうしたことを避けるためには、あまり大きくない親水性基を有する低HLB界面活性剤とともに、高HLB糖エステルを使用することが好ましい。
【0056】
一つの実施態様では、非主要部分は脂肪酸を含んでなるか、あるいは脂肪酸から構成される。
【0057】
脂肪酸は、少なくとも8個、好ましくは少なくとも10個、より好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有するが、ただし25個より少なく、より好ましくは20個より少なく、最も好ましくは18個より少ない炭素原子を有する、単不飽和、飽和又はポリ不飽和であることができ、例えば、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノレイン酸、リノレン酸、リシノール酸、エルカ酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸又はその混合物、例えば、ココナツ油、ヤシ油、及び/又は他の植物油、魚油、鯨の脂肪又は動物脂肪の鹸化によって得られる混合物である。オメガ3ポリ不飽和酸(omega 3 polyunsaturated acids)が特に好ましい。
【0058】
所望により、この界面活性剤は、更に、脂肪酸と比較して少ない割合の、上記の脂肪酸の非アルコキシ化グリセリル又はソルビタンモノエステル(non-alkoxylated glyceryl or sorbitan mono esters of the aforementioned fatty acids)、及び/又は脂肪アルコール(fatty alcohol)を含むことができる。
【0059】
脂肪酸は、所望により任意の他の低HLB界面活性剤と一緒に、界面活性剤の総重量に対して好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、更により好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも30%を構成する。
【0060】
代替的又は更なる実施態様では、非主要部分はレシチンを含んでなるか、またはレシチンから成る。例えば、このレシチンは、界面活性剤の総重量に対して0.1%と1%の間、好ましくは0.1%と0.3%の間で存在することができる。レシチンが安定化剤として役立ちうることは当業者によって理解されるところである。
【0061】
組織化された界面活性剤系の界面活性剤成分を構成している界面活性剤は、好ましくは7より大きい、より好ましくは8より大きい、更により好ましくは9より大きい、最も好ましくは9.5より大きいが、ただし、13より小さい、より好ましくは12より小さい、最も好ましくは11より小さい平均HLBを有する。
【0062】
組織化された界面活性剤系の界面活性剤成分を構成している界面活性剤には、好ましくは、アルコキシ基が実質的に存在しない。すなわち、これらは、界面活性剤1モルあたり、平均して、1個より少ないアルコキシ基、好ましくは0.5より少ない、より好ましくは0.1より少ない、最も好ましくは0.01より少ないアルコキシ基を含む。
【0063】
界面活性剤は、存在するアルキル及びアルケニル基の全モル数を基準にして、好ましくは30%より少ない、より好ましくは25%より少ない、更により好ましくは20%より少ない、一層更により好ましくは10%より少ない、最も好ましくは1%より少ない単不飽和(monounsaturated)アルケニル基を含んでなる。
【0064】
この発明の好ましい界面活性剤系は、自己組織化するが、しかしながら、組織化剤の存在は降伏点を増大させ、組成物の風味を改善し、あるいは界面活性剤のレベルを減少させて使用することを可能にするのに望ましい。
【0065】
“組織化剤”は、水に溶解した場合、界面活性剤と相互作用し、組織化された系を形成するか、又は強化(例えば、組織化された系の降伏点を増大させる)することができる任意の非界面活性剤を含む。本発明の組織化された界面活性剤系において使用するのに適している例示的な組織化剤には、界面活性剤を非可溶化する電解質(surfactant-desolubilising electrolytes)及び可溶性炭水化物が含まれる。
【0066】
界面活性剤の総濃度があまりにも界面の近い場合[例えば、ciによって示されるように]には、不安定が生じうる。それ故、安定性は、しばしば、総界面活性剤を増加させることによって改善することができる。しかしながら、高界面活性剤レベルは、臨床的な理由で、又は高粘性を避けるために、しばしば望ましくはない。組織化剤の一つの効果は、通常、ciを低下させることであり、その結果安定な系がより少ない界面活性剤で得られることが可能となる。
【0067】
この組織化剤は、好ましくは、水溶性の炭水化物、殊に糖から成るか、あるいは含んでなる。この糖は、好ましくは、単糖類、又はより好ましくは、二糖類、最も好ましくは、ショ糖(スクロース)であるが、但し、例えば、フルクトース、マルトース、グルコース又は転化糖であってもよい。使用することができる他の糖類には、例えば、マンノース、リボース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソース、エリスロース、トレオース、アクロース、ラムノース、フコース、スタキオース、アガボース及びセロビオース又は三糖類若しくは四糖類が含まれる。
【0068】
一つの実施態様では、組織化剤としての糖の総濃度は、組成物の全重量を基準にして、10%より大きく、好ましくは30%より大きく、より好ましくは40%より大きく、そして、最高飽和までであり、但し、好ましくは飽和より少ない。飽和点は、当技術分野でよく知られている方法を用いて測定することができる。
【0069】
しかしながら、代替的実施態様では、組織化された界面活性剤系は、糖を含んでいない。
【0070】
本発明の組織化された界面活性剤系は、更に、例えば、安定性を強化するため、あるいは、所望により臨床的な理由のために一つ又はそれより多い電解質(electrolyte)を含んでなることができる。電解質は、例えば、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は他のあらゆる界面活性剤非可溶化電解質(surfactant desolubilising electrolyte)でありうる。電解質は、しばしば、非経口製剤中で所望されるが、味のために経口製剤ではそれほど所望されない。電解質の量は、好ましくは、10%(w/w)より少なく、より好ましくは5%より少なく、更により好ましくは2%より少なく、最も好ましくは1%より少ない。非経口製剤の場合は、0.3%より多く、より好ましくは0.5%より多く、最も好ましくは0.8%より多い電解質のレベルがしばしば所望され、殊に、臨床的に“等張(isotonic)”と呼ばれるレベルの付近である。風味の理由で経口組成物は、電解質が実質的に存在しないことが好ましい。
【0071】
安定性を改善するのに電解質を使用することの代わりに、あるいはそれに加えて、例えば、安定な製剤が得られるまで脂肪酸、又は他の低HLB界面活性剤の比率を上げることによって、界面活性剤の平均のHLBを増大させることが好ましくありうる。電解質及び/又は低HLB界面活性剤の最適な量は、どこで最大の降伏点が得られるかを決定するのに、添加を増加させ、降伏点を測定することによって決定することができる。安定性を改善するもう一つの方法は、より極性のある界面活性剤、例えば、レシチンを少ない割合で加えることである。
【0072】
不安定さは、また、界面活性剤及び、又は電解質の濃度があまりにも高い場合、すなわち、上部界面(upper phase boundary)にあまりにも近い場合に起こりうる。これは、通常、それ自体凝集(flocculation)として現れる。WO 01/00788中で教示されているようにアルギナート(alginate)又は糖のような炭水化物の比較的少量が、解膠剤として働くように加えられる。
【0073】
降伏点、又は粘度を測定する代わりに、最適量の組織化剤、又は界面活性剤を迅速に示すことは、電導度を測定することによって得られる。これは、通常、最初に浅い谷内にある最小値まで、電解質又は低HLB非イオン性界面活性剤を徐々に添加するとともに低下し、次いでピークに上昇する。時々、電導度の最初の上昇が最初に最小値に低下する前に観察される。双方の事象において、好ましい範囲は、通常、こうした最初の最小値の+/−2%以内であり、好ましくは+/−1%以内である。組織化された系の形成を迅速に示す別のものは、空気を組成物の中に振とうさせ、そして泡を観察することであり、この泡は組織化された系においては増加傾向を示さない。この明細書では、“安定な(stable)”ということは、懸濁された固体は、室温で少なくとも2ヶ月保管後(そして好ましくは室温で6ヶ月保管後)沈降しないことを示す。
【0074】
本発明による好ましい組成物は球状である。水中の脂肪酸と糖エステルの好ましい自己組織化性(self-structuring)混合物の特徴は、糖の非存在下では、光学顕微鏡の解像力で、又は解像力付近での直径を有する非常に多くの小さなスフェルライト(spherulites)の存在である。この系には、小角X線回折によって検討すると通例二つの明らかな独立したピークが生じ、一つは7〜9nmの通常の球状のd間隔に相当し、そして一つは20〜30nmのより大きなd間隔に相当する。後者によって、サイズが高度に均一性であることと、後者の分散性が示されているスフェルライト間の間隔が示されうるものと考えられている。
【0075】
高い糖レベルを含んでいる組成物の特徴は、それらの繰り返し間隔が非常に大きいことであり、それは8nmより大きく、好ましくは20nmより大きく、より好ましくは60nmより大きく、更により好ましくは90nmより大きく、最も好ましくは100nmより大きいが、通例、500nmより小さく、好ましくは400nmより小さく、最も好ましくは200nmより小さい。この繰り返し間隔は、小角X線回折を用いて解像するにはあまりにも高く、そしていくつかの場合では、光又はUV回折を用いて測定することが可能である。しかしながら、本発明のある組成物が膨張したラメラ相、あるいは非ラメラ特性を含みうる可能性を排除することは意図されていない。
【0076】
炭水化物のレベルは、媒体中の微生物学的増殖を阻害するには十分高くありえ、そして組成物の場合の有効な生物分解可能な、非アレルギー性保存剤として働くのに十分でありうる。
【0077】
例えば、エタノールなどの溶媒、そしてヒドロトロープ類(hydrotropes)は、通例、安定性のために必要とされるが、機能的な理由で必要とされる場合は、通常、少量で耐用されうる。それほど必要でない場合は、それらは存在しないのが好ましい。存在する場合は、それらは製剤重量に対して10%より少ない、より好ましくは5%より少ない、更により好ましくは3%より少ない、最も好ましくは1%より少ない量で存在するのが好ましい。
【0078】
本発明の好ましい、組織化された界面活性剤系は、次の成分を含んでなるか、又は次の成分から成る。
(a)オレイン酸、スクロースステアラート(sucrose stearate)及び水;
(b)オレイン酸、スクロースステアラート、スクロース及び水;
(c)オレイン酸、スクロースステアラート、水及び塩化ナトリウム;
及び/又は
(d)オレイン酸、スクロースステアラート、スクロース、水及び塩化ナトリウム。
【0079】
上記の好ましい実施態様の代替手段では、スクロースステアラートの代わりにスクロースオレアート又はスクロースラウラートを用いることができ、オレイン酸の代わりにラウリン酸を用いることができる。
【0080】
組織化された界面活性剤系は、オレイン酸とスクロースステアラートを1.5:8.5と3.5:6.5の間、好ましくは1.5:8.5と2.5:7.5の間、最も好ましくは約2.8の重量比で含んでなるのが有利である。スクロースが存在する場合は、スクロースは最高50%まで(重量)、より好ましくは10%〜40%(重量)であり、例えば、20%(重量)濃度である。
【0081】
本発明の組織化された界面活性剤系は、水性の懸濁媒体の存在下化学的に十分に安定であるか、又は安定でありうる、広範囲の水不溶性の、又は水に難溶性の薬剤を懸濁させるのに使用することができる。極めて濃密な物質は、高い降伏点を有する懸濁系を選択することが必要とされうるけれども、任意の所望の粒子サイズを懸濁することができる。通例、粒子サイズは、1ミクロンより大きく、好ましくは20ミクロンより大きく、最も好ましくは100ミクロンより大きいが、但し、通例、5mmより小さく、より好ましくは1mmより小さく、最も好ましくは0.5mmより小さくありうる。大部分の粒子は、水中でオスワルド熟成の傾向を示す。これは、時間と共に、平均粒子サイズの増大を伴う。我々の懸濁系の特徴は、界面活性剤は粒子成長を阻害する傾向を有するであろう。その上、発生する粒子成長は、いずれも一般にこの系を不安定化しない。
【0082】
本発明の組織化された界面活性剤系は、それに吸着されるかその中に吸着される活性物質を有している、様々なカプセル化又はマイクロカプセル化物質、あるいは、不活性粒子を懸濁させるのに使用することができる。この系は、また、液滴のオイルを懸濁させるか、又はオイル液滴及び固体粒子を共懸濁させるのに使用することができる。このオイルは、薬剤を溶解することを含むことができる。組織化された系は、また、懸濁固体又は液体の非存在下で、活性成分の水溶液のレオロジー特性を変更するのに有用である。
【0083】
この意図された使用次第で、生成物は、場合により、その使用に適切である共通の他の成分を含むことができる(例えば、矯味剤、着色剤、保存剤など)。
【0084】
懸濁医薬のための使用に加えて、本発明の系は、食品及び飲料業界において、例えば、スープ若しくはピューレ中の固体の肉片又は野菜片を懸濁する場合、あるいは、果物飲料又はヨーグルト中の果物粒子を懸濁する場合に有用である。
【0085】
本発明の第二の局面は、医薬的又は獣医学的に活性な成分を懸濁する本発明の第一の局面に従って組織化された界面活性剤系の使用を提供する。
【0086】
従って、本発明は、更に、医薬的又は獣医学的に活性な成分をヒト又は動物の体に送達する本発明の第一の局面によって、組織化された界面活性剤系の使用を提供する。本発明の関連する局面は、本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系中の活性成分を懸濁させること、次いでヒト又は動物の体にこの活性成分を含んでなる組織化された界面活性剤系を投与することを含んでなる、ヒト又は動物の体に医薬的又は獣医学的活性成分を送達する方法を提供する。
【0087】
本発明の第三の局面は、本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系と、医薬的又は獣医学的に活性な成分(例えば、医学又は獣医学的使用に承認された薬物)を含んで成るか、又はそれから成る薬剤組成物である。
【0088】
この活性成分は、小分子化学化合物(例えば、1000kDaより小さい、例えば、500kDaより小さい)、タンパク質及びポリペプチド、DNA、オリゴヌクレオチド、ベクター、細胞、ワクチン、ナノ粒子及びバイオマーカーから成る群より選択することができるということは、当分野の当業者であれば理解するであろう。
【0089】
本発明の組織化された界面活性剤系及び組成物は、室温(例えば、25℃)で、11パスカル秒より少ない、例えば、10パスカル秒、8パスカル秒、6パスカル秒、4パスカル秒又は2パスカル秒より少ない粘度を有することが有利である。
【0090】
粘度は、当技術分野でよく知られている方法を用いて、例えば、常温(例えば、25℃)で、所定のせん断速度(例えば、21レシプロカル秒)で変動応力レオメーターを用いて測定することができる。あるいは、ブルックフィールドビスコメーター(Brookfield viscometer)を用いることができる。
【0091】
一つの実施態様では、本発明の第三の局面の組成物は、本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系中の医薬的又は獣医学的活性剤の注入可能な(pourable)、非沈降性の懸濁液である。
【0092】
“注入可能な(pourable)”とは、本発明の第三の局面の組成物が室温(例えば、25℃)で5パスカル秒より少なく、好ましくは3パスカル秒より少なく、例えば、2パスカル秒より少ない粘度を有することを意味する。
【0093】
活性成分は、好ましくは、不溶性及び/又は粒子状である。
【0094】
“不溶性(non-soluble)”とは、活性成分が‘分散系(dispersed system)’(例えば、固体は、懸濁液を付与し、液体は、乳化液を付与し、そして気体は泡状物を付与する)を形成することができることを意味する。
【0095】
上記において論じてきたように、極めて濃密な物質は、高い降伏点を有する懸濁系を選択することが必要とされうるけれども、任意の所望の粒子サイズを懸濁することができる。通例、粒子サイズは、1ミクロンより大きく、好ましくは20ミクロンより大きく、最も好ましくは100ミクロンより大きいが、但し、通例、5mmより小さく、より好ましくは1mmより小さく、最も好ましくは0.5mmより小さくありうる。
【0096】
本発明の組織化された界面活性剤系及び組成物を用いて送達されうる活性成分の例には、次のものが含まれるがそれには限定されない:
【0097】
・経口投与に適するものを含む抗真菌剤:例えば、グリセオフルビン、
・ステロイド系製剤を含む整形外科的状態の処置のための薬剤:例えば、コルチゾン、
・例えば、イトラコナゾール及びサペルコナゾールなどのアゾール系抗真菌剤、
・例えば、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、コルチコトロピン放出ホルモン阻害剤及び抗精神病薬である低溶解性薬物、
・抗ウイルス性(例えば、HIV)プロテアーゼ阻害剤:例えば、サキナビル、
・抗不安薬、鎮痙剤、睡眠薬、鎮静剤、骨格筋弛緩薬及び健忘症特性(amnestic properties)を含むが、これらには限定されない特性を有する薬剤:例えば、ジアゼパム、
・免疫抑制剤:例えば、シクロスポリンA(CsA)、ほとんど水に溶けにくい免疫抑制剤、サンジムン、ネオラール(Neoral)(R)(シクロスポリンA)
・プロテアーゼ阻害剤系からの抗レトロウイルス薬:フォートベイス(Fortovase)(R)(サキナビル)、ノービア(Norvir)(R)(リトナビル)、
・抗ウイルス剤及び補酵素、
【0098】
・うっ血性心不全に伴う浮腫の処置に使用される薬剤:例えば、フルセミド、
・セファロスポリン系抗生物質を含む抗生物質:例えば、セフィキシム、
・関節リウマチによって引き起こされる炎症及び疼痛の処置のために使用される薬物:例えば、ケトプロフェン、
・原虫感染症に対して使用される抗寄生虫薬;例えば、チニダゾール、
・強力な鎮痛及び抗炎症活性を有していることが示される薬物:例えば、パラセタモール、アセトクロフェナック及びイブプロフェン、
・血液凝固の制御における血液学的適用を有する薬剤:例えば、ビタミンK3、
【0099】
・ほとんど水に溶けにくい抗がん薬;例えば、オクタエチルポルフィン(OEP)、メソ−テトラフェニルポルフィン(mTPP)、
・抗白血病剤:例えば、6−メルカプトプリン、
・抗体又はコンジュゲートを含む抗体を含む薬剤:例えば、カンパス(Campath)、
・例えば、タキソール(パクリタキセル)を含む化学療法剤及びまとめてタキソイド類、タキシン類又はタキサン類と称される関連分子、
・ポドフィロトキシン類及びその誘導体類及びアナログ:例えば、エトポシド及びテニポシド、
・カンプトテシン類[有効性を保持し、分子の親油性特性を維持する、任意の基本構造の誘導体及び修飾体を含む]:例えば、カンプトテシン、9−アミノカンプトテシン、9−ニトロカンプトテシン、カンプトテシン−11(“イリノテカン”)、トポテカン、
・環ヒドロキシル基又は糖アミノ基での置換を含む親油性修飾を有するそうした誘導体を含む、親油性アントラサイクリン:例えば、ドキソルビシン(“アドリアマイシン”)、・親油性であるか、又は当技術分野の当業者によく知られている分子化学合成修飾によって[例えば、コンビナトリアル・ケミストリーによって、そして分子モデリングによって]親油性にしうる他の化合物であって、そして次の列挙から選ばれる:タキソテール、アモナファイド(Amonafide)、イルジンS、6−ヒドロキシメチルアシルフルベン、ブリオスタチン1、26−スクシニルブリオスタチン1、パルミトイルリゾキシン、DUP941、マイトマイシンB、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、E09、ペンクロメジン、インターフェロンα2b、血管新生阻害剤化合物、2−ヒドラジノ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールと塩化白金及び、5−ヒドラジノ−3,4−ジヒドロ−2H−ピロールと塩化白金のようなシスプラチン疎水性錯体、
【0100】
・ビタミンA、ビタミンE及びその誘導体、特にコハク酸トコフェロール、
・本発明で有用な他の化合物には、次のものが含まれる:1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素(nitrosurea)(“カルムスチン”、又は“BCNU”)、クロラムブシル(chlorambucil)、メルファラン(melphalan)、コルヒチン類、コンブレタスタチン(combretastatin)、ガンマペンチン(gammapentin)、テモゾルアミド、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン(“アドリアマイシン”)、エピルビシン、イダルビシン、アクラルビシン、ビサントレン(ビス(2−イミダゾレン−2−イルヒドラゾン)−9,10−アントラセンジカルボキサルデヒド、ミトキサントロン、メトトレキサート、エダトレキサート、ムラミルトリペプチド、ムラミルジペプチド、リポ多糖類、9−b−d−アラビノファイラノシルアデニン(9-b-d-arabinofairanosyladenine)(“ビダラビン”)及びその2−フルオロ誘導体、レスベラトロール、トランス−レチノイン酸及びレチノール、カロテノイド類、及びタモキシフェン、
【0101】
・この発明の適用において有用な他の化合物には、次のものが含まれる:パルミトイルリゾキシン(Palmitoyl Rhizoxin)、DUP941、マイトマイシンB、マイトマイシンC、ペンクロメジン、インターフェロンα2b、ダカルバジン(Decarbazine)、ロニダミン、ピロキサントロン、アントラピラゾール類、ブレオマイシン、
・ビンカアルカロイド及びそのアナログ[ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビントリポール、ビンキサルチン、アンシタビン]、6−アミノクリセン、及びナベルビン、
・この発明の適用において有用な他の化合物には、タキソールの模倣薬類、エレウセロビン類(eleutherobins)、サルコジクチイン(sarcodictyins)、ジスコダーモライド類(discodermolides)及びエポチオロン類(epothiolones)、
・ニフェジピンのような水にほとんど溶解しない薬、
・心臓血管疾患又は高血圧症(高血圧)又は狭心症(胸痛)の処置において使用される薬剤:例えば、フェロジピン(Filodepine)。
【0102】
本発明の第三の局面の組成物は、適切な任意のルート、例えば、経口、吸入(すなわち、肺)、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、直腸、膣内、膀胱、腫瘍内、腫瘍周囲、局所、耳及び眼内投与によって投与することができることは、当技術分野における当業者によって理解されるところである。
【0103】
例えば、本発明のこの組織化された界面活性剤系及び組成物は、カプセル、卵、エリキシル剤、溶液又は懸濁液の形で、経口、バッカル又は舌下で投与することができ、これは、短時間、遅延又は制御放出適用の場合には、矯味矯臭剤又は着色剤を含むことができる。本発明の組成物は、また、空洞内注射(intracavernosal injection)を介して投与することができる。
【0104】
本発明の第三の局面の一つの実施態様では、この組成物はニュートラシューティカル組成物(nutraceutical composition)、すなわち、活性成分は、栄養を提供する食物あるいは食物サプリメントである。
【0105】
ニュートラシューティカル組成物の例示には、次のものが含まれるが、これらには限定されない:
・水溶性ビタミンではなく親油性ビタミン(乳児栄養素を含む)、
・コロイドベースの金属製剤、
・植物性化学物質又は植物栄養素(植物由来の生物活性分子)、
・リン酸鉄のような不溶性鉄塩、
・コレステロール減少特性を有するステロール及び/又はステロールエステル。
【0106】
本発明の第三の局面の更なる実施態様では、組成物は、栄養補助製品である(例えば、嚥下困難を有する人々、特別の食事療法必要条件を有する人々及び/又は補充食事ニーズを有する人々によって使用されるため)。
【0107】
従って、場合により経口、非経口又は経腸的投与に適している栄養含有懸濁液を提供することができる。
【0108】
例えば、経口用栄養含有懸濁液は、脂質の摂取を改変するのに有用でありうる (例えば、Singh et al., 2008, Prog Lipid Res, Dec 14 [Epublication]参照)。
【0109】
非経口又は経腸的栄養含有懸濁液は、胃腸管が遮断され、あまりにも短いか、又は炎症されたか、又は他の理由のために栄養の経口送達に耐えることができないかの理由で、静脈栄養が必要である一般的手術患者に有用でありうる。こうした懸濁液は、また、食欲不振、粘膜炎及び胃腸不全になりうる化学療法を受けている患者に有用である。
【0110】
栄養補助組成物(nutritional support compositins)の例示には、次のものを含んでなるものが含まれるが、こうしたものに限定されない:
・不溶性塩類、
・親油性ビタミン類、
・不溶性ファイバー製剤、
・完全な、ポリマー主要栄養素製剤。
【0111】
本発明のこの組織化された界面活性剤系及び組成物は、また、非経口的に、例えば、静脈内、関節内、動脈内、腹腔内、鞘内(intra-thecally)、脳・心室内(intraventricularly)、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、小胞内又は皮下に投与するか、あるいはそれらは点滴手法によって投与することができる。この組成物は、必要により、適切に緩衝化することができる(好ましくは、3〜9のpHに)。
【0112】
非経口投与に適する組成物は、抗酸化剤、バッファー、静菌薬及び製剤を対象とするレシピエントの血液と等張にする溶質を含む。この組成物は、単回用量又は多数回用量容器内に存在することができ、例えば、密封アンプル及びバイアルがある。即時注入懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。
【0113】
本発明のこの組織化された界面活性剤系及び組成物は、また、鼻腔内か、又は吸入によって投与することもでき、そして、適切なプロペラント、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロ−メタン、ジクロロテトラフルオロ−エタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A3)又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA3)のようなヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素又は他の適切なガスを使用して、加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーから送達するのが好都合である。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、定量を送達するためのバルブを設けることによって算出することができる。加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーは、更に、潤滑油、例えば、ソルビタントリオレエートを含むことができる。
【0114】
あるいは、本発明の組織化された界面活性剤系及び組成物は、座剤又はペッサリーの形で投与するか、又はそれらはローション、クリーム又は軟膏の形で局所的に適用することもできる。それらは、また、眼経路、又は膀胱内に導入することによって投与することができる。
【0115】
本発明の第三の局面の、なお更なる実施態様では、この組成物は動物のヘルスケア製剤である。
【0116】
こうした製剤は、経口、肺、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、直腸、膣内、膀胱、腫瘍内、腫瘍周辺、又は局所的経路によって投与する場合の薬物を含むことができる。
【0117】
あるいは、この製剤は栄養価を高めた組成物又は栄養補助組成物でありうる(上記で述べたように)。
【0118】
本発明の更なる局面は、本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系を含んでなるイメージング(画像用)造影剤(imaging contrast media)を提供する。従って、本発明は、更に、イメージング造影剤として本明細書中に述べられている組織化された界面活性剤系の使用を提供する。
【0119】
こうした造影剤の例には、次のものを含んでなる組成物が含まれるが、それらには限定されない:
・イメージングのための金属コロイドを含んでいる画像用造影剤(image contrast agent)、
・免疫グロブリンと化学的に架橋している、銅、ビスマス及び関連化合物類(Chemically
cross-linking copper, bismuth and borne compound to immunoglobulins)(特定の組織に対するこうした元素の中で短命又は安定な同位元素を診断又は治療適用にターゲットをしぼるのに用いられる)、
・ポジトロン断層法放射性医薬品。
【0120】
本発明のなお更なる局面は、系の組織化された界面活性剤特性(流体系及び薄膜フィルムスキャニング系を含む)を維持するのに十分な大きさの単独又は複数の流体チャネルを通してサポートマトリクス(support matrix)を通過することによって粒子検出及び分析が可能になる、透過(transmission)、位相コントラスト、蛍光、蛍光寿命、生物発光、化学発光、異方性、光散乱を含み、光回収を伴う、粒子の分析のためにサポートマトリクス(support matrix)として使用するための本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系を提供する。例えば、この組成物は、フローサイトメーター(flow cytometer)の改変によって粒子の分析のためのサポートマトリクスとして役立つことができる。
【0121】
好ましくは、この粒子は標準的な蛍光顕微鏡法によって分析する。
【0122】
この粒子は、回収されたイメージデータを数学的プロセシング(デコンボリューションを含む)に付し、深度特異的(depth-specific)情報が提供される、共焦点レーザー走査顕微鏡法、多光子励起レーザー走査顕微鏡法(multi-photon excitation laser scanning
microscopy)、又は蛍光顕微鏡法によって分析することがより好ましい。
【0123】
光によって、光源が蛍光分子、例えば、緑色の蛍光タンパク質及び/又はスペクトルバリアント及び/又はその安定性バリアント(stability variants)を発現するように操作された細胞のような蛍光分子を発現するような細胞内の遺伝的にコードされたコンストラクトからもたらされるのが好都合である。
【0124】
更なる好ましい実施態様では、組織化された界面活性剤系は、粒子の多次元分析[例えば、3D(x,y,z)イメージングによる]、時間(動態)分析及びラムダ(スペクトル)分析のためのサポートマトリクスとして役立つ。
【0125】
あるいは、この組織化された界面活性剤系は、粒子の動態解析(kinetic analysis)のサポートマトリクスとして役立ちうる。
【0126】
本発明の第一の局面の特に好ましい実施態様では、粒子の分析は、ハイスループットスクリーニングによって行う。
【0127】
別の好ましい実施態様では、サポートマトリクスは、光の回収を必要とする方法において較正(calibration)、光学的配列又は方位における使用のためである。例えば、この分析は、二若しくはそれより多い次元のオプティカルスライス(optical slices)内の較正目的、点広がり関数(point-spread function)の決定及びイベントオリエンテーション(event orientation)のためでありうる。
【0128】
代替的な好ましい実施態様では、この組成物は、粒子包埋剤(particle mountant)として役立つ。
【0129】
本発明のなお更なる局面は、例えば、製造方法の一部として生じた粒子又は偶然放出された粒子、[例えば、サブマイクロ〜粒子>20ミクロン(空気力学直径)]であり、そして、例えば、急性健康ハザードを引き起こすか、又は製造方法及び目的にとって興味のある放射性特性を有するには十分な活性(>100kBq)を有している放射性粒子の捕捉(capture)、単離(isolation)、検出(detection)及び/又は分析のためのサポートマトリクスとして使用するための本発明の第一の局面による組織化された界面活性剤系を提供する。
【0130】
この組成物は、また更に、一つ又はそれより多い次の添加剤を含んでいてもよい:
1.細胞固定薬品、例えば、パラホルムアルデヒド(PFA);
2.化学誘引物質、すなわち、細胞外に存在し、応答細胞中で方向付けられた運動性を誘発する化学薬品;
3.細胞保護又は生物学的修飾(例えば、成長因子又はシグナル伝達分子)の目的のための添加剤(excipient);
4.細胞又はレポーター分子での光照射の光物理学的及び/又は光化学的作用を修飾する(modifying)目的のための添加剤(例えば、この添加剤は、蛍光レポーター分子の光退色を減少させるか、又は細胞外蛍光レポーター分子の光退色を増進することができる);及び/又は
5.光放射を介して低エネルギーベータ−放射核種(nuclides)(例えば、3H,14C,35S)の検出を可能にするシンチレーション液体。
【発明を実施するための形態】
【0131】
本発明は、次の実施例によって説明されることになるが、それとは反対である述べない限り、比率は、すべて、組成物の重量を基準にして重量%である。各場合において、残りは水であった。
【0132】
〔実施例〕
実施例I
3.6%オレイン酸及び8.4%スクロースステアラートを、水と共に85℃に加熱し、そして高せん断ミキサー内で均質になるまで激しく混合した。この混合物は、無味であり、濁っていて半透明であり、そして大きな気泡が浮遊することが可能であった。偏光顕微鏡のもとで、極めて微細な粒状組織が観察され、0.5μ以下の直径を有するスフェルライト(spherulites)の状態の密集した球状の系を示していた。二つのSAXSピークを、7nm及び37.5nmで観察した。
【0133】
実施例II
10%パラセタモール粉末を撹拌して、実施例Iの組成物中に入れた。この生成物は安定な可動性の懸濁液であり、45℃で6ヶ月後、沈降をまったく示さなかった。
【0134】
実施例III
オレイン酸 2.55
スクロースステアラート 5.95
スクロース 44.89
上記成分を、高せん断ミキサーを用いて85℃で水と混合した。この生成物は、偏光顕微鏡で見た場合、安定であり、均質であり、球状である組織化された系であり、1〜2μの直径のディスクの密集という特徴的な組織を示し、それぞれははっきりと明確な減衰交差(extinction crosses)を示した。小角X線散乱によって示されるように、ラメラの繰り返し間隔は極めて大きく、100nmを超えていた。10%パラセタモールと共に撹拌すると、安定な、可動性の、心地よい味の懸濁液が形成され、これは4ヶ月後でも分離をまったく示さなかった。
【0135】
実施例IV
脂肪酸の糖エステルに対する最適な割合を決定するために、一連のサンプルをスクロースステアラートに対するオレイン酸の様々な割合を用いて調製し、そして、総濃度12%(重量)でそれぞれを水に溶解した。懸濁能力を振とうすること、そしてもしあったとしても、安定に懸濁されうるであろう気泡のサイズを観察することによってチェックした。懸濁系を、1.5:8.5と3.5:6.5の間での重量割合で観察したが、最善の懸濁は、1.5:8.5と2.5:7.5の間、殊に約2:8で観察された。
【0136】
実施例V
1(非懸濁ミセル)と懸濁球状相の間の界面を、系1:4(w/w) オレイン酸:スクロースステアラート、水、0〜50%(重量)スクロースにプロットした。懸濁系を提供するのに必要な界面活性剤の最小濃度を下記の表に示す。
【表1】

【0137】
実施例VI
水、20% スクロース、7〜11% 界面活性剤(1:4オレイン酸:スクロースステアラート)を含む組成物の粘度を、21s-1及び20℃で、ブルックフィールド粘度計(Brookfield viscometer)で測定した。結果を次の表で示す。
【表2】

はっきりした変曲点が界面で生じた(10% 界面活性剤、実施例V中で示されている通り)。
【0138】
実施例VII
実施例VIからの10.5% 界面活性剤系を、10%(重量)[混合物の総重量を基準]のパラセタモールと混合した。この混合物(9.45% 界面活性剤、18% スクロース、10% パラセタモール)は、非沈降性であり、そして1560cpsのブルックフィールド粘度を有していた。
【0139】
実施例VIII−XI
【表3】

上記の製剤は、示されたオーダーの成分を、67%(W/W)水性糖溶液から始めて、穏やかに撹拌しながら添加し、空気連行(air entrainment)を避けることによって調製した。
この生成物は、容易に注入可能(pourable)であり、そして実験室周囲温度、45℃又は5℃で3ヶ月放置後、分離の兆候は全く示さなかった。懸濁系(パラセタモールが入っていない組成物)は、偏光顕微鏡で見たとき球状であった。小角X線回折による繰り返し間隔は100nmを超えていた。
実施例VIII、XI及びXIは、比較のためのみに含まれている;これらは本発明の組織化された界面活性剤系を構成していない。
【0140】
実施例VIII
実施例VIからの11% 界面活性剤系を、10%(重量)[混合物の総重量を基準]
のカオリンと混合した。カオリンは、不溶性の粒子物質の例示として懸濁液を維持するための組織化された界面活性剤系の能力を示すのに使用された。
この混合物は3ヶ月に渡って非沈降性であった。
【0141】
実施例IX
実施例VIIIを、11.5%の総界面活性剤(重量)を用いて繰り返した。この混合物は3ヶ月後に非沈降性であった。
【0142】
実施例X−XVII
実施例VIから四部分の10.5%の界面活性剤系と、四部分の11%の界面活性剤系を、それぞれ、10%(重量)[混合物の総重量を基準]のカオリン、そしてそれぞれ、0.25%、0.5%、0.75%及び1%の塩化ナトリウムと混和した。この混合物は3ヶ月に渡って非沈降性であった。
【0143】
実施例XVII−XLI
実施例X−XVIIを、オレイン酸:スクロースエステルの比が、それぞれ、2:7、2:6及び2:5である界面活性剤を用いて繰り返した。この混合物は、3ヶ月に渡って非沈降性であった。
【0144】
実施例XLII−LXXVI
実施例VII−XLIを、スクロースステアラートの代わりに、スクロースオレアートを用いて繰り返した。この生成物は、3ヶ月後に非沈降性であった。
【0145】
実施例LXXVII−CXI
実施例VII−XLIを、スクロースステアラートの代わりに、スクロースラウラートを用いて繰り返した。この生成物は3ヶ月後に非沈降性であった。
【0146】
実施例CXII−CCXVII
実施例VII−CXIを、オレイン酸の代わりにラウリン酸を用いて繰り返した。この生成物は3ヶ月に渡って非沈降性であった。
【0147】
実施例CCXVIII−CCXXVII
次の製剤は、3ヶ月に渡って非沈降性であった。
【表4】

【0148】
付加実施例
実施例CCXVIII−CCXXVIIを、更に‘安定化剤(stabiliser)’としてのレシチン[‘大豆レシチン粉末(soy lecithin powder)’−Lucas Meyer Cosmetics Franceから入手可能]を、0.1、0.2及び0.3%(重量)[混合物の総重量を基準]の濃度で含有させて繰り返した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体を懸濁させることができる組織を形成するのに十分な界面活性剤とともに、水と、0から飽和までの糖を含んでなる組織化された界面活性剤系であって、該界面活性剤が、(i)主要部分としての10より大きいHLBを有する、少なくとも一つの糖エステル及び/又はトリテルペノイドグリコシド(サポニン);及び(ii)非主要部分としての少なくともひとつの脂肪酸及び/又はレシチンの混合物を含んでなる、組織化された界面活性剤系。
【請求項2】
界面活性剤が非イオン性である、請求項1に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項3】
界面活性剤の総濃度がciより大きい、請求項1又は2に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項4】
界面活性剤の総濃度が(ci+0.5)%と(ci+10)%の間である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項5】
主要部分が12より大きい、及び/又は20より小さいHLBを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項6】
主要部分が14より大きい、及び/又は17より小さいHLBを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項7】
糖エステルを含んでなる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項8】
糖が、スクロース、フルクトース、マルトース、グルコース及び転化糖から成る群から選択される、請求項7に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項9】
糖がスクロースである、請求項8に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項10】
糖が、マンノース、リボース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソース、エリスロース、トレオース、アクロース、ラムノース、フコース、グリセルアルデヒド、スタキオース、アガボース及びセロビオースから成る群より選択される、請求項7に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項11】
エステルが、オクタノアート、デカノアート、ラウラート、ミリスタート、パルミタート、ステアラート、ベヘナート、オレアート、リノレアート、リノレナート、エルカート及びその混合物からなる群より選択される、請求項7〜10のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項12】
エステルが、オレアート、ステアラート、ラウラート及びリノレナートからなる群より選択される、請求項7〜11のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項13】
糖エステルが、スクロースオレアート、スクロースラウラート、スクロースステアラート及びスクロースリノレナートから成る群より選択される、請求項7〜12のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項14】
糖エステルの濃度が、界面活性剤の総濃度を基準にして、10%より多い、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項15】
糖エステルの濃度が、界面活性剤の総濃度を基準にして、50%より多い、請求項14に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項16】
トリテルペノイドグリコシド(サポニン)を含んでなる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項17】
トリテルペノイドグリコシドがキラヤ樹皮エキスである、請求項16に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項18】
非主要部分が、8より小さい、及び/又は2より大きいHLBを有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項19】
非主要部分が、5より小さい、及び/又は3より大きいHLBを有する、請求項18に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項20】
脂肪酸を含んでなる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項21】
脂肪酸が、界面活性剤の総重量に対して少なくとも10%から成る、請求項20に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項22】
脂肪酸が、界面活性剤の総重量に対して少なくとも30%から成る、請求項21に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項23】
界面活性剤が、脂肪酸及び/又はレシチンと比較して少ない割合の、脂肪酸の非アルコキシ化グリセリル又はソルビタンモノエステル、及び/又は脂肪アルコールを含んでなる、請求項1〜22のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項24】
レシチンを含んでなる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項25】
レシチンが、界面活性剤の総重量に対して0.1%と1%の間を構成する、請求項24に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項26】
界面活性剤の平均HLBが、7と13の間である、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項27】
界面活性剤の平均HLBが、9.5と11の間である、請求項26に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項28】
組織化剤を含んでなる、請求項1〜27のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項29】
組織化剤が糖である、請求項28に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項30】
糖が、スクロース、フルクトース、マルトース、グルコース及び転化糖から成る群から選択される、請求項29に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項31】
糖が、スクロースである、請求項30に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項32】
糖が、マンノース、リボース、ガラクトース、ラクトース、アロース、アルトロース、タロース、グロース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソース、エリスロース、トレオース、アクロース、ラムノース、フコース、グリセルアルデヒド、スタキオース、アガボース及びセロビオースから成る群より選択される、請求項29に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項33】
組織化剤の総濃度が10%より大きい、請求項28〜32のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項34】
一つ又はそれより多い電解質を更に含んでなる、請求項1〜33のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項35】
電解質が、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム及びクエン酸ナトリウムから成る群より選択される、請求項34に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項36】
電解質の量が、好ましくは10%w/wより少ない、請求項34又は35に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項37】
系が球状からなる、請求項1〜36のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項38】
次のもの:
(a)オレイン酸、スクロースステアラート及び水;
(b)オレイン酸、スクロースステアラート、スクロース及び水;
(c)オレイン酸、スクロースステアラート、水及び塩化ナトリウム;及び/又は
(d)オレイン酸、スクロースステアラート、スクロース、水及び塩化ナトリウム
を含んでなるか、又は、から成る、請求項1〜37のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項39】
オレイン酸とスクロースステアラートを、1.5:8.5と3.5:6.5の間、好ましくは、1.5:8.5と2.5:7.5の間、そして最も好ましくは約2.8の重量比でを含んでなる、請求項38に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項40】
スクロースを、最高50%(重量)まで、より好ましくは10%〜40%(重量)、例えば、20%(重量)の濃度で含んでなる、請求項38又は39に記載の組織化された界面活性剤系。
【請求項41】
医薬的又は獣医学的に活性な成分を懸濁するための請求項1〜40のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系の使用。
【請求項42】
請求項1〜40のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系と、医薬的又は獣医学的に活性な成分を含んでなるか、又は、から成る薬剤組成物。
【請求項43】
組成物が、注入可能であり、非沈降性の医薬的又は獣医学的に活性な成分の懸濁液である、請求項42に記載の薬剤組成物。
【請求項44】
医薬的又は獣医学的に活性な成分が、小分子化学化合物、タンパク質及びポリペプチド、DNA、オリゴヌクレオチド、ベクター、細胞、ワクチン、ナノ粒子及びバイオマーカーから成る群より選択される、請求項41に記載の使用、又は請求項42若しくは43に記載の薬剤組成物。
【請求項45】
活性成分が不溶性であり、及び/又は粒子状である、請求項44に記載の使用又は組成物。
【請求項46】
活性成分が、抗真菌剤、整形外科的状態の処置のための薬剤、難溶解性薬物、抗ウイルス性(例えば、HIV)プロテアーゼ阻害剤、抗不安薬、鎮痙剤、睡眠薬、鎮静剤、骨格筋弛緩薬及び健忘症特性、免疫抑制剤、プロテアーゼ阻害剤系からの抗レトロウイルス薬:フォートベイス(R)(サキナビル)、ノービア(R)(リトナビル)、抗ウイルス剤及び補酵素、うっ血性心不全に伴う浮腫の処置に使用される薬剤、抗生物質、関節リウマチによって引き起こされる炎症及び疼痛の処置のために使用される薬物、抗寄生虫薬、鎮痛剤、抗炎症剤、血液凝固の制御における血液学的適用を有する薬剤、ほとんど水に溶けにくい抗がん薬、抗白血病剤:例えば、6−メルカプトプリン、抗体成分を含む薬剤、化学療法剤、親油性であるか、親油性にしうる化合物、1,3−ビス(2−クロロエチル)−1−ニトロソ尿素(“カルムスチン”、又は“BCNU”)、クロラムブシル、メルファラン、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン(“アドリアマイシン”)、エピルビシン、アクラルビシン、イダルビシン、ビサントレン(ビス(2−イミダゾレン−2−イルヒドラゾン)−9,10−アントラセンジカルボキサルデヒド、ミトキサントロン、メトトレキサート、エダトレキサート、ムラミルトリペプチド、ムラミルジペプチド、リポ多糖類、9−b−d−アラビノファイラノシルアデニン(“ビダラビン”)及びその2−フルオロ誘導体、レスベラトロール、オールトランス−レチノイン酸及びレチノール、カロテノイド類、タモキシフェン、パルミトイルリゾキシン、DUP941、マイトマイシンB、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、E09、ペンクロメジン、インターフェロンα2b、ダカルバジン、ロニダミン、ピロキサントロン、アントラピラゾール類、エトポシド、カンプトテシン、9−アミノカンプトオテシン、9−ニトロカンプトテシン、カムプトテシン−11(“イリノテカン”)、トポテカン、ブレオマイシン、ビンカアルカロイド及びそのアナログ[ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビントリポール、ビンキサルチン、アンシタビン]、6−アミノクリセン、ナベルビン、タキソールの模倣薬類、エレウセロビン類、サルコジクチイン類、ジスコダーモライド類、エポチオロン類、ニフェジピン(NIF)のような水にほとんど溶解しない薬物、フェロジピン及び他の血管薬から成る群より選択される、請求項44又は45に記載の使用又は組成物。
【請求項47】
組成物が経口投与に適している、請求項42〜46のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
【請求項48】
組成物がニュートラシューティカル組成物である、請求項47に記載の薬剤組成物。
【請求項49】
組成物が栄養補助製品である、請求項47に記載の薬剤組成物。
【請求項50】
組成物が非経口投与に適している、請求項42〜47のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
【請求項51】
組成物が、静脈内、関節内、動脈内、腹腔内、鞘内、脳・心室内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、小胞内又は皮下に投与することに適している請求項50に記載の薬剤組成物。
【請求項52】
組成物が、吸入による投与に適している請求項42〜46のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
【請求項53】
組成物が動物ヘルスケア製剤である、請求項42〜52のいずれか1項に記載の薬剤組成物。
【請求項54】
請求項1〜40のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系を含んでなるイメージング造影剤。
【請求項55】
集光が必要とされる粒子の分析のためのサポートマトリクスとしての、請求項1〜40のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系の使用。
【請求項56】
放射性粒子の捕捉、単離、検出及び/又は分析のためのサポートマトリクスとしての、請求項1〜40のいずれか1項に記載の組織化された界面活性剤系の使用。
【請求項57】
本明細書中、発明の詳細な説明に準拠して実質的に述べられている組織化された界面活性剤系。
【請求項58】
本明細書中、発明の詳細な説明に準拠して実質的に述べられている界面活性剤系の使用。
【請求項59】
本明細書中、発明の詳細な説明に準拠して実質的に述べられている薬剤組成物。
【請求項60】
本明細書中、発明の詳細な説明に準拠して実質的に述べられているイメージング造影剤。

【公表番号】特表2011−515331(P2011−515331A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545550(P2010−545550)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000332
【国際公開番号】WO2009/098469
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510214078)バイオサスペンションズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】