説明

新規貯蔵安定性光硬化性コーティング組成物

エポキシ末端シリコーン及びカルビノール末端シリコーンポリマーにアルキルフェノール及びヨードニウム光触媒添加剤を配合したブレンドは、貯蔵安定性を有する一液型紫外線又は電子線硬化性剥離コーティング組成物をなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は改良された紫外線硬化性シリコーン剥離コーティング組成物に関する。さらに具体的には、本発明はテレケリック反応性有機官能性ポリジオルガノシロキサンシリコーンポリマーとアルキルフェノール及び相溶性オニウム型光触媒とのブレンドに関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーンコーティング組成物は剥離(不粘着性)コーティング、保護コーティング、及びコンフォーマルコーティングを始めとする数多くの用途に有用である。これらのコーティングは、コーティング組成物を容易に塗工できるように粘度を十分下げるため溶剤系中の分散液又は水中エマルジョンとして基材に塗工されることが多い。溶剤の存在は、水にしても適当な低沸点有機溶剤にしても、それらを蒸発させる必要がある。そのため、シリコーンコート製品の加熱は、溶剤除去と熱による硬化という2つの目的を果たすものであった。以下の2つの重要な理由から、溶剤をなくすのが望ましい。ある種の有機溶剤は環境及び/又は安全面で有害であり、蒸発操作がなくなればコート製品の製造に要するエネルギーが減る。熱硬化段階の必要性がなくなれば、化学線又は電子線照射のいずれかを用いた照射硬化のような別の硬化機構の検討が可能になる。
【0003】
コーティング組成物に有機溶剤が存在しなければ、コストのかかる汚染物除去設備は必要なくなり、硬化に要する所要エネルギーが減る。ある種のシリコーンコーティング組成物が溶剤希釈によって粘度を下げないと塗工の困難な濃厚で粘稠な混合物である限り、溶剤が存在しないと不都合を生じる。そのため、かかる材料では、欠陥のない均一で薄いコーティングを得ることは困難である。ある種の光触媒、特に極性オニウム型光触媒では、それらを非極性シリコーンコーティング混合物中に溶解できるように相溶化溶剤の存在が必要とされることがある。
【0004】
シリコーン組成物は、通常は粘着してしまうような材料との不粘着性を表面に付与するために長い間使用されている。例えば米国特許第4279717号に教示されたエポキシ官能性シリコーンは、ある種の相溶性ヨードニウムカチオン性光触媒と組み合わせると剥離コーティング用に有用であることが知られている。エポキシシリコーン剥離コーティングは最低限のエネルギー消費で高速加工ができる。コーティング組成物の粘度が室温で1000センチストークス(cstk)を超えると、組成物に溶剤が存在しないと、特に1gm/m程度の薄いコーティングが望まれる場合、組成物は塗工が困難になる。加工設備による粘度の制約は、シリコーン組成物の分子量及びエポキシシリコーンのような線状官能化光硬化性液体シリコーンを制約する。光触媒の混和性又は溶解性の必要性、迅速な光硬化応答及び良好な剥離性能の必要性によって、さらに制約が加わる。線状シリコーン分子のエポキシ官能基としてエポキシシリコーン中のエポキシ含有量が高いと、オニウム光触媒とシリコーンとの相溶性及び迅速な光硬化性は改善される傾向があるものの、プレミアム特性つまり小さな力で剥離する特性にはエポキシ含有量が低いことが必要とされる。
【特許文献1】米国特許第4279717号明細書
【特許文献2】米国特許第5258480号明細書
【特許文献3】米国特許第5814679号明細書
【特許文献4】米国特許第5034491号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用時に反応性成分を混合しなくてもすぐに使用できる一液型製品のようなコーティング材料を提供することによって、無溶剤シリコーン剥離コーティング組成物の使い易さを改善できれば極めて望ましい。熱硬化性シリコーン剥離剤は本質的に混合ポットライフが短いため一液型製品として処方できないが、光硬化性シリコーン剥離剤については、処方した混合物が非露光下の通常の貯蔵条件下で架橋(硬化)反応を起こさずに長期間安定であれば一液型製品として提供できる。従来の多官能性エポキシシリコーンは、オニウム型触媒とブレンドすると不安定なUV硬化性コーティング組成物を生じ、時間経過とともに懸濁液から混和性の不十分なヨードニウム触媒が沈積したり、使用前にポリマーが架橋してユーザーには無価値なものとなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ある種のテレケリック反応性シリコーン、つまり連鎖停止剤部位に反応性官能基を有するが、ポリマー鎖の他の部位には反応性官能基をもたない線状ポリジアルキルシロキサンを、アルキルフェノール添加剤及び相溶性ヨードニウム塩光触媒と組み合わせると、慣用基材に容易に塗工できて、しかも紫外線に露光すると効率的に硬化して不粘着性コーティングを生じる驚くほど安定な光硬化性組成物を与えるという知見に基づく。
本発明の組成物は、塗工して硬化すると、テープ又はラベルの形態の従来の感圧接着剤(PSA)からの剥離特性及び剥離性能に関して比類のない有用な特性及び性能を与える。
【0007】
そこで、本発明は、以下の成分a)〜d)を含んでなる紫外線又は電子線硬化性シリコーンコーティング組成物を提供する。
a)M、MGEGE、MGE及びこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ末端線状シリコーンであって、25℃で約10〜約1000センチストークスの粘度を有するエポキシ末端線状シリコーン
(式中、M=(CO(CHCH)(CHSiO1/2であり、
GE=(CH(O)CH)O(CH(CHSiO1/2であり、
D=(RSiO2/2であり、
xは0又は正の整数であり、RはC〜C60一価炭化水素基である。)、
b)カルビノール官能性シリコーン、好ましくはMROHROHからなる群から選択されるもの
(式中、MROHはHO(CH(CHSiO1/2、(HOCH(C)C(CH(CHSiO1/2及びHOCHCH(OH)CHO(CH(CHSiO1/2からなる群から選択され、yは25℃におけるカルビノール官能性シリコーンの粘度が約50〜5000cstkとなる整数である。)、
c)有効量のビス(アルキルフェニル)、アルキルフェニル(フェニル)又はアルコキシフェニル(フェニル)ヨードニウム塩光触媒であって、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ酸及びこれらの混合物からなる酸の群の塩から選択される光触媒、
d)R−C5−b−OHからなる群から選択されるアルキルフェノール化合物
(式中、RはC〜C60直鎖アルキル、C〜C60枝分れアルキル、C〜C60直鎖アルケニル及びC〜C60枝分れアルケニル基からなる群から選択される一価炭化水素基から独立に選択され、R基はフェノール性OH官能基に対してα−、β−又はγ−位のいずれにあってもよく、b=1、2、3、4又は5である。bが2以上のとき、「独立に選択」とは、C5−b核の各R置換基が同一でもよいし、異なっていてもよいことを意味する。
【0008】
上記テレケリック反応性シリコーンポリマーの添字x及びyは種々変更でき、各テレケリック官能性シリコーンポリマーの相対量も所望範囲内の粘度を与えるという条件付きで種々変更し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明で提供するエポキシ官能性液体ポリジオルガノシロキサンは、さらに具体的にはジアルキルエポキシシロキシ末端ポリジアルキルシロキサンポリマーである。カルビノール官能性ポリジオルガノシロキサン液は、さらに具体的にはジアルキル(HOR)シロキシ末端ポリジアルキルシロキサンポリマーであって、各連鎖停止剤単位(末端シロキシ)は、炭化水素連結基を介して末端ケイ素原子と結合した末端ヒドロキシ基を1個以上有する。
【0010】
エポキシ官能基は、米国特許第5258480号に教示されているように、ジアルキルハイドロジェンシロキシ連鎖停止剤基の水素原子を、エチレン性不飽和とエポキシド官能基とを共に有する有機分子とのヒドロシリル化付加反応によって反応させて得られる。
【0011】
カルビノール官能基は、米国特許第5814679号に教示されているように、HO−R−基とエチレン性不飽和とを共に有する有機分子を、ジアルキルハイドロジェンシロキシ連鎖停止剤基の水素原子と同様に反応させて得られる。
【0012】
テレケリック反応性ジメチル−オルガノシロキシ末端線状ポリジアルキルシロキサンのアルキル基は好ましくはメチル基である。エチレン性不飽和エポキシ又はエポキシドモノマーは、好ましくは、4−ビニルシクロヘキセンオキシド(VCHO)、ビニルノルボルネンモノオキシド、リモネンモノオキシド又はジシクロペンタジエンモノオキシドのような不飽和脂環式エポキシ化合物である。エチレン性不飽和カルビノール又はポリ(カルビノール)モノマーは、好ましくは、アリルアルコール、グリセロールのモノ−アリルエーテル又はトリメチロールプロパンのモノ−アリルエーテルである。
【0013】
シリルヒドリド含有ポリシロキサンの官能化に用いられるヒドロシリル化反応は、好ましくは痕跡量の第VIII族貴金属化合物によって触媒される。本明細書において、第VIII族貴金属とは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群を定義される。
【0014】
水素官能性シロキサン前駆体液は、1,1,3,3−テトラメチルシロキサンを始めとする任意の鎖長のジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサンから選択し得る。
【0015】
アルキルフェノール類は周知の化合物であり、多くのプラスチック加工及び用途の添加剤として広く用いられている。本発明での使用に最も好ましいアルキルフェノールは、4−ノニルフェノール、4−ドデシルフェノール(DDP)及び2−アリルフェノールを始めとする化合物である。なお、市販のDDPは通常アルキル基の鎖長がC10〜C14の各種アルキルフェノールの混合物であり、直鎖基だけでなく枝分れ基を含んでいる。
【0016】
上記に挙げた化合物の化学式は、置換基の位置異性を考慮せずに記載した。これらの一般式の特定の構造の異性体は市販されており、それらの具体例を実施例で用いて、実施法及び有用性を例証した。そこで、同じ実験式及び分子式をもつ幾何異性体も同様に本発明の目的に十分作用すると予測されることから、特許請求の範囲ではこれらの化合物を一般構造で記載した。
【0017】
今回、上述のエポキシ末端シリコーンポリマーとカルビノール末端シリコーンポリマーをアルキルフェノールで希釈したものを混和性ビスアリールヨードニウム触媒と組み合わせると、得られる混合物は紫外線又は電子線照射によって硬化反応を開始させることができ、光重合シリコーンとアルキルフェノールが組み込まれた固体シリコーン剥離コーティングを形成することが判明した。また、こうした特定の反応性シリコーンポリマーとアルキルフェノールとヨードニウム光触媒の混合物は極めて長い有効貯蔵寿命を有するので、この他に類をみない材料の組合せは、ユーザーによる混合その他の作業を一切必要としない一液型光硬化性シリコーン製品として製造できるという予想外の知見も得られた。さらに、こうした一液型UV硬化性組成物の十分硬化したコーティングの剥離性能特性は、従来の多官能性UV硬化エポキシシリコーン系剥離コーティングの剥離性能特性とは異なり、無溶剤型熱硬化性シリコーンコーティングで得られるものに匹敵する動的剥離プロファイルを与えるという知見も得られた。本発明の組成物の長い有効貯蔵寿命及び剥離性能はいずれも、テレケリック構造の反応性シリコーンポリマー、つまり分子の連鎖停止部位だけに反応性有機官能基を有する線状ポリジメチルシロキサンポリマーを専ら使用することに起因するものと思料される。
【0018】
本発明の紫外線硬化性又は電子線硬化性エポキシ官能性シリコーン組成物は、特に限定されないが、スーパーカレンダークラフト(SCK)紙、グラシン紙、ポリエチレンクラフト(PEK)紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエステルフィルムを始めとするセルロース系又はプラスチックフィルム基材に塗工し得る。電子線又は紫外線によって開始される反応で液体シリコーン剥離コーティングが硬化して、塗工した基材上に固体非粘着性つまり不粘着性剥離面を形成する。
【0019】
米国特許第5034491号に教示されているようなアクリレート官能性シリコーンも光開始剤存在下で光硬化性であり、一液型光硬化性剥離コーティングとして処方し得る。さらに一般的なラジカル光開始剤の存在下で光硬化し得る光硬化性アクリレートシリコーン組成物には、通例、ヒドロキノンのような安定剤が必要とされる。ベンゾフェノン及びその誘導体のような代表的慣用光開始剤は、安定剤と同様、概してシリコーン媒体中の溶解性が不十分である。溶解度が低いため、こうした必要な添加剤の適切な選択に関して問題が生じる。ラジカル光硬化性シリコーン系に関するもう一つの問題は、酸素の存在によって惹起される硬化阻害であり、そのため、迅速な硬化応答のための紫外線照射時に塗工基材を窒素のような不活性雰囲気下におく必要がある。紫外線又は電子線硬化チャンバーを不活性雰囲気に保つことは実現可能ではあるが、不活性雰囲気のための要件によって塗工及び硬化プロセスが複雑になり、コストもかかる。
【0020】
Eckberg他の米国特許第4279717号に教示されているような紫外線及び/又は電子線硬化性エポキシシリコーンポリマーが、酸素存在下での阻害の問題を起こさずに、ある種の相溶性オニウム型カチオン性光硬化触媒の存在下で効率的に硬化することは既に明らかにされている。こうしたエポキシシリコーン組成物は、基材に高い塗工速度で塗工できるポリマーの厚さ約0.5〜2.0μmの無欠陥コーティングの必要性並びに基材との良好な接着性を維持しながらこうした光硬化性組成物を紫外線露光で迅速に光硬化させる必要性から、粘度及びエポキシ含有量が狭い範囲に制約される。
【0021】
無溶剤シリコーンの高速塗工に常用されている3本ロールオフセットグラビア又はマルチロールフィルムスプリッティング塗工法では、シリコーンの粘度が塗工温度で20〜2000センチストークスの範囲内にあることが必要とされ、迅速な硬化には、オニウム型触媒の溶解を促進するとともに系の高い反応性を担保するためエポキシシリコーン分子中に十分な量の反応性オキシランが存在することが必要とされる。液体シリコーン組成物中で反応するオキシランが多すぎると、望ましい剥離性能をもつ光硬化エポキシシリコーン組成物は得られなくなる。
【0022】
本発明のコーティング組成物に配合されるエポキシ官能性シリコーンは、好ましくは以下の群から選択される。
a)M、MGEGE、MGE及びこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ末端線状シリコーンからなる群から選択されるエポキシ官能性シリコーン。
式中、M=(CO(CHCH)(CHSiO1/2であり、
GE=(CH(O)CH)O(CH(CHSiO1/2であり、
D=(RSiO2/2であり、
xは0又は正の整数であって、25℃におけるエポキシ末端線状シリコーンの粘度が約10〜約1000センチストークスであり、RはC〜C60一価炭化水素基であり、xは正の整数であって、25℃におけるエポキシ官能性シリコーンは約10〜1000センチストークスである。Rは好ましくはメチルである。
【0023】
本発明のコーティング組成物に配合されるカルビノール官能性シリコーンは、MROHROHからなる群から選択される。
式中、MROHはHO(CH(CHSiO1/2、(HOCH(C)C(CH(CHSiO1/2及びHOCHCH(OH)CHO(CH(CHSiO1/2からなる群から選択され、yは25℃におけるカルビノール官能性シリコーンの粘度が約50〜5000cstkとなる整数である。
【0024】
追加成分はR−C5−b−OHからなる群から選択されるアルキルフェノール化合物である。式中、RはC〜C60直鎖アルキル、C〜C60枝分れアルキル、C〜C60直鎖アルケニル及びC〜C60枝分れアルケニル基からなる群から選択される一価炭化水素基から独立に選択され、R基はフェノール性OH官能基に対してα−、β−又はγ−位のいずれにあってもよく、b=1、2、3、4又は5である。bが2以上のとき、「独立に選択」という用語は、C5−b核の各置換基Rが同一であっても、異なっていてもよいことを意味する。
【0025】
迅速で効率的な光硬化の必要性から、光開始剤及び光増感剤がそれらを配合する光架橋性組成物と自由に混和でき、好ましくは透明な溶液を形成するか、少なくとも安定な懸濁液又は分散液を形成することが要求される。本発明のエポキシ官能性及びカルビノール官能性光架橋性シリコーンの場合、オニウム型カチオン性光触媒はこれらの液体エポキシシリコーンと相溶性でなければならない。混和性の問題に対処するため、一般式((R−Ph)I)のヨードニウム塩が設計されており、Rは典型的には線状アルキレートグレードのドデシルベンゼン由来の各種アルキル断片の混合物であり、一般にドデシルと呼ばれているが、純粋なドデシルではない。ドデシルベンゼンの不純物に起因して、この化合物は純粋な化合物に比して凝固点降下を示し、そのため本発明のエポキシシリコーンと相溶性の非結晶性、非晶質、半液体状態で存在する傾向がある。このようなドデシルベンゼン由来のジフェニルヨードニウムカチオン型光硬化触媒は、紫外線硬化エポキシシリコーン剥離系用光触媒としての使用に十分に適合している。ヘキサフルオロアンチモン酸塩は、高い活性と優れた混和性とを併せもつ傾向があり、製造コストがさほど高くないので、本発明の組成物に最も好ましい。反応性希釈剤としてのアルキルフェノールは、本発明の組成物中でのヨードニウム塩光触媒の完全な溶解をさらに促進するのに非常に有効であることが今回判明した。
【0026】
本発明のUV硬化性一液型シリコーン組成物は、紙、金属、箔、ガラス、PEK紙、SCK紙並びにポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエステルフィルムを始めとするセルロース系その他の基材に塗工できる。本発明のエポキシ官能性シリコーン組成物はUV開始反応によって硬化して、塗工基材上に非粘着性・不粘着性表面を形成する。
【0027】
本発明の紫外線硬化性シリコーンコーティング組成物は、シリコーンコーティング組成物の紫外線開始硬化反応の触媒に有効なヨードニウム塩を、25℃で約10〜1000センチストークスの粘度を有するジアルキルエポキシシロキシ末端線状液体ポリジアルキルシロキサン及び25℃で約50〜5000センチストークスの粘度を有するジアルキル(カルビノール)シロキシ末端線状液体ポリジアルキルシロキサン及びコーティング媒体中でのヨードニウム塩触媒の完全な溶解を促進する十分に相溶性のアルキルフェノール添加剤と組み合わせることによって得られる。
【0028】
本発明で用いる好ましいUV開始剤つまり光触媒は、「線状アルキレート」ドデシルベンゼン由来のジアリールヨードニウム塩である。かかる塩は次の一般式を有する。
【0029】
((C2z+1)−Ph)−IY
式中、zは約6〜約18の整数であり、YはSbF、AsF、PF、又はBFであり、Phはフェニル基を表す。これらのビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム塩は広範なエポキシ官能性シリコーンのUV硬化に極めて有効開始剤である。最も好ましいのは、YがSbFである塩である。
【0030】
「線状アルキレート」ドデシルベンゼンは市販品として知られており、C〜C14α−オレフィン留分によるベンゼンのフリーデル・クラフツアルキル化によって製造される。その結果、これらのアルキレートは主に枝分れドデシルベンゼンを含んでいるが、実際には、エチルデシルベンゼンのようなドデシルベンゼンの他の異性体に加えて、ウンデシルベンゼン、トリデシルベンゼンなどの異性体が大量に存在している可能性がある。ただし、かかる混合物は、線状アルキレート由来の触媒の分散特性の原因となるものであり、材料を液状に保つのに役立つ。これらの触媒は室温で自由流動性の粘稠な液体である。
【0031】
ビス−ドデシルフェニルヨードニウム塩は、上記で説明してきたジアリールヨードニウム塩とは大きく異なる。これらはペンタン可溶性で、水に不溶性である。これらの枝分れ鎖で置換された塩の溶解性及び触媒効率の改善は、直鎖n−トリデシルベンゼン及びn−ドデシルベンゼンから調製される同様の塩との対比によってさらに強調される。これらの塩の具体例としては、長鎖線状炭化水素を有するヘキサフルオロアンチモン酸ビス(4−n−トリデシルフェニル)ヨードニウムが挙げられる。この塩は、ペンタンにも水にも溶解しないワックス状固体であり、本発明のコーティング組成物に利用されるエポキシ官能性シリコーンにはごく僅かしか分散しない。この触媒を剥離コーティングに用いると、UV硬化は非常に遅くなる。
【0032】
本発明のUV硬化性シリコーン組成物では、エポキシ末端線状シリコーン液を使用する。4−ビニルシクロヘキセンオキシドのように不飽和とオキシランとを併せもつエポキシ化合物は、シリルヒドリド官能性ポリシロキサンとヒドロシリル化反応によって反応する。ビニルシロキサン基とシリルヒドリド官能性ポリシロキサンとの同様のヒドロシリル化反応は、シリコーンポリマーの架橋又は硬化のための周知の手段である。
【0033】
エポキシ末端シリコーンは、その他、アリルグリシジルエーテル又はグリシジルアクリレート、ビニルノルボルネンモノオキシド及びジシクロペンタジエンモノオキシドのようなオレフィン基含有ビニル官能性又はアリル官能性化合物からも調製できる。シクロヘキシルエポキシ化合物が特に有用であるが、その他のビニル官能性脂環式エポキシ又はグリシジルエーテル化合物も、本発明の意図するところをさほど変更せずに使用できる。本発明の技術的範囲は、実施例で使用したエポキシド種に限定されない。
【0034】
エポキシ末端線状液体シリコーン及び(ポリ)カルビノール末端線状液体シリコーンは幾つかの方法で製造することができる。以下の実施例では、そうした方法を2通り例示するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。これらの実施例を参照して、その他の有機官能性液体中間体を得ることは当業者がなし得ることでる。本明細書で引用した米国特許の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【実施例】
【0035】
有機官能基末端シリコーンの調製
ポリマーAの調製
概略構造M22のジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサン310gを秤量して1L反応フラスコに入れた。このポリマーは粘度21.7cstkの液体であり、反応性Hを約1150ppm含んでおり、合計約0.36モルのSiH官能基が存在していた。ポリマー中のRh量を約5ppmとするのに十分な量のRhCl(BuS)のエタノール溶液をポリマーに加えた。この混合物を90℃で撹拌し、次いで4−ビニルシクロヘキセンオキシド46g(0.37モル)を15分かけて滴下したところ、発熱反応が起こってバッチの温度が125℃に上昇した。90℃に1時間保った後、反応混合物を赤外分析して、未反応のまま残留したHが10ppm未満であることを確認した。バッチに0.03gのメチルジ−ココアミン安定剤を添加してから、これを実験室規模の薄膜蒸発装置で200℃、0.5torrの真空で2時間処理して、過剰のVCHO及びシロキサン軽質分を除去した。脱揮した最終生成物は粘度57.2cstkの液体であり、150℃で45分間の減量試験によれば不揮発分99.3%であった。ポリマーAはM22と表すことができる。
【0036】
ポリマーBの調製
概略構造M130のジメチルハイドロジェンシロキシ末端ポリジメチルシロキサン200gを秤量して500mL反応容器に入れた。このポリマーは反応性Hを約205ppm含んでおり、合計約0.04モルのSiH官能基が存在していた。約5ppmのPtを与えるのに十分な量の慣用Karstedt白金ヒドロシリル化触媒溶液を加え、次いで6.1gのトリメチロールプロパンモノアリルエーテル(0.042モル)を加えた。混合物全体を80℃で2時間撹拌した後、赤外分光分析したところSiH官能基が全く存在しないことが判明した。反応生成物をポリマーAについて記載したものと同様の脱揮処理に付して、最終的に不揮発分98.8%、粘度900センチストークスのポリマー液体を得た。ポリマーBはM(ROH)2130(R0H)2と表すことができる。
【0037】
その他の配合成分
アルキルフェノール添加剤C
アルキル置換基が「ドデシルフェノール」を中心に−C17から−C1429まで分布する4−アルキルフェノールの各種異性体混合物からなる市販アルキルフェノールを、後述の組成物及び実験に用いた。
【0038】
光触媒溶液D
Ciba Specialties社のDY−025と呼ばれるアルキルグリシジルエーテル中の50%ヘキサフルオロアンチモン酸ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム溶液からなる市販品を、下記組成物及び実験に使用した。
【0039】
一液型光硬化性シリコーン組成物
上述の成分の以下に述べるブレンドは、4成分を単に混合して調製した。これらの組成物はすべて透明で均質な液体であった。仕込量を表1に示す。
【0040】
【表1】

上記の試験用一液型組成物と併せて、市販ポリエポキシ官能性ジメチルシリコーンポリマーUV9400(商標)100部に触媒Dを1部を加えた粘度250cpsの対照用混合物を調製した。
【0041】
これらの実験及び対照用光触媒コーティング混合物の調製後、様々な温度で暗所に貯蔵したときの時間の関数として各混合物の粘度を測定した。粘度が2倍になった時点が、無溶剤型反応性シリコーンコーティング組成物の貯蔵寿命を定義する任意尺度である。試料はすべて、ブルックフィールドLVFモデル粘度計を用いた粘度測定のため25℃に冷却し、次いで実験手順の温度制御環境に戻した。以下の表にこれらの測定結果を示す。
【0042】
【表2】

40℃での貯蔵寿命実験で予想外の結果が得られた。ヨードニウム触媒濃度は浴安定性に逆に影響し、DDP含有量も同様であった。ポリマーAとポリマーBとの比は、スクリーニングしたブレンドの範囲ではたいした影響をもたないことが認められた。40℃貯蔵寿命の検討結果に基づいて、上述の組成物の所定のものについて室温及び昇温下での安定性試験を実施した。結果を表3〜表5に示す。
【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
【表5】

上述の貯蔵寿命の研究から、テレケリック反応性線状ポリジメチルシロキサンをベースにしたユニークな処方のブレンドが有用な製品に十分な室温及び高温安定性をもつことが実証された。次いで、試験した一液型ブレンドの薄膜がすべて紫外線露光によって光硬化できることを実証した。試験した組成物A〜H及び対照ブレンドの各々を、機械仕上紙上にHDPEを押出して平滑で均一な表面としたものからなる基材(この基材はポリクラフト又はPKライナーと呼ばれる)に、ドクターブレードを用いて手作業で塗工して約1.5μm厚のコーティングとした。これらのコーティングを、RPC Lab UV Processorに装着した入力200W/inのHanovia社製中圧水銀ランプからの集束紫外線に露光した。マイグレーションのない不粘着面へとコーティングが硬化する最大コンベヤー速度(最低紫外線露光時間)を確立するためにコンベヤー速度を変化させ、同じランプ及びコンベヤー構成で上記Processorを通してEIT光度計を作動して、得られたUV照射量を記録した。定性的な硬化結果を以下に示す。
【0046】
【表6】

これらの結果には若干のバラツキはあるものの、UV光への短時間露光で、すべての組成物が同程度の迅速な光応答を示し、固体不粘着性コーティングへと迅速に架橋したと明言できる。対照ポリマーがその分子鎖にそって多数の脂環式エポキシ基を有するのに対して、一液型剥離コーティングのすべてが連鎖末端にしか反応部位をもたないことに鑑みれば、光硬化応答がほぼ同じという定性的硬化結果は予想外である。
【0047】
次に、コーティング実験で、この新規一液型UV硬化性組成物が、従来の塗工技術を用いてPKライナー上に容易に塗工され、硬化時にこれらのコーティングが感圧接着剤の剥離に有効であること、つまり有用な剥離剤として機能することを実証した。上述の組成物の数種類を、5本ロールフィルムスプリッティングニップ供給式塗工ヘッドを備えた18インチ幅のパイロットコーターでのコーティング試験用に調製した。コーティングはライン速度400ft/minのライン速度でPKライナーに塗工し、塗工したシリコーンを一列の入力400W/inのFusion Systems(商標)Hランプに露光して光硬化させた。PK紙ウェブを45dyn程度にインラインコロナ処理すると、シリコーンの投錨に役立った。コーティングは1.0〜1.1g/mの付着量又はミクロン程度の厚さであると求められたが、このことから、一液型コーティングブレンドの比較的低い粘度が塗工量の良好な制御を損なわないことが分かる。試験したコーティングはすべて、スミアもマイグレーションもない固形物へと硬化したが、これを直ちにラインから外して、TESA7475アクリル系PSA試験テープ、TESA4651ゴム系PSA試験テープ及びアクリルエマルジョン系PSA市販ラベルフェイスストックを、シリコーン表面に貼り付けた。室温又は昇温下で様々な時間エージングしたラミネートの硬化ライナーサンプルからテープを剥がした。ZPE1000 High Speed剥離試験装置及びTLMI剥離試験装置を用いて、粘着剤からシリコーンコートライナーを180°の角度で一定の剥離速度で剥がすのに必要な剥離力を記録した。
【0048】
剥離安定性(ラミネートのエージングの関数として)及びピール剥離プロファイル(テープからライナーを剥がすのに必要な力の、剥離速度の関数としての変動)を求めた。剥離結果を次の表7〜表11に示す。
【0049】
【表7】

強粘着性TESA7475アクリル系PSAテープに対する速度300ipmでの剥離力は一液型UV硬化コーティングの方が対照よりも高かったが、剥離安定性は一液型コーティングの方が対照よりも、特に昇温下で優れていた。
【0050】
【表8】

試験したすべてのコーティングでアクリルエマルジョン系PSAフェイスストック構造からの剥離力は一様に低く、この慣用PSAからの新規一液型UV硬化剥離コーティングの剥離力は対照UV硬化エポキシシリコーンコーティングとほぼ同じであったが、さほど安定ではなかった。
【0051】
【表9】

この場合、硬化一液型組成物の剥離は互いに大きく異なっており、鎖長の長いポリマーBの含有量の高いコーティング(B及びC)でゴム系PSAテープに対する300ipmでの剥離力が高かったが、これは、コーティングの架橋密度が低く弾性率が低い(エラストマー性の高いシリコーン)こととテープにゴム弾性PSAを使用したことと符合する。架橋度の高い対照コーティングは、ゴム系PSAから剥がすときの剥離力が低いことから明らかなように、剛直で高い弾性率挙動を示す。用途毎に様々な剥離挙動が必要とされるので、剥離力の絶対値は剥離安定性ほど重要ではない。
【0052】
【表10】

これらの結果は表6に示す300in/min剥離結果と一致する。剥離速度0.125m/sは300ipmに等しく、剥離速度0.005m/sは約12in/minであり、剥離ライナーの低速「ハンドピール」作業の一般的目安である。代表的な一液型UV硬化剥離コーティングのピール剥離プロファイルは対照UV硬化剥離コーティングのものと大きく異なる。低剥離速度(「ハンドピール」)での剥離力に大差ないが、剥離速度が大きくなると、粘着テープから剥離するのに要する力は一液型コーティングの方が対照コ−ティングよりも格段に大きくなる。かかる動的ピール剥離挙動は照射線硬化シリコーン剥離剤では極めて異例であり、照射線硬化シリコーン剥離剤は対照コーティングで観察されるような「フラットな」ピール剥離プロファイルを示すのが一般的である。高速自動ラベリング変換プロセスに用いられる剥離ライナーには、動的ピール剥離プロファイルが極めて望ましい。かかる性能によって、ボトル、箱その他の容器にラベルを貼り付ける前の「早期分配」が防止されるからである。動的ピール剥離プロファイルは、通常は、ジメチルビニル−シロキシ末端線状シリコーンベースポリマーを当業者に周知の通り白金系ヒドロシリル化触媒存在下でポリ(メチルハイドロジェン)シロキサンポリマーで架橋した無溶剤熱硬化シリコーン組成物で得られる。かかる二液型熱硬化性シリコーン剥離剤(ビニル末端線状シリコーンの市販品SL66255(商標)をベースポリマーとして使用)を、表1から選択した代表的な2種類の一液型UV硬化剥離剤と対比するため、UV対照コーティングも併せて、別の実験を実施した。3本ロールオフセットグラビア塗工ヘッドを備えた幅12インチのパイロットコーターを用いて、約1.2gsmのシリコーンを塗工した。2.0ミルのポリエステルフィルムを基材として選択し、熱硬化性シリコーンの硬化は、塗工PETを120℃のオーブンに約3秒の滞留時間で暴露することによって実施した。一液型UVシリコーンコーティング及びUV対照の硬化は、Fusion Systems(商標)Hランプからの約100mJ/cmの集束UV線に露光して行った。TESA7475アクリル系試験テープを硬化直後の各コーティングに貼り付け、剥離ライナナー付テープを25℃で2週間エージングし、上述の通りピール剥離プロファイルを測定した。この実験の結果を表11にまとめた。
【0053】
【表11】

本例にみられるように、剛性PETライナーからのPSAの剥離力は、PK型ライナーからの剥離力よりも低い。この観察結果にみられるように熱硬化シリコーンは一液型UVコーティングよりも若干低い剥離力を与えるが、熱対照及び一液型UV硬化コーティングの動的ピール剥離プロファイルは非常に類似しており、UV対照コーティングのフラットなプロファイルとは大きく異なる。いうまでもないが、一液型シリコーンコーティングの利便性及び使い易さは、あらゆる市販の無溶剤熱硬化性シリコーン組成物で可能なわけではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分(a)〜(d)を含んでなる紫外線又は電子線硬化性シリコーンコーティング組成物。
(a)M、MGEGE、MGE及びこれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ末端線状シリコーンであって、25℃で約10〜約1000センチストークスの粘度を有するエポキシ末端線状シリコーン
(式中、M=(CO(CHCH)(CHSiO1/2であり、
GE=(CH(O)CH)O(CH(CHSiO1/2であり、
D=(CHSiO2/2であり、
xは0又は正の整数である。)、
(b)MROHROH及びその混合物からなる群から選択されるモノ又はポリカルビノール末端線状シリコーンであって、25℃で約50〜約5000センチストークスの粘度を有するモノ又はポリカルビノール末端線状シリコーン、
(式中、MROHはHO(CH(CHSiO1/2、(HOCH(C)C−O−(CH(CHSiO1/2及びHOCH(HO)CHCH−O−(CH(CHSiO1/2からなる群から選択され、yは0又は正の整数である。)、
(c)有効量のビス(アルキルフェニル)、アルキルフェニル(フェニル)、アルコキシフェニル(フェニル)又はビス(アルコキシフェニル)ヨードニウム塩光触媒であって、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロ砒酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、テトラ(パーフルオロフェニル)ホウ酸及びこれらの混合物からなる酸の群の塩から選択される光触媒、
(d)R−C5−b−OHからなる群から選択されるアルキルフェノール化合物(式中、RはC〜C60直鎖アルキル、C〜C60枝分れアルキル、C〜C60直鎖アルケニル及びC〜C60枝分れアルケニル基からなる群から選択される一価炭化水素基から独立に選択され、R基はフェノール性OH官能基に対してα−、β−又はγ−位のいずれにあってもよく、b=1、2、3、4又は5である。)
【請求項2】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約50〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2〜約49%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.1〜約2.5%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約10%である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約75〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約25%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約2%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約1〜約5%である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約80〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約20%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約1%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2〜約5%である、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
エポキシ末端シリコーンがMである請求項1記載の組成物。
【請求項6】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約50〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2〜約49%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.1〜約2.5%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約10%である、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約75〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約25%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約2%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約1〜約5%である、請求項5記載の組成物。
【請求項8】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約80〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約20%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約1%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2から約5%である、請求項5記載の組成物。
【請求項9】
カルビノール末端シリコーンがM(R0H)2(ROH)2である、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約50〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2〜約49%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.1〜約2.5%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約10%である、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約75〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約25%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約2%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約1〜約5%である、請求項9記載の組成物。
【請求項12】
成分(a)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約80〜約95%であり、成分(b)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約5〜約20%であり、成分(c)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約0.5〜約1%であり、成分(d)が成分(a)、(b)、(c)及び(d)からなる組成物の約2から約5%である、請求項9記載の組成物。

【公表番号】特表2007−514018(P2007−514018A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541210(P2006−541210)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2004/036242
【国際公開番号】WO2005/054387
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】