説明

方位検出装置

【課題】受信波をアナログ的に合成することによってビーム形成して受信波の到来方向を求める方位検出装置おいて、方位分解能を向上させる。
【解決手段】受信波を合成することでアナログ的にビーム形成された受信信号に基づくビート信号をサンプリングし、そのサンプリング値をFFTした処理結果からピーク周波数を抽出して、FMCWレーダにおける周知の方法を用いて、レーダ波を反射した物体との距離、相対速度を求める(S110〜S140)。抽出したピーク周波数毎に、空間方向の逆FFTを実行し(S150)、誘電体レンズ31の特性によって生じるチャンネル間の損失差を補正(S160)した後、その算出結果を要素とする受信ベクトルから求めた相関行列を用いてMUSIC処理を実行し(S170)、その処理結果であるMUSICスペクトルからレーダ波を反射した物体が位置する方位角度を算出する(S180)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信波をアナログ的に合成することでビーム形成を行うアンテナからの受信信号を用いて、受信波の到来方向を求める方位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、探査波を反射した物体からの反射波(受信波)の到来方向を推定する装置として、誘電体レンズ,ロトマンレンズ,バトラーマトリクス等を用いて受信波をアナログ的に合成することでビーム形成,走査を行うビームスキャンアンテナを用いるもの(例えば、特許文献1〜3参照)や、アレ−アンテナを構成する各アンテナ素子からの受信信号をデジタル的に処理し、ヌルスキャンを利用して到来方向を高精度に求める高分解能処理技術(MUSIC,ESPRIT等)を適用するものが知られている(例えば、特許文献4参照)。
【特許文献1】特表2000−508874号公報
【特許文献2】特開2003−152422号公報
【特許文献3】特開2000−244244号公報
【特許文献4】特開2001−091617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ビームスキャンアンテナを用いる装置(以下、ビームスキャンレーダという)では、ビームスキャンアンテナの全体を一つのアンテナとして動作させるため、誘電体レンズの全体、又はロトマンレンズやバトラーマトリクスに接続されたアレーアンテナの全体がアンテナの開口面となる。
【0004】
一方、高分解能処理技術を適用する装置では、各アンテナからの受信信号に基づいて相関行列を生成する必要があり、アレーアンテナを構成する各アンテナ素子を個々のアンテナとして動作させるため、アンテナ素子の大きさが個々のアンテナの開口面となる。しかも、個々のアンテナの指向性は互いに重なり合っている必要がある。
【0005】
このように、両装置ではアンテナの扱い方が異なるため、ビームスキャンレーダに、高分解能処理技術を適用することはできなかった。
また、ビームスキャンレーダでは、方位分解能が給電点の数(アレーアンテナのアンテナ素子数)によって規定されるため、方位分解能を向上させるために給電点の数を増加させると、装置構成が大型化し、特にロトマンレンズやバトラーマトリクスの構成は、給電点を増加に伴って指数関数的に複雑化する。このため、現実的には給電点の数が制限され、方位分解能も低く抑えられてしまうという問題があった。
【0006】
一方、高分解能処理技術を適用する装置では、最大検出距離を増大させるためには、アレーアンテナを構成する個々のアンテナ素子の開口面(ひいてはアンテナ利得)を増大させる必要があり、ビームスキャンレーダと同等のアンテナ利得(最大検知距離)を得ようとすると、装置が極端に大型化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するために、受信波をアナログ的に合成することによってビーム形成して受信波の到来方向を求める方位検出装置おいて、方位分解能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の方位検出装置では、ビーム形成手段が、予め設定された受信面にて受信した受信波を合成することで複数のビームを形成し、これらビームに対応して用意された複数の給電点に、これらビームによる受信信号をそれぞれ供給する。そして、方位検出手段が、ビーム形成手段から給電点を介して供給される受信信号に基づいて、受信波の到来方向を求める。
【0009】
また、方位検出手段では、受信波推定手段が、複数の給電点にて受信された受信信号に対して、空間方向(給電点の配列方向)の逆フーリエ変換を実施することで、受信面での受信波の振幅,位相を推定し、方位算出手段が、受信波推定手段での推定結果を用いて高分解能処理を実施することにより、受信波の到来方向を求める。
【0010】
つまり、ある方向から到来する受信波を、その方向に対応した給電点に収束させるビーム形成手段の作用は、受信波に対してフーリエ変換(空間FFT)を実施することに相当するため、給電点で得られた受信信号に対して空間方向の逆フーリエ変換を実施することによって、受信面上の複数地点での受信波(即ちビーム形成前の受信波)の状態を推定することができるのである。
【0011】
そして、受信面での受信波は、ビーム形成前の受信波であり、無指向性のアンテナで受信されたものに相当するため、その受信信号に対しては高分解能処理技術を適用することが可能となる。
【0012】
このように本発明の方位検出装置によれば、受信波を合成することでビーム形成をしているにも関わらず、高分解能処理技術を適用することができ、その結果、高いアンテナ利得および高い方位分解能をいずれも実現することができる。
【0013】
ところで、ビーム形成手段での受信波の合成のされ方は形成するビーム毎に異なったものとなるため、ビーム毎(ひいては給電点毎)に損失差が生じる。
従って、受信波推定手段は、請求項2に記載のように、逆フーリエ変換の算出結果に対して、ビーム形成手段によって給電点間に生じる損失差を補償するための補正を行うことが望ましい。この場合、受信面での受信波が精度よく推定されるため、高分解能処理技術による方位検出精度を向上させることができる。
【0014】
次に、本発明の方位検出装置は、請求項3に記載のように、給電点のいずれかに送信信号を供給することによって、ビーム形成手段を介して探査波を送信する信号供給手段を備えていてもよい。この場合、受信波だけでなく探査波もビーム形成手段を通過することになり、受信信号は2回のフーリエ変換を受けていることに相当するため、受信波推定手段では、受信信号に対して逆フーリエ変換を2回実施すればよい。
【0015】
また、本発明の方位検出装置において、ビーム形成手段は、例えば、請求項4に記載のように、受信面に配置された誘電体レンズと、誘電体レンズを介して受信波を送受信する位置に設置され、且つ給電点のそれぞれに接続された複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナとで構成されていてもよい。
【0016】
更に、この場合、請求項5に記載のように、誘電体レンズとして、フレネルレンズを用いれば、この誘電体レンズの部分を薄型に構成することができる。
また、本発明の方位検出装置において、ビーム形成手段は、例えば、請求項6に記載のように、受信面に配置された複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、アレーアンテナを構成するアンテナ素子のそれぞれに接続される複数のアンテナポート、及び給電点のそれぞれに接続される複数のビームポートを有し、ビームポートに対応した方位にビームが形成されるように、アンテナポートから入力される信号を合成してビームポートに出力、又はビームポートから入力される信号を分配してアンテナポートに出力する合成・分配手段とで構成されていてもよい。
【0017】
この場合、合成・分配手段として、具体的には、請求項7に記載のように、ロトマンレンズを用いてもよいし、請求項8に記載のように、バトラーマトリクスを用いてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用されたレーダ装置1の構成を示すブロック図である。
【0019】
<全体構成>
図1に示すように、レーダ装置1は、レーダ波(探査波)を送信する第一アンテナ部2と、レーダ波を反射した物体からの反射波(受信波)を受信する第二アンテナ部3と、第一アンテナ部2に送信信号を供給する送信処理部4と、第二アンテナ部3から供給される受信信号を処理する受信処理部5と、送信処理部4に対する指令を出力すると共に、受信処理部5で生成されたデジタルデータに基づく処理を実行する信号処理部6とからなる。
【0020】
第一アンテナ部2は、誘電体製の凸レンズ(以下、誘電体レンズという)21と、送信処理部4から送信信号の供給を受けると誘電体レンズ21を介してレーダ波を送信するパッチアンテナ22とを備えている。
【0021】
第二アンテナ部3は、誘電体製の凸レンズ(以下、誘電体レンズという)31と、一列に配置された複数(本実施形態では4個)のパッチアンテナで構成され、誘電体レンズ31を介して反射波を受信するアレーアンテナ32とを備えている。なお、アレーアンテナ32を構成するアンテナ素子(パッチアンテナ)は、第二アンテナ部3に設けられた複数の給電点33のいずれかにそれぞれ接続されている。
【0022】
なお、アレーアンテナ32を構成するアンテナ素子は、それぞれ、特定方向(アンテナ素子毎に異なる)から到来し誘電体レンズ31を通過した反射波の位相が揃う(受信強度が最大となる)位置に配置されている。
【0023】
送信処理部4は、信号処理部6からの指令に従って周波数変調された高周波信号(FMCW波)を発生させる電圧制御発振器(VCO)41と、VCO41の出力を、第一アンテナ部2に供給する送信信号と受信処理部5に供給するローカル信号とに電力分配する分配器42とを備えている。
【0024】
受信処理部5は、アレーアンテナ32を構成するアンテナ素子(即ち、チャンネル毎)毎に設けられ、アンテナ素子からの受信信号に送信処理部4からのローカル信号を混合してビート信号を生成するミキサ群51と、ミキサ群51を構成する各ミキサで生成されたビート信号をそれぞれサンプリングしてデジタルデータに変換するAD変換器52とを備えている。
【0025】
信号処理部6は、CPU,ROM,RAM等を備えた周知のマイクロコンピュータからなり、送信処理部4に指令を出力することで第一アンテナ部2からレーダ波を送出させ、その反射波を第二アンテナ部3を介して受信することによって、受信処理部5から得られるデジタルデータに基づき、レーダ波を反射した物体に関する情報を求める物体検出処理を実行する。
【0026】
<物体検出処理>
ここで、信号処理部6が実行する物体検出処理の詳細を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。なお、本処理は、一定時間(例えば、100ms)毎に繰り返し実行される。
【0027】
本処理が起動すると、まずS110にて、予め設定された測定期間の間FMCW波を発生させるための指令を送信処理部4に出力し、その測定期間の間、AD変換器52を動作させて、デジタルデータを収集する。このデジタルデータは、チャンネル毎、即ち指向性の異なるビーム毎に収集される。
【0028】
S120では、S110にて収集したデジタルデータについて、チャンネル毎に且つFMCW波の各変調(上り変調/下り変調)期毎に、時系列方向の高速フーリエ変換(FFT)を実行する。
【0029】
S130では、FFTの処理結果として、チャンネル毎且つ変調期毎得られれる周波数スペクトル上でピークとなる周波数(以下、ピーク周波数という)を抽出し、続くS140では、その抽出したピーク周波数に基づき、FMCWレーダにおける周知の手法を用いて、レーダ波を反射した物体との距離、相対速度を算出する。
【0030】
S150では、S130にて抽出されたピーク周波数毎に、そのピーク周波数における各チャンネルでの信号成分(振幅,位相)を抽出し、その抽出した信号成分を用いてアレーアンテナ32を構成するアンテナ素子の配列方向(空間方向)の逆FFTを実行する(図3参照)。
【0031】
S160では、S150での算出結果に対して、誘電体レンズ31の特性によって生じるチャンネル間の損失差(FFT処理で用いる窓関数の作用に相当)を補償するための補正を実行する。
【0032】
S170では、S160での算出結果を要素とする受信ベクトル、即ち、誘電体レンズ31の外面(受信面)で検出される反射波の状態を表すベクトルから、相関行列を生成し、その相関行列を用いて周知のMUSIC処理を実行する。
【0033】
S180では、S170の処理結果として得られるMUSICスペクトルをヌルスキャンすることで、反射波の到来方向、即ち、レーダ波を反射した物体が位置する方位角度を算出して本処理を終了する。
【0034】
<効果>
以上説明したように、レーダ装置1では、誘電体レンズ31によってアナログ的にビーム形成を行うように構成された第二アンテナ部3を介して供給される受信信号に基づいて、受信した反射波の到来方向を求める際に、受信信号(ビート信号)を空間方向に逆FFTすることで、誘電体レンズ31に入射するビーム形成前の反射波の状態を推定し、その推定結果から相関関数を生成してMUSIC処理を適用している。
【0035】
このように、レーダ装置1によれば、誘電体レンズ31によってアナログ的にビーム形成を行っているにも関わらず、MUSIC処理を適用することができ、その結果、高いアンテナ利得および高い方位分解能をいずれも実現することができる。
【0036】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、本実施形態のレーダ装置1aの全体構成を示すブロック図である。
【0037】
なお、第1実施形態のレーダ装置1とは、反射波の受信に使用する第二アンテナ部3aの構成が異なるだけであるため、この相違点を中心に説明する。
<受信アンテナ部>
図4に示すように、第二アンテナ部3aは、一列に配置された複数(本実施形態では4個)のパッチアンテナで構成されたアレーアンテナ34と、アレーアンテナ34を構成するアンテナ素子(パッチアンテナ)のそれぞれに接続される複数のアンテナポート、及び給電点33のそれぞれに接続される複数のビームポートを有し、ビームポートに対応した方位にビームが形成されるように、アンテナポートから入力される信号を合成してビームポートに出力するロトマンレンズ35とを備えている。
【0038】
このように構成された第二アンテナ部3aは、第1実施形態の第二アンテナ部3と同様に動作する。
<効果>
以上説明したようにレーダ装置1aは、第二アンテナ部3aの構成が異なるだけで、第1実施形態のレーダ装置1と同様に動作するため、これと同様の効果を得ることができる。
【0039】
しかも、ロトマンレンズ35は、誘電体レンズ31とは異なり、平面基板上に構成することができるため、第二アンテナ部3aの構成、ひいてはレーダ装置1a全体の構成を小型化,薄型化することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
図5は、本実施形態のレーダ装置1bの全体構成を示すブロック図である。
【0041】
なお、レーダ装置1bは、第一アンテナ部2が省略され、第二アンテナ部3が送受信に兼用される点、第二アンテナ部3と送信処理部4及び受信処理部5との間に送受切替制御部7が新たに設けられている点、信号処理部6が実行する物体検出処理の一部(S110,S150,S160)が異なる点以外は、第1実施形態のレーダ装置1と同様に構成されているため、以下では、これらの相違点を中心に説明する。
【0042】
<送受切替制御部>
送受切替制御部7は、チャンネル毎に一つずつ設けられた方向性結合器からなる方向性結合器群71と、送信処理部4からの送信信号を、信号処理部6からの選択信号に従って、方向性結合器群71を構成する方向性結合器のいずれかに択一的に供給するセレクタ72とを備えている。
【0043】
なお、方向性結合器群71を構成する方向性結合器は、一つの入力端子,一つの出力端子,一つの入出力端子を有し、入力端子から入力される送信信号を、給電点33に接続された入出力端子にのみ出力すると共に、入出力端子から入力される受信信号を、受信処理部5のミキサ群51を構成する各ミキサに接続された出力端子にのみ出力するように構成されている。
【0044】
このように構成されたレーダ装置1bでは、セレクタ72を介していずれかのチャンネルのアンテナ素子に送信信号が供給され、誘電体レンズ31を介してレーダ波が送出される。但し、そのレーダ波は、送信用のチャンネルに対応する指向性を有したビームを形成する。
【0045】
<物体検出処理>
物体検出処理において、S110では、第1実施形態にて説明した処理内容に加えて、送信用のチャンネルを選択するための選択信号をセレクタ72に出力する処理を実行する。
【0046】
また、レーダ装置1bにおいては、探査波及び反射波がいずれも誘電体レンズ31を通過することになるため、S150では、空間方向の逆FFT処理を2回繰り返して実行し、S160では、チャンネル間の損失差を、第1実施形態の場合の2倍にして補正する。
【0047】
<効果>
以上説明したように、レーダ装置1bは、第二アンテナ部3を送受信兼用で用いる以外は、第1実施形態のレーダ装置1と同様に動作するため、これと同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、レーダ装置1bでは、送信側でも誘電体レンズが不要となるため、装置構成をより小型化、薄型化することができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
【0049】
図6は、本実施形態のレーダ装置1cの全体構成を示すブロック図である。
なお、レーダ装置1cは、第3実施形態のレーダ装置1bにおいて、第二アンテナ部3を、第2実施形態で示した第二アンテナ部3aに置き換えたものである。
【0050】
従って、レーダ装置1cによれば、第2及び第3実施形態のレーダ装置1a,1bと同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
【0051】
例えば、上記第1及び第3実施形態では、誘電体レンズ21,31として、通常の凸レンズを用いているが、レンズ中心から外周に向かって同心円状にフレネル溝を形成してなるフレネルレンズを用いてもよい。この場合、誘電体レンズ21,31をより薄型化することができる。
【0052】
上記第2及び第4実施形態では、ビーム形成にロトマンレンズ35を用いているが、このロトマンレンズ35の代わりにバトラーマトリクスを用いてもよい。
上記第3及び第4実施形態では、セレクタ72が、信号処理部6からの選択信号に従って、送信処理部4からの送信信号を、方向性結合器群71を構成する方向性結合器のいずれかに択一的(即ち、一つのチャンネル)に供給するように構成したが、送信処理部4からの送信信号を、複数の方向性結合器(即ち、複数のチャンネル)に同時に供給するように構成してもよい。具体的には、全チャンネルを同時に選択してもよいし、一部(例えば、いずれか二つ又は三つ)のチャンネルを同時に選択してもよい。この場合、信号処理部6での処理は、送信に使用するチャンネルを選択するための信号をセレクタ72に出力する以外は、第1実施形態の場合と全く同様である。
【0053】
また更に、送信用に一部のチャンネルのみを選択する場合は、選択するチャンネルの組合せや個数を適宜切り替えることが可能なように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】第1実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図2】物体検出処理の内容を示すフローチャート。
【図3】MUSIC処理を適用するために必要な手順を示す説明図。
【図4】第2実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図5】第3実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図6】第4実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0055】
1,1a〜1c…レーダ装置 2…第一アンテナ部 3,3a…第二アンテナ部 4…送信処理部 5…受信処理部 6…信号処理部 7…送受切替制御部 21,31…誘電体レンズ 22…パッチアンテナ 32,34…アレーアンテナ 33…給電点 35…ロトマンレンズ 41…電圧制御発振器(VCO) 42…分配器 51…ミキサ群 52…AD変換器 71…方向性結合器群 72…セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された受信面にて受信した受信波を合成することで複数のビームを形成し、該ビームに対応して用意された複数の給電点に、該ビームによる受信信号をそれぞれ供給するビーム形成手段と、
前記ビーム形成手段から前記給電点を介して供給される受信信号に基づいて、前記受信波の到来方向を求める方位検出手段と、
を備えた方位検出装置において、
前記方位検出手段は、
前記複数の給電点にて受信された受信信号に対して空間方向の逆フーリエ変換を実施することで、前記受信面での前記受信波の状態を推定する受信波推定手段と、
前記受信波推定手段での推定結果を用いて高分解能処理を実施することにより、前記受信波の到来方向を求める方位算出手段と、
を備えることを特徴とする方位検出装置。
【請求項2】
前記受信波推定手段は、前記逆フーリエ変換の算出結果に対して、前記ビーム形成手段によって前記給電点間に生じる損失差を補償するための補正を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記給電点のいずれかに送信信号を供給することによって、前記ビーム形成手段を介して探査波を送信する信号供給手段を備え、
前記ビーム形成手段は、前記受信波として、前記探査波を反射した物体からの反射波を受信し、
前記受信波推定手段は、前記逆フーリエ変換を2回実施することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方位検出装置。
【請求項4】
前記ビーム形成手段は、
前記受信面に配置された誘電体レンズと、
前記誘電体レンズを介して前記受信波を送受信する位置に設置され、且つ前記給電点のそれぞれに接続された複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方位検出装置。
【請求項5】
前記誘電体レンズは、フレネルレンズからなることを特徴とする請求項4に記載の方位検出装置。
【請求項6】
前記ビーム形成手段は、
前記受信面に配置された複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナを構成するアンテナ素子のそれぞれに接続される複数のアンテナポート、及び前記給電点のそれぞれに接続される複数のビームポートを有し、前記ビームポートに対応した方位にビームが形成されるように、前記アンテナポートから入力される信号を合成して前記ビームポートに出力、又は前記ビームポートから入力される信号を分配して前記アンテナポートに出力する合成・分配手段と、
からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方位検出装置。
【請求項7】
前記合成・分配手段は、ロトマンレンズからなることを特徴とする請求項6に記載の方位検出装置。
【請求項8】
前記合成・分配手段は、バトラーマトリクスからなることを特徴とする請求項6に記載の方位検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−54344(P2010−54344A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219701(P2008−219701)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】