施工モニタリングシステム
【課題】タワークレーンを使用する建設現場において、工程の進捗状況をより正確に確認可能とする施工モニタリングシステムを提供する。
【解決手段】本発明の施工モニタリングシステムは、タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を出力する判断手段と、吊荷終了位置と施工データを対比して、施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
【解決手段】本発明の施工モニタリングシステムは、タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を出力する判断手段と、吊荷終了位置と施工データを対比して、施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場において施工の進捗状況を管理するための施工モニタリングシステム、特に、タワークレーンを使用する建築現場における施工モニタリングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状、建築現場における工程計画では、他の現場で計測した歩掛をもとに作業日数を求めているが、実際の現場での作業が必ずしもその通りに行くとは限らない。通常、工程計画におけるはじめのサイクルは余裕を持たせ、予定歩掛に問題がないかどうかを把握し、次のサイクルでの投入重機、投入人工の見直しが図られる。しかしながら、見直しを行うに際し、様々なパターン・工法を検討する必要があるため、容易に検討をすることができないのが現状である。
【0003】
このような建築現場における工程計画を支援するシステムとして、特許文献1には、建築設計に基づく建物の構成部材や仮設、重機等に関する建物データ、工程計画に基づき着工から竣工までの各工事・工程の予定、実績に関する建設データに対応したコメントデータを入力し、建物データや建設データに対応づけられたコメントを出力する工程計画管理支援システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示される工程計画管理支援システムによれば、工程表上の任意の作業、日付、部材に対して、種々のメディアで作成された情報をコメントとして関係付けて出力するので、工程計画・管理に関する情報を分かりやすく表現し提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−268760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、建設現場における施工管理では、実際の施工状況を確認し、工程計画に対して計画通り施工が行われたか否かをモニタリングする必要がある。現在、このような施工モニタリングとしてICタグを利用したモニタリングシステムが知られている。このシステムでは、建築資材の取り付け開始、取り付け終了時などの適宜タイミングで、建築資材に取り付けられたICタグを携帯情報端末などで読み取らせることで施工状況を管理することが可能となる。
【0007】
しかしながら、このような施工モニタリングシステムでは、人手による入力作業が必要とされるため、入力忘れや入力ミスなどにより施工状況を正確にモニタリングすることができなかった。また、非常に手間が掛かる作業となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る施工モニタリングシステムは、タワークレーンを使用する建設現場における施工モニタリングシステムにおいて、タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、前記検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を
出力する判断手段と、前記吊荷終了位置と前記施工データを対比して、前記施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、吊荷終了時における吊荷終了時刻を出力し、前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷終了時刻を対応付けて記録することを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記建築資材を吊荷開始したことを判断し、吊荷開始時における吊荷開始時刻を出力し、前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷開始時刻を対応付けて記録することを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記検出手段は、前記ジブの仰角と旋回角をジブ位置として検出することを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記検出手段は、前記ジブに設置された少なくとも1つのGPSセンサであることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することを特徴としている。
【0014】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、吊荷重量を検出する重量センサを利用して吊荷終了を判断することを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ、吊荷終了の判断を行うことを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、吊荷重量を検出する重量センサで検出した重量情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、撮像手段で撮影した画像情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、測域センサで計測した周囲情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、タワークレーンにおける建築資材の吊荷終了位置が、建築資材の搬送予定位置に略等しくなることに着目したものであり、タワークレーンによる建築資材の吊荷終了位置を判断することで搬送した建築資材を特定し、精度の高い施工モニタリングを可能としている。
【0020】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、特定した建築資材と吊荷終了時刻とを対応付けて記録することで、施工全体における各建築資材の搬送状況を把握させることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、特定した建築資材と吊荷開始時刻とを対応付けて記録することで、施工全体における各建築資材の搬送状況を把握させる
ことが可能となる。
【0022】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンにおけるジブの仰角と旋回角を検出することで吊荷位置を判定することとしている。タワークレーンには他との接触、衝突を回避するためジブの仰角、旋回角を出力するエリアキーパが備えられている。このエリアキーパからの出力を利用することで、さらなるセンサを設けることなくジブ位置を検出することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンにおけるジブに少なくとも1つのGPSセンサを設置することで吊荷位置を判定することとしている。GPSセンサを利用した場合、水平方向のみならず鉛直方向の位置情報も取得できるため、さらに精度の高い施工モニタリングを行うことが可能となる。また、GPSセンサが取得するGPS情報には時刻情報も含まれているため、GPSセンサにて取得した時刻情報を利用することで、施工モニタリングの精度を高めることが可能となる。
【0024】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することとしている。タワークレーンのジブは、建築資材が目的とする設置位置に搬送された後、人手による作業にてある程度の取り付けが完了するまで静止する必要がある。このジブが所定時間以上静止したことを検出することで、建築資材の吊荷終了を判断することが可能となる。
【0025】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、吊荷重量を検出する重量センサを利用することで吊荷終了を判断することとしている。タワークレーンでは定格荷重を超えないよう吊荷重量を監視する重量センサが設けられている。この重量センサを利用し、その吊荷重量の変化を検出することで吊荷終了を判断することが可能となる。
【0026】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンの吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ吊荷終了の判断を行うようにしたことで、吊荷位置が、資材の搬入エリアなど施工エリア以外に位置している場合を除外し、より精度の高い吊荷終了判断を行うことが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、重量センサで検出した建築資材の重量情報にて吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りを低減させることとしている。施工データに含まれる建築資材の重量情報と、検出した重量情報の照合を行うことで確認することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、撮像手段で撮影した画像情報を利用して吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りの抑制を図ることとしている。具体的な確認方法としては、画像認識技術を用い、施工データに含まれる建築資材の形状と画像情報から抽出した建築資材の形状を照合することや、表示手段にて管理者に画像を提示して確認させることなどが考えられる。
【0029】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、測域センサで取得した周囲情報を利用して吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りを低減させることとしている。ここで、測域センサとは周囲にレーザ光を照射し、周囲の物体までの距離を計測し、周囲の物体を3次元形状として取得できる光走査型距離計測センサである。この測域センサで取得した周囲情報を用い、施工データに含まれる建築資材の形状データ形状と照合することや、表示手段にて提示することで確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】建設現場に設置されたタワークレーンの外観図。
【図2】本発明の実施形態に係るタワークレーンの吊荷位置検出を説明する図。
【図3】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの処理を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る工程データ(施工データ)を説明するための図。
【図6】本発明の実施形態に係る資材データ、資材属性データ(施工データ)を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る吊荷終了の判断を説明する図。
【図8】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの表示の様子を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る検出手段を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、建設現場に設置されたタワークレーンの外観図である。図に示されているようにタワークレーン10は、ビル建設現場などの上部に設置され、搬入位置から引き上げた建築資材を設置すべき位置へと搬送する。
【0032】
タワークレーン10は、建設現場に設置されるタワー15、タワー15上部にて旋回可能に設けられた旋回フレーム16、運転席14、旋回フレーム16上にて角度変更可能に設けられたジブ11、ジブ11の先端から吊荷される吊荷ワイヤー12、吊荷ワイヤー12の先端にて建築資材31を吊荷するフックブロック13を主な構成として備えている。
【0033】
このタワークレーン10では、タワー15上で旋回フレーム16を回動させること、そして旋回フレーム16上におけるジブ11の角度(仰角)を変更すること、そして巻上手段にて吊荷ワイヤー12の繰り出し量を変更することにて、建築資材31を所望の位置に搬送することが可能である。
【0034】
建築資材は、それが取り付けられる位置までタワークレーン10にて搬送され、人手による取り付け作業が実行される。取付が十分になされると建築資材はフックブロック13から取り外されて、次の建築資材の搬送のため搬入位置へと移動する。本発明は、建築資材が取り付け位置までタワークレーン10にて搬送されること、すなわち、タワークレーン10の吊荷終了位置が、取り付け位置に略等しくなることに着目したものである。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係るタワークレーンの吊荷位置検出を説明する図であり、図2(a)はタワークレーン10が設置された建設現場の側面図を、図2(b)は同建設現場の上面図を示している。なお、本実施形態は、建造物の階層毎における進行状況を把握するものであって、階層に関して把握するためには、階層が異なる旨の指示を与える、あるいは、鉛直方向の位置を検知することが必要とされる。
【0036】
ここでは、水平面をXY平面にとり、鉛直(重力)方向をZ軸にとる座標系を設定している。ジブ11は、旋回フレーム16上にて仰角αを可変可能としている。また、旋回フレーム16は、タワー15上にて旋回可能としており、基準方向(ここではX方向)からの角度を旋回角βとしている。実際には、XY平面上におけるジブ11の回転原点と、旋回フレームの回転原点とは異なるものとなるが、ここでは計算の簡略化のため同じ位置に位置することとしている。なお、本実施形態では、タワークレーン10の回動原点を基準に座標系を決めているが、座標系の取り方は建造物側の適宜位置を原点に取ることでも構わない。また、タワークレーン10と建造物の位置関係は、データとして予め保持されており、吊荷位置を算出するために利用される。
【0037】
ジブ11のXY平面上での長さLxyは、ジブ11の長さLとジブ11の仰角αにより
、
Lxy=L*cosα
と表すことができる。また、XY平面上におけるタワークレーン10の吊荷位置A、すなわち、吊荷ワイヤー12やフックブロック13のXY平面上での投影位置は、
A(x,y)=( Lxy*cosβ, Lxy*sinβ )
にて計算される。本実施形態では、この吊荷位置Aを利用して建築資材の搬送先、すなわち、吊荷終了位置を判断することとしている。ここでは、ジブ11の回動中心と旋回フレーム16の回動中心が同じことを仮定して吊荷位置Aを計算したが、これらが異なる場合にはそれを考慮した計算が行われる。
【0038】
このように、本実施形態では、ジブ位置としてジブ11の仰角α、旋回角βを用いることとしている。これらの検出は、他との接触、衝突を回避することを目的としてタワークレーン10に設けられているエリアキーパからの出力を利用することが考えられる。エリアキーパをジブ11の位置検出手段として利用することで、さらなるセンサを設けることなくジブ11の位置を検出することが可能となる。
【0039】
本実施形態では、タワークレーン10の吊荷位置Aとして、XY平面上での投影位置を利用することとしているが、フックブロック13などZ軸上における吊荷位置を利用することとしてもよい。この場合、巻上手段における吊荷ワイヤー12の繰り出し量などを検出することで、適宜基準位置からの高さzを検出することができる。Z軸上での吊荷位置を利用し、吊荷位置を3次元的に把握することでさらに精度の高い施工モニタリングを実現できる。
【0040】
では、図3〜図8を用いて、本実施形態に係る施工モニタリングシステムの説明を行う。図3は、本実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図である。この実施形態における施工モニタリングシステムは、検出手段21と情報処理装置20を主な構成要素としている。
【0041】
検出手段21は、タワークレーン10の吊荷位置Aを算出するため、ジブ11の位置を検出する手段であり、図2で説明した実施形態ではジブ11の仰角α、旋回角βを検出するエリアキーパなどがこれに相当する。情報処理装置20は、パーソナルコンピュータなど汎用のものを用いることが可能であって、タワークレーン10の運転室14などに設置される。なお、検出手段21にて収集した情報をネットワークを介して外部サーバなどに送信し、外部サーバにて処理することとしてもよい。
【0042】
情報処理装置20は、制御手段22、記憶手段23、表示手段24、通信手段25などを備えて構成されている。制御手段22はCPUなどにて構成され、各種処理を実行可能とする手段である。本実施形態では実装されたプログラムにより、算出手段22a、判断手段22b、特定手段22cなど各種機能が実現される。記憶手段23は、ハードディスクなどにて構成され、施工データなどを記憶すると共に、収集した各種情報を記憶する手段である。表示手段24は、視覚的な情報を提示する手段であり、処理結果を管理者に対して表示する場合に利用される。通信手段25は、外部サーバ等との通信を可能とする手段であり、必要とされる各種情報や処理結果の送受信を可能とする。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの処理を示すフロー図である。タワークレーン10の1回の搬送処理に対して、この図に示される一連の処理を適用することで、搬送した建築資材の特定が行われる。
【0044】
図5、図6は、本発明の実施形態に係る施工データを示した図である。図5は、施工データ中の工程データを視覚的に表現した図であり、図6は、施工データ中の資材データ、
資材属性データが有する項目の一例を示した図である。これら施工データは、図3で説明した記憶手段23に記憶されている。
【0045】
図5に示されるように、建造物に使用される建築資材には、それぞれを識別可能とする資材ID(建築資材識別情報)が割り振られている。また、各建築資材には、タワークレーンによる搬送作業と取り付け作業の予定期間が設定されている。これら予定期間は、これまでの施工経験を元に決定された施工スケジュールである。図では理解しやすいようガントチャートとして視覚的に表示している。図中、斜線枠はタワークレーンによる搬送予定期間を示しており、左端が吊荷開始予定時刻を、右端が吊荷終了予定時刻を示している。また、白枠は人手による取付予定期間を示しており、左端が取付開始予定時刻を、右端が取付終了予定時刻を示している。
【0046】
図6(a)は、施工データ中の資材データを示した図である。資材データは、図5の施工データと資材IDにて対応付けられており、搬送予定位置と資材属性IDなどを含んで構成される。搬送予定位置は、建築資材が搬送され取り付けられる位置に対応したデータであって、少なくともXY平面上での位置情報を有する。建築資材の重心位置を考慮した搬送予定位置を用いることで、建築資材の特定精度を高めることが可能となる。
【0047】
この資材データは建築設計時において使用されたCADデータから取得されるものであってもよい。また、搬送予定位置にはXY平面上の位置情報だけでなく鉛直上(Z軸上)における位置情報を含めることとしてもよい。検知手段21にて鉛直上の位置情報を取得できる場合には、施工中の階層についても判断することが可能となり、建築資材の特定精度が高められる。
【0048】
図4において、S101にて処理が開始されると、まず、タワークレーン10が建築資材の吊荷開始を検出したか否かが判定される。この判定はタワークレーン10の吊荷位置が図2に示される搬入エリアに位置したこと、あるいは、タワークレーン10の重量センサが所定重量以上を吊荷したことを検出したこと等を条件として判定することができる。建築資材の吊荷を開始したことが判定されると、S103にて吊荷開始時刻が記録される。
【0049】
S104では、判断手段22bにて建築資材の吊荷終了を検出したか否かが判断される。吊荷終了が判断された場合には、算出手段22aにて算出された吊荷位置Aを吊荷終了位置として記録すると共に、その時点における時刻を吊荷終了時刻として記録する。吊荷終了の判定には各種手法を利用することができるが、図7を用いて判断方法の一例を説明する。
【0050】
図7は、タワークレーンの稼働状況を利用した吊荷終了の判断を説明するための図であり、ジブ11の旋回角の遷移状況が示されている。期間Aは搬入エリアにて建築資材が吊荷されている期間を示している。期間Bはジブ11の旋回にて建築資材が搬送予定位置に搬送される際の旋回角の変動が示されている。本実施形態では、ジブ11が所定期間静止したことを条件として吊荷終了を判断することとしている。図に示されるように静止を開始してから所定時間T経過したことをもって吊荷終了が判断される。なお、ここではジブ11の旋回角のみで説明を行ったが、この他にもジブ11の仰角、あるいは、吊荷ワイヤー12の稼働状況を加えて判断することとしてもよい。
【0051】
吊荷終了の判断は、このタワークレーンの稼働状況によるものの他、タワークレーンの重量センサの変動状況、すなわち、吊荷重量が軽減されたことをもって判断することとしてもよい。さらには、次の建築資材の搬送のためにジブ11が移動開始したことをもって判断することとしてもよいし、複数の条件を組み合わせて判断することとしてもよい。な
お、吊荷終了の判断は、吊荷位置Aが所定の施工エリア内に位置しているときのみ判断することしてもよい。搬入エリアなどを除外することで吊荷終了の判断をより正確なものとすることができる。
【0052】
S106では、S105にて記録した吊荷終了位置を、図6(a)の資材データ(施工データの一部)中の搬送予定位置と対比することで資材IDの特定が行われる。この特定は、特定手段22cにて特定手段23に記憶される施工データと対比させることで実行される。なお、対比においては、建築資材が搬送予定位置に正確に搬送されない場合もあるため、ある程度誤差を持たせておくとよい。施工中の階層が特定される場合、少なくともXY平面上にておける対比にて建築資材を特定することが可能であり、Z軸上での対比は必ずしも行う必要はない。
【0053】
S107では、S106にて特定した資材IDにS105に記録した吊荷終了時刻と、S103にて記録した吊荷開始時刻を対応付けて記録する。タワークレーンによる作業状況を正確に把握するためには、吊荷開始時刻、吊荷終了時刻の両方を対応付けて記録することが好ましいが、施工全体における建築資材の取付進行状況を把握するのであれば、吊荷開始時刻、吊荷終了時刻のどちらか一方のみを記録することとしてもよい。
【0054】
以上の処理を繰り返して実行することで、建築資材毎の搬送状況をモニタリングすることが可能となる。図8は、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの表示例を示す図である。ここでは、図5の工程データの説明に用いたガントチャートを用いて表示したものとなっており、図5の工程データに加え、グレー枠にてタワークレーンの稼働期間が示されている。グレー枠の左端は吊荷開始時刻を、右端は吊荷終了時刻を示している。このようにタワークレーンによる搬送予定期間に対応して、実際の稼働期間を表示させることで、施工予定に対する実際の施工状況を容易に把握させることが可能となる。
【0055】
以上、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムについて説明したが、本発明によれば、タワークレーンによる建築資材の吊荷終了位置を判断することで搬送した建築資材を特定し、精度の高い施工モニタリングを可能としている。なお、図4で説明した処理は、リアルタイムに行う必要はなく、検出手段21などからのデータを蓄積しておき、蓄積したデータに基づいて事後的に行われるものであってもよい。
【0056】
前述の実施形態では、検出手段21として、エリアキーパなどによるジブ11の仰角、旋回角を利用するものであったが、検出手段21にはGPSセンサを利用することも考えられる。図9は、GPSセンサを利用した各種検出手段21を説明する図である。
【0057】
図9(a)は、2つのGPSセンサ21a、21bを設置した形態であって、2つのGPSセンサ21a、21bは適宜間隔を有してジブ11上に設置される。このように2つのGPSセンサ21a、2bを設け、検出された位置情報の差分を取ることで、前述の実施形態と同様、ジブ11の仰角、旋回角を算出することが可能となる。
【0058】
図9(b)は、1つのGPSセンサ21cをジブ11の先端に取り付けた形態である。このような形態では、GPSセンサが出力する位置情報をそのまま吊荷位置として利用することが可能となる。
【0059】
図9(c)は、1つのGPSセンサ21dをフックブロック13などに取り付けることで、平面位置の吊荷位置に加え、鉛直方向の吊荷位置を直接検出することのできる形態となっている。
【0060】
以上、何れの実施形態においても、GPSセンサ21は、防水、耐熱を考慮したケース
に収納されて設置される。また、GPSセンサ21からの各種信号の取得はケーブルにて行うこととしてもよいし、無線で行うものであってもよい。また、GPSセンサ21への給電はケーブルで行うものであっても、バッテリを介して行うこととしてもよい。現在、GPSセンサはUSBケーブルを利用して汎用のパーソナルコンピュータに接続されるものが多いが、このようなUSBケーブルを利用した場合には、ケーブル長の制限が設けられるため、図9(a)のような実施形態が都合がよい。
【0061】
前術の実施形態では、吊荷終了位置と搬送予定位置を対比させることで、吊荷した資材IDを特定することとしていたが、資材IDの特定をさらに確かなものとするための実施形態について図10を用いて説明する。
【0062】
図10は、本発明の他の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図である。図3にて説明した構成とは、建設現場に撮像手段32a、32bが設けられている点、並びに、特定手段22cにおいて確認手段が設けられている点において異なった形態となっている。
【0063】
撮像手段32a、32bは、建設現場の状況を撮像し画像情報を出力する手段であって、デジタルカメラなどによって構成される。図では2台の撮像手段32a、32bにて、それぞれの視野角にて建設現場全域を十分に撮像することが可能となっている。撮像手段32の設置場所としては、建築現場に設置することの他、タワークレーン10の運転室14前方など、常に吊荷位置方向を向く場所に設置することとしてもよい。また、本実施形態では、吊荷位置を検出することとしているため、検出した吊荷位置に基づいて、撮像手段32の撮像方向を制御することとしてもよい。このような形態では撮像範囲の拡大を図るとともに、撮像手段32の設置台数の削減を図ることが可能となる。
【0064】
撮像された画像情報は、確認手段22cにおいて、資材IDの特定をより確かなものとするために利用される。例えば、画像認識技術を用い、図6(b)の資材属性データに含まれる資材形状情報と画像情報から抽出した建築資材の形状を照合することで実行される。資材形状データは、建築設計時に使用されたCADデータから容易に取得することが可能な3次元形状データを用いることが可能である。
【0065】
画像情報を利用した確認方法としては、管理者により確認させることとしてもよい。表示手段に画像情報とともに、特定した建築資材の各種情報を併せて表示して管理者に確認させる。または、特定手段22cにて資材IDが複数候補存在した場合において、同様に表示手段に画像情報を表示させて管理者に確認させることとなどが考えられる。
【0066】
本実施形態では、デジタルカメラなどの撮像手段32a、32bを用いて確認することを説明したが、このような撮像手段32a、32bに代えて測域センサを用いることとしてもよい。測域センサは、周囲にレーザ光を照射し、周囲の物体までの距離を計測し、周囲の物体を3次元形状として取得できる光走査型距離計測センサである。撮像手段32では2次元の画像情報しか取得できないのに対し、測域センサを用いた場合には、建築資材の3次元形状を取得することが可能となるため、資材属性データに含まれる資材形状情報と照合を行う場合にはより精度の高い照合を行うことが可能となる。
【0067】
以上、本実施形態では、撮像手段32の撮像情報や測域センサの周囲情報を用いることで、吊荷した建築資材の特定をより正確なものとすることが可能となる。確認手段としては、このような形態の他、タワークレーン11の重量センサを利用することも考えられる。この場合、重量センサにて検出した吊荷重量は、図6(b)の資材属性データと照合することで資材IDの特定をさらに正確なものとすることが可能となる。
【0068】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0069】
10…タワークレーン、11…ジブ、12…吊荷ワイヤー、13…フックブロック、14…運転室、15…タワー、16…旋回フレーム、20…情報処理装置、21…検出手段、22…制御手段、22a…算出手段、22b…判断手段、22c…特定手段、23…記憶手段、24…表示手段、25…通信手段、21a〜21c…GPSセンサ、31…建築資材、32a、32b…撮像手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築現場において施工の進捗状況を管理するための施工モニタリングシステム、特に、タワークレーンを使用する建築現場における施工モニタリングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状、建築現場における工程計画では、他の現場で計測した歩掛をもとに作業日数を求めているが、実際の現場での作業が必ずしもその通りに行くとは限らない。通常、工程計画におけるはじめのサイクルは余裕を持たせ、予定歩掛に問題がないかどうかを把握し、次のサイクルでの投入重機、投入人工の見直しが図られる。しかしながら、見直しを行うに際し、様々なパターン・工法を検討する必要があるため、容易に検討をすることができないのが現状である。
【0003】
このような建築現場における工程計画を支援するシステムとして、特許文献1には、建築設計に基づく建物の構成部材や仮設、重機等に関する建物データ、工程計画に基づき着工から竣工までの各工事・工程の予定、実績に関する建設データに対応したコメントデータを入力し、建物データや建設データに対応づけられたコメントを出力する工程計画管理支援システムが開示されている。
【0004】
この特許文献1に開示される工程計画管理支援システムによれば、工程表上の任意の作業、日付、部材に対して、種々のメディアで作成された情報をコメントとして関係付けて出力するので、工程計画・管理に関する情報を分かりやすく表現し提供することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−268760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、建設現場における施工管理では、実際の施工状況を確認し、工程計画に対して計画通り施工が行われたか否かをモニタリングする必要がある。現在、このような施工モニタリングとしてICタグを利用したモニタリングシステムが知られている。このシステムでは、建築資材の取り付け開始、取り付け終了時などの適宜タイミングで、建築資材に取り付けられたICタグを携帯情報端末などで読み取らせることで施工状況を管理することが可能となる。
【0007】
しかしながら、このような施工モニタリングシステムでは、人手による入力作業が必要とされるため、入力忘れや入力ミスなどにより施工状況を正確にモニタリングすることができなかった。また、非常に手間が掛かる作業となっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る施工モニタリングシステムは、タワークレーンを使用する建設現場における施工モニタリングシステムにおいて、タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、前記検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を
出力する判断手段と、前記吊荷終了位置と前記施工データを対比して、前記施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、吊荷終了時における吊荷終了時刻を出力し、前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷終了時刻を対応付けて記録することを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記建築資材を吊荷開始したことを判断し、吊荷開始時における吊荷開始時刻を出力し、前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷開始時刻を対応付けて記録することを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記検出手段は、前記ジブの仰角と旋回角をジブ位置として検出することを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記検出手段は、前記ジブに設置された少なくとも1つのGPSセンサであることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することを特徴としている。
【0014】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、吊荷重量を検出する重量センサを利用して吊荷終了を判断することを特徴としている。
【0015】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記判断手段は、前記吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ、吊荷終了の判断を行うことを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、吊荷重量を検出する重量センサで検出した重量情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【0017】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、撮像手段で撮影した画像情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【0018】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムにおいて、前記特定手段は、測域センサで計測した周囲情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、タワークレーンにおける建築資材の吊荷終了位置が、建築資材の搬送予定位置に略等しくなることに着目したものであり、タワークレーンによる建築資材の吊荷終了位置を判断することで搬送した建築資材を特定し、精度の高い施工モニタリングを可能としている。
【0020】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、特定した建築資材と吊荷終了時刻とを対応付けて記録することで、施工全体における各建築資材の搬送状況を把握させることが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、特定した建築資材と吊荷開始時刻とを対応付けて記録することで、施工全体における各建築資材の搬送状況を把握させる
ことが可能となる。
【0022】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンにおけるジブの仰角と旋回角を検出することで吊荷位置を判定することとしている。タワークレーンには他との接触、衝突を回避するためジブの仰角、旋回角を出力するエリアキーパが備えられている。このエリアキーパからの出力を利用することで、さらなるセンサを設けることなくジブ位置を検出することが可能となる。
【0023】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンにおけるジブに少なくとも1つのGPSセンサを設置することで吊荷位置を判定することとしている。GPSセンサを利用した場合、水平方向のみならず鉛直方向の位置情報も取得できるため、さらに精度の高い施工モニタリングを行うことが可能となる。また、GPSセンサが取得するGPS情報には時刻情報も含まれているため、GPSセンサにて取得した時刻情報を利用することで、施工モニタリングの精度を高めることが可能となる。
【0024】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することとしている。タワークレーンのジブは、建築資材が目的とする設置位置に搬送された後、人手による作業にてある程度の取り付けが完了するまで静止する必要がある。このジブが所定時間以上静止したことを検出することで、建築資材の吊荷終了を判断することが可能となる。
【0025】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、吊荷重量を検出する重量センサを利用することで吊荷終了を判断することとしている。タワークレーンでは定格荷重を超えないよう吊荷重量を監視する重量センサが設けられている。この重量センサを利用し、その吊荷重量の変化を検出することで吊荷終了を判断することが可能となる。
【0026】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、タワークレーンの吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ吊荷終了の判断を行うようにしたことで、吊荷位置が、資材の搬入エリアなど施工エリア以外に位置している場合を除外し、より精度の高い吊荷終了判断を行うことが可能となる。
【0027】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、重量センサで検出した建築資材の重量情報にて吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りを低減させることとしている。施工データに含まれる建築資材の重量情報と、検出した重量情報の照合を行うことで確認することができる。
【0028】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、撮像手段で撮影した画像情報を利用して吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りの抑制を図ることとしている。具体的な確認方法としては、画像認識技術を用い、施工データに含まれる建築資材の形状と画像情報から抽出した建築資材の形状を照合することや、表示手段にて管理者に画像を提示して確認させることなどが考えられる。
【0029】
さらに、本発明に係る施工モニタリングシステムでは、測域センサで取得した周囲情報を利用して吊荷した建築資材を確認することで、建築資材の特定誤りを低減させることとしている。ここで、測域センサとは周囲にレーザ光を照射し、周囲の物体までの距離を計測し、周囲の物体を3次元形状として取得できる光走査型距離計測センサである。この測域センサで取得した周囲情報を用い、施工データに含まれる建築資材の形状データ形状と照合することや、表示手段にて提示することで確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】建設現場に設置されたタワークレーンの外観図。
【図2】本発明の実施形態に係るタワークレーンの吊荷位置検出を説明する図。
【図3】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの処理を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係る工程データ(施工データ)を説明するための図。
【図6】本発明の実施形態に係る資材データ、資材属性データ(施工データ)を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係る吊荷終了の判断を説明する図。
【図8】本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの表示の様子を示す図。
【図9】本発明の他の実施形態に係る検出手段を示す図。
【図10】本発明の他の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、建設現場に設置されたタワークレーンの外観図である。図に示されているようにタワークレーン10は、ビル建設現場などの上部に設置され、搬入位置から引き上げた建築資材を設置すべき位置へと搬送する。
【0032】
タワークレーン10は、建設現場に設置されるタワー15、タワー15上部にて旋回可能に設けられた旋回フレーム16、運転席14、旋回フレーム16上にて角度変更可能に設けられたジブ11、ジブ11の先端から吊荷される吊荷ワイヤー12、吊荷ワイヤー12の先端にて建築資材31を吊荷するフックブロック13を主な構成として備えている。
【0033】
このタワークレーン10では、タワー15上で旋回フレーム16を回動させること、そして旋回フレーム16上におけるジブ11の角度(仰角)を変更すること、そして巻上手段にて吊荷ワイヤー12の繰り出し量を変更することにて、建築資材31を所望の位置に搬送することが可能である。
【0034】
建築資材は、それが取り付けられる位置までタワークレーン10にて搬送され、人手による取り付け作業が実行される。取付が十分になされると建築資材はフックブロック13から取り外されて、次の建築資材の搬送のため搬入位置へと移動する。本発明は、建築資材が取り付け位置までタワークレーン10にて搬送されること、すなわち、タワークレーン10の吊荷終了位置が、取り付け位置に略等しくなることに着目したものである。
【0035】
図2は、本発明の実施形態に係るタワークレーンの吊荷位置検出を説明する図であり、図2(a)はタワークレーン10が設置された建設現場の側面図を、図2(b)は同建設現場の上面図を示している。なお、本実施形態は、建造物の階層毎における進行状況を把握するものであって、階層に関して把握するためには、階層が異なる旨の指示を与える、あるいは、鉛直方向の位置を検知することが必要とされる。
【0036】
ここでは、水平面をXY平面にとり、鉛直(重力)方向をZ軸にとる座標系を設定している。ジブ11は、旋回フレーム16上にて仰角αを可変可能としている。また、旋回フレーム16は、タワー15上にて旋回可能としており、基準方向(ここではX方向)からの角度を旋回角βとしている。実際には、XY平面上におけるジブ11の回転原点と、旋回フレームの回転原点とは異なるものとなるが、ここでは計算の簡略化のため同じ位置に位置することとしている。なお、本実施形態では、タワークレーン10の回動原点を基準に座標系を決めているが、座標系の取り方は建造物側の適宜位置を原点に取ることでも構わない。また、タワークレーン10と建造物の位置関係は、データとして予め保持されており、吊荷位置を算出するために利用される。
【0037】
ジブ11のXY平面上での長さLxyは、ジブ11の長さLとジブ11の仰角αにより
、
Lxy=L*cosα
と表すことができる。また、XY平面上におけるタワークレーン10の吊荷位置A、すなわち、吊荷ワイヤー12やフックブロック13のXY平面上での投影位置は、
A(x,y)=( Lxy*cosβ, Lxy*sinβ )
にて計算される。本実施形態では、この吊荷位置Aを利用して建築資材の搬送先、すなわち、吊荷終了位置を判断することとしている。ここでは、ジブ11の回動中心と旋回フレーム16の回動中心が同じことを仮定して吊荷位置Aを計算したが、これらが異なる場合にはそれを考慮した計算が行われる。
【0038】
このように、本実施形態では、ジブ位置としてジブ11の仰角α、旋回角βを用いることとしている。これらの検出は、他との接触、衝突を回避することを目的としてタワークレーン10に設けられているエリアキーパからの出力を利用することが考えられる。エリアキーパをジブ11の位置検出手段として利用することで、さらなるセンサを設けることなくジブ11の位置を検出することが可能となる。
【0039】
本実施形態では、タワークレーン10の吊荷位置Aとして、XY平面上での投影位置を利用することとしているが、フックブロック13などZ軸上における吊荷位置を利用することとしてもよい。この場合、巻上手段における吊荷ワイヤー12の繰り出し量などを検出することで、適宜基準位置からの高さzを検出することができる。Z軸上での吊荷位置を利用し、吊荷位置を3次元的に把握することでさらに精度の高い施工モニタリングを実現できる。
【0040】
では、図3〜図8を用いて、本実施形態に係る施工モニタリングシステムの説明を行う。図3は、本実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図である。この実施形態における施工モニタリングシステムは、検出手段21と情報処理装置20を主な構成要素としている。
【0041】
検出手段21は、タワークレーン10の吊荷位置Aを算出するため、ジブ11の位置を検出する手段であり、図2で説明した実施形態ではジブ11の仰角α、旋回角βを検出するエリアキーパなどがこれに相当する。情報処理装置20は、パーソナルコンピュータなど汎用のものを用いることが可能であって、タワークレーン10の運転室14などに設置される。なお、検出手段21にて収集した情報をネットワークを介して外部サーバなどに送信し、外部サーバにて処理することとしてもよい。
【0042】
情報処理装置20は、制御手段22、記憶手段23、表示手段24、通信手段25などを備えて構成されている。制御手段22はCPUなどにて構成され、各種処理を実行可能とする手段である。本実施形態では実装されたプログラムにより、算出手段22a、判断手段22b、特定手段22cなど各種機能が実現される。記憶手段23は、ハードディスクなどにて構成され、施工データなどを記憶すると共に、収集した各種情報を記憶する手段である。表示手段24は、視覚的な情報を提示する手段であり、処理結果を管理者に対して表示する場合に利用される。通信手段25は、外部サーバ等との通信を可能とする手段であり、必要とされる各種情報や処理結果の送受信を可能とする。
【0043】
図4は、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの処理を示すフロー図である。タワークレーン10の1回の搬送処理に対して、この図に示される一連の処理を適用することで、搬送した建築資材の特定が行われる。
【0044】
図5、図6は、本発明の実施形態に係る施工データを示した図である。図5は、施工データ中の工程データを視覚的に表現した図であり、図6は、施工データ中の資材データ、
資材属性データが有する項目の一例を示した図である。これら施工データは、図3で説明した記憶手段23に記憶されている。
【0045】
図5に示されるように、建造物に使用される建築資材には、それぞれを識別可能とする資材ID(建築資材識別情報)が割り振られている。また、各建築資材には、タワークレーンによる搬送作業と取り付け作業の予定期間が設定されている。これら予定期間は、これまでの施工経験を元に決定された施工スケジュールである。図では理解しやすいようガントチャートとして視覚的に表示している。図中、斜線枠はタワークレーンによる搬送予定期間を示しており、左端が吊荷開始予定時刻を、右端が吊荷終了予定時刻を示している。また、白枠は人手による取付予定期間を示しており、左端が取付開始予定時刻を、右端が取付終了予定時刻を示している。
【0046】
図6(a)は、施工データ中の資材データを示した図である。資材データは、図5の施工データと資材IDにて対応付けられており、搬送予定位置と資材属性IDなどを含んで構成される。搬送予定位置は、建築資材が搬送され取り付けられる位置に対応したデータであって、少なくともXY平面上での位置情報を有する。建築資材の重心位置を考慮した搬送予定位置を用いることで、建築資材の特定精度を高めることが可能となる。
【0047】
この資材データは建築設計時において使用されたCADデータから取得されるものであってもよい。また、搬送予定位置にはXY平面上の位置情報だけでなく鉛直上(Z軸上)における位置情報を含めることとしてもよい。検知手段21にて鉛直上の位置情報を取得できる場合には、施工中の階層についても判断することが可能となり、建築資材の特定精度が高められる。
【0048】
図4において、S101にて処理が開始されると、まず、タワークレーン10が建築資材の吊荷開始を検出したか否かが判定される。この判定はタワークレーン10の吊荷位置が図2に示される搬入エリアに位置したこと、あるいは、タワークレーン10の重量センサが所定重量以上を吊荷したことを検出したこと等を条件として判定することができる。建築資材の吊荷を開始したことが判定されると、S103にて吊荷開始時刻が記録される。
【0049】
S104では、判断手段22bにて建築資材の吊荷終了を検出したか否かが判断される。吊荷終了が判断された場合には、算出手段22aにて算出された吊荷位置Aを吊荷終了位置として記録すると共に、その時点における時刻を吊荷終了時刻として記録する。吊荷終了の判定には各種手法を利用することができるが、図7を用いて判断方法の一例を説明する。
【0050】
図7は、タワークレーンの稼働状況を利用した吊荷終了の判断を説明するための図であり、ジブ11の旋回角の遷移状況が示されている。期間Aは搬入エリアにて建築資材が吊荷されている期間を示している。期間Bはジブ11の旋回にて建築資材が搬送予定位置に搬送される際の旋回角の変動が示されている。本実施形態では、ジブ11が所定期間静止したことを条件として吊荷終了を判断することとしている。図に示されるように静止を開始してから所定時間T経過したことをもって吊荷終了が判断される。なお、ここではジブ11の旋回角のみで説明を行ったが、この他にもジブ11の仰角、あるいは、吊荷ワイヤー12の稼働状況を加えて判断することとしてもよい。
【0051】
吊荷終了の判断は、このタワークレーンの稼働状況によるものの他、タワークレーンの重量センサの変動状況、すなわち、吊荷重量が軽減されたことをもって判断することとしてもよい。さらには、次の建築資材の搬送のためにジブ11が移動開始したことをもって判断することとしてもよいし、複数の条件を組み合わせて判断することとしてもよい。な
お、吊荷終了の判断は、吊荷位置Aが所定の施工エリア内に位置しているときのみ判断することしてもよい。搬入エリアなどを除外することで吊荷終了の判断をより正確なものとすることができる。
【0052】
S106では、S105にて記録した吊荷終了位置を、図6(a)の資材データ(施工データの一部)中の搬送予定位置と対比することで資材IDの特定が行われる。この特定は、特定手段22cにて特定手段23に記憶される施工データと対比させることで実行される。なお、対比においては、建築資材が搬送予定位置に正確に搬送されない場合もあるため、ある程度誤差を持たせておくとよい。施工中の階層が特定される場合、少なくともXY平面上にておける対比にて建築資材を特定することが可能であり、Z軸上での対比は必ずしも行う必要はない。
【0053】
S107では、S106にて特定した資材IDにS105に記録した吊荷終了時刻と、S103にて記録した吊荷開始時刻を対応付けて記録する。タワークレーンによる作業状況を正確に把握するためには、吊荷開始時刻、吊荷終了時刻の両方を対応付けて記録することが好ましいが、施工全体における建築資材の取付進行状況を把握するのであれば、吊荷開始時刻、吊荷終了時刻のどちらか一方のみを記録することとしてもよい。
【0054】
以上の処理を繰り返して実行することで、建築資材毎の搬送状況をモニタリングすることが可能となる。図8は、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムの表示例を示す図である。ここでは、図5の工程データの説明に用いたガントチャートを用いて表示したものとなっており、図5の工程データに加え、グレー枠にてタワークレーンの稼働期間が示されている。グレー枠の左端は吊荷開始時刻を、右端は吊荷終了時刻を示している。このようにタワークレーンによる搬送予定期間に対応して、実際の稼働期間を表示させることで、施工予定に対する実際の施工状況を容易に把握させることが可能となる。
【0055】
以上、本発明の実施形態に係る施工モニタリングシステムについて説明したが、本発明によれば、タワークレーンによる建築資材の吊荷終了位置を判断することで搬送した建築資材を特定し、精度の高い施工モニタリングを可能としている。なお、図4で説明した処理は、リアルタイムに行う必要はなく、検出手段21などからのデータを蓄積しておき、蓄積したデータに基づいて事後的に行われるものであってもよい。
【0056】
前述の実施形態では、検出手段21として、エリアキーパなどによるジブ11の仰角、旋回角を利用するものであったが、検出手段21にはGPSセンサを利用することも考えられる。図9は、GPSセンサを利用した各種検出手段21を説明する図である。
【0057】
図9(a)は、2つのGPSセンサ21a、21bを設置した形態であって、2つのGPSセンサ21a、21bは適宜間隔を有してジブ11上に設置される。このように2つのGPSセンサ21a、2bを設け、検出された位置情報の差分を取ることで、前述の実施形態と同様、ジブ11の仰角、旋回角を算出することが可能となる。
【0058】
図9(b)は、1つのGPSセンサ21cをジブ11の先端に取り付けた形態である。このような形態では、GPSセンサが出力する位置情報をそのまま吊荷位置として利用することが可能となる。
【0059】
図9(c)は、1つのGPSセンサ21dをフックブロック13などに取り付けることで、平面位置の吊荷位置に加え、鉛直方向の吊荷位置を直接検出することのできる形態となっている。
【0060】
以上、何れの実施形態においても、GPSセンサ21は、防水、耐熱を考慮したケース
に収納されて設置される。また、GPSセンサ21からの各種信号の取得はケーブルにて行うこととしてもよいし、無線で行うものであってもよい。また、GPSセンサ21への給電はケーブルで行うものであっても、バッテリを介して行うこととしてもよい。現在、GPSセンサはUSBケーブルを利用して汎用のパーソナルコンピュータに接続されるものが多いが、このようなUSBケーブルを利用した場合には、ケーブル長の制限が設けられるため、図9(a)のような実施形態が都合がよい。
【0061】
前術の実施形態では、吊荷終了位置と搬送予定位置を対比させることで、吊荷した資材IDを特定することとしていたが、資材IDの特定をさらに確かなものとするための実施形態について図10を用いて説明する。
【0062】
図10は、本発明の他の実施形態に係る施工モニタリングシステムの構成を示す図である。図3にて説明した構成とは、建設現場に撮像手段32a、32bが設けられている点、並びに、特定手段22cにおいて確認手段が設けられている点において異なった形態となっている。
【0063】
撮像手段32a、32bは、建設現場の状況を撮像し画像情報を出力する手段であって、デジタルカメラなどによって構成される。図では2台の撮像手段32a、32bにて、それぞれの視野角にて建設現場全域を十分に撮像することが可能となっている。撮像手段32の設置場所としては、建築現場に設置することの他、タワークレーン10の運転室14前方など、常に吊荷位置方向を向く場所に設置することとしてもよい。また、本実施形態では、吊荷位置を検出することとしているため、検出した吊荷位置に基づいて、撮像手段32の撮像方向を制御することとしてもよい。このような形態では撮像範囲の拡大を図るとともに、撮像手段32の設置台数の削減を図ることが可能となる。
【0064】
撮像された画像情報は、確認手段22cにおいて、資材IDの特定をより確かなものとするために利用される。例えば、画像認識技術を用い、図6(b)の資材属性データに含まれる資材形状情報と画像情報から抽出した建築資材の形状を照合することで実行される。資材形状データは、建築設計時に使用されたCADデータから容易に取得することが可能な3次元形状データを用いることが可能である。
【0065】
画像情報を利用した確認方法としては、管理者により確認させることとしてもよい。表示手段に画像情報とともに、特定した建築資材の各種情報を併せて表示して管理者に確認させる。または、特定手段22cにて資材IDが複数候補存在した場合において、同様に表示手段に画像情報を表示させて管理者に確認させることとなどが考えられる。
【0066】
本実施形態では、デジタルカメラなどの撮像手段32a、32bを用いて確認することを説明したが、このような撮像手段32a、32bに代えて測域センサを用いることとしてもよい。測域センサは、周囲にレーザ光を照射し、周囲の物体までの距離を計測し、周囲の物体を3次元形状として取得できる光走査型距離計測センサである。撮像手段32では2次元の画像情報しか取得できないのに対し、測域センサを用いた場合には、建築資材の3次元形状を取得することが可能となるため、資材属性データに含まれる資材形状情報と照合を行う場合にはより精度の高い照合を行うことが可能となる。
【0067】
以上、本実施形態では、撮像手段32の撮像情報や測域センサの周囲情報を用いることで、吊荷した建築資材の特定をより正確なものとすることが可能となる。確認手段としては、このような形態の他、タワークレーン11の重量センサを利用することも考えられる。この場合、重量センサにて検出した吊荷重量は、図6(b)の資材属性データと照合することで資材IDの特定をさらに正確なものとすることが可能となる。
【0068】
なお、本発明はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0069】
10…タワークレーン、11…ジブ、12…吊荷ワイヤー、13…フックブロック、14…運転室、15…タワー、16…旋回フレーム、20…情報処理装置、21…検出手段、22…制御手段、22a…算出手段、22b…判断手段、22c…特定手段、23…記憶手段、24…表示手段、25…通信手段、21a〜21c…GPSセンサ、31…建築資材、32a、32b…撮像手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワークレーンを使用する建設現場における施工モニタリングシステムにおいて、
タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、
建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、
前記検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、
建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を出力する判断手段と、
前記吊荷終了位置と前記施工データを対比して、前記施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする
施工モニタリングシステム。
【請求項2】
前記判断手段は、吊荷終了時における吊荷終了時刻を出力し、
前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷終了時刻を対応付けて記録することを特徴とする
請求項1に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記建築資材を吊荷開始したことを判断し、吊荷開始時における吊荷開始時刻を出力し、
前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷開始時刻を対応付けて記録することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項4】
前記検出手段は、前記ジブの仰角と旋回角をジブ位置として検出することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項5】
前記検出手段は、前記ジブに設置された少なくとも1つのGPSセンサであることを特徴とする
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項6】
前記判断手段は、前記ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項7】
前記判断手段は、吊荷重量を検出する重量センサを利用して吊荷終了を判断することを特徴とする
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項8】
前記判断手段は、前記吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ、吊荷終了の判断を行うことを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項9】
前記特定手段は、吊荷重量を検出する重量センサで検出した重量情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項10】
前記特定手段は、撮像手段で撮影した画像情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項11】
前記特定手段は、測域センサで計測した周囲情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項1】
タワークレーンを使用する建設現場における施工モニタリングシステムにおいて、
タワークレーンのジブ位置を検出する検出手段と、
建築資材の搬送予定位置を建築資材識別情報に対応付けて記録した施工データと、
前記検出手段にて検出したジブ位置に基づいて吊荷位置を算出する算出手段と、
建築資材を吊荷終了したことを判断し、吊荷終了時における吊荷終了位置を出力する判断手段と、
前記吊荷終了位置と前記施工データを対比して、前記施工データ中における建築資材識別情報を特定する特定手段と、を備えることを特徴とする
施工モニタリングシステム。
【請求項2】
前記判断手段は、吊荷終了時における吊荷終了時刻を出力し、
前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷終了時刻を対応付けて記録することを特徴とする
請求項1に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記建築資材を吊荷開始したことを判断し、吊荷開始時における吊荷開始時刻を出力し、
前記特定手段は、特定した建築資材識別情報と前記吊荷開始時刻を対応付けて記録することを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項4】
前記検出手段は、前記ジブの仰角と旋回角をジブ位置として検出することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項5】
前記検出手段は、前記ジブに設置された少なくとも1つのGPSセンサであることを特徴とする
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項6】
前記判断手段は、前記ジブが所定時間以上静止したことを条件として吊荷終了を判断することを特徴とする
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項7】
前記判断手段は、吊荷重量を検出する重量センサを利用して吊荷終了を判断することを特徴とする
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項8】
前記判断手段は、前記吊荷位置が所定の施工エリア内に位置している場合のみ、吊荷終了の判断を行うことを特徴とする
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項9】
前記特定手段は、吊荷重量を検出する重量センサで検出した重量情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項10】
前記特定手段は、撮像手段で撮影した画像情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【請求項11】
前記特定手段は、測域センサで計測した周囲情報に基づいて、吊荷した建築資材を確認することを特徴とする
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の施工モニタリングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−56753(P2012−56753A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203898(P2010−203898)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【Fターム(参考)】
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