説明

旅行時間推計装置およびその方法、コンピュータプログラム

【課題】プローブ車両から得た少ない情報からでも精度よく走行軌跡を推定し、且つ少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することができる旅行時間推計装置を実現する。
【解決手段】自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両2から収集された走行情報に基づいて特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計装置1であって、走行情報に基づいて走行軌跡を作成し、特定区間内における走行軌跡を記憶し、この記憶された走行軌跡に基づいて、該走行軌跡に対応する特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成し、この区間旅行時間統計モデルと作成された走行軌跡に基づいてこの走行軌跡に対応する特定区間の区間旅行時間推計モデルを作成し、この区間旅行時間推計モデルから区間旅行時間を求めることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の路線区間の車両移動に要する時間(区間旅行時間)を推計して提供する道路情報提供サービス等に用いて好適な旅行時間推計装置およびその方法、並びにその旅行時間推計装置をコンピュータを利用して実現するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特定の路線区間の車両移動に要する時間(以下、区間旅行時間と称する)を推計して提供する道路情報提供サービスが行われている。従来、このサービスにおいては、複数の所定位置の交通状況を、路側に設置した観測機器で定点観測し、この観測データを元に区間旅行時間を推計していた。しかし、この方法で広範囲の領域にサービスを提供しようとすると、その対象とする路線すべてに多くの観測機器を設置する必要があるために設置コストがかかり、サービス提供者にとってはこの負担が大きいという問題がある。また、民間の事業者が観測機器を設置するには多くの法的な制約があり、上記方法によりサービスを実現することは容易ではないという問題もある。
【0003】
このような問題を解決する方法として、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両を利用するものがある。従来より実施されているプローブ車両を利用したデータ収集方法では、特定路線区間を走行するプローブ車両から走行情報を、0.1秒〜数十秒のいずれかの間隔で定期的に収集する。そして、この収集した走行情報に基づいて特定区間を通過する所要時間を計測する。例えば、プローブ車両としてタクシーを利用し、タクシーが特定路線区間を走行した際に発信する走行情報を定期的に収集する。これにより、路側に多くの観測機器を設置することなく、区間旅行時間を推計することが実現されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来のプローブ車両を用いる方法では、以下のような問題がある。
先ず第1の問題点について述べる。従来の方法のように、特定区間を通過する所要時間を計測するだけでは、その間にプローブ車両がどのような走行状態にあったのかを考慮することができない。このために、例えば路側での短い駐車時間など、区間旅行時間とは本来無関係の車両停止時間の影響を排除することが難しく、区間旅行時間を精度よく求めることができない。
【0005】
また、その影響を排除するためには、プローブ車両の連続した走行軌跡を求め、この走行軌跡から特定区間内の車両停止を検出して車両停止の位置や継続時間を求め、パーキングブレーキの作動状態などの他の走行状態値を利用して、上記のような区間旅行時間とは本来無関係の車両停止時間を排除することが必要である。
【0006】
しかし、プローブ車両の連続した走行軌跡を求めるためには、できる限り短い時間間隔で走行情報を記録しなければならないが、そうするとデータ量が増加し、その蓄積や通信にかかるコストも増大してしまう。
【0007】
次に第2の問題点について述べる。道路情報提供サービスをリアルタイムで継続的に提供する場合、利用者に提供する区間旅行時間の精度は、該当路線区間をどの程度の時間間隔でプローブ車両が通過するかに依存する。従って、区間旅行時間の精度を高めようとすると、多くのプローブ車両をサービス対象の地区に投入しなければならず、コストが増大する。また、プローブ車両の台数が少なければ、区間旅行時間の精度が高くならない。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、プローブ車両から得た少ない情報からでも精度よく走行軌跡を推定し、且つ少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することができる旅行時間推計装置およびその方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明は、その旅行時間推計装置をコンピュータを利用して実現するためのコンピュータプログラムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明による第一の旅行時間推計装置は、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計装置であって、前記走行情報に基づいて走行軌跡を作成する走行軌跡作成手段と、前記特定区間内における前記走行軌跡を記憶する走行軌跡記憶手段と、前記走行情報記憶手段に記憶された走行軌跡に基づいて、該走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成する統計モデル作成手段と、前記区間旅行時間統計モデルと前記走行軌跡作成手段により作成された走行軌跡に基づいて、この走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間推計モデルを作成する推計モデル作成手段と、前記区間旅行時間推計モデルから区間旅行時間を求める旅行時間推計手段とを具備することを特徴としている。
【0011】
上述した第一の旅行時間推計装置においては、前記走行情報記憶手段に記憶された走行軌跡について、同じ特徴の走行軌跡をまとめてグループ化するクラスタリング手段を備え、前記統計モデル作成手段は、前記グループ毎に前記区間旅行時間統計モデルを作成することを特徴としても良い。
【0012】
上述した第一の旅行時間推計装置においては、前記走行軌跡作成手段は、前記特定区間内の予め分割された部分区間毎に走行軌跡を作成することを特徴としても良い。
【0013】
上述した第一の旅行時間推計装置においては、前記統計モデル作成手段は、前記特定区間内の各前記部分区間の走行軌跡パターンの組合せに関する同時生起確率分布、あるいは同時生起確率についての学習モデルを作成し、前記推計モデル作成手段は、前記同時生起確率分布あるいは前記学習モデルに基づいて、前記部分区間の走行軌跡に対応する前記特定区間全体の走行軌跡パターンを求めることを特徴としても良い。
【0014】
本発明による第二の旅行時間推計装置は、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計装置であって、前記プローブ車両との間でデータ通信を行う通信手段と、前記通信手段により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する情報収集手段とを具備することを特徴としている。
【0015】
上述した第二の旅行時間推計装置においては、前記事象とは、少なくとも車両停止及び一定時間内の走行状態にあることを含むことを特徴としても良い。
【0016】
上述した第二の旅行時間推計装置においては、前記情報収集手段は、前記走行情報に基づいて前記プローブ車両の速度を監視し、所定速度以下になった場合に車両停止と判断し、また、所定速度以上になった場合に車両停止が終了したと判断することを特徴としても良い。
【0017】
上述した第二の旅行時間推計装置においては、前記情報収集手段は、前記所定速度以下となった地点と前記所定速度以上となった地点の間のいずれかの地点を車両停止位置とすることを特徴としても良い。
【0018】
上述した第二の旅行時間推計装置においては、前記事象とは、車両移動を含み、前記情報収集手段は、車両移動に関する走行情報を所定時間内で収集することを特徴としても良い。
【0019】
本発明による第一の旅行時間推計方法は、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計方法であって、前記走行情報に基づいて走行軌跡を作成する過程と、前記特定区間内における前記走行軌跡を記録する過程と、前記記録された走行軌跡に基づいて、該走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成する過程と、前記区間旅行時間統計モデルと前記作成された走行軌跡に基づいて、この走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間推計モデルを作成する過程と、前記区間旅行時間推計モデルから区間旅行時間を求める過程とを含むことを特徴としている。
【0020】
本発明による第二の旅行時間推計方法は、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計方法であって、前記プローブ車両との間でデータ通信を行う過程と、前記データ通信により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する過程とを含むことを特徴としている。
【0021】
本発明による第一のコンピュータプログラムは、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記走行情報に基づいて走行軌跡を作成する処理と、前記特定区間内における前記走行軌跡を記録する処理と、前記記録された走行軌跡に基づいて、該走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成する処理と、前記区間旅行時間統計モデルと前記作成された走行軌跡に基づいて、この走行軌跡に対応する前記特定区間の区間旅行時間推計モデルを作成する処理と、前記区間旅行時間推計モデルから区間旅行時間を求める処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
これにより、前述の旅行時間推計装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【0022】
本発明による第二のコンピュータプログラムは、自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計処理を行うためのコンピュータプログラムであって、前記プローブ車両との間でデータ通信を行う処理と、前記データ通信により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する処理とをコンピュータに実行させることを特徴としている。
これにより、前述の旅行時間推計装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成し、この区間旅行時間統計モデルおよび走行軌跡に基づいて、特定区間の区間旅行時間推計モデルを求め、この区間旅行時間推計モデルから特定区間の区間旅行時間を求める。これにより、推計対象区間内の一部の区間の走行情報など、プローブ車両から得た少ない情報からでも精度よく走行軌跡を推定し、且つ少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することができるという効果が得られる。
【0024】
また、同じ特徴の走行軌跡をまとめてグループ化し、グループ毎に区間旅行時間統計モデルを作成するようにしたので、特定区間の区間旅行時間推計モデルを精度よく求めることができる。
【0025】
また、特定区間内の予め分割された部分区間毎に走行軌跡を作成するようにしたので、部分的に推計対象区間を通過するプローブ車両の走行情報を有効活用することができる。
【0026】
また、特定区間内の各部分区間の走行軌跡パターンの組合せに関する同時生起確率分布、あるいは同時生起確率についての学習モデルを作成し、この同時生起確率分布あるいは学習モデルに基づいて、部分区間の走行軌跡に対応する特定区間全体の走行軌跡パターンを求めるようにしたので、この走行軌跡パターンを区間旅行時間推計モデルとして使用し、区間旅行時間を精度よく推計することができる。
【0027】
本発明による第二の旅行時間推計装置によれば、プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に走行情報を収集するようにしたので、プローブ車両がどのような走行状態にあったのかを把握することができる。これにより、走行軌跡を推定する際にプローブ車両の走行状態を考慮することが可能となるので、精度よく走行軌跡を推定することができる。また、区間旅行時間を推計する際にも、プローブ車両の走行状態を考慮して少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することができる。
【0028】
また、車両の走行に係る事象として、少なくとも車両停止及び一定時間内の走行状態にあることを含むようにしたので、プローブ車両の走行状態をより正確に把握することができる。
【0029】
また、走行情報に基づいてプローブ車両の速度を監視し、所定速度以下になった場合に車両停止と判断し、また、所定速度以上になった場合に車両停止が終了したと判断するようにしたので、速度0にはならないが、例えば停止寸前で加速した場合等、ほとんど停止していると見なせるような走行状態を車両停止とする。これにより、イベントに基づいた走行軌跡を単純化して、走行軌跡の扱いを容易にすることができる。
【0030】
また、所定速度以下となった地点と所定速度以上となった地点の間のいずれかの地点を車両停止位置とするようにしたので、実質的な車両停止位置を得ることが可能となり、イベントに基づいた走行軌跡をより実情に合わせることができる。
【0031】
また、車両の走行に係る事象として車両移動を含むようにし、車両移動に関する走行情報を所定時間内で収集するようにしたので、車両移動中の走行軌跡を詳細に求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による旅行時間推計装置を用いた道路情報提供システムの構成例を示すブロック図である。この図1において、符号1は旅行時間推計装置、符号2はプローブ車両、符号3は通信ネットワークである。旅行時間推計装置1は通信ネットワーク3と接続される。プローブ車両2は無線により通信ネットワーク3と接続される。旅行時間推計装置1は通信ネットワーク3を介してプローブ車両2との間でデータ通信を行うことができる。
【0033】
図2は、図1に示す旅行時間推計装置1の構成を示すブロック図である。この図2において、旅行時間推計装置1は、通信部11と情報収集部12と情報処理部13と記憶部14とから構成される。通信部11は、通信ネットワーク3と接続され、プローブ車両2との間でデータ通信を行う。
【0034】
情報収集部12は、通信部11によりプローブ車両2から、該車両の位置及び走行状態を示す走行情報を収集する。この走行情報には現在時刻を示す時刻スタンプ(時刻情報)が付加されている。この情報収集処理において、情報収集部12は、車両の走行に係る事象単位に走行情報を収集する。車両の走行に係る事象とは、停止、走行中、ウインカ作動中、サイドブレーキ(駐車用ブレーキ)作動中など、車両走行状態に関する出来事のことをいう。なお、以下の説明においては、車両の走行に係る事象のことを単にイベントと称する。
【0035】
情報処理部13は、情報収集部12によって収集された走行情報に基づいて走行軌跡を推定し、この走行軌跡から特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計処理を行う。記憶部12は、情報収集部12または情報処理部13で使用される各種データを記憶する。
なお、走行軌跡とは、特定区間の起点からの距離とその経過時間の関係を示すものである。
また、区間旅行時間の推計の対象となるのは、過去、現在および将来の任意の時間帯である。本実施形態の旅行時間推計装置1は、将来の区間旅行時間の予測や、過去および現在の区間旅行時間の推測などに利用可能である。
【0036】
図3は、図2に示す情報処理部13の構成を示すブロック図である。この図3において、情報処理部13は、走行軌跡作成部21と統計モデル作成部22とクラスタリング部23と推計モデル作成部24と旅行時間推計部25とを有する。
【0037】
走行軌跡作成部21は、走行情報に基づいて該当車両の走行軌跡を作成する。
この走行軌跡作成処理において、走行軌跡作成部21は、特定区間内の予め分割された部分区間毎に走行軌跡を作成する。作成した走行軌跡については、特定区間毎に記憶部14へ記録する。
【0038】
統計モデル作成部22は、記憶部14に記憶された走行軌跡に基づいて、該走行軌跡に対応する特定区間の区間旅行時間統計モデルを作成する。この統計モデル作成処理において、統計モデル作成部22は、同じ特徴を持つ走行軌跡のグループ(走行軌跡パターン)毎に区間旅行時間統計モデルを作成する。作成した区間旅行時間統計モデルについては、特定区間毎に記憶部14へ記録する。
【0039】
なお、本実施形態では、統計モデル作成部22は、特定区間内の各部分区間の走行軌跡パターンの組合せに関する同時生起確率分布を作成する。一つの部分区間においては、様々な特徴の走行軌跡パターンがありうる。同時生起確率分布には、各部分区間の走行軌跡パターンの全組合せ(すなわち、特定区間内の走行軌跡パターンの全て)について、それぞれの同時生起確率が表される。この同時生起確率分布を特定区間毎に記憶部14へ記録する。
【0040】
また、統計モデル作成部22は、特定区間内の各部分区間の走行軌跡パターンに該当の走行軌跡から、それぞれの走行軌跡パターンの区間旅行時間を統計的に求めて記憶部14に記録する。区間旅行時間統計モデルは、この区間旅行時間の統計値と上記同時生起確率分布から構成される。
【0041】
クラスタリング部23は、記憶部14に記憶されている特定区間内の走行軌跡について、同じ特徴の走行軌跡をまとめてグループ化するクラスタリング処理を行う。
推計モデル作成部24は、記憶部14に記憶された区間旅行時間統計モデルと走行軌跡作成部21により作成された走行軌跡に基づいて、この走行軌跡に対応する特定区間の区間旅行時間推計モデルを作成する。例えば、プローブ車両から実時間で得られた走行情報に基づき走行軌跡作成部21により作成された実時間の走行軌跡について、区間旅行時間推計モデルを作成する。
【0042】
この推計モデル作成処理において、推計モデル作成部24は、記憶部14に記憶された同時生起確率分布に基づいて、部分区間の実際の走行軌跡のパターンに対応する特定区間全体の走行軌跡パターンを求める。この特定区間全体の走行軌跡パターンを区間旅行時間推計モデルとする。
【0043】
旅行時間推計部25は、推計モデル作成部24により作成された区間旅行時間推計モデルから区間旅行時間を求める。
【0044】
なお、情報処理部13は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この情報処理部13はメモリおよびCPU(中央処理装置)により構成され、情報処理部13の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0045】
また、記憶部12は、ハードディスク装置や光磁気ディスク装置、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリや、CD−ROM等の読み出しのみが可能な記録媒体、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成されるものとする。
【0046】
また、記憶部12は、旅行時間推計装置1に内蔵されるものであっても、図示しない他の装置(データベースサーバ)内にあり、旅行時間推計装置1は、通信によりこれら記憶部にアクセスするものであってもよい。
【0047】
また、この旅行時間推計装置1には、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも図示せず)が接続されるものとする。ここで、入力装置とはキーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とはCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。また、上記周辺機器については、旅行時間推計装置1に直接接続するものであってもよく、あるいは通信回線を介して接続するようにしてもよい。
【0048】
次に、上述した旅行時間推計装置1が行う旅行時間推計処理について、順次説明する。初めに、情報収集部12がプローブ車両2から走行情報を収集する情報収集処理を説明する。
先ず、プローブ車両2の構成と動作を説明する。プローブ車両2は、自車の走行速度を測定する速度検出装置、自車の位置を検出する位置検出装置(例えばGPS装置)、サイドブレーキやウインカ等の作動状態を検出する検出装置などの各種検出装置と、無線通信装置とを備える。各検出装置によって自車の位置及び走行状態を示す走行情報(速度や位置等の情報)が取得される。この走行情報は、イベント単位に、無線通信装置により現在時刻を示す時刻スタンプが付加されて発信される。
【0049】
例えば、プローブ車両2のトリップ中の速度変動が図4に示すものであったとする。波形P1はプローブ車両2の実際の速度を示す。波形P2は車両移動(ST;ショートトリップ)期間の平均速度を示す。この図4において、波形P2で速度0の期間、例えば時刻t1〜t2までの期間はイベントSS(ショートストップ(車両停止)に関するイベント)に対応し、プローブ車両2はこの期間終了時にイベントSSをイベント継続時間(t1〜t2までの時間)及び現在位置(AAAA)及び時刻スタンプ(時刻t2’)とともに発信する。
【0050】
また、波形P2で速度0以外の期間、例えば時刻t3〜t4までの期間はイベントST(ショートトリップ(車両移動)に関するイベント)に対応し、プローブ車両2はこの期間終了時にイベントSTをイベント継続時間(t3〜t4までの時間)及び現在位置(BBBB)及び時刻スタンプ(時刻t4’)とともに発信する。ただし、イベントSTについては、連続した車両移動中の状態であっても、所定時間内(T秒以内)にイベントSTを発信するようにする。なお、イベントSTでは走行中の平均速度または加速度の情報を発信するようにしてもよい。
【0051】
旅行時間推計装置1の情報収集部12は、上記プローブ車両2から発信される情報をイベント単位に収集して記憶部14に記録する。図5は、この走行情報の記録内容の一例を示す図である。この図5の例には、上記図4のトリップに関する走行情報を示している。図5に示すように、情報収集部12は、プローブ車両2個別に、走行情報を取得した日時と、該取得した走行情報とを関連付けて記録する。例えば、時刻t2’に、位置AAAAのプローブ車両2から、イベントSSおよびこのイベント継続時間「30秒」を取得したことが記録されている。
【0052】
なお、情報収集部12は、イベントSSについて、以下のようにして車両停止の判定を行うようにしてもよい。図6は、この車両停止判定処理について説明するための図であって、時間経過とプローブ車両2の走行距離との対応を示している。情報収集部12は、走行情報に基づいてプローブ車両2の速度を監視する。
情報収集部12は、プローブ車両2の速度が予め設定されている車両停止判定用の速度閾値以下になった場合に、車両停止と判断する。また、プローブ車両2の速度が予め設定されている車両停止終了判定用の速度閾値以上になった場合に、車両停止が終了したと判断する。なお、車両停止判定用と車両停止終了判定用の速度閾値は、それぞれ異なる値であっても、あるいは同じ値であってもよい。
【0053】
また、情報収集部12は、プローブ車両2の速度が車両停止判定用の速度閾値以下となった地点と、車両停止終了判定用の速度閾値以上となった地点の間のいずれかの地点を車両停止位置とする。
【0054】
図6では、上記速度閾値を車両停止判定用の速度閾値TH1、車両停止終了判定用の速度閾値TH2としている。図6において、走行軌跡W1がプローブ車両2の実際の走行軌跡である。プローブ車両2は、初めのイベントSTの区間の終了付近で減速し、距離Aの地点で速度が速度閾値TH1となる。距離Aの地点での走行軌跡W1の波形の傾き(矢印線の傾き)が、距離Aの地点でのプローブ車両2の速度である。プローブ車両2は、その後さらに減速して速度が速度閾値TH1未満となった後で加速し、距離Bの地点で速度が速度閾値TH2となる。その後はさらに加速して速度閾値TH2以上の速度で走行する。
【0055】
この場合、情報収集部12は、距離Aの地点から距離Bの地点までをイベントSSの区間と判断する。また、距離Aの地点から距離Bの地点の間のいずれかの地点を車両停止位置と判断する。そして、距離Bの地点以降の区間をイベントSTの区間とする。
【0056】
このようにして、イベントSSとSTの区間が決定された結果、イベントSSとSTに基づいた走行軌跡は、図6の走行軌跡W2となる。この車両停止判定方法によれば、速度0にはならないが、例えば停止寸前で加速した場合等、ほとんど停止していると見なせるような走行状態を車両停止とする。これにより、イベントに基づいた走行軌跡を単純化して、走行軌跡の扱いを容易にすることができる。
【0057】
次に、情報処理部13が行う旅行時間推計処理について説明する。この旅行時間推計処理はオフライン処理とオンライン処理から構成される。初めに、オフライン処理を説明する。図7は、旅行時間推計オフライン処理の流れを示すフローチャートである。この旅行時間推計オフライン処理では、予めプローブ車両2から収集済みの走行情報を使用する。したがって、このオフライン処理時には、旅行時間推計装置1とプローブ車両2との間が通信接続状態である必要はない。
【0058】
図7において、情報処理部13の走行軌跡作成部21は、情報収集部12によって記憶部14の走行情報が更新されている場合に、走行軌跡を作成して記憶部14に蓄積する(ステップS1、S2)。この走行軌跡作成処理において、走行軌跡作成部21は、上記図5に示すような走行情報に基づいて、推計対象の特定区間内の予め分割された部分区間毎に、図6の走行軌跡W2のような走行軌跡を作成する。この走行軌跡データは時間経過と走行距離との関係を示すデータとなる。
【0059】
例えば、図8に示すように、推計対象区間が予め7つの部分区間A〜Gに分割されている場合、プローブ車両は、任意の路線を自由走行するので、トリップ1のように部分区間A〜Gの全てを通過するとは限らない。例えばトリップ2のように一つの部分区間のみ通過する場合や、あるいはトリップ3のように推計対象区間内の一部の複数部分区間を通過する場合などがある。そこで、部分的に推計対象区間を通過するプローブ車両の走行情報を有効活用するために、部分区間毎に走行軌跡を作成する。
【0060】
なお、ここで、記憶部14の走行情報の内、当該推計対象区間の区間旅行時間の分析に適当な走行情報を抽出するように、情報の取捨選択を行うようにしてもよい。また、該当路線区間の道路地図データに関連付けて、該作成した走行軌跡を記憶部14に記録するようにしてもよい。
【0061】
次いで、図7のステップS3において、クラスタリング部23は、記憶部14に蓄積されている推計対象区間内の走行軌跡について、同じ特徴の走行軌跡をまとめてグループ化する。例えば、図9に示すように、非渋滞時の特徴を持つ走行軌跡をグループ1の走行軌跡パターンとして、渋滞時の特徴を持つ走行軌跡をグループ2の走行軌跡パターンとして、その他の走行軌跡をグループ3の走行軌跡パターンとして、それぞれ分類する。
【0062】
次いで、図7のステップS4において、統計モデル作成部22は、各部分区間のグループがどのような相関で出現するかを示す同時生起確率分布を作成する。
具体的には、推計対象区間内を一部分でも通過した全てのトリップのそれぞれについて、各部分区間の上記分類された走行軌跡パターンのクラスタの内、いずれのクラスタに属するかを分析し、この組合せパターンを当該走行軌跡から得られる同時生起事象とする。この全ての同時生起事象の出現頻度から、各部分区間の上記分類された走行軌跡パターンのクラスタ同士の同時生起確率分布を統計的な処理で求める。または、組合せパターンを同時生起事象として、ニューラルネットなどの学習モデルに適用し、各部分区間の上記分類された走行軌跡パターンのクラスタ同士の同時生起確率モデルを求める。
統計モデル作成部22は、このようにして作成した同時生起確率分布あるいは同時生起確率モデルを記憶部14へ記録する。
【0063】
例えば、図10に示すトリップの走行軌跡W3では、部分区間Aの走行軌跡はグループA1に、部分区間Bの走行軌跡はグループB2に、部分区間Cの走行軌跡はグループC3に、それぞれ分類される。この場合、これら3つのグループA1,B2,C3のそれぞれの走行軌跡パターンが同時に生起しているとして、このグループA1,B2,C3の組合せの出現度数を1つカウントアップする。このようにして、全てのトリップについて、同時に生起している各部分区間の走行軌跡パターンの組合せの出現度数を求め、この結果から同時生起確率分布を作成する。
【0064】
また、統計モデル作成部22は、推計対象区間内の各部分区間の走行軌跡パターンに該当の走行軌跡から、それぞれの走行軌跡パターンの区間旅行時間を統計的に求めて記憶部14に記録する。これにより、記憶部14には、部分区間の走行軌跡パターン毎の区間旅行時間統計値が蓄積される。区間旅行時間統計モデルは、この区間旅行時間統計値と、上記同時生起確率分布あるいは同時生起確率モデルから構成される。
【0065】
次に、情報処理部13が行う旅行時間推計処理のオンライン処理について説明する。図11は、旅行時間推計オンライン処理の流れを示すフローチャートである。この旅行時間推計オンライン処理では、プローブ車両2から実時間で取得する走行情報を使用する。したがって、このオンライン処理時には、旅行時間推計装置1とプローブ車両2との間が通信接続状態となる。
【0066】
図11において、情報処理部13の走行軌跡作成部21は、情報収集部12によって推計対象区間内の走行情報が取得されると、部分区間毎に走行軌跡を作成する(ステップS11、S12)。
【0067】
次いで、推計モデル作成部24は、この作成された走行軌跡を分析し、各部分区間の走行パターンが上記オフライン処理で部分区間毎に分類されたいずれのグループに属するかを判定する。この判定により、各部分区間の走行パターンが求まる。次いで、この各部分区間の走行パターンの組合せから、最も確からしい推計対象区間全体の走行軌跡パターンを求める。この処理においては、記憶部14の同時生起確率分布あるいは同時生起確率モデルの内、推計対象区間に関するものを使用して、最尤法等により最も確からしい推計対象区間全体の走行軌跡パターンが求める(ステップS13)。この推計対象区間全体の走行軌跡パターンが推計対象区間の区間旅行時間推計モデルとなる。
【0068】
次いで、旅行時間推計部25は、この区間旅行時間推計モデルに該当の部分区間毎の区間旅行時間統計値を記憶部14から読み出す。次いで、この区間旅行時間統計値を区間旅行時間推計モデルに入力し、推計対象区間の区間旅行時間を推計して求める。
【0069】
上述したように、本実施形態によれば、推計対象区間の区間旅行時間統計モデル(同時生起確率分布あるいは同時生起確率モデル、および区間旅行時間統計値から構成されるモデル)を作成する。そして、この区間旅行時間統計モデルに基づいて、実際の走行軌跡(推計対象区間内の全部または一部の区間の走行軌跡)から推計対象区間全体の区間旅行時間推計モデル(推計対象区間全体の走行軌跡パターン)を求め、推計対象区間の区間旅行時間を推計する。これにより、推計対象区間内の一部の区間の走行情報など、プローブ車両から得た少ない情報からでも、区間旅行時間統計モデルに基づいて精度よく走行軌跡を推定することができる。さらに、区間旅行時間統計モデルに基づいて推計対象区間全体の区間旅行時間推計モデルを求め、推計対象区間の区間旅行時間を推計するので、少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することができる。
【0070】
また、情報収集の際には、プローブ車両から、車両停止や車両移動など、イベント(車両の走行に係る事象)単位に走行情報を収集するので、推計対象区間を通過する間にプローブ車両がどのような走行状態にあったのかを把握することができる。これにより、走行軌跡を推定する際にプローブ車両の走行状態を考慮することが可能となるので、精度よく走行軌跡を推定することができるという効果が得られる。また、区間旅行時間を推計する際にも、プローブ車両の走行状態を考慮して少ない台数のプローブ車両で効率的に区間旅行時間を推計することが可能となる。
【0071】
なお、プローブ車両から、車両停止に関する走行情報のみを収集するようにしてもよい。これは、イベントSS(車両停止に関するイベント)間については一定速度の車両移動状態と見なすことによって、イベントSSの走行情報のみからでも走行軌跡を描き、区間旅行時間を推定することができるからである。このようにすれば、走行情報のデータ量を減らせるので、蓄積や通信にかかるコストを削減することが可能となる。
【0072】
また、図7または図11に示す各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより旅行時間推計処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0073】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0074】
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の一実施形態による旅行時間推計装置1を用いた道路情報提供システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す旅行時間推計装置1の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す情報処理部13の構成を示すブロック図である。
【図4】プローブ車両2のトリップ中の速度変動の一例を示す図である。
【図5】走行情報の記録内容の一例を示す図である。
【図6】車両停止判定処理について説明するための図である。
【図7】旅行時間推計オフライン処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】走行軌跡作成処理について説明するための図である。
【図9】クラスタリング処理について説明するための図である。
【図10】統計モデル作成処理について説明するための図である。
【図11】旅行時間推計オンライン処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
1…旅行時間推計装置、2…プローブ車両、3…通信ネットワーク、11…通信部、12…情報収集部、13…情報処理部、14…記憶部、21…走行軌跡作成部、22…統計モデル作成部、23…クラスタリング部、24…推計モデル作成部、25…旅行時間推計部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計装置であって、
前記プローブ車両との間でデータ通信を行う通信手段と、
前記通信手段により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する情報収集手段と、
を具備することを特徴とする旅行時間推計装置。
【請求項2】
前記事象とは、少なくとも車両停止及び一定時間内の走行状態にあることを含むことを特徴とする請求項1に記載の旅行時間推計装置。
【請求項3】
前記情報収集手段は、
前記走行情報に基づいて前記プローブ車両の速度を監視し、所定速度以下になった場合に車両停止と判断し、また、所定速度以上になった場合に車両停止が終了したと判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の旅行時間推計装置。
【請求項4】
前記情報収集手段は、
前記所定速度以下となった地点と前記所定速度以上となった地点の間のいずれかの地点を車両停止位置とする
ことを特徴とする請求項3に記載の旅行時間推計装置。
【請求項5】
前記事象とは、車両移動を含み、
前記情報収集手段は、車両移動に関する走行情報を所定時間内で収集する
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかの項に記載の旅行時間推計装置。
【請求項6】
自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計方法であって、
前記プローブ車両との間でデータ通信を行う過程と、
前記データ通信により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する過程と、
を含むことを特徴とする旅行時間推計方法。
【請求項7】
自車の位置及び走行状態を示す走行情報に時刻情報を付加して発信するプローブ車両から収集された前記走行情報に基づいて、特定区間の区間旅行時間を推計する旅行時間推計処理を行うためのコンピュータプログラムであって、
前記プローブ車両との間でデータ通信を行う処理と、
前記データ通信により前記プローブ車両から、車両の走行に係る事象単位に前記走行情報を収集する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−117422(P2008−117422A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16394(P2008−16394)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【分割の表示】特願2002−99334(P2002−99334)の分割
【原出願日】平成14年4月1日(2002.4.1)
【出願人】(501303840)株式会社アイ・トランスポート・ラボ (11)
【Fターム(参考)】