説明

昇降装置用コントローラの制御コマンドを無線送信するための方法およびシステム

無線操作部(2)が間違えようのないアドレスを有し、かつ昇降装置の受信部(3)が選択可能な識別子を有し、操作部(2)が昇降装置の受信部(3)に一義的に割り当てられて成る、昇降装置用のコントローラ(4)のための制御コマンドを無線送信するための方法及び対応システムは、操作部(2)を受信部(3)に割り当てるために、(i)操作部(2)のアドレスおよび受信部(3)の識別子からアドレス特徴を形成するステップ、(ii)アドレス特徴を割当てメッセージで発信するステップ、(iii)発信された割当てメッセージを受信部(3)で受信するステップ、および(iv)受信部(3)が割り当てられていなければ、アドレス特徴を有効なアドレス特徴として受信部(3)に格納することによって、操作部(2)を受信部(3)に割り当てるステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線操作部が永久刻印された間違えようのないアドレスを有し、昇降装置の受信部が選択可能な識別子を有し、操作部が昇降装置の受信部に一義的に割り当てられて成る、昇降装置用コントローラの制御コマンドを無線送信するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、クレーン技術の分野では、オペレータスイッチが利用され、それによりオペレータがクレーンの移動を制御する。これらのオペレータスイッチまたはオペレータ要素は例えば荷重の「上昇/下降」移動用の対応するボタン、およびおそらく、トロリの移動のようなクレーンの走行のための他のボタンを有する。
【0003】
制御コマンドの無線送信用のシステムは、制御される機械に対するオペレータの位置を変更することができなければならないときに、オペレータによる機械の制御のために使用される。これは、人間工学または作業の安全性または機械の位置変更機動性上の理由によりもたらすことができる。これらの用途における無線送信は、オペレータの移動の自由がケーブルの届く範囲によって、または永久設置されたオペレータコンソールによって制限されないので、ワイヤ接続送信より有利である。
【0004】
しかし、他方、操作部と機械コントローラとの間のワイヤ接続送信では、2つのユニット間の有形の接続のおかげで、割当ては常に一義的であり、適切に構成されていれば、オペレータは容易に理解することができる。
【0005】
この明快さは、制御コマンドの無線送信には存在しない。
【0006】
無線送信の場合にも、操作部と、受信部およびそれに接続された機械コントローラとの間の割当てのこの明快さを達成するために、送信中に制御コマンドに追加の一義的なアドレス特徴を付加する方法が知られており、それは、それぞれの操作部のアドレス特徴を含むコマンドだけが実行されるように、受信部で使用される。
【0007】
最新の無線送信システムのレンジは視界範囲または閉鎖空間の領域を超えることができるので、かつ送信システムの操作場所が無制限であり、または受信レンジに数台の装置が存在するため、操作部と受信部との間の割当ての明快さがすぐに利用できること、および改ざんが防止されることを確実にするように、特別な注意を払う必要がある。
【0008】
これは、対応するユニット、すなわち操作部または受信部に各々、製造者が永久刻印された一義的かつ間違えようのないアドレスを設けることで、先行技術で達成されている。送信システムが動作するときに、刻印された一義的アドレスが、対応するユニットに永久送信され、または相互に交換される。
【0009】
記載する先行技術の無線送信システムは、刻印された一義的アドレスを持つユニットの1つが故障したときに、交換装置の新しいアドレスでシステムをセットアップしなければならないという欠点を有し、それは、システムをもう一度作動させる費用を必然的に伴う。
【0010】
操作部および受信部は原則的に空間的に分離しており、多くの場合、受信部はクレーンシステム内のようにそこに到達することが難しいので、永久刻印された一義的な間違えようのないアドレスを変更すべく、受信部を開くために必要な作業停止時間および費用はかなり大きい。操作ユニットの誤動作または損失を許容できない用途の場合、同じアドレスを持つ交換用操作ユニットが製造される。しかしこれは、2つの操作部が故意または偶発的に並行して使用される危険性を排除するために、システムのオペレータによって特別なセキュリティ対策を講じることを必要とする。
【0011】
機器が運転されるときに、送信部および受信部に相互交換される別々のアドレスが設けられる場合、操作部および受信部は両方とも送信および受信ユニットを持たなければならず、それはそれらの製造コストを増大させる。また、操作部および受信部の一義的な間違えようのないアドレスの管理は面倒である。
【発明の開示】
【0012】
本発明の課題は、無線送信システムの操作部および受信部の一義的な割当てのための費用を軽減し、かつセキュリティ上のリスク無しに交換用操作ユニットの利用を可能にすることである。さらに、操作部または交換ユニットをほとんど経費無しに迅速に作動させることができるようにすべきである。さらに、システムのレイアウトを簡素化すると共に低コストで作成すべきであり、かつ一義的なアドレスを管理するコストを低減すべきである。
【0013】
この課題は、請求項1に提示する方法、および請求項12に提示するシステムによって解決される。
【0014】
操作部を受信部に割り当てるために、
(i)操作部のアドレスおよび受信部の識別子からアドレス特徴を形成するステップ、
(ii)アドレス特徴を割当てメッセージで発信するステップ、
(iii)発信された割当てメッセージを受信部で受信するステップ、および
(iv)受信部が割り当てられていなければ、アドレス特徴を有効なアドレス特徴として受信部に格納することによって、操作部を受信部に割り当てるステップを実行することにより、容易にアクセス可能な操作部だけに間違えようのないアドレスを設けるが、受信部にも設けることはしないことが可能になる。そこでは、受信部の識別子または名前を提供すれば充分であり、それは現場でオペレータによって容易にクレーンに適用され、かつオペレータが目で見ることができ、オペレータによるその光学的識別に役立つ。
【0015】
操作部に使用されるアドレスは、1回だけ発行される複数桁の番号である。したがって、操作部が紛失または故障した場合、異なるアドレスを持つ新しい操作部を使用しなければならない。
【0016】
受信部の識別子として、最も簡単な場合はクレーン番号を表わす、01から99の間の2桁番号を使用することが好ましい。特別に選択された識別子は、受信部が割り当てられていないことを示す。これは識別子「00」であることが好ましい。
【0017】
加えて、今や必要であるのは操作部における1つの送信ユニットおよび受信部における1つの受信ユニットだけであるので、本発明の方法は、操作部および受信部の簡素化された設計を可能にする。
【0018】
1つの好適な実施形態では、安全上の理由から、受信部は、それがまだ割り当てられていない場合にだけ、割当てメッセージを受け取るように構成される。このようにして、偶発的な割当ては、不可能ではないまでも、難しくなる。受信部は、メッセージの構造から、例えば受信メッセージのヘッダから、それが割当てメッセージであることを認識する。
【0019】
加えて、受信部がまだ割り当てられていない場合には、制御コマンドを受け入れないように構成することができる。このようにして、昇降装置が偶発的に移動するのを防止することができる。
【0020】
受信部は、最初の作動時またはリセット状態の時にしか操作部の割当てができず、かつこの非割当て状態では、コントローラのための制御コマンドを受け入れず、受け渡すこともしないので、該方法の安全性は保証される。
【0021】
したがって、割り当てられた状態の受信部だけが、割り当てられた操作部からの制御コマンドを、それらが有効なアドレス特徴と共に送信された場合に、受け入れる。これは、例えばコマンドメッセージの形で行われる。
【0022】
操作部は、割当てメッセージを発信するためには、割当てモードにならなければならない。このモードは、再び偶発的な割当てが不可能ではないまでも難しくなるように、特殊な一般的でない打鍵シーケンスによって選択または始動される。
【0023】
さらに、操作部は、割当てメッセージを発信した後、割り当てられた受信部の識別子を格納することが好ましい。これにより、肯定的なフィードバックメッセージのために受信部との「ハンドシェーク」プロトコル無しですませることが可能になる。
【0024】
受信部は、制御コマンドが割当て済みモードでだけ受け渡され、かつコントローラの電源も受信部によって制御されるように、コントローラに接続されることが好ましい。かくしてコントローラは例えば受信部の接点を介して、スイッチを入れることができる。したがって昇降装置の偶発的な移動は不可能である。
【0025】
セキュリティをさらに高めるために、受信部が、操作部の割当ての成功を確認するための信号ユニットを有するように構成することができる。信号ユニットは光学および/または音響信号を出力することが好ましい。
【0026】
必要な場合に新しい割当てを可能にするために、受信部を元の非割当て状態にリセットするための手段を設けることができる。これはまた、通常リセットのために使用される割り当てられた操作部が紛失または故障した場合に、リセットすることをも可能にする。
【0027】
制御コマンドの無線送信のためのシステムは、無線送信用の送信ユニットを持つ移動操作部、およびコマンドを受信し、対応する制御信号を昇降装置のコントローラに発行するために、操作部から空間的に離して配置される受信部から構成される。
【0028】
操作部は、制御コマンドの手動入力のためのコマンドユニットを具備する。それは、バッテリまたは乾電池から電気エネルギを供給されることが好ましく、かつ無線または赤外信号によって制御コマンドを無線で送信することが好ましい。
【0029】
受信部は無線で送信された信号を受信ユニットによって受信し、それらを選択的に評価し、送信されたアドレス特徴から、操作部への割当てを決定する。このために、受信されたアドレス特徴、および割り当てられた操作部のために受信ユニットに格納されたアドレス特徴が比較され、それらが一致することが確認される。
【0030】
受信部が安全性に対するリスク無しに交互操作部と作動することを可能にするために、受信部は「割り当てられた」状態または「割り当てられていない」状態を取ることができ、これらの状態の間で切り替えることができる。
【0031】
「割り当てられていない」状態で、受信部は、メモリに格納された操作部の有効なアドレスまたは識別子を持たない。この状態で、無線送信された信号を受信しかつ評価することはできるが、制御コマンドを出力することはできない。受信部は作動を開始しないうちは、「割り当てられていない」状態である。この状態は操作部による割当て手順によってのみ変えることができる。
【0032】
「割り当てられた」状態で、受信部は有効なアドレス特徴、すなわち割り当てられた操作部とその識別子との組み合わせを格納している。この状態で、制御コマンドを受信し、かつ発行することができる。しかし、格納されたアドレス特徴を持つか、または例えばコマンドメッセージの形で送信中にそれと結合された制御コマンドだけが、コントローラに発行または中継される。
【0033】
指定されまたは割り当てられた受信部は、割り当てられた操作部を持つリモートコントロールによって、または受信部で、例えばリセットボタンを用いて、「割り当てられていない」状態にリセットすることができる。
【0034】
操作部のアドレスはかくして、受信部または機械を区別するためにオペレータによって発行される少なくとも1つの追加識別子によって拡張されるか、またはそれと組み合わされた時に、制御コマンドの送信のための有効なアドレス特徴になる。追加識別子の入力は、操作部で実行することのできる割当て手順中に行なわれる。
【0035】
割当て手順を通して、追加識別子は操作部に格納され、まだ割り当てられていないネイティブの受信部に送信され、受信部は操作部の刻印アドレスと追加識別子との組み合わせを、制御コマンドの受信用の有効なアドレス特徴として格納する。
【0036】
そのように割り当てられた受信部は、割当ての成功を光学または音響信号により確認することができ、その後「割り当てられた」状態を有する。
【0037】
割当て手順を実行するために、操作部はディスプレイを具備することができ、それは入力された識別子、例えば2桁のクレーン番号を示すことができ、かつ残りの操作中にオペレータにメッセージを示すことができる。
【0038】
かくして、該方法において、コントローラのための制御コマンドは、割り当てられた操作部により無線で受信部に発信され、制御コマンドは、コマンドメッセージで、操作部の間違えようのないアドレスおよび受信部の選択された識別子から構成される有効なアドレス特徴と結合される。
【0039】
本発明に係る昇降装置のコントローラ用の制御コマンドのための無線送信システムはかくして、間違えようのないアドレスおよび送信ユニットを有する無線操作部と、選択可能な識別子が割り当てられる受信部とを具備し、受信部は受信ユニットを有し、操作部から着信する制御コマンドを受信し、かつそれらを接続されたコントローラに受け渡すために、コントローラに接続される。受信ユニットは、受信部がまだ割り当てられていなければ、割り当てられた操作部のアドレスと選択された識別子との組み合わせを有効なアドレス特徴として受信部に格納することによって、受信部への操作部の割当てを引き受ける検証ユニットを具備する。
【0040】
検証ユニットは、検証を実行するようにプログラムされかつ/またはスイッチされる、論理ユニットであることが好ましい。
【0041】
本発明の追加的特徴、詳細、および利点は、図面を用いた例示的実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
全体的に1で示す本実施形態のシステムは、例えばトロリによって走行することのできる、ケーブルまたはチェーン巻上げ装置用の手動コントローラであり、操作部2および受信部3を含む。
【0043】
機械コントローラが、巻上げ機構およびトロリの移動のために実行すべきコマンドを受信部3から受け取り、かつ同時に、それに接続されている電気駆動ユニット6に電力を供給するように、受信部3は機械コントローラ4に接続される。
【0044】
受信部3には、さらに、操作部2の割当ての成功を確認するのに役立つ、信号ユニット5が配置される。本実施例では、信号ユニット5は音響信号を出力する。信号は、操作部2が割り当てられたことを人に推察させる一連の音から構成することができる。さらに、信号ユニット5は、例えばリセットしたこと、または割当てが失敗したことを指摘する追加信号を出力することもできる。
【0045】
操作部2によって発信された信号10を受信するための受信部3の受信ユニットは示されていない。また、クレーン番号8のような識別子を入力または確立するための装置、または受信ユニット3を非割り当てられた状態にリセットするための装置も示されていない。
【0046】
操作部2は、コマンドユニット7、すなわち巻上げ装置および/またはトロリの移動のためのマルチレベルキー、エネルギを提供するバッテリ収容室8、および受信部の識別子として割り当てられたクレーン番号または現在の操作状態を示すディスプレイ9を持つ、無線手動装置である。
【0047】
受信部3またはその受信ユニットによって受信することのできる信号10を送信するための、操作部2の送信ユニットは図示されていない。
【0048】
信号10は無線またはIR信号とすることができる。
【0049】
受信部3が非割り当てられた状態であり、すなわちそれは識別子「00」を有する場合に、操作部2を受信部3に割り当てるために、以下のステップが実行される。
【0050】
最初に、操作部2は間違えようのないアドレスを発信し、このアドレスは、オペレータによって選択または入力される受信部の一般的に有効な識別子と結合される。これはボタン7の適切な打鍵組み合わせによってトリガされ、割当て手順の偶発的な作動が可能であるように構成される。次に送信ユニットは、アドレス特徴を含み割当てメッセージを信号10として送信する。割当てメッセージは特殊ヘッダを含み、それにより受信部3は、それが割当てのためのメッセージに関係することを知る。
【0051】
操作部2のアドレスは、受信部3またはクレーンを区別するためにオペレータによって指定される追加識別子によって拡張されるので、制御コマンドを送信するための有効なアドレス特徴になる。追加識別子の入力は割当て手順中に行なわれ、それは操作部2で実行することができる。本実施例の場合、有効な識別子は「01」から「99」の間にある。
【0052】
割当て手順によって、識別子は操作部2に格納され、まだ割り当てられていない受信部3に送信され、受信部3は、操作部2の刻印されたアドレスと追加識別子の組合せを、制御コマンドの受信のための有効なアドレス特徴として格納する。
【0053】
このメッセージは受信部3の受信ユニットによって受信される。ここで、受信部3が実際非割当て状態であることが分かり、かつメッセージが割当てメッセージである場合、操作部2の受信部3への割当てが次いで実行される。かくして、非割当て状態ではコマンドメッセージは無視される。その場合、割り当てられた操作部2のアドレスは、その選択された識別子と一緒に受信部3に格納される。
【0054】
安全上の理由から、非割当て状態の受信部3は制御コマンドを受け入れず、割当て状態では、割り当てられた操作部2からの制御コマンドだけを受け入れる。このために、操作部2から発信されるコマンドは、有効なアドレス特徴と共に送信しなければならず、よって受信部3はコマンドの正しさを検証することができる。
【0055】
このために、受信したアドレス特徴および受信ユニットに格納されたもの、または割り当てられた操作部2のアドレスだけが、それらの一致を確認するために検証ユニットで比較される。
【0056】
かくして、間違えようのないアドレスは、容易にアクセス可能な操作部2のみに設ける必要があるだけであって、受信部3にも設ける必要はない。ここで、受信部3には識別子を設ければ充分であり、それは現場でオペレータによってクレーン番号として1回だけ容易に選択され、クレーンの目立つ場所に配置され、割当て手順中に操作部を介して入力され、受信部に送信される。
【0057】
加えて、本発明の方法により、今や1つの送信ユニットが操作部2に必要であり、かつ1つの受信ユニットが受信部3に必要なだけであるので、操作部2および受信部3の設計の簡素化が可能になる。受信部3は、音響信号を出力する信号ユニット5で、操作部2の割当ての成功を確認する。
【0058】
したがって「割当て」状態および割り当てられた操作部2の有効なアドレスは今や格納されている。この状態で、制御コマンドを受信し、機械コントローラ4に出力することができる。しかし、格納されたアドレスを有しているか、または送信中にこれと結合された、すなわち有効なアドレス特徴と共に送信された、制御コマンドだけが出力される。
【0059】
割り当てられた受信部は、割り当てられた操作部によって遠隔的に制御して、または受信部自体にあるリセットキーのような手段によって、「非割当て」状態にリセットすることができる。通常、これはオペレータが対応する手順で実行する。受信部自体にある手段は、非常用に、すなわち割り当てられた操作部の紛失または故障に備えて、設けられる。
【0060】
以下で、操作部2を受信部3に割り当てるための方法について、理解を深めるために図2を用いて概略的に説明する。
【0061】
まだ割り当てられていない、すなわち非割当て状態の操作部2は、例えば停止キーを長時間押し続けることによって、電源を入れると、そのディスプレイ9にクレーン番号または識別子「00」が表示される(ステップS1)。これは、操作部2の非割当て状態を示す。
【0062】
操作部2が受信部3にすでに割り当てられていた場合、ディスプレイ9はその識別子またはクレーン番号を示したであろう。
【0063】
非割当て操作部2を特定の同様に割り当てられていない受信部3に割り当てるためには、最初に、予め定められた打鍵シーケンスによって、設定を変更するためのモードに切り替える(ステップS2)。
【0064】
ディスプレイ9は今や「0」を示し、点滅する。
【0065】
オペレータはここで、表示された番号を増分または減分させ、「左」および「右」のような特定のキーを作動させることによって、2桁の識別子を選択することができる(ステップS3)。この後、信号ユニットのための信号キーを作動させることによって、選択された識別子が確認され、それはディスプレイに連続的に表示される(ステップS4A)。
【0066】
手元のディスプレイが1桁ディスプレイだけである場合、今説明したばかりの方法を、2桁のクレーン番号の各桁に対し、しかるべく繰り返す。
【0067】
最後に、「リフト」キーを作動させることにより、設定または割当てを変更するためのモードを終了する。選択された識別子が実際に「00」以外である場合、さらなる割当てが行なわれる。そうでなければ、停止が発生する(ステップS5A)。受信部3の選択された識別子は次いで、操作部2に格納される(ステップS6)。
【0068】
さらに、選択された識別子および操作部2のアドレスは、適切な信号10の形でメッセージとして対応する受信部3に送信される(ステップS7)。
【0069】
これは、信号ユニット5の二重確認、すなわち例えば二重鳴動によって、受信および割当ての成功を確認し(ステップS8A)、操作部2の間違えようのないアドレスおよび受信部3の選択された識別子の組合せを有効なアドレス特徴として格納する。
【0070】
この後、操作部2および受信部3の巻上げ装置は両方とも停止モードになる。ディスプレイ9はこのとき受信部3の割り当てられた識別子を示す。
【0071】
受信部3がすでに割り当てられている場合、新しい割当ては行なわれず、信号ユニット5による確認も行なわれない。
【0072】
上述した方法は、いつでも停止キーを作動させるか、または入力無くタイムシーケンス(時間切れ)によって、中断または終了することができ、それを図2に対応する矢印によって示す。
【0073】
受信部3は今や、機械コントローラ4のための制御コマンドを受け入れるために、または新しい割当てができるようにリセットするために、割り当てられた操作部2によって作動させることができる。
【0074】
操作部2および受信部3の割当てを取り消すには、上述の通り進み、新しい識別子として「00」を選択する。この後、対応する操作部2および受信部3は非割当て状態になる。かくして、新しい識別子が「00」であるときにだけ割当てが行なわれるということで、対応する「A」ステップとは異なる、ステップS4B、S5B、およびS7が実行される。
【0075】
リセットの成功を判別するために、三重鳴動の形で信号ユニット5によって確認も行なわれる(ステップS8B)。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、操作部および受信部から構成されるシステムの概略図である。
【図2】図2は、操作部を受信部に割り当てるためのシーケンスの概略図である。
【符号の説明】
【0077】
1 システム
2 操作部
3 受信部
4 機械コントローラ
5 信号ユニット
6 駆動ユニット
7 コマンドユニット
8 バッテリ収容室
9 ディスプレイ
10 信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線操作部(2)が間違えようのないアドレスを有し、かつ昇降装置の受信部(3)が選択可能な識別子を有し、前記操作部(2)が前記昇降装置の受信部(3)に一義的に割り当てられて成る、昇降装置用のコントローラ(4)のための制御コマンドを無線送信するための方法であって、前記操作部(2)を前記受信部(3)に割り当てるために、
(i)前記操作部(2)のアドレスおよび前記受信部(3)の識別子からアドレス特徴を形成するステップと、
(ii)前記アドレス特徴を割当てメッセージで発信するステップと、
(iii)前記発信された割当てメッセージを前記受信部(3)で受信するステップと、
(iv)前記受信部(3)が割り当てられていなければ、前記アドレス特徴を有効なアドレス特徴として前記受信部(3)に格納することによって、前記操作部(2)を前記受信部(3)に割り当てるステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記受信部(3)は、それがまだ割り当てられていない場合にだけ、割当てメッセージを受け入れることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信部(3)は、それがまだ割り当てられていない場合、制御コマンドを受け入れないことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
割当て状態の前記受信部(3)は、割り当てられた前記操作部(2)からの制御コマンドを、それらが有効なアドレス特徴と共に送信された場合にだけ受け入れることを特徴とする、請求項1ないし3の一項に記載の方法。
【請求項5】
前記操作部(2)が割当てメッセージを発信するには割当てモードにならなければならないことを特徴とする、請求項1ないし4の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記操作部(2)が、前記割当てメッセージの発信後に、前記割り当てられた受信部(3)の識別子を格納することを特徴とする、請求項1ないし5の一項に記載の方法。
【請求項7】
前記受信部(3)が操作部(2)の割当ての成功を信号ユニット(5)によって確認することを特徴とする、請求項1ないし6の一項に記載の方法。
【請求項8】
前記受信部(3)が前記コントローラ(4)に接続され、制御コマンドが割当てモード時にだけ受け渡されることを特徴とする、請求項1ないし7の一項に記載の方法。
【請求項9】
前記コントローラ(4)の電源が前記受信部(3)によって制御されることを特徴とする、請求項1ないし8の一項に記載の方法。
【請求項10】
前記受信部(3)を非割当て状態にリセットすることができることを特徴とする、請求項1ないし9の一項に記載の方法。
【請求項11】
前記コントローラ(4)のための制御コマンドが、前記割り当てられた操作部(2)により前記受信部(3)に無線で発信され、前記制御コマンドが前記有効なアドレス特徴と結合されてコマンドメッセージを形成することを特徴とする、請求項1ないし10の一項に記載の方法。
【請求項12】
間違えようのないアドレスおよび送信ユニットを有する無線操作部(2)と、選択可能な識別子を割り当てられ、受信ユニットを有し、前記操作部(2)から着信する制御コマンドを受信すると共に接続されたコントローラ(4)にそれらを受け渡すために、コントローラ(4)に接続される受信部(3)とを備えた、昇降装置のコントローラ(4)のための制御コマンドの無線送信システムであって、前記受信部(3)がまだ割り当てられていなければ、前記割り当てられた操作部(2)のアドレスおよび選択された識別子の組合せを有効なアドレス特徴として前記受信部(3)に格納することによって、前記操作部(2)の前記受信部(3)への割当てを引き受ける検証ユニットを前記受信ユニット(3)が具備して成る、無線送信システム。
【請求項13】
前記受信部(3)は、それがまだ割り当てられていない場合にだけ、割当てメッセージの形でアドレス特徴を受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記受信部(3)は、それがまだ割り当てられていない場合、制御コマンドを受け入れないように構成されることを特徴とする、請求項12または13に記載のシステム。
【請求項15】
前記受信部(3)は割当て状態で、前記割り当てられた操作部(2)からの制御コマンドを、それらが有効なアドレス特徴と共に送信された場合にだけ受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項12ないし14の一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記受信部(3)が、操作部の割当ての成功を確認するための信号ユニット(5)を有することを特徴とする、請求項12ないし15の一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記信号ユニット(5)が光学および/または音響信号を出力するように構成されることを特徴とする、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記機械コントローラ(4)の電源が前記受信部(3)によって制御されることを特徴とする、請求項12ないし17の一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記受信部(3)を非割当て状態にリセットするための手段を設けることを特徴とする、請求項12ないし18の一項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−530209(P2009−530209A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558823(P2008−558823)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052452
【国際公開番号】WO2007/107496
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(504054468)デマグ クレインズ アンド コンポーネンツ ゲーエムベーハー (18)
【Fターム(参考)】