説明

映像におけるカメラモーション解析のための方法及び装置

【課題】映像におけるカメラモーション解析のための方法等を提供する。
【解決手段】方法は、映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析し、有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、第1のモーションタイプ及び第2のモーションタイプの検出基準を下げ、有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた検出基準を満たすかどうかを判断し、判断結果に従って有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることを含む。本発明の実施形態に従って、映像におけるカメラのモーションタイプは、より効率的且つ正確に検出可能であり、ユーザの撮影意図は、より正確に反映可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して映像データを処理する分野に係り、特に、映像におけるカメラモーション解析のための方法及び装置に係る。
【背景技術】
【0002】
有効な映像の管理及び解析のためのシステムは、デジタル映像ファイルの激増とともに、日々多くの局面において人々に望まれている。このシステムを用いて、人々は、より便利にパーソナルコンピュータにおいて映像ファイルを整理することができ、都市交通は効果的に制御可能であり、更に、映像監視は容易に異常な出来事(不審者の侵入等)を検出することができる。
【0003】
映像ファイルは、カメラ(場合により、特殊なカメラ、又は写真撮影可能な端末カメラ(例えば、携帯電話機、携帯型コンピュータ)等)を用いて撮影者による撮影により取得される。ズーム、パン等の幾つかの動作を、カメラは撮影中に必要に応じて行われることがあり、夫々の動作は、該当するカメラモーションのタイプに対応付けられる。一般的に、映像ファイルは、撮影者が撮影中に必要に応じて異なる調整(例えば、最初に移動、それから焦点合わせ、次に静止、等)を実行しうるので、様々なタイプのモーションを含みうる。
【0004】
撮影者は、主として、関心のある対象の重要性の程度を鑑みて、カメラを調整する。例えば、撮影者が遠隔の人物の動作を撮影することに重点を置く場合、彼又は彼女は、場面内に表示される人物を拡大するよう、レンズが人物に向けられた後にカメラをズームインしてよい。これに対して、映像ファイルが焦点合わせモーション等のタイプを含む場合、そのモーションタイプに対応する映像の部分のコンテンツは、一般的に、特に撮影者が関心を持っており、従って、映像ファイルの重要なコンテンツ、ひいては、映像ファイルを表すことができる主要なコンテンツでありうる。この部分のコンテンツは、映像ファイルの要約として抽出され得る。
【0005】
従って、カメラモーションの有効な検出は、映像管理及び解析システムにとって重要になっている。映像の取得の間のカメラのモーションタイプに基づき、映像は、より便利に閲覧され、映像の主要なコンテンツは、より容易に取得され、更に、映像ファイルの要約は、映像ファイルの更なる検索等に役立つよう便利に取得され得る。
【0006】
既存の映像管理及び解析システムは、映像ファイルから映像撮影装置の様々なタイプのモーションを解析し、更に、高レベルの情報(例えば、撮影意図等)を取得することができる。しかし、先行技術における映像ファイルからの映像撮影装置のモーションタイプの解析に関し、解析対象は、専門の映像撮影者により撮影によって取得されて編集される標準の映像ファイルである。あいにく、映像撮影装置のモーションタイプが、先行技術の方法において、増加するアマチュア撮影者によって取得された映像ファイル、又は未編集の映像ファイルから解析される場合には、しばしば、十分に正確でない、すなわち、ユーザの実際の撮影意図を正確に反映することができない解析の結果が現れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題を鑑み、本発明の実施形態は、映像においてより有効且つ正確にカメラのモーションタイプを検出して、ユーザの撮影意図をより正確に反映するよう、映像におけるカメラモーション解析のための方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の側面に従って、映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、前記映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析し、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの検出基準を下げ、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた前記検出基準を満たすかどうかを判断し、判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージする方法が提供される。
【0009】
本発明の実施形態の他の側面に従って、映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、前記映像から、該映像に含まれる映像セグメント及びそのカメラモーションタイプを解析し、前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけ、前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定する方法が提供される。
【0010】
本発明の実施形態の更なる側面に従って、映像におけるカメラモーション解析のための装置であって、前記映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析するよう構成される解析部と、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの検出基準を下げるよう構成される基準調整部と、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた前記検出基準を満たすかどうかを判断するよう構成される判断部と、判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージするマージ部とを有する装置が提供される。
【0011】
本発明の実施形態の更なる側面に従って、映像におけるカメラモーション解析のための装置であって、前記映像から、該映像に含まれる映像セグメント及びそのカメラモーションタイプを解析するよう構成される解析部と、前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけるよう構成される検出部と、前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定するよう構成されるマージ部とを有する装置が提供される。
【0012】
更に、本発明の他の側面に従って、情報処理装置で実行される場合に、該情報処理装置に、本発明に従う、映像におけるカメラモーションタイプ解析のための上記の方法を実行させる機械読出可能なプログラムコードを含む記憶媒体も提供される。
【0013】
更に、本発明の更なる側面に従って、情報処理装置で実行される場合に、該情報処理装置に、本発明に従う、映像におけるカメラモーションタイプ解析のための上記の方法を実行させる機械実行可能な命令を含むプログラムプロダクトも提供される。
【0014】
本発明の実施形態に従う上記の方法の1つに従って、有意な移動特性を有さない映像セグメントに関し、当該映像セグメントの先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントが異なるタイプのモーションを有する場合には、マージの間、最初に、前記先行する隣接映像セグメント及び前記後続の隣接映像セグメントに対応するモーションタイプの検出基準は下げられ、当該映像セグメントが下げられた前記検出基準を満たすかどうかが判断され、当該映像セグメントは、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントを前記先行する隣接映像セグメント及び前記後続の隣接映像セグメントと夫々マージされる2つの部分にフレームの真ん中で直接に分ける代わりに、前記判断の結果に従って、前記先行する隣接映像セグメント及び/又は前記後続の隣接映像セグメントとマージされる。このように、マージにより得られる映像セグメントは、実際の状況、ひいては、ユーザの撮影意図により良く適応することができる。
【0015】
本発明の実施形態に従う上記の他の方法に従って、映像セグメントは、解析により決定されたモーションタイプと映像セグメントとの間の対応関係を鑑みて、予めセットされたルールに従ってマージされ得る。これは、撮影の間に何人かのアマチュア撮影者によって導入された意図的でないモーションを考慮する場合と同等であり、すなわち、最終的な検出結果が実際の状況、ひいては、ユーザの撮影意図により良く適応することができるように、映像においてカメラモーションタイプを検出するときのユーザの実際の撮影意図と分割の細かさとの間のトレードオフと同等である。
【0016】
本発明の実施形態に従う他の側面は、本発明の好ましい実施形態を十分に開示するが本発明を限定しない役割を果たす以下の詳細な説明において与えられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によれば、映像においてより有効且つ正確にカメラのモーションタイプを検出して、ユーザの撮影意図をより正確に反映することができる、映像におけるカメラモーション解析のための方法及び装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に従う方法を表すフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に従う他の方法を表すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態に従う第1の装置を表す概略図である。
【図4】本発明の実施形態に従う第2の装置を表す概略図である。
【図5】本発明の実施形態に従う第3の装置を表す概略図である。
【図6】本発明の実施形態に従う第4の装置を表す概略図である。
【図7】本発明の実施形態に従う第5の装置を表す概略図である。
【図8】本発明の実施形態に従う第6の装置を表す概略図である。
【図9】本発明の実施形態に従う第7の装置を表す概略図である。
【図10】本発明の実施形態に従う第8の装置を表す概略図である。
【図11】本発明の実施形態に従う第9の装置を表す概略図である。
【図12】本発明の実施形態において使用される情報処理装置としてのパーソナルコンピュータの例となる構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態の上記の及び他の目的及び利点は、図面を参照して、具体的な実施形態に関連して以下で更に記載される。図面において、同一の又は対応する技術的特徴又は構成要素は、同一の又は対応する参照符号を付して表されている。
【0020】
本発明の実施形態について、図面を参照して、以下に記載する。
【0021】
発明者は、本発明の実施の間、先行技術の方法における映像におけるカメラのモーションの解析が少なくとも以下の問題を抱えていることを認識していた。
【0022】
一方では、先行技術における映像に含まれるカメラのモーションタイプの検出のために、最初に、推定される運動ベクトルからカメラ移動パラメータを計算し、次いで、夫々の移動パラメータが様々なタイプのモーションに対応する検出基準を満たすかどうかを、計算された移動パラメータから判断して、映像において有意な移動特性を有する映像セグメントを決定し、次いで、残りの映像セグメントを、該映像セグメントが前記様々なタイプのモーションの判断基準を満たさない場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントと見なし、最後に、有意な移動特性を有さない映像セグメントを有意な移動特性を有する映像セグメントマージすることが一般的である。マージ処理は、先行技術においては、一般的に次のように行われる。
【0023】
有意な移動特性を有さない映像セグメントに関し、該有意な移動特性を有さない映像セグメントの先行する有意な移動特性を有する隣接セグメント及び後続の有意な移動特性を有する隣接セグメントに対応するモーションのタイプが同じである場合、この有意な移動特性を有さない映像セグメントをその先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントと直接的にマージすれば十分である。例えば、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接セグメントのモーションタイプがいずれも焦点合わせである場合には、明らかに、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントを夫々有意な移動特性を有する前記先行する隣接映像セグメント及び前記後続の隣接映像セグメントと直接的にマージし、マージにより得られた映像セグメントに対応するカメラモーションタイプを焦点合わせと決定すれば十分である。
【0024】
そして、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの先行する有意な移動特性を有する隣接セグメント及び後続の有意な移動特性を有する隣接セグメントに対応するモーションのタイプが異なる場合、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントは、フレームの真ん中で2つの部分に分けられ、第1の半分部分は前記先行する隣接映像セグメントとマージされ、第2の半分部分は前記後続の隣接映像セグメントとマージされる。例えば、映像は50のフレームから成り、その解析から明らかなように、1番目から20番目のフレームから成る映像セグメントのカメラモーションタイプは焦点合わせであり、30番目から50番目のフレームから成る映像セグメントのカメラモーションタイプは移動であり、21番目から29番目のフレームから成る映像セグメントは有意な移動特性を有さず、すなわち、該映像セグメントは様々なタイプのモーションのいずれの条件も満足しない。先行技術においては、この時点で、21番目から25番目のフレームは先行する隣接映像セグメントとマージされ、すなわち、1番目から25番目のフレームが映像セグメントを構成し、該映像セグメントに対応するカメラモーションタイプは焦点合わせと決定される。そして、26番目から29番目のフレームは後続の隣接映像セグメントとマージされ、すなわち、26番目から50番目のフレームが映像セグメントを構成し、該映像セグメントに対応するカメラモーションタイプは移動と決定される。
【0025】
しかし、これは必ずしも実際の状況ではない。例えば、アマチュアの映像撮影者が、映像を取得するために、最初に対象に焦点合わせ、対象の動きを追跡しようとする(すなわち、最初に焦点合わせ動作、次いで移動動作を行う)ような実際の状況が、上記の例において存在する。しかし、撮影者はズーム動作に全く慣れておらず、正確に且つ速やかに望むようにズームすることができず、代わりに、場合により、最初に高速な焦点合わせを行い、次いで、彼又は彼女がほぼ適切であると感じするとズーム速度を緩め、次いで、対象の動きを追跡するために移動を行うことによって、それを行うことがある。それにより、焦点合わせの移動特性は、取得された映像における対応する映像セグメント(場合により、上記の例における21番目から29番目のフレーム)において全く取るに足りないものとなり、他のモーション(例えば、移動、回転等)がこの時間期間において起こらず、結果として、映像セグメントは、既存の方法においては、有意な移動特性を有さない映像セグメントと決定されるべきである。しかし、実際には、この映像セグメントは、優先的に、先行する映像セグメントとマージされるべきであり、すなわち、1番目から29番目のフレームから成る映像セグメントに対応するカメラ映像タイプを焦点合わせと識別することは、実際の状況及びユーザの撮影意図により良く適応する。しかし、これは、先行技術における方法の到達外であることは明らかである。
【0026】
従って、本発明の実施形態は、第1に、この問題に対する対応する解決法を提供する。具体的に、図1を参照して、本発明の実施形態に従う、映像におけるカメラモーション解析のための方法は、以下のステップを含む。
【0027】
S101で、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとが、解析ユニットによって、映像から解析される。
【0028】
映像に関し、複数回の検出が、一般的に、カメラのモーションタイプを解析するために行われ、それにより、1つのモーションタイプが各回において検出される。具体的に、以下のステップが通常行われる。最初に、第1のモーションタイプに関し、映像の夫々のフレームの中でそのモーションタイプの基準を満足するフレームが存在するかどうかが判断され、存在する場合には、かかるフレームに対応する映像セグメントがこのモーションタイプと決定される。次いで、残りのフレーム、すなわち、第1のモーションタイプでないフレームが第2のモーションタイプの判断基準を満足するかどうかが判断され、以降同様に続く。最後に、検出が夫々の起こり得るモーションタイプ全てについて行われた後、次のような結果が現れる。幾つかの映像セグメントは、対応するモーションタイプによりタグを付されており、集合的に、有意な移動特性を有するセグメントと呼ばれる。また、様々なモーションタイプの判断基準のいずれも満足せず、結果として、有意な移動特性を有さないセグメントと見なされるフレームから成る幾つかのセグメントも存在する。その場合に、有意な移動特性を有さないセグメントは、有意な移動特性を有するセグメントとマージされる。
【0029】
例えば、映像は50のフレームから成り、3つのタイプのモーション、すなわち、ズーム、回転及び移動があるとする。かかる3つのタイプのモーションの検出は、その順序で行われる。最初に、ズームのモーションタイプが50のフレームの夫々において検出され、ズームの特性が1番目から15番目のフレームにおいて検出されたとする。その場合に、1番目から15番目のフレームは映像セグメントを構成し、その映像セグメントに対応するカメラモーションタイプはズームである。
【0030】
次に、回転のモーションタイプが16番目から50番目のフレームにおいて検出され、回転の特性が25番目から40番目のフレームにおいて検出されたとする。その場合に、25番目から40番目のフレームは映像セグメントを構成し、その映像セグメントに対応するカメラモーションタイプは回転である。
【0031】
最後に、移動のモーションタイプが16番目から24番目のフレームと、41番目から50番目のフレームとにおいて検出され、移動の特性が41番目から50番目のフレームにおいて検出されたとする。その場合に、41番目から50番目のフレームは映像セグメントを構成することができ、その映像フレームに対応するカメラモーションタイプは移動である。
【0032】
明らかに、16番目から24番目のフレームは、上記3つのタイプのモーションのいずれも満足せず、従って、有意な移動特性を有さない映像セグメントと見なされる。
【0033】
特に、様々なモーションタイプの映像セグメントが以下のように検出され得る。
【0034】
最初に、映像の各フレームは多数の画像ブロックに分割され、各画像ブロックの運動ベクトルは局所探索を通じて決定され得る。次いで、運動ベクトルのフィールドの大域的な動きは、6個のパラメータを含む以下のアフィンモデルにおいて記述され得る:
【数1】

【0035】
(x,y)は画像ブロックの位置を表し、それは知られており、且つ、(u,v)は画像ブロックの運動ベクトルを表す。上記のモデルにおける6個のパラメータは、同じフレームにおける複数の画像ブロックの位置、及び最小二乗法におけるそれらの対応する運動ベクトル情報等から決定され得る。次いで、カメラの移動パラメータが、カメラの運動ベクトルと上記のモデルにおける6個のパラメータとの間の対応関係に従って、計算され得る。
【0036】
特に、カメラの運動ベクトルと上記のモデルにおけるパラメータとの間の対応関係は、以下の通りである:
【数2】

【0037】
上記の式(2)において、panは、カメラの水平方向の動きに対応する移動パラメータを表し、tiltは、カメラの垂直方向の動きに対応する移動パラメータを表し、divは、カメラのズームに対応する移動パラメータを表し、rotは、カメラの回転に対応する移動パラメータを表し、staticは、静止カメラに対応する移動パラメータを表す。
【0038】
カメラの特定のフレームが特定のモーションタイプの特性を含むと判断されるとき、そのフレームのモーションのタイプの計算される移動パラメータ(当然、画像のフレームの移動パラメータは、そのフレームと隣接フレームとの間の移動パラメータとして表され得る。例えば、1番目のフレームと2番目のフレームとの間の移動パラメータは1番目のフレームの移動パラメータを表し、2番目のフレームと3番目のフレームとの間の移動パラメータは2番目のフレームの移動パラメータを表し、以降同様である。あるいは、その反対であってもよい。これは、本発明の実施形態の発明ポイントとは無関係であり、従って、繰り返しを避けるために記載されない。)は、モーションのタイプについて予めセットされた基準閾値と比較され得、検出条件が満足される場合は、フレームはそのモーションタイプである。さもなければ、フレームはそのモーションタイプではない。
【0039】
S102で、有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なる場合に、第1のモーションタイプ及び第2のモーションタイプの検出基準は基準調整ユニットによって下げられる。
【0040】
明らかに、有意な移動特性を有さない映像セグメントの先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントは両方とも、有意な移動特性を含む。そして、先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントが同じモーションタイプを有する場合において、先行技術において見られるように、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントを直接的にそれら2つの隣接映像セグメントとマージすれば十分でありうる。
【0041】
先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントが異なるモーションタイプを有する場合において、先行する隣接映像セグメントは第1のモーションタイプを有し、後続の隣接映像セグメントは第2のモーションタイプを有するとすれば、本発明の実施形態は、最初に第1のモーションタイプ及び第2のモーションタイプの検出基準が下げられるような新規のマージ方法を提供する。例えば、第1のモーションタイプの原の基準閾値はAであり、その検出基準は、モーションのタイプの移動パラメータがAを上回る場合にのみ第1のモーションタイプが決定され得るというものである。同様に、第2のモーションタイプの原の基準閾値はBであり、その検出基準は、モーションのタイプの移動パラメータがBを上回る場合にのみ第2のモーションタイプが決定され得るというものである。その場合に、それらの検出基準の低下は、第1のモーションタイプに対応する閾値をaに下げ且つ第2のモーションタイプに対応する閾値をbに下げることと同等であり、このようにして、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、第1のモーションタイプの移動パラメータがaを上回る場合にのみ第1のモーションタイプの下げられた検出基準を満たし、且つ、第2のモーションタイプの移動パラメータがbを上回る場合にのみ第2のモーションタイプの下げられた検出基準を満たすと決定され得る。
【0042】
S103で、有意な移動特性を有さない映像セグメントが下げられた検出基準を満たすかどうかが、判断ユニットによって判断される。
【0043】
具体的に、同等に、有意な移動特性を有さない映像セグメントにおける夫々のフレームの第1のモーションタイプの移動パラメータがaを上回るかどうかが判断され、その全て又は大部分がaを上回る場合には、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、第1のモーションタイプの下げられた検出基準を満たすと決定され得る。そうでない場合には、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、第1のモーションタイプの下げられた検出基準を満たさないと決定され得る。同様に、有意な移動特性を有さない映像セグメントにおける夫々のフレームの第2のモーションタイプの移動パラメータがbを上回るかどうかが判断され、その全て又は大部分がbを上回る場合には、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、第2のモーションタイプの下げられた検出基準満たすと決定され得る。そうでない場合には、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、第2のモーションタイプの下げられた検出基準を満たさないと決定され得る。
【0044】
S104で、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、マージユニットによって、判断の結果に従って隣接映像セグメントとマージされる。
【0045】
ステップS103における判断の結果は、映像セグメントをマージするための基準として使用され得る。具体的に、様々なシナリオが存在してよく、そのうちの1つにおいて、有意な移動特性を有さない映像セグメントが一方のモーションタイプの下げられた検出基準のみを満たすとすると、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、そのモーションタイプに対応する隣接映像セグメントとマージされ得る。例えば、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1のモーションタイプの下げられた検出基準のみを満たす場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、先行する隣接映像セグメントとマージされ得る。有意な移動特性を有さない映像セグメントが第2のモーションタイプの下げられた検出基準のみを満たす場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、後続の隣接映像セグメントとマージされ得る。
【0046】
代替的に、他の場合において、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1及び第2の両方のモーションタイプの下げられた検出基準を満たすとすると、有意な移動特性を有さない映像セグメントは、前記下げられた検出基準を満たす範囲に従って隣接映像セグメントとマージされ得る。すなわち、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1のモーションタイプの下げられた検出基準及び第2のモーションタイプの下げられた検出基準の両方を満たす場合には、それらは異なった範囲で満足されてよい。例えば、第1のモーションタイプであるフレームのうち95%の移動パラメータは、第1のモーションタイプの下げられた検出基準を上回り、第2のモーションタイプであるフレームのうち80%の移動パラメータは、第2のモーションタイプの下げられた検出基準を上回り、そして、その場合に、第1及び第2のモーションタイプの両方の検出基準は満足されるが、第1のモーションタイプは第2のモーションタイプよりも広い範囲で満足され、従って、有意な移動特性を有さない映像セグメントは先行する隣接映像セグメントとマージされ得る。当然、第1及び第2のモーションタイプの下げられた検出基準が同じ又は同等の範囲で満足される場合には、先行技術と同じ方法が採用されてよく、すなわち、有意な移動特性を有さない映像セグメントは2つの部分に分けられて、それにより、第1の半分部分は先行する隣接映像セグメントとマージされ、第2の半分部分は後続の隣接映像セグメントとマージされる。
【0047】
更に、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1及び第2のモーションタイプの下げられた検出基準のいずれも満たさないようなシナリオが存在することがあり、このときもやはり、先行技術と同じ方法が採用されてよく、すなわち、有意な移動特性を有さない映像セグメントは2つの部分に分けられて、それにより、第1の半分部分は先行する隣接映像セグメントとマージされ、第2の半分部分は後続の隣接映像セグメントとマージされる。具体的に、映像セグメントは、フレームの真ん中で又は他のフレームで分けられ得る。例えば、それは3分の1の時点で分けられてよく、それにより、第1の3分の1の部分は第1の半分部分と見なされ、残りの3分の2の部分は第2の半分部分と見なされ、以降同様である。
【0048】
特に、上記の例では、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントが有意な移動特性を有さない映像セグメントとして検出され、その場合に、それの先行する隣接映像セグメントは1番目から15番目のフレームから成る映像セグメントであり、対応する第1のモーションタイプはズームであり、且つ、それの後続の隣接映像セグメントは25番目から40番目のフレームから成る映像セグメントであり、対応する第2のモーションタイプは回転である。従って、有意な移動特性を有さない映像セグメントがマージされるとき、最初に、ズーム及び回転の基準閾値が下げられ、次いで、16番目から24番目のフレームのズームモーションのパラメータがズームに係る下げられた基準閾値を上回るかどうかが判断され、下げられた基準閾値を上回る場合には、それらはズームに係る下げられた基準を満たす。そして、同時に、16番目から24番目のフレームの回転モーションのパラメータが回転に係る下げられた検出基準を上回るかどうかも判断され、下げられた検出基準を上回る場合には、それらは回転に係る下げられた基準を満たす。
【0049】
特に、マージの間、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントがズームに係る下げられた検出基準のみを満たす場合、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントは1番目から15番目のフレームから成る映像セグメントとマージされ得る。すなわち、1番目から24番目のフレームが映像フレームを構成する。そして、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプはズームである。同様に、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントが回転に係る下げられた検出基準のみを満たす場合、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントは25番目から40番目のフレームから成る映像セグメントとマージされ得る。すなわち、16番目から40番目のフレームが映像セグメントを構成する。そして、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプは回転である。
【0050】
16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントがズームに係る下げられた検出基準及び回転に係る下げられた検出基準の両方を満たす場合、それら2つの基準が満足される範囲が決定され得る。例えば、9個全てのフレームのズームに係る移動パラメータがズームに係る下げられた検出基準を上回り、9個中7個のフレームのみが回転に係る移動パラメータについて回転に係る下げられた検出基準を上回る場合、それは、ズームに係る下げられた検出基準がより広い範囲で満足されることを示し、従って、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントは、1番目から15番目のフレームから成る映像セグメントとマージされ得る。すなわち、1番目から24番目のフレームが映像セグメントを構成する。そして、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプはズームである。これに反して、9個中7個のフレームのズームに係る移動パラメータがズームに係る下げられた検出基準を上回り、9個全てのフレームの回転に係る移動パラメータが回転に係る下げられた検出基準を上回る場合、それは、回転に係る下げられた検出基準がより広い範囲で満足されることを示し、従って、16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントは、25番目から40番目のフレームから成る映像セグメントとマージされ得る。すなわち、16番目から40番目のフレームが映像セグメントを構成する。そして、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプは回転である。
【0051】
16番目から24番目のフレームから成る映像セグメントがズームに係る下げられた検出基準及び回転に係る下げられた検出基準のいずれも満足しない場合、映像セグメントは2つの部分に分けられ、それにより、第1の半分部分は先行する隣接映像セグメントとマージされ、第2の半分部分は後続の隣接映像セグメントとマージされる。例えば、16番目から19番目のフレームは1番目から15番目のフレームから成る映像セグメントとマージされる。すなわち、1番目から19番目のフレームが映像セグメントを構成し、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプはズームである。また、20番目から24番目のフレームは25番目から40番目のフレームから成る映像セグメントとマージされる。すなわち、20番目から40番目のフレームが映像セグメントを構成し、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプは回転である。
【0052】
当然、様々な具体的なマージ方法が更に可能であるが、ここでは挙げられない。
【0053】
要約すると、本発明の実施形態に従う上記の方法において、有意な移動特性を有さない映像セグメントに関し、それの先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントが異なるモーションタイプを有する場合、マージの間、最初に、それら2つの隣接映像セグメントに対応するモーションタイプの検出基準が下げられ、次いで、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントが下げられた検出基準を満たすかどうかが判断され、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントは、該有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接映像セグメントの夫々とマージされる2つの部分にフレームの真ん中で直接的に分ける代わりに、前記判断の結果に従ってマージされる。このようにして、マージにより得られた映像セグメントは、実際の状況、ひいてはユーザの撮影意図により良く適応することができる。
【0054】
先行技術における側面の問題及び対応する解決法は、先に詳細に記載された。該問題に対処する一方で、本発明者は、先行技術における他の側面の問題も確認している。
【0055】
先行技術におけるカメラモーション解析の方法においては、解析対象は、通常、専門の映像撮影者によって撮影されて処理されることで得られる標準の映像であるから、その解析原理は、可能な限り精細に映像を映像セグメントに分割し、それらの対応するモーションタイプを決定することである。しかし、以下の問題が先行技術においては考慮されていない。幾人からのアマチュア撮影者による撮影を通じて取得された映像は、撮影者の限られたレベル又は他の理由のために何らかの意図しないカメラモーションを免れないことがある。この場合において、そのような意図しないカメラモーションに対応する映像セグメントは、先行技術の検出方法においても別々に識別される。すなわち、そのような意図しないカメラモーションは先行技術においては識別され得ない。しかし、これは、明らかに、ユーザの撮影意図をよく適応させない。
【0056】
上記の問題を鑑み、本発明の実施形態は、また、対応する解決法を提供する。特に、図2を参照して、本発明の実施形態は、映像におけるカメラモーション解析のための他の方法を提供する。
【0057】
S201で、映像に含まれる映像セグメント及びそれらのカメラモーションタイプが、解析ユニットによって、映像から解析される。
【0058】
映像に含まれる映像セグメント及びそれらの対応するカメラモーションタイプは、特に、先に記載された方法において解析され得る。その繰り返しの記載はここでは省略される。このステップにおいて記載される映像セグメントは、有意な移動特性を有さない映像セグメントを有意な移動特性を有する映像セグメントとマージすることにより得られた映像セグメントに相当する点に留意すべきである。すなわち、夫々の映像セグメントの対応するカメラモーションタイプは、予め決定されている。
【0059】
S202で、映像の夫々の映像セグメントは、検出ユニットによって、予めセットされたマージルールを満足する映像セグメントを検索される。
【0060】
特定のマージルールが経験的に予めセットされ得、次いで、夫々の映像セグメント及びそれらの対応するカメラモーションタイプが予め決定された後、マージルールを満足する映像セグメントがあるかどうかが判断され得る。
【0061】
S203で、マージユニットによって、見つけられた映像セグメントがマージされ、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプがマージルールに従って決定される。
【0062】
マージされ得る映像の特定の特性と、マージにより得られた映像セグメントに対応するカメラモーションタイプとを含む情報が、マージルールにおいて設定され得る。従って、映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントに対応するモーションのタイプをマージルールに従って決定することで十分である。
【0063】
特に、マージルールは、映像セグメントの隣接関係、モーションのタイプ、存続期間等を考慮して設定され得、従って、映像の夫々の映像セグメントは、映像セグメントの隣接関係、モーションのタイプ、存続期間等に従って、予めセットされたマージルールを満足する映像セグメントを検索され得る。
【0064】
具体的に、様々な起こり得るシナリオのうち幾つかの典型的なものについて以下で紹介する。
【0065】
シナリオの1つにおいて、マージされる映像セグメントは、以下の条件下で検索される。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメント及び第3の映像セグメントの両方のモーションタイプがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く静止又は移動である場合、すなわち、ズームの2つのセグメントの間に存続期間が短い静止又は移動セグメントが存在する場合、それは、ユーザの主たる意図はズームであるべきだが、最初の動作が不十分な期間に行われたために、動作がポーズ後に続行すること、又はユーザが途中で焦点の位置に満足いかなかったために、動作が最初の動作に続く移動による調整の後に続行することを示す。従って、第1の映像セグメント第3の映像セグメントとの間の静止又は移動は意図しないカメラモーションに属すので、第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントはマージされ得、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプをマージルールはズームと決定され得る。すなわち、上記の条件を満たす3つのセグメントがズームのセグメントにマージされ得る。
【0066】
他のシナリオにおいて、マージされる映像セグメントは、以下の条件下で検索される。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントのモーションタイプがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く移動であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値と同じ又は異なる第2の予めセットされた閾値よりも長い存続期間の間続く静止である場合、すなわち、ズームのセグメントと長い静止セグメントとの間に短い移動セグメントが存在する場合、それは、ユーザの主たる意図はズームインして、関心がある特定の場面を静止して撮影することであり、移動動作は、単に、ユーザが焦点の位置に満足いかなかった場合にユーザ自身によって行われる調整であることを示す。従って、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントはマージされ得、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプは静止と決定され得る。すなわち、上記の条件を満たす移動セグメント及び静止セグメントが静止セグメントにマージされ得る。
【0067】
更なる他のシナリオにおいて、マージされる映像セグメントは、以下の条件下で検索され得る。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く静止であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値と同じ又は異なる第2の予めセットされた閾値よりも長い存続期間の間続く移動である場合、すなわち、ズームのセグメントと長い移動セグメントとの間に短い静止セグメントが存在する場合、それは、ユーザの主たる意図はズームインして、関心がある特定の場面を移動しながら撮影することであり、静止場面のセグメントはユーザの不慣れな動作又は他の理由により生じることを示す。従って、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントはマージされ得、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプは移動と決定され得る。すなわち、上記の条件を満たす静止セグメント及び移動セグメントが移動セグメントにマージされ得る。
【0068】
更なるシナリオにおいて、マージされる映像セグメントは、以下の条件下で検索される。同様に、時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く第1の方向における移動であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値と同じ又は異なる第2の予めされた閾値よりも長い存続期間の間続く第1の方向とは異なる第2の方向における移動である場合、すなわち、ズームのセグメントと長い移動セグメントとの間に他の方向に向かって移動する短いセグメントが存在する場合、それは、ユーザの主たる意図はズームインして、関心がある特定の場面を移動しながら撮影することであり、他の方向に向かう移動は、ユーザの誤った動作又は他の理由により生じることを示す。従って、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントはマージされ得、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプは第2の方向に向かう移動と決定され得る。すなわち、2つの異なる方向における移動セグメントは、より長い期間続く移動モーションに依存する方向における移動セグメントにマージされ得る。
【0069】
当然、上記のマージルール以外の他のマージルールも実際には必要に応じて設定されてよく、例えば、上記の夫々のシナリオにおけるズームのセグメントの代わりに回転のセグメントをマージすることも適切である。要約すると、マージは、2つの映像セグメントの間に起こり得る移動の動作が存在する限り可能であり、異なるシナリオはここでは挙げられない。
【0070】
本発明の実施形態において述べられる時間閾値は経験的に導出され、又は必要に応じて設定され得、ここでは制限されない点に留意すべきである。
【0071】
要約すると、本発明の実施形態に従う、映像におけるカメラモーション解析のための上記の第2の方法によれば、映像セグメントは、映像セグメント間の対応関係と、予備的な解析から決定されるモーションのタイプとを考慮して、予めセットされたマージルールに従ってマージされ得る。これは、撮影の間に何人かのアマチュア撮影者によって導入された意図的でないモーションを考慮する場合と同等であり、すなわち、最終的な検出結果が実際の状況、ひいては、ユーザの撮影意図により良く適応して、カメラのモーションを解析する有効性を改善することができるように、映像においてカメラモーションタイプを検出するためのユーザの実際の撮影意図と分割の細かさとの間のトレードオフと同等である。
【0072】
本発明の実施形態に従う、映像におけるカメラモーション解析のための第1の方法に対応して、本発明の実施形態は、更に、映像におけるカメラモーション解析のための装置を提供する。図3を参照して、装置は、映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析するよう構成される解析ユニット301と、有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なる場合に、第1のモーションタイプ及び第2のモーションタイプの検出基準を下げるよう構成される基準調整ユニット302と、有意な移動特性を有さない映像セグメントが下げられた検出基準を満たすかどうかを判断するよう構成される判断ユニット303と、判断結果に従って有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接映像セグメントマージするよう構成されるマージユニット304とを有する。
【0073】
特に、マージのための様々なシナリオが存在する。以下に例示する。
【0074】
第1のシナリオにおいて、図4を参照すると、マージユニット304は、有意な移動特性を有さない映像セグメントが一方のモーションタイプの下げられた検出基準のみを満たす場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントをそのモーションタイプに対応する隣接映像セグメントとマージするよう構成される第1マージサブユニット3041を有することができる。
【0075】
他のシナリオにおいて、図5を参照すると、マージユニット304は、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1及び第2の両方のモーションタイプの下げられた検出基準を満たす場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントを夫々の下げられた検出基準が満足される版に従って隣接映像セグメントの一方とマージするよう構成される第2マージサブユニット3042を有することができる。
【0076】
更なるシナリオにおいて、図6を参照すると、マージユニット304は、有意な移動特性を有さない映像セグメントが第1及び第2のモーションタイプの下げられた検出基準のいずれも満たさない場合に、有意な移動特性を有さない映像セグメントを2つの部分に分けるよう構成される分割サブユニット3043と、第1の半分部分を先行する隣接映像セグメント、第2の半分部分を後続の隣接映像セグメントとマージするよう構成される第3マージサブユニット3044とを有することができる。
【0077】
本発明の実施形態に従う上記の装置によれば、有意な移動特性を有さない映像セグメントに関し、それの先行する隣接映像セグメント及び後続の隣接映像セグメントが異なるモーションタイプを有する場合、マージの間、最初に、それら2つの隣接映像セグメントに対応するモーションタイプの検出基準が下げられ、次いで、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントが下げられた検出基準を満たすかどうかが判断され、当該有意な移動特性を有さない映像セグメントは、該有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接映像セグメントの夫々とマージされる2つの部分にフレームの真ん中で直接的に分ける代わりに、前記判断の結果に従ってマージされる。このようにして、マージにより得られた映像セグメントは、実際の状況、ひいてはユーザの撮影意図により良く適応することができる。
【0078】
本発明の実施形態に従う、映像におけるカメラモーション解析のための第2の方法に対応して、本発明の実施形態は、更に、映像におけるカメラモーション解析のための他の装置を提供する。図7を参照して、装置は、映像からそれに含まれる映像セグメント及びそれらのカメラモーションタイプを解析するよう構成される解析ユニット701と、映像の映像セグメントにおいて予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけるよう構成される検出ユニット702と、見つけられた映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプをマージルールに従って決定するよう構成されるマージユニット703とを有する。
【0079】
具体的な実施において、検出ユニット702は、特に、映像セグメントの隣接関係、モーションのタイプ及び存続期間に従って、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけるよう構成され得る。
【0080】
特に、図8を参照すると、検出ユニット702は、以下の条件下でマージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第1の検出サブユニットを有することができる。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメント及び第3の映像セグメントの両方のモーションタイプがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く静止又は移動である場合、第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントは、予めセットされたマージルールを満たす。
【0081】
これに対して、マージユニット703は、第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプをズームと決定するよう構成される第1マージサブユニット7031を有することができる。
【0082】
あるいは、図9を参照すると、検出ユニット702は、以下の条件下でマージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第2検出サブユニットを代替的に有することができる。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントのモーションタイプがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く移動であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第2の予めセットされた閾値よりも長い存続期間の間続く静止である場合、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントは、予めセットされたマージルールを満たす。
【0083】
これに対応して、マージユニット703は、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプを静止と決定するよう構成される第2マージサブユニット7032を有することができる。
【0084】
更に、図10を参照すると、検出ユニット702は、以下の条件下でマージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第3検出サブユニット7023を代替的に有することができる。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く静止であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第2の予めセットされた閾値よりも長い存続期間の間続く移動である場合、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントは、予めセットされたマージルールを満たす。
【0085】
これに対応して、マージユニット703は、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプを移動と決定するよう構成される第3マージサブユニット7033を有することができる。
【0086】
更に、図11を参照すると、検出ユニット702は、以下の条件下でマージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第3検出サブユニット7024を代替的に有することができる。時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、第1の映像セグメントがズームであり、且つ、第2の映像セグメントのモーションタイプが、第1の予めセットされた閾値よりも短い存続期間の間続く第1の方向への移動であり、且つ、第3の映像セグメントのモーションタイプが、第2の予めされた閾値よりも長い存続期間の間続く第1の方向とは異なる第2の方向への移動である場合、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントは、予めセットされたマージルールを満たす。
【0087】
これに対応して、マージユニット703は、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントをマージし、マージにより得られた映像セグメントのモーションのタイプを第2の方向に向かう移動と決定するよう構成される第4マージサブユニット7034を有することができる。
【0088】
当然、実際の応用は、上記の幾つかの具体的なシナリオに限られず、マージルールは、実際には、必要に応じて柔軟に設定され得る。
【0089】
本発明の実施形態に従う装置によれば、映像セグメントは、映像セグメント間の対応関係と、予備的な解析から決定されるモーションのタイプとを考慮して、予めセットされたマージルールに従ってマージされ得る。これは、撮影の間に何人かのアマチュア撮影者によって導入された意図的でないモーションを考慮する場合と同等であり、すなわち、最終的な検出結果が実際の状況、ひいては、ユーザの撮影意図により良く適応して、カメラのモーションを解析する有効性を改善することができるように、映像においてカメラモーションタイプを検出するためのユーザの実際の撮影意図と分割の細かさとの間のトレードオフと同等である。
【0090】
更に、上記の一連の処理及び装置は、ソフトウェア及び/又はハードウェアにおいても具現され得る点に留意すべきである。ソフトウェア及び/又はハードウェアにおいて具現される場合において、ソフトウェアを構成するプログラムは、専用のハードウェア構造、例えば図12に表される汎用のパーソナルコンピュータ1200を用いて、記憶媒体又はネットワークからコンピュータにインストールされる。パーソナルコンピュータ1200は、様々なプログラムが自身にインストールされる場合に、様々な機能を実行することができる。
【0091】
図12において、中央演算処理装置(CPU)1201は、読出専用メモリ(ROM)1202に記憶されている又は記憶部1208からランダムアクセスメモリ(RAM)1203にロードされるプログラムに従って、様々な処理を実行する。RAM1203には、更に、CPU1201が様々な処理を実行する場合に必要とされるデータが、必要に応じて記憶されている。
【0092】
CPU1201、ROM1202及びRAM1203は、互いにバス1204を介して接続されている。バス1204には、更に、入出力インターフェース1205が接続されている。
【0093】
入出力インターフェース1205には、キーボード、マウス等を含む入力部1206と、ディスプレイ(例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等)、スピーカ等を含む出力部1207と、ハードディスク等を含む記憶部1208と、ネットワークインターフェースカード(例えば、LANカード)、モデム等を含む通信部1209とが接続されている。通信部1209は、ネットワーク(例えば、インターネット)を介した通信処理を行う。
【0094】
更に、ドライブユニット1210が、必要に応じて、入出力インターフェース1205へ接続される。リムーバブル媒体1211(例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等)が、必要に応じて、ドライブユニット1210に載置又は挿入され、それにより、媒体1211からフェッチされたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部1208にインストールされ得る。
【0095】
上記の一連の処理がソフトウェアで実行される場合に、ソフトウェアを構成するプログラムは、ネットワーク(例えば、インターネット等)又は記憶媒体(例えば、リムーバブル媒体1211等)からインストールされる。
【0096】
当業者には明らかなように、そのような記憶媒体は、プログラムが記憶されており且つユーザにプログラムを提供するよう装置とは別個に分配される図12に表されるリムーバブル媒体1211に制限されない。リムーバブル媒体1211の例には、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスクを含む。)、光ディスク(CD−ROM及びDVDを含む。)、光磁気ディスク(ミニディスク(登録商標)を含む。)、及び半導体メモリがある。代替的に、記憶媒体は、プログラムが記憶されており且つ装置に組み込まれてユーザに分配されるROM1202、記憶部1208に含まれるハードディスク等であってよい。
【0097】
更に、上記の一連の処理におけるステップは、当然ながら、記載される順に時系列で実行されてよいが、必ずしも時系列で実行される必要はない点に留意すべきである。一部のステップは、同時に、又は互いから独立して、実行されてよい。
【0098】
本発明及びその利点について詳細に記載してきたが、当然、様々な変更、置換及び変形が、添付の特許請求の範囲において定義される本発明の技術的範囲から逸脱することなく為されてよい。更に、語「有する(comprise)」、「含む(include)」及びそれらの活用形は、一連の要素を含む工程、方法、物又は装置がそれらの要素とともに、明示的には挙げられていない1又はそれ以上の要素、あるいは、その工程、方法、物又は装置に固有の要素を含むように、非排他的包含を網羅するよう意図される。別なふうに述べられない限り、「〜を有する/含む(comprise/include a(n)…)」との表現で定義される要素は、その要素を含む処理、方法、物又は装置において更なる同じ要素の存在を排除しない。
【0099】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0100】
(付記1)
映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、
前記映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析し、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの検出基準を下げ、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた前記検出基準を満たすかどうかを判断し、
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージする
方法。
(付記2)
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうち一方の検出基準のみを満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記一方の検出基準に対応する隣接する映像セグメントとマージすること
を含む、付記1に記載の方法。
(付記3)
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準の両方を満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記下げられた検出基準を満たす範囲に従って隣接する映像セグメントとマージすること
を含む、付記1に記載の方法。
(付記4)
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうちいずれの検出基準も満たさない場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを2つの部分に分け、
前記2つの部分のうち第1の半分部分を先行する隣接映像セグメントとマージし、前記2つの部分のうち第2の半分部分を後続の隣接映像セグメントとマージすること
を含む、付記1に記載の方法。
(付記5)
映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、
前記映像から、該映像に含まれる映像セグメント及びそのカメラモーションタイプを解析し、
前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけ、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定する
方法。
(付記6)
前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけること
を含む、付記5に記載の方法。
(付記7)
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントの両方のモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止又は移動であり、その存続期間が予めセットされた閾値よりも小さい場合、前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプをズームと決定すること
を含む、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントのモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを静止と決定すること
を含む、付記6に記載の方法。
(付記9)
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを移動と決定すること
を含む、付記6に記載の方法。
(付記10)
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが第1の方向における移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが第2の方向における移動であり、その存続期間が第2の予めされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを前記第2の方向における移動と決定すること
を含む、付記6に記載の方法。
(付記11)
映像におけるカメラモーション解析のための装置であって、
前記映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析するよう構成される解析部と、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの検出基準を下げるよう構成される基準調整部と、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた前記検出基準を満たすかどうかを判断するよう構成される判断部と、
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージするマージ部と
を有する装置。
(付記12)
前記マージ部は、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうち一方の検出基準のみを満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記一方の検出基準に対応する隣接する映像セグメントとマージするよう構成される第1マージ部
を有する、付記11に記載の装置。
(付記13)
前記マージ部は、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準の両方を満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記下げられた検出基準を満たす範囲に従って隣接する映像セグメントとマージする第2マージ部
を有する、付記11に記載の装置。
(付記14)
前記マージ部は、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうちいずれの検出基準も満たさない場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを2つの部分に分けるよう構成される分割部と、
前記2つの部分のうち第1の半分部分を先行する隣接映像セグメントとマージし、前記2つの部分のうち第2の半分部分を後続の隣接映像セグメントとマージする第3マージ部と
を有する、付記11に記載の装置。
(付記15)
映像におけるカメラモーション解析のための装置であって、
前記映像から、該映像に含まれる映像セグメント及びそのカメラモーションタイプを解析するよう構成される解析部と、
前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけるよう構成される検出部と、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定するよう構成されるマージ部と
を有する装置。
(付記16)
前記検出部は、前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけるよう構成される、
付記15に記載の装置。
(付記17)
前記検出部は、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントの両方のモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止又は移動であり、その存続期間が予めセットされた閾値よりも小さい場合、前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第1発見部
を有し、
前記マージ部は、
前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプをズームと決定するよう構成される第1マージ部
を有する、付記16に記載の装置。
(付記18)
前記検出部は、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントのモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第2検出部
を有し、
前記マージ部は、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを静止と決定するよう構成される第2マージ部
を有する、付記16に記載の装置。
(付記19)
前記検出部は、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第3マージ部
を有し、
前記マージ部は、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを移動と決定するよう構成される第3マージ部
を有する、付記16に記載の装置。
(付記20)
前記検出部は、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが第1の方向における移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが第2の方向における移動であり、その存続期間が第2の予めされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけるよう構成される第4検出部
を有し、
前記マージ部は、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを前記第2の方向における移動と決定するよう構成される第4マージ部
を有する、付記16に記載の装置。
【符号の説明】
【0101】
301 解析ユニット
302 基準調整ユニット
303 判断ユニット
304 マージユニット
3041 第1マージサブユニット
3042 第2マージサブユニット
3043 分割ユニット
3044 第3マージサブユニット
701 解析ユニット
702 検出ユニット
7021 第1検出サブユニット
7022 第2検出サブユニット
7023 第3検出サブユニット
7024 第4検出サブユニット
703 マージユニット
7031 第1マージサブユニット
7032 第2マージサブユニット
7033 第3マージサブユニット
7034 第4マージサブユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、
前記映像から、有意な移動特性を有する映像セグメントと、有意な移動特性を有さない映像セグメントとを解析し、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントの夫々について、先行する隣接映像セグメントに対応する第1のモーションタイプが後続の隣接映像セグメントに対応する第2のモーションタイプとは異なっている場合に、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの検出基準を下げ、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、下げられた前記検出基準を満たすかどうかを判断し、
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージする
方法。
【請求項2】
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうち一方の検出基準のみを満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記一方の検出基準に対応する隣接する映像セグメントとマージすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準の両方を満たす場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを、前記下げられた検出基準を満たす範囲に従って隣接する映像セグメントとマージすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
判断結果に従って前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを隣接する映像セグメントとマージすることは、
前記有意な移動特性を有さない映像セグメントが、前記第1のモーションタイプ及び前記第2のモーションタイプの前記下げられた検出基準のうちいずれの検出基準も満たさない場合に、前記有意な移動特性を有さない映像セグメントを2つの部分に分け、
前記2つの部分のうち第1の半分部分を先行する隣接映像セグメントとマージし、前記2つの部分のうち第2の半分部分を後続の隣接映像セグメントとマージすること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
映像におけるカメラモーション解析のための方法であって、
前記映像から、該映像に含まれる映像セグメント及びそのカメラモーションタイプを解析し、
前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけ、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定する
方法。
【請求項6】
前記映像の前記映像セグメントにおいて、予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけること
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントの両方のモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止又は移動であり、その存続期間が予めセットされた閾値よりも小さい場合、前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第1の映像セグメント、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプをズームと決定すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントのモーションタイプがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを静止と決定すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが静止であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが移動であり、その存続期間が第2の予めセットされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを移動と決定すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記映像の前記映像セグメントの隣接関係、モーションタイプ及び存続期間に従って、前記予めセットされたマージルールを満たす映像セグメントを見つけることは、
時間的に隣接する第1の映像セグメント、第2の映像セグメント及び第3の映像セグメントに関し、前記第1の映像セグメントがズームであり、且つ、前記第2の映像セグメントのモーションタイプが第1の方向における移動であり、その存続期間が第1の予めセットされた閾値よりも小さく、且つ、前記第3の映像セグメントのモーションタイプが第2の方向における移動であり、その存続期間が第2の予めされた閾値よりも大きい場合、前記第2の映像セグメント及び前記第3の映像セグメントは、前記予めセットされたマージルールを満たすという条件に従って、マージされる映像セグメントを見つけること
を含み、
前記マージルールに従って、見つけられた映像セグメントをマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを決定することは、
前記第2の映像セグメントを前記第3の映像セグメントとマージし、マージされた映像セグメントのモーションタイプを前記第2の方向における移動と決定すること
を含む、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−216200(P2012−216200A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−65362(P2012−65362)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】