説明

映像伝送システム、画像送信装置、画像受信装置および映像伝送方法

【課題】 多数のネットワークカメラ等からの映像データを伝送する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる映像伝送システムを提供する。
【解決手段】 カメラ部111で圧縮・符号化された映像データは、記憶部112に一時的に記憶されると同時に、動き検出部113に入力される。動き検出部113で動きの発生が認められた場合、送信申請部115で送信申請が発行され、IPネットワーク150を通じてネットワーク管理装置160に送信される。ネットワーク管理装置160無いの送信判定部162でIPネットワーク上で通信されている映像データの通信総量が予め定められた規制値以下である場合、ネットワークカメラ110に送信指示が返信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを通じて映像データを伝送する映像伝送システム、画像送信装置、画像受信装置および映像伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の映像伝送システムとして、ネットワークに接続された複数台のカメラで撮影された映像を監視する映像監視システムが知られている。図12は従来の映像監視システムの構成を示す図である。この映像監視システムは、複数台のネットワークカメラ500、510、520および蓄積装置540がIPネットワーク550に接続された構成を有する。ネットワークカメラ500は、カメラ部501、記憶部502、動き検出部503およびネットワーク送信部504を有する。他のネットワークカメラ510、520も、ネットワークカメラ500と同様の構成を有する。
【0003】
ネットワークカメラ500は、カメラ部501で入力された映像を圧縮・符号化して映像データとし、記憶部502に一時的に記憶する。そして、動き検出部503によって映像データに動きが検出された場合のみ、ネットワーク送信部504からIPネットワーク550を経由して蓄積装置540に映像データを送信する。これにより、IPネットワーク550の帯域負荷を軽減する(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−83241号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の映像伝送システムでは、多数のネットワークカメラにおいて、同時に動き検出が成立した場合、IPネットワークの最大帯域負荷を超過するような、映像データの送信が発生するおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、多数の画像送信装置からの映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる映像伝送システム、画像送信装置、画像受信装置および映像伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の映像伝送システムは、ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から送信される映像データを受信する映像伝送システムであって、前記少なくとも1つの画像送信装置から映像データの送信を要求する送信要求手段と、前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別手段と、前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可手段と、前記送信が許可された画像送信装置から前記ネットワークに映像データを送信する映像送信手段と、前記送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積手段とを備えるものである。
【0008】
この構成により、多数の画像送信装置からの映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる。
【0009】
また、本発明の一態様として、上記の映像伝送システムであって、前記画像送信装置は、映像データを取得する映像取得手段と、前記取得した映像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された映像データの動きを検出する動き検出手段とを備え、前記動きが検出された場合、前記送信要求手段により前記ネットワークに対し、送信要求として送信申請を発行し、前記送信が許可された場合、前記映像送信手段により前記ネットワークに映像データを送信するものとする。これにより、帯域負荷を軽減できる。
【0010】
また、本発明の一態様として、上記の映像伝送システムであって、複数の画像送信装置の優先度を設定する優先度設定手段を備え、前記複数の画像送信装置から映像データの送信が同時に要求された場合、前記送信許可手段は、前記設定された優先度にしたがって、送信を許可するものとする。これにより、ネットワークの帯域が枯渇した場合、ユーザの要求度の高い映像データを優先的に蓄積することができる。
【0011】
また、本発明の一態様として、上記の映像伝送システムであって、前記記憶手段の残容量が所定のしきい値以下になったか否かを判定するしきい値判定手段を備え、前記残容量が前記しきい値以下になった場合、前記送信要求手段は、残容量減少による送信申請を発行し、前記優先度設定手段は、前記残容量減少による送信申請が受信された場合、該送信申請を送信した画像送信装置の優先度を高くするように変更するものとする。これにより、記憶手段に記憶された映像データが送信されることなく、上書きされて消失する可能性を低減できる。
【0012】
また、本発明の一態様として、上記の映像伝送システムであって、前記ネットワークの運用可能な帯域総量を検出する帯域総量検出手段と、前記検出された帯域総量を基に、前記所定の規制値を変更する規制値変更手段とを備えるものとする。これにより、ネットワークに障害が発生しても、運用可能な最大帯域を利用してシステムを運用することができる。
【0013】
本発明の画像送信装置は、ネットワークに接続された画像受信装置に映像データを送信する画像送信装置であって、映像データを取得する映像取得手段と、前記取得した映像データを記憶する記憶手段と、前記記憶された映像データの動きを検出する動き検出手段とを備え、前記動きが検出された場合、前記ネットワークに対し、送信要求として送信申請を発行する送信申請発行手段と、 前記ネットワークで通信されている通信総量が所定の規制値以下であって、前記送信が許可された場合、前記ネットワークに映像データを送信する映像送信手段とを備えるものである。これにより、多数の画像送信装置からの映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる。
【0014】
本発明の画像受信装置は、ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から映像データを受信する画像受信装置であって、前記少なくとも1つの画像送信装置から送信が要求された場合、前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別手段と、前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可手段と、前記送信が許可された画像送信装置から送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積手段とを備えるものである。これにより、多数の画像送信装置からの映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる。
【0015】
本発明の映像伝送方法は、ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から送信される映像データを受信する映像伝送方法であって、前記少なくとも1つの画像送信装置から映像データの送信を要求する送信要求ステップと、前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別ステップと、前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可ステップと、前記送信が許可された画像送信装置から前記ネットワークに映像データを送信する映像送信ステップと、前記送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積ステップとを有するものである。これにより、多数の画像送信装置からの映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多数の画像送信装置から送信される映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することが可能な映像伝送システム、画像送信装置、画像受信装置および映像伝送方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施形態では、ネットワークカメラ監視システムに適用される映像伝送システムの構成例を説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図である。このネットワークカメラ監視システムは、複数台のネットワークカメラ110、120、130、蓄積装置140およびネットワーク管理装置160がIPネットワーク150に接続された構成を有する。ネットワークカメラ110は、カメラ部111、動き検出部113、記憶部112、送信申請部115、ネットワーク送受信部114および送信指示部116を有する。ネットワークカメラ120、130は、ネットワークカメラ110と同様の構成を有するので、その説明を省略する。また、ネットワーク管理装置160は、ネットワーク送受信部161および送信判定部162を有する。
【0018】
ネットワークカメラ110は、映像取得手段の機能を有するカメラ部111で入力された映像信号を取り込んで圧縮・符号化し、記憶手段の機能を有する記憶部112に映像データとして一時的に蓄える。これと同時に、動き検出手段の機能を有する動き検出部113では、動きが発生したか否かを評価する。動き検出部113において動きの発生が認められた場合、送信要求手段の機能を有する送信申請部115で送信申請を作成し、ネットワーク送受信部114を介してIPネットワーク150に送信する。この送信申請は、ネットワーク管理装置160内のネットワーク送受信部161で受信され、通信総量判別手段および送信許可手段の機能を有する送信判定部162に伝送される。
【0019】
送信判定部162では、IPネットワーク150上で通信されている映像データの通信総量が予め定められた値(規制値)以下である場合、ネットワークカメラ110に対して送信指示を返信する。一方、送信指示を受信したネットワークカメラ110は、その送信指示部116によって記憶部112に一時的に蓄えられた映像データの送信を指示する。 ここで、ネットワーク送受信部114および送信指示部116が映像送信手段の機能を実現する。送信された映像データは、IPネットワーク150を経由して蓄積手段の機能を有する蓄積装置140に受信され、蓄積される。
【0020】
上記構成を有するネットワークカメラ監視システムの動作を示す。図2は第1の実施形態におけるネットワークカメラ110の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、カメラ部111に映像信号の入力があったか否かを判別する(ステップS1)。映像信号の入力がない場合、ステップS1の処理を繰り返し、映像信号の入力があった場合、カメラ部111で入力された映像信号を圧縮・符号化して映像データとし(ステップS2)、記憶部112に一時的に蓄積する(ステップS3)。これと同時に、カメラ部111からの映像データは動き検出部113に入力されるので、動き検出部113では、映像データに動きが発生したか否かを評価する(ステップS4)。動きの発生がない場合、そのまま本処理を終了する。一方、動きの発生が認められた場合、送信申請部115で送信申請を作成する(ステップS5)。そして、作成された送信申請をネットワーク送受信部114を介してIPネットワーク150に送信する(ステップS6)。
【0021】
そして、IPネットワーク150から送信指示を受信したか否かを判別する(ステップS7)。受信していない場合、ステップS7の処理を繰り返し、受信するまで待機する。 一方、送信指示を受信した場合、ネットワークカメラ110内の送信指示部116が記憶部112に映像データの送信を指示することによって、ネットワーク送受信部114からIPネットワーク150に映像データを送信する(ステップS8)。送信された映像データは、蓄積装置140に蓄積される。この後、本処理を終了する。
【0022】
図3は第1の実施形態におけるネットワーク管理装置160の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、ネットワーク管理装置160では、IPネットワーク150から送信申請を受信したか否かを判別する(ステップS11)。送信申請を受信していない場合、ステップS11の処理を繰り返す。一方、送信申請を受信した場合、IPネットワーク150上で実行(通信)されている映像データの通信総量が予め定められた値(規制値)以下であるか否かを判別する(ステップS12)。規制値以下である場合、ネットワークカメラ110に対し、IPネットワーク150を通じて送信指示を送信する(ステップS13)。この後、ステップS11の処理に戻る。一方、ステップS12で通信総量が規制値を越える場合、送信指示を出すことなく、ステップS11の処理に戻る。
【0023】
このように、第1の実施形態のネットワークカメラ監視システムによれば、IPネットワークの最大帯域を越える送信申請があった場合、ネットワーク管理装置160内の送信判定部162で送信が許可されないので、最大帯域負荷を超過することなく、システムを運用することができる。
【0024】
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図である。前記第1の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第2の実施形態では、ネットワーク管理装置160は、送信判定部162によって参照可能な優先度管理表263を有する。この優先度管理表263は、優先度設定手段の機能を有するもので、複数のネットワークカメラ110、120、130から同時に送信申請を着信した場合、どれを優先させるか、つまり優先度が予め記述されている。この優先度の設定は、ユーザが予め自身の要求度に応じて設定しておくことが可能である。一旦設定されると、設定し直すことが行われない限り、優先度は固定される。なお、優先度の設定は任意に変更することも可能である。例えば、所定期間毎に優先度を変更したり、使用頻度に応じて変更するようにしてもよい。その他のネットワークカメラ監視システムの構成は、前記第1の実施形態と同様である。
【0025】
図5は第2の実施形態におけるネットワーク管理装置160の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、IPネットワーク150から送信申請を受信したか否かを判別する(ステップS21)。受信していない場合、ステップS21に戻って同様の処理を繰り返す。一方、送信申請を受信した場合、IPネットワーク150の通信総量が規制値以下であるか否かを判別する(ステップS22)。規制値を越える場合、ステップS21の処理に戻る。
【0026】
一方、ステップS22で通信総量が規制値以下である場合、同時に2以上の送信申請を受信したか否かを判別する(ステップS23)。同時に2以上の送信申請を受信していない場合、送信申請を行ったネットワークカメラに対し、送信指示を送信する(ステップS25)。この後、ステップS21の処理に戻る。一方、ステップS23で同時に2以上の送信申請を受信している場合、優先度管理表263を参照し、いずれのネットワークカメラの優先度が高いかを判断して送信を許可すべきネットワークカメラを決定する(ステップS24)。そして、決定されたネットワークカメラに対し、ステップS25で送信指示を送信する。この後、ステップS21の処理に戻り、同時に受信していた他の送信申請に対して処理を継続する。
【0027】
一方、ネットワークカメラ110側では、IPネットワーク150から送信指示を受信した場合、送信指示部116が記憶部112に映像データの送信を指示する。そして、ネットワーク送受信部114から映像データがIPネットワーク150を介して送信され、蓄積装置140に蓄積される。
【0028】
このように、第2の実施形態のネットワークカメラ監視システムによれば、ネットワーク帯域が枯渇した場合、ユーザの要求度の高い、映像データを優先的に蓄積することができる。なお、上記実施形態では、優先度管理表に基づき、特定のネットワークカメラだけを選択し、そのカメラからの映像データが蓄積される場合を示したが、優先度に応じて、各ネットワークカメラの送信量に重み付けを行い、全てのネットワークカメラが最低限の送信を行えるように制御することも可能である。
【0029】
(第3の実施形態)
図6は本発明の第3の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図である。前記第1、第2の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第3の実施形態では、ネットワークカメラ110には、しきい値判定手段の機能を有する残量判定部317が設けられている。この残量判定部317は、記憶部112の記憶残容量が予め定められたしきい値以下になった場合、送信申請部115に送信申請を発行するように要求する。送信申請部115は、この要求に応じて送信申請を発行する。この送信申請には、記憶残容量の減少によるものであることが記述されている。また、ネットワーク管理装置160には、優先度設定手段の機能を有する優先度更新部364が設けられている。優先度更新部364は、記憶残容量が少ないことによる送信申請を受信した場合、優先度管理表263におけるネットワークカメラ110の優先度を高くするように更新する。
【0030】
図7は第3の実施形態におけるネットワークカメラ110の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理は所定の周期毎に実行される。まず、記憶部112の記憶残容量が所定値以下になったか否かを判別する(ステップS31)。所定値以下になっていない場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS31で記憶残容量が所定値以下になっている場合、送信申請を発行する(ステップS32)。この後、本処理を終了する。
【0031】
図8は第3の実施形態におけるネットワーク管理装置160の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、IPネットワーク150から送信申請を受信したか否かを判別する(ステップS41)。送信申請を受信していない場合、ステップS41の処理を繰り返す。一方、送信申請を受信した場合、その送信申請が記憶残容量の減少によるものであるか否かを判別する(ステップS42)。記憶残容量の減少によるものである場合、優先度管理表263の優先度を変更する(ステップS43)。ここでは、記憶残容量の減少による送信申請を発行したネットワークカメラの優先度が高くなるように変更される。一方、ステップS42で送信申請が記憶残容量の減少によるものでない場合、ステップS44の処理に進む。
【0032】
この後の処理は前記第2の実施形態におけるステップS22〜S25の処理と同じである。すなわち、IPネットワーク150の通信総量が所定値以下であるか否かを判別する(ステップS44)。所定値を越える場合、ステップS41の処理に戻る。
【0033】
一方、ステップS44で通信総量が所定値以下である場合、同時に2以上の送信申請を受信したか否かを判別する(ステップS45)。同時に2以上の送信申請を受信していない場合、送信申請を行ったネットワークカメラに対し、送信指示を送信する(ステップS47)。この後、ステップS41の処理に戻る。一方、ステップS45で同時に2以上の送信申請を受信している場合、優先度管理表263を参照し、いずれのネットワークカメラの優先度が高いかを判断して送信を許可すべきネットワークカメラを決定する(ステップS46)。そして、決定されたネットワークカメラに対し、ステップS47で送信指示を送信する。この後、ステップS41の処理に戻る。さらに、同時に受信していた他の送信申請に対し、同様の処理を継続する。
【0034】
一方、ネットワークカメラ110は、IPネットワーク150から送信指示を受信すると、送信指示部116が記憶部112に映像データの送信を指示し、ネットワーク送受信部114からIPネットワーク150に映像データを送信する。送信された映像データは、蓄積装置140に蓄積される。
【0035】
このように、第3の実施形態のネットワークカメラ監視システムによれば、記憶部112に一時的に記憶された映像データが送信されることなく、上書きされて消失してしまうおそれを低減できる。
【0036】
(第4の実施形態)
図9は本発明の第4の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図である。前記第1、第2、第3の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付すことによりその説明を省略する。第4の実施形態では、IPネットワーク150に帯域総量検出手段の機能を有するネットワーク監視装置470が接続されている。ネットワーク監視装置470は、IPネットワーク150に障害が発生した場合、運用可能な帯域総量を算出し、ネットワーク管理装置160に送信する。また、第4の実施形態では、ネットワーク管理装置160の送信判定部162が規制値変更手段の機能を実現する。
【0037】
図10は第4の実施形態におけるネットワーク監視装置470の動作処理手順を示すフローチャートである。まず、IPネットワーク150に障害が発生したか否かを判別する(ステップS51)。障害が発生していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、IPネットワーク150に障害が発生した場合、運用可能な帯域総量を算出する(ステップS52)。そして、算出された帯域総量を、IPネットワーク150を介してネットワーク管理装置160に送信する(ステップS53)。この後、本処理を終了する。
【0038】
図11は第4の実施形態におけるネットワーク管理装置160の動作処理手順を示すフローチャートである。この処理は所定周期毎に実行される。まず、IPネットワーク150を介して、ネットワーク監視装置470から帯域総量を受信したか否かを判別する(ステップS61)。受信していない場合、そのまま本処理を終了する。一方、帯域総量を受信した場合、送信判定部162で規制値を変更し、管理される帯域総量を更新する(ステップS62)。この後、本処理を終了する。なお、その他の処理は、前記第3の実施形態と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0039】
このように、第4の実施形態のネットワークカメラ監視システムによれば、IPネットワークの障害発生時においても、運用可能な最大帯域を利用してシステムを運用することができる。
【0040】
なお、本発明は、上述した実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲において、各種の変形実施が可能であり、種々の構成に適用可能である。
【0041】
例えば、上記各実施形態では、画像受信装置は、蓄積装置およびネットワーク管理装置として構成され、これらは別体であったが、一体化して構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、多数の画像送信装置から送信される映像データを送受信する場合であっても、ネットワークの帯域負荷を超過することなく運用することが可能となる効果を有し、ネットワークを通じて映像データを伝送する映像伝送システム、画像送信装置、画像受信装置および映像伝送方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図
【図2】第1の実施形態におけるネットワークカメラの動作処理手順を示すフローチャート
【図3】第1の実施形態におけるネットワーク管理装置の動作処理手順を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図
【図5】第2の実施形態におけるネットワーク管理装置の動作処理手順を示すフローチャート
【図6】本発明の第3の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図
【図7】第3の実施形態におけるネットワークカメラの動作処理手順を示すフローチャート
【図8】第3の実施形態におけるネットワーク管理装置の動作処理手順を示すフローチャート
【図9】本発明の第4の実施形態におけるネットワークカメラ監視システムの構成を示すブロック図
【図10】第4の実施形態におけるネットワーク監視装置の動作処理手順を示すフローチャート
【図11】第4の実施形態におけるネットワーク管理装置の動作処理手順を示すフローチャート
【図12】従来の映像監視システムの構成を示す図
【符号の説明】
【0044】
110、120、130 ネットワークカメラ
111 カメラ部
112 記憶部
113 動き検出部
114、161 ネットワーク送受信部
115 送信申請部
116 送信指示部
140 蓄積装置
150 IPネットワーク
160 ネットワーク管理装置
162 送信判定部
263 優先度管理表
317 残量判定部
364 優先度更新部
470 ネットワーク監視装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から送信される映像データを受信する映像伝送システムであって、
前記少なくとも1つの画像送信装置から映像データの送信を要求する送信要求手段と、
前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別手段と、
前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可手段と、
前記送信が許可された画像送信装置から前記ネットワークに映像データを送信する映像送信手段と、
前記送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積手段とを備える映像伝送システム。
【請求項2】
請求項1記載の映像伝送システムであって、
前記画像送信装置は、
映像データを取得する映像取得手段と、
前記取得した映像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶された映像データの動きを検出する動き検出手段とを備え、
前記動きが検出された場合、前記送信要求手段により前記ネットワークに対し、送信要求として送信申請を発行し、前記送信が許可された場合、前記映像送信手段により前記ネットワークに映像データを送信する映像伝送システム。
【請求項3】
請求項2記載の映像伝送システムであって、
複数の画像送信装置の優先度を設定する優先度設定手段を備え、
前記複数の画像送信装置から映像データの送信が同時に要求された場合、前記送信許可手段は、前記設定された優先度にしたがって、送信を許可する映像伝送システム。
【請求項4】
請求項3記載の映像伝送システムであって、
前記記憶手段の残容量が所定のしきい値以下になったか否かを判定するしきい値判定手段を備え、
前記残容量が前記しきい値以下になった場合、前記送信要求手段は、残容量減少による送信申請を発行し、
前記優先度設定手段は、前記残容量減少による送信申請が受信された場合、該送信申請を送信した画像送信装置の優先度を高くするように変更する映像伝送システム。
【請求項5】
請求項1記載の映像伝送システムであって、
前記ネットワークの運用可能な帯域総量を検出する帯域総量検出手段と、
前記検出された帯域総量を基に、前記所定の規制値を変更する規制値変更手段とを備える映像伝送システム。
【請求項6】
ネットワークに接続された画像受信装置に映像データを送信する画像送信装置であって、
映像データを取得する映像取得手段と、
前記取得した映像データを記憶する記憶手段と、
前記記憶された映像データの動きを検出する動き検出手段と、
前記動きが検出された場合、前記ネットワークに対し、送信要求として送信申請を発行する送信申請発行手段と、
前記ネットワークで通信されている通信総量が所定の規制値以下であって、前記送信が許可された場合、前記ネットワークに映像データを送信する映像送信手段とを備える画像送信装置。
【請求項7】
ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から映像データを受信する画像受信装置であって、
前記少なくとも1つの画像送信装置から送信が要求された場合、前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別手段と、
前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可手段と、
前記送信が許可された画像送信装置から送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積手段とを備える画像受信装置。
【請求項8】
ネットワークに接続された少なくとも1つの画像送信装置から送信される映像データを受信する映像伝送方法であって、
前記少なくとも1つの画像送信装置から映像データの送信を要求する送信要求ステップと、
前記ネットワークで通信されている映像データの通信総量を検出し、前記通信総量が所定の規制値以下であるか否かを判別する通信総量判別ステップと、
前記通信総量が所定の規制値以下である場合、送信を要求した画像送信装置に対して送信を許可する送信許可ステップと、
前記送信が許可された画像送信装置から前記ネットワークに映像データを送信する映像送信ステップと、
前記送信された映像データを前記ネットワークを通じて受信して蓄積する蓄積ステップとを有する映像伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−165989(P2006−165989A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354162(P2004−354162)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】