説明

映像信号処理装置

【課題】映像信号処理装置におけるメモリ空間の無駄を低減させる。
【解決手段】キャプション情報及びグラフィック情報は、表示される画像及びその表示に関する制御を特定するキャラクタコードを含む。キャラクタコードの少なくとも一部をメモリアクセス用のメモリコードに変換し、メモリコードに対応付けられたメモリ空間にキャラクタの画像データを格納及び保持したCGRAM16にアクセスし、メモリコードに対応付けられたメモリ空間からキャラクタコードに対応する画像データを読み出し、映像信号の映像に読み出された画像データを重ね合わせて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送等の映像に重ね合わせてキャラクタを表示する映像信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送等の映像信号に文字情報を重畳させておき、映像信号に基づいて表示される画像にその文字情報に基づく文字やグラフィック画面を重畳させて表示するキャプション表示やグラフィック表示が行われている。
【0003】
例えば、キャプション表示としては、北米地域等におけるクローズドキャプションのように、文字多重放送の字幕をテレビジョン放送の映像に重ね合わせて表示することが行われている。一方、グラフィック表示としては、テレビジョン放送の映像に重ね合わせてチャンネル表示、音量表示、各種設定のメニューなどのいわゆるオンスクリーンディスプレイ(OSD)データを表示することが一般的に行われている。
【0004】
クローズドキャプションにおけるキャプション情報は、テレビジョン放送の映像信号の所定の水平ラインに重畳されている。例えば、キャプション情報は、第21ライン(21H)に16ビットのNRZ信号として重畳されている。キャプション情報が重畳されている水平ラインは、水平同期信号Hsync,カラーバーストCb,クロックランイン信号CRI,スタートビットSTB,実キャプション情報CAPを順に含んでいる。
【0005】
実キャプション情報CAPには、キャプションモード(POPON,PAINTON,ROLLUP)、テキストモードを示すコード、表示位置のアドレス及び表示色等を表す制御コード部に続き、表示する文字を表すキャラクタコードが含まれる。また、これに加えて、表示の開始・終了を示すメモリ制御等のコントロールコードが必要に応じて含まれる場合もある。なお、クローズドキャプションでは各キャラクタコードに対応する文字画像は縦8×横8(または縦16×横16)程度の比較的小さい画像データとされている。
【0006】
一方、グラフィック表示の場合もグラフィックの画像データをキャラクタコードに対応付けて処理を行っている。なお、グラフィック表示における各キャラクタコードに対応する画像は縦32×横32等の比較的大きい画像データとされている。グラフィック表示のキャラクタコードに対応付けられる画像データも画像メモリに格納され、グラフィック表示処理の際に処理部から読み出されて使用される。
【0007】
キャラクタコードに対応付けられる画像データは画像メモリに格納される。このとき、図4に示すように、キャラクタコードの順に所定のメモリ容量毎に画像データが格納される。例えば、1つの画像データが縦8×横8の64ビットで表現されている場合、画像メモリの所定のメモリ空間の64ビット毎に各キャラクタコードに対応する画像データが格納される。また、縦64×横64の画像データが4096ビットで表現されている場合、画像メモリの所定のメモリ空間の4096ビット毎に各キャラクタコードに対応する画像データが格納される。映像処理装置は、キャラクタコードを抽出すると、そのキャラクタコードから対応する画像データが格納されているメモリ空間の開始アドレスを算出し、その開始アドレスから所定のビット数の画像データを読み出す。
【0008】
このとき、一般的に、グラフィック表示とキャプション情報におけるキャラクタコードを一致させている。例えば、図4のキャラクタコード表の例に示すように、クローズドキャプションにおいてキャラクタコード“00H”には「A」が対応付けられており、グラフィック表示においてもキャラクタコード“00H”には「A」が対応付けられることが多い。このように、キャプション情報及びグラフィック情報のキャラクタコードを一致させることによって、キャプション情報及びグラフィック情報のキャラクタコードに応じた画像データを画像メモリから読み出す処理等の映像信号処理装置の一部の処理を共通化することができ、映像信号処理装置の構成を簡素化することができるという利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、クローズドキャプションのようなキャプション表示におけるキャラクタコードには特殊な処理を行うための特殊なコードが割り当てられていることが多い。例えば、キャプション情報を表示させる領域中に透過スペース(背景となるテレビジョン放送の映像等をそのまま透過させて表示させる領域)を表示するためのコード(以下、TSコードと示す)が設けられている。図4の例では、TSコードはキャラクタコード“1AH”に対応付けられている。
【0010】
このような特殊コードには画面上に表示する画像データは対応付ける必要がないので、図5に示すように、特殊コードに対応する画像メモリのメモリ空間は空き状態としている。また、グラフィック表示とキャプション情報におけるキャラクタコードを一致させているので、キャプション表示の特殊コードに対応するグラフィック表示のコードについても対応する画像メモリのメモリ空間も空き状態としている。
【0011】
しかしながら、特殊コードには画像データは必要とされず、特殊コードについて画像メモリのメモリ空間を空き状態とすると、メモリ空間に無駄な空き空間が存在することとなる。特に、グラフィック表示はキャプション表示よりも複雑な画像を対象とするために各コードに対する画像データのデータ容量が大きく、空きコードに対応するメモリ空間の無駄が顕著となる。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑み、メモリ空間の無駄を低減させることができる映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、映像信号に重畳されているキャプション情報又はグラフィック情報を抽出し、前記映像信号の映像に前記キャプション情報又は前記グラフィック情報で特定される画像データを重ね合わせて表示させる処理を行う映像信号処理装置であって、前記映像信号に重畳されている前記キャプション情報又は前記グラフィック情報に含まれる画像及び画像に関する制御を特定するキャラクタコードを抽出し、その少なくとも一部の特殊コードのキャラクタコードを変更し、特殊コード以外のキャラクタコードをそのままメモリアクセスに対応し、前記メモリコード毎に対応付けられたメモリ空間に前記キャラクタの画像データを格納及び保持した画像メモリにアクセスし、前記キャラクタコードに対応付けられたメモリ空間から前記キャラクタコードに対応する画像データを読み出し、前記映像信号の映像に前記読み出された画像データを重ね合わせて表示させることを特徴とする。
【0014】
このような処理により、前記画像メモリは、前記キャラクタコードに含まれる制御コードに対応する空きのメモリ空間を設けないものとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、映像信号処理装置におけるメモリ空間の無駄を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態における映像信号処理装置は、図1に示すように、主処理部(CPU)10、ビデオメモリ(VRAM)12、VRAMコントローラ14、画像メモリ(CGRAM)16、CGRAMコントローラ18、色データメモリ(CLUTRAM)20、CLUTRAMコントローラ22及び映像データ生成部24を含んで構成される。
【0017】
CGRAM16は、キャプション情報やグラフィック情報のコードに対応付けられたメモリ空間に画像データを格納及び保持するメモリである。クローズドキャプションの場合、図2に示すように、各コードに対応付けられたメモリ空間に縦8×横8(または縦16×横16)の画像データのビット情報が格納及び保持される。グラフィック情報の場合、図3に示すように、各コードに対応付けられたメモリ空間に縦32×横32等の画像データのビット情報が格納及び保持される。
【0018】
例えば、本実施の形態ではキャプション情報の画像データ格納領域は“0000H”〜“1000H”とされている。キャプション情報に関する画像データは、コード毎に64ビット(縦8×横8の場合)で構成される。本実施の形態では、キャプション情報の画像データに割り当てられたメモリ領域では、キャプション情報における特殊な処理を行うための制御コードに対応するキャラクタコードについてはメモリ空間を割り当てない。すなわち、特殊コードのキャラクタコードをメモリ空間のないメモリ領域に割り当て、従来の特殊コードに対応するCGRAM16のメモリ空間に別の画像データを格納する。
【0019】
例えば、図2に示すように、キャラクタコード“00H”であるキャラクタ「A」の画像データはキャプション情報の画像データ格納領域の先頭アドレス“0000H(=0000H+00H×64ビット)”から64ビットのメモリ空間に格納され、キャラクタコード“01H” であるキャラクタ「B」の画像データは“0040H(=0000H+01H×64ビット)”から64ビットのメモリ空間に格納され、・・・のように64ビット毎に各キャラクタコードに対応する画像データが順に格納される。キャラクタコード“1AH”であるTSコードは、“1AH”に対応するアドレス“0680H(=0000H+1AH×64ビット)”から64ビット分のメモリ空間に格納されるが、データはダミーデータとなる。
【0020】
また、本実施の形態ではグラフィック情報の画像データ格納領域は“2000H”〜“A000H”とされている。グラフィック情報に関する画像データは、キャラクタコード毎に1024ビット(縦32×横32の場合)で構成される。そこで、図3に例示するように、キャラクタコード“00H”であるキャラクタ「A」の画像データはグラフィック情報の画像データ格納領域の先頭アドレス“2000H(=2000H+00H×1024ビット)”から1024ビットのメモリ空間に格納され、キャラクタコード“01H”であるキャラクタ「B」の画像データは“2400H(=2000H+01H×1024ビット)” から1024ビットのメモリ空間に格納され、・・・のように1024ビット毎に各キャラクタコードに対応する画像データが順に格納される。キャラクタコード“1AH”であるTSコードをキャラクタコード“FFH”に対応付け、“1AH”に対応するアドレス“8800H(=2000H+1AH×1024ビット)”から1024ビット分のメモリ空間にはTSコードではない別のキャラクタ「@」の画像データが格納される。
【0021】
また、本実施の形態では、グラフィック情報の画像データに割り当てられたメモリ領域には、キャプション情報における特殊な処理を行うための制御コードに対応するキャラクタコードついてはメモリ空間を割り当てない。キャラクタコードが制御コードである場合には、そのキャラクタコードに対応するメモリ空間を制御コードでないキャラクタの画像データに割り当てる。例えば、図3に例示するように、キャラクタコード“1AH”であるTSコードに対応するメモリ空間(1024ビット)には制御コードではないキャラクタ「@」の画像データが格納される。
【0022】
このように、本実施の形態のCGRAM16では、グラフィック情報の画像データを格納するメモリ空間において、キャプション情報と同様のハードウェア構成を取りつつ制御コードに対応するメモリ空間は空にすることなく、実質的な画像データを有するキャラクタに割り当てている。
【0023】
CLUTRAM20は、キャプション情報及びグラフィック情報の表示色に関するデータを格納及び保持するメモリである。本実施の形態では、表示色毎にカラーコードが割り当てられており、CLUTRAM20にはカラーコード毎に割り当てられたメモリ空間に表示色を示すデータが格納されている。
【0024】
映像信号処理装置は、これらCGRAM16及びCLUTRAM20を用いて、キャプション情報やグラフィック情報をディスプレイ上に表示させるための映像信号を生成する。
【0025】
主処理部10は、テレビジョン放送等の映像信号を処理する処理部等の映像信号処理装置の各部を統合的に制御する機能を有する。
【0026】
主処理部10は、外部からの画像データや色データの入力に応じて、CGRAM16やCLUTRAM20にアクセスしてこれらに格納及び保存されている画像データや色データを更新する処理を行う。
【0027】
主処理部10は、映像信号からキャプション情報やオンスクリーンディスプレイのためのグラフィック情報を抽出する映像信号抽出部(図示しない)からキャプション情報やグラフィック情報を受信すると、それらの情報を解析してVRAM12に格納する。
【0028】
キャプション情報には、キャプションモード(POPON,PAINTON,ROLLUP)、テキストモードを示すコード、表示位置のアドレス(表示開始ライン及び水平表示位置又は水平表示間隔)及び表示色等を表す制御コード部に続き、表示する文字を表すキャラクタコードが含まれる。キャラクタコードは、図4に示したように、キャプションのタイプ毎に規格されている場合が多い。
【0029】
主処理部10は、映像信号抽出部から抽出されたキャプション情報を受信すると、キャプション情報を解析してキャプションモード、テキストモードを示すコード、表示位置のアドレス、表示色及び表示する文字を表すキャラクタコードを求める。一部の特殊コードを除きキャラクタコードをそのままメモリコードに変換する。一部の特殊コードは対応するメモリコードをVRAMコントローラ14に内蔵するレジスタにより設定する。そして、主処理部10は、キャプションモード及びテキストモードに応じた形式で、表示位置のアドレスに対応したVRAM12のメモリ空間に、表示する文字を表すメモリコード及びその表示色を示すデータを書き込む。
【0030】
一方、グラフィック情報は、少なくとも表示位置のアドレス(表示開始ライン及び水平表示位置又は水平表示間隔)、表示色等を表す制御コード及び表示する文字を表すキャラクタコードを含んで構成される。グラフィック情報のキャラクタコードもキャプション情報と同様に規格化されている。グラフィック表示における各キャラクタコードに対応する画像は縦32×横32等の比較的大きい画像データとされている。
【0031】
主処理部10は、映像信号抽出部から抽出されたグラフィック情報を受信すると、グラフィック情報を解析して表示位置のアドレス、表示色及び表示する文字を表すキャラクタコードを求める。主処理部10は、グラフィック情報のタイプに応じた形式で、表示位置のアドレスに対応したVRAM12のメモリ空間に、表示する文字を表すメモリコード及びその表示色を示すデータを書き込む。
【0032】
VRAM12は、ディスプレイに表示される内容を保持するメモリである。VRAM12は、いわゆるテキストVRAMであり、ディスプレイの表示空間に対応するメモリ空間にその表示空間に表示させる文字やグラフィックに対応するメモリコード及びその表示色を示すデータを格納及び保持する。VRAM12は、主処理部10から表示する文字を表すメモリコード及びその表示色を受けると、表示位置のアドレスに対応したVRAM12のメモリ空間にそれらの情報を格納及び保持する。
【0033】
VRAMコントローラ14は、外部の同期信号検出部(図示しない)から映像信号の垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncを受信して、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncに同期させてVRAM12に格納されている画像情報を読み出して映像信号処理装置の各部へ出力する。
【0034】
具体的には、垂直同期信号Vsyncを受けた後、水平同期信号Hsyncを受けた回数をカウントし、現在対象となる水平ラインがVRAM12に格納されているキャプション情報の表示位置のアドレス(表示開始ライン)及びグラフィック情報の表示の表示位置のアドレス(表示開始ライン)となったら、その水平ラインにおいて表示対象となるメモリコード及び表示位置のアドレス(表示開始ライン及び水平表示位置又は水平表示間隔)を抽出する。
【0035】
VRAMコントローラ14は、キャラクタコードと表示位置のアドレス(表示開始ライン及び水平表示位置又は水平表示間隔)を映像データ生成部24へ転送する。さらに、キャラクタコードをCGRAMコントローラ18へ出力する。
【0036】
CGRAMコントローラ18は、VRAMコントローラ14から表示対象となるキャラクタコードを受けて、そのキャラクタコードが特殊コードであるか否かを判別し、対応するCGRAM16のメモリ空間にアクセスして画像データを読み出して映像データ生成部24へ出力する。
【0037】
例えば、キャプション情報の場合にはキャラクタ「A」のキャラクタコード“00H”に対応付けられるメモリコード“00H”の画像データは、CGRAM16のアドレス“0000H(=0000H+00H×64ビット)”から64ビットのメモリ空間に格納されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したメモリコードが“00H”であったとすると、CGRAM16のアドレス“0000H”から64ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。キャラクタ「B」のキャラクタコード“01H”に対応付けられるメモリコード“01H”の画像データは、CGRAM16のアドレス“0040H(=0000H+01H×64ビット)”から64ビットのメモリ空間に格納されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したメモリコードが“01H”であったとすると、CGRAM16のアドレス“0040H”から64ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。
【0038】
一方、特殊制御コード(TSコード)はキャラクタコード“1AH”である。そこで、CGRAMコントローラ18は、CGRAM16のアドレス“0680H(=0000H+1AH×64ビット)”から64ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。このデータは映像データ生成部24では使用されないダミーデータとなる。
【0039】
同様にグラフィック情報に対しても処理が行われる。例えば、グラフィック情報の場合にはキャラクタ「A」のキャラクタコード“00H”に対応付けられるメモリコード“00H”の画像データは、CGRAM16のアドレス“2000H(=0000H+00H×1024ビット)”から1024ビットのメモリ空間に格納されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したメモリコードが“00H”であったとすると、CGRAM16のアドレス“2000H”から1024ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。キャラクタ「B」のキャラクタコード“01H”に対応付けられるメモリコード“01H”の画像データは、CGRAM16のアドレス“2400H(=0000H+01H×1024ビット)”から1024ビットのメモリ空間に格納されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したメモリコードが“01H”であったとすると、CGRAM16のアドレス“2400H”から64ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。また、キャラクタ「a」のキャラクタコード“1DH”に対応付けられるメモリコード“1AH”の画像データは、CGRAM16のアドレス“8800H(=0000H+1AH×1024ビット)”から1024ビットのメモリ空間に格納されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したメモリコードが“1AH”であったとすると、CGRAM16のアドレス“8800H”から64ビットのデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。
【0040】
一方、特殊制御コード(TSコード)はキャラクタコード“1AH”から“FFH”に対応付けが変更されている。そこで、CGRAMコントローラ18は、受信したキャラクタコードが“FFH”であったとすると、CGRAM16の対応するアドレスからダミーデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。
【0041】
また、CGRAMコントローラ18は、VRAMコントローラ14から転送されてきた表示対象となるキャラクタの表示色を示すカラーコードをCLUTRAMコントローラ22へさらに転送する。
【0042】
CLUTRAMコントローラ22は、CGRAMコントローラ18から転送されてきたキャラクタの表示色を示すカラーコードを受けて、CLUTRAM20からそのカラーコードに対応する表示色のカラーデータを読み出して映像データ生成部24へ出力する。カラーデータは、例えば、カラーコードに対応する赤(R),緑(G),青(B)の各色の強度とすることができる。
【0043】
映像データ生成部24は、VRAMコントローラ14から出力されたキャラクタコード及び表示位置のアドレス(表示開始ライン及び水平表示位置又は水平表示間隔)、CGRAMコントローラ18から出力された表示対象となるキャラクタの画像データ、及び、CLUTRAMコントローラ22から出力された表示対象となるキャラクタのカラーデータを受信し、それらの情報に基づいてディスプレイに実際に表示するための映像信号を生成する。
【0044】
CGRAMコントローラ18は、受信したキャラクタコードが一般のキャラクタを示すものであるか、制御コードを示すものであるかを判定する。映像データ生成部24はその結果、受信したキャラクタコードが一般のキャラクタコードであれば、CGRAMコントローラ18から受信したキャラクタの画像データ及びCLUTRAMコントローラ22から受信したキャラクタのカラーデータに基づいて、表示位置のアドレスに対応するディスプレイの画面内の位置にそのキャラクタがそのカラーコードの表示色で表示されるように映像信号を生成する。この映像信号生成処理は、既存の処理と同様に行うことができる。
【0045】
一方、受信したキャラクタコードが制御コードを示すものであれば、映像データ生成部24はその制御コードに応じた処理を実行する。例えば、キャラクタコード“1AH”から“FFH”に対応付けられたTSコードを受信した場合、表示位置のアドレスに対応するディスプレイの画面内の位置にテレビジョン放送等の映像信号をそのまま組み込んで映像信号を生成する。これにより、キャプション情報やグラフィック情報を表示させる領域中に透過スペース(背景となるテレビジョン放送の映像等をそのまま透過させて表示させる領域)を表示させることができる。制御コードに対応する処理を行う際には、CGRAMコントローラ18から受信したキャラクタの画像データ及びCLUTRAMコントローラ22から受信したキャラクタのカラーデータはダミーデータであるので用いなくてもよい。
【0046】
以上のように、キャラクタコードを制御コードを含まない他のコード(メモリコード)に置き換え、そのコードに対応するメモリ空間に画像データを登録することによって、画像データを保存するメモリを有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態における映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるキャプション情報の画像データを格納するメモリ空間を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるグラフィック情報の画像データを格納するメモリ空間を示す図である。
【図4】キャプション情報のキャラクタコードを示す図である。
【図5】従来のキャプション情報の画像データを格納するメモリ空間を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 主処理部、12 ビデオメモリ(VRAM)、14 VRAMコントローラ、16 画像メモリ(CGRAM)、18 CGRAMコントローラ、20 色データメモリ(CLUTRAM)、22 CLUTRAMコントローラ、24 映像データ生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号に重畳されているキャプション情報又はグラフィック情報を抽出し、前記映像信号の映像に前記キャプション情報又は前記グラフィック情報で特定される画像データを重ね合わせて表示させる処理を行う映像信号処理装置であって、
前記映像信号に重畳されている前記キャプション情報又は前記グラフィック情報に含まれる画像及び画像に関する制御を特定するキャラクタコードを抽出し、その少なくとも一部をメモリアクセス用のメモリコードに変換し、
前記メモリコード毎に対応付けられたメモリ空間に前記キャラクタの画像データを格納及び保持した画像メモリにアクセスし、前記キャラクタコードから変換されたメモリコードに対応付けられたメモリ空間から前記キャラクタコードに対応する画像データを読み出し、
前記映像信号の映像に前記読み出された画像データを重ね合わせて表示させることを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像信号処理装置であって、
前記画像メモリは、前記キャラクタコードに含まれる制御コードに対応する空きのメモリ空間を設けないことを特徴とする映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−146349(P2009−146349A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325900(P2007−325900)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】