説明

映像再生装置及び起動方法

【課題】可搬性記録媒体に記録されたコンテンツに応じた起動シーケンスを選択できるようにする。
【解決手段】映像再生装置(100)は、可搬性記録媒体である光ディスク(160)に記録されたコンテンツの再生に仮想マシンの起動が必要か否かを判定し、仮想マシンの起動が必要と判定した場合と、仮想マシンの起動が不要と判定した場合とで、異なる起動シーケンスを選択する起動シーケンス判定部(134)と、起動シーケンス判定部(134)が選択した起動シーケンスに従って起動処理を制御する起動制御部(132)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可搬性記録媒体に記録されているコンテンツを再生する映像再生装置及びその起動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)に記録されたコンテンツを再生する装置は、予めDVD規格書で定義されたナビゲーションコマンドを利用することによりインタラクティブ機能を実現している。ナビゲーションコマンドとは、条件分岐、装置の状態レジスタの設定、及び状態レジスタの設定値の取得を行うものである。なお、ナビゲーションコマンドは、予めDVD規格書で定義されているものしか利用できないので、インタラクティブ機能で実現される対話性の自由度は低いが、CPU(Central Processing Unit)の処理負荷は非常に小さいものとなっている。このようなインタラクティブ機能を標準インタラクティブ機能という。
【0003】
一方、BD(Blu−ray Disc)に記録されたコンテンツを再生する装置は、ナビゲーションコマンドを用いた標準インタラクティブ機能に加えて、Java(登録商標)プログラミング言語で作成されたアプリケーションプログラムを実行することによって、自由度の高いインタラクティブ機能を実現することができる。Javaプログラミング言語で作成されたアプリケーションプログラムは、規格で定められた動作に制限されず、ゲームやネットワーク接続等の機能の実装をも行うことができる。このようなインタラクティブ機能を、拡張インタラクティブ機能という。BD規格に準拠した光ディスクには、標準インタラクティブ機能を用いる情報と、拡張インタラクティブ機能を用いる情報とが混在して記録されていてもよく、再生装置はコンテンツ毎にどちらのインタラクティブ機能を用いるかを選択することができる。
【0004】
Javaプログラミング言語で作成されたアプリケーションプログラムを実行する際には、Javaの実行環境であるJava仮想マシンを起動させる必要、即ち、Java仮想マシンとしての処理を行わせるプログラムをCPUが実行する必要がある。そして、特にCPUの処理速度が遅い組込みシステムを用いた装置においては、Java仮想マシンの起動に多くの時間を要するため、装置全体の起動が完了するまでに多くの時間を要する。
【0005】
これに対して、特許文献1には、仮想マシンが本来行うべき機能の一部を組込みプログラムで実現して、仮想マシンの起動処理中にこの組込みプログラム上でアプリケーションプログラムを実行することにより見かけ上の起動時間を短縮し、さらに仮想マシンの起動が完了した時点で、仮想マシンが組込みプログラムのそれまでの動作状況を引き継ぐ技術が記載されている。言い換えれば、特許文献1に記載された技術は、CPU処理負荷の大きい仮想マシンの代わりに、この仮想マシンよりも速く起動する組込みプログラムで構成された別の簡易仮想マシンを用意することで、アプリケーションプログラムの実行開始時間を短縮するようにしている。
【0006】
また、特許文献2には、複数のドライブ部を備える録画装置を起動する際に、複数のドライブ部の中で、光ディスク等の可搬性記録媒体が挿入されているドライブ部のみを起動させることで、省エネ、かつ高速に映像を出力することのできる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−151750号公報(第3−4頁)
【特許文献2】特開2006−164334号公報(第4−9頁、図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されている技術では、簡易仮想マシンでプログラムを実行する際に、簡易仮想マシンでサポートされていない命令が存在した場合には、システム全体が不安定な状態となる可能性が高い。また、このような可能性を低くするため、サポートする命令を多くすると、簡易仮想マシンといっても起動が完了するまでに多くの時間を要し、このため、装置全体の起動が完了するまでに多くの時間を要することになる。
【0009】
また、特許文献2に記載されている技術では、仮想マシンを必要としないコンテンツを再生する場合でも、このような仮想マシンを起動するため、このような仮想マシンの起動が完了するまでに多くの時間を要し、このため、装置全体の起動が完了するまでに多くの時間を要することになる。
【0010】
そこで、本発明は、可搬性記録媒体に記録されたコンテンツに応じた起動シーケンスを選択できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、本発明に係る映像再生装置は、
前回の再生に用いた可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンの起動が必要か否かを判定することのできる次回起動判定情報を取得する情報取得部と、
前記次回起動判定情報を記憶する記憶部と、
前記次回起動判定情報に基づいて、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に前記仮想マシンの起動が必要か否かを判定し、前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合と、前記仮想マシンの起動が不要と判定した場合とで、異なる起動シーケンスを選択する起動シーケンス判定部と、
前記起動シーケンス判定部が選択した起動シーケンスに従って起動処理を制御する起動制御部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、可搬性記録媒体に記録されたコンテンツに応じた起動シーケンスを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係る映像再生装置の機能構成を示す概略的なブロック図である。
【図2】実施の形態1における光ディスクに記録されている情報のファイル構造を示す概略図である。
【図3】実施の形態1における再生制御情報ファイルのシンタックスを示す概略図である。
【図4】実施の形態1における次回起動判定情報のシンタックスを示す概略図である。
【図5】(A)及び(B)は、実施の形態1における映像再生装置の起動シーケンスを示す概略図である。
【図6】実施の形態1の起動時の処理を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態1の起動判定処理を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1の再生停止処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態2に係る映像再生装置の機能構成を示す概略的なブロック図である。
【図10】実施の形態2における次回起動判定情報のシンタックスを示す概略図である。
【図11】実施の形態2の起動時の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明における実施の形態1に係る映像再生装置100の機能構成を示す概略的なブロック図である。図示するように、映像再生装置100は、デコーダブロック部110と、永続記憶部120と、一時記憶部125と、制御部130と、操作部140とを備える。
【0015】
デコーダブロック部110は、ドライブ部111と、ストリーム制御部112と、デコーダ部113と、重畳部114とを備える。制御部130は、システム制御部131と、仮想マシン実行部138とを備え、システム制御部131は、起動制御部132と、情報取得部133と、起動シーケンス判定部134とを備える。
【0016】
ドライブ部111は、システム制御部131からの指示に応じて、可搬性記録媒体である光ディスク160に記録されている情報を取得する(読み取る)。ここで、本実施の形態における光ディスク160は、BD規格に準拠したディスクであるものとする。
【0017】
図2は、光ディスク160に記録されている情報のファイル構造を示す概略図である。
ルートディレクトリ161は、論理的な階層構造における最上位階層のディレクトリである。マルチメディアディレクトリ162は、ルートディレクトリ161の下位階層に配置されるディレクトリであり、マルチメディアディレクトリ162には、再生制御情報領域168Aが形成されている。ストリーム管理ディレクトリ163は、マルチメディアディレクトリ162の下位階層に配置されるディレクトリであり、ストリーム管理ディレクトリ163には、AVストリーム情報領域168Bが形成されている。プログラム格納ディレクトリ164は、マルチメディアディレクトリ162の下位階層に配置されるディレクトリであり、プログラム格納ディレクトリ164には、アプリケーション領域168Cが形成されている。
【0018】
マルチメディアディレクトリ162には、再生制御情報RCを構成する再生制御情報ファイル165が記録される。ここで、再生制御情報RCは、光ディスク160に記録されているコンテンツの管理情報である。
ストリーム管理ディレクトリ163には、AVストリーム情報SDを構成するストリーム情報ファイル166が記録される。ここで、AVストリーム情報SDは、コンテンツの映像信号又は音声信号の少なくとも何れか一方を符号化し、再生時間情報と共に多重化したストリーム情報である。例えば、映像信号はMPEG−2方式等で符号化され、音声信号はAC−3方式等で符号化される。
プログラム格納ディレクトリ164には、拡張インタラクティブ機能を実現するためのアプリケーションプログラムAPを構成するアプリケーションファイル167が記録される。ここで、本実施の形態においては、拡張インタラクティブ機能を実現するためのアプリケーションプログラムAPは、Javaプログラミング言語で作成されたアプリケーションプログラムとして説明するが、アプリケーションプログラムAPは、プログラムの実行環境を提供する仮想マシンを必要とするプログラムであればよく、他の言語で作成されていてもよい。
【0019】
ストリーム情報ファイル166は、番組タイトル(コンテンツ)単位で1つのファイルが形成されている。そして、本実施の形態においては、各々のストリーム情報ファイル166のファイル名には、拡張子を除いたファイル名本体として、各々のファイルを識別するために一意となる(ユニークな)名前が割り振られる。ここで、本実施の形態においては、ファイル名本体の名前として、5桁の数字が割り振られる。
【0020】
アプリケーションファイル167は、番組タイトル(コンテンツ)単位で1つのファイルが形成されている。そして、特定のストリーム情報ファイル166に格納されたコンテンツに利用されるアプリケーションファイル167のファイル名本体には、この特定のストリーム情報ファイル166のファイル名本体に割り振られた名前と同じ名前が割り振られる。
そして、アプリケーションファイル167は、ストリーム情報ファイル166に格納されたコンテンツが拡張インタラクティブ機能を利用する場合にのみ存在し、ストリーム情報ファイル166に格納されたコンテンツが通常インタラクティブ機能を用いる場合には、このようなストリーム情報ファイル166に割り振られるファイル名本体の名前と一致するアプリケーションファイル167は、プログラム格納ディレクトリ164に存在しない。
【0021】
なお、本実施の形態では、ストリーム情報ファイル166やアプリケーションファイル167は、個別のディレクトリ内に配置されているが、同一のディレクトリ内に配置されていてもよい。また再生制御情報ファイル165は、一つのファイルとしているが、番組タイトル(コンテンツ)毎に分割して記録されていてもよい。また、アプリケーションファイル167は、そのデータ形式は問わず、テキスト形式であってもバイナリ形式であってもよい。さらに、これらのファイル165,166,167には、第三者による改ざんや情報の流出を防止するために、暗号化処理やデジタル署名が施されていてもよい。
【0022】
図3は、再生制御情報ファイル165のシンタックスを示す概略図である。
“ディスク一般情報”165Aは、光ディスク160の属性を示す属性情報を保持する。本実施の形態においては、“ディスク一般情報”165Aには、光ディスク160を一意(ユニーク)に識別する識別情報である“Disc_ID”165Bが少なくとも保持される。
【0023】
また、再生制御情報ファイル165には、光ディスク160に記録されているコンテンツの番組タイトルを管理する管理情報である“番組タイトル情報”165Cが保持される。この“番組タイトル情報”165Cには、番組タイトルの総数を示す“num_of_title”165Dが保持され、次のループ文(for以下)は、“num_of_title”165Dの数だけ繰り返される。
番組タイトルは、一意に識別することのできる“title_id”165Eのコードで管理される。“title_id”165Eには、「0」から「(“num_of_title”165Dで示される総数)−1」までの整数が、順次割り振られる。なお、“title_id”165Eが「0」となっている番組タイトルは、ファーストプレイタイトルといい、光ディスク160の挿入時等に自動的に再生される特別なコンテンツであることを示す。
【0024】
“ストリーム情報ファイル名”165Fは、“title_id”165Eで特定される番組タイトルのコンテンツを格納したストリーム情報ファイル166のファイル名本体の名前を示す5桁の数字情報である。また“開始時間情報”165G及び“終了時間情報”165Hには、“ストリーム情報ファイル名”165Fで識別されるストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツ(録画番組)の開始時刻と終了時刻とが保持される。なお、“ストリーム情報ファイル名”165F、“開始時間情報”165G、及び“終了時間情報”165Hは、ストリーム情報ファイル166を特定し、特定されたストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツの再生区間を示す情報であるため、再生区間情報166Nという。
【0025】
“extent_interactive_flag”165Iは、“title_id”165Eで識別される番組タイトルのストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツを再生中に拡張インタラクティブ機能を利用するか否か(仮想マシンを利用するか否か)を示すフラグ情報である。“extent_interactive_flag”165Iにより、拡張インタラクティブ機能を利用することが示される場合には、“ストリーム情報ファイル名”165Fのファイル名本体の名前と同じ名前がファイル名本体として割り振られているアプリケーションファイル167が存在することになる。
再生するコンテンツの番組タイトルがユーザによって指示された際には、“extent_interactive_flag”165Iを確認することにより、再生指示を受けた番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを必要とするか否かを判断し、必要とする場合には、このような番組タイトルのコンテンツの再生前に仮想マシンの起動処理を行う。なお、既に仮想マシンが起動済である場合には、起動処理を行わず、すぐに再生指示を受けた番組タイトルのコンテンツの再生を行う。
【0026】
“resume_valid_flag”165Jは、“title_id”165Eで特定される番組タイトルのコンテンツにおいて、レジューム再生が有効であるか否かを示すフラグ情報である。レジューム再生とは、ストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツの再生を途中で停止し、このストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツを次に再生する場合に、前回再生を停止した位置から再生する機能である。“resume_valid_flag”165Jによりレジューム再生が有効であることが示される場合には、“title_id”165Eで特定される番組タイトルのコンテンツにおいてレジューム再生ができることが示される。一方、“resume_valid_flag”165Jによりレジューム再生が無効であることが示される場合には、“title_id”165Eで特定される番組タイトルのレジューム再生が禁止されていることが示され、次回再生時にはファーストプレイタイトルのコンテンツから再生される。
【0027】
“標準インタラクティブコマンド”165Kは、“extent_interactive_flag”165Iが無効である場合(標準インタラクティブ機能を用いる番組タイトルのストリーム情報ファイル166の場合)に、有効となる情報領域であり、再生途中のボタン押下時の挙動や、ストリーム情報ファイル166に格納されているコンテンツの終端まで再生した際に、次に遷移する先のストリーム情報ファイル166を示す情報等が記録される。この標準インタラクティブ機能を用いる際には、仮想マシンの起動は必要としない。
【0028】
“属性情報管理テーブル”165Lには、ストリーム情報ファイル166において多重化されている映像ストリーム情報や音声ストリーム情報等の属性情報が記録されている。また、ストリーム情報ファイル166に含まれている映像ストリーム情報や音声ストリーム情報毎にパケットID等を格納しており、当該パケットIDを用いてデコーダ部111は、ストリーム情報ファイル166より映像ストリーム情報、音声ストリーム情報又はストリーム管理情報を分離することができる。
【0029】
“アクセスポイント管理テーブル”165Mは、番組タイトル(コンテンツ)におけるアクセス単位毎の読み出し位置と再生開始時間を記録したリスト情報であり、映像再生装置100は、このようなリスト情報を用いてサーチや特殊再生等のランダムアクセス再生を行うことができる。例えば、映像情報がMPEG−2ビデオストリームでエンコードされたものである場合、GOP(Group Of Picture)の先頭がアクセス単位に相当するものであり、当該GOP毎に再生開始時間と再生開始アドレス(ストリーム情報ファイル166の先頭を起算とした位置)の情報が記述されている。
【0030】
以上のように、再生制御情報ファイル165には、どの番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを必要とするかという情報がまとめて記録されている。このように構成すれば、システム制御部131の起動シーケンス判定部134は、プログラム格納ディレクトリ164に格納されているアプリケーションファイル167(図2参照)を確認することなく、仮想マシンが必要となる番組タイトルのコンテンツを素早く判断することが可能となる。なお、本実施の形態では、仮想マシンを必要とするか否かといった情報をまとめて一つの再生制御情報ファイル165に記録する例を示しているが、このような情報を別々のファイルに分割して記録してもよい。
【0031】
図1に戻り、ストリーム制御部112は、ドライブ部111が取得した情報の転送制御を行う。例えば、本実施の形態においては、ストリーム制御部112は、ドライブ部111が光ディスク160から取得した再生制御情報RC及びアプリケーションプログラムAPを制御部130に送り、ドライブ部111が光ディスク160から取得したAVストリーム情報SDをデコーダ部113に送る。
【0032】
デコーダ部113は、ストリーム制御部112から送られてきたAVストリーム情報SDを逐次取り込み、取り込んだAVストリーム情報SDを、符号化された映像ストリーム情報及び符号化された音声ストリーム情報に分離する。そして、デコーダ部113は、符号化された映像ストリーム情報及び符号化された音声ストリーム情報を復号して、それぞれ映像情報VD及び音声情報ADとする。そして、デコーダ部113は、復号された映像情報VDを重畳部114に送り、復号された音声情報ADを表示装置170に送る。
【0033】
重畳部114は、後述する仮想マシン実行部138からの指示に応じて、デコーダ部113より送られてきた映像情報VDによる映像に、仮想マシン実行部138から送られてきた映像情報VD1による映像が重畳されて表示されるように、これらの映像情報VD,VD1による映像をミキシングした映像を示す映像情報VD2を生成する。そして、このような映像情報VD2は、表示装置170に送られる。
なお、重畳部114は、デコーダ部113より送られてきた映像情報VDによる映像に重畳する映像がない場合には、デコーダ部113から送られてきた映像情報VDを表示装置170に送る。
【0034】
永続記憶部120は、仮想マシンプログラム記憶部121と、次回起動判定情報記憶部122と、を備える。
【0035】
仮想マシンプログラム記憶部121には、仮想マシンとしての処理を行わせるプログラムが記憶される。
次回起動判定情報記憶部122には、光ディスク160に記憶されているコンテンツの再生に仮想マシンの起動が必要か否かを判定することのできる次回起動判定情報122Aが記憶される。
一時記憶部125には、映像再生装置100で一時的に利用される再生制御情報RC、アプリケーションAP、仮想マシンプログラム、映像再生装置100で利用するプログラム等が記憶される。
【0036】
図4は、次回起動判定情報122Aのシンタックスを示す概略図である。次回起動判定情報122Aは、例えば、“disc_valid_info”122B、“title_valid_info”122C、“ディスク構成情報”122D、及び“最終タイトル構成情報”122Hから構成される。
【0037】
“disc_valid_info”122Bは、“ディスク構成情報”122Dに有効な情報が記録されているか否かを示すフラグ情報である。
“title_valid_info”122Cは、“最終タイトル構成情報”122Hに有効な情報が記録されているか否かを示すフラグ情報である。
【0038】
“ディスク構成情報”122Dは、ドライブ部111に挿入された光ディスク160に関するディスク属性情報が記録されている。例えば、本実施の形態においては、“ディスク構成情報”122Dは、“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122E、“タイトル種別構成レート”122F、及び“識別ディスクID”122Gで構成される。
【0039】
“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122Eは、光ディスク160内に拡張インタラクティブ機能を利用する(仮想マシンを必要とする)番組タイトルのコンテンツが少なくとも1つ含まれているか否かを示すフラグ情報である。光ディスク160内に拡張インタラクティブ機能を利用するコンテンツの番組タイトルが1つでも含まれていれば、次回の再生に仮想マシンを利用する可能性があり、このような番組タイトルが全く含まれていなければ、次回の再生に仮想マシンを利用する可能性がないと判定することができる。
【0040】
“タイトル種別構成レート”122Fは、光ディスク160中に含まれる番組タイトルの内、拡張インタラクティブ機能を利用する(仮想マシンを利用する)ストリーム情報ファイル166を有する番組タイトルの割合を示す拡張タイトル含有率の値である。ここで、“タイトル種別構成レート”122Fで示される拡張タイトル含有率は、「0」〜「1.0」までの範囲の値をとり、「1.0」に近いほど拡張インタラクティブ機能を有するタイトルの割合が高いことを示す。例えば光ディスク160に格納されているコンテンツ全体の総再生時間が100分で、拡張インタラクティブ機能を利用する番組タイトルのコンテンツの総再生時間が70分である場合、「70÷100=0.7」という算式により、拡張タイトル含有率の値が求められる。
なお、本実施の形態では、“タイトル種別構成レート”122Fは、番組タイトルのコンテンツの再生時間を基準として算出しているが、拡張インタラクティブ機能を利用するコンテンツの番組タイトルの数が、光ディスク160に記録されているコンテンツの番組タイトルの数に占める割合で算出してもよい。
【0041】
“識別ディスクID”122Gは、ドライブ部111に挿入されている光ディスク160を識別するための識別情報である。“識別ディスクID”122Gには、再生制御情報ファイル165の“Disc_ID”165Bで示される識別情報が記録される。
【0042】
“最終タイトル構成情報”122Hには、映像再生装置100の起動後に再生を開始する番組タイトルのコンテンツに関する情報が記録されている。例えば、本実施の形態においては、“最終タイトル構成情報”122Hは、“タイトル番号情報”122I、“停止状態情報”122J、“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122K、及び“レジューム_タイトルフラグ”122Lから構成される。
【0043】
“タイトル番号情報”122Iには、映像再生装置100の起動後に再生を開始する番組タイトルを識別するための識別情報であり、光ディスク160中に記憶されている再生制御情報ファイル165の“title_id”165Eで示される識別情報が記憶される。この“title_id”165Eで示される識別情報によって、光ディスク160に記録されている複数の番組タイトルのコンテンツから起動後に再生を開始するコンテンツの番組タイトルを識別することができる。
なお、起動後に再生を開始するコンテンツは、光ディスク160に記録されているコンテンツを前回再生した際に、最後に再生した番組タイトルがレジューム再生可能な場合には、この最後に再生した番組タイトルのコンテンツとなり、最後に再生した番組タイトルがレジューム再生可能ではない場合には、ファーストプレイタイトルのコンテンツとなる。
【0044】
“停止状態情報”122Jには、“タイトル番号情報”122Iで示される番組タイトルのコンテンツの停止時の再生時間情報や映像再生装置100のレジスタ設定値が記録される。
“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kは、“タイトル番号情報”122Iで示される番組タイトルのコンテンツが、拡張インタラクティブ機能を利用するか否か(仮想マシンを利用するか否か)を示すフラグ情報である。
“レジューム_タイトルフラグ”122Lは、“タイトル番号情報”122Iで示される番組タイトルのコンテンツにおいて、レジューム再生が有効か否かを示すフラグ情報である。
【0045】
図1に戻り、制御部130のシステム制御部131は、映像再生装置100での処理の全体を制御する。例えば、システム制御部131は、ストリーム制御部112から送られてきたアプリケーションプログラムAPを仮想マシン実行部138に送り、仮想マシン実行部138にアプリケーションプログラムAPを実行させる。
そして、システム制御部131は、起動制御部132と、情報取得部133と、起動シーケンス判定部134と、を備える。
【0046】
起動制御部132は、起動シーケンス判定部134が選択した起動シーケンスに従って、映像再生装置100を起動する処理を制御する。
また、起動制御部132は、仮想マシンプログラム記憶部121に記憶されている仮想マシンとしての処理を実行させるプログラムを読み出して、読み出した仮想マシンプログラムを制御部130において実行できるようにすることで、仮想マシンを起動する。そして、起動制御部132は、起動した仮想マシンを仮想マシン実行部138として機能させる。
【0047】
情報取得部133は、ストリーム制御部112から送られてきた再生制御情報RCから必要な情報を取得して、次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを更新する処理を行う。
【0048】
起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを参照することにより、映像再生装置100の起動時に仮想マシンを起動させるか否かを判断し、映像再生装置100起動シーケンスを選択する処理を行う。
ここで、本実施の形態においては、起動シーケンス判定部134は、起動シーケンスとして、仮想マシンの起動を映像再生装置100の他の部分の起動と並行して行わない通常起動シーケンス、仮想マシンの起動を映像再生装置100の他の部分の起動と並行して行う第1高速起動シーケンス、又は仮想マシンの起動自体を行わない第2高速起動シーケンスの中から、何れか一つの起動シーケンスを選択する。
【0049】
仮想マシン実行部138は、アプリケーションプログラムAPを実行する仮想的なコンピュータ環境を提供する。例えば、本実施の形態においては、仮想マシン実行部138は、JavaVM(Java Virtual Machine:Java仮想マシン)であるが、JavaVMに限定されるものではない。
【0050】
操作部140は、映像再生装置100のユーザから、映像再生装置100に対して要求の入力を受け付ける。例えば、操作部140は、映像再生装置100のフロントパネルに配置されている操作パネルやリモコン等である。そして、映像再生装置100のユーザは、操作部140を用いて、映像再生装置100の電源のON又はOFFの命令を行う。なお、映像再生装置100が、車載映像再生装置である場合には、エンジンキー操作に連動して、即ち、エンジンキーの操作を受け付ける部分が操作部140となり、この操作部140が受け付けたエンジンキーの操作に応じて、映像再生装置100の主電源のON/OFF命令が行われてもよい。
【0051】
以上に記載した永続記憶部120、一時記憶部125及び制御部130は、CPUと、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、スマートメディア、メモリカード等の不揮発性の記憶装置と、により実現することができる。
例えば、永続記憶部120は、CPUが不揮発性の記憶装置を利用することにより実現することができる。一時記憶部125は、CPUがRAMを利用することにより実現することができる。
また、制御部130は、不揮発性の記憶装置に記憶されている所定のプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することで実現できる。
【0052】
図5(A)及び(B)は、映像再生装置100の起動シーケンスを示す概略図である。ここで、図5(A)は、通常起動シーケンスと、第1高速起動シーケンスとを示し、図5(B)は、通常起動シーケンスと、第2高速起動シーケンスを示す。なお、図5の起動シーケンスでは、光ディスク160がドライブ部111に挿入されていることを前提とする。
【0053】
図5(A)に示す通常起動シーケンスでは、まず、映像再生装置100の電源がONにされる(電源が供給される)と、映像再生装置100内のシステム制御部131やデバイスの初期化を実行する初期化処理が行われる(この初期化処理の所要時間を、TM−Aとする)。
その後、ドライブ部111に挿入されている光ディスク160のローディング動作として、光ディスク160のスピンアップ及び物理情報の読込みが行われる(このローディング動作の所要時間を、TM−Bとする)。
そして、所定の位置に記録されているファイルシステムの読込み、再生制御情報の読込みを実施し、映像再生装置内のデータベース情報を構築するデータベース構築処理を行う(このデータベース構築処理の所要時間を、TM−Cとする)。
次に、アプリケーションプログラムAPの実行環境である仮想マシンの起動処理である仮想マシン起動処理が行われる(この仮想マシン起動処理の所要時間を、TM−Dとする)。
そして、アプリケーションファイル167の実行、及び再生する番組タイトルのコンテンツに対応するAVストリーム情報SDのデコードを行うことで、音声情報AD、映像情報VD,VD2を出力するAV情報出力処理が行われる(このAV情報出力処理の所要時間を、TM−Eとする)。
【0054】
図5(A)に示す第1高速起動シーケンスでは、まず、映像再生装置100の電源がONにされると、通常起動シーケンスと同様に、初期化処理が行われる(この初期化処理の所要時間を、TM−Aとする)。その後、ローディング動作が行われる(このローディング動作の所要時間を、TM−Bとする)。
このとき、システム制御部131の起動シーケンス判定部134は、永続記憶部120の次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを読み出し、仮想マシンの起動が必要であるか否かを判断する。
起動シーケンス判定部134が、仮想マシンの起動が必要であると判定すると、起動制御部132は、光ディスク160のローディング動作(TM−Bで示される時間に実行)及びデータベース構築処理(TM−CLで示される時間に実行)と並行して、仮想マシンの起動処理である仮想マシン起動処理が行われるよう制御する(この仮想マシン起動処理の所要時間を、TM−DLとする)。
ここで、光ディスク160のローディング動作はCPU負荷が小さいため、仮想マシン起動処理を並行して行っても、所要時間はほぼ同じ時間となる。このため、第1高速起動シーケンスにおけるローディング動作の所要時間(TM−B)は、通常起動シーケンスにおけるローディング動作の所要時間(TM−B)と同様になる。
一方、データベース構築処理は、CPU負荷が大きく、同様にCPU負荷の大きい仮想マシン起動処理を並行して行うと、仮想マシン起動処理を並行して行わない場合と比べて所要時間が長くなる。このため、第1高速起動シーケンスにおけるデータベース構築処理の所要時間(TM−CL)は、通常起動シーケンスにおけるデータベース構築処理の所要時間(TM−C)よりも長くなる。同様に、第1高速起動シーケンスにおける仮想マシン起動処理の所要時間(TM−DL)は、通常起動シーケンスにおける仮想マシン起動処理の所要時間(TM−D)よりも長くなる。
そして、データベース構築処理及び仮想マシン起動処理が完了してから、AV情報出力処理が行われる(このAV情報出力処理の所要時間を、TM−Eとする)。
【0055】
このように、第1高速起動シーケンスでは、起動シーケンス判定部134が、仮想マシンの起動が必要であるか否かを、光ディスク160のローディング動作前、又はローディング動作時に判断し、仮想マシンの起動が必要であると判断した場合には、CPU負荷の低い処理(ローディング動作)と高い処理(仮想マシン起動処理)を並行して行うことによって、全体として映像再生装置100を高速に起動させることができる。
なお、図5(A)に示す第1高速起動シーケンスでは、データベース構築処理と仮想マシン起動処理とが並行して行われているが、必ずしもこれらの処理が並行して行われる必要はなく、仮想マシン起動処理が、データベース構築処理の開始前に完了してもよい。このような場合には、第1高速起動シーケンスにおけるデータベース構築処理の所要時間は、通常起動シーケンスにおけるデータベース構築処理の所要時間と同様に、TM−Cとなる。
【0056】
図5(B)に示す通常起動シーケンスは、図5(A)に示す通常起動シーケンスと同様である。
図5(B)に示す第2高速起動シーケンスでは、まず、映像再生装置100の電源がONにされると、通常起動シーケンスと同様に、初期化処理が行われる(この初期化処理の所要時間を、TM−Aとする)。その後、ローディング動作が行われる(このローディング動作の所要時間を、TM−Bとする)。
このとき、システム制御部131の起動シーケンス判定部134は、永続記憶部120の次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを読み出し、仮想マシンの起動が必要であるか否かを判断する。
起動シーケンス判定部134が、仮想マシンの起動が必要ではないと判定すると、起動制御部132は、光ディスク160のローディング動作(TM−Bで示される時間に実行)の完了後に、データベース構築処理を行うよう制御する(このデータベース構築処理の所要時間を、TM−Cとする)。
そして、AV情報出力処理が行われる(このAV情報出力処理の所要時間を、TM−Eとする)。
【0057】
第2高速起動シーケンスでは、起動シーケンス判定部134が仮想マシンの起動が必要ではないと判断した場合に、多くの時間を要する仮想マシン起動処理を行うことなく、短い時間で映像再生装置100を起動して、音声情報AD及び映像情報VDを出力することができる。
なお、起動シーケンス判定部134が仮想マシンの起動が必要ではないと判断した場合でも、第1高速起動シーケンスで映像再生装置100の起動を行ってもよい。しかしながら、仮想マシンは映像再生装置100のRAMのメモリ領域を非常に多く消費するとともに、常時CPUに対して負荷を与えるため、他動作の処理が遅くなる。従って、仮想マシンの起動が必要ではない場合については、第2高速起動シーケンスのように、仮想マシンを起動させない方が望ましい。
【0058】
図6は、実施の形態1の起動時の処理を示すフローチャートである。映像再生装置100に電源の供給が行われると、まず映像再生装置100内のシステム制御部131が起動する。なお、図6の起動フローチャートでは、光ディスク160がドライブ部111に挿入されていることを前提とする。
起動したシステム制御部131では、起動シーケンス判定部134が、次回起動判定情報記憶部122に有効な次回起動判定情報122Aが存在するか否かを判断する(S10)。例えば、起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報122Aの“disc_valid_info”122Bと“title_valid_info”122Cのフラグ情報が、ともに有効であることを示すフラグ情報である場合には、有効な次回起動判定情報122Aが存在すると判断する。
そして、起動シーケンス判定部134は、有効な次回起動判定情報122Aが存在すると判断しなかった場合(ステップS10でNo)には、ステップS11の処理に進み、有効な次回起動判定情報122Aが存在すると判断した場合(ステップS10でYes)には、ステップS14に進む。
【0059】
ステップS11では、起動シーケンス判定部134は、図5(A)に示す通常起動シーケンスで起動すると判定し、この判定結果に従って、起動制御部132が、この通常起動シーケンスに従って起動処理を制御する。
【0060】
次に、情報取得部133は、ドライブ部111及びストリーム制御部112を用いて、光ディスク160の再生制御情報RCを読み出す(S12)。
【0061】
そして、情報取得部133は、ステップS12で読み出された再生制御情報RCに基づいて、次回起動判定情報122Aを更新する(S13)。
例えば、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165において、“extent_interactive_flag”165Iに有効であることを示すフラグ情報が保持されている番組タイトルが一つでもある場合には、図4に示す次回起動判定情報122Aにおいて、“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122Eに有効であることを示すフラグ情報を保持し、このような番組タイトルが一つもない場合には、“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”
122Eに無効であることを示すフラグ情報を保持する。
【0062】
また、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165において、“extent_interactive_flag”165Iに有効であることを示すフラグ情報が保持されている番組タイトルの開始時間情報165G及び終了時間情報165Hで示される再生時間を集計し、集計した総再生時間を拡張インタラクティブ機能の対象番組タイトルの総再生時間とする。また、図3に示す再生制御情報ファイル165の全ての番組タイトルの開始時間情報165G及び終了時間情報165Hで示される再生時間を集計し、集計した総再生時間を光ディスク160全体の総再生時間とする。
情報取得部133は、このようにして集計した拡張インタラクティブ機能の対象番組タイトルの総再生時間を、光ディスク160全体の総再生時間で除算することにより、拡張タイトル含有率の値を算出する。そして、情報取得部133は、算出した拡張タイトル含有率の値を、図4に示す次回起動判定情報122Aの“タイトル種別構成レート”122Fに保持させる。
【0063】
さらに、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165の“ディスク一般情報”165Aに保持されている“Disc_ID”165Bで示される識別情報を、図4に示す次回起動判定情報122Aの“識別ディスクID”122Gに保持させる。
そして、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“disc_valid_info”122Bに、“ディスク構成情報”122Dに有効な情報が記録されていることを示すフラグ情報を保持させる。
【0064】
一方、ステップS10にて、有効な次回起動判定情報122Aが存在すると判定されると(ステップS10でYes)、起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを読み込む(S14)。
次に、起動シーケンス判定部134は、仮想マシンの起動が必要であるか否かを判定する起動判定処理を実行する(S15)。この起動判定処理については、図7を用いて詳細に説明する。
【0065】
そして、起動シーケンス判定部134は、ステップS15の起動判定処理の処理結果に応じて、仮想マシンの起動が必要か否かを判定する(S16)。そして、仮想マシンの起動が必要と判定した場合(S16でYes)には、ステップS17の処理に進み、仮想マシンの起動が必要と判定しなかった場合(S16でNo)には、ステップS18の処理に進む。
【0066】
ステップS17では、起動シーケンス判定部134は、図5(A)に示す第1高速起動シーケンスで起動すると判定し、この判定結果に従って、起動制御部132が、この第1高速起動シーケンスに従って起動処理を制御する。一方、ステップS18では、起動シーケンス判定部134は、図5(B)に示す第2高速起動シーケンスで起動すると判定し、この判定結果に従って、起動制御部132が、この第2高速起動シーケンスに従って起動処理を制御する。
【0067】
図7は、実施の形態1の起動判定処理を示すフローチャートである。
まず、起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報122A内の“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122Eから、光ディスク160に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンを必要とする可能性があるか否かを判定する(S20)。例えば、起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報122A内の“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122Eが有効であることを示すフラグ情報である場合には、光ディスク160に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンを必要とする可能性があると判定し、この“拡張インタラクティブ_ディスクフラグ”122Eが無効であることを示すフラグ情報である場合には、光ディスク160に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンを必要とする可能性がないと判定する。
そして、起動シーケンス判定部134は、光ディスク160に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンを必要とする可能性があると判定した場合(ステップS20でYes)には、ステップS21の処理に進み、光ディスク160に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンを必要とする可能性がないと判定した場合(ステップS20でNo)には、ステップS25の処理に進む。
【0068】
ステップS21では、起動シーケンス判定部134は、次回起動判定情報122A内の“最終タイトル構成情報”122Hに保持されている情報を取得する。
次に、起動シーケンス判定部134は、取得した“最終タイトル構成情報”122Hに保持されている情報のうち、“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kに基づいて、再生する番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを利用するか否かを判定する(S22)。例えば、起動シーケンス判定部134は、“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kに有効であること示すフラグ情報が保持されている場合には、再生する番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを利用すると判定し、“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kに無効であること示すフラグ情報が保持されている場合には、再生する番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを利用しないと判定する。
そして、起動シーケンス判定部134は、再生する番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを利用すると判定した場合(ステップS22でYes)には、ステップS23に進み、再生する番組タイトルのコンテンツが仮想マシンを利用しないと判定した場合(ステップS22でNo)には、ステップS24に進む。
【0069】
ステップS23では、起動シーケンス判定部134は、仮想マシンの起動が必要と判定する。
【0070】
一方、ステップS24では、起動シーケンス判定部134は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“タイトル種別構成レート”122Fに保持されている拡張タイトル含有率の値が予め定められた閾値αよりも大きいか否かを判定する。そして、起動シーケンス判定部134は、拡張タイトル含有率の値が予め定められた閾値αよりも大きい場合(ステップS24でYes)には、ステップS23の処理に進み、拡張タイトル含有率の値が予め定められた閾値αよりも大きくない場合(ステップS24でNo)には、ステップS25の処理に進む。
【0071】
ステップS25では、起動シーケンス判定部134は、仮想マシンの起動が必要ではないと判定する。
【0072】
図8は、実施の形態1の再生停止処理を示すフローチャートである。
まず、映像再生装置100のユーザが、操作部140を用いて再生停止指示の入力を行うと、システム制御部131は、デコーダブロック部110等を制御して、コンテンツの再生を停止する(S30)。
【0073】
次に、システム制御部131の情報取得部133は、再生の停止指示を受けた番組タイトルのコンテンツが、レジューム再生を行うことができるか否かを判定する(S31)。
例えば、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165の“開始時間情報”165G及び“終了時間情報”165Hより、ステップS30で再生を停止したコンテンツに対応する番組タイトルを特定し、特定した番組タイトルの“resume_valid_flag”165Jを参照する。そして、情報取得部133は、この“resume_valid_flag”165Jに保持されているフラグ情報が有効であることを示す場合には、レジューム再生を行うことができると判定し、このフラグ情報が無効であることを示す場合には、レジューム再生を行うことができないと判定する。
そして、情報取得部133は、レジューム再生を行うことができないと判定した場合(ステップS31でNo)には、ステップS32に進み、レジューム再生を行うことができると判定した場合(ステップS31でYes)には、ステップS33に進む。
【0074】
ステップS32では、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aを更新して、次回起動判定情報122Aが、ファーストプレイタイトルから再生されることを示すようにする。例えば、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“タイトル番号情報”122Iに番組タイトルの識別情報として、ファーストプレイタイトルを示すtitle_id=0を保持させる。
また、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“停止状態情報”122Jに、予め定められた初期値を保持させる。
また、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165において、“title_id”165Eが「0」の番組タイトル(ファーストプレイタイトル)の“extent_interactive_flag”165Iに保持されているフラグ情報を特定し、図4に示す次回起動判定情報122Aの“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kのフラグ情報を、特定したフラグ情報が示す状態と同じになるように更新する。
さらに、情報取得部133は、“title_id”165Eが「0」の番組タイトル(ファーストプレイタイトル)の“resume_valid_flag”165Jに保持されているフラグ情報を特定し、図4に示す次回起動判定情報122Aの“レジューム_タイトルフラグ”122Lのフラグ情報を、特定したフラグ情報が示す状態と同じになるように更新する。
そして、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“tile_valid_info”122Cに保持されているフラグ情報を更新し、このフラグ情報が有効であることを示すようにする。
【0075】
一方、ステップS31において、情報取得部133が、レジューム再生を行うことができると判定した場合(ステップS30でYes)には、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aを更新して、次回起動判定情報122Aが、再生が停止されたタイトルから再生されることを示すようにする(S33)。
例えば、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165の“開始時間情報”165G及び“終了時間情報”165Hより、再生中のコンテンツの番組タイトルの識別情報である“title_id”を特定し、特定した“title_id”で示される識別情報を“タイトル番号情報”122Iに保持させる。
また、情報取得部133は、再生停止指示の入力受付時の再生時間及びレジスタ設定値を、図4に示す次回起動判定情報122Aの“停止状態情報”122Jに保持させる。
また、情報取得部133は、図3に示す再生制御情報ファイル165において、ステップS30で再生を停止したコンテンツの番組タイトルの“extent_interactive_flag”165Iに保持されているフラグ情報を特定し、図4に示す次回起動判定情報122Aの“拡張インタラクティブ_タイトルフラグ”122Kのフラグ情報を、特定したフラグ情報が示す状態と同じになるように更新する。
さらに、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“レジューム_タイトルフラグ”122Lに有効であることを示すフラグ情報を保持させる。
そして、情報取得部133は、図4に示す次回起動判定情報122Aの“tile_valid_info”122Cに保持されているフラグ情報を更新し、このフラグ情報が有効であることを示すようにする。
【0076】
なお、図8のフローチャートは、映像再生装置100のユーザが、操作部140を用いて再生停止指示の入力を行った場合の処理であるが、映像再生装置100でコンテンツの再生中に、映像再生装置100のユーザが操作部140を用いて、電源OFF指示の入力を行った場合も、図8のフローチャートと同様の処理を行う。但し、電源OFF指示の入力がなされた場合には、ステップS30の処理が終わった後に、システム制御部131が、映像再生装置100の電源をOFFにする処理を行う。
【0077】
さらに、映像再生装置100が車載映像再生装置である場合には、例えば、エンジンキーのOFF操作に連動して、映像再生装置100への給電が停止する。このような場合においても、図8のフローチャートと同様の処理を行うことができるように、映像再生装置100内に電気を充電する充電部(図示せず)を備えておき、映像再生装置100への給電が停止しても、図8のフローチャートと同様の処理を行うことができるように、制御部130及び永続記憶部120に電力を供給することが望ましい。
【0078】
以上のように、実施の形態1に係る映像再生装置100では、挿入されている光ディスク160のディスク構成情報や最後に再生したコンテンツの最終タイトル構成情報を永続記憶部120に保持しておき、これらの情報に基づいて、次回の起動時に仮想マシンの起動が必要であるか否かを事前に判定することができる。そのため、起動シーケンスを最適化し、短い時間で映像再生装置100を起動することができるようになる。
なお、最適化とは、起動準備完了を高速化させるために最低限必要な起動処理だけを抽出するとともに、起動処理順序の変更及び並列化処理を行うことを指す。
例えば、本実施の形態においては、仮想マシンの起動が必要であると判定された場合、光ディスク160のローディング動作のようなCPU負荷を必要としない時間帯に、CPU負荷の大きい仮想マシンの起動処理を並行処理する。一方、仮想マシンの起動が不要であると判定された場合には、起動時には仮想マシン自体の起動処理を行うことがないため、非常に高速に映像再生装置100の起動を完了することができる。本発明は車載映像再生装置のように、ドライブ部111へ挿入した光ディスク160が変更されず、主電源のON/OFFが頻発する環境で、特に効果を奏する。
【0079】
実施の形態1の別の効果として、拡張インタラクティブ機能を利用する番組タイトルのコンテンツの含有率が高い光ディスク160に記録されているコンテンツを再生する場合には、映像再生装置100の起動時に予め仮想マシンを起動しておくことができる。そのため、その後に仮想マシンを利用する番組タイトルのコンテンツを再生する際に、起動時間の長い仮想マシンの起動を待つ必要がなくなり、ユーザの総待ち時間を減少させることができる。
【0080】
実施の形態2.
実施の形態2では、映像再生装置200に挿入されている光ディスク260が入れ替えられた場合でも、映像再生装置200の起動時に適切な起動シーケンスを選択することができるようにすることを目的とする。
ここで、本実施の形態における光ディスク260は、DVD規格に準拠したディスク、CD規格に準拠したディスク等、BD規格に準拠したディスク以外のディスクも含まれるものとする。
【0081】
図9は、本発明における実施の形態2に係る映像再生装置200の機能構成を示す概略的なブロック図である。図示するように、映像再生装置200は、デコーダブロック部110と、永続記憶部220と、一時記憶部125と、制御部230と、操作部140とを備え、実施の形態1とほぼ同様の構成を有するが、永続記憶部220の構成及び制御部230の構成が異なっている。
【0082】
永続記憶部220は、仮想マシンプログラム記憶部121と、次回起動判定情報記憶部222と、ディスク検知情報記憶部223とを備え、実施の形態1とほぼ同様の構成を有するが、次回起動判定情報記憶部222に記憶されている情報が異なり、またディスク検知情報記憶部223がさらに備えられている点で異なっている。
【0083】
次回起動判定情報記憶部222には、映像再生装置200を起動する際の起動シーケンスの判定に使用される次回起動判定情報222Aが記憶される。
図10は、次回起動判定情報222Aのシンタックスを示す概略図である。次回起動判定情報222Aは、“disc_valid_info”122B、“title_valid_info”122C、“ディスク構成情報”122D、“最終タイトル構成情報”122H及び“確率情報”222Mから構成され、実施の形態1とほぼ同様の構成を有するが、確率情報222Mが備えられている点で異なっている。
【0084】
“確率情報”222Mは、コンテンツの再生履歴に対して、仮想マシンを利用したコンテンツの再生履歴の割合を示す確率の値を保持する。例えば、本実施の形態においては、この確率の値は、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生した際に仮想マシンを利用したコンテンツの再生時間を、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生した総再生時間で除することによって求められる。
なお、ここでの再生時間は、映像再生装置100を使用し始めてからの履歴であってもよく、また、予め定められた期間(例えば、2週間毎)における履歴であってもよい。
【0085】
ディスク検知情報記憶部223には、ドライブ部111の光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われたか否かを示すディスク検知情報が記憶される。
【0086】
図9に戻り、制御部230は、システム制御部231と、仮想マシン実行部138とを備え、実施の形態1とほぼ同様の構成を有するが、システム制御部231の構成が異なっている。本実施の形態におけるシステム制御部231は、起動制御部132と、情報取得部133と、起動シーケンス判定部234と、媒体検知部235と、確率情報生成部236と、を備え、実施の形態1とほぼ同様の構成を有するが、起動シーケンス判定部234での処理が異なっており、また、媒体検知部235及び確率情報生成部236をさらに備える点で異なっている。
【0087】
起動シーケンス判定部234は、実施の形態1と同様に、次回起動判定情報記憶部222に記憶されている次回起動判定情報222Aを参照することにより、映像再生装置200の起動時に仮想マシンを起動するか否かを判断し、映像再生装置200起動シーケンスを選択する処理を行う。
ここで、本実施の形態においては、起動シーケンス判定部234は、映像再生装置200を起動する際に、媒体検知部235が、光ディスク260が入れ替えられる状況を検知している場合には、図5(A)に示す第1高速起動シーケンスで起動するか、図5(B)に示す第2高速起動シーケンスで起動するか、の判定を行う。
【0088】
媒体検知部235は、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生したか否かを検知する。例えば、本実施の形態においては、媒体検知部235は、ドライブ部111の光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくとも何れか一方を監視し、これらの動作の少なくとも何れか一方が行われた場合には、ディスク検知情報記憶部223に記憶されているディスク検知情報を更新して、このディスク検知情報が、光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われたことを示すようにする。
なお、媒体検知部235は、次回起動判定情報記憶部222に記憶されている次回起動判定情報222Aの更新が行われた場合には、ディスク検知情報記憶部223に記憶されているディスク検知情報を更新して、このディスク検知情報が、光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われていないことを示すようにする。
【0089】
また、媒体検知部235は、ドライブ部111に挿入されている光ディスク260がBlu−rayディスクであるか否かを判定する。例えば、媒体検知部235は、光ディスク260に光ビームを照射し、光ディスク260から反射した光ビームを図示しない光検出器で電気信号として検出し、この検出信号から光ディスク260がBlu−rayディスクであるか否かを判定するようにすればよい。
【0090】
確率情報算出部236は、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生する際に、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生した総再生時間と、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生する際に仮想マシンを利用したコンテンツの再生時間と、を計時して、累積する。
そして、確率情報算出部236は、予め定められた時(例えば、周期的等)に、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生する際に仮想マシンを利用するコンテンツの再生時間を、光ディスク260に記録されているコンテンツを再生した総再生時間で除することにより確率情報の値を算出する。
【0091】
なお、本実施の形態においては、“確率情報”222Mの値として、再生時間を基準とした割合を保持しているが、このようなものに限定されない。例えば、光ディスク260の種別毎のドライブ部111への挿入回数に基づく割合とすることができる。この場合には、一例として、(BDディスクの挿入回数)÷(全てのディスクの挿入回数)によって、確率情報の値を算出することができる。また、例えば、仮想マシンを利用するコンテンツの再生回数に基づく割合とすることができる。この場合には、一例として、(仮想マシンを利用するコンテンツの再生回数)÷(全てのコンテンツの挿入回数)によって、確率情報の値を算出することができる。
さらに、確率情報算出部236は、例えば、確率情報の値を算出したタイミングで、次回起動判定情報222Aを更新して、次回起動判定情報記憶部222に記憶されている次回起動判定情報222Aの“確率情報”222Mに保持されている値が、算出された確率情報の値を示すようにする。
【0092】
図11は、実施の形態2の起動時の処理を示すフローチャートである。映像再生装置200に電源の供給が行われると、まず映像再生装置200内のシステム制御部231が起動する。
起動したシステム制御部231では、起動シーケンス判定部234が、映像再生装置200のドライブ部111において、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生したか否かを判定する(S40)。例えば、起動シーケンス判定部234は、ディスク検知情報記憶部223に記憶されているディスク検知情報が、光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われたことを示す場合には、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生したと判定し、このディスク検知情報が、光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われていないことを示す場合には、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生していないと判定する。
そして、起動シーケンス判定部234は、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生したと判定した場合(ステップS40でYes)には、ステップS41の処理に進み、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生していないと判定した場合(ステップS40でNo)には、ステップS48の処理に進む。
【0093】
ステップS41では、媒体検知部236は、ドライブ部111に挿入されている光ディスク260がBlu−rayディスクであるか否かを判定する。そして、媒体検知部236は、光ディスク260がBlu−rayディスクである場合(S41でYes)には、ステップS42の処理に進み、光ディスク260がBlu−rayディスクではない場合(S41でNo)には、ステップS44の処理に進む。
【0094】
ステップS42では、媒体検知部236は、光ディスク260がBlu−rayディスクであるとの通知を起動シーケンス判定部234に通知し、このような通知を受けた起動シーケンス判定部234は、図10に示す次回起動判定情報222Aの“確率情報”の値が、予め定められた閾値βよりも大きいか否かを判定する(S42)。即ち、起動シーケンス判定部234は、映像再生装置200の再生履歴から、コンテンツの再生に仮想マシンが利用される可能性が、予め定められた閾値βよりも大きいか否かを判定する。
そして、起動シーケンス判定部234は、“確率情報”222Mの値が、予め定められた閾値βよりも大きい場合(ステップS42でYes)には、ステップS43の処理に進み、“確率情報”の値が、予め定められた閾値βよりも大きくない場合(ステップS42でNo)には、ステップS44の処理に進む。
【0095】
ステップS43では、起動シーケンス判定部234は、図5(A)に示す第1高速起動シーケンスで起動すると判定し(仮想マシンの起動が必要と判定し)、この判定結果に従って、起動制御部132が、この第1高速起動シーケンスに従って起動処理を制御する。一方、ステップS44では、起動シーケンス判定部234は、図5(B)に示す第2高速起動シーケンスで起動すると判定し(仮想マシンの起動が不要と判定し)、この判定結果に従って、起動制御部132が、この第2高速起動シーケンスに従って起動処理を制御する。即ち、光ディスク260がDVDやCDである場合には、仮想マシンを必要としないため、第2高速起動シーケンスが選択される。
【0096】
次に、情報取得部133は、ドライブ部111及びストリーム制御部112を用いて、光ディスク260の再生制御情報RCを読み出す(S45)。
【0097】
そして、情報取得部133は、ステップS45で読み出された再生制御情報RCに基づいて、次回起動判定情報122Aを更新する(S46)。この処理については、図6のステップS13と同様である。
【0098】
次に、媒体検知部235は、ディスク検知情報記憶部223に記憶されているディスク検知情報を更新して、このディスク検知情報が、光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われていないことを示すようにする(S46)。
【0099】
一方、ステップS40において、光ディスク260が入れ替えられていないと判定された場合(ステップS40でNo)には、起動シーケンス判定部234は、図6に示す実施の形態1における起動時の処理に進む。
【0100】
以上のように、実施の形態2における映像再生装置200によれば、光ディスク260が入れ替えられる状況が発生したか否かを判別できるため、映像再生装置200に挿入されている光ディスク260が変更された場合でも、映像再生装置200の起動時に適切な起動シーケンスが選択される可能性が高くなる。
【0101】
また、実施の形態2の別の効果として、過去に挿入された光ディスク260の再生履歴に基づいて起動シーケンスを選択することができる。そのため映像再生装置200において、光ディスク260を強制排出された場合等においても適切な起動シーケンスが選択される可能性が高くなる。
【0102】
実施の形態2においては、挿入された光ディスク260が入れ替えられたか否かを、ドライブ部111の光ディスク260を挿入する部分の開動作及び閉動作の少なくともいずれか一方が行われたか否かで判定しているが、このような態様に限定されない。例えば、媒体検知部235は、電源OFF時における光ディスク260の識別情報(例えば、“Disc_ID”165Bに保持されている識別情報)をディスク検知情報記憶部223に記憶しておき、起動シーケンス判定部234が、映像再生装置200の起動時の光ディスク260と同じか否かで、光ディスク260の入れ替えを判定するようにしてもよい。また、媒体検知部235は、ドライブ部111において強制排出操作があったか否かの情報を取得して、光ディスク260の識別情報が異なっているか否かを判定するようにしてもよい。
【0103】
以上に記載した実施の形態1及び2において、ドライブ部111に挿入されている光ディスク160,260が入れ替えられた場合には、情報取得部133は、ドライブ部111及びストリーム制御部112を用いて、再生制御情報RCを取得して(読み出して)、次回起動判定情報記憶部122に記憶されている次回起動判定情報122Aを更新するようにしてもよい。このような場合には、例えば、情報取得部133は、ドライブ部111又は媒体検知部235が光ディスク160,260の入れ替えを検知した際に、次回起動判定情報122Aの“disc_valid_info”122B及び“title_valid_info”122Cに保持されているフラグ情報を更新して、無効であることを示すようにする。
そして、情報取得部133が、図6のステップS13と同様に、再生制御情報RCに保持されている情報に基づいて、次回起動判定情報122Aが更新された際に、次回起動判定情報122Aの“disc_valid_info”122Bのフラグ情報を更新して、有効であることを示すようにする。
【符号の説明】
【0104】
100,200:映像再生装置、 110:デコーダブロック部、 111:ドライブ部、 112:ストリーム制御部、 113:デコーダ部、 114:重畳部、 120:記憶部、 121:仮想マシンプログラム記憶部、 122,222:次回起動判定情報記憶部、 223:ディスク検知情報記憶部、 130,230:制御部、 131:システム制御部、 132:起動制御部、 133:情報取得部、 134:起動シーケンス判定部、 235:媒体検知部、 236:確率情報算出部、 138:仮想マシン実行部、 140:操作部、 160,260:光ディスク、 170:表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前回の再生に用いた可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンの起動が必要か否かを判定することのできる次回起動判定情報を取得する情報取得部と、
前記次回起動判定情報を記憶する記憶部と、
前記次回起動判定情報に基づいて、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に前記仮想マシンの起動が必要か否かを判定し、前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合と、前記仮想マシンの起動が不要と判定した場合とで、異なる起動シーケンスを選択する起動シーケンス判定部と、
前記起動シーケンス判定部が選択した起動シーケンスに従って起動処理を制御する起動制御部と、
を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に前記仮想マシンを利用するコンテンツが記録されているか否かを示す第1のフラグ情報を含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記第1のフラグ情報が前記可搬性記録媒体に前記仮想マシンを利用するコンテンツが記録されていることを示す場合には、前記仮想マシンの起動が不要と判定すること
を特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用するか否かを示す第2のフラグ情報を含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記第2のフラグ情報が、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用することを示す場合には、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、前記仮想マシンを利用するコンテンツの割合を示す含有率の値をさらに含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記第2のフラグ情報が、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用しないことを示す場合でも、前記含有率の値が予め定められた閾値よりも大きなときには、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項3に記載の映像再生装置。
【請求項5】
前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況を検知する媒体検知部をさらに備え、
前記次回起動判定情報には、前記コンテンツの再生履歴のうち、前記仮想マシンを利用するコンテンツの再生履歴の割合を示す確率の値がさらに含まれており、
前記起動シーケンス判定部は、前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況を前記媒体検知部が検知した場合であって、前記確率の値が予め定められた閾値よりも大きなときには、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記媒体検知部は、前記可搬性記録媒体が規格により前記仮想マシンを利用したコンテンツを記録することができる記録媒体であるか否かを検知し、
前記起動シーケンス判定部は、前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況を前記媒体検知部が検知し、かつ、前記可搬性記録媒体が規格により前記仮想マシンを利用したコンテンツを記録することができる記録媒体であると検知された場合に、前記確率の値が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定すること
を特徴とする請求項5に記載の映像再生装置。
【請求項7】
前記規格により前記仮想マシンを利用したコンテンツを記録することができる記録媒体は、ブルーレイディスクであること
を特徴とする請求項6に記載の映像再生装置。
【請求項8】
前記起動シーケンス判定部は、
前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合には、前記仮想マシンの起動を、前記可搬性記録媒体のローディング動作と並行に行う期間を有する第1高速起動シーケンスを選択すること
を特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の映像再生装置。
【請求項9】
前記起動シーケンス判定部は、
前記仮想マシンの起動が不要と判定した場合には、前記仮想マシンの起動を行わない第2高速起動シーケンスを選択すること
を特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の映像再生装置。
【請求項10】
情報取得部が、前回の再生に用いた可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に仮想マシンの起動が必要か否かを判定することのできる次回起動判定情報を取得する情報取得過程と、
前記次回起動判定情報を記憶部に記憶する情報記憶過程と、
起動シーケンス判定部が、前記次回起動判定情報に基づいて、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツの再生に前記仮想マシンの起動が必要か否かを判定する判定過程と、
前記起動シーケンス判定部が、前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合と、前記仮想マシンの起動が不要と判定した場合とで、異なる起動シーケンスを選択する選択過程と、
起動制御部が、前記選択された起動シーケンスに従って起動処理を制御する起動過程と、
を有することを特徴とする映像再生装置の起動方法。
【請求項11】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に前記仮想マシンを利用するコンテンツが記録されているか否かを示す第1のフラグ情報を含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記判定過程において、前記第1のフラグ情報が前記可搬性記録媒体に前記仮想マシンを利用するコンテンツが記録されていることを示す場合には、前記仮想マシンの起動が不要と判定すること
を特徴とする請求項10に記載の起動方法。
【請求項12】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用するか否かを示す第2のフラグ情報をさらに含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記判定過程において、前記第2のフラグ情報が、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用することを示す場合には、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項10又は11に記載の起動方法。
【請求項13】
前記次回起動判定情報は、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、前記仮想マシンを利用するコンテンツの割合を示す含有率の値をさらに含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記判定過程において、前記第2のフラグ情報が、前記可搬性記録媒体に記録されているコンテンツのうち、起動後に再生を開始するコンテンツが前記仮想マシンを利用しないことを示す場合でも、前記含有率の値が予め定められた閾値よりも大きなときには、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項12に記載の起動方法。
【請求項14】
媒体検知部が、前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況を検知する媒体検知過程をさらに有し、
前記次回起動判定情報は、前記コンテンツの再生履歴のうち、前記仮想マシンを利用するコンテンツの再生履歴の割合を示す確率の値をさらに含み、
前記起動シーケンス判定部は、前記媒体検知過程において、前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況が検知された場合には、前記判定過程において、前記確率の値が予め定められた閾値よりも大きなときは、前記仮想マシンの起動が必要と判定すること
を特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載の起動方法。
【請求項15】
前記媒体検知部が、前記可搬性記録媒体が規格により前記仮想マシンを利用したコンテンツを記録することができる記録媒体であるか否かを検知する種別検知過程をさらに有し、
前記起動シーケンス判定部は、前記媒体検知過程において前記可搬性記録媒体が入れ替えられる状況が検知され、かつ、前記種別検知過程において前記可搬性記録媒体が規格により前記仮想マシンを利用したコンテンツを記録することができる記録媒体であると検知された場合に、前記判定過程において、前記確率の値が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定すること
を特徴とする請求項14に記載の起動方法。
【請求項16】
前記媒体検知部は、前記種別検知過程において、前記可搬性記録媒体がブルーレイディスクであるか否かを検知すること
を特徴とする請求項15に記載の起動方法。
【請求項17】
前記起動シーケンス判定部は、前記判定過程において前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合には、前記選択過程において、前記仮想マシンの起動を、前記可搬性記録媒体のローディング動作と並行して行う期間を有する第1高速起動シーケンスを選択すること
を特徴とする請求項10から16の何れか一項に記載の起動方法。
【請求項18】
前記起動シーケンス判定部は、前記判定過程において前記仮想マシンの起動が必要と判定した場合には、前記選択過程において、前記仮想マシンの起動を行わない第2高速起動シーケンスを選択すること
を特徴とする請求項10から17の何れか一項に記載の起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−171925(P2011−171925A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32656(P2010−32656)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】