説明

映像系加入者線終端装置の遠隔設定システム、映像系加入者線終端装置の遠隔監視システム、映像系加入者線終端装置、データ系加入者線端局装置、映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法及び映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法

【課題】本発明は、映像系加入者線終端装置の遠隔設定及び遠隔監視を実行し、映像系加入者線終端装置の効率的な運用を可能とする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、D−OLT1と、V−OLT2と、データ系信号をD−OLT1との間で送受信するD−PON機能部32と、映像系信号をV−OLT2から受信し、自己の設定内容を示すデータの送受信又は自己の警報内容を示すデータの送信を、D−PON機能部32を介してD−OLT1との間で実行するV機能部33と、を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定システム又は遠隔監視システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像系加入者線終端装置の遠隔設定及び遠隔監視を実行する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
光加入者システムは、加入者線端局装置(OLT)及び加入者線終端装置(ONU)の間の通信制御プロトコル等が標準化されたEPONシステム、映像配信システム並びにIEEE802.3ahによる物理インタフェースを、同一の光ファイバに収容したシステムである。光加入者システムは、データ系加入者線端局装置(D−OLT)及び映像系加入者線端局装置(V−OLT)を電話局等に備え、ONUをユーザ宅内やユーザビル構内等に備える。D−OLTは、上位ネットワークに接続され、データ系信号をONUとの間で送受信する。V−OLTは、映像配信キャリアに接続され、映像系信号をONUに送信する。ONUは、ユーザ端末に接続され、データ系信号をD−OLTとの間で送受信し、映像系信号をV−OLTから受信する。ここで、データ系信号とは、イーサネット(登録商標)フレームの集合体を意味する。
【0003】
図1は、ポイントツーポイントの光加入者システムを示す図である。図1の光加入者システムは、上位ネットワークN、映像配信キャリアC、ユーザ端末T、光ファイバF、光スプリッタS、D−OLT1、V−OLT2及びONU3から構成される。D−OLT1及びV−OLT2は、ONU3とポイントツーポイントで接続される。図2は、ポイントツーマルチポイントの光加入者システムを示す図である。図2の光加入者システムは、上位ネットワークN、映像配信キャリアC、ユーザ端末T−1、T−2、・・・、T−N、光ファイバF、光スプリッタS、D−OLT1、V−OLT2及びONU3−1、3−2、・・・、3−Nから構成される。D−OLT1及びV−OLT2は、ONU3−1、3−2、・・・、3−Nとポイントツーマルチポイントで接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−296336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が開示する光加入者システムでは、データ系加入者線終端装置(D−ONU)及び映像系加入者線終端装置(V−ONU)は、それぞれ独立のONUである。ここで、D−OLTは、データ系信号をD−ONUとの間で送受信するが、V−OLTは、映像系信号をV−ONUに送信するのみであり、データ系信号をV−ONUとの間で送受信しない。よって、D−OLTは、データ系信号によるD−ONUの遠隔設定及び遠隔監視を実行することができるが、V−OLTは、データ系信号によるV−ONUの遠隔設定及び遠隔監視を実行することができない。そこで、V−ONUの設定についてはお客様宅にて対応しており、V−ONUの監視については対応しておらず、通信事業者はお客様から故障情報を得た後にお客様宅にて故障修理を行う非効率的な運用を求められている。
【0006】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、映像系加入者線終端装置の遠隔設定及び遠隔監視を実行し、映像系加入者線終端装置の効率的な運用を可能とする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、映像系加入者線終端装置が、データ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置の間で、自己の設定内容を示すデータの送受信を実行するようにした。映像系加入者線終端装置が、データ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置の間で、自己の警報内容を示すデータの送信を実行するようにした。
【0008】
具体的には、本発明は、データ系加入者線端局装置と、映像系加入者線端局装置と、データ系信号を前記データ系加入者線端局装置との間で送受信するデータ系加入者線終端装置と、映像系信号を前記映像系加入者線端局装置から受信し、自己の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかを前記データ系加入者線終端装置を介して前記データ系加入者線端局装置との間で実行する映像系加入者線終端装置と、を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定システムである。
【0009】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔設定をデータ系加入者線端局装置から実行することができ、映像系加入者線終端装置の設定内容をデータ系加入者線端局装置に送信することができる。
【0010】
また、本発明は、データ系加入者線端局装置と、映像系加入者線端局装置と、データ系信号を前記データ系加入者線端局装置との間で送受信するデータ系加入者線終端装置と、映像系信号を前記映像系加入者線端局装置から受信し、自己の警報内容を示すデータの送信を前記データ系加入者線終端装置を介して前記データ系加入者線端局装置との間で実行する映像系加入者線終端装置と、を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔監視システムである。
【0011】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔監視をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0012】
また、本発明は、映像系加入者線終端装置であって、映像系信号を映像系加入者線端局装置から受信する映像系信号受信部と、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかをデータ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置との間で実行する設定内容データ通信部と、を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置である。
【0013】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔設定をデータ系加入者線端局装置から実行することができ、映像系加入者線終端装置の設定内容をデータ系加入者線端局装置に送信することができる。
【0014】
また、本発明は、映像系加入者線終端装置であって、映像系信号を映像系加入者線端局装置から受信する映像系信号受信部と、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータの送信をデータ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置との間で実行する警報内容データ送信部と、を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置である。
【0015】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔監視をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0016】
また、本発明は、データ系信号をデータ系加入者線終端装置との間で送受信するデータ系信号送受信部と、映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかを前記データ系加入者線終端装置を介して前記映像系加入者線終端装置との間で実行する設定内容データ通信部と、を備えることを特徴とするデータ系加入者線端局装置である。
【0017】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔設定をデータ系加入者線端局装置から実行することができ、映像系加入者線終端装置の設定内容をデータ系加入者線端局装置に送信することができる。
【0018】
また、本発明は、データ系信号をデータ系加入者線終端装置との間で送受信するデータ系信号送受信部と、映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータの受信を前記データ系加入者線終端装置を介して前記映像系加入者線終端装置との間で実行する警報内容データ受信部と、を備えることを特徴とするデータ系加入者線端局装置である。
【0019】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔監視をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0020】
また、本発明は、データ系加入者線端局装置において、映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する設定内容データ下り送信ステップと、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記映像系加入者線終端装置に中継する設定内容データ下り中継ステップと、前記映像系加入者線終端装置において、自己の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する設定内容データ下り受信ステップと、を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法である。
【0021】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔設定をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0022】
また、本発明は、前記設定内容データ下り送信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し前記データ系加入者線終端装置に送信し、前記設定内容データ下り中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法である。
【0023】
この構成によれば、OAMフレームを利用することにより、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔設定をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0024】
また、本発明は、映像系加入者線終端装置において、自己の設定内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する設定内容データ上り送信ステップと、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線端局装置に中継する設定内容データ上り中継ステップと、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する設定内容データ上り受信ステップと、を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法である。
【0025】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の設定内容をデータ系加入者線端局装置に送信することができる。
【0026】
また、本発明は、前記設定内容データ上り中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し、前記データ系加入者線端局装置に送信し、前記設定内容データ上り受信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法である。
【0027】
この構成によれば、OAMフレームを利用することにより、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の設定内容をデータ系加入者線端局装置に送信することができる。
【0028】
また、本発明は、映像系加入者線終端装置において、自己の警報内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する警報内容データ送信ステップと、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを前記データ系加入者線端局装置に中継する警報内容データ中継ステップと、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する警報内容データ受信ステップと、を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法である。
【0029】
この構成によれば、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔監視をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【0030】
また、本発明は、前記警報内容データ中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し前記データ系加入者線端局装置に送信し、前記警報内容データ受信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法である。
【0031】
この構成によれば、OAMフレームを利用することにより、データ系加入者線終端装置を介して、映像系加入者線終端装置の遠隔監視をデータ系加入者線端局装置から実行することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明は、映像系加入者線終端装置の遠隔設定及び遠隔監視を実行し、映像系加入者線終端装置の効率的な運用を可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ポイントツーポイントの光加入者システムを示す図である。
【図2】ポイントツーマルチポイントの光加入者システムを示す図である。
【図3】本発明の光加入者システムを示す図である。
【図4】本発明の共通実装機能部を示す図である。
【図5】本発明のD−PON機能部を示す図である。
【図6】本発明のV機能部を示す図である。
【図7】本発明のV−ONUの遠隔設定方法を示す図である。
【図8】本発明のV−ONUの遠隔監視方法を示す図である。
【図9】本発明のV−ONUの遠隔設定方法及び遠隔監視方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0035】
本発明においても従来技術と同様に、図1のポイントツーポイントの光加入者システム及び図2のポイントツーマルチポイントの光加入者システムを適用することができる。図3は、本発明の光加入者システムを示す図である。図3の光加入者システムは、制御端末TC、ユーザデータ情報端末TD、テレビ受像機TV、光ファイバF、光スプリッタS、D−OLT1、V−OLT2及びONU3から構成される。ONU3は、共通実装機能部31、D−PON機能部32、V機能部33、PON−IFポート34、UNIポート35及びRF−OUT36から構成される。
【0036】
共通実装機能部31は、データ系及び映像系に共通の処理を実行し、PON−IFポート34をインタフェースとして上り方向の光ファイバF及び光スプリッタSに接続される。D−PON機能部32は、データ系に特有の処理を実行し、UNIポート35をインタフェースとしてユーザデータ情報端末TDに接続される。V機能部33は、映像系に特有の処理を実行し、RF−OUT36をインタフェースとしてテレビ受像機TVに接続される。制御端末TCは、D−OLT1に接続され、D−PON機能部32及びV機能部33を制御する。D−PON機能部32は、データ系加入者線終端装置として機能し、V機能部33は、映像系加入者線終端装置として機能する。
【0037】
図4は、本発明の共通実装機能部を示す図である。図4の共通実装機能部31は、光送受信部311、波長分岐部312、電源部313及び電源ポート314から構成される。
【0038】
光送受信部311は、D−OLT1との間でデータ系信号を送受信し、V−OLT2との間で映像系信号を受信する。波長分岐部312は、データ系信号及び映像系信号を分岐し、D−PON機能部32内の後述のPMD機能部321との間でデータ系信号を送受信し、V機能部33内の後述の光/電気変換機能部331との間で映像系信号を送信する。電源部313は、D−PON機能部32内及びV機能部33内の後述の各機能部に電源を供給し、電源ポート314をインタフェースとして不図示の電源に接続される。
【0039】
図5は、本発明のD−PON機能部を示す図である。図5のD−PON機能部32は、PMD機能部321、UNIポート機能部322、OAM機能部323、保守機能部324、認証機能部325、ブリッジ/VLAN機能部326、暗号化/復号化機能部327、MAC Controlクライアント機能部328、MPCP機能部329及びRS/PCS/PMA機能部330から構成される。D−PON機能部32内の各機能部は、共通実装機能部31内の電源部313から電源を供給される。
【0040】
PMD機能部321は、共通実装機能部31内の波長分岐部312との間でデータ系信号を送受信する。UNIポート機能部322は、ユーザデータ情報端末TDとの間でデータ系信号を送受信する。OAM機能部323は、IEEE802.3ah標準で規定されたD−OLT1及びD−PON機能部32の間における通信制御用のOAMフレームを生成及び解析する。保守機能部324は、ONU3のIPアドレス、暗号のON/OFFの設定値、警報発生中の警報内容及び警報発生時に警報内容をD−OLT1に通知するかどうかを規定する設定値等を保持する。D−PON機能部32の保守機能部324は、V機能部33の後述の保守機能部335と接続される。
【0041】
認証機能部325は、データへのアクセスに対する認証を実行する。ブリッジ/VLAN機能部326は、IEEE802.1Dで規定されているブリッジ機能及びIEEE802.1Qで規定されているVLAN機能を提供する。暗号化/復号化機能部327は、データの暗号化/復号化を実行する。MAC Controlクライアント機能部328は、P2MPディスカバリによる通信リンクの確立や上り信号制御を行う。MPCP機能部329は、D−PON機能部32がD−OLT1に送信するデータの容量を制御する。RS/PCS/PMA機能部330は、OLT及びONUの間のイーサネット(登録商標)フレームを識別するためのプリアンブルの識別子の埋め込みやデータの符号化を行う。
【0042】
図6は、本発明のV機能部を示す図である。図6のV機能部33は、光/電気変換機能部331、復調機能部332、電気増幅機能部333、監視機能部334及び保守機能部335から構成される。V機能部33内の各機能部は、共通実装機能部31内の電源部313から電源を供給される。光/電気変換機能部331、復調機能部332及び電気増幅機能部333は、映像系信号受信部として機能し、保守機能部335は、設定内容データ通信部及び警報内容データ送信部として機能する。
【0043】
光/電気変換機能部331は、共通実装機能部31内の波長分岐部312との間で映像系信号を受信し、光信号を電気信号に変換する。復調機能部332は、映像系信号を復調する。電気増幅機能部333は、映像系信号を増幅し、テレビ受像機TVとの間で映像系信号を送信する。監視機能部334は、光/電気変換機能部331、復調機能部332及び電気増幅機能部333に異常がないかどうかを監視する。
【0044】
保守機能部335は、映像の視聴可否設定値及び電気増幅機能の増幅レベル値等のV機能部33に関する設定値、RF−OUT信号の異常を通知するOUT警報情報、映像系光入力断の警報情報、映像系装置故障等の警報情報、警報発生時に警報内容をD−OLT1に通知するかどうかを規定する設定値並びに光入力レベル値等を保持する。V機能部33の保守機能部335は、D−PON機能部32の保守機能部324と接続され、D−PON機能部32の保守機能部324との間でV機能部33の設定情報を入出力し、D−PON機能部32の保守機能部324との間でV機能部33の警報情報を出力する。
【0045】
図7は、本発明のV−ONUの遠隔設定方法を示す図である。D−OLT1の不図示のデータ系信号送受信部及び設定内容データ通信部は、OAMフレームを送信し、D−PON機能部32のPMD機能部321は、OAMフレームを受信する(設定内容データ下り送信ステップ、ステップS11)。
【0046】
D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームを解析する(ステップS12)。D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームがV機能に関するものであるとき(ステップS12においてYES)、D−PON機能部32の保守機能部324を介して、V機能部33の保守機能部335にOAMフレームの内容を処理させる(設定内容データ下り中継ステップ及び設定内容データ下り受信ステップ、ステップS13〜ステップS18)。D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームがD機能に関するものであるとき(ステップS12においてNO)、D−PON機能部32の保守機能部324にOAMフレームの内容を処理させる(ステップS19)。
【0047】
V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが視聴可否設定に関するものであるとき(ステップS13においてYES)、視聴可否設定を実行する(ステップS14〜ステップS17)。V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが視聴可否設定に関するものでないとき(ステップS13においてNO)、視聴可否設定でないD−OLT1の要求を実行する(ステップS18)。
【0048】
V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが視聴の有効化に関するものであるとき(ステップS14においてYES)、光/電気変換機能部331を有効化する(ステップS15)。V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが視聴の無効化に関するものであるとき(ステップS14においてNO)、光/電気変換機能部331を無効化する(ステップS16)。
【0049】
V機能部33の保守機能部335は、D−PON機能部32の保守機能部324を介して、D−PON機能部32のOAM機能部323に設定結果を含むOAMフレームを作成させる。D−PON機能部32のPMD機能部321は、設定結果を含むOAMフレームを送信し(ステップS17)、D−OLT1の不図示の設定内容データ通信部は、設定結果を含むOAMフレームを受信する。
【0050】
図7を用いて説明したように、D−PON機能部32の保守機能部324及びV機能部33の保守機能部335は接続されているため、V機能部33の設定内容はD−OLT1の制御端末TCからD−PON機能部32を介してV機能部33へと送信される。よって、V機能部33の効率的な遠隔設定を可能とすることができる。
【0051】
図8は、本発明のV−ONUの遠隔監視方法を示す図である。V機能部33の監視機能部334は、電気増幅機能部333の出力信号が閾値以下であり異常信号であることを確認する(ステップS21)。V機能部33の保守機能部335は、異常信号情報を警報情報として保存する(ステップS22)。V機能部33の保守機能部335は、警報情報をD−OLT1に通知するかどうかを規定する設定値を確認する(ステップS23)。
【0052】
ステップS23の設定値が警報情報をD−OLT1に通知することを規定しているとき(ステップS24においてYES)、V機能部33の保守機能部335は、D−PON機能部32の保守機能部324を介して、D−PON機能部32のOAM機能部323に警報情報を含むOAMフレームを作成させる(警報内容データ送信ステップ)。D−PON機能部32のPMD機能部321は、警報情報を含むOAMフレームを送信し(警報内容データ中継ステップ、ステップS25)、D−OLT1の不図示の警報内容データ受信部は、警報情報を含むOAMフレームを受信する(警報内容データ受信ステップ)。ステップS23の設定値が警報情報をD−OLT1に通知しないことを規定しているとき(ステップS24においてNO)、遠隔監視処理を終了する。
【0053】
図8を用いて説明したように、D−PON機能部32の保守機能部324及びV機能部33の保守機能部335は接続されているため、V機能部33の警報情報はV機能部33からD−PON機能部32を介してD−OLT1の制御端末TCへと送信される。よって、V機能部33の効率的な遠隔監視を可能とすることができる。
【0054】
図9は、本発明のV−ONUの遠隔設定方法及び遠隔監視方法を示す図である。D−OLT1の制御端末TCがV機能部33にV機能部33の設定内容及び警報情報を要求し、V機能部33がD−OLT1の制御端末TCにV機能部33の設定内容及び警報情報を通知する点で、図9のV−ONUの遠隔設定方法及び遠隔監視方法は、図7のV−ONUの遠隔設定方法及び図8のV−ONUの遠隔監視方法と異なる。
【0055】
D−OLT1の不図示のデータ系信号送受信部は、OAMフレームを送信し、D−PON機能部32のPMD機能部321は、OAMフレームを受信する(ステップS31)。D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームを解析する(ステップS32)。D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームがV機能に関するものであるとき(ステップS32においてYES)、D−PON機能部32の保守機能部324を介して、V機能部33の保守機能部335にOAMフレームの内容を処理させる(ステップS33〜ステップS36)。D−PON機能部32のOAM機能部323は、OAMフレームがD機能に関するものであるとき(ステップS32においてNO)、D−PON機能部32の保守機能部324にOAMフレームの内容を処理させる(ステップS37)。
【0056】
V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが設定内容又は警報情報の取得に関するものであるとき(ステップS33においてYES)、設定内容又は警報情報の通知を実行する(ステップS34、ステップS35)。V機能部33の保守機能部335は、OAMフレームが設定内容又は警報情報の取得に関するものでないとき(ステップS33においてNO)、設定内容又は警報情報の通知でないD−OLT1の要求を実行する(ステップS36)。
【0057】
V機能部33の保守機能部335は、D−PON機能部32の保守機能部324を介して、D−PON機能部32のOAM機能部323に設定内容又は警報情報を含むOAMフレームを作成させる(設定内容データ上り送信ステップ又は警報内容データ送信ステップ、ステップS34)。D−PON機能部32のPMD機能部321は、設定内容又は警報情報を含むOAMフレームを送信し(設定内容データ上り中継ステップ又は警報内容データ中継ステップ、ステップS35)、D−OLT1の不図示の設定内容データ通信部又は警報内容データ受信部は、設定内容又は警報情報を含むOAMフレームを受信する(設定内容データ上り受信ステップ又は警報内容データ受信ステップ)。
【0058】
図9を用いて説明したように、D−PON機能部32の保守機能部324及びV機能部33の保守機能部335は接続されている。V機能部33の設定内容又は警報情報は、D−OLT1の制御端末TCからD−PON機能部32を介してV機能部33へと要求され、V機能部33からD−PON機能部32を介してD−OLT1の制御端末TCへと通知される。V機能部33の効率的な遠隔設定又は遠隔監視を可能とすることができる。
【0059】
V機能部33の警報情報として、図8で説明した映像系信号の異常に関する情報の他に、V機能部33の各機能部の異常に関する情報があげられる。V機能部33の警報情報が映像系信号の異常に関する情報であったとき、D−OLT1の制御端末TCはV−OLT2及び映像配信キャリアCといった上位装置に異常が発生していることを検知できる。V機能部33の警報情報がV機能部33の各機能部の異常に関する情報であったとき、D−OLT1の制御端末TCはV機能部33の各機能部といった下位装置に異常が発生していることを検知できる。このように、異常が発生した箇所の切り分けが容易になる。
【0060】
データ系システム及び映像系システムは、本実施形態では、同一の光ファイバFに収容されているが、変形例として、異なる光ファイバFに収容されていてもよい。D−PON機能部32及びV機能部33は、本実施形態では、同一のONU3という同一の装置に収容されているが、変形例として、異なる装置に収容されていてもよい。要するに、D−PON機能部32及びV機能部33が接続されていればよい。図7のV−ONUの遠隔設定方法、図8のV−ONUの遠隔監視方法並びに図9のV−ONUの遠隔設定方法及び遠隔監視方法について、本実施形態では、すべてが実行されているが、変形例として、少なくともいずれかが実行されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る映像系加入者線終端装置の遠隔設定システム、映像系加入者線終端装置の遠隔監視システム、映像系加入者線終端装置、データ系加入者線端局装置、映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法及び映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法は、通信媒体を光に限定されない加入者システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
N:上位ネットワーク
C:映像配信キャリア
T:ユーザ端末
TC:制御端末
TD:ユーザデータ情報端末
TV:テレビ受像機
F:光ファイバ
S:光スプリッタ
1:D−OLT
2:V−OLT
3:ONU
31:共通実装機能部
32:D−PON機能部
33:V機能部
34:PON−IFポート
35:UNIポート
36:RF−OUT
311:光送受信部
312:波長分岐部
313:電源部
314:電源ポート
321:PMD機能部
322:UNIポート機能部
323:OAM機能部
324:保守機能部
325:認証機能部
326:ブリッジ/VLAN機能部
327:暗号化/復号化機能部
328:MAC Controlクライアント機能部
329:MPCP機能部
330:RS/PCS/PMA機能部
331:光/電気変換機能部
332:復調機能部
333:電気増幅機能部
334:監視機能部
335:保守機能部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ系加入者線端局装置と、
映像系加入者線端局装置と、
データ系信号を前記データ系加入者線端局装置との間で送受信するデータ系加入者線終端装置と、
映像系信号を前記映像系加入者線端局装置から受信し、自己の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかを前記データ系加入者線終端装置を介して前記データ系加入者線端局装置との間で実行する映像系加入者線終端装置と、
を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定システム。
【請求項2】
データ系加入者線端局装置と、
映像系加入者線端局装置と、
データ系信号を前記データ系加入者線端局装置との間で送受信するデータ系加入者線終端装置と、
映像系信号を前記映像系加入者線端局装置から受信し、自己の警報内容を示すデータの送信を前記データ系加入者線終端装置を介して前記データ系加入者線端局装置との間で実行する映像系加入者線終端装置と、
を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔監視システム。
【請求項3】
映像系加入者線終端装置であって、
映像系信号を映像系加入者線端局装置から受信する映像系信号受信部と、
前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかをデータ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置との間で実行する設定内容データ通信部と、
を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置。
【請求項4】
映像系加入者線終端装置であって、
映像系信号を映像系加入者線端局装置から受信する映像系信号受信部と、
前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータの送信をデータ系加入者線終端装置を介してデータ系加入者線端局装置との間で実行する警報内容データ送信部と、
を備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置。
【請求項5】
データ系信号をデータ系加入者線終端装置との間で送受信するデータ系信号送受信部と、
映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータの送信及び受信のうち少なくともいずれかを前記データ系加入者線終端装置を介して前記映像系加入者線終端装置との間で実行する設定内容データ通信部と、
を備えることを特徴とするデータ系加入者線端局装置。
【請求項6】
データ系信号をデータ系加入者線終端装置との間で送受信するデータ系信号送受信部と、
映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータの受信を前記データ系加入者線終端装置を介して前記映像系加入者線終端装置との間で実行する警報内容データ受信部と、
を備えることを特徴とするデータ系加入者線端局装置。
【請求項7】
データ系加入者線端局装置において、映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する設定内容データ下り送信ステップと、
前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記映像系加入者線終端装置に中継する設定内容データ下り中継ステップと、
前記映像系加入者線終端装置において、自己の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する設定内容データ下り受信ステップと、
を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法。
【請求項8】
前記設定内容データ下り送信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し前記データ系加入者線終端装置に送信し、
前記設定内容データ下り中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする請求項7に記載の映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法。
【請求項9】
映像系加入者線終端装置において、自己の設定内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する設定内容データ上り送信ステップと、
前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線端局装置に中継する設定内容データ上り中継ステップと、
前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する設定内容データ上り受信ステップと、
を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法。
【請求項10】
前記設定内容データ上り中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し、前記データ系加入者線端局装置に送信し、
前記設定内容データ上り受信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の設定内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする請求項9に記載の映像系加入者線終端装置の遠隔設定方法。
【請求項11】
映像系加入者線終端装置において、自己の警報内容を示すデータをデータ系加入者線終端装置に送信する警報内容データ送信ステップと、
前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを前記データ系加入者線端局装置に中継する警報内容データ中継ステップと、
前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを前記データ系加入者線終端装置から受信する警報内容データ受信ステップと、
を順に備えることを特徴とする映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法。
【請求項12】
前記警報内容データ中継ステップでは、前記データ系加入者線終端装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを含むOAMフレームを作成し前記データ系加入者線端局装置に送信し、
前記警報内容データ受信ステップでは、前記データ系加入者線端局装置において、前記映像系加入者線終端装置の警報内容を示すデータを含むOAMフレームを解析することを特徴とする請求項11に記載の映像系加入者線終端装置の遠隔監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−19296(P2012−19296A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154336(P2010−154336)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】