説明

映像記録装置

【課題】N本の映像データのエンコード処理を行う映像記録装置において、回路規模の拡大を抑える。
【解決手段】映像記録装置(1)の映像入力部により、複数の映像データが入力される。フレームバッファ(201)が、複数の前記映像データの各々を格納する。符号化処理部(2022)が、映像データの符号化処理を行う。エンコーダ制御部(205)が、格納された複数の映像データのうちで、どの映像データを符号化処理するかを制御する。そして、エンコーダ制御部は、複数の前記映像データの各々の符号化処理に与える割り当て時間を決定し、前記割り当て時間が経過すると、当該割り当て時間の符号化処理の映像データの次に符号化処理する映像データに、前記符号化処理部により符号化される対象映像データを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像データを圧縮して記録する映像記録装置および映像記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は、映像データをMPEG(Moving Picture Experts Group)符号化方式で記録する従来の映像記録装置100xのブロック構成図である。
【0003】
従来の映像記録装置100xは、フレームバッファ100、エンコード部101、ストリームバッファ102、エンコードバッファ103、第1の映像入力制御部(非記録媒体)104、第2の映像入力制御部(記録媒体)105、記録媒体106から構成される。
【0004】
フレームバッファ100は、入力映像データを一時的に格納するメモリで、複数の映像フレームを格納できる。ストリームバッファ102は、格納された映像フレームが映像記録装置100xにより符号化された符号化データを一時的に格納するメモリである。エンコードバッファ103は、エンコード部101で符号化するために一時的に必要なデータを格納するメモリである。第1の映像入力制御部(非記録媒体)104は、記録媒体を用いないで、映像データを扱うブロックである。例えば、第1の映像入力制御部104は、放送データを受信して、映像ストリームをデコードして、映像データを生成するブロックもしくは、映像データを外部から取り込むブロックである。第2の映像入力制御部(記録媒体)105は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録されたストリームデータをデコードして、映像データを生成するブロックである。記録媒体106は、ストリームバッファ102に格納されたストリームをHDD、光ディスク、半導体メモリ等に格納しているブロックである。
【0005】
他方、特許第3910606号公報では、複数の映像データが時分割で混合された混合映像データを、ひとつのエンコード部でエンコード処理し、出力するという記録方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3910606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の映像記録装置100xは、N本の映像データのエンコード処理にN個の映像記録装置が必要である。つまり、従来は、N本の映像データのエンコード処理のために、このような映像記録装置100xがN個必要である。このため、処理する映像データが多ければ多いほど、多くの映像記録装置(映像記録装置100x)が必要となり、回路面積やコストの拡大につながるという問題がある。
【0008】
また、特許第3910606号公報では、複数の入力映像データをエンコード部に入力する前に混合するため、独立した複数の映像データを独立したストリームとして、記録することはできない。
【0009】
また、映像データを符号化処理する映像記録装置により複数の映像データが符号化処理されるのに際しては、時分割でエンコード処理する際、複数の入力映像データ各々に与える符号化処理時間を各々保証する必要がある。つまり、この保証がされないと、例えば、その符号化処理の結果が、適切な時刻に表示されず、表示が乱れるなどの弊害が生じる。
【0010】
そこで、本発明は、回路規模の拡大を抑えるため、複数の映像データのエンコード処理を時分割で行い、映像符号化する際に入手可能な情報を用いて、映像データのエンコード処理に割り当てる処理時間を、各々保証することを可能にする映像記録装置および映像記録方法を提供するものである。つまり、複数の映像データの符号化処理ができるにも関わらず、N個の映像記録装置が必要でなく、かつ、映像データの混合も必要でないようにすることを目的とする。また、ひいては、回路規模を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の映像記録装置は、複数の映像データが入力される映像入力部と、前記映像入力部から入力される複数の前記映像データの各々を格納するフレームバッファと、映像データの符号化処理を行う符号化処理部と、前記フレームバッファに格納された複数の映像データのうちで、どの映像データを前記符号化処理部が符号化処理するかを制御するエンコーダ制御部とを備え、前記エンコーダ制御部は、複数の前記映像データの各々の符号化処理に与える割り当て時間を決定し、前記割り当て時間が経過すると、当該割り当て時間の符号化処理の映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する映像データに、前記符号化処理部により符号化される対象映像データを切り替える。
【発明の効果】
【0012】
映像データを符号化処理する映像記録装置において、複数の映像データの符号化処理ができるにも関わらず、N個の映像記録装置が必要でなく、かつ、映像データの混合も必要でないようにできる。ひいては、映像記録装置の回路規模が小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、従来の映像記録装置のブロック構成図である。
【図2】図2は、映像記録装置のブロック構成図である。
【図3】図3は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図4】図4は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図5】図5は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図6】図6は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図7】図7は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図8】図8は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図9】図9は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図10】図10は、映像記録装置の動作を説明する図である。
【図11】図11は、映像記録装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施する形態について、詳しく説明する。
【0015】
本発明の局面A1の映像記録装置(図2の映像記録装置1)は、複数の映像データ(第1の映像データ、第2の映像データ)が予め定められた入力先(フレームバッファ201)へと当該映像入力部により入力される映像入力部(第1の映像入力制御部(非記録媒体)207等、映像入力制御部200)と、前記映像入力部から入力される複数の前記映像データの各々を格納するフレームバッファ(フレームバッファ201)と、映像データの符号化処理を行う符号化処理部(エンコード処理部2022)と、前記フレームバッファに格納された複数の映像データのうちで、どの映像データを前記符号化処理部が符号化処理するかを制御するエンコーダ制御部(エンコーダ制御部205)とを備え、前記エンコーダ制御部は、複数の前記映像データの各々の符号化処理に与える割り当て時間(例えば図3の時刻T01〜時刻T02の割り当て時間など)を決定し、前記割り当て時間が経過すると、当該割り当て時間の符号化処理の映像データ(例えば第1の映像データ)の次に前記符号化処理部が符号化処理する映像データ(例えば第2の映像データ)に、前記符号化処理部により符号化される対象映像データを切り替える映像記録装置である。
【0016】
つまり、局面A1の映像記録装置においては、複数の映像データのうちのそれぞれの映像データについて、エンコーダ制御部が、その映像データ以外の他の映像データから、その映像データ(例えば図3の映像データ1)へと、符号化処理部による符号化処理が行われる対象映像データを変更させる。そして、その初めの変更の後に、再び他の映像データへと、対象映像データをエンコーダ制御部が変更させる。これにより、初めの変更から、後の変更までの間(例えば時刻T03〜時刻T04の間)に、その映像データの符号化処理が行われる。こうして2度の変更をさせることをエンコーダ制御部が繰り返すことにより、その映像データの符号化処理の全てが行われる。これにより、複数の映像データのそれぞれをエンコーダ制御部が符号化処理させる。
【0017】
なお、エンコーダ制御部は、初めの変更の前に符号化処理される第1の他の映像データとは違う第2の他の映像データを、後の変更の後に、符号化処理部に符号化処理させてもよい。
【0018】
このため、同時には1つの映像データの符号化処理しか行わない符号化処理部を単に1つ備えるだけの簡単な構成により、複数の映像データの符号化処理ができる。しかも、その符号化処理により符号化処理される対象映像データは、複数の映像データが混合されたデータである必要はない。このため、複数の映像データが混合されることが必要でないようにできる。これにより、ひいては、回路規模が小さい映像記録装置が実現できる。
【0019】
しかも、映像データには、著作権の情報や、暗号鍵の情報、個人情報、又は認証情報などの、第三者に特定されるのが不適切である特定情報が含まれることがある。この映像記録装置であれば、対象映像データである映像データが変更される毎に、処理が行われる映像データが変化する。これにより、行われる処理が、どの映像データの処理かが分かり難くなり、ひいては、映像データの処理の内容が特定(解析)され難いようにできる。従って、符号化処理される映像データに含まれる、その映像データの著作権の情報等の特定情報が、第三者に特定され難いようにできる。これにより、ひいては、映像データの不正なコピーその他の不正な利用がされ難いようにできる。
【0020】
なお、例えば、エンコーダ制御部は、対象映像データを、第1の映像データから第2の映像データへと変更させるのに際して、変更前に第1の映像データが符号化処理される時間とは異なる時間だけ、変更の後に第2の映像データの符号化処理を符号化処理部に行わせてもよい。こうすれば、確実かつ十分に、特定情報が分かり難いようにできる。
【0021】
また、局面A2の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、映像データの第1の所定単位(フレーム)の符号化処理に与える割り当て時間を切り替える(変化させる)局面A1の映像記録装置である。なお、所定単位とは、予め定められた単位である。
【0022】
また、局面A3の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、符号化対象の映像データの各々の解像度情報を、入力映像データ情報(実施形態の入力映像データ情報、又はその一部)として入力し、入力される前記解像度情報を用いて、その解像度情報の映像データの前記割り当て時間を切り替える局面A2の映像記録装置である。
【0023】
また、局面A4の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、映像データをリアルタイムに符号化すべきか、非リアルタイムで符号化すべきか(を示す情報)を、入力映像データ情報として入力し、入力される映像データ情報を用いて、当該映像データの前記割り当て時間を切り替える局面A2の映像記録装置である。
【0024】
また、局面A5の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、前記割り当て時間が経過すると、その経過の時までに前記符号化処理が完了しているべき、前記映像データにおける第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了している場合は、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替える(変更する)ための切り替え信号(例えば、図3の時刻T02スイッチ切替信号)を出力する局面A1の映像記録装置である。
【0025】
また、局面A6の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、前記割り当て時間が経過する前に(例えば図4の時刻T02よりも前に)、当該割り当て時間が経過するまでに前記符号化処理部が符号化処理中を完了しているべき、前記映像データにおける第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了したことを確認すると、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切り替え信号を、前期経過の時(時刻T02)よりも前に出力する局面A1の映像記録装置である。
【0026】
また、局面A7の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、前記割り当て時間(例えば、図6の時刻T09〜時刻T10)が経過すると、当該割り当て時間が経過するまでに前記符号化処理部が符号化処理中を完了しているべき、映像データ(第1の映像データ)における第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了していない場合は、前記符号化処理部が現在符号化処理中の、当該第1の所定単位に含まれる第2の所定単位(マクロブロック、スライスなど)の符号化処理の完了を待ってから(時刻T10aまで待ってから)、現在符号化処理中の前記映像データの符号化情報を符号化再開情報として予め定められた記憶領域(例えば第1のエンコードバッファ2041)に退避し、当該退避の後に、当該映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切替信号(時刻T10aのスイッチ切替信号)を出力する局面A1の映像記録装置である。
【0027】
なお、符号化情報は、完了しなかった前記第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が再開するために前記符号化処理部が利用する(必要である)情報である。符号化再開情報は、上記記憶領域に記憶された当該符号化情報である。
【0028】
また、局面A8の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、前記割り当て時間が経過すると、当該経過までに前記符号化処理部が符号化処理を完了しているべき、映像データにおける第1の所定単位の符号化処理が完了していない場合は、当該割り当て時間のうちに既に前記符号化処理部が符号化処理を完了している、当該第1の所定単位に含まれる第2の処理単位の符号化情報を符号化再開情報として予め定められた記憶領域に退避してから、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切り替え信号を出力する局面A1の映像記録装置である。
【0029】
また、局面A9の映像記録装置は、前記第2の所定単位が、1以上の当該第2の所定単位によって前記第1の所定単位を構成し、当該1以上の第2の所定単位のそれぞれが符号化処理されることにより、前記第1の所定単位が符号化処理される処理単位である局面A7の映像記録装置である。
【0030】
また、局面A10の映像記録装置は、前記符号化処理部が、符号化処理する対象の映像データについての、当該符号化処理の直前の符号化処理において、当該映像データの第1の処理単位の符号化処理の全てが完了している場合は(例えば、図6の時刻T07の場合は)、当該映像データにおける当該第1の処理単位の次の第1の処理単位の符号化処理(画像3の処理)を開始し、前記直前の符号化処理において、前記第1の処理単位の符号化処理の全てが完了していない場合は(図6の時刻T11の場合は)、前記直前の符号化処理において当該符号化処理部が予め定められた記憶領域に退避した符号化再開情報を用いて、前記直前の符号化処理(画像4の符号化処理)を再開する局面A1の映像記録装置である。
【0031】
また、局面A11の映像記録装置は、前記第1の所定単位が、M枚(M=1、2、3…の自然数)のピクチャから構成される局面A2の映像記録装置である。
【0032】
また、局面A12の映像記録装置は、前記第1の所定単位が、各々異なるM枚を選択できる局面A11の映像記録装置である。
【0033】
また、局面A13の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、映像データが前記符号化処理部に入力されるタイミングを制御する予め定められた入力制御部(第1の映像入力制御部(非記録媒体)207等、映像入力制御部200)に対して、当該タイミングを指示する局面A1の映像記録装置である。
【0034】
また、局面A14の映像記録装置は、前記第2の所定単位が、符号化の最小単位である複数のマクロブロックから構成されるスライス、もしくは、符号化の最小単位であるマクロブロックである局面A9の映像記録装置である。
【0035】
また、局面A15の映像記録装置は、前記エンコーダ制御部が、前記割り当て時間(例えば図8の時刻T09〜時刻T10)が経過すると、当該経過までに前記符号化処理部が符号化処理を完了しているべき、映像データにおける第1の所定単位の符号化処理が完了していない場合は、当該映像データ以外の他の映像データの前記符号化処理部による符号化処理の前記割り当て時間(時刻T10〜時刻T11)に含まれる時間(例えば、割り当て時間の前半部分など)を、割り当て時間が経過した前記映像データの割り当て時間に追加して、当該映像データの割り当て時間を延長する局面A1の映像記録装置である。
【0036】
また、局面A16の映像記録装置は、前記符号化処理部が、符号化処理する対象の1つの映像データを、互いに異なる複数の記録設定で符号化し、複数のストリームデータを生成する局面A1の映像記録装置である(図10の説明参照)。
【0037】
より具体的には、局面A1の映像記録装置は、例えば、次の特徴を更に備えてもよい。つまり、局面A1の映像記録装置は、さらに、複数の映像データから、符号化処理される対象映像データを特定し、特定される映像データを前記符号化処理部に入力し、入力される前記映像データの符号化処理を前記符号化処理部に行わせる入力スイッチ(入力スイッチ2021)と、前記複数の映像データのうちの1つにそれぞれが対応する複数の出力先(第1のストリームバッファ2031、第2のストリームバッファ2032)のうちから、対象映像データに対応する出力先を特定し、特定される出力先へと、前記符号化処理による符号化後のデータを当該符号化処理部に出力させる出力スイッチ(出力スイッチ2023)とを備えてもよい。そして、局面A1の映像記録装置では、前記エンコーダ制御部が、前記第1の映像データおよび前記第2の映像データのうちで前記対象映像データが前記符号化処理部に入力されるように前記入力スイッチを制御し、前記対象映像データに対応する前記出力先へと前記符号化後のデータが出力されるように前記出力スイッチを制御し、前記対象映像データの符号化処理を前記符号化処理部に行わせるものでもよい。
【0038】
そして、さらに具体的には、局面A1の映像記録装置は、例えば、前記エンコーダ制御部が、割り当て時間(例えば図4の時刻T01〜時刻T02)が経過するまでに、その割り当て時間における前記符号化処理が完了した場合に、当該完了の時から、前記割り当て時間の経過の時(時刻T02)までの間に、当該割り当て時間に対応する映像データ(第1の映像データ)以外の他の映像データ(第2の映像データ)の符号化処理を前記符号化処理部に行わせてもよい。
【0039】
また、局面A1の記録装置は、例えば、前記割り当て時間(例えば図5の時刻T01〜時刻T03)の長さが、当該割り当て時間で符号化処理される映像データ(第1の映像データ)の1フレームが前記符号化処理部により符号化処理される1フレーム処理時間に対して、2以上の予め定められた整数(例えば2)が乗じられた時間の長さであり、前記符号化処理部が、当該割り当て時間のうちに、当該整数の個数のフレームの符号化処理を行ってもよい。
【0040】
また、局面A1の映像記録装置は、例えば、エンコーダ制御部は、初めの割り当て時間(例えば図6の時刻T09〜T10)で行われる、映像データの符号化処理が、当該初めの割り当て時間で完了しなかった場合に、当該初めの割り当て時間より後における割り当て時間(時刻T11〜時刻T12)で、前記初めの割り当て時間の符号化処理のうちの完了しなかった部分を、前記符号化処理部に行わせ(時刻T11〜T12のうちの前半部)てもよい。
【0041】
また、局面A1の映像記録装置は、例えば、エンコーダ制御部が、初めの割り当て時間(例えば図7の時刻T09〜T10)で行われる、映像データの符号化処理が、当該初めの割り当て時間で完了しなくとも、後の割り当て時間(時刻T11〜時刻T12)で、完了しなかった部分を前記符号化処理部に行わせることは、当該後の割り当て時間では、前記映像データにおける、当該後の割り当て時間に対応する部分(フレーム)の符号化処理のみを行わせてもよい。
【0042】
また、局面A1の映像記録装置は、例えば、初めの割り当て時間(例えば図8の時刻T09〜T10)のうちに行われる、前記映像データの符号化処理が、当該初めの割り当て時間で完了しなかった場合に、当該割り当て時間の経過の時から、予め定められた時間の間(時刻T10aまで)、続けて、当該割り当て時間の符号化処理を前記符号化処理部に行わせてもよい。
【0043】
また、局面A1の映像記録装置は、例えば、エンコーダ制御が、割り当て時間における符号化処理が完了した場合に(図9の時刻T02a)、当該割り当て時間のうちで、当該完了よりも後の残り時間(時刻T02a〜時刻T03)を、当該割り当て時間以外の前記他の時間と特定して、特定される当該他の時間に前記第2の映像データの符号化処理を前記符号化処理部に行わせてもよい。そして、より具体的には、エンコーダ制御部は、例えば、特定される当該他の時間が経過するまでに(時刻T13までに)、当該第2の映像データの予め定められたフレームの符号化処理が完了した場合(時刻T12a)、当該他の時間が経過するまでに(時刻T13までに)、さらに、前記第2の映像データの当該フレーム(画像3)の次のフレーム(画像4)の符号化処理を、前記符号化処理部に行わせてもよい。そして、さらに、具体的には、エンコーダ制御部は、例えば、前記他の時間として、前記残り時間のみを特定し、前記残り時間ではない無関係時間では、前記第2の映像データの符号化処理をさせないものとしてもよい(図9参照)。
【0044】
また、局面A1の映像記録装置は、例えば、映像を第1の形式で記録する第1の映像データ(図10の映像データ1)と、当該映像と同じ映像を第2の形式で記録する第2の映像データ(図10の映像データ2)とを特定する特定部(例えばフレームバッファ201。又は、先述のリサイズ部が含まれる映像入力制御部200)を備え、前記符号化処理部は、当該符号化処理部が出力する第1の符号化後のデータの映像と同じ映像を有する第2の符号化後のデータを出力するものとしてもよい。
【0045】
また、局面B1の映像記録装置は、次の問題が解決される映像記録装置である。つまり、従来の映像符号装置では、一つの映像データの符号化処理のために、一つの映像符号化装置が必要である。このため、複数の映像データを同時に符号化処理する場合、複数の映像符号化装置が必要となり、回路面積やコストの拡大につながるという問題がある。この問題が解決される。そして、局面B1の映像記録装置(映像符号化装置)およびその方法(映像符号化方法)によると、複数の映像データを一つの符号化処理部で時分割に切り替えながら、符号化処理するとき、符号化処理対象の複数のデータの各々の情報を用いて、符号化処理の対象の複数の映像データの各々について、その映像データの符号化処理に使用できる割り当て時間を決定し、この割り当て時間に従って、符号化処理される映像データを切り替える。これにより、上記問題が解決される。
【0046】
このような映像記録装置および映像記録方法により、一つの符号化処理部で時分割に切り替えて、複数の映像データを符号化するとき、符号化処理の対象となる複数の入力映像データの各々の入力映像データ情報、入力制御部の設定、ユーザ設定を用いて、符号化処理の対象の複数の入力映像データの各々の符号化処理に使用できる割り当て時間を決定する。この割り当て時間が経過した場合は、符号化処理される入力映像データ(対象映像データ)を、次の入力映像データに切り替える。
【0047】
これにより、符号化処理の対象の複数の入力映像データの各々に与える処理時間を各々独立して保証できる。したがって、入力映像データの処理時間を保証するのに際して、その入力映像データ以外の他の入力映像データの符号化処理の影響を受けることがなく、適切に保証ができる。
【0048】
一方、割り当て時間内に所定単位(第1の所定単位)の符号化処理が完了していない場合は、複数のマクロブロックから構成されるスライス内の全てのマクロブロックの符号化処理が完了する、もしくは中断時処理中のマクロブロック処理が完了すると、符号化処理を中断し、符号化処理される対象の入力映像データを、次の入力映像データに切り替える。ただし、切替前に符号化処理が中断されたストリームの符号化処理を、次の符号化タイミングで、再開できるよう、再開情報とエンコードバッファに格納されたデータとを予め定められた記憶領域に保持する。
【0049】
このように、割り当て時間内に所定単位の符号化処理が完了しない場合であっても、処理時間を各々独立して保証することができる。また、単に時間で処理を時分割に切り替えるのではなく、スライスもしくはマクロブロックといった符号化の処理単位で処理を切り替えるため、符号化処理としても制御が容易になる。
【0050】
また、このような映像記録装置および映像記録方法において、非リアルタイム性の符号化処理を含む場合、符号化処理に使用できる割り当て時間を固定値でなく、他のリアルタイム性の符号化処理の割り当て時間の空き時間、すなわち符号化処理の完了から、処理切り替えまでの間の時間に設定するものとしてもよい。
【0051】
非リアルタイム性の符号化処理の割り当て時間を0として、他のリアルタイム性の符号化処理の割り当て時間を計算すればよい。
【0052】
これにより、リアルタイム性のある入力映像データの各々に与える符号化処理時間を保証しつつ、非リアルタイム性の符号化処理の割り当て時間を割り当てることができる。
【0053】
また、このような映像記録装置および映像記録方法により、符号化処理を等倍以上で行いたい場合、符号化処理に使用できる割り当て時間を記録倍数に応じて、増やすことで、符号化処理を高速化することができる。
【0054】
これにより、複数のエンコード部を協調させることによりこのようなことを実現する場合と比較して、容易に符号化処理を高速化できる。また、各々の記録倍数が異なる場合であっても、複数の入力映像データの各々に与える符号化処理時間を各々独立して保証することができる。
【0055】
また、このような映像記録装置および映像記録方法によると、同じ映像入力データを各々のフレームバッファに入力することで、1つの映像データから記録設定の異なる複数の符号化データを作成できる。
【0056】
これにより、1つの映像データを記録設定の異なる複数の符号化データにしたい場合であっても、符号化対象の複数の入力映像データの各々に与える処理時間を保証することができる。
【0057】
以下、より詳しい説明が行われる。
【0058】
本発明の実施の形態の本体、および本実施の形態の変形例について、図2から図10を用いて説明する。
【0059】
図2は、実施の形態の本体、変形例のブロック構成を説明する図である。
【0060】
図3から図10は、実施の形態の本体、変形例の動作を説明する図である。
【0061】
本発明の実施の形態では、局面A1、A2、A6、A7、A8、A9、A10、A13、A14における、基本的構成および、切替パターン、エンコード処理が完了しなかった場合の制御パターンなどを説明する。
【0062】
そして、実施の形態の変形例では、局面A3、A4、A5、A11、A12、A15における、等倍以外のエンコード処理や、非リアルタイム性能のエンコード処理、および、1つの映像データから複数の符号化を作成するエンコード処理などについて説明する。
【0063】
図2に示すように、本発明の実施の形態の本体、変形例における映像記録装置1は、映像入力制御部200、フレームバッファ201、エンコード部202、ストリームバッファ203、エンコードバッファ204、エンコーダ制御部205、クロック206、第1の映像入力制御部(非記録媒体)207、第2の映像入力制御部(記録媒体)208、記録媒体209などから構成される。
【0064】
本発明の実施の形態の本体、変形例では、二つの映像データ、すなわち映像データ1(第1の映像データ)と映像データ2(第2の映像データ)を映像記録装置1が当該映像記録装置1に入力するものとする。また、映像記録装置1の出力データは、何れもH.264(H.264/AVC)で圧縮されたビデオストリーム1(第1の出力ストリーム)、ビデオストリーム2(第2の出力ストリーム)とする。
【0065】
入力映像データは、映像入力制御部200の制御により、第1の映像入力制御部(非記録媒体)207もしくは第2の映像入力制御部(記録媒体)208から、フレームバッファ201に格納される。フレームバッファ201は、バッファ1(第1のフレームバッファ2011)とバッファ2(第2のフレームバッファ2012)とから構成され、映像データ1は、第1のフレームバッファ2011へ入力される。また、映像データ2は、第2のフレームバッファ2012へ入力される。
【0066】
エンコード部202は、詳しくは、入力スイッチ2021、エンコード処理部2022、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024などから構成される。
【0067】
入力スイッチ2021は、フレームバッファ201からの読み出し手段である。また、入力スイッチ2021は、エンコーダ制御部205が出力するスイッチ切替信号に従って、その設定が切り替えられ、フレームバッファ201からの読み出しデータを、エンコード処理部2022へ入力する。入力スイッチ2021は、第1のフレームバッファ2011に格納される映像データ1と、第2のフレームバッファ2012に格納される映像データ2とのうちで、対象映像データである映像データをエンコード処理部2022へと入力する。対象映像データについては、後で詳しく説明される。
【0068】
出力スイッチ2023は、エンコード部202からの出力手段である。また、出力スイッチ2023は、エンコーダ制御部205が出力するスイッチ切替信号に従って、その設定が切り替えられ、エンコード処理部2022で生成した符号化データを、ストリームバッファ203へ出力する。具体的には、出力スイッチ2023は、生成される符号化データを、対象映像データの符号化データとして出力する。つまり、出力スイッチ2023は、対象映像データが、映像データ1である場合には、生成される符号化データを、後で詳しく説明される第1のストリームバッファ2031へと出力する。また、出力スイッチ2023は、対象映像データが、映像データ2である場合には、生成される符号化データを、後で詳しく説明される第2のストリームバッファ2032へと出力する。
【0069】
中間スイッチ2024は、エンコード部202からの一時的なデータ保存手段である。また、中間スイッチ2024は、エンコーダ制御部205が出力するスイッチ切替信号に従って、その設定が切り替えられ、エンコード処理部2022で行うエンコードに必要な情報を、後で詳しく説明されるエンコードバッファ204(第1のエンコードバッファ2041、第2のエンコードバッファ2042)へ出力する。
【0070】
ストリームバッファ203は、複数のフレームを格納できるストリームバッファを、入力映像データ数(例えば2)に応じて持つ。つまり、ストリームバッファ203は、異なる複数のフレームをそれぞれが格納する複数のストリームバッファを備える。具体的には、本実施の形態の本体では、入力映像データが2本である。このことから、ストリームバッファ203は、第1のストリームバッファ2031および第2のストリームバッファ2032の、2つのストリームバッファを持つ。そして、第1のストリームバッファ2031には、映像データ1のエンコード結果を、第2のストリームバッファ2032には、映像データ2のエンコード結果をそれぞれ一時的に保存する。保存されるこれらのエンコード結果は、最終的に、記録媒体209でそれぞれ保存される。
【0071】
エンコーダ制御部205は、クロック206と、ユーザ設定と、映像入力制御部200と、エンコード部202とからそれぞれ情報を取得する。
【0072】
なお、ユーザ設定は、例えば、予め定められた設定記憶部に記憶された設定である。ここで、この設定記憶部は、例えば、映像記録装置1が備える記憶部である。
【0073】
そして、エンコーダ制御部205は、クロック206より、映像記録装置1の動作の基準時間となる時間情報を取得する。
【0074】
また、エンコーダ制御部205は、ユーザ設定より、エンコード記録設定、切替フレーム枚数設定(記録速度)、エンコード中断時の処理設定情報を取得する。
【0075】
また、エンコーダ制御部205は、映像入力制御部200より、映像データの本数、入力映像データ解像度、入力映像データのリアルタイム性、映像入力タイミング情報を取得する。
【0076】
また、エンコーダ制御部205は、エンコード部202より、エンコーダ処理完了信号、エンコード中断時情報を取得する。
【0077】
そして、エンコーダ制御部205は、それぞれの取得される情報を入力データとして、処理時間の割り当て、処理の切替の判断をする。
【0078】
そして、エンコーダ制御部205は、これら割り当て等の処理を行うことにより、エンコード開始信号、エンコード中断信号、エンコード再開信号、エンコード中断時の処理設定情報、エンコード再開時情報、スイッチ切替信号を出力する。エンコーダ制御部205は、これらの出力をすることで、エンコード部202(の動作)を制御する。
【0079】
なお、スイッチ切替信号は、同時に入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024に対して、エンコーダ制御部205により入力される。つまり、例えば、入力スイッチ2021に入力される時刻と同じ時刻に、出力スイッチ2023等に入力される。具体的には、エンコーダ制御部205は、映像データ1をエンコード処理部2022が処理する場合は、端子Aがエンコード処理部2022に接続するように、入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024を切り替えるスイッチ切替信号を、これら入力スイッチ2021等にそれぞれ出力する。そして、エンコーダ制御部205は、映像データ2をエンコード処理部2022が処理する場合は、端子Bがエンコード処理部2022に接続するように、入力スイッチ2021等を切り替えるスイッチ切替信号を、これら入力スイッチ2021等にそれぞれ出力する。
【0080】
なお、映像データ1および映像データ2のうちで、エンコード処理部2022により処理される方の映像データは、対象映像データと呼ばれる。対象映像データは、スイッチ切替信号がエンコーダ制御部205により出力されることにより、映像データ1および映像データ2のうちの一方から、他方へと変更される。出力されるスイッチ切替信号は、その出力よりも前の時間の対象映像データを、その変更の前の一方の映像データと特定すると共に、その出力よりも後の時間の対照映像データを、その変更の後の他方の映像と特定する。
【0081】
第1の映像入力制御部(非記録媒体)207は、記録媒体を用いないで、映像データを扱うブロックである。例えば、第1の映像入力制御部207は、放送データを受信して、映像ストリームをデコードして、映像データを生成するブロック、もしくは、映像データを外部から取り込むブロックである。
【0082】
第2の映像入力制御部(記録媒体)208は、HDD、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録されたストリームデータをデコードし、映像データを生成するブロックである。
【0083】
記録媒体209は、ストリームをHDD、光ディスク、半導体メモリ等に格納しているブロックである。記録媒体209は、例えば、HDDであってもよい。
【0084】
また、エンコード処理部2022が行う符号化処理が、リアルタイム性のある符号化処理の場合は、映像入力制御部200より、映像入力タイミング情報をエンコード処理部2022へ通知する(図略)。他方、逆に非リアルタイム性の符号化処理の場合は、エンコード処理部2022より、映像入力タイミング情報を映像入力制御部200へ通知する。
【0085】
つまり、映像入力制御部は、エンコード処理部2022による処理がリアルタイム性を必要とする場合、その映像入力タイミング情報の時刻までに終了されるべき処理を、その時刻までにエンコード処理部2022に終了させる映像入力タイミング情報をエンコード処理部2022に出力する。ここで、リアルタイム性が必要とは、終了されるべき処理が、その終了がされるべき時刻までに終了することが必要であることをいう。
【0086】
また、エンコード処理部2022は、リアルタイム性が必要でない場合、処理が終了するごとに、適切なデータをエンコード処理部2022に入力させるための制御を映像入力制御部200に行わせる映像入力タイミング情報を、映像入力制御部200へと出力する。ここで、適切なデータとは、その処理の次の処理でエンコード処理部2022が利用するデータである。
【0087】
次に、本実施の形態の本体の動作について、図3から図8を用いて説明する。
【0088】
なお、本実施の形態の本体の動作の説明では、エンコード部202が1フレーム(インターレースの場合は2フィールド、プログレッシブの場合は1フレーム)の表示時間のうちに、1080I映像データを2フレーム分エンコードできる性能を持つとする。なお、1080I映像データは、有効走査線の本数が1080本である映像データである。
【0089】
また、本実施の形態の本体の動作説明では、基本的には1フレームの表示時間に、入力する二つのストリームについて、各々のストリームの1フレームをエンコード部202はエンコード処理するとする。
【0090】
本実施の形態の本体では、1回の単位時間が、映像データの個数(2個)と同じ個数の割り当て時間へとエンコーダ制御部205により分割される。ここで、単位時間は、上記される1フレームの表示時間である。そして、各映像データの処理は、その映像データの割り当て時間における実施時間の間、エンコーダ制御部205がエンコード部202に行わせる。実施時間は、その実施時間が含まれる割り当て時間の一部又は全部を占める。割り当て時間の長さは、例えば、単位時間の長さが、映像データの個数で除算された長さである。そして、割り当て時間の長さは、具体的には、例えば、エンコード部202が1フレームの処理をする時間の長さに等しい。
【0091】
図3から図8は、映像入力データ(映像データ1、映像データ2)を1080Iおよび480Iとし、出力ストリーム1を、High profile@level4.1の1080Iのインターレース信号のビットストリームとし、出力ストリーム2を、High profile@level4.1の480Iのインターレース信号のビットストリームとした例である。
【0092】
まず、入力映像データ情報として、以下の情報を、エンコーダ制御部205に当該エンコーダ制御部205が入力する。
【0093】
【表1】

【0094】
1frame当たりの映像データnの割り当て時間は、その処理の処理量が映像データの解像度および、記録速度に比例するので、以下の(式1)のように割り当て時間は割り当てることができる。
【0095】
【数1】

【0096】
time(n) :1frame当たりの映像データnの割り当て時間
frame_time :1フレーム表示時間
mb(n) :映像データnの1frame当たりのMB数
speed(n) :映像データnの記録倍数
【0097】
エンコーダ制御部205は、映像データ1が1080Iのストリームで、映像データ2が480Iのストリームであるので、mb(1)=8160,mb(2)=1350、speed(1),speed(2)=1と特定する。これらの値を、(式1)に当てはめると、下記のようになる。
【0098】
time(1)=frame_time×8160×1/(8160×1+1350×1)=frame_time×0.86
time(2)=frame_time×1350×1/(8160×1+1350×1)=frame_time×0.14
【0099】
よって、1フレームの表示時間のうち、映像データ1のエンコード処理の割り当て時間time(1)を1.7フィールド時間、映像データ2のエンコード処理の割り当て時間time(2)を0.3フィールド時間とエンコーダ制御部205は特定する。つまり、エンコーダ制御部205は、映像入力制御部200等からの情報に基いて、これら映像データ1の割り当て時間の長さと、映像データ2の割り当て時間の長さとを算出する。
【0100】
符号化処理の切替パターンは、下記の3つについて説明する。エンコーダ制御部205がスイッチ切替信号を出力するタイミングは、様々な態様であってよい。その態様に応じて、対象映像データがどのように変更される(切り替えられる)かの切替パターンが決まる。以下では、(X1)〜(X3)の3つの例が示される。
【0101】
(X1)1frame分に対して、上記割り当て時間ごとに、符号化処理を切り替える(図3)。つまり、割り当て時間が経過するごとに、スイッチ切替信号が出力されて、その割り当て時間の次の割り当て時間の映像データの処理がされる。
【0102】
(X2)1frame分完了したら、符号化処理を切り替える(図4)。つまり、割り当て時間が経過する前でも、実施時間が完了したら、スイッチ切替信号が出力される。
【0103】
(X3)Nframe分に対して、上記割り当て時間ごとに符号化処理を切り替える(図5)。つまり、割り当て時間が、エンコード部202が1フレームの処理をする時間の長さに対して、2以上の整数Nを乗じた長さの時間である。
【0104】
以下、詳しく説明される。
【0105】
まず切替パターン(X1)について説明する。
【0106】
図3は、割り当て時間ごとにスイッチ切替信号が出力される例における、映像記録装置1の処理を示す図である。
【0107】
映像入力タイミング情報(の設定)が、映像入力制御部200であるから(上記の入力映像データ情報の表を参照)、図3のように、クロック206からの時間情報より、エンコーダ制御部205が、1フィールド時間(16.7msec)毎にスイッチ切替信号を出力する(図3の上向き矢印を参照)。また、エンコーダ制御部205は、その出力と共に、エンコード開始信号を出力する。なお、ここで、1フィールド時間は、1フレーム(=2フィールド)の処理をエンコード処理部2022が行う時間である。
【0108】
エンコード部202は、スイッチ切替信号が出力されると、エンコードバッファ204より、エンコード処理部内部情報および、動き補償予測に必要な映像データなどを(必要なら)読み出して、エンコード処理を行う。エンコード処理が完了したら、エンコード部202の内部で保持している情報や、動き補償予測に必要な映像データなどを、現在の対象映像データについての次の割り当て時間が始まるまで、エンコードバッファ204にエンコード部202は退避しておく。
【0109】
現在の対象映像データの処理のうちで、現在のフレームのエンコード処理が、現在の割り当て時間内に完了すれば、図3のように、1フィールド時間毎に、エンコード部202に入力される映像データが、映像データ1、映像データ2、映像データ1・・・と切り替えられる。
【0110】
次に、切替パターン(X2)について説明する。
【0111】
図4は、実施時間が完了した時にスイッチ切替信号が出力される例における、映像記録装置1の処理を示す図である。
【0112】
また、図4のように、スイッチ切替信号が出力されるタイミングの一部を、他方のエンコード処理完了の時刻としても良い。エンコード処理が割り当て時間内に完了すれば、図4のように、1フィールド時間毎に、エンコード部202に入力される映像データが映像データ1、映像データ2、映像データ1・・・と切り替えられることになる。
【0113】
最後に切替パターン(X3)について説明する。
【0114】
図5は、割り当て時間の長さが、1フレームの処理時間(1フィールドの時間)にN(=2)を乗算した長さである例における、映像記録装置1の処理を示す図である。
【0115】
また、図5のように、切替枚数を2frameとして、スイッチ切替信号の出力タイミングを2frame分処理の時間(2フィールド時間)としてもよい。切替回数が減るため、エンコード処理部内部情報の復帰、退避の回数も減らすことができる。
【0116】
図5のように切替枚数を2frameとした場合には、2フィールド時間毎に、エンコード部202に入力される映像データが映像データ1、映像データ2、映像データ1・・・と切り替えられることになる。
【0117】
説明はしていないが、他にもNframe分完了したら、切り替えるというパターン等も存在する。
【0118】
以上のように、エンコーダ制御部205が、入力映像データ情報に基いて判断を行い、1フィールド時間に1フレーム分のエンコード処理を、切り替えながら行うことで、1つのエンコード部202から2つのストリームを出力することができる。
【0119】
先に述べたように、本実施の形態の本体の説明におけるエンコード部202の処理性能は、1080Iの映像データに関して、1フレーム表示時間に、2フレーム分処理できるものなので、通常、映像データ1のエンコード処理は、1フィールド時間に完了する。しかしながら、外部的要因などにより、1フィールド時間でエンコード処理が完了しない場合を想定する必要がある。上記のように映像サイズに応じて符号化処理割り当てを決定することで、外部的要因を考慮した処理割り当て時間とすることができる。
【0120】
仮に切替前のエンコード処理が完了していない場合、下記の制御を行う。つまり、下記の(Y1)〜(Y3)の例では、割り当て時間のうちに、その割り当て時間で処理されるべきフレームの処理のうちの一部の処理のみが完了した際の処理が説明される。
【0121】
(Y1)1frame分の処理を中断し、次の割り当て時間に再開し、残りの1frame分を符号化する(図6)。つまり、フレームの処理のうち、行われた一部の処理以外の残りの処理は、その一部の処理が行われた割り当て時間の次に、その映像データについて割り当てられる次の割り当て時間において行われる。
【0122】
(Y2)1frame分の処理を中断し、次の割り当て時間では次の1frame分を符号化する(図7)。つまり、次の割り当て時間では、残りの処理は実行されない。
【0123】
(Y3)1frame分の処理を延長して、他の割り当て時間に余裕がある場合は符号化し続ける(図8)。つまり、行われた一部の処理の割り当て時間の次に、その割り当て時間の映像データ以外の他の映像データについて割り当てられる割り当て時間において、残りの処理が行われる。すなわち、他の映像データの割り当て時間の一部(又は全部)が、その残りの処理の映像データの割り当て時間へと変更され、その映像データの割り当て時間が延長される。
【0124】
まず、制御(Y1)の場合について説明する。
【0125】
図6は、映像データの符号化の処理が、1フィールドの時間(時刻T09〜時刻T10の時間)で完了しなかった場合の処理を示す図である。なお、図6では、時刻T02a、時刻T04a、…時刻T14aも図示される。
【0126】
仮に切替前のエンコード処理が完了していない場合、エンコード中断時の処理設定情報とエンコード中断信号をエンコーダ制御部205がエンコード部202に出力する。そして、エンコーダ制御部205は、この出力の後に、エンコーダ処理完了信号およびエンコード処理中断情報の通知をエンコード部202から受けた後、エンコード開始信号をエンコード部202に出力する。
【0127】
そして、仮に、エンコード開始信号がエンコーダ制御部205により発生される時に(時刻T11)、中断されたエンコード処理(時刻T10aで中断された処理)があることがエンコーダ制御部205により特定される場合、エンコーダ制御部205は次の出力をする。つまり、エンコーダ制御部205は、この場合、エンコード開始信号ではなく、エンコード再開時情報とともにエンコード再開信号を、エンコード部202に出力する。
【0128】
切替フレーム枚数設定が1枚であるから(上記の入力映像データ情報の表を参照)、エンコード部202は、エンコーダ制御部205からのエンコード開始信号を検出すると、1フレーム分のエンコード処理を行う。エンコード部202は、H.264(H.264/AVC)の符号化方式に従ったエンコード処理をしながら、エンコーダ処理完了信号、エンコード中断時情報をエンコーダ制御部205に通知する。図6の映像データ1の画像4の処理(ピッチが広い画像4のハッチングの領域の処理)では、エンコード処理遅延が発生し、映像データ1の割り当て時間内(時刻T09〜時刻T10の時間内)に、符号化処理が完了していなかった例を示している。
【0129】
エンコーダ制御部205は、エンコードを開始してから、割り当て時間内にエンコード処理完了信号がエンコード部202からないことから、エンコード処理が完了していないと判断できる。エンコード処理がその割り当て時間内に完了していないと判断した場合、エンコーダ制御部205は、エンコード中断信号および、エンコード中断時の処理設定情報を、エンコード部202に出力する。エンコード部202は、エンコード中断信号を受けたら、そのエンコード中断信号と共にエンコード部202に出力された、エンコード中断時の処理設定情報に基いて、処理を行う。具体的には、エンコード部202は、スライスもしくはマクロブロックのうちで、出力されたエンコード中断時の処理設定情報が特定する方の符号化処理単位まで、そのエンコード処理を行う。そして、エンコード部202は、その符号化処理単位まで、エンコード処理が完了した時点で符号化処理を中断する(時刻T10a)。
【0130】
エンコード部202は、こうして、符号化処理を中断する場合、再開位置情報などのエンコード中断時情報を出力する。ただし、エンコード部202は、一部のデータ、すなわち、容量の大きいフレームバッファ201およびエンコード部202の内部で保持している情報、および、動き補償予測に必要な映像データなどの一部又は全部は、エンコードバッファ204に退避する。エンコード部202は、フレームバッファ201の空き容量が多い場合は、中断されたフレームバッファ(第1のフレームバッファ2011又は第2のフレームバッファ2012)を上書きされないよう、ガードしておいてもよい。
【0131】
エンコーダ制御部205は、エンコード中断時情報(上述)をエンコード部202から受けたら、スイッチ切替信号を出力する(時刻T10a)。これにより、エンコーダ制御部205は、入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024の各設定を、現在の設定と違う設定へと変更する。具体的には、図6の例では、エンコーダ制御部205は、時刻T10aにおいて、スイッチ切替信号を出力することにより、入力スイッチ2021等の設定を、映像データ2を処理するように、端子Bをエンコード処理部2022に接続する設定に切り替える。これにより、エンコード部202は、映像データ2の画像4の符号化処理(ピッチが狭い画像4のハッチングの領域の処理)を開始する。
【0132】
そして、エンコーダ制御部205は、映像データ2のエンコード割り当て時間が経過すると(時刻T11)、再びスイッチ切替信号を出力する。このスイッチ切替信号により、入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024の設定は、端子Aにエンコード処理部2022が接続される設定に切り替えられる。また、エンコーダ制御部205が、前回の映像データ1の処理が完了ではなく中断だった(時刻T10a)ことから、エンコード再開信号および、エンコード再開時情報をエンコード部202に出力する。これにより、中断された映像データ1の画像4のエンコード処理をエンコード部202が再開する(時刻T11〜)。このとき、エンコード部202は、エンコード再開時情報および、エンコードバッファ204のデータに基いて、映像データ2のエンコード処理で書きつぶされた状態の記憶域を、映像データ1の中断時の状態に復帰する。そして、エンコード部202は、この復帰をしてから、中断された映像データ1の画像4のエンコード処理、および、本来処理する、映像データ1の画像5のエンコード処理をする(時刻T11〜時刻T12の前半部および後半部)。ここで、記憶域は、例えば、エンコード部202の一部である。
【0133】
次に制御(Y2)について説明する。
【0134】
図7は、残りの処理が行われない例における、映像記録装置1の処理を示す図である。
【0135】
図6により説明される中断再開の処理では、符号化の処理のリアルタイム性が保証できない場合は、中断後(図6の時刻T10a)、次のピクチャにスキップして処理することで、記録データが欠落するものの、システム破綻を回避できる。その動作について図7を用いて説明する。エンコード部202へと出力される、エンコード中断時の処理設定情報に、中断時にスキップする情報をエンコーダ制御部205が付加すればよい。
【0136】
図7の映像データ1の画像4の処理(画像4の広いハッチングの領域の処理)では、エンコード処理の遅延が発生し、映像データ1の割り当て時間内(時刻T09〜時刻T10の時間内)に符号化処理が完了していなかった例を示している。
【0137】
エンコーダ制御部205は、エンコードを開始してから、割り当て時間内(時刻T09〜時刻T10の時間内)にエンコード処理完了信号がエンコード部202からないことから、エンコード処理が完了していないと判断できる。エンコード処理が完了していないと判断した場合、エンコーダ制御部205は、エンコード中断信号および、エンコード中断時の処理設定情報をエンコード部202に出力する。
【0138】
エンコード部202は、エンコード中断信号を受けたら、そのエンコード中断信号と共に出力された、エンコード中断時の処理設定情報が、スキップ設定であることから、直ちに、符号化処理を強制終了する(時刻T10a)。スキップするので、エンコード処理部2022(エンコード部202)は、エンコード処理部2022の内部で保持している情報や、動き補償予測に必要な映像データなどは、エンコードバッファ204に退避しない。
【0139】
強制終了した場合、エンコード部202は、エンコード処理完了信号をエンコーダ制御部205に出力する。
【0140】
エンコーダ制御部205は、エンコード処理完了信号をエンコード部202から受けたら、スイッチ切替信号をエンコード部202に出力する(時刻T10a)。これにより、入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024の各設定を、映像データ2を処理するように、端子Bがエンコード処理部2022に接続される設定にエンコーダ制御部205は切り替える。これにより、エンコード部202が、この切り替えに応じて、映像データ2の画像4の符号化処理(画像4のピッチが狭いハッチングの処理)を開始する。
【0141】
そして、エンコーダ制御部205は、映像データ2のエンコード割り当て時間が経過すると(時刻T11)、スイッチ切替信号を出力する。このスイッチ切替信号により、入力スイッチ2021、出力スイッチ2023、中間スイッチ2024の各設定は、端子Aにエンコード処理部2022が接続される設定に切り替えられる。また、エンコーダ制御部205が、前回の映像データ1の処理が完了だったことから(時刻T10a)、エンコード開始信号をエンコード部202に出力する。これにより、時刻T10aで中断された映像データ1の画像4の処理(広いピッチのハッチングによる画像4の領域)をスキップして(その処理の残りの処理が行われることはなく)、画像4の次の画像5のエンコード処理をエンコード処理部2022はする。このとき、エンコード部202は、例えば、エンコード再開時情報および、エンコードバッファ204よりのデータにより、映像データ2のエンコード処理で書きつぶされた状態の記憶域を、映像データ1の中断時の状態(例えば、時刻T10aの状態)に復帰する。そして、エンコード部202は、この復帰をしてから、映像データ1の画像5をエンコード処理する(画像5の広いハッチングでの処理)。
【0142】
最後に制御(Y3)について説明する。
【0143】
図8は、割り当て時間の延長が行われる際における、映像記録装置1の処理を示す図である。
【0144】
記録データの欠落が許されない場合、以下で説明されるようにして、割り当て時間を一時に変更することで、システム破綻を回避できる。その動作について図8を用いて説明する。エンコード部202へと出力される、エンコード中断時の処理設定情報に対して、エンコーダ制御部205が、中断時には延長するとの情報を付加すればよい。
【0145】
図8の映像データ1の画像4の処理(画像4の広いハッチングの処理)では、エンコード処理の遅延が発生し、映像データ1の割り当て時間内(時刻T09〜時刻T10)に、符号化処理が完了していなかった例を示している。
【0146】
エンコーダ制御部205は、エンコードを開始してから、割り当て時間内にエンコード処理完了信号がエンコード部202からないことから、エンコード処理が完了していないと判断できる。エンコード処理が完了していないと判断した場合、エンコーダ制御部205は、エンコード中断信号および、エンコード中断時の処理設定情報を、エンコード部202に出力する。エンコード部202は、エンコード中断信号を受けたら、このエンコード中断信号と共に出力されたエンコード中断時の処理設定情報が延長設定を有することから、符号化処理を継続する。具体的には、エンコード部202は、映像データ2のエンコード処理(狭いピッチのハッチングによる領域の処理)の時間から、割り当て時間を譲り受けることにより、符号化処理を継続する。ただし、譲り受けることにより延長される延長時間は、譲り渡す側である、映像データ2のエンコード処理の完了に、影響を与えない範囲で行う。延長期間内に、エンコード処理が完了したら、通常完了と同様、エンコード処理完了信号をエンコーダ制御部205はエンコード部202に出力する。
【0147】
以上のようにすることで、各映像データのエンコード処理の遅延が、その映像データ以外の他の映像データのエンコード処理に影響を与えないため、各エンコード処理の性能保証が容易となる。
【0148】
実施の形態の変形例では、先述された局面A3、A4、A5、A11、A12、A15における、等倍以外のエンコード処理や、非リアルタイム性能エンコード処理、および、1つの映像データから複数の符号化後のデータを作成するエンコード処理などについて説明する。
【0149】
変形例では、エンコード部202が、1080Iに関して、2フレーム表示時間に、1フレーム分を処理できる処理性能があるとする。
【0150】
図9は、映像データ(映像入力データ)を1080Iおよび480Iのデータとし、出力ストリーム1を、High profile@level4.1の1080Iのインターレース信号のビットストリームとし、出力ストリーム2を、High profile@level4.1の480Iのインターレース信号のビットストリームとした例である。
【0151】
まず、入力映像データ情報として、以下の情報を、エンコーダ制御部205へと、当該エンコーダ制御部205が入力する。
【0152】
【表2】

【0153】
映像データ1の記録速度が2倍速で、また、映像データ2の入力映像データのリアルタイム性はなく、映像データ2の記録速度は出来高でよいので、映像データ1の符号化処理の空き時間を、映像データ2の処理の時間として利用する。つまり、映像データ1の処理に割り当てられる第1の割り当て時間のうちで、映像データ2の処理の時間に変更されても弊害がない空き時間が、映像データ2の処理のための第2の割り当て時間に変更される(図9の狭いハッチングの領域の処理)。すなわち、先述の(式1)において、映像データ2の1frame当たりのMB数mb(2)を0とすることで、各映像データの処理時間の計算を映像記録装置1がする。これにより、1フレームの表示時間の全てを、映像データ1の符号化処理の割り当て時間として、エンコーダ制御部205は原則、特定する。エンコーダ制御部205は、映像データ1が1080Iのストリームで、映像データ2が480Iのストリームであるので、mb(2)=0であるのが反映されなければ、mb(1)=8160,mb(2)=1350、speed(1)=2,speed(2)=1となる。ただし、mb(2)=0として計算するので、下記のようになる。
【0154】
time(1)=frame_time×8160×2/(8160×2+0×1)=frame_time×1
time(2)=frame_time×0×1/(8160×2+0×1)=0
【0155】
ただし、実際のtime(2)の処理時間は下記の通りになる。つまり、上記される空き時間が含まれるように変更された変更後の第2の割り当て時間は、下記の通りである。
【0156】
frame_time−映像データ1の2frame分のエンコード処理時間
【0157】
映像入力タイミング情報(の設定)が、エンコーダ制御部205であるから、映像データ1(の偶数フレーム)の符号化処理が完了したら(時刻T02)、エンコーダ制御部205は、さらに、映像データの転送を映像入力制御部200に指示する。これにより、2倍速の符号化処理に応じた映像入力を映像入力制御部200が行う(時刻T02〜時刻T02a)。
【0158】
符号化処理の割り当て時間を倍速分だけ、乗算するように映像入力制御部200が制御すれば、上記の説明と同様に、議論を進めることができる。
【0159】
映像入力タイミング情報(の設定)がエンコーダ制御部205であるから、映像データ1(の偶数フレーム)の符号化処理が完了したら(時刻T02)、次の映像データ(奇数フレーム)をエンコーダ制御部205が用意することができる。このため、上記完了の後に、映像データ1の2回目の符号化処理をエンコード処理部2022が行う(時刻T02〜時刻T02a)。2回目の符号化処理の完了と同時にスイッチ切替信号(時刻T02aのスイッチ切替信号)をエンコーダ制御部205は出力すればよい。
【0160】
一方、映像データ2の符号化処理に関しては、映像入力タイミング情報(の設定)がエンコーダ制御部205である。このため、映像データ2の符号化処理が完了したら(時刻T12a)、映像データ2のための第2の割り当て時間の残り(時刻T12a〜時刻T13)がある限り、処理が完了したフレームデータの次のフレームデータをエンコード処理部2022が符号化する。第2の割り当て時間が終われば(時刻T13)、エンコード処理部2022が処理を中断し、映像データ1の符号化処理に、行われる処理が切り替わる。
【0161】
一方、映像データ2のエンコード処理について説明する。mb(2)=0であることから、第2の映像データについては、予め決められた、割り当て時間はない。つまり映像データ2の割り当て時間は基本的に0であるが、映像データ1のエンコード処理のアイドリング時間(空き時間)が、エンコード2(映像データ2のエンコード)のための割り当て時間となる。
【0162】
映像入力タイミング情報(の設定)がエンコーダ制御部205であるから、1frameの符号化処理が完了した時点で(時刻T12a)、新しい映像データ(次のフレームデータ)を入力するように、映像入力制御部200をエンコーダ制御部205が制御する。エンコーダ制御部205は、この制御をすることで、映像データ2の割り当て時間中は(時刻T13までは)、映像データ2のエンコード処理をエンコード処理部2022がし続けるようにする。スイッチ切替信号が発生するたびに、中断、再開の制御をエンコーダ制御部205は行う。
【0163】
以上の点を考慮して、エンコーダ制御部205は、映像データ1は、2倍速で符号化処理可能で、映像データ1を2倍速で符号化処理することを確保した上で、映像データ2のための第2の割り当て時間を適切に決定する。すなわち、エンコーダ制御部205は、その確保をする一方で、その映像データ1の処理の割り当て時間のうちの空き時間を利用して、映像データ2の符号化処理を行うよう、映像データ2のための第2の割り当て時間を決定する。
【0164】
本発明を適用することで、指定の記録速度でエンコードする符号化処理の時間を、その指定の記録速度での時間内に保証しつつ、非リアルタイム性の符号化処理をその空き時間で行うことができる。
【0165】
次に、図10は、1本の映像データを、二つの異なるストリームに記録する例を示す図である。具体的には、映像データ(映像入力データ)が1080Iのフォーマットであり、かつ、出力するストリーム1をHigh profile @ level 4.1の1080Iのビットストリーム、ストリーム2をBaseline profile @ level 1.2、QVGAのビットストリームとした例である。
【0166】
まず、映像データを第1のフレームバッファ2011に映像入力制御部200が入力する。さらに、入力された映像データをQVGAのデータに、予め定められたリサイズ部(例えば映像入力制御部200)がリサイズした後に、リサイズがされた後のデータを第2のフレームバッファ2012に上記リサイズ部が入力するように制御される。これによれば、上記の説明と同様に、議論を進めることができる。入力映像データ情報として、以下の情報が、エンコーダ制御部205に入力される。なお、リサイズの処理は、例えば公知の技術による処理であってよい。
【0167】
【表3】

【0168】
映像データ1のエンコード記録設定は、High profile@level4.1、1080Iであるのに対し、映像データ2のエンコード記録設定は、Baseline profile@level1.2、QVGAである。エンコーダ制御部205は、映像データ1が1080Iのストリームで、映像データ2がQVGA のストリームであり、かつ、両方の映像データの記録速度が1倍速記録であることを特定する。そして、エンコーダ制御部205は、この特定がされる一方で、映像データ1が1080Iのストリームで、映像データ2が480Iのストリームであることが特定されることから、(式1)より、mb(1)=8160,mb(2)=240、speed(1),speed(2)=1と特定する。
【0169】
time(1)=frame_time×8160×1/(8160×1+240×1)=frame_time×0.97
time(2)=frame_time×240×1/(8160×1+240×1)=frame_time×0.03
【0170】
よって、1フレーム表示時間のうち、映像データ1の符号化処理の割り当て時間(第1の割り当て時間)を1.9(およそ0.97×2)フィールド時間、映像データ2の符号化処理割り当て時間(第2の割り当て時間)を0.1(およそ0.03×2)フィールド時間とする。後は、前記同様の制御をエンコーダ制御部205が行うことで、適切なエンコード処理を実現することができる。
【0171】
なお、本発明の実施の形態の本体、および変形例では、二つの映像データの入力例を示した。一方で、入力できる映像データの個数は、エンコード部202の符号化処理性能、入力映像データの解像度、入力映像データのリアルタイム性能によって決定される上限の個数以下の個数であれば、2個以上であってもよい。
【0172】
このように、入力映像データの個数を増やす場合は、フレームバッファ201およびストリームバッファ203、エンコードバッファ204、入力スイッチ2021等のそれぞれの端子数を系統分、つまり入力映像データの個数分だけ追加すればよい。
【0173】
なお、本発明の実施の形態の本体、変形例では、H.264(H.264/AVC)符号化されたストリームをエンコード部202が出力するとしたが、これに限るものではない。出力されるストリームは、階層符号化されたストリームであってもよいし、また、単に、符号化されたストリームであればよい。
【0174】
なお、本発明の実施の形態の本体、変形例では、(式1)を用いて割り当て時間を計算したが、考慮するパラメータに応じて、(式1)は変更して使用することができる。
【0175】
つまり、図2により、映像記録装置1が示される。
【0176】
映像記録装置1は、映像入力制御部200と、エンコード部202と、エンコーダ制御部205とを備える。
【0177】
映像入力制御部200は、第1の映像データ(映像データ1)と、第2の映像データ(映像データ2)とを特定する。映像入力制御部200は、第1のフレームバッファ2011に映像データを格納することで、第1のフレームバッファ2011に格納された映像データを第1の映像データと特定する。また、映像入力制御部200は、第2のフレームバッファ2012に映像データを格納することで、第2のフレームバッファ2012に格納された映像データを第2の映像データと特定する。
【0178】
エンコード部202は、入力スイッチ2021と、エンコード処理部2022と、出力スイッチ2023とを備える。
【0179】
入力スイッチ2021は、後で詳しく説明されるエンコーダ制御部205によって出力されるスイッチ切替信号を取得して、取得されるスイッチ切替信号を当該入力スイッチ2021に入力する。スイッチ切替信号は、エンコード処理部2022により符号化が行われる映像データ(対象映像データ)を、第1の映像データと第2の映像データのうちの一方から、他方に変更させるタイミングを特定する信号である。スイッチ切替信号は、例えば、そのスイッチ切替信号が出力されるタイミングを、その変更のタイミングとして特定する。スイッチ切替信号は、時刻が、スイッチ切替信号が特定するタイミングよりも前であるか後であるかに応じて、前であれば、その変更の前の映像データ(例えば映像データ1)を対象映像データ(上述)として特定する。一方、スイッチ切替信号は、後であれば、その変更の後の映像データ(映像データ2)を対象映像データとして特定する。入力スイッチ2021は、第1の映像データおよび第2の映像データのうちで、対象映像データたる映像データをエンコード処理部2022に入力する。
【0180】
エンコード処理部2022は、入力スイッチ2021により当該エンコード処理部2022に入力される映像データ(対象映像データ)を符号化する。そして、エンコード処理部2022は、この符号化をした後の符号化後データを出力する。
【0181】
出力スイッチ2023は、エンコーダ制御部205によって出力される、入力スイッチ2021に入力されるスイッチ切替信号と同じスイッチ切替信号を、当該出力スイッチ2023に入力する。出力スイッチ2023は、エンコード処理部2022が出力する符号化後データをエンコード部202が外部に出力するのに際して、対象映像データが符号化された符号化後のデータとしてその出力を行わせる。具体的には、出力スイッチ2023は、対象映像データが映像データ1である場合には、出力される符号化後のデータを、第1のストリームバッファ2031に格納させる。また、出力スイッチ2023は、対象映像データが映像データ2である場合には、出力される符号化後のデータを、第2のストリームバッファ2032に格納させる。こうして、出力スイッチ2023は、対象映像データに対応する方のストリームバッファに映像データを格納させることで、その映像データを、対象映像データが符号化された符号化後のデータとして出力させる。
【0182】
エンコーダ制御部205は、スイッチ切替信号を出力する。出力されるスイッチ切替信号は、入力スイッチ2021および出力スイッチ2023にそれぞれ入力される。エンコーダ制御部205は、スイッチ切替信号を出力することで、第1の映像データおよび第2の映像データの一方から他方へと、エンコード部202により処理される映像データを変更させる。そして、エンコーダ制御部205は、この変更をさせる制御を繰り返すことにより、第1の映像データの処理と第2の映像データの処理とをエンコード部202に並行に(時分割処理で)行わせる。
【0183】
図3により、映像記録装置1の処理が示される。
【0184】
図3の横軸は、時間を示す。時刻T01〜時刻T02の時間、時刻T02〜時刻T03の時間などは、何れも、第1の映像データと第2の映像データとのうちの1つ映像データの符号化処理を継続的にエンコード部202にエンコーダ制御部205が行わせる割り当て時間である。割り当て時間は、具体的には、例えば、その割り当て時間で処理される映像データの1フレームの処理にエンコード部202が要する時間以上の長さの時間である。例えば、エンコード部202は、1フィールド時間(図3の最上段を参照)のうちに、インターレース信号の1フレームを構成する2つのフィールドの処理を行う。このため、図3の例では、割り当て時間は、図3の最上段に示されるように、1フィールド時間の長さと同じ長さの時間である。
【0185】
図3の最下段の「スイッチ切替信号出力タイミング」の欄における上向きの矢印線は、エンコーダ制御部205がスイッチ切替信号を出力するタイミングを示す。
【0186】
図3の下から2段目の欄のグラフは、入力スイッチ2021等の各スイッチの動作を示す。グラフが高い値をとる時間の間においては、対象映像データが第1の映像データであり、入力スイッチ2021が第1の映像データをエンコード処理部2022に入力する。また、グラフが低い値をとる時間の間は、対象映像データが第2の映像データであり、入力スイッチ2021が第2の映像データをエンコード処理部2022に入力する。つまり、グラフが高い値をとる時間の間は、エンコード部202が第1の映像データの処理をする。また、グラフが低い値をとる時間の間は、エンコード部202が第2の映像データの処理をする。
【0187】
図3の下から3段目の欄は、ピッチの広いハッチングの各領域により、第1の映像データが処理される各第1の実施時間が示される。また、ピッチの狭いハッチングの各領域により、第2の映像データが処理される各第2の実施時間が示される。
【0188】
実施時間は、その実施時間を含む割り当て時間(例えば時刻T01〜時刻T02)のうちの一部又は全部を占める。
【0189】
割り当て時間は、その割り当て時間の開始の時刻にスイッチ切替信号が出力されると共に、そのスイッチ切替信号の次のスイッチ切替信号が、その割り当て時間の終了の時刻に出力される時間である。そして、割り当て時間は、第1の映像データと、第2の映像データとのうちで、その割り当て時間に対応する映像データが、その割り当て時間のうちに処理される時間である。
【0190】
なお、これらの事項については、図4等においても同様である。
【0191】
図11により、映像記録装置1のフローチャートが示される。
【0192】
ステップS1では、エンコード処理部2022が、入力スイッチ2021により入力される対象映像データを符号化し、符号化された符号化後のデータを、出力スイッチ2023を介して出力する。
【0193】
ステップS2では、エンコーダ制御部205が、対象映像データを変更させるか否かを判定する。そして、エンコーダ制御部205は、終了させないとの判定をした場合(ステップS2:NO)、続けて、現在の対象映像データの符号化の処理を映像記録装置1に行わせる(ステップS1)。
【0194】
ステップS3では、終了させるとの判定がステップS2でされた場合に(ステップS2:YES)、エンコーダ制御部205が、現在の対象映像データの次に処理される次の対象映像データの処理の全てが映像記録装置1によって完了されたか否かを判定する。なお、次の映像データの処理が終了したと判定される場合(ステップS3:NO)、映像記録装置1は、例えば、図11の処理を終了してもよい。
【0195】
ステップS4では、次の映像データの処理が終了していないとステップS3で判定される場合に(ステップS3:YES)、エンコーダ制御部205が、スイッチ切替信号を出力する。エンコーダ制御部205は、この出力をすることにより、続くステップS1の処理において、次の映像データの処理をエンコード部202に行わせる。
【0196】
なお、ステップS2の判定は、終了させるとの判定がされる場合に(ステップS2:YES)、スイッチ切替信号が出力され、終了させないとの判定がされる場合には(ステップS2:NO)、スイッチ切替信号が出力されない判定である。つまり、ステップS2の判定では、スイッチ切替信号を出力するか否かがエンコーダ制御部205により判定される。
【0197】
このような図11の処理により、映像記録装置1は、次の処理を行う。
【0198】
第1のステップS1では、エンコード処理部2022が、第1の映像データの符号化処理を行う(例えば図3の時刻T03〜T04)。
【0199】
次に、第1のステップS4では、エンコーダ制御部205が、第1のステップS1における符号化処理が終了した後に、対象映像データを、第2の映像データに変更させる(時刻T04)。
【0200】
次に、第2のステップS1では、エンコード処理部2022が、第1のステップS4で変更された変更後の対象映像データ(第2の映像データ)の符号化処理を行う(時刻T04〜時刻T05)。
【0201】
次に、第2のステップS4では、エンコーダ制御部205が、第2のステップS1における符号化処理が終了した後に、対象映像データを、さらに次の映像データ(第1の映像データ)に変更させる(時刻T06)。
【0202】
次に、第3のステップS1では、エンコード処理部2022が、第2のステップS4で変更された変更後の対象映像データ(第1の映像データ)の符号化処理を行う(時刻T06〜時刻T07)。
【0203】
このような処理が繰り返されることにより、第1の映像データの処理と、第2の映像データの処理とが並行に(時分割処理により)行われる。
【0204】
このようにして、符号化処理部(エンコード処理部2022)が、映像データの符号化処理を行う。また、エンコーダ制御部(エンコーダ制御部205)が、第1の映像データについての予め定められた割り当て時間(例えば図3の時刻T03〜時刻T04)以外の他の時間(時刻T04〜時刻T05、時刻T02〜時刻T03など)に、第1の映像データとは異なる第2の映像データの符号化処理を前記符号化処理部に行わせる。ここで、当該割り当て時間では、前記第1の映像データの符号化処理を前記符号化処理部に行わせる。このような映像記録装置が構成される。
【0205】
なお、以上のように説明された各技術事項は、それぞれ、その技術事項が記載された箇所以外の他の箇所に記載された他の技術事項と、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜組み合わせられてよい。
【産業上の利用可能性】
【0206】
以上のように、本発明の映像記録方法および映像記録装置は、あらゆる映像を光ディスクや半導体メモリ、ハードディスク等に圧縮して、記録する映像記録装置に有効である。
【符号の説明】
【0207】
200 映像入力制御部
201 フレームバッファ
202 エンコード部
203 ストリームバッファ
204 エンコードバッファ
205 エンコーダ制御部
206 クロック
207 第1の映像入力制御部
208 第2の映像入力制御部
209 記録媒体
2011 第1のフレームバッファ
2012 第2のフレームバッファ
2021 入力スイッチ
2022 エンコード処理部
2023 出力スイッチ
2024 中間スイッチ
2031 第1のストリームバッファ
2032 第2のストリームバッファ
2041 第1のエンコードバッファ
2042 第2のエンコードバッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像データが入力される映像入力部と、
前記映像入力部から入力される複数の前記映像データの各々を格納するフレームバッファと、
映像データを符号化処理する符号化処理部と、
前記フレームバッファに格納された複数の前記映像データのうちで、どの映像データを前記符号化処理部が符号化処理するかを制御するエンコーダ制御部とを備え、
前記エンコーダ制御部は、複数の前記映像データの各々の符号化処理に与える割り当て時間を決定し、前記割り当て時間が経過すると、当該割り当て時間の符号化処理の映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する映像データに、前記符号化処理部により符号化される対象映像データを切り替える映像記録装置。
【請求項2】
前記エンコーダ制御部は、映像データの第1の所定単位の符号化処理に与える割り当て時間を切り替える請求項1記載の映像記録装置。
【請求項3】
前記エンコーダ制御部は、符号化対象の映像データの各々の解像度情報を、入力映像データ情報として入力し、入力される前記解像度情報を用いて、その解像度情報の映像データの前記割り当て時間を切り替える請求項2記載の映像記録装置。
【請求項4】
前記エンコーダ制御部は、映像データをリアルタイムに符号化すべきか、非リアルタイムで符号化すべきかを、入力映像データ情報として入力し、入力される映像データ情報を用いて、当該映像データの前記割り当て時間を切り替える請求項2記載の映像記録装置。
【請求項5】
前記エンコーダ制御部は、前記割り当て時間が経過すると、その経過の時までに前記符号化処理が完了しているべき、前記映像データにおける第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了している場合は、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切り替え信号を出力する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項6】
前記エンコーダ制御部は、前記割り当て時間が経過する前に、当該割り当て時間が経過するまでに前記符号化処理部が符号化処理中を完了しているべき、前記映像データにおける第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了したことを確認すると、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切り替え信号を、前記経過の時よりも前に出力する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項7】
前記エンコーダ制御部は、前記割り当て時間が経過すると、当該割り当て時間が経過するまでに前記符号化処理部が符号化処理中を完了しているべき、映像データにおける第1の所定単位の符号化処理を前記符号化処理部が完了していない場合は、前記符号化処理部が現在符号化処理中の、当該第1の所定単位に含まれる第2の所定単位の符号化処理の完了を待ってから、現在符号化処理中の前記映像データの符号化情報を符号化再開情報として予め定められた記憶領域に退避し、当該退避の後に、当該映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切替信号を出力する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項8】
前記エンコーダ制御部は、前記割り当て時間が経過すると、当該経過までに前記符号化処理部が符号化処理を完了しているべき、映像データにおける第1の所定単位の符号化処理が完了していない場合は、当該割り当て時間のうちに既に前記符号化処理部が符号化処理を完了している、当該第1の所定単位に含まれる第2の処理単位の符号化情報を符号化再開情報として予め定められた記憶領域へ退避してから、当該割り当て時間の前記映像データの次に前記符号化処理部が符号化処理する次の映像データに前記対象映像データを切り替えるための切り替え信号を出力する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項9】
前記第2の所定単位は、1以上の当該第2の所定単位によって前記第1の所定単位を構成し、当該1以上の第2の所定単位のそれぞれが符号化処理されることにより、前記第1の所定単位が符号化処理される処理単位である請求項7記載の映像記録装置。
【請求項10】
前記符号化処理部は、符号化処理する対象の映像データについての、当該符号化処理の直前の符号化処理において、当該映像データの第1の処理単位の符号化処理の全てが完了している場合は、当該映像データにおける当該第1の処理単位の次の第1の処理単位の符号化処理を開始し、前記直前の符号化処理において、前記第1の処理単位の符号化処理の全てが完了していない場合は、前記直前の符号化処理において当該符号化処理部が予め定められた記憶領域に退避した符号化再開情報を用いて、前記直前の符号化処理を再開する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項11】
前記第1の所定単位は、M枚(M=1、2、3の自然数)のピクチャから構成される請求項2記載の映像記録装置。
【請求項12】
前記第1の所定単位は、各々異なるM枚を選択できる請求項11記載の映像記録装置。
【請求項13】
前記エンコーダ制御部は、映像データが前記符号化処理部に入力されるタイミングを制御する予め定められた入力制御部に対して、当該タイミングを指示する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項14】
前記第2の所定単位は、符号化の最小単位である複数のマクロブロックから構成されるスライス、もしくは、符号化の最小単位であるマクロブロックである請求項9記載の映像記録装置。
【請求項15】
前記エンコーダ制御部は、前記割り当て時間が経過すると、当該経過までに前記符号化処理部が符号化処理を完了しているべき、映像データにおける第1の所定単位の符号化処理が完了していない場合は、当該映像データ以外の他の映像データの前記符号化処理部による符号化処理の前記割り当て時間に含まれる時間を、割り当て時間が経過した前記映像データの割り当て時間に追加して、当該映像データの割り当て時間を延長する請求項1記載の映像記録装置。
【請求項16】
前記符号化処理部は、符号化処理する対象の1つの映像データを、互いに異なる複数の記録設定で符号化し、複数のストリームデータを生成する請求項1記載の映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−272993(P2010−272993A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121445(P2009−121445)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】