説明

映像送出システム、収録管理方法、およびビデオサーバ

【課題】 オペレータに負担をかけることなく、速やかにビデオサーバに収録されたコンテンツを差し替えることが出来る映像送出システム、収録管理方法、およびビデオサーバを提供する。
【解決手段】 ビデオサーバ3は、自装置の記憶手段に記憶中のコンテンツのファイルを差し替えるコピーコマンドを受信した場合、映像収録装置5から当該コンテンツを入力し、そのファイル名を一旦仮の名称にして自装置の記憶手段に書き込み記憶した後、自装置がオンエアやスタンバイなどのタイミングにない時に仮の名称を番組時刻表Tに設定されたコンテンツ本来のファイル名称に書き替えることにより収録したコンテンツを差し替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局で使用する放送信号送出用の映像送出システム、ビデオサーバおよびその収録管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局では、繰り返し放送されるコンテンツは、例えば、広告放送では、CMバンクを構成するVTR等の記録装置から所要のCMスポット(番組用)に編集された広告番組のコンテンツがビデオサーバに収録される。そして、所定の放送の番組時刻表であるイベント制御プログラムに従ってAPCがビデオサーバから所定のコンテンツを読み出して送信機へ向けて送出することにより放送される。
【0003】
コンテンツは、ファイル名によって管理され、繰り返して放送に使用されるものは、イベント制御プログラムでは同じファイル名で管理され、放送される毎に同じファイルがビデオサーバから読み出されて使用される。しかし、このコンテンツファイルは、収録中、またはその前後に発生した、例えば、番組の出だしが一部欠落したり、ノイズが入る等の不具合が、収録後放送前のチェックで発見されることがある。
【0004】
このようなトラブルがあるファイルは、ビデオサーバから削除、又は上書きされることにより、正しく修正されたファイルに差し替えられる。従来、ファイルの差し替えは、オペレータが番組時刻表を参照し、放送時間に再収録作業が重ならないよう見計らって、コンテンツの映像収録装置(VTR等)、例えば、広告番組で有ればCMバンクから、番組送出用のビデオサーバへ修正ファイルをコピーする再収録を行っている。
【0005】
修正ファイルの作成は、ニュースに使用する取材映像を代表として内容を速やかに書き換えて編集する必要があり、コンテンツを作成する映像収録装置がコンテンツファイルを速やかに修正して再作成するための編集方法が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0006】
しかし、ビデオサーバへ映像収録装置から再作成されたファイルの転送とコピー(収録)をするには時間がかかるため、差し替えの収録中に次の放送タイミングが来てしまうような放送事故が発生する問題があった。また、オペレータが、重複自体を避けるためにビデオサーバでの収録と同時に放送タイミングを同時に管理しなくてはならず負担が大きい問題があった。
【特許文献1】特開2004−135315号公報 (第47頁、第1図、第49頁、第12図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、番組送出用のビデオサーバに蓄積された放送番組のコンテンツファイルを差し替える場合、ファイルの転送とコピーには時間を有するため、差し替えの収録中に次の放送タイミングが来てしまい、所定のコンテンツが送出できないような放送事故が発生する問題があった。また、オペレータがビデオサーバの収録と同時に放送タイミングを同時に管理しなくてはならず負担が大きい問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、オペレータに負担をかけることなく、速やかにビデオサーバに収録されたコンテンツを差し替えることが出来る映像送出システム、収録管理方法、およびビデオサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の映像送出システムは、映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムにおいて、前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、前記ビデオサーバが前記収録するファイルを指定するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって入出力する第1のファイル入出力手段とを備える映像収録装置、および前記映像収録装置に前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入出力する第2のファイル入出力手段と、前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、前記コマンド入力手段により前記コピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して当該ファイルを入力し、前記入力されたコピーコマンドに指定された前記コンテンツのファイル名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定のファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを有するビデオサーバとを具備することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の映像送出システムの収録管理方法は、映像収録装置と、APCと、ビデオサーバと、映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを指定して前記ビデオサーバの記憶手段に書き込み記憶するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段とを備え、映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを前記記憶手段から読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムの収録管理方法において、前記映像収録装置は、放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかのファイル入出力手段によって入出力し、前記APCは、前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出させる第1のコマンドを出力し、前記映像収録装置に前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかのファイル入出力手段によって入出力して記憶手段に書き込み記憶する前記ビデオサーバは、前記コマンド入力手段により前記ビデオサーバが前記収録するファイルを指定するコピーコマンドが入力された場合、前記ファイル入出力手段を介して前記映像収録装置から当該ファイルを入力すると共にそのファイル名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変える収録管理を行うことを特徴とする。
【0011】
更にまた、本発明のビデオサーバは、前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、前記ビデオサーバが前記収録するファイルのいずれかを指定してコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって入出力する第1のファイル入出力手段とを備える映像収録装置、および映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバとを備える放送用の映像送出システムのビデオサーバにおいて、前記映像収録装置に前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入出力する第2のファイル入出力手段と、前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、前記コマンド入力手段により前記コピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して当該ファイルを入力し、前記入力されたコピーコマンドに指定された前記コンテンツのファイル名称を仮のファイル名に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名を前記仮のファイル名から前記コンテンツのファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、オペレータに負担をかけることなく、速やかにビデオサーバに収録されたコンテンツを差し替えることが出来る映像送出システム、収録管理方法およびビデオサーバを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る映像送出システムの構成を示す系統図である。
図1において映像送出システムは、APC(自動番組創出設備:Automatic Program Controller)1、制御卓2、ビデオサーバ3、スイッチャ4、映像収録装置5、および前記各構成の間に設けられ、それら制御の制御信号を伝送するネットワーク6と局内時計7とを具備している。
【0015】
また、上記構成に加えてスイッチャ4とビデオサーバ3および映像収録装置5とビデオサーバ3との間が伝送ラインLにより映像情報が入出力するよう接続され、スイッチャ4から送信器へ向けてコンテンツの映像信号が出力される。
【0016】
映像収録装置5は、広告番組、ドラマ、スポット、ニュース等の編集された映像の放送用コンテンツを収録するものである。このコンテンツは、「BAA1」の様なファイル名称が付与され、映像収録装置5からビデオサーバ3へ記憶媒体、又は伝送ラインLを介して入力されコピー、保存される。
【0017】
局内時計7は、映像送出システムのAPC1、ビデオサーバ3、スイッチャ4等の放送局内の各装置が同期して動作するための基準の時刻情報を出力するものである。時刻情報は、局内時計7から図示されないクロックラインにより上記の各構成に供給されて各装置内の内部時計としてされるか、または、適宜各装置の内部時計と局内時計7との所定の時刻合わせによる同期処理が行われる。
【0018】
APC1は、図示されない上位のデータサーバから供給される番組時刻表Tに従ったイベント制御プログラムにより各構成の動作を制御し、所定のコンテンツをビデオサーバ3からスイッチャ4を介して送信機へ向けて出力する制御を行う。この制御は、APC1が番組時刻表Tと局内時計7とを参照して各構成を制御する制御信号をネットワーク6を介して各構成へ伝送することにより行われる。
【0019】
制御卓2は、オペレータがAPC1が番組送出制御をするため必要な動作コマンドや、番組データ等を入力する入力手段で有ると共に、映像収録装置5からビデオサーバ3へコピーするコンテンツ名称の入力やコピーコマンド等の入力にも使用される。
【0020】
ビデオサーバ3は、放送(オンエア)に先駆けて、予め、コンテンツのファイル群F1を自己の記憶手段に記憶している。そして、APC1からの、例えばオンエアのコマンドにより、ファイル群F1から所定のコンテンツ名のファイルをスイッチャ4を介して送信器へ向けて送信する。また、ファイ群F1中のコンテンツは、映像収録装置5で編集されたものが記憶され、必要に応じて修正、差し替えが行われる。
【0021】
このコンテンツの差し替えは、制御卓2から入力されるか、映像収録装置5の図示されない入出力手段から入力されるか、またはビデオサーバ3の備える入出力手段からオペレータにより入力されるコピーコマンドによって行われる。
【0022】
図2は、放送局のAPCが使用する番組時刻表の一例である。
図2において、番組時刻表Tは、番組中時刻に合わせて送信コンテンツをどの様に切り替えて出力するかのイベントを表示している。
【0023】
ニュースのスタジオカメラは、コンテンツ表示として「CAMERA」、広告番組は「BAA1」、取材映像は「WE01」として名付けられ、これらのコンテンツ名のうち「BAA1」と、「WE01」は、予め映像収録装置5で編集作成される。取材映像「WE01」は、当該ニュースだけでなく後の時刻に放送されるニュースにおいて繰り返し使用されるシーンのコンテンツであってビデオサーバ3に蓄積収録されている。
【0024】
例えば18:30からニュースの番組が放送されカメラ映像「CAMERA」が出力されるがその番組中18:35:00になると一旦1分間の広告放送「BAA1」が入る。そして、カメラ映像の放送に続いて18:40:00から2分間の取材映像「WE01」が放送され、18:50:00からまた同じ広告放送「BAA1」が行われる予定であることが設定されている。
【0025】
もし、これらのコンテンツの内容が修正、もしくは変更されて差し替えられる場合であっても、番組時刻表T上には変更が無く、ビデオサーバ3で差し替えられるコンテンツファイルは同一名を保ったままで無ければならない。
【0026】
図3は、ビデオサーバの構成を説明する機能ブロック図である。
図3においてビデオサーバ3は、ネットワーク6に接続され、コマンド等の制御信号が入出力する制御I/F31、伝送ラインLを介してデジタル映像データが入出力するインタフェースのビデオI/F32、データやファイルF1を記憶蓄積する記憶手段の記憶部33、そして記録媒体とのデータや、自装置の動作設定や映像モニタを行う入出力部34、制御部35、これらの各構成の間を接続して情報を伝送する内部バス36、内部時計37とを備えている。制御部35は、各構成との間で情報、データ等を入出力し映像入出力とファイル管理に係わる処理、および制御監視を行う。
【0027】
次に図3を参照して、ビデオサーバ3による映像情報の処理概要を説明する。
ビデオサーバ3の記憶部33には、オンエアに備えて放送の、例えば2−3日前からコンテンツ、例えば、図1におけるファイルF1が「BAA1」、「WE01」等の名前で蓄積される。仮に広告放送のコンテンツのファイル「BAA1」が予め放送前にモニタチェックされて異常が有った場合、またニュース番組の報道記録のファイル「WE01」の内容が修正変更される場合、同じ名称の修正ファイル「BAA1」等が映像収録装置5で再作成される。
【0028】
そして、この修正ファイルがビデオサーバ3へ入力され、既に記憶部33に記憶されている「BAA1」を上書きして記憶される。
【0029】
ビデオサーバ3へコンテンツを入力する方法は、大別して2つある。第1は、映像収録装置5で収録されたファイルが半導体やディスク等の記憶媒体によってビデオサーバ3の入出力部34の記憶媒体入出力手段に挿入され、入出力部34のキーボード等からのコピーコマンド入力があると、制御部35の制御により内部バス36を介してファイルは、記憶部33へ転送され書き込まれ記憶される。
【0030】
第2の方法は、映像収録装置5の図示されない入力手段からネットワーク6を介してビデオサーバ3へ、例えば、コンテンツ「BAA1」のコピーコマンド(例えば、COPY:BAA1)が入力されるか、又は、制御卓2からネットワーク6を介して映像収録装置5とビデオサーバ3とへコンテンツ「BAA1」のコピーコマンドが入力されると、伝送リンクLを介して映像収録装置5とビデオサーバ3とがデータ転送出来る状態になる。
【0031】
そして、映像収録装置5からコンテンツ「BAA1」が読み出されて伝送ラインLを介してビデオサーバ3へファイル転送が行われ、ビデオI/F32を経て入力されたファイルは、制御部35により内部バス36を介して記憶部33へ書き込まれる。
【0032】
第1、第2のいずれの方法でも、ビデオサーバ3がファイルを読み出しで記憶部33へ書き込むのには、オペレータがコピーコマンドを入れる操作時間を含めると、数秒から数分以上時間を要する。従って、従来は、オペレータが番組時刻表と照合して当該ファイルの放送予定を調べてからこの書き込み時間を見積ってコピー作業を行っていた。その結果、見積りを間違うと、コピー中に放送開始タイミングになり送信停止の放送事故が発生する場合もあった。
【0033】
再び、本発明の実施例1におけるコピー手順、映像の収録管理処理について説明する。今、ニュース番組の18:33:00にカメラのアナウンサ映像を放送中、追加情報が入り、映像収録装置5で取材映像にインタビュー画面を追加した修正コンテンツ「WE01」が作成され、映像収録装置5のオペレータが、修正コンテンツに差し替えるためにコピーコマンド(例えば、COPY:WE01)を入力することになったとする。
【0034】
差し替えを行う場合のコピーコマンドは、通常のコピーコマンド(例えば、COPY:ファイル名)に、差し替えを意味するRを付加した例えば、(RCOPY:ファイル名)とするか、又は、通常のコピーコマンドを差し替えにも共用する方法でも良い。
【0035】
つまり、制御部35は、コピーコマンドを受信すると記憶部33が記憶中のファイルの名称を検索して、同一名称のファイルが有る場合いは上書きを行い、無い場合には記憶部33に新たな名称のファイルを書き込み記憶する。以下では、最初に差し替えのためのコピーコマンドでも、最初のコピー(保存)を指示する場合でも同じコピーコマンド(COPY:ファイル名)で書き込み記憶の動作を行う場合を例にして説明する。
【0036】
ここでコンテンツファイルの転送、コピー(書き込み記憶)に1分かかるとする場合、図2においてコマンド入力タイミングが18:39:00を過ぎている場合、従来の映像送出システムでは、ビデオサーバ3は、放送に備え放送出力開始の1分間からスタンバイに入るので、コピー可能なタイミングでは無い。従来の場合、オペレータは、局内時計7を参照して、余裕が無いタイミングで有ればコマンド入力を中止し、18:42:00に未修整のコンテンツWE01が放送終了後、改めてコピーコマンドを入力してからコンテンツファイルが上書きされ、差し替えられる手順になっていた。
【0037】
実施例1では、ビデオサーバ3がコピーコマンドを受信した場合、コンテンツファイルを受信し、仮の名称で直ぐに一旦書き込み記憶する。そして、余裕のある、スタンバイやオンエア中でないタイミングにファイル名を書き換えることにより、オペレータは、このコマンド入力タイミングを意識することなく修正作業が終了次第、差し替ええのためのファイルのコピーコマンドを入力することを可能にしている。
【0038】
図4は、ビデオサーバ3の処理手順を説明するフローチャートである。
図4において、APC1に番組時刻表Tが設定され、ビデオサーバ3からの出力されるコンテンツの出力時刻(タイミング)を制御する情報が書き込み記憶される(ステップs0)。
【0039】
APC1は、番組時刻表Tに設定されたビデオサーバ3がイベントを実施する時刻になると、スタンバイや、オンエアのコマンドをネットワーク6を介してビデオサーバ3へ出力(送信)する(ステップs0―1)。
【0040】
一方、ビデオサーバ3は、電源投入後、制御卓2、映像収録装置5、または自装置の入出力部34などいずれかからの“コピー”コマンドか、APC1から“スタンバイ”か、“オンエア”のコマンドを待つ待機状態になる(ステップs1)。そして、ビデオサーバ3はコマンドに応じた動作を開始する。
【0041】
ここで、ビデオサーバ3は、オペレータに入力されたコピーコマンド(例えば、上記の取材映像「COPY:WE01」)を、例えば、制御卓2からネットワーク6と制御I/F31とを介して受信したとする(ステップs2)。
【0042】
ビデオサーバ3の制御部35は、続いてコピーコマンドに指定されたコンテンツ「WE01」のファイルをビデオI/F32と伝送ラインLとを介して映像収録装置5から受信し、仮の名称であることを意味する「KARI#」を「WE01」に付加し、記憶部33へ「KARI#WE01」というファイル名でリネームして書込み記憶する(ステップs3)。
【0043】
書き込みに要する時間は、ファイル転送時間や、記憶部33のディスク装置等へのアクセス時間がかかる。従来オペレータは、ビデオサーバ3が動作中でないことを確認してコピーコマンドを入力していたが時間の見積もり間違いを起こすなど問題があった。
【0044】
しかし、実施例1では、ビデオサーバ3にファイルを読み出し(再生)中に別のファイルを書き込み(記録)が可能であるものを用いてこの問題を避けている。言い換えれば、制御部35は、オンエアのための「WE01」ファイル読み出し出力中であっても、別名のファイル「KARI#WE01」を書き込む制御(アクセス処理)をすれば、差し替え用のファイルを記憶部33に書き込み記憶することが出来るのでオペレータは、オンエア中か否かの動作状態を意識せずにためにコピーコマンドを入力することが出来る。
【0045】
そして、制御部35は、「KARI#WE01」の書き込み記憶が終了すると、“スタンバイ”又は、“オンエア”でなければ(ステップs4がNO)、ファイル名を「KARI#WE01」に書替える(リネームを行う。)(ステップs6)ことにより差し替え準備を行う。
【0046】
反対に、“スタンバイ”又は、“オンエア”のコマンドを受信して“スタンバイ”又は、“オンエア”(ステップs4がYes)状態にあると、“スタンバイ”又は、“オンエア”終了を待ち(ステップs5)、終了次第、コンテンツのファイル名「KARI#WE01」を本来の「WE01」に書き替えるリネームを行う(ステップs6)ことによって元の「WE01」の上書きを行い差し替えを完了する。
【0047】
もし、コピーコマンドに差し替えを行う場合「RCOPY」を用いて使い分けるのであれば、以上の説明でコピーコマンド「COPY」を差し替えコピーコマンド「RCOPY」に読み替えれば良い。
【0048】
また、上記説明では、制御部35はコピーコマンド「COPY」を受信したときに記憶部33に既に同一名称のファイルの有無に係わらず一旦仮の名称でファイルを書き込み記憶した。先に述べたコピーコマンドを受信した後に既存の同一ファイル名があるかないかを調べるようにする場合には、図4のステップs2とステップs3の間で、同一ファイル名の有無を調べる。
【0049】
そして、同じものが有る場合に上記と同様に仮のファイル名で一旦書き込み記憶する手順を実行すればよい。無い場合には、仮の名称で一旦書き込むことなく、そのままの名称で書き込み記憶すればよい。
【0050】
なお、差し替えを行う場合、通常のコピーコマンドを用い、「COPY:KARI#WE01」の様にオペレータが一旦仮のファイル名称にして書き込み記憶させ、ビデオサーバ3の制御部35が「KARI#」をファイル名から読み出した場合、仮のファイル名で記憶している処理と判断して、その後は図4のステップs4以降を実行するようにしたものであっても良い。
【0051】
ところで、コマンド受信後のスタンバイ、オンエアへの動作モード切替は、映像送出システムで揃って映像切換を行うために局内時計7を基準とするクロックから生成されるスタンバイ、又はオンエアの同期情報によって行われる。従って制御部35は、その同期タイミングまでの時間を現在の時刻と比較することによって余裕時間の有無を調べることが出来る。
【0052】
そして、“スタンバイ”又は、“オンエア”のコマンドを受信している場合であっても、それらの動作に入るまでに、リネーム自体は1フレーム以下の時間で瞬時に終了するので、制御部35は、画面表示1フレーム相当(33msec)以上の余裕時間があれば、(ステップ5−1がYesの場合)にリネームを行う(ステップs6)様に制御しても良い。
【実施例2】
【0053】
本発明の実施例2では、APC1から出力されるスタンバイ、オンエア等のコマンドには、次のイベントの動作を指定するコマンド予定情報が付与されることによって、ビデオサーバ3が再生中の記録が出来ないものであっても良いこと以外は、実施例1と同様である。
【0054】
実施例2に係わる映像送出システムでは、APC1からビデオサーバ3に対するコマンドに所定の時間内(例えば、15分)に引き続きコマンドを予定がある場合に、準備情報を出力する。例えば、広告放送のオンエア終了後、続いて5分後に同じ広告番組を出力する様なオンエアコマンドの準備情報、もしくはその広告番組の繰り返しオンエア前のスタンバイコマンドが用意されていることが準備情報として出力されるものである。
【0055】
この準備情報によってビデオサーバ3は、コピーコマンドを受信した場合、準備情報があれば、書き込み動作を行わず、準備情報が無いか、別途、準備情報に対する動作を無効とするコマンドを受付けた場合に書き込みを行うようにする。
【0056】
図5は、実施例2における映像送出システムの動作手順を示すフローチャートである。 図5において、ステップs0−1では、動作コマンドとそれ以降に予定されるイベントを動作させるコマンドがビデオサーバ3へ送信される。例えば、オンエア終了のコマンドと、続いて数分後に繰り返してオンエアする場合には、そのスタンバイコマンドとが、「END:WE01,SB:WE01」の様にAPC1からビデオサーバ3へ向けてネットワーク3を介して送信される。
【0057】
ビデオサーバ3の制御部35は、「WE01」のコンテンツの出力(即ち、オンエア)を終了すると共に、その後のスタンバイのコマンドを読み出して準備情報(ここでは、SB:WE01)を、ワークメモリ(図示せず)に記憶する(ステップs1−1)。
【0058】
ここで、コピーコマンドを受信した場合(ステップs2)と、制御部35は、準備情報が有るか(記憶されている)否かを調べて無い場合(ステップs2−1がNo)には、更にスタンバイかオンエアの動作中か否かを調べる。そして、それらの動作中でなければ(ステップs4がNo)であれば、コンテンツWE01を伝送ラインLを介して受信し、記憶部33へ「KARI#WE01」というファイル名称にして書き込み記憶する処理を行う(ステップs31)。
【0059】
そして、書き込み終了後、再び自装置が、スタンバイ、又はオンエア状態で無ければ(ステップs41がNo)、当該ファイル名を「KARI#WE01」から仮のファイル名とするための「KARI#」を削除し、「WE01」に書き替えて(ステップs6)差し替えを終了する。
【0060】
一方、準備情報がある場合(ステップs2−1がYes)、待機状態になり(ステップs5)、適宜時間が経過後に準備情報の有無を同様に調べて準備情報が無くなれば、次に自分の動作状態を調べる。もし、スタンバイ又は、オンエア状態であれば、(ステップs4がYes)待機(ステップs5)してそれらの動作中で無くなる(ステップs4がNo)まで待つ待機(ステップs5)する。
【0061】
その後、「KARI#WE01」というファイル名称のファイルを書き込み記憶する処理を行い(ステップs31)、自装置の動作状態を調べ、スタンバイ、又はオンエア状態となった(ステップs41がYes)場合には、スタンバイ、又はオンエア状態で無くなる(ステップs41がNo)まで待機(ステップs51)する。そして、ファイル名を「WE01」に書替えて(ステップs6)差し替えを終了する。
【0062】
なお、この方法であっても実施例1のステップs5−1以降と同様に、イベント動作開始までに1フレーム以上の余裕時間があることを判別出来る場合には、本来のコンテンツのファイル名に書き替える様にしても良い。
【0063】
実施例2では、書き込みとオンエアなどの動作が同時に発生しないよう着実に処理を行うことにより、ビデオサーバ3が再生中記録を出来ない機種でもオペレータに負担をかけることなく放送事故を防ぎ、コンテンツ差し替えを行うことが出来る。
【実施例3】
【0064】
図6は、実施例3における映像送出システムの動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施例3では、APC1から出力されるスタンバイ、オンエア等のコマンドは、前もってそのイベントの動作時刻情報と共にビデオサーバ3に入力されるが、構成については前2実施例とは変わらない。ビデオサーバ3の制御部35は、局内時計7に同期して、コマンドと共に受信する時刻情報に合わせてコマンド指定のイベント動作をする。言い替えれば、ビデオサーバ3は、自装置に関する番組時刻表を所有し、制御部35が、自分の動作を監視制御する。
【0065】
この実施例3では、番組時刻表から自装置の空き時間(動作予定のない時間)を制御部35が抽出出来るので、実施例2での準備情報よりも更に時間的余裕を持って差し替え動作が可能になるのでビデオサーバ3が新しいファイルを書き込む一方、自分が記憶したファイルを読み出す(コンテンツを出力する)同時作業を避けるような動作も可能になる。
【0066】
即ち、デジタル記録ではファイルは、ファイルの名称と共にファイルサイズ等の属性情報が添付されて管理される。APC1は、番組時刻表Tを参照して、所定のタイミング、又は、オペレータが制御卓2を操作することにより、図2に示された各時刻毎に各コンテンツのオンエア等、どのイベントを実行するかのコマンドが時刻情報付きでビデオサーバ3へネットワーク6を介して出力される(ステップs0−2)。
【0067】
一方、ビデオサーバ3では制御部35が入力される各コマンドとその実行時刻を、記憶部33(又は、図示されないメモリ)に記憶する(ステップs1−2)。そして、前述のいずれかの方法によりコピーコマンドが入力されると制御部35は、映像収録装置5からネットワーク6、又は、伝送来7を介してコピーされるファイルの属性情報を読み出すか、又は、記憶部33に記憶されて上書きされるファイルの属性情報を読み出すことにより新たなファイルのファイルサイズを予測する(ステップs2−2)ことが出来る。
【0068】
ファイルサイズの情報取得については、詳細な手順は省略するが、ビデオサーバ3がコピーコマンドを受信した場合、ビデオサーバ3からコマンド応答のレスポンスとして、当該ファイルの属性情報を要求するレスポンスを映像処理装置5に返信して属性情報を授受する方法がある。又は、他の一例としてコピーコマンドを送信する場合、そのファイル名に最初からファイルの属性情報が添付されて出力するか、いずれかの方法によりコンテンツファイルの属性がビデオサーバ3へ伝わるように情報伝達を行う等の情報交換の処理手順が行われる。
【0069】
従って、制御部35は、当該ファイルのサイズから書き込み(コピー)予想時間を計算するとともに、記憶部33から実行するコマンドの時刻を読み出すことにより、内部時計37とビデオサーバ3がスタンバイやオンエアする時刻とを比較照合してコマンド実行との余裕時間を算出する(ステップs2−3)。そして、オンエア時間と重複しそうな場合は、ファイル受信を保留する応答を映像処理装置5へ送り返す等の処理を行い、待機状態にする(ステップs56)制御を行う。
【0070】
その上で、読み出したコマンド実行の時刻、言い換えると番組時刻表Tのイベント実行時刻との参照結果から算出した放送と重複しない時刻に待機を解除して修正ファイルを映像収録装置5から受信する。
【0071】
制御部35は、仮の名称「KARI#WE01」等で一旦修正ファイルを書き込み(ステップs31)、その上で、「KARI#」を削除して本来の名称にリネーム(ステップs6)する。なお、図6のステップs41、s5−1、ステップs51は、制御部35が予め、余裕時間計算時に書き込み条件を出来る時刻を設定して書き込み、本来の名称に書き替え、リネームする(ステップs6)ことにより削除しても構わない。
【0072】
実施例3は、再生中書き込みが出来るビデオサーバでも有効な収録管理方法であるが、実施例2と同様に再生中書き込みが出来ないビデオサーバでも用いることが可能であることは言うまでもない。実施例3では、ビデオサーバの動作信頼性を更に高めて映像送出システムを運用することが出来る効果がある。
【0073】
なお、以上の3つの実施例の説明では、修正に用いるコンテンツファイルが伝送ラインLによって映像収録装置5からビデオサーバ3へ入力される場合を例にして説明したが、磁気媒体によって入力される場合であっても、ファイルの授受(入力)方法が異なるだけであって、ファイルの書き替え手順については上記説明と同様であることは言うまでもなく、詳細説明は容易に類推出来るので記述を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施例1に係る映像送出システムの構成を示す系統図。
【図2】放送局のAPCが使用する番組時刻表の一例。
【図3】ビデオサーバの構成を説明する機能ブロック図。
【図4】実施例1における映像送出システムの動作処理手順を示すフローチャート。
【図5】実施例2における映像送出システムの動作処理手順を示すフローチャート。
【図6】実施例3における映像送出システムの動作処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0075】
1 APC(自動番組送出設備:Automatic Program Controller)
2 制御卓
3 ビデオサーバ
31 制御I/F
32 ビデオI/F
33 記憶部
34 入出力部
35 制御部
36 内部バス
37 内部時計
4 スイッチャ
5 映像収録装置
6 ネットワーク
7 局内時計
L 伝送ライン
T 番組時刻表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムにおいて、
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、
前記ビデオサーバが前記収録するファイルを指定するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって前記ビデオサーバへ出力する第1のファイル入出力手段とを備える映像収録装置と、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入力する第2のファイル入出力手段と、前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、前記コマンド入力手段により前記コピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して当該ファイルを入力し、前記入力されたコピーコマンドに指定された前記コンテンツのファイル名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定のファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを有するビデオサーバとを
具備することを特徴とする映像送出システム。
【請求項2】
映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムにおいて、
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、
前記ビデオサーバに前記収録するファイルを指定するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって前記ビデオサーバへ出力する第1のファイル入出力手段とを備える映像収録装置と、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入出力する第2のファイル入出力手段と、前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、前記コマンド入力手段により前記記憶手段が記憶中のコンテンツのファイルを指定して差し替えるコピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して前記差し替えるファイルを入力し、前記入力された前記差し替えるファイルのファイル名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを有するビデオサーバとを
具備することを特徴とする映像送出システム。
【請求項3】
前記制御部は、
自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無い場合に、前記記憶手段が記憶したファイルの前記仮のファイル名称を前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項1又は、2に記載の映像送出システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記局内時計と同期した時刻情報を参照すると共に自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイまでに1フレーム表示時間以上の余裕が有る場合、前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項1又は、2に記載の映像送出システム。
【請求項5】
前記APCは、
各前記第1のコマンドと、それ以降に出力される予定のコマンドを準備情報として前記ビデオサーバに出力し、
前記ビデオサーバの前記制御部は、
前記入力される第1のコマンドと前記準備情報とを記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズと前記記憶した両情報とを読み出して比較参照し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無いか、または、前記準備情報が無い場合に前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変える制御を行う
ことを特徴とする請求項1又は、2に記載の映像送出システム。
【請求項6】
前記APCは、
各前記第1のコマンドを当該コンテンツの名称とそのファイルを送出する時刻情報と共に指示して前記ビデオサーバに出力し、
前記ビデオサーバの前記制御部は、
前記入力される前記第1のコマンドと前記時刻情報とを前記記憶手段に記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズ情報を取得することにより当該ファイル書き込みに必要な時間を算出し、前記記憶手段から前記時刻情報を読み出して比較参照することにより自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイに無いタイミングに、前記仮のファイル名称から前記コンテンツのファイル名称に書き変える制御を行う
ことを特徴とする請求項1又は、2に記載の映像送出システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記コピーコマンドを受信した場合、前記記憶手段に記憶中のファイル名称と前記コピーコマンドに前記指定されたファイル名称とを照合して両者が一致するものが有る場合に前記仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶することを特徴とする請求項1記載の映像送出システム。
【請求項8】
映像収録装置と、APCと、ビデオサーバと、映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを指定して前記ビデオサーバの記憶手段に書き込み記憶するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段とを備え、
映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを前記記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを前記記憶手段から読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムの収録管理方法において、
前記映像収録装置は、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかのファイル入出力手段によって前記ビデオサーバへ出力し、
前記APCは、
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出させる第1のコマンドを出力し、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかのファイル入出力手段によって入力して記憶手段に書き込み記憶する前記ビデオサーバは、
前記コマンド入力手段により前記ビデオサーバが前記収録するファイルを指定するコピーコマンドが入力された場合、
前記ファイル入出力手段を介して前記映像収録装置から当該ファイルを入力すると共にそのファイル名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変える収録管理を行う
ことを特徴とする映像送出システムの収録管理方法。
【請求項9】
映像収録装置と、APCと、ビデオサーバと、映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを指定して前記ビデオサーバの記憶手段に書き込み記憶するコピーコマンドを入力するコマンド入力手段とを備え、
映像収録装置が作成するコンテンツのファイルを前記記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを前記記憶手段から読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバを備える放送用の映像送出システムの収録管理方法において、
前記映像収録装置は、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかのファイル入出力手段によって前記ビデオサーバへ出力し、
前記APCは、
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出させる第1のコマンドを出力し、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記いずれかのファイル入出力手段によって入力して記憶手段に書き込み記憶する前記ビデオサーバは、
前記コマンド入力手段により前記ビデオサーバが前記記憶手段に記憶しているファイルのいずれかを指定して差し替えるコピーコマンドが入力された場合、
前記ファイル入出力手段を介して前記差し替えるファイルを入力すると共に前記差し替えるコピーコマンドに指定されたファイルの名称を仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名称を前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルの名称に書き変える収録管理を行う
ことを特徴とする映像送出システムの収録管理方法。
【請求項10】
前記ビデオサーバは、
自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無い場合に、前記記憶手段が記憶したファイルの前記仮のファイル名称を前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項8、又は9に記載の映像送出システムの収録管理方法。
【請求項11】
前記ビデオサーバは、
前記局内時計と同期した時刻情報を参照すると共に自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイまでに1フレーム表示時間以上の余裕が有る場合、前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項8、又は9に記載の映像送出システムの収録管理方法。
【請求項12】
前記APCは、
前記第1のコマンドと、それ以降に出力される予定のコマンドを準備情報として前記ビデオサーバに出力し、
前記ビデオサーバは、
前記入力される第1のコマンドと前記準備情報とを記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズと前記記憶した両情報とを読み出して比較参照し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無いか、または、前記準備情報が無い場合に前記仮のファイル名称から前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項8、又は9に記載の映像送出システムの収録管理方法。
【請求項13】
前記APCは、
前記第1のコマンドを前記コンテンツの名称とそのファイルを送出する時刻情報と共に指示して前記ビデオサーバに出力し、
前記ビデオサーバは、
前記入力される前記第1のコマンドと前記時刻情報とを前記記憶手段に記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズ情報を取得することにより当該ファイル書き込みに必要な時間を算出し、前記時刻情報を前記記憶手段から読み出して比較参照することにより自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイに無いタイミングに、前記仮のファイル名称から前記コンテンツのファイル名称に書き変える制御を行う
ことを特徴とする請求項8、又は9に記載の映像送出システムの収録管理方法。
【請求項14】
前記ビデオサーバは、
前記コピーコマンドを受信した場合、前記記憶手段に記憶中のファイル名称と前記コピーコマンドに前記指定されたファイル名称とを照合して両者が一致するものが有る場合に前記仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶することを特徴とする請求項8記載の映像送出システムの収録管理方法。
【請求項15】
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、
前記ビデオサーバが前記収録するファイルのいずれかを指定してコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって前記ビデオサーバへ出力する映像収録装置と、
前記映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを前記記憶手段から読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバとを備える放送用の映像送出システムのビデオサーバにおいて、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入出力する第2のファイル入出力手段と、
前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、
前記コマンド入力手段により前記コピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して当該ファイルを入力し、前記入力されたコピーコマンドに指定された前記コンテンツのファイル名称を仮のファイル名に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名を前記仮のファイル名から前記コンテンツのファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを
具備することを特徴とするビデオサーバ。
【請求項16】
前記各コンテンツの送出時刻が設定された番組時刻表と局内時計とを照合し、第1の通信手段を介して前記ビデオサーバへ各前記コンテンツのファイルを所定の時刻に送出する第1のコマンドを出力するAPCと、
前記ビデオサーバが前記収録するファイルのいずれかを指定してコピーコマンドを入力するコマンド入力手段と、
放送コンテンツのファイルを編集作成し、前記作成されたファイルを記憶媒体、または第2の通信手段のいずれかによって前記ビデオサーバへ出力する映像収録装置と、
映像収録装置が作成する複数のコンテンツのファイルを記憶手段に収録し、APCからのコマンドに指示された前記コンテンツのファイルを前記記憶手段から読み出してオンエアする信号として送出するビデオサーバとを備える放送用の映像送出システムのビデオサーバにおいて、
前記映像収録装置から前記作成されたファイルを前記記憶媒体、または前記第2の通信手段のいずれかによって入出力する第2のファイル入出力手段と、
前記コンテンツのファイルを書き込み記憶する記憶手段と、
前記コマンド入力手段により前記記憶手段が記憶しているファイルを差し替えるコピーコマンドが入力された場合、前記第2のファイル入出力手段を介して前記差し替えるファイルを入力し、前記入力された前記差し替えるコピーコマンドに指定された前記コンテンツのファイル名称を仮のファイル名に変更して前記記憶手段に書き込み記憶し、前記記憶終了後、前記記憶されたファイルのファイル名を前記仮のファイル名から前記コンテンツのファイル名称に書き変える収録管理を行う制御部とを
具備することを特徴とするビデオサーバ。
【請求項17】
前記制御部は、
自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無い場合に、前記記憶手段が記憶したファイルの前記仮のファイル名称を前記指定されたファイルのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項15、又は16に記載のビデオサーバ。
【請求項18】
前記制御部は、前記局内時計と同期した時刻情報を参照すると共に自装置の動作状態を監視し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイまでに1フレーム表示時間以上の余裕が有る場合、前記仮のファイル名から前記コンテンツのファイル名称に書き変えることを特徴とする請求項15、又は16に記載のビデオサーバ。
【請求項19】
前記前記制御部は、
前記第1の通信手段を介して前記APCから前記第1のコマンドと、それ以降に出力される予定のコマンドを準備情報として入力された場合、
前記ビデオサーバの前記制御部は、
前記入力される第1のコマンドと前記準備情報とを記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズと前記記憶した両情報とを読み出して比較参照し、自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイのタイミングに無いか、または、前記準備情報が無い場合に前記仮のファイル名から前記コンテンツのファイル名称に書き変える制御を行う
ことを特徴とする請求項15、又は16に記載のビデオサーバ。
【請求項20】
前記APCから、前記第1の通信手段を介して前記第1のコマンドを前記コンテンツの名称とそのファイルを送出する時刻情報とが共に指示されて前記ビデオサーバに入力された場合、
前記制御部は、
前記入力される前記第1のコマンドと前記時刻情報とを前記記憶手段に記憶し、前記コピーコマンドを受信した場合、当該ファイルのファイルサイズ情報を取得することにより当該ファイル書き込みに必要な時間を算出し、前記記憶手段から読み出した前記時刻情報と比較参照して自装置がオンエア、又はオンエアのスタンバイに無いタイミングに、前記仮のファイル名称から前記コンテンツのファイル名称に書き変える制御を行う
ことを特徴とする請求項15、又は16に記載のビデオサーバ。
【請求項21】
前記制御部は、
前記コピーコマンドを受信した場合、前記記憶手段に記憶中のファイル名称と前記コピーコマンドに前記指定されたファイル名称とを照合して両者が一致するものが有る場合に前記仮のファイル名称に変更して前記記憶手段に書き込み記憶することを特徴とする請求項15記載のビデオサーバ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−28501(P2008−28501A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196471(P2006−196471)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】