説明

時分割複信の符号分割多重接続(TDD−CDMA)ネットワークにおけるソフトハンドオーバおよびソフターハンドオーバの方法

2つ以上の基地局および/または基地局セクタ間のモバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU)のソフトハンドオーバおよびソフターハンドオーバのための、ワイヤレス通信システム、方法および装置を提供する。ネットワーク制御ユニットは、選択された基地局を割り当てて、基地局または基地局セクタのサービスの地理的領域に配置されているWTRUに基づいて、通信データをWTRUに送信する。WTRUの結合検出(JD)受信器は、一連の時間フレームの各々において、1つまたは複数のワイヤレスデータ信号を受信して処理するように構成されており、共通のタイムスロット内で受信される各信号は、同一の通信データを符号化する一意的なチャネルを有する。JD受信器は、共通のタイムスロット内の受信信号を評価する複数のチャネルの評価器と、チャネルの評価値を復号かつ結合して合成データ信号を抽出するように構成された結合器とを有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ワイヤレス通信システムにおけるハンドオーバに関し、より詳細には、TDD−CDMA(time division duplex−code division multiple access)ネットワークにおけるソフトハンドオーバおよびソフターハンドオーバに関する。
【背景技術】
【0002】
基地局、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU:wireless transmit/receive unit)およびモバイルユニットの用語は、一般的な意味において使用する。本明細書において使用する場合には、ワイヤレス送受信ユニット(WTRU)は、制限されないが、ユーザ機器、移動端末、移動局固定または加入者ユニット、ページャ、またはワイヤレス環境において動作可能な他のあらゆる種類のデバイスを含む。WTRUは、電話、ビデオ電話、およびネットワーク接続を有するインターネット対応電話など、パーソナル通信デバイスを含む。さらに、WTRUは、PDA、および類似のネットワーク機能を有するワイヤレスモデムを有するノートブックコンピュータなど、ポータブルパーソナルコンピュータデバイスを含む。ポータブルであるか、または他の方法で場所を変えることのできるWTRUを、モバイルユニットと呼ぶ。以下で参照する場合には、基地局は、制限されないが、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、またはワイヤレス環境における他のインターフェイスデバイスを含む、WTRUである。
【0003】
第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)または3GPP型(3GPP−like)システムにおいて、時分割複信(TDD)のワイヤレス通信は、スクランブル符号、拡散符号およびミッドアンブル(midamble)として知られる予め定められたトレーニンクシーケンスにより符号化されており、これらは元の送信信号を再構築するのに有用である。各基地局セルは、一意的なスクランブル符号を使用して、特定の基地局と、それがサービスするWTRUとの間のリンクを確立する場合、ネットワーク内の基地局同士を区別する。拡散符号は、各WTRUデータを断片にして、他のWTRUと同じ周波数帯にわたって拡散することに関係し、同時にそれぞれのデータ信号に一意的な拡散符号をタグ付けして、データを受信器において再構築することを可能にする。ミッドアンブルは、チャネルの評価時に受信器において使用される既知の符号シーケンスを含む、時分割チャネルタイムスロットの専用部分である。
【0004】
多くのワイヤレス通信システムにおいて、多くの通信は、同じワイヤレス周波数スペクトルを共有することができる。特定の通信を受信する場合、同じスペクトルを使用する他のすべての通信は、特定の通信に対する干渉を生じさせる。結果として、1つの通信の送信電力レベルを増加させると、スペクトル範囲における他のすべての通信の信号品質を劣化させる。しかしながら、送信電力レベルを低減しすぎると、受信器における信号対干渉比(SIR:signal to interference ratio)により測定されるなど、望ましくない受信信号品質を得ることになる。そのようなシステムにおいて、送信電力制御アルゴリズムが使用される。
【0005】
ワイヤレス通信システムに対する開ループおよび閉ループの電力制御の様々な方法が当技術分野において知られている。そのようなシステムの目的は、フェージンク伝播チャネル(fading propagation channel)と時間変化(time−varing)の干渉との存在下で、送信器電力を迅速に変化させて、送信器電力を最小化すると同時に、リモートエンドにおいて許容できる品質でデータを受信することを保証することである。1つの手法は、送信電力制御を、外部ループ電力制御(OLPC:outer loop power control)および内部ループ電力制御(ILPC:inner loop power control)と呼ばれる、別個のプロセスに分割するものである。
【0006】
外部ループ電力制御において、特定の送信器の電力レベルは、目標SIR値に基づいている。受信器が送信を受信すると、受信信号の品質が測定される。送信された情報は、トランスポートブロック(TB:transport block)のユニットに送られて、受信信号品質を、ブロック誤り率(BLER:block error rate)ベースで監視することができる。BLERは、受信器によって、通常、データの巡回冗長検査(CRC)を用いて評価される。評価されたBLERは、チャネル上の様々な種類のデータサービスに対するサービス品質(QoS:quality of service)要件を表わす目標BLERなど、目標品質要件と比較される。測定された受信信号品質に基づいて、目標SIRの調節制御信号が送信器に送られる。送信器は、これらの調節要求に応じて、目標SIRを調節する。
【0007】
時間分割複信(TDD)モードを利用する3GPPの広帯域符号分割多重接続(W−CDMA)システムにおいて、ネットワークは、コール/セッション確立ではWTRUに初期の目標SIRを設定して、のちにアップリンク(UL)のBLER測定の観察により命令されるとおり、コールの存続期間中にWTRUの目標SIRを連続的に調節する。
【0008】
内部ループ電力制御において、受信器は、SIRなどの受信信号品質の測定値を、閾値(すなわち、目標SIR)と比較する。SIRが閾値を超える場合には、電力レベルを低下させる送信電力コマンド(TPC)を送信する。SIRが閾値より低い場合には、電力レベルを増大させるTPCを送信する。通常、TPCは、送信器に対する専用チャネルにおけるデータと多重化されている。受信TPCに応答して、送信器は送信電力レベルを変更する。
【0009】
図1は、基地局BS1およびBS2、ならびにWTRU1、WTRU2およびWTRU3を含む、ワイヤレスネットワーク構成の一部分のブロック図を示す。基地局は、通信ネットワークとWTRUの間のリンクである。ネットワーク(図示せず)の役割は、情報を正しい目的地にルーティングすること、複数の基地局を監督すること、基地局により提供されるワイヤレス無線サービス範囲の地理的領域内における無線リソースを管理すること、および基地局とWTRUとの間のインターフェイス用の物理的な無線リソースを制御することである。基地局BS1は領域11において送信し、基地局BS2は領域12において送信し、および領域13は2つの基地局間の重複領域を表わし、領域13にWTRU1が存在する。この例において、WTRU1は移動可能であり、領域11から領域12に移動している。したがって、WTRU1は、ハンドオーバに関する候補であり、同時に領域11のWTRU3および領域12のWTRU2は、それらにそれぞれ関連する基地局BS1、BS2と適切に通信するように位置している。
【0010】
図2は、ソフターハンドオーバ(softer handover)下で動作するワイヤレスネットワークの一部分のブロック図を示す。ソフターハンドオーバにおいて、単一基地局の2つ以上のセクタが、WTRUの信号を送受信する。ここで、基地局BSは、セクタ21、22に従って送受信する。WTRU2がセクタ22に存在し、WTRU3がセクタ21に存在する間、それらの位置では、それらの基地局セクタのそれぞれとの効率的な通信が可能であるので、ハンドオーバの必要がない。しかしながら、WTRU1は重複領域23に存在し、WTRU1はセクタ21とセクタ22の両方の範囲に入る。したがって、WTRU1は、セクタ21とセクタ22の間を移動する場合、ソフターハンドオーバに関する候補である。
【0011】
WTRUのハンドオーバを管理し制御することの必要性は、電気通信ネットワークにおいて最重要となるものである。IS−95、CDMA2000および3GPPのWCDMAを含む、FDD−CDMAネットワークにおいて、ソフトハンドオーバ(SHO:soft handover)を使用することが知られている。ソフトハンドオーバは、2つ以上の基地局(BS)から同等の電力が受信される場所にWTRUがある場合、性能を改善することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
現在、標準化された3GPPのTDD WCDMAシステムにおいて、ハードハンドオーバだけが、高チップレートおよび低チップレートの別形(variant)の両方に対してサポートされている。ハードハンドオーバにおいて、WTRU1と基地局BS1およびBS2との間の信号の送受信は、ソフトハンドオーバにおける場合、またはソフターハンドオーバにおけるセクタ21とセクタ22との間のように円滑には行われない。ハードハンドオーバにおいて、第2の基地局またはセクタへの通信の移行は、最初の通信がWTRU1において終了した場合にのみ、開始することができる。ソフトハンドオーバをTDD CDMAネットワークに実装する方法を提供することによって、容量と有効範囲が増大すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
選択的に符号化されおよび予め定義された時間フレームにおいて送信される通信データをWTRUが受信する複数の基地局を有するネットワークシステムにおけるワイヤレス通信に関する装置、システムおよび方法を提供する。WTRUは、結合検出器の受信器(joint detector receiver)を有し、結合検出器の受信器は、複数のダウンリンクのワイヤレス信号を受信かつ処理し、共通のタイムスロット内で受信される各信号は、複数の基地局から同一の通信データを符号化している一意的なチャネルを有している。複数のチャネルの評価器は、受信信号の一意的な符号化に基づき、共通のタイムスロット内のそれぞれの受信信号のチャネルの評価値を生成する。結合器は、すべてのチャネルの評価器からチャネルの評価値を受信し、および共通のタイムスロット内で受信される各データ信号に対するデータの評価値を、結合されたデータ信号に結合することによって、共通のタイムスロットにおいて受信される複数の信号に共通の通信データが、結合された信号から抽出される。
【0014】
ソフトハンドオーバにおけるモバイルのWTRUが新規に割り当てられる基地局は、結合検出受信器を有する。結合検出受信器は、新規に割り当てられた基地局の地理的領域またはセルの範囲内で各WTRUからの個々のアップリンク信号を処理するように構成された複数のチャネルの評価器を含む。ミッドアンブル符号は、チャネルの評価器によって処理され、アップリンク信号のチャネルの評価値を生成する。さらに、基地局の受信器は、データの評価器を含み、データの評価器は、基地局とのアップリンクの通信におけるWTRUに関連付けられた複数のスクランブル符号および拡散符号によりチャネルの評価値を処理する。データの評価器は、基地局に割り当てられたすべてのWTRUにより使用される基地局自体の割当てスクランブル符号Snewと、ソフトハンドオーバにおけるWTRUに関連付けられたスクランブル符号Soldの両方を処理するように構成され、この符号は、WTRUの最初に割り当てられた基地局に関連付けられ、この基地局もソフトハンドオーバに参加している。最後に、復号器を使用して、データの評価器出力信号の畳み込み符号化またはターボ符号化を復号して、アップリンクの通信において送信される再構築されたデータ信号を生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
実施形態は、時分割複信(TDD)モードを使用する、第3世代パートナーシッププログラム(3GPP)広帯域符号分割多重接続(W−CDMA)システムと関連して説明するが、これらの実施形態は、TD−SCDMAを含む、任意のタイムスロット付きまたはハイブリッド符号分割多重接続(CDMA)/時分割多元接続(TDMA)通信システムに応用可能である。
【0016】
図3は、ソフトハンドオーバを実行している、TDD−CDMAの順序メッセージンク(sequenced messaging)を示す図である。ソフトハンドオーバに関与するエンティティは、ネットワーク、WTRU、第1(旧)基地局および第2(新)基地局である。図1に示す構成を参照すると、WTRU1は代表WTRUであり、基地局BS1は、WTRU1がそれと最初に通信を確立した旧基地局であり、BS2はモバイルのWTRU1がそれに向かって移動している新基地局である。WTRU1および基地局BS1、BS2の両方は、マルチパスを経由して受信した信号を結合する受信器を使用する。
【0017】
交換は、ライン31、32において始まり、ここで基地局BS1,BS2用の報知チャネル(BCH:broadcast channel)上のネットワーク信号は、好ましくは1次共通制御物理チャネル(P−CCPCH:primary common control physical channel)として構成されたビーコン信号として、WTRU1によって受信される。この交換は、アップリンクの内部ループ電力制御(UP−ILPC)の文脈の範囲である。次にライン33において、WTRU1は、ビーコン信号からの希望波受信電力(RSCP:received signal code power)を測定して、旧基地局BS1を経由してRSCP測定値をネットワークに送信する。簡単にするために、この例を2つの基地局の文脈で説明する。しかしながら、WTRU1は、すべての隣接基地局が送信するビーコン信号の信号強度を連続的に監視し、それらのRSCPをそれぞれ測定している。これらの測定値は、ネットワークに報告される。報告された測定値に基づいて、ネットワークは、新基地局BS2をWTRU1のソフトハンドオーバ(SHO)の候補として認識し、それに応じてWTRU1のためにSHOを使用することを決定する。新基地局BS2は、SHOのためのWTRU1への新規割当ての通知を受信する(ライン34)。ネットワークは、今SHOに入ろうとしているWTRU1のスクランブル符号および拡散符号をBS2に通知する。WTRU1は、BS1を介して、BS2がSHOに割り当てられたことを通知され、それには、好ましくはダウンリンクの専用物理制御チャネル(DL−DPCCH:downlink dedicated physical control channel)上で送られる、新基地局BS2が使用するスクランブル符号および拡散符号が含まれる。この時点で、WTRU1と両基地局BS1、BS2との間の同時通信リンクがSHOのために確立される。
【0018】
ダウンリンクの通信データは、ライン36で示すように、好ましくはダウンリンクの専用物理チャネル(DL−DPCH:downlink dedicated physical channel)上で、両基地局BS1、BS2を介してネットワークからWTRU1へと交換される。BS1およびBS2からの両ダウンリンクデータ通信送信は、所定のフレーム番号で、かつ共通のタイムスロット内で行われるように同期される。このパラレルダウンリンク通信上のデータは同一であり、両基地局BS1、BS2によって送信される。
【0019】
WTRU1での結合検出(JD:joint detection)受信器は、既知のスクランブル符号を使用して、BS1およびBS2の各基地局に対して異なるチャネルの評価を実行する。一代替実施形態においては、WTRU1は、ブラインド符号検出を含むことにより、JD受信器用の符号をプログラムする場合、他のWTRU用の拡散符号を自体の符号と同等またはより強く制限することが可能であり、結果として性能を改善する。
【0020】
好ましくはアップリンクの専用物理チャネル(UL−DPCH)上の、WTRU1からのアップリンクの通信データは、両SHO基地局BS1、BS2によって受信され、これらの基地局は信号を復号して結果をネットワークに送信する(ライン37)。受信時に、ネットワークは、受信したデータについて巡回冗長検査(CRC)試験を実行する。CRC検出誤りのない1組の受信器データが、維持されてコアネットワークへ伝えられる。
【0021】
閉ループ外部ループ電力制御を、3GPP TDD−WDCMAの両チップレートの別形(chip−rate variant)に対してのダウンリンク対して使用する。WTRUは、JD受信器の結合出力に対する受信SIRを測定する。次いでWTRUは、上下送信電力制御(TPC)コマンドを基地局BS1、BS2に送信する(ライン38)。基地局は、このTPCコマンドを復号して、それに応じてそれらの送信電力を調節する。
【0022】
開ループ内部ループ電力制御が、高チップレートの別形を使用する3GPP TDD−WCDMA用アップリンクに使用される。WTRUは、各基地局ビーコンチャネルからの受信電力を測定して、定期的に報告される各基地局の干渉電力を読み取り、SHOにおいて各基地局における表示される目標SIRを達成するのに十分な電力で送信する。これを行うために、WTRU1は各基地局を巡回して、定期的にビーコン電力を測定し、データを読み取る。ネットワークは、SHOにおける各基地局BS1、BS2からの受信報知データと、WTRU1の専用トラフィックタイムスロットとの間に矛盾がないことを保証する。好ましくは、これは、全報知タイムスロットを同時発生させることによって達成する。WTRU1は、BS1およびBS2における目標SIRを達成するのに要する最小電力で送信する。ライン39に示すように、ネットワークは、少なくとも、誤りなしのメッセージを受信することを保証する試みとして、各基地局に対する目標SIRを調節する。WTRU1は、好ましくはDL−DPCCH上で目標SIRを受信する。
【0023】
図4は、図3を参照して説明したソフトハンドオーバと類似する、ソフターハンドオーバを実行中のTDD−CDMAネットワークの順序メッセージンクの図を示す。ソフターハンドオーバにおける関係エンティティは、ネットワーク、WTRU、第1(旧)の基地局セクタおよび第2(新)の基地局セクタである。図2に示す構成を参照すると、WRTU1は代表WTRUであり、セクタ21は、それを用いてWRTRU1が最初に通信を確立した旧基地局であり、セクタ22はモバイルのWTRU1がそれに向かって移動している新基地局である。
【0024】
交換は、ライン41、42において始まり、そこで旧および新の基地局セクタ21、22に対するBCH上のネットワーク信号を、WTRU1が、P−CCPCHとして構成されたビーコン信号として受信する。この交換は、UL−ILPCの文脈の範囲内のものである。次に、ライン43において、WTRU1はビーコン信号からのRSCPを測定して、RSCP測定値を、旧基地局セクタ21を経由してネットワークに送信する。簡単にするために、この例は、2つの基地局セクタの文脈で説明する。しかしながら、基地局は3つ以上のセクタを有してもよく、その場合にはWTRU1は、すべての隣接基地局セクタが送信するビーコン信号の信号強度を連続的に監視して、それら各々のRSCPを測定する。これらの測定値は、ネットワークに報告される。報告された測定値に基づいて、ネットワークは、新基地局セクタ22をWTRU1のソフターHOの候補として認識し、それに応じてWTRU1のためにソフターHOを使用することを決定する。新基地局セクタ22は、ソフターHOに対する、WTRU1への新規割当ての通知を受信する(ライン44)。ネットワークは、新基地局セクタ22に、今ソフターHOに入ろうとするWTRU1のスクランブル符号および拡散符号を知らせる。WTRU1は、旧基地局セクタ21を介して、新基地局セクタ22がソフターHOに割り当てられたことを、好ましくはDL−DPCCH上で送られて、新基地局セクタ22によって使用されるスクランブル符号および拡散符号を含めて通知される(ライン45)。この時点で、WTRU1と両基地セクタ21,22との間の同時通信リンクが、ソフターHOのために確立される。
【0025】
ダウンリンク通信データは、両基地局セクタ21,22を介して、好ましくはDL−DPCH上で、ライン46に示すように、ネットワークからWTRU1に交換される。基地局セクタ21、22からのダウンリンクデータ通信送信は、所定のフレーム番号で行われるように同期される。この並列ダウンリンク通信上のデータは同一であるが、それぞれの基地局セクタに特有の異なるスクランブル符号を用いて、両基地局セクタによって送信される。WTRU1のJD受信器は、既知のスクランブル符号を使用して、各基地局セクタ21、22に対して異なるチャネルの評価を実行する。WTRUは、また、ブラインド符号検出を使用して、JD受信器に対する符号をプログラミンクする場合、他のWTRUの符号を、それ自体の符号と同等か、またはそれより強いものだけに制限し、これによって成績が向上することになる。
【0026】
好ましくはUL−DPCH上での、WTRU1からのアップリンクの通信データは、基地局BSにおいてJD受信器によって受信され、このJD受信器がセクタ21、22の並列データを復号、ソフト結合して結果をネットワークに送信する(ライン47)。受信すると、ネットワークは、受信データに対してCRC試験を実行する。CRC検出誤りのない、1組の受信データが維持されて、コアネットワークに伝えられる。ここで、基地局BSにおいて実行されるデータ結合が理由で、ソフターHOのために、1組のデータだけがWTRU1から受信されることに留意されたい。
【0027】
ソフターHOダウンリンクのために使用される閉ループ電力制御に対して、WTRU1は、JD受信器の結合出力に対する受信SIRを測定する。次いで、WTRU1はTPCコマンドを基地局BSに送信し(ライン48)、それは各基地局セクタ21、22で受信される。基地局JD受信器は、これらの並列TPCコマンドをソフト結合、復号して、ネットワークに対する合成されたTPCコマンドを生成する。
【0028】
ソフターHOに使用される開ループ内部ループ電力制御に対して、WTRUは、各基地局セクタのビーコンチャネルからの受信電力を測定し、定期的に報告される各基地局セクタの干渉電力を読み取り、HOにおける各基地局セクタにおいて表示される目標SIRを達成するために十分な電力で送信する。これを行うためには、WTRU1は、各基地局セクタを巡回して、ビーコン電力を定期的に測定し、データを読み取る。ネットワークは、ソフターHOにおいて各基地局セクタ21、22からの報知データを受信することと、WTRU1の専用トラフィックタイムスロットとの間に矛盾はないことを保証する。これは、好ましくは、すべての報知タイムスロットを同時発生するように配置することによって達成される。WTRU1は、セクタ21、22における目標SIRを達成するのに必要な最低電力で送信する。ライン49に示すように、ネットワークは、基地局BSに対する目標SIRを調節し、この目標SIRはセクタ21、22の両方に対して同じである。WTRU1は、各基地局セクタ21、22から好ましくはDL−DPCCH上で目標SIRを受信する。
【0029】
図3および図4は、ソフトハンドオーバおよびソフターハンドオーバに対して別個のプロセスとして記述されているが、本発明による基地局は、1つまたは複数のWTRUに対して、ソフトハンドオーバおよびソフターハンドオーバの両方を同時に実行することができることを理解すべきである。
【0030】
図5は、ネットワークコントローラN、基地局BS1、BS2、およびモバイルユニットWTRU1、WTRU2、WTRU3を有する、SHO実行中のネットワーク構成のブロック図を示す。基地局BS1は、符号器51および送信器61を有する。基地局BS2は、符号器62および送信器61を有する。各基地局BS1、BS2は、ネットワークによって割り当てられる、スクランブル符号Sbおよび拡散符号Cb、ならびにミッドアンブル符号MAbを使用する。ネットワークは、選択される基地局の幾何学的サービス領域に従って、WTRU1、WTRU2およびWTRU3を基地局BS1およびBS2に割り当てる。複数拡散符号が通常使用されるが、本明細書では簡単にするために、1つの符号だけを説明する。各WTRUは、スクランブル符号Sb、拡散符号Cbおよびミッドアンブル符号MAbを使用して、セルにサービスを提供する各基地局によって使用されるものと一致させる。
【0031】
基地局BS2によるサービスを受けるWTRU2は、BS2が使用するスクランブル符号である、1次スクランブル符号Su、拡散符号CbおよびWTRU2に一意的に割り当てられる、ミッドアンブルMAbを使用する。基地局BS1によるサービスを受ける、WTRU3は、基地局BS1のスクランブル符号である、1次スクランブル符号Sb、拡散符号CbおよびミッドアンブルMAbを使用し、これらはWTRU3に一意的に割り当てられている。
【0032】
ここで、基地局BS1およびBS2の両方とSHO状態にある、WTRU1について考察する。WTRU1は、スクランブル符号Sbを使用するが、それは、WTRU1は最初にBS1のサービスを受け、WTRU1に一意的に割り当てられた拡散符号CbおよびミッドアンブルMAbを使用するからである。基地局BS2と通信するために、WTRU1は、Sbも使用するが、異なる拡散符号およびミッドアンブル符号、CbおよびMAbと共に使用する。
【0033】
ネットワークコントローラNを介して、ネットワークはWTRU1のためのDATAおよびWTRU3のためのDATAを、基地局BS1に送り、そこでそれは、拡散符号Cb、Cb、スクランブル符号Sb、およびミッドアンブルMAb、MAbを用いてそれぞれ符号器51において処理される。結合された信号は、ワイヤレスチャネルにマッピンクされ、送信器61において送信される。
【0034】
同時に、ネットワークコントローラNは、WTRU1のための複製データを、WTRU2のためのデータと共に、基地局BS2に送信する。符号器62において、スクランブル符号Sb、拡散符号CbおよびミッドアンブルMAbが、WTRU1のためのデータ信号に適用され、同時に符号Sb、CbおよびミッドアンブルMAbが、WTRU2のためのデータ信号に適用される。各WTRU1、WTRU2およびWTRU3は、ダウンリンクデータ信号を受信して、信号を復調および復号処理をして、ネットワークコントローラNによって送られたデータ信号DATA、DATA、DATAを再構築する。WTRU1によって受信される共通ダウンリンクデータは、基地局BS1からのDL1および基地局BS2からのDL2として示してある。
【0035】
図6は、SHOにおけるWTRU1でのダウンリンク信号処理のための、結合検出(JD)受信器のブロック図を示す。WTRU1のJD受信器は、一連の時間フレームのそれぞれにおいて、複数のワイヤレス信号を受信して処理するように構成されている。各信号は、共通時間フレームおよびタイムスロット範囲で受信される。図5を参照して説明したように、同一の通信データの一意的なチャネル符号化によって、信号の源を、SHO中のBS1またはBS2からとして、あるいはソフターHO中の基地局セクタ21または22からとしての、いずれであるかが区別される。JD受信器は、チャネルの評価器CHEST W11、CHEST W12、データの評価器65および復号器66を有する。2つのチャネルの評価器CHEST W11およびCHEST W12は、基地局BS1、BS2からのダウンリンク信号DL1、DL2をそれぞれ受信する。基地局BS1からのチャネルを評価するのにミッドアンブルMAbを、基地局BS2に対してMAbを使用して、CHEST W11およびCHEST W12は、2つのチャンネルの評価値hおよびhを、それぞれデータの評価器65に供給する。データの評価器65は、基地局BS1から送られるデータをSbおよびCbを用いて、基地局BS2から送られるデータをSbおよびCbを用いて、併せて検出する。結合検出は、同一のスクランブル符号Sbを使用することによって簡単化される。データの評価器65は、データをソフト結合し、このデータは復号器66に送られて、そこで、畳み込み符号またはターボ符号などの、任意の誤り符号化が復号される。復号器66における最終出力は、コアネットワークCNにおいて発生した状態のデータ信号DATAである。
【0036】
図7は、図5に示す構成と同じネットワークによるSHOにおけるアップリンク処理を示している。モバイルユニットWTRU1、WTRU2およびWTRU3は、スクランブル符号Su、SuおよびSuをそれぞれ使用する。この割当ては、WTRUの元の基地局所属(すなわち、WTRU1の元基地局割当てはBS1であり、それに従ってスクランブル符号Suを使用すること)を反映している。モバイルユニットWTRU1、WTRU2、WTRU3は、拡散符号Cu、Cu、CuおよびミッドアンブルMAu、MAu、MAuをそれぞれ使用する。ここで留意すべきことは、基地局セルに進入する任意の新規WTRUは、WTRU1の場合と同様に、WTRU用の拡散符号が、現在基地局セル内にあるWTRUのそれと同一である可能性があることである。通常、同一の拡散符号は、同一の基地局セル内で2つのWTRUによって使用することはできない。しかしながら、SHOにおいては、WTRUは異なるスクランブル符号によって区別することができる。図7を参照すると、拡散符号Cu、Cuが同じである場合に、基地局BS2がそれらを区別することを可能にするために、スクランブル符号Su、SuはWTRU1およびWTRU2に対してそれぞれ一意的である。同様に、共通拡散符号は、通常、単一の基地局セクタに送信中の2つの異なるWTRUには許可されない。しかしながら、ソフターHO中には、各WTRUは異なるスクランブル符号を有するので、基地局は、同一の拡散符号を使用する2つのWTRUを区別することができる。
【0037】
基地局BS1の受信器は、MAおよびMAがロードされた単一のCHEST B11を使用して、WTRU1とBS1の間の経路に対してチャネルの評価h1A、WTRU3とBS1の間の経路に対してhを生成する。他方の基地局BS2は、2つのチャネルの評価器CHEST B21、CHEST B22―1つはSHO状態にないWTRU2用、他方はSHO状態のWTRU1用、を含む結合検出受信器を有する。CHEST B21は、WTRU1が使用するスクランブル符号Sを説明するために使用される。CHEST B21は、また、SHOにおけるWTRUからの信号の到着時間と、SHOにないものからの到着時間との間の、いかなるタイミンク差にも対応し、後者はタイミンクが基地局BS2によって制御されて進んでいる。チャネルの評価器CHEST B21は、ミッドアンブルMAを処理してチャネルの評価h1Bを生成し、同時にチャネルの評価器CHEST B22はミッドアンブルMAを処理して、チャネルの評価hを生成する。
【0038】
基地局BS1のデータの評価器76は、スクランブル符号S1を逆スクランブルするとともに、符号C1、C3を逆拡散し、ここで復号器75は、畳み込み符号またはターボ符号などの、任意の誤り符号化を復号することによって信号をさらに処理する。復号器75の出力は、それぞれWTRU1およびWTRU3からの再構築データ信号DATA1A、DATAである。同様に、データの評価器77および復号器78は、WTRU1およびWTRU2からのデータ信号DATA1BおよびDATAを再構築する。データの評価器77が、通常、それが存在する基地局BS2に関連する単一のスクランブル符号(すなわちSu)を処理することが予期されている場合には、それには、スクランブル符号Suに加えてSuを処理する能力が与えられ、WTRU1のソフトハンドオーバが可能になる。ネットワークコントローラNは、基地局BS1、BS2からデータ信号を受信する。SHO状態のWTRU1に対して、少なくとも1組のデータ(すなわち、DATA1AまたはDATA1B)が、CRC誤りなしに受信され、ネットワークコントローラNは、誤りなしのデータセットをデータ信号DATAとしてコアネットワークに伝える。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】2つの基地局の領域と、重複領域に少なくとも1つのWTRUとを含む通信ネットワークを示すブロック図である。
【図2】2つのセクタを有する基地局と、セクタの重複領域に少なくとも1つのWTRUとを含む通信ネットワークを示すブロック図である。
【図3】ソフトハンドオーバのためのネットワーク通信メッセージ交換を示す図である。
【図4】ソフターハンドオーバのためのネットワーク通信メッセージ交換を示す図である。
【図5】ソフトハンドオーバにおける1つのWTRUとのダウンリンクの通信を実行中の通信ネットワークを示すブロック図である。
【図6】ソフトハンドオーバを処理中のWTRUの結合検出受信器を示すブロック図である。
【図7】ソフトハンドオーバにおける1つのWTRUとのアップリンクの通信を実行中の通信ネットワークを示すブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局を有するネットワークシステムとのワイヤレス通信のために構成され、予め定義された時間フレームに選択的に符号化されおよび送信される通信データを受信するモバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU:wireless transmit/receive unit)であって、
受信信号の一意的な符号化により共通のタイムスロット内のそれぞれの前記受信信号に属するチャネルの評価値を生成するように各々構成されている複数のチャネルの評価器と、
前記チャネルの評価器のすべてからチャネルの評価値を受信し、および前記共通のタイムスロットに受信される各データ信号に対する前記チャネルの評価値を結合されたデータ信号に結合することにより、前記共通のタイムスロットに受信される複数の信号に共通な通信データが前記結合された信号から抽出されるように構成された結合器と
を含んでおり、一連の時間フレームの各々に複数のワイヤレス信号を受信しおよび処理し、前記共通のタイムスロット内に受信される各信号が、同一の通信データを符号化している一意的なチャネルを有するように構成された結合検出受信器
を備えたことを特徴とするモバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU)。
【請求項2】
隣接するWTRUに対する拡散符号を前記WTRU自体の符号と同等またはより強い符号のみに制限するためのブラインド符号検出ユニットをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記通信信号は、時分割複信の符号分割多重接続(TDD−CDMA)型に属することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
ネットワークユニットと、
前記ネットワークユニットと相互接続され、サービスの地理的な領域を有する複数の基地局と、
前記基地局とのワイヤレス通信のために構成され、前記基地局からの予め定義された時間フレームに選択的に符号化されおよび送信される通信データを受信するモバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU)と
を備え、前記WTRUが、
受信信号の一意的な符号化により共通のタイムスロット内のそれぞれの前記受信信号に属するチャネルの評価値を生成するように各々構成されている複数のチャネルの評価器と、
前記チャネルの評価器のすべてからチャネルの評価値を受信し、および前記共通のタイムスロットに受信される各データ信号に対する前記チャネルの評価値を結合されたデータ信号に結合することにより、前記共通のタイムスロットに受信される複数の信号に共通な通信データが前記結合された信号から抽出されるように構成された結合器と
を含んでおり、一連の時間フレームの各々に1つまたは複数の通信データ搬送のワイヤレス信号を受信しおよび処理し、前記共通のタイムスロット内に受信される各信号が、同一の通信データを符号化している一意的なチャネルを有するように構成された結合検出受信器を有し、
前記ネットワークユニットが、選択される基地局のサービスの地理的な範囲内に配置されているWTRUにより、前記選択される基地局を割り当てて通信データを前記WTRUに送信するように構成されるワイヤレス通信システム。
【請求項5】
前記通信信号は、時分割複信の符号分割多重接続(TDD−CDMA)型に属することを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記WTRUは、隣接するWTRUおよび基地局と区別するために前記ネットワークによりそれぞれの基地局とWTRUとの対に一意的に割り当てられるミッドアンブルの符号シーケンスMAi、拡散符号Ci、およびスクランブル符号Siを含んでいるデータ通信、および誤り低減のための畳み込み符号化またはターボ符号化を伝えるアップリンクチャネルおよびダウンリンクチャネル上で第1および第2の基地局と併せて通信し、
第1のチャネルの評価器は、第1のミッドアンブルMAに応答する前記第1の基地局からのダウンリンクチャネルの第1のチャネルの評価値を生成するように構成され、
第2のチャネルの評価器は、第2のミッドアンブルMAに応答する前記第2の基地局からのダウンリンクチャネルの第2のチャネルの評価値を生成するように構成され、
前記結合器は、
前記チャネルの評価値を受信し、前記第1の基地局について第1の拡散符号および第1のスクランブル符号を用い、ならびに前記第2の基地局について第2の拡散符号および第1のスクランブル符号を用いて、前記第1および第2の基地局から受信されるデータを併せて検出して、ソフト結合したデータ信号を出力するように構成されたデータの評価器と、
前記ソフト結合されたデータ信号の畳み込み符号化またはターボ符号化を復号して、前記第1および第2の基地局により送信される再構築されたデータ信号を生成するように構成された復号器と
を含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の基地局は、複数のWTRUおよび少なくとも1つのモバイルのWTRUとソフトハンドオーバにおいて通信し、
前記ミッドアンブル符号により各WTRUからの個々のアップリンク信号を処理するように構成された複数のチャネルの評価器と、
前記第2の基地局とのアップリンクの通信におけるWTRUに関連付けられた複数のスクランブル符号および拡散符号により前記チャネルの評価値を処理するデータの評価器と、
前記データの評価器の出力信号に属する畳み込み符号化またはターボ符号化を復号して、前記アップリンクの通信において送信される再構築されたデータ信号を生成する復号器と
を含んでいる結合検出受信器
を含むことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記別個のスクランブル符号は、前記ソフトハンドオーバにおけるWTRUに関連付けられた第3のスクランブル符号であり、および前記第2の基地局とのアップリンクの通信における隣接するWTRUに関連付けられた第4のスクランブル符号であることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
サービスの地理的な領域を有している複数の基地局を有するネットワークシステムとのワイヤレス通信のために構成され、予め定義された時間フレームに選択的に符号化されおよび送信される通信データを受信する、モバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU)に対するワイヤレス通信方法であって、
複数の基地局に属する前記サービスの地理的領域内に前記WTRUを配置するステップと、
共通のタイムスロット内で受信される各信号が、同一の通信データを符号化している一意的なチャネルを有する一連の時間フレームの各々において複数の基地局の各々からワイヤレス信号を受信するステップと、
前記受信信号の一意的な符号化により、共通の時間フレーム内で受信される各それぞれの信号のチャネルの評価値を生成するステップと、
共通のタイムスロットにおいて受信される各データ信号に対するチャネルの評価値を結合して、各それぞれの時間フレームに対する結合されたデータ信号を生成するステップと、
各それぞれの時間フレームに対する結合された信号からの各共通のタイムスロットにおいて受信される複数の信号に共通の通信データを抽出するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項10】
第1の基地局とのデータ通信を第2から第Nの基地局の通信範囲内で実行しているモバイルのワイヤレス送受信ユニット(WTRU)を含む、ワイヤレス通信ネットワークにおけるソフトハンドオーバを行う方法であって、
前記WTRUにより、各基地局からの希望波受信電力(RSCP)の測定値を測定するステップと、
前記ネットワークにより、前記WTRUからの受信された測定値に応答して前記WTRUを新基地局に割り当てるステップと、
前記新基地局および前記第1の基地局により、共通のタイムスロットに同一のネットワークデータを前記WTRUに同時に送信するステップと、
前記新基地局および前記第1の基地局により、ネットワークによる処理のために、前記WTRUからのデータを同時に受信しおよび復調するステップと、
前記WTRUにより、新基地局へのソフトハンドオーバが完了するまで、各基地局に対する既知のスクランブル符号および拡散符号による別個のチャネルの評価手段を用いて、前記第1の基地局および前記新基地局からの通信を併せて検出するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記基地局がビーコンチャネル上で報知しおよび専用チャネル上でデータを送信し、ならびに
前記WTRUにより、アップリンクの伝送電力制御(TPC)のコマンド信号を前記第1の基地局と前記新基地局との両方に送信するステップと、
前記ネットワークにより、少なくとも1つの基地局が誤りのないメッセージを受信することを保証するために、前記第1の基地局および前記新基地局に対する目標SIR信号を調節するステップと、
前記WTRUにより、前記第1の基地局に対する第1の目標SIRおよび前記新基地局に対する第2の目標SIRを受信するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記WTRUにより、各基地局を巡回し、ビーコンチャネル電力を周期的に測定し、およびデータを読み取るステップと、
前記ネットワークにより、前記ビーコンチャネルの受信する報知信号と各基地局からの専用チャネルのデータとの間に矛盾がないことを保証するために、すべての報知タイムスロットを同時発生させるように配置するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
新基地局が通信範囲の第1のセクタから通信範囲の第2のセクタへのWTRUのソフターハンドオーバを実行し、および
前記WTRUにより、基地局の各セクタから希望波受信電力(RSCP)の測定値を測定するステップと、
前記ネットワークにより、前記WTRUから受信された測定値に応答して、前記WTRUを前記基地局の第2のセクタに割り当てるステップと、
前記基地局の第2のセクタおよび前記基地局の第1のセクタにより、共通のタイムスロットに同一のネットワークデータを前記WTRUへ同時に送信するステップと、
前記基地局により、前記基地局の第1および第2のセクタにより受信される前記WTRUからのアップリンクの通信を併せて検出し、ネットワークによる処理のために前記WTRUからのデータをソフト結合して復調するステップと、
前記WTRUが、前記基地局の新セクタへのソフターハンドオーバが完了するまで、基地局の各セクタに対する既知のスクランブル符号および拡散符号に基づく個別のチャネルの評価手段を用いて、前記基地局の第1のセクタおよび前記基地局の第2のセクタからの通信を併せて検出するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記基地局がビーコンチャネル上で報知しおよび専用チャネル上でデータを送信し、ならびに
前記WTRUにより、測定したSIRによるアップリンクの送信電力制御(TPC)のコマンド信号を送信するステップと、
前記基地局により、前記基地局の第1および第2のセクタにおいて並列TPCコマンド信号を受信し、前記並列TPCコマンドをソフト結合しおよび復号して、ネットワークに対する合成TPCコマンドを生成するステップと、
前記WTRUにより、前記WTRUの送信電力を制御するために前記ネットワークによって調節されおよび生成され、前記基地局の第1および第2のセクタの両方から並列に前記WTRUに送信される目標SIRを受信するステップと、
前記WTRUにより、前記目標SIRを達成するのに必要な最小電力に送信電力を調節するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−504784(P2007−504784A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532414(P2006−532414)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/011606
【国際公開番号】WO2004/102616
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(594164900)インターディジタル テクノロジー コーポレイション (153)
【氏名又は名称原語表記】InterDigital Technology Corporation
【Fターム(参考)】