時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法
【課題】位置情報衛星から送信される時刻情報の正誤を確実に且つ迅速に判断することができる時刻修正装置等を提供すること。
【解決手段】位置情報衛星15から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部20と、衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部20と、時刻情報の属する区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部37と、時刻情報に基づいて区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部38と、区画識別情報と対応区画識別情報に基づいて区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部39と、を有する時刻修正装置10。
【解決手段】位置情報衛星15から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部20と、衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部20と、時刻情報の属する区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部37と、時刻情報に基づいて区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部38と、区画識別情報と対応区画識別情報に基づいて区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部39と、を有する時刻修正装置10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等の位置情報衛星からの信号に基づいて時刻修正を行う時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回する軌道等を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられている。このため、GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻)を有している。
そして、GPS衛星からの信号を受信する受信機側が、GPS衛星の時刻情報を得るには、GPS衛星からの信号のうち、TOW(Time of Week、GPS時刻、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報)信号を受信する必要がある(例えば、特許文献1)。
また、このように受信された信号は、高度20,000km程度離れているGPS衛星から発信された信号であるため、そのデータに誤り(エラー)が生じる可能性がある。そこで、このようなデータの誤りを検出するため、いわゆる「パリティチェック」が行われる。
パリティチェックでは、具体的には、送信するデータ列を一定の個数で区切り、そのデータ列中の各ビット間で演算した結果(パリティビット)をデータ列の後ろに添付して、データを送信する。そして、受信した側は、添付されたパリティビットと受信データ列中の各ビット演算結果が合致すればデータに誤りがないと判断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−59864号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このパリティチェックでは、同じ偶奇等を有する他のデータ列を誤って受信しても、正しいデータ列と判断するおそれがあり、その結果、誤った時刻情報に基づいて時刻補正をするおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、位置情報衛星から送信される時刻情報の正誤を確実に且つ迅速に判断することができる時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明によれば、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、時刻情報に基づいて区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、区画識別情報と対応区画識別情報に基づいて区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部とを有している。
時刻情報は、その属する区画によって異なる内容となっている。例えば、区画識別情報である例えば「サブフレーム1」の時刻情報である例えば、Zカウントは、次に区画である例えば、「サブフレーム1」の始まりの部分における時刻を示す。
このように、時刻情報とその属する区画とは密接な関係を有している。そのため、前記構成では、時刻情報取得部が、時刻情報(例えば「Zカウント」)を取得すると共に、区画識別情報取得部が、区画識別情報(例えば、サブフレーム1)を取得する。
【0008】
そして、対応識別情報演算部が、Zカウントに基づいて対応区画識別情報(例えば、演算後の数値「1」)を演算することができる。この演算結果は、Zカウントとサブフレームの番号「1」とが一定の規則性を有しているため確実な値となる。
その後、この対応区画識情報(例えば「1」)と区画識別情報(例えば「サブフレーム1」)を区画識別情報判断部が判断することで、当該時刻情報(例えば、Zカウント)が正しいか否かを迅速且つ確実に判断することができることになる。
上述の例では、数値「1」で一致したため、正確な情報であることになる。一方、この数値が相違する場合等は、受信した衛星信号に誤りがあったことになり、再び衛星信号を受信することとなる。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく確実にデータの正誤を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0009】
好ましくは、前記衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の前記区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、このページ情報を取得するページ情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記ページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、前記ページ情報と前記対応ページ情報に基づいて前記ページ情報の正誤を判断するページ情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置である。
【0010】
前記構成によれば、衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、このページ情報を取得するページ情報取得部と、時刻情報に基づいてページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、ページ情報と対応ページ情報に基づいてページ情報の正誤を判断するページ情報判断部とを有する。
すなわち、同一の区画識別情報、例えば、サブフレーム5等であっても、衛星信号上は複数、例えば25個、存在する。この場合、同じサブフレーム5であっても、その内容が異なるため、これら25個を例えば、ページ数等のページ情報で区別している。
そして、このページ数等のページ情報とZカウント等の時刻情報とは、サブフレーム5等の区画識別情報を介して密接な関係を有している。例えば、ページ情報である25ページのサブフレーム5のZカウントの時刻情報は、その次のサブフレーム1の開始部分の時間を示すという関係となっている。
【0011】
このように、サブフレーム5等の区画識別情報におけるページ25等のページ情報と、Zカウント等の時刻情報とは、一定の規則性を有することとなる。
そこで、前記構成では、ページ情報取得部で、当該区画識別情報(サブフレーム5等)を区別するためのページ情報(例えば、「25」等)を取得する。そして、対応ページ演算部が、取得した時刻情報(例えば、Zカウント)に基づいて、ページ情報に対応する対応ページ情報(例えば、「25」等)を演算で求める。
このとき、この演算結果は、当該区画識別情報(サブフレーム5等)におけるページ情報(25等)と時刻情報(例えば、Zカウント)とが一定の規則性を有しているため、確実な値となる。
【0012】
そして、ページ情報判断部は、ページ情報取得部で取得した実際のページ情報と、演算結果である対応ページ情報(例えば、「25」等)とに基づいて、実際のページ情報の正誤を判断する。
上述の例では、数値「25」で一致すれば、正確な情報となり、逆に数値が一致しない場合は、受信した衛星信号に誤りがあったことになり、再び、衛星信号を受信することとなる。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく、より確実に正誤を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0013】
好ましくは、前記区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち前記時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の前記小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、前記衛星信号受信部が、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号から前記小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置である。
【0014】
前記構成によれば、区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、衛星信号受信部が、時刻情報小区画に相当する衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、時刻情報小区画に相当する衛星信号から小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有している。
すなわち、衛星信号の区画(例えば、サブフレーム)には、時刻情報小区画である例えば、HOWワード(10ワードで1サブフレーム)が含まれ、この時刻情報小区画(例えば、HOWワード)を受信していれば、同時に時刻情報(例えば、Zカウント)を受信したこととなる。
そして、この時刻情報小区画(例えば、HOWワード)には、他の小区画(例えば、他のワード)と区別し得る小区画識別情報(例えば、特定ビットが0)が備えられている。
【0015】
このため、時刻情報小区画信号受信部が、時刻情報小区画(例えば、HOWワード)に相当する衛星信号を受信したか否かを判断し、当該信号を受信したときは、小区画識別情報判断部が、その時刻情報小区画(例えば、HOWワード)に小区画識別情報(例えば、特定ビットが0)が存在するか否かを判断する。そして、小区画識別情報が存在すれば、正しい時刻情報小区画(例えば、HOWワード)であると判断し、小区画識別情報が存在しなければ、当該小区画は、時刻情報小区画(例えば、HOWワード)でないと判断し、再び衛星信号を受信する。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく、より確実に時刻情報が配置されている小区画を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0016】
前記課題は、本発明によれば、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置により達成される。
【0017】
前記課題は、本発明によれば、衛星信号受信部が、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信工程と、時刻情報取得部が、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得工程と、区画識別情報取得部が、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得工程と、対応識別情報演算部が、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算工程と、区画識別情報判断部が、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。
【図2】GPS付き腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図3】GPS付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図4】図3の各種プログラム格納部内のデータを示す概略図である。
【図5】図3の各種データ格納部内のデータを示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図7】第1の実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図8】衛星信号を示す概略説明図である。
【図9】図8(b)のHOWワードを示す概略説明図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図11】第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す他の概略図である。
【図12】第2の実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図13】図8(a)のサブフレームを構成する10個のワードのうち、5個のワードについて示した概略説明図である。
【図14】図11のページID/サブフレームSVID対応データを示す概略説明図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図16】第3の実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計10」という)を示す概略図であり、図2は、図1のGPS付き腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ27が形成されている。なお、ディスプレイ27は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。
【0021】
また、図1に示すように、GPS付き腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、例えば、地球の上空を所定の軌道で周回しているGPS衛星15からの信号を受信する構成となっている。なお、GPS衛星15は、位置情報衛星の一例となっている。
【0022】
また、図2に示すように、GPS付き腕時計10は、その内部に時刻表示装置21やGPS装置20等を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。
また、本実施の形態における時刻表示装置21は、いわゆる電子時計として機能する構成となっている。以下、図2に示す各構成について説明する。
図2に示すように、GPS付き腕時計10は、バス16を備え、バス16には、CPU(Central Processing Unit)17、RAM(Random Access Memory)18、ROM(Read Only Memory)19等が接続されている。
また、バス16には、GPS衛星15から発信される衛星信号を受信するGPS装置20が接続されている。さらに、バス16には、時刻表示装置21も接続されている。
【0023】
このGPS装置20は、具体的には、アンテナ11を有すると共に、アンテナ11で受信した信号を中間周波数(I/F)等とするRF部や、信号を復調処理するベースバンド部等を有している。すなわち、GPS装置20は、図1のGPS衛星15a等から受信した信号を、アンテナ11、RF部及びベースバンド部等を介してGPS信号として取り出すことができる構成となっている。このように、GPS装置20は、衛星信号受信部の一例となっている。
そして、このGPS信号(衛星信号の一例)には、原子時計に基づく精度の高いGPS時刻情報(Zカウント)が含まれている。なお、このGPS時刻信号については後述する。このように、GPS装置20は、時刻情報取得部の一例ともなっている。
【0024】
また、バス16に接続されている時刻表示装置21は、IC(半導体集積回路)等からなるリアルタイムクロック(RTC)22やディスプレイ27等を有している。また、バス16には、電源となる太陽電池23も接続されている。
【0025】
このように、バス16は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM18等は、所定のプログラムの処理を行う他、バス16に接続されたROM19等を制御している。ROM19は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
【0026】
図3は、GPS付き腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、制御部28を有し、制御部28は、図3に示す各種プログラム格納部30内の各種プログラム、各種データ格納部40内の各種データを処理する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部30と各種データ格納部40とを分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
【0027】
図4は、図3の各種プログラム格納部30内のデータを示す概略図であり、図5は、図3の各種データ格納部40内のデータを示す概略図である。
図6及び図7は、本実施の形態にかかるGPS付き腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【0028】
以下、図6及び図7のフローチャートにしたがって本実施の形態に係るGPS付き腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4及び図5の各種プログラムや各種データ等について説明する。
先ず、GPS付き腕時計10が図1のRTC22の時刻修正を行う場合は、先ず、図6のST1に示すように、GPS衛星15の衛星信号の受信動作を開始する。具体的には図4の衛星信号の受信動作プログラム31が動作する。その後、ST2へ進み、GPS衛星15を捕捉するためのサーチが実行される。これは、地球を周回等しているGPS衛星15を捕捉するための動作であり、図1のGPS装置20が動作し、具体的には、図4のGPS衛星サーチ動作プログラム32が動作する。
【0029】
次にST3へ進む。ST3では、全衛星のサーチが終了したか否かが判断される。つまり、地球を周回するGPS衛星15等の全てについてサーチが終了したか否かが判断され、具体的には、その判断は、図4の全衛星サーチ終了判断プログラム33が行う。そして、全てのGPS衛星15等のサーチが終了したと判断した場合は、電力の無駄となるためGPS衛星15等の捕捉を終了する。
一方、ST3で、全てのGPS衛星15等のサーチが終了していない場合は、ST4に進む。ST4では、実際にGPS衛星15等を捕捉したか否かが判断され、具体的には、衛星捕捉判断プログラム34が動作する(衛星信号受信工程の一例)。
ST4でGPS衛星15等を捕捉したと判断した場合は、ST5へ進み、受信時間タイムアウトか否か判断する。すなわち、図1のGPS装置20が長時間にわたって動作し、消費電力が大きくなることを未然に防止する構成となっている。
【0030】
次に、ST6へ進み、Zカウントを取得したか否かを判断するが、この工程について説明する前に、GPS衛星15からの衛星信号について説明する。
図8は、衛星信号を示す概略説明図である。
GPS衛星15からは、図8(a)に示すように、1フレーム(30秒)単位で信号が送信されてくる。この1フレームは、5個のサブフレーム(1サブフレームは6秒)を有している。各サブフレームは、10ワード(1ワードは0.6秒)を有している。
また、各サブフレームの先頭のワードは、TLM(Telemetry word)データが格納されたTLMワードとなっており、このTLMワード内には、図8(b)に示すように、その先頭にプリアンブルデータが格納されている。
また、TLMに続くワードは、HOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of week)というGPS衛星のGPS時刻情報(Zカウント)が格納されている。
このZカウントは、次に続く、サブフレームのTLMの開始部分の時刻が格納されている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時から経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。
【0031】
ここで、図6のST6に戻ると、このST6では、GPS衛星15から受信した図8(b)に示す衛星信号のHOWワードのうちTOWのデータを受信したか否かを判断する(時刻情報取得工程の一例)。
ここで、TOWデータを受信したことが確実であれば、このTOWデータから演算等によって取得された時刻データ(Zカウント)が精度の高いGPS時刻データとなる。
具体的には、このZカウントのデータが取得されたか否かは、図4のZカウント取得可否判断プログラム35が動作して判断される。そして、取得されたZカウントのデータ、つまり、図8(b)に示す、次のサブフレームのTLMのプリアンブルの開始部分のタイミングにおける時刻データは、図4のZカウント登録プログラム36が動作し、図5のZカウントデータ41として登録される。例えば、「00:10:00」等である。
すなわち、この時刻(Zカウント)が、サブフレームが「1」から演算した時刻である場合は、その次に送信される「サブフレーム2」のTLMワードのプリアンブルの立ち上がり部分の時刻を示すことになる。
【0032】
しかし、上述のように、図1のGPS装置20が受信したGPS衛星15からの衛星信号は誤りデータであるおそれがある。もし、誤りデータである場合は、その取得したデータも間違いということになり、結果として図1のRTC22の時刻を正確に修正することができなくなる。
そこで、本実施の形態では、ST7以下の工程が実行される。
【0033】
ST7では、サブフレームIDが取得される(区画識別情報取得工程の一例)。図9は、図8(b)のHOWワードを示す概略説明図である。
図9に示すように、HOWワードは30bit(ビット)からなり、最初の1ビットから17ビットまでは、TOWのデータとなっている。そして、その後、20ビットから22ビットまでは、そのHOWワードの属するサブフレームの番号である「サブフレームID」のデータとなっている。
具体的には、例えば、図9のHOWワードが「サブフレーム1」のHOWワードであるときは、サブフレームIDとして「1」というデータが送信される。
【0034】
そのため、図6のST7では、図9のTOWデータに続く、ビット20乃至ビット22のサブフレームIDデータを取得し、その結果を図5のサブフレームIDデータ42として登録することになる。
具体的には、図4のサブフレームID取得、登録プログラム37が動作して、サブフレームID、例えば「1」をサブフレームIDデータ42に登録する。
ここで、サブフレームID取得、登録プログラム37は、区画識別情報取得部の一例となっており、サブフレームが区画の一例であり、サブフレームIDの番号が、区画識別情報の一例となっている。
【0035】
次に、ST8へ進み、Zカウントに基づきサブフレームIDを算出する(対応識別情報演算工程の一例)。つまり、図9のTOWデータで示されるZカウントという時刻データは、サブフレームの開始部分であるプリアンブルの開始部分のタイミングのデータであるように、その時刻データはサブフレームと密接な関連を有している。
具体的には、ZカウントはTOWデータを4倍することで得られ、サブフレームIDはZカウントと同期しており、週の初めは「サブフレーム1」から始まるため、以下の式で示すように、TOWデータに基づいて、そのTOWデータが存在するサブフレームのID、すなわち「番号」が予想することができる。
式は、「(サブフレームID)=((TOW+4)mod5)+1」である。
ここで、「mod」とは、XmodYの場合、XでYを割った時の余りの値を示す。
【0036】
つまり、ST8では、サブフレームID演算プログラム38が動作し、このプログラムで、上述の式が実行される。具体的には、図5のZカウントデータ41から、その基本データであるTOWデータを求め、そのTOWデータを上記式に代入し、サブフレームIDを求める。
このようにして求められた演算後のサブフレームIDは、図5の演算サブフレームIDデータ43として登録される。この数値が例えば「1」とする。
つまり、サブフレームID演算プログラム38が、対応識別情報演算部の一例となっており、演算サブフレームIDデータ43は、対応区画識別情報の一例となっている。
【0037】
次に、ST9へ進む。ST9では、算出されたサブフレームIDと取得したサブフレームIDとは一致するかが判断される(区画識別情報判断工程の一例)。
すなわち、図4のサブフレームID比較プログラム39が動作し、図5のサブフレームIDデータ42と演算サブフレームIDデータ43を比較して、一致するか否かが判断される。
この判断で一致すれば、受信した衛星信号が誤りデータではなく、当該サブフレームのTOWデータであることが分かり、このTOWデータに基づいて求められたZカウント(時刻情報)も信頼性の高いデータであることが分かる。
このように、サブフレームID比較プログラム39が、区画識別情報判断部の一例となっている。
【0038】
次に、ST10へ進む。ST10では、パリティチェックが成功したか否かが判断される。このパリティチェックは、例えば、前のワードの29ビット及び30ビットと現ワードの25ビット及び28ビットを用いて実施される。そして、その結果、そのデータに誤りがないか否かが判断される構成となっている。具体的には、図4のパリティチェック判断プログラム131が判断する。
【0039】
このように、本実施の形態では、GPS衛星15から受信した衛星信号のデータの誤りをパリティチェックで判断するが、これは、特定のデータ列中の各ビット演算結果が合致するか否かで判断するものであるため、誤りがあるにもかかわらず、正しいデータと判断し、その判断に基づいて、Zカウントを演算等し、時刻修正等を行う場合がある。これでは精度の高い時刻修正はできない。
この点、本実施の形態では、その点、パリティチェックだけでなく、受信したZカウントからサブフレームIDを演算等で予測し、この予測された演算サブフレームIDデータ43が、実際に受信したサブフレームIDデータ42と一致するか否かを判断することで、その受信したデータの正誤を迅速且つ適確に判断することができる構成となっている。
【0040】
ところで、ST10の次は、ST11で衛星信号の受信が終了し、ST12で図1のRTC22を修正する時刻修正が実行される。具体的には、図4の時刻修正実行プログラム132が動作して実行される。
【0041】
(第2の実施の形態)
図10及び図11は、本発明の第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計100の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図12は、本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計100の主な動作等を示す概略フローチャートである。
具体的には、図10は、本実施の形態にかかる各種プログラム格納部300内のデータを示す概略図であり、図11は、本実施の形態にかかる各種データ格納部400内のデータを示す概略図である。
本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計100の構成等は、上述の第1の実施の形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成等は同一符号等とし、または、その旨を記載することでそれらの説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0042】
以下、本実施の形態の特徴を、図12のフローチャート等用いて説明する。先ず、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の図6及び図7のST1乃至ST10が、それらと同様に実施される。
また、第1の実施の形態のST10乃至ST12も同様に実施される。つまり、本実施の形態では、第1の実施の形態のST9とST10との間に図12に示すような工程が挿入されることが大きな特徴となっている。
すなわち、図12のST10でパリティチェックの前に、ST21で、受信したサブフレームの番号が「5」であるか否かが判断される。
具体的には、図10のサブフレームID判断プログラム131が動作して、図11のサブフレームIDデータ42を参照して判断する。
【0043】
ここで、「サブフレーム5」について説明する。図8に示すようにGPS衛星15からの衛星信号は、サブフレーム単位、例えば、5種類のサブフレームを有している。このうち、「サブフレーム5」には、全GPS衛星のアルマナック情報(概略軌道情報)等が配置されているため、情報量が大きく、1個のサブフレームでは足らず、全部で25個のサブフレーム5に、それらの情報を分割して配置している。
このため、衛星信号には「サブフレーム5」は25個存在し、各サブフレーム5はページ数で区分されている。例えば、「3ページ」の「サブフレーム5」等である。
【0044】
したがって、本実施の形態のST7で取得したサブフレームIDデータ42が「5」、つまり、「フレーム5」の場合は、このフレーム5が何ページのフレーム5であるかを判断する必要が生じる。
そこで、本実施の形態では、図12のST21で、「サブフレーム5」か否かを判断し、サブフレーム5である場合は、ST22へ進む。
ST22では、受信した「サブフレーム5」のSVIDを取得し、この取得したSVIDに基づき当該「サブフレーム5」のページIDを取得する。
具体的には、図10のサブフレームのSVID取得プログラム332が動作するのであるが、より詳細には、以下のようになる。なお、SVIDは、ページ情報の一例である。
【0045】
図13は、図8(a)のサブフレームを構成する10個のワードのうち、5個のワードについて示した概略説明図である。
図13に示すように、サブフレームの第3番目のワードにはSVIDというサブフレームのページIDに対応するデータが配置されている。
また、図14は、図11のページID/サブフレームSVID対応データ441を示す概略説明図である。
つまり、図14には、図13に示す「SVID」に相当する「ページID」、すなわち「ページ番号」のデータが格納されている。
そして、図10のサブフレームのSVID取得プログラム332が動作して、図13のワード3の「SVID」のデータを取得すると、その後、図10のページID取得プログラム333が動作し、この「SVID」のデータと図14のページID/サブフレームSVID対応データ441に基づいて、ページIDデータを取得することができる構成となっている。
そして、このように取得されたページIDは、図11のページIDデータ442として登録される。例えば、10ページである。
このように、サブフレームのSVID取得プログラム332がページ情報取得部の一例である。
【0046】
このページIDデータ442が、正確であれば良いが、GPS衛星15から送信されてくる衛星信号はデータの誤りが生じている場合等があり、このデータの誤りをそのまま放置すると、結果的に正確なZカウントを得られず、精度良く時刻修正ができないという問題が生じるおそれがある。
【0047】
すなわち、ST23では、図11のZカウントデータからページIDを算出する。
ページID(図14参照)とZカウント等の時刻情報とは、密接な関係を有している。例えば、ページ情報である例えば、25ページのサブフレーム5のZカウントの時刻情報は、その次のサブフレーム1の開始部分の時間を示すという関係となり、サブフレーム5のページ25等のページ情報と、Zカウント等の時刻情報とは、一定の規則性を有している。
具体的には、図14に示すページIDは、各サブフレームのZカウントと同期しており、週の初めはページIDが「1」、つまり、ページ1から始まる構造となっている。
このため、以下の式で示すように、TOWデータに基づいて、そのTOWデータが存在するサブフレーム5のページID、すなわち「ページ数」を予想することができる。
式は、「TOW」が「0」の場合は、ページID=10」であり、「TOWが「0」以外の場合は、(ページID)=((TOW−1)÷5)mod25」+1」である。
ここで、「mod」とは、XmodYの場合、XでYを割った時の余りの値を示す。
【0048】
つまり、図10のページID演算プログラム334は、上記の式に従い、受信して取得した「TOW」に基づきページIDを演算し、その結果を図11の演算ページIDデータ443として登録する。
ここで、ページID演算プログラム334は、対応ページ情報演算部の一例である。
【0049】
次に、ST24に進み、演算されたページIDと取得したIDが一致するか否かが判断される。具体的には、図10のページID比較プログラム335が動作して、図11のページIDデータ442と演算ページIDデータ443を比較する。
この比較の結果、一致すれば、実際に受信したページIDのデータは正確であるため、その後のST12で、このデータに基づいて時刻修正が実施される。
一方、比較の結果が一致しない場合は、データの誤りがあると判断して、再び衛星信号を受信することとなる。
このように、ページID比較プログラム335がページ情報判断部の一例である。
【0050】
このように、本実施の形態では、ページ数により異なるサブフレームのページIDの正誤をより確実に判断することができる。
その後、さらに、本実施の形態では、パリティチェック(ST10)を行い、データに誤りがないか否かを判断できる構成となっている。
つまり、本実施の形態では、パリティチェック演算をすることなく、迅速にエラーを検出することができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図15は、本発明の第3の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計200の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図16は、本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計200の主な動作等を示す概略フローチャートである。
具体的には、図15は、本実施の形態にかかる各種プログラム格納部500内のデータを示す概略図である。
本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計200の構成等は、上述の第1の実施の形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成等は同一符号等とし、または、その旨を記載することでそれらの説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0052】
以下、本実施の形態の特徴を、図16のフローチャート等用いて説明する。先ず、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の図6及び図7のST1乃至ST5が同様に実施される。
また、第1の実施の形態のST6乃至ST12も同様に実施される。つまり、本実施の形態では、第1の実施の形態のST5とST6との間に図16に示すような工程が実施されることが大きな特徴となっている。
すなわち、図16のST4で衛星捕捉が成功し、その後、ST5で受信時間タイムアウトでない場合は、ST31で、HOWワードを検出したか否かを判断し、HOWワードを検出した場合は、ST32でHOWワードのビット29及びビット30が「0」であるか否かを判断するという工程が付加されている。
このワードが小区画の一例で、HOWワードが時刻情報小区画の一例である。また、ビット29及びビット30が「0」であることが、小区画識別情報の一例である。
【0053】
先ず、このような工程を付加する意味について説明する。第2の実施の形態で説明した図9に示すように、時刻データ(Zカウント)は、HOWワードに含まれるTOWデータに基づいて取得される。このため、受信した衛星信号のうち、HOWワード以外の部分をHOWワードと間違って認識し、その中のビット1からビット17をTOWデータであるとして、演算等しZカウント(時刻データ)を取得すると、結果的に時刻修正を精度良くできないという問題がある。
そこで、本実施の形態では、ST32で、GPS時刻修正装置付き腕時計200が、HOWデータと思われるデータを取得したか否かを判断し、HOWワードと思われるデータを取得した場合、ST32で、本当に正しいHOWワードであるかを判断しょうとするものである。
【0054】
この正しいか否かの判断は、具体的には次のように行われる。つまり、図9に示す、HOWワードには、他のワードデータにない特徴があり、それは、ビット29及びビット30が必ず「0」となっていることである。
そこで、本実施の形態では、このHOWワードの特徴を利用して、受信したHOWワードと思われるデータが本当に正しいHOWワードであるかを判断しようとするものである。
【0055】
これを図16の工程にしたがって説明する。先ず、ST31では、図15のHOWワード検出プログラム531が動作し、GPS時刻修正装置付き腕時計200が、GPS衛星15の衛星信号のHOWワードと思われるデータを検出したか否かを判断する。
次いで、ST32では、図15のHOWワードのビット29及びビット30データ確認プログラム532が動作する。具体的には、同プログラム532は、受信したHOWワードと思われるデータの29ビット及び30ビットが「0」となっているか否かを判断し、これらのビット29及びビット30が「0」となっている場合は、ST6へ進む。
このように、HOWワード検出プログラム531が、HOWワード検出プログラム531の一例となっており、HOWワードのビット29及びビット30データ確認プログラム532が、小区画識別情報判断部の一例となっている。
【0056】
このように、本実施の形態では、時刻データであるTOWが含まれているHOWワードであることを確認することができるので、誤って他のデータをHOWワードと認識し、それに基づく誤った時刻データを取得するのを、迅速かつ未然に防止することができる。
【0057】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。なお、上述の実施の形態では、位置情報衛星として、地球を周回するGPS衛星を例に説明しているが、本発明の位置情報衛星は、これに限らず、静止衛星や準天頂衛星等も含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10・・・GPS時刻修正装置付き腕時計、11・・・アンテナ、12・・・文字板、13・・・針、15・・・GPS衛星、20・・・GPS装置、21・・・時刻表示装置、22・・・RTC、23・・・太陽電池、27・・・ディスプレイ、31・・・衛星信号の受信動作プログラム、32・・・GPS衛星サーチ動作プログラム、33・・・全衛星サーチ終了判断プログラム、34・・・衛星捕捉判断プログラム、35・・・Zカウント取得可否判断プログラム、36・・・Zカウント登録プログラム、37・・・サブフレームID取得、登録プログラム、38・・・サブフレームID演算プログラム、39・・・サブフレームID比較プログラム、41・・・Zカウントデータ、42・・・サブフレームIDデータ、43・・・演算サブフレームIDデータ、131・・・パリティチェック判断プログラム、132・・・時刻修正実行プログラム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばGPS衛星等の位置情報衛星からの信号に基づいて時刻修正を行う時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自己位置を測位するためのシステムであるGPS(Global Positioning System)システムでは、地球を周回する軌道等を有するGPS衛星が用いられており、このGPS衛星には、原子時計が備えられている。このため、GPS衛星は、極めて正確な時刻情報(GPS時刻)を有している。
そして、GPS衛星からの信号を受信する受信機側が、GPS衛星の時刻情報を得るには、GPS衛星からの信号のうち、TOW(Time of Week、GPS時刻、週の初めから一週間毎に示される秒単位の情報)信号を受信する必要がある(例えば、特許文献1)。
また、このように受信された信号は、高度20,000km程度離れているGPS衛星から発信された信号であるため、そのデータに誤り(エラー)が生じる可能性がある。そこで、このようなデータの誤りを検出するため、いわゆる「パリティチェック」が行われる。
パリティチェックでは、具体的には、送信するデータ列を一定の個数で区切り、そのデータ列中の各ビット間で演算した結果(パリティビット)をデータ列の後ろに添付して、データを送信する。そして、受信した側は、添付されたパリティビットと受信データ列中の各ビット演算結果が合致すればデータに誤りがないと判断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−59864号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このパリティチェックでは、同じ偶奇等を有する他のデータ列を誤って受信しても、正しいデータ列と判断するおそれがあり、その結果、誤った時刻情報に基づいて時刻補正をするおそれがあるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、位置情報衛星から送信される時刻情報の正誤を確実に且つ迅速に判断することができる時刻修正装置、時刻修正装置付き計時装置及び時刻修正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明によれば、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置により達成される。
【0007】
前記構成によれば、衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、時刻情報に基づいて区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、区画識別情報と対応区画識別情報に基づいて区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部とを有している。
時刻情報は、その属する区画によって異なる内容となっている。例えば、区画識別情報である例えば「サブフレーム1」の時刻情報である例えば、Zカウントは、次に区画である例えば、「サブフレーム1」の始まりの部分における時刻を示す。
このように、時刻情報とその属する区画とは密接な関係を有している。そのため、前記構成では、時刻情報取得部が、時刻情報(例えば「Zカウント」)を取得すると共に、区画識別情報取得部が、区画識別情報(例えば、サブフレーム1)を取得する。
【0008】
そして、対応識別情報演算部が、Zカウントに基づいて対応区画識別情報(例えば、演算後の数値「1」)を演算することができる。この演算結果は、Zカウントとサブフレームの番号「1」とが一定の規則性を有しているため確実な値となる。
その後、この対応区画識情報(例えば「1」)と区画識別情報(例えば「サブフレーム1」)を区画識別情報判断部が判断することで、当該時刻情報(例えば、Zカウント)が正しいか否かを迅速且つ確実に判断することができることになる。
上述の例では、数値「1」で一致したため、正確な情報であることになる。一方、この数値が相違する場合等は、受信した衛星信号に誤りがあったことになり、再び衛星信号を受信することとなる。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく確実にデータの正誤を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0009】
好ましくは、前記衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の前記区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、このページ情報を取得するページ情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記ページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、前記ページ情報と前記対応ページ情報に基づいて前記ページ情報の正誤を判断するページ情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置である。
【0010】
前記構成によれば、衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、このページ情報を取得するページ情報取得部と、時刻情報に基づいてページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、ページ情報と対応ページ情報に基づいてページ情報の正誤を判断するページ情報判断部とを有する。
すなわち、同一の区画識別情報、例えば、サブフレーム5等であっても、衛星信号上は複数、例えば25個、存在する。この場合、同じサブフレーム5であっても、その内容が異なるため、これら25個を例えば、ページ数等のページ情報で区別している。
そして、このページ数等のページ情報とZカウント等の時刻情報とは、サブフレーム5等の区画識別情報を介して密接な関係を有している。例えば、ページ情報である25ページのサブフレーム5のZカウントの時刻情報は、その次のサブフレーム1の開始部分の時間を示すという関係となっている。
【0011】
このように、サブフレーム5等の区画識別情報におけるページ25等のページ情報と、Zカウント等の時刻情報とは、一定の規則性を有することとなる。
そこで、前記構成では、ページ情報取得部で、当該区画識別情報(サブフレーム5等)を区別するためのページ情報(例えば、「25」等)を取得する。そして、対応ページ演算部が、取得した時刻情報(例えば、Zカウント)に基づいて、ページ情報に対応する対応ページ情報(例えば、「25」等)を演算で求める。
このとき、この演算結果は、当該区画識別情報(サブフレーム5等)におけるページ情報(25等)と時刻情報(例えば、Zカウント)とが一定の規則性を有しているため、確実な値となる。
【0012】
そして、ページ情報判断部は、ページ情報取得部で取得した実際のページ情報と、演算結果である対応ページ情報(例えば、「25」等)とに基づいて、実際のページ情報の正誤を判断する。
上述の例では、数値「25」で一致すれば、正確な情報となり、逆に数値が一致しない場合は、受信した衛星信号に誤りがあったことになり、再び、衛星信号を受信することとなる。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく、より確実に正誤を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0013】
好ましくは、前記区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち前記時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の前記小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、前記衛星信号受信部が、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号から前記小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置である。
【0014】
前記構成によれば、区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、衛星信号受信部が、時刻情報小区画に相当する衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、時刻情報小区画に相当する衛星信号から小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有している。
すなわち、衛星信号の区画(例えば、サブフレーム)には、時刻情報小区画である例えば、HOWワード(10ワードで1サブフレーム)が含まれ、この時刻情報小区画(例えば、HOWワード)を受信していれば、同時に時刻情報(例えば、Zカウント)を受信したこととなる。
そして、この時刻情報小区画(例えば、HOWワード)には、他の小区画(例えば、他のワード)と区別し得る小区画識別情報(例えば、特定ビットが0)が備えられている。
【0015】
このため、時刻情報小区画信号受信部が、時刻情報小区画(例えば、HOWワード)に相当する衛星信号を受信したか否かを判断し、当該信号を受信したときは、小区画識別情報判断部が、その時刻情報小区画(例えば、HOWワード)に小区画識別情報(例えば、特定ビットが0)が存在するか否かを判断する。そして、小区画識別情報が存在すれば、正しい時刻情報小区画(例えば、HOWワード)であると判断し、小区画識別情報が存在しなければ、当該小区画は、時刻情報小区画(例えば、HOWワード)でないと判断し、再び衛星信号を受信する。
このように、前記構成では、従来の「パリティチェック」等で、データの誤りを見過ごすような場合であっても、見過ごすことなく、より確実に時刻情報が配置されている小区画を判断することができると共に、時刻同期時間を短縮することができる。
【0016】
前記課題は、本発明によれば、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置により達成される。
【0017】
前記課題は、本発明によれば、衛星信号受信部が、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信工程と、時刻情報取得部が、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得工程と、区画識別情報取得部が、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得工程と、対応識別情報演算部が、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算工程と、区画識別情報判断部が、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計を示す概略図である。
【図2】GPS付き腕時計の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
【図3】GPS付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図4】図3の各種プログラム格納部内のデータを示す概略図である。
【図5】図3の各種データ格納部内のデータを示す概略図である。
【図6】第1の実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図7】第1の実施の形態にかかるGPS付き腕時計の主な動作等を示す他の概略フローチャートである。
【図8】衛星信号を示す概略説明図である。
【図9】図8(b)のHOWワードを示す概略説明図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図11】第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す他の概略図である。
【図12】第2の実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【図13】図8(a)のサブフレームを構成する10個のワードのうち、5個のワードについて示した概略説明図である。
【図14】図11のページID/サブフレームSVID対応データを示す概略説明図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
【図16】第3の実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計10(以下「GPS付き腕時計10」という)を示す概略図であり、図2は、図1のGPS付き腕時計10の内部の主なハードウエア構成等を示す概略図である。
図1に示すように、GPS付き腕時計10は、その表面に文字板12、長針、短針等の針13等が配置されると共に、各種メッセージが表示されるLED等からなるディスプレイ27が形成されている。なお、ディスプレイ27は、LEDの他、LCD、アナログ表示等でも構わない。
【0021】
また、図1に示すように、GPS付き腕時計10は、アンテナ11を有しており、このアンテナ11は、例えば、地球の上空を所定の軌道で周回しているGPS衛星15からの信号を受信する構成となっている。なお、GPS衛星15は、位置情報衛星の一例となっている。
【0022】
また、図2に示すように、GPS付き腕時計10は、その内部に時刻表示装置21やGPS装置20等を備え、コンピュータとしての機能も発揮する構成となっている。
また、本実施の形態における時刻表示装置21は、いわゆる電子時計として機能する構成となっている。以下、図2に示す各構成について説明する。
図2に示すように、GPS付き腕時計10は、バス16を備え、バス16には、CPU(Central Processing Unit)17、RAM(Random Access Memory)18、ROM(Read Only Memory)19等が接続されている。
また、バス16には、GPS衛星15から発信される衛星信号を受信するGPS装置20が接続されている。さらに、バス16には、時刻表示装置21も接続されている。
【0023】
このGPS装置20は、具体的には、アンテナ11を有すると共に、アンテナ11で受信した信号を中間周波数(I/F)等とするRF部や、信号を復調処理するベースバンド部等を有している。すなわち、GPS装置20は、図1のGPS衛星15a等から受信した信号を、アンテナ11、RF部及びベースバンド部等を介してGPS信号として取り出すことができる構成となっている。このように、GPS装置20は、衛星信号受信部の一例となっている。
そして、このGPS信号(衛星信号の一例)には、原子時計に基づく精度の高いGPS時刻情報(Zカウント)が含まれている。なお、このGPS時刻信号については後述する。このように、GPS装置20は、時刻情報取得部の一例ともなっている。
【0024】
また、バス16に接続されている時刻表示装置21は、IC(半導体集積回路)等からなるリアルタイムクロック(RTC)22やディスプレイ27等を有している。また、バス16には、電源となる太陽電池23も接続されている。
【0025】
このように、バス16は、すべてのデバイスを接続する機能を有し、アドレスやデータパスを有する内部バスである。RAM18等は、所定のプログラムの処理を行う他、バス16に接続されたROM19等を制御している。ROM19は、各種プログラムや各種情報等を格納している。
【0026】
図3は、GPS付き腕時計10の主なソフトウエア構成等を示す概略図である。
図3に示すように、GPS付き腕時計10は、制御部28を有し、制御部28は、図3に示す各種プログラム格納部30内の各種プログラム、各種データ格納部40内の各種データを処理する構成となっている。
また、図3には、各種プログラム格納部30と各種データ格納部40とを分けて示してあるが、実際に、このようにデータが分けて格納されているわけではなく、説明上の便宜のために分けて記載したものである。
【0027】
図4は、図3の各種プログラム格納部30内のデータを示す概略図であり、図5は、図3の各種データ格納部40内のデータを示す概略図である。
図6及び図7は、本実施の形態にかかるGPS付き腕時計10の主な動作等を示す概略フローチャートである。
【0028】
以下、図6及び図7のフローチャートにしたがって本実施の形態に係るGPS付き腕時計10の動作等を説明しつつ、その関連で図4及び図5の各種プログラムや各種データ等について説明する。
先ず、GPS付き腕時計10が図1のRTC22の時刻修正を行う場合は、先ず、図6のST1に示すように、GPS衛星15の衛星信号の受信動作を開始する。具体的には図4の衛星信号の受信動作プログラム31が動作する。その後、ST2へ進み、GPS衛星15を捕捉するためのサーチが実行される。これは、地球を周回等しているGPS衛星15を捕捉するための動作であり、図1のGPS装置20が動作し、具体的には、図4のGPS衛星サーチ動作プログラム32が動作する。
【0029】
次にST3へ進む。ST3では、全衛星のサーチが終了したか否かが判断される。つまり、地球を周回するGPS衛星15等の全てについてサーチが終了したか否かが判断され、具体的には、その判断は、図4の全衛星サーチ終了判断プログラム33が行う。そして、全てのGPS衛星15等のサーチが終了したと判断した場合は、電力の無駄となるためGPS衛星15等の捕捉を終了する。
一方、ST3で、全てのGPS衛星15等のサーチが終了していない場合は、ST4に進む。ST4では、実際にGPS衛星15等を捕捉したか否かが判断され、具体的には、衛星捕捉判断プログラム34が動作する(衛星信号受信工程の一例)。
ST4でGPS衛星15等を捕捉したと判断した場合は、ST5へ進み、受信時間タイムアウトか否か判断する。すなわち、図1のGPS装置20が長時間にわたって動作し、消費電力が大きくなることを未然に防止する構成となっている。
【0030】
次に、ST6へ進み、Zカウントを取得したか否かを判断するが、この工程について説明する前に、GPS衛星15からの衛星信号について説明する。
図8は、衛星信号を示す概略説明図である。
GPS衛星15からは、図8(a)に示すように、1フレーム(30秒)単位で信号が送信されてくる。この1フレームは、5個のサブフレーム(1サブフレームは6秒)を有している。各サブフレームは、10ワード(1ワードは0.6秒)を有している。
また、各サブフレームの先頭のワードは、TLM(Telemetry word)データが格納されたTLMワードとなっており、このTLMワード内には、図8(b)に示すように、その先頭にプリアンブルデータが格納されている。
また、TLMに続くワードは、HOW(hand over word)データが格納されたHOWワードとなり、その先頭には、TOW(Time of week)というGPS衛星のGPS時刻情報(Zカウント)が格納されている。
このZカウントは、次に続く、サブフレームのTLMの開始部分の時刻が格納されている。
GPS時刻は毎週日曜日の0時から経過時間が秒で表示され、翌週の日曜日の0時に0に戻るようになっている。
【0031】
ここで、図6のST6に戻ると、このST6では、GPS衛星15から受信した図8(b)に示す衛星信号のHOWワードのうちTOWのデータを受信したか否かを判断する(時刻情報取得工程の一例)。
ここで、TOWデータを受信したことが確実であれば、このTOWデータから演算等によって取得された時刻データ(Zカウント)が精度の高いGPS時刻データとなる。
具体的には、このZカウントのデータが取得されたか否かは、図4のZカウント取得可否判断プログラム35が動作して判断される。そして、取得されたZカウントのデータ、つまり、図8(b)に示す、次のサブフレームのTLMのプリアンブルの開始部分のタイミングにおける時刻データは、図4のZカウント登録プログラム36が動作し、図5のZカウントデータ41として登録される。例えば、「00:10:00」等である。
すなわち、この時刻(Zカウント)が、サブフレームが「1」から演算した時刻である場合は、その次に送信される「サブフレーム2」のTLMワードのプリアンブルの立ち上がり部分の時刻を示すことになる。
【0032】
しかし、上述のように、図1のGPS装置20が受信したGPS衛星15からの衛星信号は誤りデータであるおそれがある。もし、誤りデータである場合は、その取得したデータも間違いということになり、結果として図1のRTC22の時刻を正確に修正することができなくなる。
そこで、本実施の形態では、ST7以下の工程が実行される。
【0033】
ST7では、サブフレームIDが取得される(区画識別情報取得工程の一例)。図9は、図8(b)のHOWワードを示す概略説明図である。
図9に示すように、HOWワードは30bit(ビット)からなり、最初の1ビットから17ビットまでは、TOWのデータとなっている。そして、その後、20ビットから22ビットまでは、そのHOWワードの属するサブフレームの番号である「サブフレームID」のデータとなっている。
具体的には、例えば、図9のHOWワードが「サブフレーム1」のHOWワードであるときは、サブフレームIDとして「1」というデータが送信される。
【0034】
そのため、図6のST7では、図9のTOWデータに続く、ビット20乃至ビット22のサブフレームIDデータを取得し、その結果を図5のサブフレームIDデータ42として登録することになる。
具体的には、図4のサブフレームID取得、登録プログラム37が動作して、サブフレームID、例えば「1」をサブフレームIDデータ42に登録する。
ここで、サブフレームID取得、登録プログラム37は、区画識別情報取得部の一例となっており、サブフレームが区画の一例であり、サブフレームIDの番号が、区画識別情報の一例となっている。
【0035】
次に、ST8へ進み、Zカウントに基づきサブフレームIDを算出する(対応識別情報演算工程の一例)。つまり、図9のTOWデータで示されるZカウントという時刻データは、サブフレームの開始部分であるプリアンブルの開始部分のタイミングのデータであるように、その時刻データはサブフレームと密接な関連を有している。
具体的には、ZカウントはTOWデータを4倍することで得られ、サブフレームIDはZカウントと同期しており、週の初めは「サブフレーム1」から始まるため、以下の式で示すように、TOWデータに基づいて、そのTOWデータが存在するサブフレームのID、すなわち「番号」が予想することができる。
式は、「(サブフレームID)=((TOW+4)mod5)+1」である。
ここで、「mod」とは、XmodYの場合、XでYを割った時の余りの値を示す。
【0036】
つまり、ST8では、サブフレームID演算プログラム38が動作し、このプログラムで、上述の式が実行される。具体的には、図5のZカウントデータ41から、その基本データであるTOWデータを求め、そのTOWデータを上記式に代入し、サブフレームIDを求める。
このようにして求められた演算後のサブフレームIDは、図5の演算サブフレームIDデータ43として登録される。この数値が例えば「1」とする。
つまり、サブフレームID演算プログラム38が、対応識別情報演算部の一例となっており、演算サブフレームIDデータ43は、対応区画識別情報の一例となっている。
【0037】
次に、ST9へ進む。ST9では、算出されたサブフレームIDと取得したサブフレームIDとは一致するかが判断される(区画識別情報判断工程の一例)。
すなわち、図4のサブフレームID比較プログラム39が動作し、図5のサブフレームIDデータ42と演算サブフレームIDデータ43を比較して、一致するか否かが判断される。
この判断で一致すれば、受信した衛星信号が誤りデータではなく、当該サブフレームのTOWデータであることが分かり、このTOWデータに基づいて求められたZカウント(時刻情報)も信頼性の高いデータであることが分かる。
このように、サブフレームID比較プログラム39が、区画識別情報判断部の一例となっている。
【0038】
次に、ST10へ進む。ST10では、パリティチェックが成功したか否かが判断される。このパリティチェックは、例えば、前のワードの29ビット及び30ビットと現ワードの25ビット及び28ビットを用いて実施される。そして、その結果、そのデータに誤りがないか否かが判断される構成となっている。具体的には、図4のパリティチェック判断プログラム131が判断する。
【0039】
このように、本実施の形態では、GPS衛星15から受信した衛星信号のデータの誤りをパリティチェックで判断するが、これは、特定のデータ列中の各ビット演算結果が合致するか否かで判断するものであるため、誤りがあるにもかかわらず、正しいデータと判断し、その判断に基づいて、Zカウントを演算等し、時刻修正等を行う場合がある。これでは精度の高い時刻修正はできない。
この点、本実施の形態では、その点、パリティチェックだけでなく、受信したZカウントからサブフレームIDを演算等で予測し、この予測された演算サブフレームIDデータ43が、実際に受信したサブフレームIDデータ42と一致するか否かを判断することで、その受信したデータの正誤を迅速且つ適確に判断することができる構成となっている。
【0040】
ところで、ST10の次は、ST11で衛星信号の受信が終了し、ST12で図1のRTC22を修正する時刻修正が実行される。具体的には、図4の時刻修正実行プログラム132が動作して実行される。
【0041】
(第2の実施の形態)
図10及び図11は、本発明の第2の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計100の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図12は、本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計100の主な動作等を示す概略フローチャートである。
具体的には、図10は、本実施の形態にかかる各種プログラム格納部300内のデータを示す概略図であり、図11は、本実施の形態にかかる各種データ格納部400内のデータを示す概略図である。
本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計100の構成等は、上述の第1の実施の形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成等は同一符号等とし、または、その旨を記載することでそれらの説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0042】
以下、本実施の形態の特徴を、図12のフローチャート等用いて説明する。先ず、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の図6及び図7のST1乃至ST10が、それらと同様に実施される。
また、第1の実施の形態のST10乃至ST12も同様に実施される。つまり、本実施の形態では、第1の実施の形態のST9とST10との間に図12に示すような工程が挿入されることが大きな特徴となっている。
すなわち、図12のST10でパリティチェックの前に、ST21で、受信したサブフレームの番号が「5」であるか否かが判断される。
具体的には、図10のサブフレームID判断プログラム131が動作して、図11のサブフレームIDデータ42を参照して判断する。
【0043】
ここで、「サブフレーム5」について説明する。図8に示すようにGPS衛星15からの衛星信号は、サブフレーム単位、例えば、5種類のサブフレームを有している。このうち、「サブフレーム5」には、全GPS衛星のアルマナック情報(概略軌道情報)等が配置されているため、情報量が大きく、1個のサブフレームでは足らず、全部で25個のサブフレーム5に、それらの情報を分割して配置している。
このため、衛星信号には「サブフレーム5」は25個存在し、各サブフレーム5はページ数で区分されている。例えば、「3ページ」の「サブフレーム5」等である。
【0044】
したがって、本実施の形態のST7で取得したサブフレームIDデータ42が「5」、つまり、「フレーム5」の場合は、このフレーム5が何ページのフレーム5であるかを判断する必要が生じる。
そこで、本実施の形態では、図12のST21で、「サブフレーム5」か否かを判断し、サブフレーム5である場合は、ST22へ進む。
ST22では、受信した「サブフレーム5」のSVIDを取得し、この取得したSVIDに基づき当該「サブフレーム5」のページIDを取得する。
具体的には、図10のサブフレームのSVID取得プログラム332が動作するのであるが、より詳細には、以下のようになる。なお、SVIDは、ページ情報の一例である。
【0045】
図13は、図8(a)のサブフレームを構成する10個のワードのうち、5個のワードについて示した概略説明図である。
図13に示すように、サブフレームの第3番目のワードにはSVIDというサブフレームのページIDに対応するデータが配置されている。
また、図14は、図11のページID/サブフレームSVID対応データ441を示す概略説明図である。
つまり、図14には、図13に示す「SVID」に相当する「ページID」、すなわち「ページ番号」のデータが格納されている。
そして、図10のサブフレームのSVID取得プログラム332が動作して、図13のワード3の「SVID」のデータを取得すると、その後、図10のページID取得プログラム333が動作し、この「SVID」のデータと図14のページID/サブフレームSVID対応データ441に基づいて、ページIDデータを取得することができる構成となっている。
そして、このように取得されたページIDは、図11のページIDデータ442として登録される。例えば、10ページである。
このように、サブフレームのSVID取得プログラム332がページ情報取得部の一例である。
【0046】
このページIDデータ442が、正確であれば良いが、GPS衛星15から送信されてくる衛星信号はデータの誤りが生じている場合等があり、このデータの誤りをそのまま放置すると、結果的に正確なZカウントを得られず、精度良く時刻修正ができないという問題が生じるおそれがある。
【0047】
すなわち、ST23では、図11のZカウントデータからページIDを算出する。
ページID(図14参照)とZカウント等の時刻情報とは、密接な関係を有している。例えば、ページ情報である例えば、25ページのサブフレーム5のZカウントの時刻情報は、その次のサブフレーム1の開始部分の時間を示すという関係となり、サブフレーム5のページ25等のページ情報と、Zカウント等の時刻情報とは、一定の規則性を有している。
具体的には、図14に示すページIDは、各サブフレームのZカウントと同期しており、週の初めはページIDが「1」、つまり、ページ1から始まる構造となっている。
このため、以下の式で示すように、TOWデータに基づいて、そのTOWデータが存在するサブフレーム5のページID、すなわち「ページ数」を予想することができる。
式は、「TOW」が「0」の場合は、ページID=10」であり、「TOWが「0」以外の場合は、(ページID)=((TOW−1)÷5)mod25」+1」である。
ここで、「mod」とは、XmodYの場合、XでYを割った時の余りの値を示す。
【0048】
つまり、図10のページID演算プログラム334は、上記の式に従い、受信して取得した「TOW」に基づきページIDを演算し、その結果を図11の演算ページIDデータ443として登録する。
ここで、ページID演算プログラム334は、対応ページ情報演算部の一例である。
【0049】
次に、ST24に進み、演算されたページIDと取得したIDが一致するか否かが判断される。具体的には、図10のページID比較プログラム335が動作して、図11のページIDデータ442と演算ページIDデータ443を比較する。
この比較の結果、一致すれば、実際に受信したページIDのデータは正確であるため、その後のST12で、このデータに基づいて時刻修正が実施される。
一方、比較の結果が一致しない場合は、データの誤りがあると判断して、再び衛星信号を受信することとなる。
このように、ページID比較プログラム335がページ情報判断部の一例である。
【0050】
このように、本実施の形態では、ページ数により異なるサブフレームのページIDの正誤をより確実に判断することができる。
その後、さらに、本実施の形態では、パリティチェック(ST10)を行い、データに誤りがないか否かを判断できる構成となっている。
つまり、本実施の形態では、パリティチェック演算をすることなく、迅速にエラーを検出することができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
図15は、本発明の第3の実施の形態にかかる時刻修正装置付き計時装置である例えば、GPS時刻修正装置付き腕時計200の主なソフトウエア構成等を示す概略図であり、図16は、本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計200の主な動作等を示す概略フローチャートである。
具体的には、図15は、本実施の形態にかかる各種プログラム格納部500内のデータを示す概略図である。
本実施の形態にかかるGPS時刻修正装置付き腕時計200の構成等は、上述の第1の実施の形態に係るGPS付き腕時計10の構成等と多くが共通しているため、共通の構成等は同一符号等とし、または、その旨を記載することでそれらの説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0052】
以下、本実施の形態の特徴を、図16のフローチャート等用いて説明する。先ず、本実施の形態では、上述の第1の実施の形態の図6及び図7のST1乃至ST5が同様に実施される。
また、第1の実施の形態のST6乃至ST12も同様に実施される。つまり、本実施の形態では、第1の実施の形態のST5とST6との間に図16に示すような工程が実施されることが大きな特徴となっている。
すなわち、図16のST4で衛星捕捉が成功し、その後、ST5で受信時間タイムアウトでない場合は、ST31で、HOWワードを検出したか否かを判断し、HOWワードを検出した場合は、ST32でHOWワードのビット29及びビット30が「0」であるか否かを判断するという工程が付加されている。
このワードが小区画の一例で、HOWワードが時刻情報小区画の一例である。また、ビット29及びビット30が「0」であることが、小区画識別情報の一例である。
【0053】
先ず、このような工程を付加する意味について説明する。第2の実施の形態で説明した図9に示すように、時刻データ(Zカウント)は、HOWワードに含まれるTOWデータに基づいて取得される。このため、受信した衛星信号のうち、HOWワード以外の部分をHOWワードと間違って認識し、その中のビット1からビット17をTOWデータであるとして、演算等しZカウント(時刻データ)を取得すると、結果的に時刻修正を精度良くできないという問題がある。
そこで、本実施の形態では、ST32で、GPS時刻修正装置付き腕時計200が、HOWデータと思われるデータを取得したか否かを判断し、HOWワードと思われるデータを取得した場合、ST32で、本当に正しいHOWワードであるかを判断しょうとするものである。
【0054】
この正しいか否かの判断は、具体的には次のように行われる。つまり、図9に示す、HOWワードには、他のワードデータにない特徴があり、それは、ビット29及びビット30が必ず「0」となっていることである。
そこで、本実施の形態では、このHOWワードの特徴を利用して、受信したHOWワードと思われるデータが本当に正しいHOWワードであるかを判断しようとするものである。
【0055】
これを図16の工程にしたがって説明する。先ず、ST31では、図15のHOWワード検出プログラム531が動作し、GPS時刻修正装置付き腕時計200が、GPS衛星15の衛星信号のHOWワードと思われるデータを検出したか否かを判断する。
次いで、ST32では、図15のHOWワードのビット29及びビット30データ確認プログラム532が動作する。具体的には、同プログラム532は、受信したHOWワードと思われるデータの29ビット及び30ビットが「0」となっているか否かを判断し、これらのビット29及びビット30が「0」となっている場合は、ST6へ進む。
このように、HOWワード検出プログラム531が、HOWワード検出プログラム531の一例となっており、HOWワードのビット29及びビット30データ確認プログラム532が、小区画識別情報判断部の一例となっている。
【0056】
このように、本実施の形態では、時刻データであるTOWが含まれているHOWワードであることを確認することができるので、誤って他のデータをHOWワードと認識し、それに基づく誤った時刻データを取得するのを、迅速かつ未然に防止することができる。
【0057】
本発明は、上述の実施の形態に限定されない。なお、上述の実施の形態では、位置情報衛星として、地球を周回するGPS衛星を例に説明しているが、本発明の位置情報衛星は、これに限らず、静止衛星や準天頂衛星等も含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10・・・GPS時刻修正装置付き腕時計、11・・・アンテナ、12・・・文字板、13・・・針、15・・・GPS衛星、20・・・GPS装置、21・・・時刻表示装置、22・・・RTC、23・・・太陽電池、27・・・ディスプレイ、31・・・衛星信号の受信動作プログラム、32・・・GPS衛星サーチ動作プログラム、33・・・全衛星サーチ終了判断プログラム、34・・・衛星捕捉判断プログラム、35・・・Zカウント取得可否判断プログラム、36・・・Zカウント登録プログラム、37・・・サブフレームID取得、登録プログラム、38・・・サブフレームID演算プログラム、39・・・サブフレームID比較プログラム、41・・・Zカウントデータ、42・・・サブフレームIDデータ、43・・・演算サブフレームIDデータ、131・・・パリティチェック判断プログラム、132・・・時刻修正実行プログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、
前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置。
【請求項2】
前記衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の前記区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、
このページ情報を取得するページ情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記ページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、
前記ページ情報と前記対応ページ情報に基づいて前記ページ情報の正誤を判断するページ情報判断部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の時刻修正装置。
【請求項3】
前記区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち前記時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の前記小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、
前記衛星信号受信部が、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、
前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号から前記小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時刻修正装置。
【請求項4】
位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、
前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
【請求項5】
衛星信号受信部が、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信工程と、
時刻情報取得部が、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得工程と、
区画識別情報取得部が、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得工程と、
対応識別情報演算部が、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算工程と、
区画識別情報判断部が、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法。
【請求項1】
位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、
前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置。
【請求項2】
前記衛星信号は、それらの内容が相違する複数の同一の前記区画識別情報を区別するためのページ情報を有し、
このページ情報を取得するページ情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記ページ情報に対応する対応ページ情報を演算する対応ページ情報演算部と、
前記ページ情報と前記対応ページ情報に基づいて前記ページ情報の正誤を判断するページ情報判断部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の時刻修正装置。
【請求項3】
前記区画は複数の小区画を有し、この小区画のうち前記時刻情報を有する時刻情報小区画は、他の前記小区画と区別し得る小区画識別情報を備え、
前記衛星信号受信部が、前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号を受信したか否かを判断する時刻情報小区画信号受信判断部と、
前記時刻情報小区画に相当する前記衛星信号から前記小区画識別情報の有無を判断する小区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時刻修正装置。
【請求項4】
位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得部と、
前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得部と、
前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算部と、
前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断部と、を有することを特徴とする時刻修正装置付き計時装置。
【請求項5】
衛星信号受信部が、位置情報衛星から区画毎に区分されて送信される衛星信号を受信する衛星信号受信工程と、
時刻情報取得部が、前記衛星信号から時刻情報を取得する時刻情報取得工程と、
区画識別情報取得部が、前記時刻情報の属する前記区画の区画識別情報を取得する区画識別情報取得工程と、
対応識別情報演算部が、前記時刻情報に基づいて前記区画識別情報に対応する対応区画識別情報を演算する対応識別情報演算工程と、
区画識別情報判断部が、前記区画識別情報と前記対応区画識別情報に基づいて前記区画識別情報の正誤を判断する区画識別情報判断工程と、を有することを特徴とする時刻修正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−211920(P2012−211920A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−149182(P2012−149182)
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2007−199090(P2007−199090)の分割
【原出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月3日(2012.7.3)
【分割の表示】特願2007−199090(P2007−199090)の分割
【原出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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