説明

暗号化方法,暗号復号化方法,暗号化装置,暗号復号化装置,送受信システムおよび通信システム

【課題】量子揺らぎの代わりに古典物理乱数を用いて実施する古典Y−00方式を電気通信で利用可能かつ記録媒体にデータ保存可能にする暗号化技術を提供する。
【解決手段】入力データを、擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調ステップと、前記第1の変調ステップの出力を物理乱数により他の信号に不規則に対応させて出力する第2の変調ステップと、前記第2の変調ステップの出力を所望の符号語に通信路符号化し、暗号化データとして出力する通信路符号化ステップとを含み、該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかが判別され該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データを、擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調ステップと、
前記第1の変調ステップの出力を物理乱数により定まる離散値に対応させて変調する第2の変調ステップと、
前記第2の変調ステップの出力を所望の符号語に通信路符号化し、暗号化データとして出力する通信路符号化ステップとを含み、
該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかが判別され該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号であることを特徴とする、暗号化方法。
【請求項2】
前記物理乱数で選定される状態数が、4以上であって前記状態対の組数を超えないように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の暗号化方法。
【請求項3】
前記第2の変調ステップにおいて、該物理乱数の出力値を前記第1の変調ステップの出力に対し加減算することにより変調を行なうことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の暗号化方法。
【請求項4】
前記物理乱数によって選定される状態数が所望の暗号強度に応じて決定され、その状態数に応じて前記状態対の数が決定され、その数に応じて前記擬似乱数の状態数が決定されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の暗号化方法。
【請求項5】
入力データを、擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調を行ない、さらに前記第1の変調の出力を物理乱数により定まる離散値に対応させて変調する第2の変調の出力を所望の符号語に通信路符号化して得られる暗号化データであって、
該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかが判別され該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号となるように暗号化された暗号化データを、通信路符号復号化して復号信号にするステップを含み、該復号信号を前記第1の変調に用いられた該擬似乱数を生成した暗号鍵と同一の暗号鍵に基づく擬似乱数により、該特定の状態対のいずれの状態に対応するかを判別して該入力データに復調することを特徴とする、暗号復号化方法。
【請求項6】
暗号鍵に基づく擬似乱数を生成する擬似乱数生成部と、
入力データを、前記擬似乱数生成部によって生成された擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調部と、
物理現象に基づく物理乱数を生成する物理乱数生成部と、
前記第1の変調部の出力を、該物理乱数生成部によって生成された物理乱数により定まる離散値に対応させて変調する第2の変調部と、
前記第2の変調部の出力を所望の符号語に通信路符号化し、暗号化データとして出力する通信路符号化部とをそなえ、
該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかが判別され該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号となるように、前記第1の変調部および前記第2の変調部により変調を行なうことを特徴とする、暗号化装置。
【請求項7】
入力データを、擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調を行ない、さらに前記第1の変調の出力を物理乱数により定まる離散値に対応させて変調する第2の変調の出力を所望の符号語に通信路符号化して得られる暗号化データであって、
該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかを判別して該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号となるように暗号化された暗号化データを、暗号復号化する暗号復号化装置であって、
該暗号化データを通信路符号復号化し、復号信号にする通信路符号復号化部と、
前記第1の変調に用いられた該擬似乱数を生成した暗号鍵と同一の暗号鍵に基づく擬似乱数を生成する復調用擬似乱数生成部と、
前記擬似乱数生成部によって生成された擬似乱数により、復号信号を該特定の状態対のいずれの状態に対応するかを判別して該入力データに復調する復調部とをそなえて構成されていることを特徴とする、暗号復号化装置。
【請求項8】
相互に通信可能に接続された第1送受信装置および第2送受信装置をそなえ、
前記第1送受信装置が、前記第2送受信装置へ送信すべき入力データを暗号化する第1暗号化装置と、前記第2送受信装置から受信した暗号化データを暗号復号化する第1暗号復号化装置とをそなえて構成され、
前記第2送受信装置が、前記第1送受信装置へ送信すべき入力データを暗号化する第2暗号化装置と、前記第1送受信装置から受信した暗号化データを暗号復号化する第2暗号復号化装置とをそなえて構成され、
前記第1暗号化装置および前記第2暗号化装置のそれぞれが、
暗号鍵に基づく変調用擬似乱数を生成する変調用擬似乱数生成部と、
入力データを、前記変調用擬似乱数生成部によって生成された変調用擬似乱数により定まる特定の状態対に対応させて多値変調する第1の変調部と、
物理現象に基づく物理乱数を生成する物理乱数生成部と、
前記第1の変調部の出力を、該物理乱数生成部によって生成された物理乱数により定まる離散値に対応させて変調する第2の変調部と、
前記第2の変調部の出力を所望の符号語に通信路符号化し、暗号化データとして出力する通信路符号化部とをそなえ、
該暗号化データを通信路符号復号化して得られる復号信号は、該擬似乱数により該特定の状態対のいずれの状態に対応するかが判別され該入力データに復調可能であり、かつ、該特定の状態対以外の状態対による前記第1の変調および該物理乱数とは異なる物理乱数による前記第2の変調により出力されうる信号となるように、前記第1の変調部および前記第2の変調部が構成されるとともに、
前記第1暗号復号化装置および前記第2暗号復号化装置のそれぞれが、
該暗号化データを通信路符号復号化し、復号信号にする通信路符号復号化部と、
該変調用擬似乱数を生成した暗号鍵と同一の暗号鍵に基づく復調用擬似乱数を生成する復調用擬似乱数生成部と、
前記復調用擬似乱数生成部によって生成された復調用擬似乱数により、復号信号を該特定の状態対のいずれの状態に対応するかを判別して該入力データに復調する復調部とをそなえて構成されていることを特徴とする、送受信システム。
【請求項9】
前記擬似乱数生成部、前記第1の変調部、前記物理乱数生成部、および前記第2の変調部は、前記暗号鍵および前記擬似乱数の漏洩を抑止するとともに、前記物理乱数生成部によって生成される物理乱数の、物理的擾乱による確率分布変動を抑止する、耐タンパ領域に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の暗号化装置。
【請求項10】
前記擬似乱数生成部は、前記擬似乱数の生成動作のリセットおよび繰り返しを禁止するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の暗号化装置。
【請求項11】
前記擬似乱数生成部に前記擬似乱数の生成動作を実行させるクロック信号の入力回数を前記擬似乱数の出力回数として保持し、前記耐タンパ領域外からの命令に応じて前記出力回数を前記耐タンパ領域外へ出力する、不揮発性の擬似乱数出力回数保持部と、
前記擬似乱数生成部による擬似乱数生成動作と、前記暗号化データの送信先通信装置における暗号復号化装置の復調用擬似乱数生成部による復調用擬似乱数生成動作とを同期させるために、前記擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記出力回数に基づいて、前記擬似乱数生成部からの前記擬似乱数の出力回数を調整する同期調整部とをそなえた、
ことを特徴とする、請求項10に記載の暗号化装置。
【請求項12】
前記送信先通信装置と同一の乱数表を保持する、不揮発性の乱数表保持部と、
前記擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記擬似乱数の出力回数を、前記乱数表保持部に保持された前記乱数表に基づいて暗号化し暗号化同期情報として前記送信先通信装置に送信する暗号送信部と、
前記送信先通信装置から受信した暗号化同期情報を、前記乱数表保持部に保持された前記乱数表に基づいて復調用擬似乱数の出力回数に復号化する復号受信部とをそなえ、
前記同期調整部は、前記復号受信部によって復号化された、前記送信先通信装置側の前記復調用擬似乱数の出力回数が、前記擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記擬似乱数の出力回数よりも大きい場合、前記擬似乱数生成部からの前記擬似乱数の出力回数を前記送信先通信装置側の前記復調用擬似乱数の出力回数に合わせるように調整することを特徴とする、請求項11に記載の暗号化装置。
【請求項13】
前記復調用擬似乱数生成部および前記復調部は、前記暗号鍵および前記復調用擬似乱数の漏洩を抑止する耐タンパ領域に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の暗号復号化装置。
【請求項14】
前記復調用擬似乱数生成部は、前記復調用擬似乱数の生成動作のリセットおよび繰り返しを禁止するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の暗号復号化装置。
【請求項15】
前記復調用擬似乱数生成部に前記復調用擬似乱数の生成動作を実行させるクロック信号の入力回数を前記復調用擬似乱数の出力回数として保持し、前記耐タンパ領域外からの命令に応じて前記出力回数を前記耐タンパ領域外へ出力する、不揮発性の復調用擬似乱数出力回数保持部と、
前記復調用擬似乱数生成部による復調用擬似乱数生成動作と、前記暗号化データの送信元通信装置における暗号化装置の擬似乱数生成部による擬似乱数生成動作とを同期させるために、前記復調用擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記出力回数に基づいて、前記復調用擬似乱数生成部からの前記復調用擬似乱数の出力回数を調整する同期調整部とをそなえた、
ことを特徴とする、請求項14記載の暗号復号化装置。
【請求項16】
送信元通信装置と同一の乱数表を保持する、不揮発性の乱数表保持部と、
前記復調用擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記復調用擬似乱数の出力回数を、前記乱数表保持部に保持された前記乱数表に基づいて暗号化し暗号化同期情報として前記送信元通信装置に送信する暗号送信部と、
前記送信元通信装置から受信した暗号化同期情報を、前記乱数表保持部に保持された前記乱数表に基づいて擬似乱数の出力回数に復号化する復号受信部とをそなえ、
前記同期調整部は、前記復号受信部によって復号化された、前記送信元通信装置側の前記擬似乱数の出力回数が、前記復調用擬似乱数出力回数保持部から読み出された前記復調用擬似乱数の出力回数よりも大きい場合、前記復調用擬似乱数生成部からの前記復調用擬似乱数の出力回数を前記送信元通信装置側の前記擬似乱数の出力回数に合わせるように調整することを特徴とする、請求項15に記載の暗号復号化装置。
【請求項17】
請求項6,請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の暗号化装置であって、前記暗号化データの送信元通信装置にそなえられ、前記暗号化データを送信先通信装置に複数のパケットとして送信する暗号化装置と、
請求項7,請求項13〜請求項16のいずれか一項に記載の暗号復号化装置であって、前記暗号化データの送信先通信装置にそなえられ、前記送信元通信装置の前記暗号化装置から受信した各パケットにおける前記暗号化データを前記入力データに暗号復号化する暗号復号化装置とをそなえ、
前記暗号化装置から前記暗号復号化装置に送信される各パケットのヘッダ部に、前記複数のパケットについての通し番号、または、各パケットのコンテナ部における前記暗号化データについて前記第1の変調部で用いられた前記擬似乱数の出力回数が記述され、
前記暗号復号化装置は、
前記暗号化装置からの前記複数のパケットを保持するパケット保持部と、
前記パケット保持部に保持された前記複数のパケットを、各パケットのヘッダ部に記述された前記通し番号または前記出力回数に従う順序に並べ替えて前記復調部に入力する並べ替え部とをそなえている、
ことを特徴とする、通信システム。
【請求項18】
前記暗号化装置から前記暗号復号化装置に送信される各パケットのコンテナ部における前記暗号化データに、前記通し番号または前記出力回数が含まれ、
前記暗号復号化装置は、
各パケットのヘッダ部に記述された前記通し番号または前記出力回数と、前記復調部による前記暗号化データの暗号復号化出力に含まれる前記通し番号または前記出力回数とを比較する第1比較部と、
前記第1比較部による比較の結果、これらの通し番号または出力回数が不一致であった場合、当該パケットを破棄するパケット破棄部とをそなえている、
ことを特徴とする、請求項17に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2007−116659(P2007−116659A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−189313(P2006−189313)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【出願人】(500467194)
【Fターム(参考)】