説明

曲面パネルの施工方法

【課題】曲面パネルを構造物の曲面部に対して良好に取り付けられる曲面パネルの施工方法を提供する。
【解決手段】曲面パネル1の四隅および中間の適宜箇所に孔を形成し、曲面パネル1の裏にスペーサーを設けて構造物Tの曲面部T1との間で間隔を確保し、曲面パネル1を、貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて構造物Tの曲面部T1に対して仮固定を実施し、曲面パネル1に形成した孔を介してナットで曲面パネル1を構造物Tの曲面部T1に対して固定し、曲面パネル1と構造物Tの曲面部T1との隙間に接着材を充填して実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面の少なくとも一部に曲面部を有する構造物の当該曲面部を被覆可能な曲面パネルを構造物の曲面部に対して取り付ける施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば用水路、上下水道、河川、運河等の水路の表面のうち少なくとも水中となる部分を、複数のレジンコンクリート製のパネルで被覆する水路の更生方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の方法では、断面略コ字状の既存水路の表面を覆う複数のレジンコンクリート製のパネル材を配置後、これらパネル材と既存水路の表面との間に樹脂系接着剤を注入し、これを硬化させて接着層を形成する構成が採用されている。このパネル材により水路表面の粗度を改善して、円滑な通水の確保および、水路表面の外観の改善等を図っている。
【0003】
ここで、既存水路の流路壁面の形状としては、特許文献1に記載されたような断面略コ字状のものばかりではなく、例えば断面U字状のものや、図9に示すトンネル状水路Tにおける下部インバート部T1のような断面略円弧状のものなど、流路壁面の少なくとも一部が曲面状となったものがある。
【0004】
従来、このような曲面状の流路壁面に対してレジンコンクリート製等のパネルを被覆して水路を更生する場合、平板状のパネル材を細かく切断して流路壁面に沿って貼り付けていた。例えば、図9に示す下部インバート部T1に対してパネル材を貼り付ける場合、平板状のパネル材を細かく切断して短冊状のパネル小片100を形成し、これらパネル小片100の端部を、下部インバート部T1上に形成した土台部分101上に固定する。各パネル小片100と下部インバート部T1表面との間には隙間Sが形成されるので、この隙間S内にはモルタル等の接着材を注入する。また、各パネル小片100同士の境界には接着剤や補修シートなどで目地部102を形成する、という方法が採られていた。
【0005】
しかし、この方法では、パネル小片100に比較して耐摩耗性に劣る目地部102が表面に露出するため、砂礫などを含んだ流水に対して、この目地部102が大きな弱点箇所となっていた。また、多数のパネル小片100を配置する作業負担も大きく、かつ、隙間S内に注入する接着材の使用量も多いため、コスト面での問題も大きかった。
【0006】
このような問題に対して、予め流路壁面の曲面形状に合わせて曲面状のパネルを形成しておき、これを用いて流路壁面を更生することが得策であるものと考えられる。
しかも、流路壁面には優れた耐摩耗性や高強度が要求されるため、通常、上記特許文献1のようなレジンコンクリート板や、これに繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)層を積層形成したFRPM板等を使用することが好ましい。
ここにおいて、このような樹脂含有パネルを曲面状に加工する技術が課題となる。
【0007】
まず、成形性に優れた熱可塑性樹脂を含有したパネルを曲面状に形成することが考えられる。
熱可塑性樹脂は、加熱により軟化し、弾性を失うと共に塑性域に入り、最後には流動域に入る性状を示す。射出成形や押出成形はこの性状を利用したものである。このような熱可塑性樹脂を使用すれば、様々な形状の曲面パネルが得られ、また、形成後に再度加熱することで形状を矯正することも可能である。
しかしながら、熱可塑性樹脂は、比較的に耐摩耗性や強度、耐熱変形性などに劣るため、水路の更生構造用のパネルには適していない。
【0008】
一方、熱硬化性樹脂は、耐摩耗性や強度、耐熱変形性などに優れているため、この熱硬化性樹脂を用いて曲面状の樹脂含有パネルを形成すれば、水路の更生構造用パネルとして良好に機能することが考えられる。
このような熱硬化性樹脂は、最初は液状であり、これを加熱することで硬化反応が進行して徐々に流動性を失い、塑性域を経て弾性が増し、硬化反応が完全に進行した後、最終的に固化するというように性状変化する。
【0009】
【特許文献1】特開2005−120664号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、熱硬化性樹脂は一度完全に固化した後は、構成高分子がジャングルジムのように三次元架橋されているため、再び加熱しても流動化せず変形しない。このため、熱可塑性樹脂のように、成形品を製造した後に再度加熱して形状を矯正するといった方法を採用することはできず、熱可塑性樹脂に比して成形性に劣る。
【0011】
このような熱硬化性樹脂を含有する成形品を製造する場合は、一般的に、熱硬化性樹脂を含有した原料を高圧プレス機用の所定形状のプレス型枠内に充填し、これを高圧プレスで圧力を加えながら熱硬化処理する方法が採られている。例えば、代表的な熱硬化性樹脂であるポリエステル樹脂系製品のホットプレス成形では、通常、120〜150℃の加熱下、製品厚さ1mm当たり1分のプレス時間で被成形材料をホットプレスする。成形品はプレス後にプレス型枠内から取り出されて、常温まで冷却される。このようにして得られた成形品は最終強度に達しており、熱可塑性樹脂と比べて高硬度の製品が得られる。
【0012】
しかし、水路の更生構造用パネル等の大型な曲面パネルを製造する場合には、当該水路の曲面部に対応する曲面形状を有した大きなプレス型枠が必要である。このようなプレス型枠は非常に高価なものとなり、またこのプレス型枠は水路の曲面部の形状設計に合わせて都度変更しなければならず、曲面パネルの製造コストが非常に高くなってしまう、という問題がある。
【0013】
なお、以上において、水路の流路壁面に対して適用する曲面パネルについて説明したがこれに限らず、表面の少なくとも一部に曲面部を有する例えばトンネル道や、プール施設、大型タンク施設、各種建築物等の構造物においても、当該曲面部を被覆できる熱硬化性樹脂含有の曲面パネルが求められている。そして、これらの技術分野においても熱硬化性樹脂を含有する曲面パネルの製造性は共通の課題となる。
【0014】
本発明は、上述したような問題点に鑑みて、曲面パネルを構造物の曲面部に対して良好に取り付けられる曲面パネルの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明は、表面の少なくとも一部に曲面部を有する構造物の当該曲面部を被覆可能な曲面パネルを、前記構造物の曲面部に対して取り付ける曲面パネルの施工方法であって、脱着可能な貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて、前記曲面パネルを前記曲面部に対して仮固定する仮固定工程と、この仮固定工程の後に、当該曲面部に前記曲面パネルを接着材を介して取り付ける接着工程と、を実施することを特徴とする曲面パネルの施工方法。
【0016】
このような本発明の曲面パネルの施工方法によれば、仮固定工程では、曲面パネルを用いるので、図9に示すような従来のパネル小片100を取り付ける場合よりも、遥かに少ない工数でパネルを仮固定できる。また、曲面パネルと曲面部との間に形成される隙間が小さいので、面状ファスナーや粘土状接着材などの脱着可能な貼付部材、あるいは差込式止め金具を用いて、位置ずれすることなく好適に曲面パネルを仮固定できる。このため、仮止め工法を簡素化できかつ仮止め箇所数を減少できるので、作業の迅速化・効率化が図れる。
さらに、接着工程において、曲面パネルを樹脂モルタルや樹脂接着材などの接着材を介して曲面部に取り付ける際、図9に示すような従来例に比べて遥かに少ない工数でパネルを取り付けることができ、接着材の使用量をより減少できる。そして、強度的に連続した大きな曲面パネルを取り付けることができるため、現場での収まり安定が良くなる。
【0017】
本発明では、前記仮固定工程では、前記曲面パネルの適宜箇所に孔を形成し、前記曲面パネルの裏にスペーサーを設けて前記構造物の曲面部との間で間隔を確保し、前記曲面パネルを、前記貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて前記構造物の曲面部に対して仮固定を実施し、前記接着工程では、前記曲面パネルに形成した孔を介してホールインアンカーのナットで前記曲面パネルを前記構造物の曲面部に対して固定し、前記曲面パネルと前記構造物の曲面部との隙間に前記接着材を充填して実施する構成とが好ましい。
【0018】
本発明では、前記構造物はトンネル状構造物であり、前記曲面部は前記トンネル状構造物の内周壁面である構成が好ましい。
ここで、トンネル状構造物とは、例えばトンネル状水路やトンネル道など、断面略円形の内周壁面を有する構造物を意味する。
【0019】
この発明によれば、曲面パネルをトンネル状構造物の内周壁面に沿って貼り付けることができるので、当該内周壁面に優れた耐摩耗性や強度を付与することができる。
特に、トンネル状水路の場合、水路表面の粗度を改善して、円滑な通水の確保および、水路表面の外観の改善を図ることができる。また、曲面パネルを使用することでパネル間の目地部を減らすことができ、砂礫などを含んだ流水が目地部から浸入し、施工したパネルが剥離するような事態を防止できるので好適である。
【0020】
これに対して、本発明では、前記構造物を水路とし、前記曲面部は当該水路の流路壁面である構成としてもよい。
ここで、水路としては、例えばトンネル状水路、断面U字状の流路壁面を有した用水路や上下水道、河川、運河等の上部開放型の水路、平面視で蛇行した形状の水路などが挙げられる。
つまり、本発明における構造物としては、例えばトンネル状構造物や、断面U字状の流路壁面を有した水路、表面の少なくとも一部に曲面部を有するプール施設や大型タンク施設、各種建築物などが挙げられる。
【0021】
これによれば、曲面パネルを水路の流路壁面に沿って貼り付けることができるので、当該流路壁面に優れた耐摩耗性や強度を付与することができる。そして、流路壁面の粗度を改善して、円滑な通水の確保および、流路壁面の外観の改善を図ることができる。また、曲面パネルを使用することでパネル間の目地部を減らすことができ、砂礫などを含んだ流水が目地部から浸入するような事態を防止できる。
【0022】
本発明で用いられる曲面パネルを製造する方法は、表面の少なくとも一部に曲面部を有する構造物の当該曲面部を被覆可能な曲面パネルを製造する方法であって、熱硬化性樹脂を含有する被成形材料を、平面状のプレス型枠を用いてホットプレスして、軟化状態の平面パネルを成形する平面パネル成形工程と、当該軟化状態の平面パネルを、前記構造物の曲面部に対応する曲面形状を有した矯正台で曲面状に形成した後に硬化させる硬化工程と、を実施することを特徴とする。
【0023】
ここで、本発明における熱硬化性樹脂としては、オルソ系、イソ系、テレ系のいずれの不飽和ポリエステル樹脂、および、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を使用できる。この他、フェノール樹脂やメラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂などの液状樹脂を使用してもよい。
そして、被成形材料としては、熱硬化性樹脂のみで構成されたもの、熱硬化性樹脂に硬化剤や、骨材、粘度調整材、ガラス繊維等を適宜混合したものなどが挙げられる。
また、平面状のプレス型枠は、例えば鋼材などで平面視長方形に形成されたものが挙げられ、例えば縦2m×横1mサイズ等の大型なものであることが望ましい。
さらに、平面パネルの軟化状態とは、被成形材料がプレス型枠から離型可能な程度に硬化しており、かつ、平面パネルが変形可能な状態を言う。
矯正台は、硬化工程における処理温度で変形しない例えば鋼材などの材料により形成され、平面パネルを載置・固定可能で、かつ、構造物の曲面部に対応する曲面形状を有しているものであればよい。
【0024】
硬化工程では、平面パネルが軟化状態であるので、矯正台で被成形材料の性質の範囲で任意の曲面形状に成形できる。そして、矯正台で成形されたパネルを完全固化させれば、構造物の曲面部を被覆可能で、耐摩耗性や強度、耐熱変形性などに優れた熱硬化性樹脂含有曲面パネルが得られる。
また、比較的に安価な平面状のプレス型枠を用いるので、これを大型化しても高価なものとはならず、プレス型枠に掛かるコストを大幅に低減できる。また、矯正台も安価に製造できるので、構造物の曲面部形状の設計変更に容易に対応できる。このため、曲面パネルの製造コストを大幅に低減できる。しかも、1種の平面状プレス型枠と複数種の矯正台とで、複数種の曲面パネルを製造することが可能である。
施工面においては、曲面パネルを使用するので、図9に示す従来例のように複数のパネル小片100に分割する必要がなくて済む。そして、大型の曲面パネルを用いることで、パネル間の目地部を著しく減らすことができ、優れた耐摩耗性を示す構造が得られる。また、パネルの貼り付け枚数を減らすことができるので、作業効率を向上できる。しかも、曲面部と曲面パネルとの間には大きな隙間が形成されることもないので、接着材の使用量を著しく減らすことができ、施工コストを低減できる。
このように、熱硬化性樹脂を含有する材料を用いて低コストで曲面パネルを製造でき、かつ当該曲面パネルで構造物の曲面部を良好に被覆できる。
【0025】
曲面パネルの製造方法は、前述の曲面パネルの製造方法において、前記熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂であり、前記平面パネル成形工程では、当該熱硬化性樹脂の熱変形温度(JIS K 6911)よりも高い温度で前記被成形材料をホットプレスして、軟化状態の平面パネルを成形し、前記硬化工程では、当該軟化状態の平面パネルを、前記熱変形温度よりも高い温度を維持したまま前記矯正台で曲面状に形成する曲面形成工程と、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネルを、前記矯正台に固定した状態で冷却して固化させる冷却固化工程とを実施することを特徴とする。
【0026】
ここで、不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂は、高温になるほど硬化するものであるが、その熱変形温度(JIS K 6911:荷重たわみ温度)以上においては、所定の加重下で僅かに変形するという特質を有する。
本発明における平面パネルの軟化状態とは、不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂が半硬化ないし完全硬化した状態であって、かつ、当該樹脂を熱変形温度よりも高温に加熱することにより軟化させて、平面パネル全体が変形可能な状態を言う。
このように、熱硬化性樹脂の持つ上記熱的性質を利用したものであり、熱硬化性樹脂の熱変形温度よりも十分に高い温度領域で被成形材料をホットプレスすることにより、軟化状態の平面パネルを容易に成形することができる。そして、曲面形成工程において、平面パネルの軟化状態を維持したまま当該パネルを任意の曲面形状に形成し、かつ、冷却固化工程において当該パネルを矯正台ごと冷却すれば、目的の形状の曲面パネルを安価かつ簡便に製造できる。
なお、高温で軟化状態の平面パネルの脱型装置を当該パネルの平面形状に合わせて荷重が分散するように設計する必要がある。また、平面パネル成形工程を終えて曲面形成工程に移行する際は、プレス型枠から取り出した軟化状態の平面パネルが急激な温度低下に曝されることがないよう、素早く平面パネルを矯正台に設置することが重要となる。
【0027】
曲面パネルの製造方法は、前述の曲面パネルの製造方法において、前記熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂またはエポキシ樹脂であり、前記被成形材料は、当該熱硬化性樹脂の硬化反応を開始させる硬化剤を含有しており、前記平面パネル成形工程では、前記硬化剤の反応に必要な温度で、前記被成形材料を完全硬化に必要な時間の3分の1ないし2分の1の時間ホットプレスして、前記軟化状態である半硬化状態の平面パネルを成形し、前記硬化工程では、当該半硬化状態の平面パネルを前記矯正台で曲面状に形成する曲面形成工程と、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネルを、前記矯正台に固定した状態で再度完全硬化に必要な温度で加熱して硬化させる加熱硬化工程とを実施することを特徴とする。
【0028】
ここで、平面パネルの半硬化状態とは、被成形材料の外側がプレス型枠から離型可能な程度に硬化しており、かつ被成形材料の内側が熱硬化性樹脂の硬化過程における塑性域から固化域までにあって変形可能な軟化状態のことを言う。この半硬化状態は、被成形材料をプレス型枠に載せて硬化し始める時間(プレートゲルタイム)を測定して判断する。このプレートゲルタイムは、使用する熱硬化性樹脂の種類、混合物の種類、硬化剤の種類、各原料の配合比、温度などによって異なる。また、プレートゲルタイムは、プレス型枠上の被成形材料の部位によっても異なる。すなわち、被成形材料のプレス型枠に接触している表面層が最初に硬化し始め、所定時間経過後に、被成形材料の中央部が硬化し始める。したがって、実製品を製造する前に予め各条件でのプレートゲルタイムを把握しておき、このプレートゲルタイムに基づいてホットプレスを所定時間行うことが重要である。
不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(反応開始温度80℃)やt−ブチルパーオキシベンゾエート(反応開始温度120℃)などが挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、ポリアミンや酸無水物などが挙げられる。
【0029】
硬化剤の反応に必要な温度で、被成形材料を完全硬化に必要な時間の3分の1ないし2分の1の時間ホットプレスすることにより、半硬化状態の平面パネルを容易に成形することができる。そして、曲面形成工程において、平面パネルの半硬化状態を維持したまま任意の曲面形状に形成し、かつ、加熱硬化工程において、再度当該パネルを矯正台ごと加熱すれば、当該パネル中の熱硬化性樹脂が完全に硬化し、目的の形状の曲面パネルを安価かつ簡便に製造できる。
【0030】
前述の曲面パネルの製造方法において、前記熱硬化性樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂であり、前記被成形材料は、所定の反応開始温度を有する第1硬化剤と、この第1硬化剤の反応開始温度よりも高い反応開始温度を有する第2硬化剤とを含有しており、前記平面パネル成形工程では、前記第1硬化剤の反応開始温度と前記第2硬化剤の反応開始温度との中間の温度で、前記被成形材料をホットプレスして、前記軟化状態である半硬化状態の平面パネルを成形し、前記硬化工程では、当該半硬化状態の平面パネルを前記矯正台で曲面状に形成する曲面形成工程と、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネルを、前記矯正台に固定した状態で再度前記第2硬化剤の反応開始温度よりも高い温度で加熱して硬化させる加熱硬化工程とを実施することを特徴とする。
【0031】
被成形材料中に、第1硬化剤を不飽和ポリエステル樹脂の完全硬化に必要な量に満たない量だけ添加し、第2硬化剤を不飽和ポリエステル樹脂の完全硬化に必要な残りの全量を添加することが重要である。
平面パネルの半硬化状態とは、第1硬化剤による不飽和ポリエステル樹脂の硬化反応が略終了し、第2硬化剤による硬化反応が未だに進行していない軟化状態のことを言う。
第1硬化剤としては、例えばベンゾイルパーオキサイド(反応開始温度80℃)が挙げられ、第2硬化剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート(反応開始温度120℃)などが挙げられる。
【0032】
これによれば、平面パネルの半硬化状態を容易に制御できる。すなわち、低温分解する第1硬化剤を、熱硬化性樹脂の完全硬化に必要な量に満たない量だけ添加し、第1硬化剤の反応開始温度と第2硬化剤の反応開始温度との中間の温度でホットプレスすることにより、温度や時間を厳密に制御せずとも、半硬化状態の平面パネルを容易に成形することができる。
そして、曲面形成工程において、平面パネルの半硬化状態を維持したまま任意の曲面形状に形成し、かつ、加熱硬化工程において、当該パネルを矯正台ごと第2硬化剤の反応開始温度よりも高い温度に加熱すれば、目的の形状の曲面パネルを安価かつ簡便に製造できる。
【0033】
曲面パネルの製造方法は、前述の曲面パネルの製造方法において、前記被成形材料は、骨材と、この骨材を結合する結合材としての前記熱硬化性樹脂とを含有していることを特徴とする。
かかる被成形材料を用いて平面パネル成形工程および硬化工程を実施することにより、曲面状のレジンコンクリートパネルあるいはレジンモルタルパネルを得ることができる。また、この曲面パネルの表裏面の少なくともいずれか一方にFRP層を積層形成すれば、曲面状のFRPM板を得ることができる。
ここで、レジンコンクリートおよびレジンモルタルとは、ポリマーコンクリートの一種であって、結合材にレジン(樹脂)を用いて骨材を結合したものを言い、骨材に砂利を使用した場合はレジンコンクリートとなり、骨材に砂を使用した場合はレジンモルタルとなる。このようなレジンコンクリート等は、普通コンクリートに比べ、耐久性、耐摩耗性に富む性質を有している。
そして、結合材に熱硬化性樹脂を用いているので、さらに高い耐摩耗性や強度、耐熱変形性を有したレジンコンクリート等が得られる。
このようなレジンコンクリートパネル等やFRPM板により構造物の曲面部を被覆すれば、構造物表面に優れた耐久性や耐摩耗性を付与することができる。
【0034】
曲面パネルの製造装置は、表面の少なくとも一部に曲面部を有する構造物の当該曲面部を被覆可能な曲面パネルを製造する装置であって、前記構造物の曲面部に対応する曲面形状を有し、熱硬化性樹脂を含有する被成形材料を平面状のプレス型枠を用いてホットプレスすることにより成形された軟化状態の平面パネルを載置可能な成形型と、前記成形型上に載置された前記軟化状態の平面パネルを、前記曲面形状に略沿った形状に形成した状態で、前記成形型に対して固定する固定部材と、を具備したことを特徴とする。
【0035】
このような曲面パネルの製造装置によれば、曲面パネルの製造方法と同様に、熱硬化性樹脂を含有する材料を用いて低コストで曲面パネルを製造でき、かつ当該曲面パネルで構造物の曲面部を良好に被覆できる。
【0036】
曲面パネルの製造装置は、前述の曲面パネルの製造装置において、前記成形型は、互いに離間して対向配置された複数の長手状の板状体を備えており、これら複数の板状体は、それぞれの幅方向一端部が前記構造物の曲面部に対応する円弧状に形成されて、当該端部上に前記軟化状態の平面パネルが載置可能とされており、前記固定部材は、前記複数の板状体の長手方向両端部にそれぞれ設けられており、前記複数の板状体の前記幅方向一端部上に載置された前記軟化状態の平面パネルのうち、前記複数の板状体の長手方向両端部に対向する部位を、前記複数の板状体に対して固定することを特徴とする。
【0037】
一対の固定部材により軟化状態の平面パネルの両端を押えるだけで、平面パネルの曲面形状を均一な状態で保型できる。また、複数の板状体が互いに離間して対向配置されているので、各板状体間に形成された空間から平面パネルの熱を効率的に放出でき、曲面パネルの冷却に要する時間を短縮できる。そして、複数の板状体に一対の固定部材を設けるという簡易な構成であるので安価に製造でき、結果として、様々な曲面形状の曲面パネルを安価かつ高効率で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
(1)第1実施形態
本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
(1-1)トンネル状水路の構成
図1は、本実施形態におけるトンネル状水路を示す側断面図である。この図1において、Tはトンネル状水路であり、例えば用水路や上下水道などとして使用される。このトンネル状水路Tにおける下部インバート部T1は、砂礫を含んだ流水などの流路となっており、下部インバート部T1の上面は、本発明の製造方法および製造装置により製造された曲面パネル1により被覆されている。
【0039】
(1-2)曲面パネルの製造装置の構成
次に、曲面パネル1を製造する製造装置としての矯正台について説明する。図2は、本実施形態における矯正台を示す斜視図である。
図2において、矯正台2は、後述する曲面パネル1の製造方法における硬化工程において、軟化状態の平面パネル1Bを曲面状に形成した後に硬化させることにより、曲面パネル1を製造する装置である。具体的には、この矯正台2は、例えば鋼材などにて形成されており、成形型21と、固定部材22とを備えている。
【0040】
成形型21は、平面視長方形の本体部23と、この本体部23の上面に設けられた複数の長手状の板状体24とを備えている。複数の長手状の板状体24は、互いに離間して対向配置されており、各板状体24間に形成された空間24Aは、内部に対して空気が流通可能となっている。このような空間24Aは、平面パネル1Bの熱を外部に放出する放熱空間として機能する。また、各板状体24の幅方向一端部(図中上端部)は、トンネル状水路Tの下部インバート部T1(図1参照)に対応する円弧状に形成されており、後述する平面パネル成形工程にて形成された軟化状態の平面パネル1Bが載置可能となっている。また、各板状体24には複数の開口部25が設けられており、これら開口部25からも空間24A内に対して空気が流通可能となっている。
【0041】
固定部材22は、複数の板状体24の長手方向両端部にそれぞれ回動可能に設けられた回動部材26と、この回動部材26に支持されたプレート部27とを備えている。そして、プレート部27が適宜回動することにより、各板状体24の上端部に載置された軟化状態の平面パネル1Bのうち、各板状体24の長手方向両端部に対向する部位を、プレート部27と板状体24とで挟持可能とされている。これにより、各板状体24上に載置された軟化状態の平面パネル1Bは、複数の板状体24の曲面形状に略沿って均一に湾曲形成され、保型されるようになっている。
【0042】
(1-3)曲面パネルの製造方法
本第1実施形態における曲面パネル1の製造方法は、熱硬化性樹脂の熱的性質を利用したものである。この曲面パネルの製造方法では、平面パネル成形工程(図3〜5参照)と、硬化工程(図6参照)とを実施する。
【0043】
平面パネル成形工程(図3〜5参照)では、不飽和ポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂を含有する被成形材料を、平面状のプレス型枠を用いて、熱硬化性樹脂の熱変形温度(JIS K 6911)よりも高い温度でホットプレスして、軟化状態の平面パネルを成形する。
具体的には、例えば、被成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂(熱変形温度70℃)13〜18質量%と、樹脂比0.5〜1.5部のベンゾイルパーオキサイド(硬化剤:反応開始温度80℃)と、樹脂比4〜6部の内部離型剤と、ガラス繊維5〜10質量%と、炭酸カルシウム粉35〜45質量%と、細砂(骨材)35〜45質量%とを調合し、混練したものを準備しておく。
【0044】
ホットプレスには、例えば図3〜5に示すようなホットプレス機3を使用する。このホットプレス機3は、プレス室31内に、ベース部32と、このベース部32上に設けられた下側プレス型枠33と、この下側プレス型枠33の上側に対向配置された上側プレス型枠34と、この上側プレス型枠34を上下移動させて被成形材料1Aをプレスする油圧シリンダ35とを備えている。下側プレス型枠33は、長方形平面状(縦2m×横1m)の底面部とこの外周縁に設けられた枠部とで構成され、上側プレス型枠34は下側プレス型枠33の底面部に対応する長方形平面状に形成されている。さらに、下側プレス型枠33および上側プレス型枠34の内部にはヒータ36,37が設けられており、被成形材料1Aを所定温度に加熱可能とされている。なお、下側プレス型枠33には、高温かつ軟化状態の平面パネル1B(図5参照)を、パネル1Bの荷重が均一に分散する状態で、下側プレス型枠33より取り出し可能な脱型装置(図示しない)が設けられている。
【0045】
そして、予め120〜150℃に加熱された下側プレス型枠33に上記の被成形材料1Aを所定量投入し(図3参照)、油圧シリンダ35にて平方センチあたり30〜50kgの圧力で被成形材料1Aをプレスする(図4参照)。このプレス処理は、必要によりエア抜きを行いながら、7〜12分行う。これにて、軟化状態の平面パネル1Bが形成され、この平面パネル1Bは下側プレス型枠33より取り出された後(図5参照)、速やかに次工程の硬化工程へと移される。
【0046】
硬化工程(図6参照)では、曲面形成工程と、冷却固化工程とを実施する。
曲面形成工程では、軟化状態の平面パネル1Bを、熱変形温度よりも高い温度を維持したまま矯正台2で曲面状に形成する。この際、平面パネル1Bは、平面パネル成形工程における加熱により、不飽和ポリエステル樹脂が完全硬化(半硬化状態であってもよい)しているものの、熱変形温度以上に加熱されて軟化状態となっているため、矯正台2の形状に沿って容易に変形できる。
冷却固化工程では、この曲面形成工程にて成形された当該曲面状のパネル1Bを、矯正台2に固定した状態で、扇風機や、空気または水などの冷却媒体による強制冷却、自然放熱などで常温に下げることによって冷却して固化させる。これにより、不飽和ポリエステル樹脂が完全固化して、最終強度を有した状態のレジンモルタルパネルである曲面パネル1(図1)が得られる。
【0047】
(1-4)曲面パネルの施工方法
次に、曲面パネルの施工方法について、図1に基づいて説明する。
本施工方法では、上記のようにして製造した曲面パネル1を、トンネル状水路Tにおける下部インバート部T1に対して、図1に示すような状態で取り付ける。
具体的には、まず、曲面パネル1の四隅および中間の適宜箇所に孔を形成し、裏にスペーサーを設けて、接着材を注入するのに適当な間隔を確保しておく。
次に、上記の曲面パネル1を、面状ファスナーや粘土状接着材などの脱着可能な貼付部材、あるいは差込式止め金具を用いて、下部インバート部T1に対して仮固定する(仮固定工程)。
この後、曲面パネル1に形成した孔を介して、ホールインアンカーのナットで曲面パネル1を下部インバート部T1に対して固定する。そして、パネル裏の隙間に樹脂モルタルや接着樹脂などの接着材を充填する(接着工程)。これにより、下部インバート部T1に曲面パネル1が接着材を介して取り付けられた状態となり、曲面パネル1の施工が完了する。
【0048】
(1-5)第1実施形態の作用効果
上述した本発明の第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
【0049】
(1-5-1)曲面パネル1の製造方法では、平面パネル成形工程と、硬化工程とを実施する
。平面パネル成形工程では、不飽和ポリエステル樹脂を含有する被成形材料1Aを、下側プレス型枠33および上側プレス型枠34を用いてホットプレスして、軟化状態の平面パネル1Bを成形する。硬化工程では、当該軟化状態の平面パネル1Bを、トンネル状水路Tの下部インバート部T1に対応する曲面形状を有した矯正台2で曲面状に形成した後に硬化させる。
このような構成によれば、硬化工程では、平面パネル1Bが軟化状態であるので、矯正台2で所望の曲面形状に成形できる。そして、矯正台2で曲面状に形成された当該パネル1Bを完全硬化させれば、下部インバート部T1を被覆可能で、耐摩耗性や強度、耐熱変形性などに優れた熱硬化性樹脂含有の曲面パネル1が得られる。
また、比較的に安価な平面状の下側プレス型枠33および上側プレス型枠34を用いるので、これを大型化しても高価なものとはならず、当該プレス型枠に掛かるコストを大幅に低減できる。また、矯正台2も安価に製造できるので、下部インバート部T1の形状が異なる場合でもあっても、その曲面形状に対応した複数種の矯正台2を低コストで準備できる。このため、曲面パネル1の製造コストを大幅に低減できる。しかも、1種の上記プレス型枠と複数種の矯正台2とで、複数種の曲面パネル1を製造することが可能である。
施工面においては、曲面パネル1を使用するので、図9に示す従来例のように複数のパネル小片100に分割する必要がなくて済む。そして、大型の曲面パネル1を用いることで、パネル間の目地部を著しく減らすことができ、優れた耐摩耗性を示す構造が得られる。また、パネルの貼り付け枚数を減らすことができるので、作業効率を向上できる。しかも、下部インバート部T1と曲面パネル1との間には大きな隙間が形成されることもないので、接着材の使用量を著しく減らすことができ、施工コストを低減できる。
【0050】
(1-5-2)平面パネル成形工程では、不飽和ポリエステル樹脂の熱変形温度(70℃)よ
りも高い温度(120〜150℃)で被成形材料1Aをホットプレスして、軟化状態の平面パネル1Bを成形する。硬化工程では、当該軟化状態の平面パネル1Bを、熱変形温度よりも高い温度を維持したまま矯正台2で曲面状に形成する曲面形成工程と、この曲面形成工程にて成形された当該曲面状のパネルを、矯正台2に固定した状態で冷却して固化させる冷却固化工程とを実施する。
このような構成によれば、不飽和ポリエステル樹脂の熱変形温度よりも十分に高い温度領域で被成形材料をホットプレスすることにより、不飽和ポリエステル樹脂の持つ熱的性質を利用して、軟化状態の平面パネル1Bを容易に形成することができる。そして、曲面形成工程において、平面パネル1Bの軟化状態を維持したまま任意の曲面形状に形成し、かつ、冷却固化工程において当該パネル1Bを矯正台2ごと冷却することで、目的の形状の曲面パネル1を安価かつ簡便に製造できる。
【0051】
(1-5-3)被成形材料は、骨材である細砂と、この細砂を結合する結合材としての不飽和
ポリエステル樹脂とを含有している。
このように、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂を結合材として用いているので、高い耐摩耗性や強度、耐熱変形性を有したレジンモルタルパネルである曲面パネル1が得られる。この曲面パネル1により下部インバート部T1を被覆すれば、下部インバート部T1表面に優れた耐久性や耐摩耗性を付与することができる。
【0052】
(1-5-4)曲面パネル1を、トンネル状水路Tの内周壁面である下部インバート部T1に
対して貼着する。
曲面パネル1を下部インバート部T1に沿って貼り付けることができるので、当該下部インバート部T1に優れた耐摩耗性や強度を付与することができる。下部インバート部T1の粗度を改善して、円滑な通水の確保および、水路表面の外観の改善を図ることができる。また、曲面パネル1を使用することでパネル間の目地部を減らすことができ、砂礫などを含んだ流水が目地部から浸入し、施工した曲面パネル1が剥離するような事態を防止できるので好適である。
【0053】
(1-5-5)曲面パネル1の施工方法は、上記の曲面パネル1を、トンネル状水路Tの下部
インバート部T1に対して取り付ける曲面パネル1の施工方法であり、仮固定工程と、接着工程とを実施する。仮固定工程では、脱着可能な貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて、曲面パネル1を下部インバート部T1に対して仮固定する。接着工程では、下部インバート部T1に曲面パネル1を接着材を介して取り付ける。
このような施工法によれば、仮固定工程において、曲面パネル1を用いるので、図9に示すような従来のパネル小片100を取り付ける場合よりも、遥かに少ない工数でパネルを仮固定できる。また、曲面パネル1と下部インバート部T1との間に形成される隙間が小さいので、面状ファスナーや粘土状接着材などの脱着可能な貼付部材、あるいは差込式止め金具を用いて、位置ずれすることなく好適に曲面パネル1を仮固定できる。このため、仮止め工法を簡素化できかつ仮止め箇所数を減少できるので、作業の迅速化・効率化が図れる。
さらに、接着工程において、曲面パネル1を接着材を介して下部インバート部T1に取り付ける際、図9に示すような従来例に比べて遥かに少ない工数でパネルを取り付けることができ、接着材の使用量をより減少できる。そして、強度的に連続した大きな曲面パネル1を取り付けることができるため、現場での収まり安定が良くなる。
【0054】
(1-5-6)曲面パネル1の製造装置としての矯正台2は、成形型21と、固定部材22と
を具備している。成形型21は、下部インバート部T1に対応する曲面形状を有し、軟化状態の平面パネル1Bを載置可能とされている。固定部材22は、成形型21上に載置された軟化状態の平面パネル1Bを、曲面形状に略沿った形状に形成した状態で、成形型21に対して固定する。
このような矯正台2によれば、上記した(1-5-1)に記載の曲面パネル1の製造方法と略
同様の作用効果が得られる。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂を含有する材料を用いて低コストで曲面パネル1を製造でき、かつ当該曲面パネル1で下部インバート部T1を良好に被覆できる。
【0055】
(1-5-7)成形型21は、互いに離間して対向配置された複数の長手状の板状体24を備
えている。これら板状体24は、それぞれの幅方向一端部が下部インバート部T1に対応する円弧状に形成されて、当該端部上に軟化状態の平面パネル1Bが載置可能とされている。固定部材22は、複数の板状体24の長手方向両端部にそれぞれ設けられており、板状体24の幅方向一端部上に載置された軟化状態の平面パネル1Bのうち、板状体24の長手方向両端部に対向する部位を、板状体24に対して固定する。
このように、一対の固定部材22により半硬化状態の平面パネル1Bの両端を押えるだけで、パネル1Bを均一に保型できる。また、各板状体24間に形成された空間24Aから平面パネル1Bの熱を効率的に放出でき、冷却固化工程に要する時間を短縮できる。そして、矯正台2は、複数の板状体24に一対の固定部材22を設けるという簡易な構成であるので、安価に製造でき、結果として、様々な曲面形状を有した曲面パネル1を安価かつ高効率で製造できる。
【0056】
(1-5-8)板状体24には複数の開口部25を設けている。
このため、各板状体24間に形成された空間24Aから平面パネル1Bの熱をさらに効率的に放出でき、冷却固化工程に要する時間をさらに短縮できる。したがって、曲面パネル1の製造コストをさらに低減できる。
【0057】
(1-6)実施例
次に、上述した第1実施形態の効果を確認するための実施例について説明する。
[試料作製]
以下の被成形材料を用いて以下の条件でホットプレス処理を実施して、実験試料(実施例1,2)を作製した。
■実施例1
・被成形材料:オルソ系不飽和ポリエステル樹脂(熱変形温度(JIS K 6911)70℃)13質量%、硬化剤0.13質量%、内部離型剤5質量%、ガラス繊維5質量%、炭酸カルシウム粉35質量%、砂41.9質量%
・ホットプレス処理温度:105℃(熱変形温度に対して5割増)、140℃(熱変形温度に対して10割増)
・ホットプレス処理時間:6分40秒
・プレス圧力:40kg/cm
・試料サイズ:幅60mm、長さ300mm、厚さ10mm
■実施例2
・被成形材料:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(熱変形温度(JIS K 6911)40℃)14.3質量%、硬化剤5.7%、ガラス繊維5質量%、炭酸カルシウム粉30質量%、砂45質量%
・ホットプレス処理温度:60℃(熱変形温度に対して5割増)、80℃(熱変形温度に対して10割増)
・ホットプレス処理時間:10分
・プレス圧力:40kg/cm
・試料サイズ:幅60mm、長さ300mm、厚さ10mm
【0058】
[片持ち梁実験]
上記のようにして作製した各試料について、上記処理温度を維持したまま、片持ち梁実験を行った。
片持ち梁実験では、各試料の長手方向一端を固定し、固定端から自由端(長手方向他端)までの長さを200mmにセットした。当該長手方向他端部には2.3kgの錘を掛けて、この状態を上記処理温度下で15分間維持した。そして、この後の鉛直方向の変位量を測定した。
【0059】
[結果]
・実施例1(処理温度:105℃)−変位量 12mm
・実施例1(処理温度:140℃)−変位量 27mm
・実施例2(処理温度:60℃)−変位量 32mm
・実施例2(処理温度:80℃)−変位量 75mm
【0060】
上記結果の通り、いずれの熱硬化性樹脂を使用した場合でも、熱変形温度以上では高温であるほど変位量が大きくなり、曲率半径の小さな曲面パネルを形成できることが分かる。
ただし、変位量は、同一系統の樹脂であっても、その種類や架橋密度によって影響され、さらに配合比によっても変わる。したがって、目的とする曲率に対する材料選定と成形条件の決定が必要となる。
【0061】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について、図面に基づいて説明する。
本第2実施形態は、熱硬化性樹脂の硬化過程での性状変化を利用して曲面パネルを製造するものである。
なお、本第2実施形態は、第1実施形態の上記(1-3)に示した曲面パネルの製造方法に
おいてのみが構成が異なるものであるため、同一の構成については適宜説明を省略する。
【0062】
(2-1)曲面パネルの製造方法
本第2実施形態の曲面パネルの製造方法では、平面パネル成形工程(図3〜5参照)と、硬化工程(図6,7参照)とを実施する。
平面パネル成形工程(図3〜5参照)では、不飽和ポリエステル樹脂あるいはエポキシ樹脂、および硬化剤を含有する被成形材料を、平面状のプレス型枠を用いて、硬化剤の反応に必要な温度で、被成形材料を完全硬化に必要な時間の3分の1ないし2分の1の時間ホットプレスして、半硬化状態の平面パネルを成形する。
具体的には、例えば、被成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂13〜18質量%と、樹脂比0.5〜1.5部のベンゾイルパーオキサイド(硬化剤:反応開始温度80℃)と、樹脂比4〜6部の内部離型剤と、ガラス繊維5〜10質量%と、炭酸カルシウム粉35〜45質量%と、細砂(骨材)35〜45質量%とを調合し、混練したものを準備しておく。
ホットプレスには、上記第1実施形態と同様のホットプレス機3(図3〜5参照)を使用する。
【0063】
そして、予め90〜120℃に加熱された下側プレス型枠33に上記の被成形材料1Aを所定量投入し(図3参照)、油圧シリンダ35にて平方センチあたり30〜50kgの圧力で被成形材料1Aをプレスする(図4参照)。このプレス処理は、必要によりエア抜きを行いながら、3〜5分行う。なお、このプレス処理時間は、予め、各プレス温度、および下側プレス型枠33上における上記被成形材料1Aの各部のプレートゲルタイムを把握しておき、このプレートゲルタイムに基づいたものである。
これにて、半硬化状態の平面パネル1Bが形成され、この平面パネル1Bは下側プレス型枠33より取り出された後(図5参照)、速やかに次工程の硬化工程へと移される。
【0064】
硬化工程では、曲面形成工程(図6参照)と、加熱硬化工程(図7参照)とを実施する。
曲面形成工程(図6参照)では、半硬化状態の平面パネル1Bを矯正台2で曲面状に形成する。この際、平面パネル1Bは熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂を含有するものの、平面パネル成形工程においてプレートゲルタイムに基づいて所定時間加熱されて半硬化状態となっているため、矯正台2の形状に沿って容易に変形できる。
【0065】
加熱硬化工程(図7参照)では、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネル1Bを矯正台2に固定した状態で、完全硬化に必要な温度(130〜150℃)に加熱された高温室4内の基台41上に載置して、この状態を5〜15分維持する。これにより、当該パネル1B内の不飽和ポリエステル樹脂が完全硬化する。
この後、高温室4より矯正台2を取り出し、扇風機や、空気または水などの冷却媒体による強制冷却、自然放熱などで常温に下げる。これにより、最終強度を有した完全固化状態のレジンモルタルパネルである曲面パネル1(図1)が得られる。
【0066】
(2-2)第2実施形態の作用効果
上述した本発明の第2実施形態によれば、第1実施形態の上記(1-5-1)、(1-5-3)〜(1-5-8)に記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
【0067】
(2-2-1)被成形材料1Aは、不飽和ポリエステル樹脂およびベンゾイルパーオキサイド
(硬化剤:反応開始温度80℃)を含有している。平面パネル成形工程では、ベンゾイルパーオキサイドの反応に必要な温度(90〜120℃)で、被成形材料1Aを完全硬化に必要な時間の3分の1ないし2分の1の時間ホットプレスして、半硬化状態の平面パネル1Bを成形する。硬化工程では、曲面形成工程と、加熱硬化工程とを実施する。曲面形成工程では、当該半硬化状態の平面パネル1Bを矯正台2で曲面状に形成する。加熱硬化工程では、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネル1Bを、矯正台2に固定した状態で再度完全硬化に必要な温度(130〜150℃)で加熱して硬化させる。
このような方法によれば、硬化剤の反応に必要な温度で、被成形材料を完全硬化に必要な時間の3分の1ないし2分の1の時間ホットプレスすることにより、半硬化状態の平面パネル1Bを容易に成形することができる。そして、曲面形成工程において、平面パネル1Bの半硬化状態を維持したまま任意の曲面形状に形成し、かつ、加熱硬化工程において、再度当該パネル1Bを矯正台2ごと加熱することで、当該パネル1B中の不飽和ポリエステル樹脂が完全に硬化し、目的の形状の曲面パネル1を安価かつ簡便に製造できる。
【0068】
(3)第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について、図面に基づいて説明する。
本第3実施形態は、反応開始温度の異なる2種類の硬化剤を利用して曲面パネルを製造するものである。
なお、本第3実施形態は、第1実施形態の上記(1-3)に示した曲面パネルの製造方法の
みが構成が異なるものであるため、同一の構成については適宜説明を省略する。
【0069】
(3-1)曲面パネルの製造方法
本第3実施形態の曲面パネルの製造方法では、平面パネル成形工程(図3〜5参照)と、硬化工程(図6,7参照)とを実施する。
平面パネル成形工程では、不飽和ポリエステル樹脂と、所定の反応開始温度を有する第1硬化剤と、この第1硬化剤の反応開始温度よりも高い反応開始温度を有する第2硬化剤とを含有する被成形材料を用いる。そして、平面状のプレス型枠を用いて、第1硬化剤の反応開始温度と第2硬化剤の反応開始温度との中間の温度でホットプレスして、半硬化状態の平面パネルを成形する。
【0070】
具体的には、被成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂13〜18質量%と、樹脂比0.2〜0.4部のベンゾイルパーオキサイド(第1硬化剤:反応開始温度80℃)と、樹脂比0.6〜1.0部のt−ブチルパーオキシベンゾエート(第2硬化剤:反応開始温度120℃)と、樹脂比4〜6部の内部離型剤と、ガラス繊維5〜10質量%と、炭酸カルシウム粉35〜45質量%と、細砂(骨材)35〜45質量%とを調合し、混練したものを準備しておく。
ホットプレスには、上記第1実施形態と同様のホットプレス機3(図3〜5参照)を使用する。
そして、予め80〜100℃に加熱された下側プレス型枠33に上記の被成形材料1Aを所定量投入し(図3参照)、油圧シリンダ35にて平方センチあたり30〜50kgの圧力で被成形材料1Aをプレスする(図4参照)。このプレス処理は、必要によりエア抜きを行いながら、3〜5分行う。この際、被成形材料1Aには、第1硬化剤(ベンゾイルパーオキサイド)が不飽和ポリエステル樹脂の完全硬化に必要な量に満たない量だけ含まれており、第1硬化剤の反応開始温度と第2硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)の反応開始温度との中間の温度(80〜100℃)でホットプレスするので、これにより、半硬化状態の平面パネル1Bを成形することができる。
この平面パネル1Bは下側プレス型枠33より取り出された後(図5参照)、速やかに次工程の硬化工程へと移される。
【0071】
硬化工程では、曲面形成工程(図6参照)と、加熱硬化工程(図7参照)とを実施する。
曲面形成工程(図6参照)では、半硬化状態の平面パネル1Bを矯正台2で曲面状に形成する。この際、上記の平面パネル成形工程において、平面パネル1Bは半硬化状態となっているので、矯正台2の形状に沿って容易に変形できる。
加熱硬化工程(図7参照)では、この曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネル1Bを矯正台2に固定した状態で、再度、第2硬化剤(t−ブチルパーオキシベンゾエート)の反応開始温度よりも高い温度(130〜150℃)に加熱された高温室4内の基台41上に載置して、この状態を5〜15分維持する。これにより、当該パネル1B内の不飽和ポリエステル樹脂が完全硬化する。
この後、高温室4より矯正台2を取り出し、扇風機や、空気または水などの冷却媒体による強制冷却、自然放熱などで常温に下げる。これにより、最終強度を有した完全固化状態のレジンモルタルパネルである曲面パネル1(図1)が得られる。
【0072】
(3-2)第3実施形態の作用効果
上述した本発明の第3実施形態によれば、第1実施形態の上記(1-5-1)、(1-5-3)〜(1-5-8)に記載した作用効果に加えて、以下の作用効果を奏することができる。
【0073】
(3-2-1)被成形材料1Aは、不飽和ポリエステル樹脂と、ベンゾイルパーオキサイド(
第1硬化剤:反応開始温度80℃)と、t−ブチルパーオキシベンゾエート(第2硬化剤:反応開始温度120℃)とを含有している。平面パネル成形工程では、第1硬化剤の反応開始温度と第2硬化剤の反応開始温度との中間の温度(80〜100℃)で、被成形材料1Aをホットプレスして、半硬化状態の平面パネル1Bを成形する。硬化工程では、曲面形成工程と、加熱硬化工程とを実施する。曲面形成工程では、当該半硬化状態の平面パネル1Bを矯正台2で曲面状に形成する。加熱硬化工程では、曲面形成工程にて形成された当該曲面状のパネル1Bを、矯正台2に固定した状態で再度第2硬化剤の反応開始温度よりも高い温度(130〜150℃)で加熱して硬化させる。
このような方法によれば、温度や時間を厳密に制御せずとも、半硬化状態の平面パネルを容易に形成することができる。つまり、平面パネル1Bの半硬化状態を容易に制御できる。また、曲面形成工程において、平面パネルの半硬化状態を維持したまま任意の曲面形状に成形し、かつ、加熱硬化工程において、当該パネル1Bを矯正台2ごと第2硬化剤の反応開始温度以上に加熱することにより、目的の形状の曲面パネル1を安価かつ簡便に製造できる。
【0074】
(4)実施形態の変形
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0075】
前記第1〜第3実施形態では、本発明におけるトンネル状構造物あるいは水路として、トンネル状水路Tを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、トンネル状構造物としては上述したトンネル道などでもよく、水路としては上述した断面U字状の流路壁面を有した用水路などでもよい。
【0076】
前記第1〜第3実施形態では、被成形材料に骨材として細砂を含有させて、レジンモルタルパネルである曲面パネル1を製造する構成を例示したが、これに限らない。すなわち、例えば骨材に砂利を使用してレジンコンクリートパネルにする構成や、曲面パネル1の表裏面の少なくとも一方にさらにFRP層を積層形成してFRPM板にする構成としてもよい。FRPM板とした場合は、レジンコンクリートやレジンモルタルよりもさらに高い強度を有するので、構造材として優れた機能を発揮することができる。
【0077】
前記第1〜第3実施形態では、曲面パネル1を製造する製造装置として、図2に示す矯正台2を例示したが、これに限定されるものではない。
すなわち、例えば、図8に示すような構成の矯正台5であってもよい。図8において、矯正台5は、鋼材などの熱伝導性の高い材料で形成された一対の成形型51,52と、固定部材としてのボルト53およびナット54とを備えている。一対の成形型51,52は、トンネル状水路Tの下部インバート部T1(図1参照)に対応する曲面形状を有している。そして、硬化工程(図6参照)では、軟化状態の平面パネル1Bを一対の成形型51,52で挟み込み、この状態を維持するようにボルト53およびナット54で一対の成形型51,52を固定する。
このような構成でも、図2に示す矯正台2と略同様に、軟化状態の平面パネル1Bを下部インバート部T1に沿った曲面形状に形成できる。また、矯正台5の構造が非常に単純であるので、矯正台5の製造コストは非常に少なくて済み、結果として、平面パネル1Bの製造コストを低減できる。
【0078】
前記第1〜第3実施形態では、本発明における被成形材料として、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、内部離型剤、ガラス繊維、炭酸カルシウム粉および細砂等を所定の配合比で適宜含んだものを例示したが、これに限らない。すなわち、前記第1,2実施形態では、熱硬化性樹脂は不飽和ポリエステル樹脂に限らずエポキシ樹脂でもよい。また、前記第1〜第3実施形態における硬化剤は、ベンゾイルパーオキサイド等以外のものでもよい。また、前記第1〜第3実施形態における被成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂のみ含有するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態におけるトンネル状水路を示す側断面図である。
【図2】前記実施形態における矯正台を示す斜視図である。
【図3】前記実施形態におけるホットプレス機の第1の状態を模式的に示した側断面図である。
【図4】前記実施形態におけるホットプレス機の第2の状態を模式的に示した側断面図である。
【図5】前記実施形態におけるホットプレス機の第3の状態を模式的に示した側断面図である。
【図6】前記実施形態における矯正台に固定されたパネルを模式的に示した側面図である。
【図7】前記第2,3実施形態における高温室を模式的に示した側断面図である。
【図8】前記実施形態における矯正台の一変形例を示す斜視図である。
【図9】従来のトンネル状水路の更生構造を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…曲面パネル
1A…被成形材料
1B…軟化状態の平面パネル
2…矯正台(曲面パネルの製造装置)
21…成形型
22…固定部材
24…板状体
33…下側プレス型枠
34…上側プレス型枠
5…矯正台
51,52…成形型
53…ボルト(固定部材)
54…ナット(固定部材)
T…トンネル状水路(構造物)
T1…下部インバート部(曲面部)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の少なくとも一部に曲面部を有する構造物の当該曲面部を被覆可能な曲面パネルを、前記構造物の曲面部に対して取り付ける曲面パネルの施工方法であって、
脱着可能な貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて、前記曲面パネルを前記曲面部に対して仮固定する仮固定工程と、
この仮固定工程の後に、当該曲面部に前記曲面パネルを接着材を介して取り付ける接着工程と、を実施する
ことを特徴とする曲面パネルの施工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の曲面パネルの施工方法において、
前記仮固定工程では、前記曲面パネルの適宜箇所に孔を形成し、前記曲面パネルの裏にスペーサーを設けて前記構造物の曲面部との間で間隔を確保し、前記曲面パネルを、前記貼付部材あるいは差込式止め金具を用いて前記構造物の曲面部に対して仮固定を実施し、
前記接着工程では、前記曲面パネルに形成した孔を介してホールインアンカーのナットで前記曲面パネルを前記構造物の曲面部に対して固定し、前記曲面パネルと前記構造物の曲面部との隙間に前記接着材を充填して実施する
ことを特徴とする曲面パネルの施工方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載された曲面パネルの施工方法において、
前記構造物はトンネル状構造物であり、前記曲面部は前記トンネル状構造物の内周壁面である
ことを特徴とする曲面パネルの施工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−7928(P2009−7928A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210802(P2008−210802)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【分割の表示】特願2006−203790(P2006−203790)の分割
【原出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(395000348)日本ホーバス株式会社 (10)
【出願人】(591287222)株式会社サンレック (10)
【Fターム(参考)】