説明

有害微粉体及び液体処理装置

超音波処理装置(5)に、電磁バルブ(V1)、表示器(20)、送出ポンプ(9)を介して液体界面活性剤貯蔵タンク(1)を接続、電磁バルブ(V2)、表示器(21)、送水ポンプ(10)を介して貯水タンク(2)を接続、電磁バルブ(V3)、表示器(22)、送出ポンプ(11)を介して有害廃棄物貯蔵タンク(3)を接続、次に電磁バルブ(V4)、表示器(23)、送出ポンプ(12)を接続し、超音波処理装置(5)と電気溶融炉(6)との間に、電磁バルブ(V5)、送入ポンプ(13)等を接続し、電気溶融炉(6)と排気用煙突(8)間に、電磁バルブ(V6)、排気用ポンプ(14、15)と排気処理装置(17)を接続し、電気溶融炉(6)にスラグ排出口(6B)を接続、各電磁バルブ(V1、V2、V3、V4、V5、V6)に電磁バルブ制御部(16)を接続した事である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、有害微粉体及び液体処理装置に関する。
【背景技術】
従来、水銀、カドミウム、クローム、その他液体又は粉体状の有害廃棄物の無害化処理は完全に出来ず、地中に埋める手段で、地中を有害化して来た。
【発明の開示】
超音波処理装置に、各送出ポンプ及び電磁バブル等を接続した液体界面活性剤注入タンク、貯水タンク、微粉体化又は液体の有害廃棄物投入タンク及びガラス化用のガラス化材粉体貯蔵タンクを接続し、この超音波処理装置を電磁バルブ送出ポンプを経て、電気溶融炉に接続、電気溶融炉と排気用煙突間に排気処理装置と電磁バルブ、排気用ポンプを接続し、各電磁バルブを電磁バルブ制御装置に接続し、任意に各電磁バルブを制御する事である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のブロックダイヤグラムである。
第2図は、超音波処理装置の内部を示すブロックダイヤグラムである。
第3図は、各電磁バルブと各ポンプ間に接続された各表示器の拡大図である。
第4図は、エマルジョンの生成図を示す。
発明の実施するための最良の形態
発明の実施について、図1を参照して説明する。
第1図に於いて、超音波処理装置5に、液体界面活性剤注入タンク1を、電磁バルブV1を介して送出ポンプ9を接続し、次に貯水タンク2を、電磁バルブV2を介して送水ポンプ10を接続し、液体又は微粉体化した有害廃棄物の有害廃棄物貯蔵タンク3を、電磁バルブV3を介して送出ポンプ11を接続し、次にガラス化するためのガラス化材粉体貯蔵タンク4を、電磁バルブV4を介して送出ポンプ12を接続した事である。
又、超音波処理装置5で処理された廃棄物を、電磁バルブV5を介して投入ポンプ13を電気溶融炉6に接続し、この電気溶融炉6に接続した電磁バルブV6を経て、電気溶融炉6からの排気を排気処理装置7へ送り出す排気用ポンプ14を接続し、排気処理装置7と排気用煙突8間に排気用ポンプを接続し、各電磁バルブV1、V2、V3、V4、V5、V6を電磁バルブ制御部16で任意に制御する事が出来る。
又、電気溶融炉6で出来たガラス溶材は、電気溶融炉に設けてあるガラス溶材排出部6Bから外部に排出される。
超音波処理装置5は、特定の振動周波数を発生超音波発振部5Aと、各投入材をエマルジョンミセル化する混合タンク5Bを有し、超音波発振部5Aで発振した発振電力をタンク5B内に設けた超音波振動子5Cに送る事により、タンク5Bの内部に、超音波振動エネルギーを送る事が出来る。
即ち、液体界面活性剤貯蔵タンク1より、有害廃棄物貯蔵タンク3から電磁バルブV2を開いて有害廃棄物の微粉体又は液体を超音波処理装置5のタンク5Bに送り出される量に応じて、任意量の液体界面活性剤が電磁バルブV1を開いて送出ポンプ9で超音波処理装置5のタンク5B内に投入される。
電磁バルブV1を閉じ、送出ポンプ9を停止した後、貯水タンク2より任意量の水を電磁バルブV2を開いて送水ポンプ10で超音波処理装置5のタンク5Bに送水し、次に電磁バルブV2を閉じ、送水ポンプ10を停止して、超音波発振部5Aが作動して、タンク5B内部に投入された液体界面活性剤と水とが混合される。
次に有害廃棄物である有害微粉体又は液体の任意量を、電磁バルブV3を開き、次に送出ポンプを作動して有害微粉体又は液体を超音波処理装置5のタンク5Bに投入される。
以上の作動手順の時、各電磁バルブV1、V2又はV3を開いた時、接続されている図1、図3に示す表示器20、21及び22の計量数値目盛を見て、各電磁弁を閉じ、各ポンプを作動する様にしてある。
有害廃棄微粉材を超音波装置5のタンク5B内に投入された後、任意時間超音波振動エネルギーをタンク5B内に放射して、液体界面活性剤、水、有害廃棄物微粉体又は液体が混合エマルジョンミセル化されるまで超音波エネルギーを放射し続ける。
エマルジョンミセル化した後、超音波発振部の作動を停止し、次に有害廃棄微粉体又は液体の種類により、ガラス化の処理を必要とした時に、ガラス化用のガラス粉材をガラス化材粉体貯蔵タンク4より電磁バルブV4を開いて任意量を表示器23により計量して電磁バルブV4を閉じ、送出ポンプ12で超音波装置5のタンク5B内に投入し、送出ポンプ12を停止させ、超音波装置5の超音波発振部5Aを作動させて、タンク5B内で任意時間でガラス化材粉体を混合させる。
この様に処理した有害廃棄物を、電磁バルブV5を開き、投入ポンプ13で電気溶融炉6の内部に投入させる。
電気溶融炉6の内部は、カーボン電極6A間で発熱した1500℃以上の高温で気体化した後のガラス化された廃棄物が、スラグ排出口6Bより外部に排出される。
又、電気溶融炉6からの排気は、電磁バルブV6を経て排気用ポンプ14で排気処理装置7に投入され、排気処理装置7で排気を処理して、無害化した排気を排気ポンプ15を使用して排気煙突8より外界に排出される。
有害廃棄物の微粉体又は液体と液体界面活性剤と水とは、超音波の振動エネルギー1秒間30万回の振動により完全にミセル化されて、有害、危険な状態を無害化させる事が出来、超音波処理だけでも十分な無害化の数値を得る事が出来る。
即ち、超音波エネルギーによりO/W化、即ち親水基の液体界面活性剤により、図4に示す様な水の内部に液体界面活性剤により廃棄物の外部に乳化された面で囲まれている事で直接有害な廃棄物が防御されたミセル状態となる。
この様にして、乳化、即ちエマルジョン状態とされて、一応無害化した廃棄物を高温で処理して無害化される事である。
【産業上の利用可能性】
微粉状又は液体の有害な産業廃棄物を超音波エネルギーで無害化する事により、高温での無害化をより一層完全な状態にして、環境保全に役立つ事である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波処理装置(5)に電磁バルブ(V1)、表示器(20)及び送出ポンプ(9)を介して液体界面活性剤貯蔵タンク(1)を接続、電磁バルブ(V2)、表示器(21)及び送出ポンプ(10)を介して貯水タンク(2)を接続、電磁バルブ(V3)、表示器(22)及び送出ポンプ(11)を介して有害廃棄物貯蔵タンク(3)を接続、電磁バルブ(V4)、表示器(23)及び送出ポンプ(12)を介してガラス化材粉体貯蔵タンク(4)を接続してある有害廃棄粉体及び液体処理装置。
【請求項2】
複数のカーボン電極(6A)を炉内に設け、スラグ排出口(6B)を設けた電気溶融炉(6)と超音波処理装置(5)間に、電磁バルブ(V5)と投入ポンプ(13)とを接続して成る有害廃棄物粉体及び液体処理装置。
【請求項3】
電気溶融炉(6)と排気用煙突(8)間に、電磁バルブ(V6)、排気用ポンプ(14、15)及び排気処理装置(7)を接続して成る有害廃棄物粉体及び液体処理装置。
【請求項4】
電磁バルブ(V1、V2、V3、V4、V5、V6)等を任意作動させる電磁制御部(16)を設けて成る有害廃棄物粉体及び液体処理装置。

【国際公開番号】WO2005/035112
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509457(P2005−509457)
【国際出願番号】PCT/JP2003/013003
【国際出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(598083614)
【Fターム(参考)】