説明

有害成分含有液の処理方法及び装置

【課題】 本発明は各種有機系汚染物、悪臭成分、細菌類などの有害成分を含有する液の無害化処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】 (A)有害成分含有液に水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加、混合し、(B)紫外線照射条件下、(C)前記含有液、水溶性酸化剤又を吸着し、かつ有害成分を吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤を充填した充填塔に流過させ、(D)液中の有害成分を水溶性酸化剤又はオゾンとの吸着反応の作用により無害化する、ことを特徴とする有害成分含有液の処理方法及び装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は各種有機系汚染物、悪臭成分、細菌類などの有害成分を含有する液の無害化処理方法及び装置、特に水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡による無害化効率を向上させた有害成分含有液の無害化処理方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有害成分を含有する汚染液の無害化処理方法の一つとして、生物活性処理があるが、生化学反応に依存することからその処理速度は遅く、又有害成分を分解する微生物槽の維持に多大な注意と経験を必用とする。又有害成分の微生物の分解は好気性雰囲気での有害成分からの酸化が一般的であるが、アンモニア除去においてはアンモニア酸化後のpH調整、硝酸の処理等の課題が残る。水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液による有害成分の酸化処理方法も試みられているが、濃度が低い有害成分と水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液の反応速度がそれほど大きくない事から、採用に至っていない。しかし水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液は自己分解が進行することから、処理液中に残存して入体に影響を及ぼす危険性は少なく、クリーンな処理剤として今後さらに利用分野が拡大していくものと予想される。これより、水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液が、有害成分の酸化剤として利用できるならば非常に有効な処理法として期待される。
【0003】
水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液による処理は、有害成分含有液中に水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液を注入することによって行うが、通常は液中の有害成分の濃度は非常に希薄なため、有害成分の酸化分解、殺菌等に寄与する前に自己分解する水溶性酸化剤、溶存オゾンの混合溶液の比率も高く、無害化効率が低いという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような従来技術における問題点を解決し、安全性の高い酸化剤である水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液を使用して有害成分を含有する液を効率よく処理することができる有害成分含有液処理方法及びそのための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題を解決する手段として次の(ア)〜(カ)の構成を採るものである。
(ア) (A)有害成分含有液に水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加、混合し、(ここで水溶性酸化剤としては次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜臭素酸ナトリウム(NaBrO)、過臭素酸ナトリウム(NaBrO)、等の含酸素ハロゲン化物、過酸化水素(H)等が挙げられる。)
(B)前記含有液を、水溶性酸化剤又はオゾンを吸着し、かつ有害成分を吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤を充填した充填塔に流過させ、
(C)吸着剤層前方または後方から紫外線を吸着剤層に照射し、
(D)液中の有害成分を水溶性酸化剤又はオゾンとの紫外線照射下での吸着反応により無害化する、
ことを特徴とする有害成分含有液の処理方法。
(イ) (D)前記(C)で無害化されて得られた処理液に残留する水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を水溶性酸化剤又はオゾン分解剤と接触させて残留する水溶性酸化剤又はオゾンを分解することを特徴とする上記記載の有害成分含有液の処理方法。
(ウ) 水溶性酸化剤又はオゾンを吸着し、かつ有害成分を吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤層を設けた吸着剤充填塔と、上記吸着剤充填塔に有害成分を含有する液を供給する供給管と、上記供給管に接続され、液中に水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加する混合溶液発生器と、吸着剤層前方または後方から紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記吸着剤充填塔から処理済みの処理液を排出する排出管とを備えてなることを特徴とする有害成分含有液の処理装置。
(エ) 前記吸着剤充填塔の下流側に、リークする水溶性酸化剤又はオゾンを分解する水溶性酸化剤又はオゾンの分解剤層が設けられてなることを特徴とする上記記載の有害成分含有液の処理装置。
(オ) 有害成分を吸着し、かつ水溶性酸化剤又はオゾンを吸着する吸着剤を充填した吸着塔に、上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させ、上記有害成分含有水の導入を停止した後に、上記有害成分を吸着した吸着塔に、紫外線照射条件下、水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を導入して上記吸着剤表面で上記有害成分を酸化分解する有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。
(カ) 吸着剤床を収容した吸着塔が並列に2以上存在し、1つの吸着塔に上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させる吸着工程に在る間に、吸着工程を終了した別の吸着塔に、紫外線照射条件下、水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡との混合溶液含有水を導入して上記吸着剤表面で上記特定の有害成分を酸化分解する酸化分解工程を施し、吸着工程を終了した吸着塔から、酸化分解工程を終了した吸着塔に切り換え、上記の工程を繰り返す、有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。
【発明の効果】
【0006】
水溶性酸化剤又はオゾンの有効利用率が向上し、処理速度が速く高効率な上下水処理、養殖水槽淡水、海水浄化が可能となる。また、水溶性酸化剤又はオゾンの利用率(有害成分の酸化等に寄与する率)が向上すること及び使用する吸着剤の水溶性酸化剤又はオゾンの吸着力が高いことなどから、水溶性酸化剤又はオゾンの排出される処理済み液ヘのリーク量も少なく、さらに、必要により活性炭などの水溶性酸化剤又はオゾンの分解剤層を設けることによって水溶性酸化剤又はオゾンのリークを完全に防止することができる。また、HNO、HNOのような有害物質を殆ど生成しない。更に、本発明の装置によれば、有害成分を含有する液の水溶性酸化剤又はオゾンの処理を効率よく低い運転コストで行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明において有害成分含有液として、環境庁指定のCOD規制値に該当する(chemical oxygen demand)有害成分を高い値で示す排水の処理が対象となる。すなわち、COD値は、河海水,下水,工場廃水などの汚濁度を示すもので、水中の酸化可能な物質すなわち汚染源となり得る物質が酸化され、主として無機の酸化物とガス体になるために、消費される酸化剤に対応する酸素量を表すものである。よって、COD規制値に該当する有害成分とは、酸化される有機物質、例えば揮発性有機物質、アンモニア、NO、Fe2+、硫化物等である。
【0008】
水溶性酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜臭素酸ナトリウム(NaBrO)、過臭素酸ナトリウム(NaBrO)、等の含酸素ハロゲン化物、過酸化水素(H)等が挙げられる。オゾン微粒子気泡を供給するためオゾン発生器(オゾナイザー)として、公知の無声放電方式、紫外線ランプ方式、水電解方式などいずれの方式のものでも適用できる。水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加する方法として、上流に配置したエジェクターにオゾンを吸引して処理液にオゾンを混合し、添加する方法と、液相に挿入したオゾンを散気管でマイクロバブルを発生させて気−液接触により注入する方法が一般的である。水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡の添加量は処理液中の有害成分の種類、濃度等によって適宜設定すればよいが、通常の汚水液処理においては有害成分1モルに対し1〜20モル、好ましくは3〜10モル程度である。
【0009】
本発明で使用する吸着剤は、水溶性酸化剤又はオゾンを吸着し、かつ有害成分を吸着するものでなければならない。このような本発明の吸着剤は、(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である。
【0010】
理論によって本発明を限定するものではないが、上記本発明のSiO/Al比20以上、好ましくは、20〜1000を有するシリカ系無機多孔体は、従来水溶性酸化剤又はオゾンの吸着剤として使用されるアルミノシリケートと比べて、強いルイス酸点を固体表面に持たないため、水溶性酸化剤又はオゾンの吸着時の分解が少なくかつ水溶性酸化剤又はオゾンの吸着量が大きい。
【0011】
従って、本発明の吸着剤は、水溶性酸化剤又はオゾンと有害成分を同時吸着すると結晶内で、水溶性酸化剤又はオゾンと有害成分を濃縮するため、吸着剤の結晶構造内で水溶性酸化剤又はオゾンと有害成分が効率良く酸化分解される効果を奏する。
【0012】
このように、本発明の吸着剤は、水溶性酸化剤又はオゾンの吸着量が大きく、しかも吸着した水溶性酸化剤又はオゾンの結晶内での分解率が低く、かつ有害成分を吸着する特性を有する為安定した水処理が可能である。
【0013】
ペンタシル型ゼオライト(S−5)
本発明において用いる吸着剤の内のペンタシル型ゼオライトは、ZSM−5、シリカライトとして知られているものである。SiO/Al比200以下のペンタシルゼオライトをZSM−5、それ以上のSiO/Al比のものをシリカライトと称する。
【0014】
本発明のペンタシル型ゼオライトのSiO/Al比は、好ましくは20〜1000、更に好ましくは20〜200である。20未満のSiO/Al比のペンタシル型ゼオライトの合成は困難であり、一方、1000を超えると合成のコストが大幅に増大し一般的ではない。
【0015】
ゼオライトβ(S−4)
本発明において用いる吸着剤の内のゼオライトβは、約7.5オングストロームの有効入口径の細孔が3次元に結合した構造を持つハイシリカゼオライトである。12員環が3つ交差して、2つの結晶構造ポリモルフAとBとが共晶した複雑な構造を持つ。ゼオライトβの合成は、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、テトラエチルアンモニウムイオンを原料混合物として、75〜200℃の温度で、所望のSiO/Alで合成できる。
【0016】
本発明のゼオライトβのSiO/Al比は、好ましくは20〜1000、更に好ましくは20〜200である。20未満のSiO/Al比のゼオライトβでは水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液分解が顕著となるため有害成分の酸化反応効率が低下し、一方、1000を超えると合成のコストが大幅に増大し、一般的ではない。
【0017】
超安定Y型ゼオライト(S−3)
本発明において用いる吸着剤の内の超安定Y型ゼオライト(以下USY:Ultra Stable Y Type zeolite)は、水熱合成で調製されたSiO/Al比5のY型ゼオライトを温度120℃以上の蒸気と接触させてY型ゼオイラト(ファウジャサイト)結晶構造中のアルミニュームを除去して高SiO/Al比のY型ゼオライトを調製したものである。
【0018】
本発明のUSYのSiO/Al比は、好ましくは20〜1000、更に好ましくは20〜200である。20未満のSiO/Al比のUSYでは水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液分解が顕著となるため有害成分の酸化反応効率が低下し、一方、1000を超えると合成のコストが大幅に増大し一般的ではない。
【0019】
メソポーラスシリケート(S−2)
pH0〜3の低pH領域でモノケイ酸とのミセル形成能に優れた3級アンモニウム塩であるアンモニウムブロミドのような溶媒を溶解した水に、激しく撹拌しながら、水に溶解したケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムを加え、さらに水に溶解したアルミニウム塩、例えば硫酸アルミニウムを少しずつ加えて懸濁液とし、この懸濁液を撹拌する。上記添加、溶解、攪拌作業は、通常室温で行われる。液中に生成した沈殿物をろ過して多孔体粉末を分離した後に、水で洗浄し、電気炉に入れて、加熱して表面水分を除去した後に、昇温して溶媒を熱分解除去してメソポーラスシリケートを得ることができる。得られるメソポーラス材料は、均一で規則的な配列のメソ孔(直径2〜50nm)を有する多孔質材料(多孔体)であり、構造的には「MCM−41」(2〜50nmの均一メソスコピックサイズの細孔を有するシリカ)と良く似た2次元柱状構造を有している。
【0020】
本発明のメソポーラスシリケートのメソ孔の直径は、好ましくは12〜100nmである。ここで使用する界面活性剤の直鎖状炭素結合の炭素数を変更すると、炭素数12において12nm程度、炭素数20において40nm程度にメソ孔の大きさを調整することができる。更にミセルにメシチジン等の吸着物質を吸着させることによりミセルの直径が拡大して、40〜100nmへのメソ孔の拡大が可能となる。
【0021】
超安定モルデナイト型ゼオライト(S−1)
本発明において用いる吸着剤の内の超安定モルデナイト型ゼオライト(以下USM:Ultra Stable Mordenite Type zeolite)は、水熱合成で調製されたSiO/Al比5程度のモルデナイト型ゼオライトを温度120℃以上の有害成分蒸気と接触させてモルデナイト型ゼオイラト結晶構造中のアルミニュームを除去して高SiO/Al比のモルデナイト型ゼオライトを調製したものである。
【0022】
本発明のUSMのSiO/Al比は、好ましくは20〜1000、更に好ましくは20〜200である。20未満のSiO/Al比のUSMでは水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液分解が顕著となうため有害成分の酸化反応効率が低下し、一方、1000を超えると合成のコストが大幅に増大し一般的ではない。
【0023】
シリカゲル
本発明において用いる吸着剤の内のシリカゲルは、ケイ酸を中和沈殿で晶析した後に、ろ過水洗して得られるものである。
【0024】
該シリカゲルのSiO/Al比は、∞、比表面積は600〜1,100m/gを有する。溶存オゾン吸着能はないが、水溶性酸化剤及びCOD成分の吸着量は比較的大きく、吸着剤上での有害成分の酸化反応効率が上昇する。
【0025】
上述した吸着剤は、水溶性酸化剤又はオゾンおよび有害成分を効率よく吸着し、紫外線照射条件下では、共吸有害成分を直接の光化学反応、水溶性酸化剤又はオゾンの光化学反応により生成したOHラジカルとの吸着反応により通常の吸着反応よりも高効率で無害化することができるものである。
【0026】
このように、本発明において用いる吸着剤の存在下で有害成分と水溶性酸化剤又はオゾンを共存させると、液中の有害成分の水溶性酸化剤又はオゾンとの吸着反応による酸化が効率よく進行する。本発明を制限するものではないが、下記のような酸化分解機構が考えられる。
【0027】
液中の水溶性酸化剤と溶存オゾンとの液相酸化分解反応は水溶性酸化剤と溶存オゾンの各濃度[NaClO]、[NaClO]、[NaBrO]、[NaBrO]、[H]、〔O〕と有害成分濃度〔COD〕の積([NaClO]、[NaClO]、[NaBrO]、[NaBrO]、[H]、〔O〕)・〔COD〕に比例して進行する。一方、本発明の吸着剤相には水溶性酸化剤又はオゾン及び有害成分が選択的に吸着され、単なる液相に比べて吸着剤表面の水溶性酸化剤又はオゾンの混合溶液濃度[NaClO]、[NaClO]、[NaBrO]、[NaBrO]、[H]、〔O〕及び有害成分濃度〔COD〕はそれぞれ10〜100倍程度に達する(日本吸着学会2000年年会「シリカ系吸着剤における水中溶存水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液の吸脱着特性」鈴木基之ら)。更に紫外線照射条件下では、結晶内での有害成分の光化学反応による分解、生成したOHラジカル等の酸化性中間体により、従来の吸着反応に比べてより効率的な酸化反応が進行する。
【0028】
また、本発明の特筆すべき特徴でありかつ利点としては、NHOHの酸化分解の場合に、従来法の消化菌を使用したNHOHの酸化で生成するHNO,HNOが本高シリカ材料上のNHOH−NaClO、NaClO、NaBrO、NaBrO、H、O反応では、殆ど生成しないことである。
【0029】
これは高シリカゼオライト上での反応が、
NHOH+Ox→aN+bHO−−−−(1)
NHOH+Ox→cNO+dHO−−−−(2)
NHOH+Ox→eHNO+fHO−−(3)
NHOH+Ox→gHNO+hHO−−(4)
(ここでOxは上記NaClO、NaClO、NaBrO、NaBrO、Hの1種又は複数、又は同左1種又は複数にOを加えた水溶性酸化剤である。〔O〕から構成されるが、(1)、(2)>>(3)、(4)の反応の選択性を有し、HNO、HNOが殆ど生成しないことが確認されたことである。
更に、紫外線照射条件下ではより効率的なアンモニア分解反応の進行することが確認された。
【0030】
本発明の吸着剤は、それぞれ使用目的に応じて、単独で又は混合物の形で、粒状、ペレット状、ラシヒリング状、ハニカム状など任意の形状に成形して使用できる。
【0031】
本発明に使用される吸着剤の量は、使用目的に応じて異なるが、通常汚染物質濃度1〜1000ppm(w/w)、水溶性酸化剤又はオゾンの濃度1〜10,000ppm(w/w)の条件でSV値は1〜250(1/h)程度である。(SV値は、1m3の反応器容量での1時間の処理量(m3/h)である。
【0032】
本発明の吸着剤の性能は、使用目的に応じて異なるが、80%以上の非常に高い有害成分除去率を示す。
【0033】
また、液相では水溶性酸化剤又はオゾンは、有害成分以外の第三物質との衝突により無害化に寄与することなく分解してしまう頻度が多くなり、水溶性酸化剤又オゾンの酸化反応による無害化効率には限界がある。しかし、本発明の吸着剤表面での水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤とオゾン微粒子気泡による有害成分の無害化においては、吸着剤に水溶性酸化剤又はオゾンと有害成分が選択的に吸着されることから、第三物質との衝突による水溶性酸化剤又はオゾンとの分解の確率は大幅に低減され、水溶性酸化剤又オゾンは、紫外線照射条件下の吸着反応により、有害成分の無害化のために効率的に消費される。
【0034】
液相での有害成分の無害化処理効率の悪い従来法(生物活性処理)では、装置容量が大きく、液組成の変動、競合する微生物の侵入で消化菌の活性が大幅に低下する懸念が常に存在し、経済性、保守性についての改善のニーズが強かった。水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液酸化反応の均一液相反応による有害成分を含有する排水処理は、効率が非常に低いことから採用されていないが、一般的なCOD成分の低減として、生物活性処理の後流処理として採用されている。しかし生物活性処理の上流への本装置の設置は、水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液がリークすることによる生物活性槽の性能低下から採用されていない。しかし、本発明においては、紫外線照射条件下、結晶内で水溶性酸化剤またはオゾンと有害成分の酸化分解反応が高速で進行するため、後流への水溶性酸化剤またはオゾンと有害成分のリークの恐れはほとんどなく、水溶性酸化剤又はオゾンの使用量は、従来の1/12以下ですむ。
【0035】
しかし、本発明での、水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加する場合に、何らかの理由によりリークした場合の対策としては、吸着剤充填塔の処理液出口部分にリークする水溶性酸化剤又はオゾンを分解する分解剤層を設けることによって、未反応の水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を分解することができる。上記水溶性酸化剤又はオゾン分解剤としては、自らはCOへと酸化される消耗型吸着剤である活性炭や液相還元剤であるアスコルビン酸、Mn系触媒などが挙げられる。なお、分解剤層は吸着剤充填塔の出口部分の内側に設けてもよく、また、充填塔の外側に別途設けてもよい。本発明では、水溶性酸化剤又はオゾンのリークする量が少ないため、水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤とオゾンの分解剤の使用期間も従来の10倍程度と大幅な延長が達成できる。
【0036】
なお、必要により有害成分含有液ヘの水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液注入点の上流側及び/又は水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液吸着反応器の下流側にダストを除去するろ過材層を設けることができる。ろ過材層の設置の有無や設置の位置等は、装置の状況や有害成分含有液の性状等により、適宜定めればよい。
【0037】
次に図面を参照して本発明の処理装置を説明する。図1に工場排水からの排液処理に本発明の装置を適用した有害成分含有液の処理フローの1例を示す。図1において主プラント1からの有害成分含有液は排液輸送ポンプ3により排液導出配管2を経て混合器4に送られ、水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液発生器5から水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液を注入されて吸着剤充填塔6に導入される。吸着剤充填塔6には本発明で規定した吸着剤が充填されており、導入液中の有害成分及び水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤と溶存オゾンとの混合溶液が吸着剤層6aに共吸着し、被吸着物質は高い濃度の状態で反応して有害成分が分解される。吸着剤層6a前方部には紫外線照射装置6cとしては低圧水銀灯が設置され300nm以下の紫外線が照射される。紫外線照射装置6cは吸着剤層6aの前方から照射するほうが効率的ではあるが、未処理液が紫外線を吸収して吸着剤層6aに有効に照射できない場合は、吸着剤層6a後方から照射しても構わない。通常は処理液排出配管7から排出される処理済の液ヘの水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤またはオゾンのリークはないが、必要により吸着剤充填塔6内の処理液出口側あるいは吸着剤充填塔6の下流に活性炭、Mn系触媒などの水溶性酸化剤又は水溶性酸化剤またはオゾンの分解剤層6bを設けてもよい。なお、図1には、吸着剤充填塔6内の吸着剤層6aの処理液出口側に仕切6dを介して水溶性酸化剤又はオゾンの分解剤層6bを設けた例を示した。
【実施例】
【0038】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
(1)ペンタシルゼオライト(S−5)、(2)ゼオライトβ(S−4)、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)(S−3)、(5)超安定モルデナイト(USM)(S−1)についてはZeolyst社製粉末試料、(6)シリカゲル(富士シリシア化学製)を使用した。
【0039】
メソポーラスシリケートについては、(低温合成法(4)メソポーラスシリケート(S-2)、)を採用した。調製法を以下に記す。
【0040】
セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTMAB;C1635(CHNBr)(FW364.45 東京化成社製)6.0kgを溶解した水32リットルに、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)水溶液((CHNOH、水中25質量%)30〜33リットルを加えてpH7.7に調整した。
【0041】
これを激しく撹拌しながら、水15.4リットルに溶解したケイ酸ナトリウム(NaO・2SiO・2.52HO)(FW 227.56 キシダ化学)3.00kgを加え、さらに水31.6リットルに溶解した硫酸アルミニウム(Al(SO・17HO)(半井化学薬品社製)0.01〜0.25kgを少しずつ加え、この懸濁液を室温で3時間撹拌した。
【0042】
この沈殿生成物をろ過して多孔体粉末を分離した後、水で洗浄後、電気炉に入れて、まず110℃で約8時間保持して表面水分を除去したのち、昇温速度100℃/時間で昇温して600℃6時間保持してセチルトリメチルアンモニウムブロミドを熱分解除去してメソポーラスシリケートを約1kg調製した。得られたゲル組成は、SiO:Al:CTMAB:HO=0.8:0.0012〜0.012:0.5:80であり、粉末状メソポーラスシリケートの収率は80%であった。
【0043】
以上の手順により調製した粉末状SiO/Al比は20〜1000であり、日本ベル社製BET法表面積計測機により測定した比表面積は767〜1100m/g、細孔直径は3.5nmであった。
【0044】
本発明の吸着剤サンプルは上記で製造したS−1〜S−6中の末尾にSiO/Alモル比を付して区別している。また、比較例として未充填及び低SiO/Alモル比ゼオライトとしてNa−A型ゼオライト(以下Na−A:UOP社製SiO/Alモル比2)を使用した。未充填をR−1、Na−A充填をR−2として表した。R−2の形状は、直径10cm、高さ10cmのモノリスであった。
【0045】
有害成分10ppmを含有する工業用水を使用した。
【0046】
実施例1
図1のフローの試験装置(水溶性酸化剤又はオゾンの分解剤層は設けず)を用いて水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡による有害成分含有液の処理試験を行った。使用した吸着剤を表1に、試験条件等を表2に示す。
【0047】
有害成分としてa)アンモニア、b)トリクロロエチレン(以下TCE)、c)アセトアルデヒド10ppmを含有する排液を各々、表2の条件で処理し、図1の処理液排出配管7の部分でサンプリングした液中の有害成分濃度(出口有害成分濃度)及び水溶性酸化剤又はオゾン濃度を測定した。
【0048】
使用した吸着剤は、(S−1−200)USM、(S−2−200)メソポーラスシリケート、(S−3−200)USY、(S−4−200)β、(S−5−200)シリカライト、(S−6−∞)の6種類である。(S−1−200)USM、(S−2−200)メソポーラスシリケート、(S−3−200)USY、(S−4−200)β、(S−5−200)シリカライトについては、SiO/Alモル比が200になるように、それぞれを調製した。水溶性酸化剤としては次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、過酸化水素(H)およびオゾンの混合溶液/有害成分モル比10に設定した。
【0049】
試験結果として、出口有害成分濃度、出口酸化剤濃度、アンモニアについてのみ、NO転換率(質量/質量%)についても評価した。以上、従来法との比較結果をアンモニアについては表3a)、TCEについては表3b)、アセトアルデヒドについては表3c)に示す。サンプルR−1、R−2と比べて優れた結果の場合「○」とし、若干優れている場合には「△」、効果が無い場合には「×」とした。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
【表3a】

【0053】
【表3b】

【0054】
【表3c】

【0055】
アンモニアの酸化剤吸着反応の試験結果を見ると、紫外線照射条件下の、水溶性酸化剤(NaClO, H)又はオゾン微粒子気泡のいずれも強い吸着反応を示し、シリカライトを除く吸着剤においてアンモニア除去率は70%を超えている。また、紫外線の照射によってアンモニア除去率は30%程度増大しており、紫外線照射の効果が顕著なことが判る。これは本試験に使用した高シリカゼオライト、メソポーラスシリカ、シリカゲルがケイ酸化合物であることから照射した紫外線は結晶に吸収されること無く充填層を拡散して吸着した有害成分、酸化剤(NaClO,H,O)に作用して光化学反応を起こしたためと考えられる。
また本反応では、出口でHNO濃度を計測したが、未検出でありHNOの生成の無いことが確認された。これは、本反応を利用した下水処理、養殖用海水浄化における脱窒が、簡単な1段の処理で実現することがわかる。
なお、本実施例では紫外線の照射の有無にかかわらず、酸化剤としてオゾンを使用する場合は、従来の水処理法のようにオゾンを処理水に溶解させて溶存オゾンとして使用することなく、オゾン微粒子気泡を処理水に注入してオゾン含有ガスと処理水の気液2相流で充填層に供給している。いずれにおいても有害成分−オゾン吸着反応は、オゾン/有害成分化学量論比に近いところで進行しており、オゾンについてはオゾン含有ガスを上流から処理水にオゾン微粒子気泡として注入して、充填層に気液2相流で供給すれば、高効率なオゾン吸着反応の進行することが確認された。これは従来公知でもなくまた示唆もされていない新規な方法である。
このため本発明の全実施例で、オゾンはオゾン微粒子気泡として充填層に気液2相流で供給している。
【0056】
TCEの酸化剤吸着反応の試験結果を見ると、紫外線照射条件下の、水溶性酸化剤(NaClO, H)又はオゾン微粒子気泡のいずれも強い吸着反応を示し、シリカライトを除く吸着剤においてTCE除去率は70%を超えている。また、紫外線の照射によってTCE除去率は30%程度増大しており、紫外線照射の効果が顕著なことが判る。これは本試験に使用した高シリカゼオライト、メソポーラスシリカ、シリカゲルがケイ酸化合物であることから照射した紫外線は結晶に吸収されること無く充填層を拡散して吸着した有害成分、酸化剤(NaClO,H,O)に作用して光化学反応を起こしたためと考えられる。
【0057】
アセトアルデヒドの酸化剤吸着反応の試験結果を見ると、紫外線照射条件下の、水溶性酸化剤(NaClO, H)又はオゾン微粒子気泡のいずれも強い吸着反応を示し、シリカライトを除く吸着剤においてアセトアルデヒド除去率は70%を超えている。また、紫外線の照射によってアセトアルデヒド除去率は30%程度増大しており、紫外線照射の効果が顕著なことが判る。これは本試験に使用した高シリカゼオライト、メソポーラスシリカ、シリカゲルがケイ酸化合物であることから照射した紫外線は結晶に吸収されること無く充填層を拡散して吸着した有害成分、酸化剤(NaClO,H,O)に作用して光化学反応を起こしたためと考えられる。
【0058】
実施例2
最も高い有害成分除去率を示したβ(SiO/Al比200)をハニカム化して吸着剤形状−モノリス(板厚0.2mm、ピッチ2mm)、反応温度25℃、オゾン微粒子気泡との混合溶液におけるオゾン/処理物質モル比1(mol/mol)でSV値を30〜200で変更してアンモニア除去に対する紫外線照射の効果を評価した。結果を図2に示す。
【0059】
SV値30〜200の全領域でアンモニア除去率55%以上を示し、紫外線照射により紫外線照射が無い場合よりも除去率が10%以上高くなることが確認された。
【0060】
実施例3
最も高い有害成分除去率を示したβ(SiO/Al比200)をハニカム化して吸着剤形状−モノリス(板厚0.2mm、ピッチ2mm)、反応温度25℃、SV値60、でオゾン微粒子気泡とのオゾン/処理物質モル比(mol/mol)を0.5〜3で変更してアンモニア除去率を評価した。結果を図3に示す。
【0061】
オゾン微粒子気泡のオゾン/処理物質モル比(mol/mol)を0.5〜3の全領域で変更したところモル比1でアンモニア除去率30%以上を示した。これは紫外線照射無しに比べ20%高い効率であることが確認された。
【0062】
実施例4
最も高い有害成分除去率を示したβ(SiO/Al比200)をハニカム化して吸着剤形状−モノリス(板厚0.2mm、ピッチ2mm)、反応温度25℃、SV値60、アンモニア濃度10ppmの含有水を導入してアンモニアを吸着除去して、清浄化水を吸着塔から流出させ、アンモニア破過前に上記有害成分含有水の導入を停止した後に、上記有害成分を吸着した吸着塔にオゾン微粒子気泡をオゾン/アンモニアモル比3で導入して、紫外線照射条件下、吸着剤充填層内でアンモニアを酸化分解して、脱窒するとともに再度アンモニアを吸着可能なように再生できることを確認した。このときのアンモニア除去率は80%を示している。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の処理方法及び処理装置は、工業排水等の有害成分を含有する汚染液を無害化するのに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の方法の一実施態様を実施するフローを示す概略図である。
【図2】SV値と処理物質除去率との関係を示す。
【図3】O/処理分子モル比と除去率との関係を示す。
【符号の説明】
【0065】
1 主プラント
2 排液導出配管
3 排液輸送ポンプ
4 混合器
5 混合溶液発生器
6 吸着剤充填塔
6a 吸着剤層
6b オゾンの分解剤層
6c 紫外線光源
7 処理液排出配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)有害成分含有液に水溶性酸化剤又はオゾン微粒子気泡を添加、混合し、
(B)水溶性酸化剤又はオゾンを吸着し、かつ有害成分も吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤を充填した充填塔に流過させ、
(C)このとき吸着剤層の入り口または出口から紫外線を照射し、
(D)液中の有害成分を水溶性酸化剤又はオゾンの紫外線照射下での吸着反応により無害化する、
ことを特徴とする有害成分含有液の処理方法。
【請求項2】
(E)前記(D)で残留する水溶性酸化剤、溶存オゾンまたはオゾン微粒子気泡を分解することを特徴とする請求項1記載の有害成分含有液の処理方法。
【請求項3】
水溶性酸化剤、オゾン微粒子気泡のオゾンを吸着し、かつ有害成分を吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤層を設けた吸着剤充填塔と、上記吸着剤充填塔に有害成分を含有する液を供給する供給管またはオゾン含有ガスを供給するオゾン散気管と、上記供給管に接続され、液中に水溶性酸化剤オゾン微粒子気泡を添加する水溶性酸化剤またはオゾン微粒子気泡との混合溶液発生器と、吸着剤層前方または後方から紫外線を照射する紫外線照射装置と、前記吸着剤充填塔から処理済みの処理液を排出する排出管とを備えてなることを特徴とする有害成分含有液の処理装置。
【請求項4】
前記吸着剤充填塔の下流側に、リークする水溶性酸化剤、オゾンを分解する酸化剤分解層が設けられてなることを特徴とする請求項3記載の有害成分含有液の処理装置。
【請求項5】
有害成分を吸着し、かつ水溶性酸化剤またはオゾン微粒子気泡を吸着する吸着剤を充填した吸着塔に、上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させ、上記有害成分含有水の導入を停止した後に、上記有害成分を吸着した吸着塔に水溶性酸化剤又オゾン微粒子気泡を導入して、紫外線照射条件下、上記吸着剤充填層で上記有害成分を酸化分解する有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。
【請求項6】
吸着剤床を収容した吸着塔が並列に2以上存在し、1つの吸着塔に上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させる吸着工程に在る間に、吸着工程を終了した別の吸着塔に紫外線照射条件下、水溶性酸化剤又オゾン微粒子気泡を導入して上記吸着剤表面で上記特定の有害成分を酸化分解する酸化分解工程を施し、オゾン微粒子気泡吸着工程を終了した吸着塔から、酸化分解工程を終了した吸着塔に切り換え、上記の工程を繰り返す、有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。
【請求項7】
(A)有害成分含有液にオゾン微粒子気泡を添加、混合し、
(B)オゾンを吸着し、かつ有害成分も吸着する(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種の吸着剤を充填した充填塔に流過させ、
(C)液中の有害成分をオゾンの吸着反応により無害化する、
ことを特徴とする有害成分含有液の処理方法。
【請求項8】
有害成分を吸着し、かつオゾンを吸着する吸着剤を充填した吸着塔に、上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させ、上記有害成分含有水の導入を停止した後に、上記有害成分を吸着した吸着塔に水溶性酸化剤又オゾン微粒子気泡を導入して、上記吸着剤充填層で上記有害成分を酸化分解する有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。
【請求項9】
吸着剤床を収容した吸着塔が並列に2以上存在し、1つの吸着塔に上記有害成分含有水を導入して上記有害成分を上記吸着剤に吸着させ、清浄化水を吸着塔から流出させる吸着工程に在る間に、吸着工程を終了した別の吸着塔に、オゾン微粒子気泡を導入して上記吸着剤表面で上記特定の有害成分を酸化分解する酸化分解工程を施し、オゾン微粒子気泡吸着工程を終了した吸着塔から、酸化分解工程を終了した吸着塔に切り換え、上記の工程を繰り返す、有害成分含有水の処理方法であって、上記吸着剤は(1)ペンタシルゼオライト、(2)ゼオライトβ、(3)超安定Y型ゼオライト(USY)、(4)メソポーラスシリケート、(5)超安定モルデナイト(USM)、(6)シリカゲルの群から選ばれた少なくとも一種である有害成分含有水の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−297629(P2009−297629A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153671(P2008−153671)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(506233117)吸着技術工業株式会社 (24)
【Fターム(参考)】