説明

有機エレクトロルミネセンスデバイスのための材料

本発明は、特に、エレクトロルミネセンスデバイスの発光及び/又は電荷輸送層における使用のための発光及び正孔輸送特性を有する新規な種類の材料として、芳香族複素架橋原子を含むインデノフルオレン誘導体を記載する。本発明は、さらに、本発明に従う化合物の製造方法、及び当該化合物を含む電子デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、特に、エレクトロルミネセンスデバイスの発光及び/又は電荷輸送層における使用のための発光及び正孔輸送特性を有する新規な種類の材料として、芳香族複素架橋原子を含むインデノフルオレン誘導体を記載する。本発明はさらに、本発明に従う化合物の製造方法、及び当該化合物を含む電子デバイスに関する。
【0002】
有機エレクトロルミネセンスデバイスの一般的な構造は、例えば、米国特許第4539507号、米国特許第5151629号、EP0676461及びWO98/27136に記載されている。しかしながら、これらのデバイスは未だ改善の必要性を示す:
1.特に、蛍光OLEDの場合、まだ効率が低く、改善されるべきである。
【0003】
2.特に、青色発光の場合、往々にしてまだ動作寿命が短く、結果として、ここに更なる改善の必要性がある。
【0004】
3.蛍光及びりん光OLEDの両方の場合において、動作電圧が相当に高い。動作電圧の減少は、電力効率の改善をもたらす。これは、特に、主としてモバイル用途に重要である。
【0005】
4.先行技術に従う正孔輸送材料の場合、電圧は、正孔輸送層の膜厚に依存する。実際に、光取り出し(optical coupling-out)及び生産の歩留まりを改善するため、往々にしてより厚い膜厚の正孔輸送層が望ましい。しかしながら、これは先行技術に従う材料によっては、付随する電圧の増加のため、達成し得ない。したがって、ここに改善の必要性が存在し続ける。
【0006】
5.いくつかの材料、特に、先行技術に従う正孔輸送材料は、蒸着プロセスの間、それらが蒸着供給源の端で結晶化し、故に蒸着供給源が詰まるという問題を有する。したがって、大量生産には、より適切に処理され得る材料が望ましい。
【0007】
インデノフルオレンアミンは、非常に良好な正孔移動度のため、電荷輸送材料及び電荷注入材料として用いられる。この種類の材料は、輸送層の厚さに対する電圧の比較的低い依存性を示す。EP1860097、WO2006/100896、DE102006025846、WO006/122630及びWO2008/006449は、インデノフルオレンジアミンの電子デバイスにおける使用について開示する。そこにおいて、正孔輸送材料又は紺青色発光体として使用する場合の良好な寿命が言及される。しかしながら、これら材料は、それらの結晶化度(crystallinity)のせいで、これら材料が蒸着の間に蒸着供給源上で結晶化してそれを詰まらせるため、大量生産における蒸着の間中、問題となる挙動を示すという問題を有している。よって、生産におけるこれらの材料の使用は、増加した技術的複雑さを伴う。従って、ここでは、さらなる改善が未だ望ましい。
【0008】
特に、改善された発光化合物、特に、青色発光化合物に対する需要は存在し続け、これは、良好な効率、及び同時に有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける長い寿命をもたらし、産業上の問題を伴うことなく処理され得る。これは、電荷輸送化合物及び電荷注入化合物に並びに蛍光又はりん光化合物のためのマトリクス材料に等しく適用される。特に、材料の結晶化度における改善の必要がある。
【0009】
本発明の目的は、従って、そのような化合物を提供することにある。
【0010】
驚くべきことに、正確に1つの複素環式芳香族架橋原子を含むインデノフルオレン誘導体を用いるエレクトロルミネセンスデバイスが、特に、ホスト材料における青色発光ドーパントとして及び正孔輸送材料として使用する場合、先行技術に対する著しい改善を有することが見出された。正孔輸送化合物として使用する場合、2つの架橋のうちの1つにおける、ヘテロ原子による炭素原子の置き換えは、結晶化度の減少を可能にし、故に、改善された加工性が達成されることを可能にする。さらに、界面の形態の変化により、より低い動作電圧を生じ、また、おそらくは改善された正孔移動度により、輸送層の厚さに対する電圧のより低い依存性が生ずる。紺青色ドーパントとして使用する場合、複素環式芳香族架橋原子の導入は、より長い寿命及び改善された効率をもたらす。
【0011】
この目的のため、本発明は、一般式I又はIIの化合物を提供する。
【化1】

【0012】
Aは、一般式III
【化2】

【0013】
に相当し、一般式I又はIIの化合物への連結は、Yを介して行われ;
Yは、各々の場合において、互いに独立して、N、P、P=O、B、C=O、O、S、S=O又はSOであり;
Zは、各々の場合において、互いに独立して、CR又はNであり;
Xは、各々の場合において、互いに独立して、B(R)、C=O、C=C(R、S、S=O、SO及びN(R)から選択される2価の架橋であり;
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40のC原子を有する直鎖状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基又は3〜40のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は、1以上の基Rにより置換されていてもよく、ここで、1以上の非隣接CH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S又はCONRにより置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOにより置き換えられていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、これは各々の場合、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40のC芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、これは1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いは、これらの系の組合せであり;ここで、さらに、2以上の置換基Rは、単環式又は多環式脂肪族環系を互いに形成していてもよく;
は、各々の場合において、互いに独立して、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(R、B(OR、Si(R、1〜40のC原子を有する直鎖状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基又は3〜40のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は、1以上の基Rにより置換されていてもよく、ここで、1以上の非隣接CH基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、−O−、−S−、−COO−又はCONR−により置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOにより置き換えられていてもよいものであるか、アリールアミン又は置換されたカルバゾールであって、それらの各々は、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、これは、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、これは、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いは、これらの系の組合せであり、ここで、さらに、2以上の置換基Rは、単環式又は多環式環系を互いに形成していてもよく;
は、各々の場合において、互いに独立して、H、D又は1〜20のC原子を有する脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり;
Arは、各々の場合において、互いに独立して、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であり、これは、1以上の基Rにより置換されていてもよく;
Eは、各々の場合において、互いに独立して、単結合、N(R)、O、S、C(R、Si(R又はB(R)であり;
qは、基Yの該当する中心原子が、第3又は第5主族の元素である場合は1であり、又は基Yの該当する中心原子が、第4又は第6主族の元素である場合は0であり;
tは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、q=0の場合は、t=0であり、ここで、t=0は、基Rが基Eの代わりに結合していることを意味し;
vは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、vとwとの合計は1以上であり、ここで、v=0は、基RがAの代わりに結合していることを意味し;
wは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、vとwとの合計は1以上であり、ここで、w=0は、基RがAの代わりに結合していることを意味する。
【0014】
本発明の実施形態において、一般式I又はIIの化合物中の基Yは、各々の場合において、N又はC=Oであることが好ましい。
【0015】
Xは、N(R)又はSから選択されることがさらに好ましく、ここで、Rは上記の意味を有する。
【0016】
本発明の更なる実施形態において、基Zは、各々の場合において、互いに独立してCRであることが好ましい。ここで、基Rは好ましくは上記の意味を有する。
【0017】
本発明のさらなる実施形態において、一般式I又はIIの化合物におけるArは、フェニル、ナフチル、5〜15の炭素原子を有する置換されている芳香族若しくは芳香族複素環系、又はアリールアミン若しくはカルバゾールにより置換されている芳香族若しくは芳香族複素環であることが好ましい。
【0018】
本発明の更なる実施形態において、Eは存在しない、即ち、t=0であるか、又は、Eが単結合若しくはC(Rであり、ここで、Rは、上記の意味を有する。
【0019】
一般式I又はIIの化合物において、v=w=1、又はv=0及びw=1、又はv=1及びw=0を適用することがさらに好ましい。
【0020】
本発明の更なる実施形態において、化合物は式Ia又はIIaから選択される:
【化3】

【0021】
式中、記号及び指数は、上記の意味を有する。Xは、特に好ましくは、S又はN(R)に相当する。
【0022】
一般式I又はIIの化合物は、以下の構造式1〜72を満足させることがさらに好ましい:
【化4−1】

【化4−2】

【化4−3】

【化4−4】

【化4−5】

【化4−6】

【0023】
本発明の目的のため、さらに、個々のH原子又はCH基が上記の基により置換されていてもよい1〜40のC原子を有するアルキル基は、好ましくは、基メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルを意味するものとする。本発明の目的のため、アルケニル基は、特に、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル又はシクロオクテニルを意味するものとする。本発明の目的のため、アルキニル基は、特に、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル又はオクチニルを意味するものとする。C−〜C40−アルコキシ基は好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ又は2−メチルブトキシを意味するものとする。
【0024】
本発明の目的のため、アリール基は、好ましくは5〜40のC原子を含み;本発明の目的のため、ヘテロアリール基は、2〜40のC原子及び少なくとも1つのヘテロ原子を含み、但し、C原子とヘテロ原子との合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。アリール基又はヘテロアリール基は、ここで、単純な芳香環、即ち、ベンゼン、又は単純な芳香族複素環、例えば、ピリジン、ピリミジン、チオフェンなど、又は縮合アリール若しくはヘテロアリール基、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン及びインドールなどのいずれかを意味するものとする。
【0025】
本発明の目的のため、芳香環系は、環系中に5〜40のC原子を含む。本発明の目的のため、芳香族複素環系は、環系中に2〜40のC原子及び少なくとも1つのヘテロ原子を含み、但し、C原子とヘテロ原子との合計は少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O及び/又はSから選択される。本発明の目的のため、芳香族又は芳香族複素環系は、必ずしもアリール基又はヘテロアリール基のみを含まず、代わりに複数のアリール又はヘテロアリール基が、非芳香族単位(好ましくは、10%未満のH以外の原子)、例えば、sp混成C、N又はO原子などにより中断されてもよい系を意味することを意図する。従って、例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベンなどの系も、2以上のアリール基が、例えば直鎖状若しくは環状アルキル基又はシリル基によって中断されるが、本発明の目的のため、芳香族環系であると解されることが意図される。
【0026】
各々の場合において、上記基Rにより置換されていてもよく、且ついずれかの望まれる位置を介して芳香族又は芳香族複素環系に連結していてもよい5〜60の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系は、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ベンズアントラセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、テルフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、シス−若しくはトランス−インデノフルオレン、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントルイミダゾール、ピリジミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾールに由来する基を意味するものとする。
【0027】
本発明に従う化合物は、当業者に既知の合成工程、例えば、臭素化、Suzukiカップリング、Hartwig−Buchwaldカップリングなどにより調製され得る。窒素を架橋原子Xとして含む誘導体の合成は、スキーム1における一般的条件に示される。
【化5】

【0028】
合成は、フルオレン−2−ボロン酸誘導体から進行し、これは、Suzukiカップリングにおいて1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼンに連結される。フルオレン単位でのハロゲン化、例えば臭素化がこれに続いてもよい。ニトロ基は、亜リン酸塩、例えば、亜リン酸トリエチルの作用の下、環化され、対応するインデノカルバゾール誘導体を提供する。次に、窒素が、アルキル化剤によりアルキル化されるか、又はHartwig−Buchwald反応によりアリール化され得る。最後の工程において、反応性の遊離基、例えば臭素基が反応し、望まれる分子を提供する。これは、例えば、Hartwig−Buchwaldカップリングにおいて行われ、対応するアミンを提供し得る。ケトン、ホスフィンオキシドなどが、メタル化、例えば、リチオ化、及び求電子剤との反応により得られる。ここで、構造は、当然、更なる置換基により置換されていてもよい。
【0029】
硫黄を架橋原子Xとして含む誘導体の合成は、スキーム2における一般的条件に示される。
【化6】

【0030】
合成は、2−ブロモフルオレン誘導体から進行する。これは、Suzukiカップリングにおいて、ベンゼンの1−ボロン酸2−チオエーテル誘導体と反応し、酸化する。酸の影響下、対応するインデノジベンゾチオフェン形態が、酸化剤を用いて酸化される。ジアリールアミノ基を導入するため、ハロゲン化、例えば、臭素化及びHartwig−Buchwaldカップリングがこれに続く。最終工程において、硫黄が再び還元される。硫黄の酸化及び還元は、ハロゲン化を選択的に促進するために行われる。
【0031】
一般に、本発明に従う化合物は、フルオレン誘導体を、2価の基Xに変換され得る基Xにより置換されているベンゼン誘導体に連結すること、及びその後の工程において基Xを基Xに変換することにより調製され得る。
【0032】
さらに、本発明は、一般式I又はIIの化合物の製造方法に関し、これは、
a)フルオレン誘導体を、2価の基Xに変換され得る基Xにより置換されているベンゼン誘導体に連結する工程、及び
b)基Xを基Xに変換する工程:
により特徴付けられ、ここでXは上記の意味を有する。
【0033】
式I又はIIの化合物は、電子デバイス、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスにおいて用いられ得る。化合物の正確な使用は置換基に依存する。
【0034】
本発明の好ましい実施形態において、式I又はIIのうちの1つの化合物は、発光層において、好ましくは少なくとも1つのさらなる化合物との混合物において用いられる。式I又はIIのうちの1つの化合物は、混合物において発光化合物(ドーパント)であることが好ましい。好ましいホスト材料は、発光が式I又はIIの化合物の発光よりも短波長であるか、又は全く発光しない有機化合物である。
【0035】
従って本発明は、さらに式I又はIIのうちの1つの1以上の化合物と、1以上のホスト材料との混合物に関する。
【0036】
発光層の混合物中の式I又はIIの化合物の割合は、0.1〜99.0体積%、好ましくは0.5〜50.0体積%、特に好ましくは、1.0〜20.0体積%、特に1.0〜10.0体積%である。従って、当該層中のホスト材料の割合は、1.0〜99.9体積%、好ましくは、50.0〜99.5体積%、特に好ましくは、80.0〜99.0体積%、特には90.0〜99.0体積%である。
【0037】
適切なホスト材料は、様々な種類の物質である。好ましいホスト材料は、オリゴアリーレン(例えば、EP676461に従う2,2’,7,7’−テトラフェニルスピロビフルオレン又はジナフチルアントラセン)、特に縮合芳香族基を含むオリゴアリーレン、オリゴアリーレンビニレン(例えば、EP676461に従うDPVBi又はスピロDPVBi)、多足金属錯体(例えば、WO04/081017)、正孔導電化合物(例えば、WO04/058911)、電子導電化合物、特にケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシドなど(例えば、WO05/084081又はWO05/084082に従う)、アトロプ異性体(例えば、EP1655359に従う)、ボロン酸誘導体(例えば、WO06/117052に従う)又はベンズアントラセン誘導体(例えば、WO08/145239に従う)の種類から選択される。特に好ましいホスト材料は、オリゴアリーレンの種類から選択され、これは、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン及び/又はピレン、又はこれらの化合物のアトロプ異性体、オリゴアリーレンビニレン、ケトン、ホスフィンオキシド、並びにスルホキシドを含む。特に非常に好ましいホスト材料は、オリゴアリーレンの種類から選択され、これは、ナフタレン、アントラセン、ベンズアントラセン及び/又はピレン、又はこれらの化合物のアトロプ異性体を含む。
【0038】
式I又はIIのうちの1つの化合物が、正孔輸送材料及び/又は正孔注入材料として用いられることは、さらに特に好ましい。特に、YがNを表す場合及び/又はXがNRを表す場合、これが適用される。次に好ましくは、化合物は、正孔輸送層及び/又は正孔注入層において用いられる。本発明の目的のため、正孔注入層は、陽極に直接的に隣接する層である。本発明の目的のため、正孔輸送層は、正孔注入層と発光層との間に位置する層である。式I又はIIのうちの1つの化合物が正孔輸送材料又は正孔注入材料として用いられる場合、それらは電子受容化合物により、例えば、F−TCNQ(テトラフルオロテトラシアノキノジメタン)又はEP1476881若しくはEP1596445に記載される化合物によりドープされることが好ましいこともある。
【0039】
式I又はIIのうちの1つの化合物が正孔輸送材料として正孔輸送層において用いられる場合、100%の割合、即ち、この化合物の純粋な材料としての使用が好ましいこともある。
【0040】
ヘキサアザトリフェニレン誘導体、特にヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(例えば、EP1175470に従う)を含む層と組合せた正孔輸送又は正孔注入層における式I又はIIのうちの1つの化合物の使用が特に好ましい。従って、例えば、以下に見られる組合せ:陽極ヘキサアザトリフェニレン誘導体−正孔輸送層が好ましく、ここで、正孔輸送層は、式I又はIIの1以上の化合物を含む。同様に、この構造において、複数の連続的な正孔輸送層を用いることが可能であり、ここで、少なくとも1つの正孔輸送層は、式I又はIIの少なくとも1つの化合物を含む。さらに好ましい組合せは、以下に見られる組合せ:陽極正孔輸送層−ヘキサアザトリフェニレン誘導体−正孔輸送層であり、ここで、2つの正孔輸送層のうちの少なくとも1つは、式I又はIIの1以上の化合物を含む。同様に、この構造において、1つの正孔輸送層の代わりに複数の連続的な正孔輸送層を用いることも可能であり、ここで、少なくとも1つの正孔輸送層は、式I又はIIの少なくとも1つの化合物を含む。
【0041】
式I又はIIのうちの1つの化合物は、蛍光及びりん光OLEDのための電子輸送材料及び/又は正孔ブロッキング材料として、及び/又はりん光OLEDのための三重項マトリクス材料として用いられることがさらに好ましい。これは、特に、YがC=O又はP=Oを表す場合、適用される。
【0042】
本発明はさらに、電子デバイスにおける上記化合物の使用に関する。
【0043】
上記化合物は、ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーの製造にも使用され得る。これは通常、重合可能な官能基を介して行われる。この目的のため、反応性の遊離基、例えば、臭素、ヨウ素、ボロン酸、ボロン酸エステル、トシレート又はトリフレートにより置換されている化合物が特に好ましい。これらは、対応する共役した、部分的に共役した、若しくは非共役のポリマー、オリゴマーの発生のためのコモノマーとして、又はデンドリマーの中心としても用いることができる。ここで、重合は、好ましくは、ハロゲン官能基又はボロン酸官能基を介して行われる。ポリマーは、架橋可能な基を有するか、又は架橋可能な基を介して架橋されていてもよい。特に適切な架橋可能な基は、電子デバイスの層においてその後架橋される基である。
【0044】
従って、本発明はさらに、式I又はIIのうちの1つの1以上の化合物を含むポリマー、オリゴマー又はデンドリマーに関する。式I又はIIの化合物から生じるポリマー、オリゴマー、又はデンドリマーへの結合は、基R又はRにより任意に置換されることを特徴とする式I又はIIの化合物のいずれかの望まれる位置に局在化し得る。
【0045】
ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーはここで、共役していても、部分的に共役していても、又は非共役であってもよい。同様に包含されるのは、本発明に従うポリマー、オリゴマー又はデンドリマーと、更なるポリマー、オリゴマー又はデンドリマーとの配合物である。
【0046】
本発明の目的のため、オリゴマーの語は、約3〜9の繰り返し単位を有する化合物に適用される。本発明の目的のため、ポリマーは、10以上の繰り返し単位を有する化合物を意味するものとする。
【0047】
上述の本発明に従う化合物は、例えば、対応する共役した、部分的に共役した、若しくは非共役のポリマー、オリゴマーの発生のためのコモノマーとして、又はデンドリマーの中心としても用いることができる。ここで重合は、好ましくは、ハロゲン官能基及び/又はボロン酸官能基を介して行われることが好ましい。
【0048】
これらのポリマーは、更なる繰り返し単位を含んでいてもよい。これらの更なる繰り返し単位は、好ましくは、フルオレン(例えば、EP842208又はWO00/22026に従う)、スピロビフルオレン(例えば、EP707020、EP894107又はEP04028865.6に従う)、トリアリールアミン、パラフェニレン(例えば、WO92/18552に従う)、カルバゾール(例えば、WO04/070772及びWO04/113468に従う)、チオフェン(例えば、EP1028136に従う)、ジヒドロフェナントレン(例えば、WO05/014689に従う)、インデノフルオレン(例えば、WO04/041091及びWO04/113412に従う)、芳香族ケトン(例えば、WO05/040302に従う)、フェナントレン(例えば、WO05/104264に従う)及び/又は金属錯体、特にオルトメタル化されたイリジウム錯体からなる群より選択される。ここで、ポリマーが、上述の1以上の基から選択される複数の異なる繰り返し単位を有してもよいことは明確に指摘されるべきである。
【0049】
同様に本発明は、電子デバイスにおける上記ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーの使用に関する。
【0050】
本発明はさらに、上述の少なくとも1つの化合物又は上述のポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーを含む電子デバイスに関する。本発明は同様に、本発明に従うオリゴマー、ポリマー又はデンドリマーと、それらとは異なる更なるオリゴマー、ポリマー若しくはデンドリマー、又はさらなる低分子量化合物との任意の配合物を包含する。
【0051】
電子デバイスは、好ましくは、有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電界クエンチデバイス(O−FQD)、発光電子化学電池(LEC)、有機光受容体及び有機レーザーダイオード(O−laser)からなる群より選択される。
【0052】
本発明の目的のため、本発明に従う式I若しくはIIのうちの1つの化合物又は本発明に従うポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーは、電子デバイスにおける正孔輸送層及び/又は正孔注入層における正孔輸送材料として使用されることが好ましく、これらの層における式I若しくはIIのうちの1つの化合物、又はポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーは、電子受容体化合物により任意にドープされることが可能である。
【0053】
本発明の目的のため、本発明に従う式I若しくはIIのうちの1つの化合物、又は本発明に従うポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーは、電子デバイス中の電子輸送層における電子輸送材料として及び/又は正孔ブロッキング層における正孔ブロッキング材料として及び/又は発光層における三重項マトリクス材料として用いられることがさらに好ましい。
【0054】
本発明に従う式I若しくはIIのうちの1つの化合物、又は本発明に従うポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーは、電子デバイスにおける発光層において、好ましくは、発光材料として使用されることが更に好ましい。
【0055】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、陽極、陰極、及び少なくとも1つの発光層を含み、ここで、少なくとも1つの層は、正孔輸送層若しくは正孔注入層、発光層、電子輸送層又は別の層であってもよく、本発明に従う式I若しくはIIのうちの1つの少なくとも1つの化合物、又はポリマー、オリゴマー若しくはデンドリマーを含む。
【0056】
陰極は、好ましくは、低い仕事関数を有する金属、異なる金属、例えば、アルカリ土類金属、アルカリ金属、主族金属若しくはランタノイドなど(例えば、Ca、Ba、Mg、Al、In、Mg、Yb、Smなど)を含む金属合金又は多層構造を含む。多層構造の場合、比較的高い仕事関数を有する更なる金属、例えば、Agなども、前記化合物に加えて使用することができ、ここで、金属の組合せ、例えば、Ca/Ag又はBa/Agなどが一般的に用いられる。好ましくは、同様に、金属合金、特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属及び銀を含む合金、特に好ましくは、Mg及びAgを含む合金である。高い誘電率を有する材料の薄い中間層を、金属陰極と有機半導体との間に導入することが好ましいこともある。この目的のために適しているのは、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属フルオライドだけでなく対応する酸化物又は炭酸塩(例えば、LiF、LiO、CsF、CsCO、BaF、MgO、NaFなど)である。この層の膜厚は、好ましくは、0.5〜5nmである。
【0057】
陽極は、好ましくは、高い仕事関数を有する金属を含む。陽極は、好ましくは、真空に対して4.5eVよりも高い仕事関数を有する。この目的のために適しているのは、一方では、高い還元電位を有する金属、例えば、Ag、Pt又はAuなどである。他方では、金属/金属酸化物の電極(例えば、Al/Ni/NiOx、Al/PtOx)もまた好ましい。いくつかの適用のために、電極の少なくとも1つは、有機材料の照射(O−SC)又は光取り出し(OLED/PLED、O−laser)のいずれかを可能とするために透明でなければならない。好ましい構造は、透明な陽極を用いる。ここで、好ましい陽極材料は、導電性の混合した金属酸化物である。特に好ましくは、インジウムスズ酸化物(ITO)又はインジウム亜鉛酸化物(IZO)である。さらに好ましいのは、導電性のドープされた有機材料、特に導電性のドープされたポリマーである。
【0058】
そのようなデバイスの寿命は、水及び/又は空気の存在下で大幅に短縮されるため、デバイスは、それに対応して(適用に応じて)構造化されており、電気接点(contact)を具備し、密閉されている。
【0059】
式I又はIIのうちの1つの化合物もまた、ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーにおける発光単位及び/又は正孔輸送単位及び/又は電子輸送単位のいずれかとして使用されてもよい。
【0060】
複数の発光化合物が同じ層又は異なる層において用いられることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが、さらに好ましい。これらの化合物は特に好ましくは、380nm〜750nmに、合計して複数の発光極大を有し、これは、全体として白色発光をもたらし、即ち、蛍光又はりん光を発することができ、且つ黄色、橙色若しくは赤色の光を発する少なくとも1つの更なる発光化合物が、式I若しくはIIのうちの1つの化合物とは別に用いられる。3層系が特に好ましく、そのうちの少なくとも1つの層は、式I若しくはIIのうちの1つの化合物を含み、ここで、層は、青色、緑色及び橙色又は赤色の発光を示す(基本的な構造については、例えばWO05/011013を参照のこと)。広帯域発光体が、同様に、白色発光OLEDに使用され得る。
【0061】
陰極、陽極及び発光層とは別に、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、更なる層を含んでいてもよい。これらは、例えば:正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層及び/又は電荷発生層であり得る(T. Matsumoto et al., Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer, IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5))。しかしながら、この時点では、これらの層の各々が存在する必要がないことは指摘すべきである。従って、特に、電子導電ホスト材料と共に式I又はIIのうちの1つの化合物を使用する際、有機エレクトルミネセントデバイスが別個の電子輸送層及び発光層を含まず、発光層が直接的に電子注入層又は陰極に直接的に隣接する場合、非常に良好な結果がさらに得られる。代わりに、ホスト材料が同時に電子輸送層における電子輸送材料として機能してもよい。同様に、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、別個の正孔注入層を含まず、発光層が正孔注入層又は陽極に直接的に隣接することが好ましいこともある。さらに、式I又はIIのうちの1つの化合物が、同時に発光層におけるドーパントとして、並びに正孔輸送層及び/又は正孔注入層における正孔導電化合物として(純物質又は混合物として)用いられることが好ましいこともある。
【0062】
1以上の層が昇華プロセスにより適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスがさらに好ましく、ここにおいて、材料は真空昇華ユニットにおいて初期圧力10−5mbar未満、好ましくは10−6mbar未満で蒸着される。しかしながら、初期圧力はさらに低く、例えば10−7mbar未満であってもよいことは注目すべきである。
【0063】
同様に、1以上の層がOVPD(有機気相堆積)プロセスにより、又はキャリアガス昇華を用いて適用されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましく、ここにおいて、材料は10−5bar〜1barの圧力で適用される。このプロセスの特別なケースは、OVJP(有機蒸気ジェット印刷)プロセスであり、ここにおいて、材料がノズルを通って直接的に適用され、故に構造化される(例えば、M. S. Arnold et al., Appl. Phys. Lett. 2008, 92, 053301)。
【0064】
1以上の層が、溶液から、例えば、スピンコーティングなど、又はいずれかの望まれる印刷プロセス、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷若しくはオフセット印刷など、しかし、特に好ましくはLITI(光誘起熱イメージング、熱転写印刷)若しくはインクジェット印刷により生成されることを特徴とする
有機エレクトロルミネセンスデバイスがさらに好ましい。式I又はIIのうちの1つの溶解性化合物が、この目的のために必要である。高い溶解性は、化合物の適切な置換によって達成され得る。層の生成のためのこれらのプロセスは、ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーに特に適している。
【0065】
本発明に従う化合物は、有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける使用に際して、好ましくは、先行技術に対して1以上の以下の利点を有する:
1.特に、厚い層を使用する場合、対応するデバイスの電力効率は、先行技術に従うシステムと比較してより高い。
【0066】
2.特に、厚い層を使用する場合、対応するデバイスの安定性は、先行技術に従うシステムと比較してより高く、これは、特に、著しくより長い寿命から明らかである。
【0067】
3.正孔輸送層又は正孔注入層における正孔輸送材料として本発明に従う化合物を使用する場合、電圧の、対応する正孔輸送及び/又は正孔注入層の膜厚への依存性はより低いことが見出される。対照的に、比較的膜厚の厚い正孔輸送層又は正孔注入層の場合、先行技術に従う材料によって電圧のより大きな増加が得られ、その結果として、OLEDのより低い電力効率がもたらされる。
【0068】
4.特に、本発明に従う化合物の結晶化度が改善される。先行技術に従う化合物は、多くの場合、蒸着の間、蒸着供給源上で結晶化し、産業的大量生産が行われるため、拡大された蒸着の場合、これによって供給源の詰まりが生じる一方、本発明の化合物の場合、この現象は、全く観察されないか、又はわずかな程度観察されるにすぎない。本発明に従う化合物は、従って、大量生産における使用に特に適している。
【0069】
本出願の明細書及び以下の例は、OLED及び対応するディスプレイに関連する本発明に従う化合物の使用を対象とする。この記載の制限にもかかわらず、当業者は、さらなる進歩性を伴うことなく、他の電子デバイス、例えば、数例を挙げると、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電界クエンチデバイス(O−FQD)、発光電子化学電池(LEC)、有機光受容体、又は、さらに有機レーザーダイオード(O−laser)における使用のために本発明に従う化合物を用いることも可能である。
【0070】
本発明は同様に、対応するデバイスにおける本発明の化合物の使用及びこれらのデバイス自体に関する。
【0071】
以下に、後述の例によって本発明をより詳細に説明するが、それらによって本発明を限定することを望まない。
【0072】

以下の合成は、特に示さない限り、乾燥溶媒中、保護ガス雰囲気下、行われる。用いられる起点は、例えば、9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−ボロン酸(Synlett 2006, (5), 737-740)であってよい。
【0073】
例1:アミン−1の合成
a)(2’−ニトロフェニル)フルオレン−2−イル誘導体の合成
【化7】

【0074】
9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−ボロン酸164.4g(650mmol)、2,5−ジブロモニトロベンゼン33.8g(124mmol)及びKCO164.7g(774mmol)を、THF750ml及び水750mlに懸濁し、混合物をNにより飽和させ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.9g(2.55mmol)を添加し、混合物を沸点で2時間加熱する。混合物を、水/MeOH/6M HCl 1:1:1の混合物3lに注ぎ、薄茶色の沈殿物を吸引によりろ過し、水で洗浄し、乾燥させる。H−NMRに従う生成物の含有率は約75%であり、全体の収量は183g(90%)である。
【0075】
b)ジブロモ誘導体の合成
【化8】

【0076】
はじめに、a)の化合物384g(973mmol)を、保護ガスの下、クロロホルム2.5lに導入し、5℃まで冷却する。クロロホルム250mlに溶解した55.2ml(1071mmol)のBrをこの溶液に滴下し、混合物を一晩攪拌する。NaSO溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空で除去する。H−NMRに従う生成物の含有率は約95%であり、全体の収量は400g(86%)である。
【0077】
c)ジブロモインデノカルバゾールの合成
【化9】

【0078】
b)のジブロモ誘導体140g(295mmol)及びトリエチルホスファイト500ml(2923mmol)を還流下、12時間加熱する。続いて、残存するトリエチルホスファイトを蒸留(72−76℃/9mmのHg)により除去する。水/MeOH(1:1)を残渣に添加し、固体を濾過し、再結晶させる。H−NMRに従う生成物の含有率は約96%であり、全体の収量は110g(84%)である。
【0079】
d)アミンのアルキル化
【化10】

【0080】
はじめに、c)のインデノカルバゾール52g(117.8g)を、保護ガスの下、THF450ml及びDMF150mlに導入し、0℃まで冷却する。60%の水素化ナトリウム7g(23mmol)をこの溶液に徐々に添加する。続いて、ヨウ化メチル22.01mlを滴下し、混合物を室温にする。25%NH溶液200mlを混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空で除去する。H−NMRに従う生成物の含有率は約95%であり、全体の収量は48.1g(92%)である。
【0081】
e)アミン−1の合成のためのHartwig−Buchwaldカップリング
【化11】

【0082】
d)のインデノカルバゾール53g(116mmol)及びジフェニルアミン43.3g(256mmol)の脱気したジオキサン溶液1500mlを、Nにより1時間飽和させる。まず、1M P(Bu)溶液11.6ml(11.6mmol)、次にパラジウムアセテート2.6g(11.6mmol)を溶液に添加し、続いて固体状態のNaOtBu33.5g(349mmol)を添加する。反応混合物を還流下、18時間加熱する。室温まで冷却した後、水1000mlを、慎重に添加する。有機相を4×50mlのHOで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空で溶媒を除去する。純粋な生成物が再結晶により得られる。HPLCに従う生成物の含有率は約99.9%であり、全体の収量は62.5g(85%)である。
【0083】
例2:アミン−2の合成
a)チオエーテルの合成
【化12】

【0084】
2−ブロモ−9,9−ジメチル−9H−フルオレン200g(732mmol)、2−メチルスルファニルフェニルボロン酸122.9g(732mmol)及びKCO202g(950mmol)をTHF850ml及び水850mlに懸濁し、混合物をNによって飽和し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)3.3g(2.9mmol)を添加し、混合物を沸点で2時間加熱する。混合物を水/MeOH/6M HCl 1:1:1の混合物3lに注ぎ、薄茶色の沈殿物を吸引により濾過し、水により洗浄し、乾燥させる。H−NMRに従う生成物の含有率は約95%であり、全体の収量は190g(82%)である。
【0085】
b)チオエーテルの酸化
【化13】

【0086】
はじめに、a)のチオエーテル196g(619.3mmol)を、氷酢酸2.3l及びジクロロメタン250mlに保護ガス下導入し、0℃まで冷却する。30%H溶液1.1l(619mmol)をこの溶液に滴下し、混合物を一晩攪拌する。NaSO溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空で除去する。H−NMRに従う生成物の含有率は約98%であり、全体の収量は200g(99%)である。
【0087】
c)インデノジベンゾチオフェンの合成
【化14】

【0088】
b)の生成物81g(273mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸737ml(8329mmol)との混合物を、5℃で48時間攪拌する。続いて、2.4lの水/ピリジン5:1を混合物に添加し、これを次に還流下20分間加熱する。室温まで冷却した後、水500ml及びジクロロメタン1000mlを慎重に添加する。有機相を4×50mlの水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空で除去する。純粋な生成物を再結晶により得る。HPLCに従う生成物の含有率は、98%であり、全体の収量は65g(80%)である。
【0089】
d)チオフェンの酸化
【化15】

【0090】
はじめに、c)のインデノジベンゾチオフェン15g(49mmol)を氷酢酸0.3lに保護ガス下、導入する。30%H溶液33ml(619mmol)をこの溶液に滴下し、混合物を一晩攪拌する。NaSO溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空で除去する。H−NMRに従う生成物の含有率は約98%であり、全体の収量は16g(95%)である。
【0091】
e)臭素化
【化16】

【0092】
はじめに、d)の生成物105.6g(317.6mmol)を保護ガス下、ジクロロメタン2.5lに導入し、5℃まで冷却する。クロロホルム250mlに溶解したBr32ml(636.4mmol)をこの溶液に滴下し、混合物を一晩攪拌する。NaSO溶液を混合物に添加し、相を分離し、溶媒を真空で除去する。H−NMRに従う生成物の含有率は約98%であり、全体の収量は114g(87%)である。
【0093】
f)Hartwig−Buchwaldカップリング
【化17】

【0094】
e)の生成物35g(85mmol)及びジフェニルアミン26g(93mmol)の脱気したジオキサン溶液1000mlを、Nにより1時間飽和させる。まず、P(Bu)0.97ml(4.2mmol)、次にパラジウムアセテート0.47g(2.12mmol)を溶液に添加し、固体状態のNaOtBu12g(127mmol)を続いて添加する。反応混合物を還流下、18時間加熱する。室温に冷却した後、水1000mlを慎重に添加する。有機相を4×50mlのHOで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空下除去する。純粋な生成物が再結晶により得られる。HPLCに従う生成物の含有率は98%であり、全体の収量は39g(75%)である。
【0095】
g)アミン−2の合成
【化18】

【0096】
水素化アルミニウムリチウム2.4g(65mmol)を、f)の生成物10g(16.3mmol)の脱気したジエチルエーテル溶液120mlに添加する。反応混合物を室温で2時間攪拌する。次に、水500mlを慎重に添加し、次いでHCl溶液250mlを滴下する。有機相を4×50mlのHOにより洗浄し、MgSO上で乾燥させ、溶媒を真空で除去する。純粋な生成物が再結晶により得られる。HPLCに従う生成物の含有率は99.9%であり、全体の収量は6g(63%)である。
【0097】
例3乃至8:OLEDの製造
本発明に従うOLEDは、WO04/058911に従う一般的なプロセスにより製造され、これを、ここで記載する条件(膜厚のバリエーション、用いられる材料)に適合させる。
【0098】
種々のOLEDについての結果を下記の例3〜8に示す。構造化されたITP(インジウムスズ酸化物)により被覆されているガラスプレートは、OLEDの基板を形成する。改善した処理のため、20nmのPEDOT(水からスピンコーティングにより適用されるポリ(3,4−エチレンジオキシ−2,5−チオフェン)、H. C. Starck, Goslar,ドイツから購入)を基板に適用する。OLEDは、以下の層の順序:基板/PEDOT 20nm/HIL1 5nm/正孔輸送層(HTM)20、110又は200nm/NPB 20nm/発光層(EML)30 nm/電子輸送層(ETM)20nm及び最後に陰極からなる。
【0099】
PEDOTとは別の材料は、真空チャンバーにおいて熱蒸着により適用される。ここで発光層は、常に、マトリクス材料(ホスト)及び、共蒸着によりホストと混合されるドーパントからなる。示される全実施例において、電子輸送層は、AlQからなり、陰極は、厚さ1nmのLiF層及び表面に堆積された厚さ100nmのアルミニウム層により形成される。表1は、OLEDを構築するために用いられる材料の化学構造を示す。HTM1はここで、先行技術に従う材料であり、アミン−1は、本発明に従う化合物の一例である(例1に従って合成される)。
【0100】
OLEDは標準的な方法により特徴づけられる。この目的のため、エレクトロルミネセンススペクトル、電流効率(cd/Aで測定される)、輝度の関数として電流−電圧−輝度特性線(IUL特性線)から算出される電力効率(lm/Wで測定される)、及び寿命が決定される。寿命は、輝度が初期値25,000cd/mから半分まで降下した後の時間として定義される。使用電圧はOLEDが1cd/mの輝度を達成する電圧として定義される。
【0101】
表2は、いくつかのOLED(例3〜8)についての結果を示す。本発明に従う化合物アミン−1を膜厚20nm及び100nmで正孔輸送材料として使用する場合、先行技術である化合物HTM1と比較してわずかに低下した動作電圧並びに同等の電流及び電圧効率が得られる(表2の例3、4及び6並びに7を参照のこと)。より高い生産の歩留まりのために有利である200nmのより厚い正孔輸送層については、アミン−1を使用した場合、動作電圧における有意な改善が得られ、これは、先行技術と比較して、電力効率において15%の有意な増加を生じさせる(表2の例5及び8を参照のこと)。この改善は、モバイル装置の動作時間が、直接的にディスプレイの電力消費に依存するため、特に、モバイル分野における適用に関して非常に重量な側面である。さらに、本発明に従う化合物アミン−1は、比較的厚い正孔輸送層の場合、寿命の減少の程度がより少ないという事実により、先行技術HTM1とは区別される。
【0102】
加工性に関する更に有意な改善は、本発明に従う材料の使用によって達成され得る。この点について、図1は、各々が700nmの厚さを有する先行技術に従う材料HTM1(図a)及び本発明に従う材料アミン−1(図b)の層の蒸着後に得られた蒸着供給源の図を示す。材料の被覆層が、供給源の上端に形成されるので、材料HTM1が、供給源を詰まらせていることが明確にわかる。結果として、先行技術に従う化合物HTM1が大量生産に用いられることは、専ら技術的に非常に困難である。対照的に、本発明の化合物アミン−1を使用する場合、同じ蒸着条件下(蒸着速度、約1nm/s)で、蒸着供給源の上部において、わずかに縁の形成が得られる。これは、本発明に従う材料が、先行技術に従う材料よりも著しく適切であることを示す。
【表1】

【表2】

【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】図1a):厚さ700nmの材料HTM1の層の蒸着後の蒸着供給源、1=蒸着供給源のカバー、2=材料によって詰まっている蒸着供給源の上部の開口部、図1b):厚さ700nmの材料アミン−1の層の蒸着後の蒸着供給源、1=蒸着供給源のカバー、2=蒸着るつぼの壁、3=蒸着るつぼの底部における材料の残渣、4=蒸着供給源の材料の上端における材料の環

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I又はIIの化合物であって:
【化1】

Aは、一般式III
【化2】

に相当し、一般式I又はIIの化合物への連結はYを介して行われ;
Yは、各々の場合において、互いに独立して、N、P、P=O、B、C=O、O、S、S=O又はSOであり;
Zは、各々の場合において、互いに独立して、CR又はNであり;
Xは、各々の場合において、互いに独立して、B(R)、C=O、C=C(R、S、S=O、SO及びN(R)から選択される2価の架橋であり;
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、D、F、Cl、Br、I、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、P(=O)Ar、S(=O)Ar、S(=O)Ar、CR=CRAr、CN、NO、Si(R、B(OR、OSO、1〜40のC原子を有する直鎖状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基又は3〜40のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は、1以上の基Rにより置換されていてもよく、ここで、1以上の非隣接CH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S又はCONRにより置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOにより置き換えられていてもよいものであるか、5〜40の芳香族環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、これは各々の場合、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、これは1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いは、これらの系の組合せであり;ここでさらに、2以上の置換基Rは、単環式又は多環式脂肪族環系を互いに形成していてもよく;
は、各々の場合において、互いに独立して、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(R、B(OR、Si(R、1〜40のC原子を有する直鎖状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基又は3〜40のC原子を有する分枝若しくは環状アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ若しくはチオアルコキシ基であって、それらの各々は1以上の基Rにより置換されていてもよく、ここで、1以上の非隣接CH基は、−RC=CR−、−C≡C−、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、−O−、−S−、−COO−又はCONRにより置き換えられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN又はNOにより置き換えられていてもよいものであるか、アリールアミン又は置換されたカルバゾールであって、それらの各々は、1以上の基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有する芳香族又は芳香族複素環系であって、これは、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよいものであるか、5〜40の芳香環原子を有するアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基であって、これは、1以上の非芳香族基Rにより置換されていてもよいものであるか、或いは、これらの系の組合せであり、ここで、さらに、2以上の置換基Rは、単環式又は多環式環系を互いに形成していてもよく;
は、各々の場合において、互いに独立して、H、D又は1〜20のC原子を有する脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり;
Arは、各々の場合、互いに独立して、5〜40の芳香環原子を有する芳香族若しくは芳香族複素環系であり、これは、1以上の基Rにより置換されていてもよく;
Eは、各々の場合において、互いに独立して、単結合、N(R)、O、S、C(R、Si(R又はB(R)であり;
qは、基Yの該当する中心原子が第3又は第5主族の元素である場合は1であり、基Yの該当する中心原子が第4又は第6主族の元素である場合は0であり;
tは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、q=0の場合はt=0であり、ここで、t=0は、基Rが基Eの代わりに結合していることを意味し;
vは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、vとwとの合計は1以上であり、ここで、v=0は、基RがAの代わりに結合していることを意味し;
wは、各々の場合において、互いに独立して、0又は1であり、但し、vとwとの合計は1以上であり、ここで、w=0は、基RがAの代わりに結合していることを意味する化合物。
【請求項2】
基Yは、各々の場合において、互いに独立して、N又はC=Oである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xは、N(R)又はSから選択される請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
基Zは、各々の場合において、互いに独立して、CRである請求項1乃至3の1以上に記載の化合物。
【請求項5】
Arは、フェニル、ナフチル、5〜15の炭素原子を有する置換されている芳香族若しくは芳香族複素環系、又はアリールアミン若しくはカルバゾールにより置換されている芳香族若しくは芳香族複素環系である請求項1乃至4の1以上に記載の化合物。
【請求項6】
Eは存在しない、即ち、t=0であるか、又は、Eは単結合若しくはC(Rである請求項1乃至5の1以上に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物は、式Ia又はIIaから選択される請求項1乃至6の1以上に記載の化合物であって、
【化3】

記号及び指数は請求項1に示した意味を有する化合物。
【請求項8】
Xは、S又はN(R)である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1乃至8の1以上に記載の1以上の化合物を含むポリマー、オリゴマー又はデンドリマーであって、前記式I又はIIの化合物から生じる前記ポリマー、オリゴマー又はデンドリマーへの結合は、基R又はRにより任意に置換されることを特徴とする式I又はIIの化合物のいずれかの望まれる位置に局在化し得る、ポリマー、オリゴマー又はデンドリマー。
【請求項10】
請求項1乃至9の1以上に記載の化合物の電子デバイスにおける使用。
【請求項11】
請求項1乃至9の1以上に記載の少なくとも1つの化合物を含む電子デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載の電子デバイスであって、前記デバイスは、有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電界クエンチデバイス(O−FQD)、発光電子化学電池(LEC)、有機光受容体及び有機レーザーダイオード(O−laser)からなる群より選択されることを特徴とする電子デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイスであって、請求項1乃至9の1以上に記載の化合物は、正孔輸送層及び/又は正孔注入層における正孔輸送材料として用いられ、これらの層における前記化合物は、電子受容体化合物によりドープされてもよいことを特徴とするか、請求項1乃至9の1以上に記載の化合物は、電子輸送層における電子輸送材料として及び/又は正孔ブロッキング層における正孔ブロッキング材料として及び/又は発光層における三重項マトリクス材料として用いられることを特徴とするか、又は請求項1乃至9の1以上に記載の化合物は、発光層において用いられることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項14】
a)フルオレン誘導体を、請求項1に示す意味を有する2価の基Xに変換され得る基Xにより置換されているベンゼン誘導体に連結する工程、及び
b)前記基Xを前記基Xに変換する工程
により特徴付けられる請求項1乃至8の1以上に記載の化合物の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−515734(P2012−515734A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546615(P2011−546615)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009221
【国際公開番号】WO2010/083873
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】