説明

有機エレクトロルミネセンスデバイス用材料

本発明は、電子デバイス、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスで使用するのに適した式(1)の化合物と、これらの化合物を含有する電子デバイスとに関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、電子デバイス、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスで使用するための材料と、これらの材料を含有する電子デバイスとに関する。
【0002】
機能性材料として有機半導体が用いられる有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)の構造は、例えば、US 4539507、US 5151629、EP 0676461、およびWO 98/27136に記載されている。ここで用いられる発光材料は、蛍光の代わりにリン光を示す有機金属錯体になりつつある(M.A.Baldoら、Appl.Phys.Lett.1999、75、4〜6)。量子力学的理由により、有機金属化合物をリン光発光体として使用することで最大で4倍のエネルギーおよび電力効率が可能である。しかし一般に、例えば効率、動作電圧、特に寿命に関してOLEDを、特に3重項発光(リン光)を示すOLEDを改善することも、依然求められている。これは特に、比較的短い波長の範囲、例えば緑色を発光するOLEDに当てはまる。
【0003】
リン光OLEDの性質は、用いられる3重項発光体によってのみ決定されるのではない。特に、マトリックス材料、正孔遮断材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、および電子または励起子遮断材料など、使用されるその他の材料も、ここでは特に重要なものである。したがってこれらの材料の改善は、OLEDの性質に著しい改善をもたらすことができる。蛍光OLEDに関するこれらの材料を改善することも、依然求められている。
【0004】
従来技術によれば、ケトン(例えば、WO 2004/093207による、または非公開出願DE 102008033943.1による)またはホスフィンオキシド(例えば、WO 05/003253による)は、とりわけ、リン光発光体のマトリックス材料として使用される。さらに、トリアジン誘導体がリン光発光体のマトリックス材料として使用される(例えば、WO 2007/063754またはWO 2008/056746による)。しかし、これらのマトリックス材料をその他のマトリックス材料の場合のように使用するに際し、特にデバイスの効率および寿命に関して改善することが依然求められている。
【0005】
本発明の目的は、例えばマトリックス材料として、または正孔輸送/電子遮断材料もしくは励起子遮断材料として、または電子輸送もしくは正孔遮断材料として、蛍光またはリン光OLED、特にリン光OLEDで使用するのに適した化合物を提供することである。特に、本発明の目的は、緑色および青色リン光OLEDにも適したマトリックス材料を提供することである。本発明の目的は、このタイプの化合物が3重項マトリックス材料として使用するのに特に適していることから、SレベルとTレベルとの間に小さな分離を有するリン光発光体のマトリックス材料を、さらに提供することである。
【0006】
驚くべきことに、以下にさらに詳細に記述されるある化合物は、この目的を達成し、特に寿命、効率、および動作電圧に関して有機エレクトロルミネセンスデバイスに著しい改善をもたらすことが見出された。これは、特にマトリックス材料として本発明による化合物を使用する際の、赤色、緑色、および青色リン光エレクトロルミネセンスデバイスに当てはまる。したがって本発明は、これらの材料と、このタイプの化合物を含有する有機エレクトロルミネセンスデバイスとに関する。
【0007】
したがって本発明は、下記の式(1)の化合物に関する:
【化1】

【0008】
式中、使用した記号および添字には下記の事項が適用される:
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)であり;ここでArおよびArは、単結合によって互いに接続されることによりカルバゾールを形成していてもよく;
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する2価の芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)であり、但しArおよびArは、互いに直接縮合し3個以上の芳香族6員環を有するアリール基を含有していないことを条件とし;
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、下記の式(2)
【化2】

【0009】
(ここで、破線で示される結合は、Nに結合する位置を示す)の基を表し;
Xは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、但しAr中の少なくとも2個の基XはNを表すことを条件とし、かつそれぞれの場合に式(2)の基における最大3個の記号XがNを表すことを条件とし;さらに式(2)がトリアジンを表す場合には、ラジカルRがアルコキシ基、チオアルコキシ基、塩素、または置換もしくは非置換アミノ基に等しくないことを条件とし;
Lは、1から40個のC原子を有する2価の直鎖のアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ、もしくはチオアルキレンオキシ基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ、もしくはチオアルキレンオキシ基(これらは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、好ましくは隣接していない、1以上のCH基は、Si(R)、Ge(R)、Sn(R)、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)R、S=O、SO、−O−、−S−、または−CONR−により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOにより置きかえられていてもよい)、または5から30個の芳香族環原子を有する2価の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、Lは、互いに直接縮合し3個以上の芳香族6員環を有するアリール基を含有しない)であるか、あるいはLは、Si(R)、Ge(R)、O、S、C(=O)、S(=O)、SO、SF、PR、P(=O)(R)、PF、P(=S)(R)、AsR、As(=O)(R)、As(=S)(R)、Sb、Sb(=O)(R)、Sb(=S)(R)、N(Ar)であるか、あるいはLは、これらの系の2、3、4、または5個の組合せであり;
Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、C(=O)R、P(=O)(Ar)、B(R、B(OR、Si(R、1から40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または2から40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S、またはCONRによって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOによって置きかえられていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRによって置換されていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、任意に、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系(これらは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を形成していてもよく;
は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、C(=O)R、P(=O)(Ar)、B(R、B(OR、Si(R、1から40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または2から40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S、またはCONRによって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOによって置きかえられていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、任意に、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系(これらは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を形成していてもよく;
Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上の非芳香族ラジカルRによって置換されていてもよい)であり;同じN原子またはP原子に結合された2個のラジカルArは、単結合、またはN(R)、C(R、O、もしくはSから選択されるブリッジによって互いに架橋されていてもよく;
は、H、D、F、CN、1から20個のC原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、5から30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、またはCNにより置きかえられていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、互いに、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系を形成していてもよく;
m、nは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、0または1であり、ここでLがO、S、またはN(Ar)を表す場合にはm=n=1である。
【0010】
本発明の意味におけるアリール基は、6から60個のC原子を含有し;本発明の意味におけるヘテロアリール基は、1から59個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子とを含有し、但しC原子とヘテロ原子との合計は少なくとも5であることを条件とする。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O、および/またはSから選択される。ここでアリール基またはヘテロアリール基は、単純な芳香族環、即ちベンセン、または単純なヘテロ芳香族環、例えばピリジン、ピリミジン、チオフェンなど、または縮合(融合)アリールもしくはヘテロアリール基、例えばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリンなどのいずれかを意味すると解釈される。例えばビフェニルまたはビピリジンなど、単結合によって互いに結合された芳香族環は、対照的に、アリールまたはヘテロアリール基とは呼ばれず、代わりに芳香族またはヘテロ芳香族環系と呼ばれる。
【0011】
本発明の意味における芳香族環系は、環系内に6から60個のC原子を含有する。本発明の意味におけるヘテロ芳香族環系は、1から59個のC原子と少なくとも1個のヘテロ原子とを環系内に含有し、但しC原子とヘテロ原子との合計は少なくとも5であることを条件とする。ヘテロ原子は、好ましくは、N、O、および/またはSから選択される。本発明の意味における芳香族またはヘテロ芳香族環系は、さらに複数のアリールおよび/またはヘテロアリール基が直接または炭素原子を介して互いに結合されている系も、特に意味すると解釈されるものとする。したがって例えば、ビフェニル、テルフェニル、フルオレン、インデノフルオレン、9,9‘−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレンなどの系は、特に、本発明の意味において芳香族環系でもあると解釈されるものとする。
【0012】
本発明の目的のために、互いに直接縮合された2個以下の6員環を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系は、非縮合アリールもしくはヘテロアリール基のいずれかのみ、例えばフェニルまたはピリジンなどを含有し、または互いに直接縮合された厳密に2個の芳香族6員環を有するアリールもしくはヘテロアリール基、例えばナフタレンもしくはキノリンなどを含有し、または比較的大きな縮合アリールもしくはヘテロアリール基を含有する場合には、6員芳香族環だけではなく5員芳香族環も互いに縮合されかつ2個以下の6員環が互いに直接縮合されたものを単に含有する、芳香族環系を意味すると解釈される。したがって、例えば、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ペリレンなどは、その内部の3、4、または5個の芳香族6員環が互いに直接縮合されているのでAr、Ar、およびLの定義から除外され;対照的に、例えばフルオレン、スピロビフルオレン、インデノフルオレン、カルバゾール、インデノカルバゾール、またはインドロカルバゾールは、これらの基の中で芳香族6員環が互いに直接縮合しているものはなく、代わりに飽和(脂肪族)5員環またはヘテロ芳香族5員環だけがあるので、Ar、Ar、およびLの定義に包含される。縮合6員アリール基に関するこの制約は、互いに直接縮合された3個以上の6員環を有する系内の3重項エネルギーが著しく低いことに起因し、そのような材料は、3重項発光体のマトリックス材料として全く適していないことを意味する。
【0013】
本発明の目的のために、脂肪族炭化水素ラジカルまたはアルキル基またはアルケニルもしくはアルキニル基(これらは、1から40個または1から20個のC原子を典型的には含有していてもよく、さらに個々のH原子またはCH基が上述の基によって置換されていてもよい)は、好ましくは、ラジカルであるメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、ネオヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびオクチニルを意味すると解釈される。1から40個のC原子を有するアルコキシ基は、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、s−ペントキシ、2−メチルブトキシ、n−ヘキソキシ、シクロヘキシルオキシ、n−ヘプトキシ、シクロヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、シクロオクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ペンタフルオロエトキシおよび2,2,2−トリフルオロエトキシを意味すると解釈される。1から40個のC原子を有するチオアルキル基は、特に、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピルチオ、n−ブチルチオ、i−ブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、s−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオ、シクロヘキシルチオ、n−ヘプチルチオ、シクロヘプチルチオ、n−オクチルチオ、シクロオクチルチオ、2−エチルヘキシルチオ、トリフルオロメチルチオ、ペンタフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオ、エテニルチオ、プロペニルチオ、ブテニルチオ、ペンテニルチオ、シクロペンテニルチオ、ヘキセニルチオ、シクロヘキセニルチオ、ヘプテニルチオ、シクロヘプテニルチオ、オクテニルチオ、シクロオクテニルチオ、エチニルチオ、プロピニルチオ、ブチニルチオ、ペンチニルチオ、ヘキシニルチオ、ヘプチニルチオまたはオクチニルチオを意味すると解釈される。一般に、本発明によるアルキル、アルコキシ、またはチオアルキル基は、直鎖、分枝状、または環状であってもよく、ここで1以上の隣接していないCH基は、上述の基によって置きかえられていてもよく;さらに、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOによって、好ましくはF、Cl、またはCNによって、さらに好ましくはFまたはCNによって、特に好ましくはCNによって置きかえられていてもよい。
【0014】
5〜80個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に上述のラジカルRまたは炭化水素ラジカルによって置換されていてもよく、芳香族またはヘテロ芳香族環系の任意の所望の位置を介して結合されていてもよい)は、特に、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ベンゾアントラセン、フェナントレン、ベンズフェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ナフタセン、ペンタセン、ベンゾピレン、ビフェニル、ビフェニレン、テルフェニル、トリフェニレン、フルオレン、スピロビフルオレン、ジヒドロフェナントレン、ジヒドロピレン、テトラヒドロピレン、cis−またはtrans−インデノフルオレン、cis−またはtrans−インデノカルバゾール、cis−またはtrans−インドロカルバゾール、トルキセン、イソトルキセン、スピロトルキセン、スピロイソトルキセン、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントリミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ヘキサアザトリフェニレン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、1,5−ジアザアントラセン、2,7−ジアザピレン、2,3−ジアザピレン、1,6−ジアザピレン、1,8−ジアザピレン、4,5−ジアザピレン、4,5,9,10−テトラアザペリレン、ピラジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フルオルビン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、テトラゾール、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジンおよびベンゾチアジアゾールから誘導された基、またはこれらの系の組合せから誘導された基を意味すると解釈される。
【0015】
本発明の好ましい態様では、ArおよびArは、単結合を介して接続されておらず、したがって好ましくはこれらが結合する窒素と共に接続されておらず、カルバゾールまたはカルバゾール誘導体を表さない。
【0016】
式(2)の基の好ましい態様は、Arについては、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、ピラジン、ピリミジン、およびピリダジンからなる群から選択され、Arについては、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピリジン、およびフェニルからなる群から選択され、ここでこれらの基は、それぞれの場合に1以上のラジカルRによって置換されていてもよい。ここでラジカルRは、上述の通り定義され、Arがトリアジンを表す場合には、アルコキシ基、チオアルコキシ基、塩素、または置換もしくは非置換アミノ基を表さない。
【0017】
本発明の好ましい態様では、基Arは、環内に少なくとも1個の窒素を含有する。
【0018】
本発明の特に好ましい態様では、式(2)の各基における2個または3個の基Xは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、Nを表し、残りの基XはCRを表す。
【0019】
したがって、Arを表す式(2)の基の好ましい態様は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、下記の式(3)から(11)
【化3】

【0020】
の基であり、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し;ここで破線で示される結合は、この基から窒素への結合の位置を示す。
【0021】
好ましい基Arは、上記にて示される式(3)から(11)の基のほかに、下記の式(12)から(15)
【化4】

【0022】
の基であり、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し;ここで破線で示される結合は、この基から窒素への結合の位置を示す。
【0023】
上述の式(3)から(11)の基Arは、上述の式(3)から(15)の基Arと、所望により、互いに組み合わせることができる。式(3)、(6)、(7)、および(8)の基が特に好ましい。
【0024】
式(1)の化合物中の好ましい基−NArArは、下記の式(16)から(27):
【化5】

【0025】
の基であり、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し、破線で示される結合は、この基からLまたはArへの結合を示す。
【0026】
本発明の好ましい態様では、ArおよびArは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する、特に好ましくは5から24個の芳香族環原子を有する、芳香族またはヘテロ芳香族環系、特に芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を表す。ここで芳香族またはヘテロ芳香族環系は、好ましくは、3個以下、特に2個以下の、互いに直接縮合された芳香族6員環を含有する。基ArおよびArは、好ましくは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、下記の式(28)から(42)
【化6】

【化7】

【0027】
から選択され、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し、破線で示される結合は、この基から窒素への結合を示す。
【0028】
上述の式(28)から(42)は、所望により、互いに組み合わせることができる。式(28)、(29)、(30)、(33)、(35)、(36)、(37)、および(42)の基が特に好ましい。
【0029】
本発明の好ましい態様では、少なくとも1個の基ArまたはArは、フェニル基またはメタもしくはパラビフェニル基(これは、1以上のラジカルRによって置換されていてもよい)、即ち上述の式(28)、(29)、または(30)の基である。
【0030】
式(1)の化合物中の好ましい基−NArArの例は、下記の式(43)から(50):
【化8−1】

【化8−2】

【0031】
の基であり、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し、破線で示される結合は、この基からArへのまたはLへの結合を示す。
【0032】
本発明の好ましいさらなる態様では、Lが1個または両方の窒素原子に直接結合している場合、即ちn=0および/またはm=0の場合、Lは、1から10個のC原子、特に1から5個のC原子を有する2価の直鎖のアルキレンもしくはアルキリデン基、または3から10個のC原子、特に3から6個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキレンもしくはアルキリデン基(これらは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、好ましくはNに直接結合しておらずかつ好ましくは隣接していない1以上のCH基は、Si(R)、C=O、P(=O)R、S=O、SO、−O−、−S−、または−CONR−により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、DまたはFにより置きかえられていてもよい)、または5から24個の芳香族環原子を有する2価の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、またはSi(R)、C(=O)、S(=O)、SO、P(=O)R、またはこれらの系の2または3個の組合せである。LがNに直接結合していない場合、即ちm=n=1の場合、Lは、上述の好ましい態様のほかに、好ましくはO、S、またはN(Ar)から選択される。ここでLは、上記にて定義されたように、互いに直接縮合された3個以上の芳香族6員環を有するアリール基を含有しない。Lは、また、好ましくは、ナフチル基も、互いに直接縮合された2個の芳香族6員環を有するその他のアリール基も含有しない。
【0033】
本発明の特に好ましい態様では、Lが1個または両方の窒素原子に直接結合している場合、即ちn=0および/またはm=0の場合、Lは、6から24個の芳香族環原子を有する2価の芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)であるか、またはSi(R)もしくはC(=O)である。LがNに直接結合していない場合、即ちm=n=1の場合、Lは、上述の特に好ましい態様のほかに、O、S、またはN(Ar)から選択されることが特に好ましい。
【0034】
Lが芳香族またはヘテロ芳香族環系を表す場合、Lは、好ましくは下記の式(51)から(144)の構造
【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【0035】
から選択され、使用される記号は、上記にて与えられた意味を有し、破線で示される結合は、NまたはArまたはArへの結合を示す。結合の正確な位置が示されていない場合は、結合を、任意の所望の位置にすることができることを意味する。
【0036】
本発明の好ましいさらなる態様では、ArおよびArは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、上述の式(51)から(144)の構造から選択される。
【0037】
本発明の好ましいさらなる態様では、添字mおよびn=1であり、即ち架橋単位は構造−Ar−L−Ar−を有する。ここで架橋単位Lは、好ましくは、下記の式(145):
−(CR−(Y)− 式(145)
(ここで、Rは上記にて与えられた意味を有し、さらに:
Yは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CR、SiR、GeR、S、O、またはNRであり;
pは、0から14の数、好ましくは0、1、2、3、4、5、または6であり;
qは、0、1、2、3、または4、好ましくは0、1、または2であり;
p+q>0であり;
但し複数のヘテロ原子が互いに直接結合していないことを条件とする)
の構造を有する。
【0038】
好ましい基Ar−L−Arの例は、下記の基である:
【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【0039】
本発明の好ましい態様では、Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、CN、C(=O)Ar、1から10個のC原子を有する直鎖のアルキルもしくはアルコキシ基、または3から10個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキルもしくはアルコキシ基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH基はOにより置きかえられていてもよく、1以上のH原子はDまたはFにより置きかえられていてもよい)、5から30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、または5から30個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択される。
【0040】
本発明の特に好ましい態様では、Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、1から10個のC原子を有する直鎖アルキル基、または3から10個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上のH原子はDまたはFにより置きかえられていてもよい)、または5から18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択される。
【0041】
ArまたはArに結合される、即ち式(2)の構造に結合されるラジカルRは、特に好ましくは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、または6から18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系からなる群から選択され、ここで芳香族またはヘテロ芳香族環系は、特に、フェニル、オルト、メタ、もしくはパラビフェニル、オルト、メタ、パラ、もしくは分枝状テルフェニルおよびクアテルフェニルからなる群から選択されるものである。
【0042】
真空蒸着によって処理される化合物の場合、アルキル基は、好ましくは、4個以下のC原子、特に好ましくは1個以下のC原子を有する。溶液から処理される化合物の場合、最大10個のC原子を有するアルキル基によって置換されまたはオリゴアリーレン基、例えばオルト、メタ、パラ、もしくは分枝状テルフェニルもしくはクアテルフェニル基によって置換される化合物も、適している。
【0043】
本発明の好ましい態様では、Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、1から10個のC原子を有する直鎖アルキル基、または3から10個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル基(ここで、1以上のH原子はDまたはFにより置きかえられていてもよい)、または5から30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択される。
【0044】
本発明の特に好ましい態様では、Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、CN、1から5個のC原子を有する直鎖アルキル基、または3から5個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル基、または5から18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系からなる群から選択される。
【0045】
上述の態様の好ましい化合物の例は、下記の構造の化合物である。
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【0046】
本発明による化合物は、スキーム1および2における2つの例示的な化合物に関して示されるように、例えば臭素化、Ullmannアリール化、Hartwig−Buchwaldカップリングなどの当業者に公知の合成ステップによって調製することができる。本発明による化合物のさらなる誘導体は、全体として同様に調製することができる。したがって例えば、反応性離脱基、例えば塩素、臭素、またはヨウ素によって、およびアミノ基によって、同時に置換される基L、L−Ar、Ar、またはAr−L−Arは、反応性離脱基、例えばフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素によって置換される基Arの誘導体と反応することができる。この反応は、必要なら塩基の添加を伴う求核芳香族置換として、または金属触媒カップリング反応、例えばHartwig−Buchwaldカップリングにおいて、実施することができる。基Arは、全体として同様に、さらなるステップで導入することができる。次いでArまたはL上の反応性離脱基を、後続のステップにおいて、金属促進カップリング反応、例えばUllmannカップリングまたはHartwig−Buchwaldカップリングで化合物ArArNHと反応させることができる。L上の反応性離脱基は、後続のステップにおいて、化合物ArArNArとさらに反応させることができ、またはAr上の反応性離脱基は、後続のステップにおいて、反応性基、例えばボロン酸またはボロン酸エステルによって置換される化合物ArArNArまたはArArNArLと反応させることができ、その結果、本発明による式(1)の化合物が得られる。適切なカップリング反応は、例えば鈴木カップリングまたはStilleカップリングである。
【化29】

【化30】

【0047】
したがって本発明はさらに、反応ステップ:
a)任意に塩基および/または触媒の添加を伴った、化合物G−(Ar−L−(Ar−NHと化合物G−ArおよびG−Arとの反応による、化合物G−(Ar−L−(Ar−NArArの合成(ここで、Gは、反応性離脱基、特にフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表す);および
b)例えばUllmannもしくはHartwig−Buchwaldカップリングにより基ArArNHをArもしくはLにカップリングさせることによる、または例えば鈴木カップリングにより基ArAr−N−Ar−GをLにカップリングさせることによる、基ArArN−の導入
を含む、式(1)の化合物を調製するための方法に関する。
【0048】
ステップb)の反応性離脱基は、好ましくはCl、Br、I、ボロン酸、またはボロン酸誘導体、特にボロン酸エステル、トリフレート、またはトシレートから選択される。
【0049】
上述の本発明による化合物、特に、臭素、ヨウ素、塩素、ボロン酸、またはボロン酸エステルなどの反応性離脱基によって、またはオレフィンもしくはオキセタンなどの反応性の重合性基によって置換される化合物は、対応するオリゴマー、デンドリマー、またはポリマーを調製するためのモノマーとして使用することができる。ここでオリゴマー化または重合は、好ましくは、ハロゲン官能基もしくはボロン酸官能基を介して、または重合性基を介して実施される。このタイプの基を介してポリマーを架橋することが、さらに可能である。本発明による化合物およびポリマーは、架橋されまたは架橋されていない層として用いることができる。
【0050】
したがって本発明はさらに、上述の本発明による化合物の1種以上を含むオリゴマー、ポリマー、またはデンドリマーに関し、1以上の結合が、本発明による化合物からポリマー、オリゴマー、またはデンドリマーへ存在する。したがって、本発明による化合物の結合に応じて、これがオリゴマーもしくはポリマーの側鎖を形成し、または主鎖に結合される。ポリマー、オリゴマー、またはデンドリマーは、共役されていても、部分的に共役されていても、または共役されていなくてもよい。オリゴマーまたはポリマーは、直鎖状、分枝状、または樹枝状であってもよい。上述と同じ選択肢が、オリゴマー、デンドリマー、およびポリマーにおける本発明による化合物の繰返し単位に適用される。
【0051】
オリゴマーまたはポリマーの調製では、本発明によるモノマーを、さらなるモノマーを用いてホモポリマー化しまたは共重合する。式(1)の単位が0.01から99.9mol%、好ましくは5から90mol%、特に好ましくは20から80mol%の割合で存在するホモポリマーまたはコポリマーが選択される。ポリマー主鎖を形成する、適切で好ましいコモノマーは、フルオレン(例えば、EP 842208またはWO 2000/22026による)、スピロビフルオレン(例えば、EP 707020、EP 894107、またはWO 2006/061181による)、パラフェニレン(例えば、WO 92/18552による)、カルバゾール(例えば、WO 2004/070772またはWO 2004/113468による)、チオフェン(例えば、EP 1028136による)、ジヒドロフェナントレン(例えば、WO 2005/014689による)、シスおよびトランス−インデノフルオレン(例えば、WO 2004/041901またはWO 2004/113412による)、ケトン(例えば、WO 2005/040302による)、フェナントレン(例えば、WO 2005/104264またはWO 2007/017066による)、または複数のこれらの単位からも選択される。ポリマー、オリゴマー、およびデンドリマーは、さらなる単位、例えば正孔輸送単位、特にトリアリールアミンをベースにしたもの、および/または電子輸送単位を含んでいてもよい。さらにポリマーは、共重合した形でまたはブレンドとして混合された、3重項発光体を含むことができる。厳密には、3重項発光体を有する式(1)の単位の組合せは、特に良好な結果をもたらす。
【0052】
さらに式(1)の化合物は、さらに官能化されていてもよく、したがって伸長構造に変換されていてもよい。本明細書に記述することのできる例は、鈴木法によるアリールボロン酸、またはHartwig−Buchwald法による第1級もしくは第2級アミンとの反応である。したがって式(1)の化合物は、リン光金属錯体にまたはその他の金属錯体にも、直接結合することもできる。
【0053】
本発明による化合物は、電子デバイスで使用するのに適している。本明細書の電子デバイスは、少なくとも1種の有機化合物を含む少なくとも1つの層を備えたデバイスを意味すると解釈される。しかし、ここで構成要素は、無機材料を含んでいてもよいし、または無機材料から全体が構築される層を含んでいてもよい。
【0054】
したがって本発明は、さらに、電子デバイスにおける、特に有機エレクトロルミネセンスデバイスにおける、上述の本発明による化合物の使用に関する。
【0055】
また本発明は、さらに、上述の本発明による化合物の少なくとも1種を含む電子デバイスにも関する。上述の選択肢は同様に、電子デバイスに適用される。
【0056】
電子デバイスは、好ましくは、有機エレクトロルミネセンスデバイス(有機発光ダイオード、OLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機太陽電池(O−SC)、有機色素増感太陽電池(ODSSC)、有機光学検出器、有機感光体、有機電場消光デバイス(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)、および「有機プラズモン発光デバイス」(D.M.Kollerら、Nature Photonics 2008、1〜4)からなる群から選択されるが、好ましくは有機エレクトロルミネセンスデバイス(OLED)、特に好ましくはリン光OLEDである。
【0057】
有機エレクトロルミネセンスデバイスおよび発光電気化学電池は、様々な適用例、例えば単色もしくは多色ディスプレー、照明の適用例、または医療もしくは化粧品の適用例、例えば光線療法で、使用することができる。
【0058】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、カソード、アノード、および少なくとも1つの発光層を備える。これらの層のほかに、さらなる層、例えばそれぞれの場合に1以上の正孔注入層、正孔輸送層、正孔遮断層、電子輸送層、電子注入層、励起子遮断層、電子遮断層、および/または電荷発生層を備えていてもよい。同様に、例えば励起子遮断機能を有する中間層を、2つの発光層の間に導入することが可能である。しかし、これらの層のそれぞれは、必ずしも存在すべきであるとは限らないことが指摘されるべきである。
【0059】
有機エレクトロルミネセンスデバイスは、1つの発光層または複数の発光層を備えていてもよい。複数の発光層が存在する場合、これらは好ましくは、全体で、380nmから750nmの間に複数の発光極大を有し、その結果、全体として白色発光が得られ、即ち蛍光またはリン光を発することができる様々な発光化合物が、発光層に使用される。3つの層が青色と、緑色と、オレンジ色、または赤色の発光を示す、3つの発光層を有する系が、特に好ましい(基本的な構造に関しては、例えばWO 05/011013を参照されたい。)。本明細書では、全ての発光層は蛍光を発することが可能であり、または全ての発光層はリン光を発することが可能であり、または1つもしくは複数の発光層が蛍光を発することが可能であり、および1つもしくは複数のその他の層がリン光を発することが可能である。
【0060】
上述の態様による、本発明による化合物は、厳密な構造に応じて様々な層で用いることができる。厳密な代替に応じて、蛍光またはリン光発光体、特にリン光発光体のマトリックス材料として、かつ/または正孔遮断層で、かつ/または電子輸送層で、かつ/または電子遮断もしくは励起子遮断層で、かつ/または正孔輸送層で、式(1)の化合物を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。上述の好ましい態様は、有機電子デバイスでの材料の使用にも適用される。
【0061】
本発明の特に好ましい態様では、式(1)の化合物は、蛍光またはリン光化合物、特にリン光化合物のマトリックス材料として、発光層で用いられる。本明細書の有機エレクトロルミネセンスデバイスは、1つの発光層または複数の発光層を備えていてもよく、少なくとも1つの発光層は、マトリックス材料として本発明による少なくとも1種の化合物を含む。
【0062】
式(1)の化合物が、発光層の発光化合物用のマトリックス材料として用いられる場合、1種以上のリン光材料(3重項発光体)との組合せで用いることが好ましい。本発明の意味におけるリン光は、比較的高いスピン多重度、即ちスピン状態>1の励起状態からの、特に励起3重項状態からのルミネセンスを意味すると解釈される。本出願の目的のために、遷移金属またはランタノイドを含有する全てのルミネセンス錯体、特に全てのルミネセンスイリジウム、白金、および銅錯体は、リン光化合物と見なされる。
【0063】
式(1)の化合物と発光化合物との混合物は、発光体とマトリックス材料とを含む混合物全体に対して99から1重量%の間、好ましくは98から10重量%の間、特に好ましくは97から60重量%の間、特に95から80重量%の間で式(1)の化合物を含む。これに対応して、混合物は、発光体とマトリックス材料とを含む混合物全体に対して1から99重量%の間、好ましくは2から90重量%の間、特に好ましくは3から40重量%の間、特に5から20重量%の間で発光体を含む。
【0064】
本発明の好ましいさらなる態様は、さらなるマトリックス材料と組み合わせた、リン光発光体のマトリックス材料としての式(1)の化合物の使用である。式(1)の化合物と組み合わせて用いることができる特に適切なマトリックス材料は、芳香族ケトン、芳香族ホスフィンオキシド、または芳香族スルホキシドもしくはスルホンであって、例えばWO 2004/013080、WO 2004/093207、WO 2006/005627、またはWO 2010/006680によるもの、トリアリールアミン、カルバゾール誘導体、例えばCBP(N,N−ビスカルバゾリルビフェニル)、m−CBP、またはWO 05/039246、US 2005/0069729、JP 2004/288381、EP 1205527、もしくはWO 2008/086851に開示されているカルバゾール誘導体、例えばWO 2007/063754またはWO 2008/056746によるインドロカルバゾール誘導体、例えば未公開出願DE 102009023155.2またはDE 102009031021.5によるインデノカルバゾール誘導体、例えばEP 1617710、EP 1617711、EP 1731584、JP 2005/347160によるアザカルバゾール誘導体、例えばWO 2007/137725による双極性マトリックス材料、例えばWO 2005/111172によるシラン、例えばWO 2006/117052によるアザボロールまたはボロン酸エステル、例えば未公開出願DE 102008036982.9、WO 2007/063754、またはWO 2008/056746によるトリアジン誘導体、例えばEP 652273またはWO 2009/062578による亜鉛錯体、例えばWO 2009/124627によるフルオレン誘導体、例えばWO 2010/054729によるジアザシロールまたはテトラアザシロール誘導体、例えばWO 2010/054730によるジアザホスホール誘導体、または、例えばUS 2009/0136779による、もしくは未公開出願DE 102009048791.3による、架橋カルバゾール誘導体である。例えばWO 2010/108579に記載されるような、正孔輸送性も電子輸送性も持たない電子的に中性の共同ホストを使用することが、さらに可能である。
【0065】
同様に、混合物中に2つ以上のリン光発光体を使用することが可能である。比較的短い波長で発光する発光体が、本明細書では混合物中の共同ホストとして使用される。
【0066】
適切なリン光化合物(=3重項発光体)は特に、適切な励起によって好ましくは可視領域で光を放出する化合物であり、さらに、20よりも大きく、好ましくは38よりも大きく84未満、特に好ましくは56よりも大きく80未満の原子番号を有する少なくとも1個の原子、特にこの原子番号を有する金属を含有する。使用されるリン光発光体は、好ましくは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金、またはユーロピウムを含有する化合物であり、特に、イリジウム、白金、または銅を含有する化合物である。
【0067】
上述の発光体の例は、出願WO 2000/70655、WO 2001/41512、WO 2002/02714、WO 2002/15645、EP 1191613、EP 1191612、EP 1191614、WO 2005/033244、WO 2005/019373、US 2005/0258742、WO 2009/146770、WO 2010/015307、WO 2010/031485、WO 2010/054731、WO 2010/054728、WO 2010/086089、WO 2010/099852、およびWO 2010/102709によって明らかにされる。一般に、リン光OLEDで従来技術により使用され有機エレクトロルミネセンスの分野の当業者に公知である、全てのリン光錯体が適しており、当業者なら、進歩性のないさらなるリン光錯体を使用することができるであろう。
【0068】
適切なリン光化合物の例を、以下の表に列挙する。
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【0069】
本発明のさらなる態様では、有機エレクトロルミネセンスデバイスは、個別の正孔注入層および/または正孔輸送層および/または正孔遮断層および/または電子輸送層を備えておらず、即ち、例えばWO 2005/053051に記載されるように、発光層は、正孔注入層またはアノードに直接隣接しており、かつ/または発光層は、電子輸送層または電子注入層またはカソードに直接隣接している。さらに、例えばWO 2009/030981に記載されるように、発光層に直接隣接する正孔輸送または正孔注入材料として、発光層の金属錯体と同一のまたは類似の金属錯体を使用することが可能である。
【0070】
本発明の好ましいさらなる態様では、式(1)の化合物は、電子輸送または電子注入層の電子輸送材料として用いられる。本明細書の発光層は、蛍光またはリン光を発してもよい。化合物が電子輸送材料として用いられる場合、例えばアルカリ金属錯体、例えばLiq(リチウムヒドロキシキノリネート)などをドープすることが好ましいと考えられる。
【0071】
本発明の好ましいさらなる態様では、式(1)の化合物が正孔遮断層で用いられる。正孔遮断層は、カソード側の発光層に直接隣接する層を意味すると解釈される。
【0072】
式(1)の化合物を、正孔遮断層または電子輸送層でかつ発光層のマトリックスとして使用することが、さらに可能である。
【0073】
本発明による有機エレクトロルミネセンスデバイスのさらなる層では、従来技術により通常用いられる全ての材料を使用することが可能である。したがって当業者なら、進歩性のない状態で、本発明による式(1)の化合物と組み合わせて、有機エレクトロルミネセンスデバイスに関して公知の全ての材料を用いることができるであろう。
【0074】
初期圧力が通常10−5mbar未満、好ましくは10−6mbar未満の真空昇華ユニット内で材料が蒸着される昇華プロセスを用いて1以上の層が付着されることを特徴とする、有機エレクトロルミネセンスデバイスがさらに好ましい。しかし、初期圧力をさらに下げること、例えば10−7mbar未満にすることも可能である。
【0075】
同様に、材料が10−5mbarから1barの間の圧力で付着される、OVPD(有機気相蒸着)プロセスを用いてまたはキャリアガス昇華の助けを受けて、1以上の層が付着されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが好ましい。このプロセスの特殊なケースは、ノズルを通して材料が直接付着される、したがって構成される、有機蒸気ジェット印刷(OVJP:organic vapour jet printing)である(例えば、M.S.Arnoldら、Appl.Phys.Lett.2008、92、053301)。
【0076】
例えばスピンコーティングによって、または任意の所望の印刷プロセス、例えば光誘起熱画像化、熱転写印刷(LITI:light induced thermal imaging, thermal transfer printing)、インクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソグラフィー印刷、またはオフセット印刷などを用いて、溶液から1以上の層が生成されることを特徴とする有機エレクトロルミネセンスデバイスが、さらに好ましい。例えば適切な置換によって得られる可溶性化合物が、この目的のため必要である。これらのプロセスは、オリゴマー、デンドリマー、およびポリマーにも適している。これらのプロセスは、有機溶媒に対して非常に良好な溶解性を一般に有することから本発明による化合物にも特に適している。
【0077】
例えば、1以上の層が溶液から付着され、かつ1以上のさらなる層が蒸着により付着される、ハイブリッドプロセスも可能である。したがって例えば、発光層は溶液から付着させることができ、電子輸送層は蒸着によって付着させることができる。
【0078】
これらのプロセスは、一般に当業者に公知であり、進歩性を必要とすることなく、当業者により、本発明による化合物を含む有機エレクトロルミネセンスデバイスに適用され得る。
【0079】
本発明による化合物の配合物は、例えばスピンコーティングによるまたは印刷プロセスによる、液相からの本発明による化合物の処理に必要である。これらの配合物は、例えば、溶液、分散液、またはミニエマルジョンとすることができる。この目的のために、2種以上の溶媒の混合物を使用することが好ましいと考えられる。適切で好ましい溶媒は、例えば、トルエン、アニソール、o−、m−、もしくはp−キシレン、安息香酸メチル、ジメチルアニソール、メシチレン、テトラリン、ベラトロール、THF、メチル−THF、THP、クロロベンゼン、ジオキサン、またはこれらの溶媒の混合物である。
【0080】
したがって本発明はさらに、式(1)の少なくとも1種の化合物または本発明による対応するオリゴマー、ポリマー、もしくデンドリマーと、少なくとも1種の溶媒、特に有機溶媒とを含む配合物、特に溶液、分散液、ミニエマルジョンに関する。そのような溶液を調製することができる方法は、当業者に公知であり、例えばWO 2002/072714、WO 2003/019694、およびそこに引用されている文献に記載されている。
【0081】
本発明はさらに、式(1)の少なくとも1種の化合物または本発明による対応するオリゴマー、ポリマー、もしくはデンドリマーと、少なくとも1種のさらなる化合物とを含む混合物に関する。さらなる化合物は、本発明による化合物がマトリックス材料として使用される場合には、例えば蛍光またはリン光ドーパントとすることができる。適切な蛍光およびリン光ドーパントは、有機エレクトロルミネセンスデバイスに関連して上記に挙げられており、本発明による混合物にも好ましい。
【0082】
本発明による化合物および本発明による有機エレクトロルミネセンスデバイスは、従来技術に勝る下記の驚くべき利点によって区別される:
1.蛍光またはリン光発光体のマトリックス材料として用いられる、本発明による化合物または式(1)の化合物は、非常に高い効率および長い寿命をもたらす。これは、特に、化合物がリン光発光体のマトリックス材料として用いられる場合に適用される。
【0083】
2.本発明による化合物または式(1)の化合物は、赤色および緑色リン光化合物のマトリックスとしてだけではなく、青色リン光化合物用にも適している。
【0084】
3.本発明による化合物または式(1)の化合物は、Sレベル、即ち第1の励起1重項レベルと、Tレベル、即ち第1の励起3重項レベルとの間に、非常に小さな分離を有し、したがってリン光OLEDのマトリックスとして使用するのに特に適している。
【0085】
4.有機エレクトロルミネセンスデバイスに用いられる本発明による化合物は、高効率および急勾配の電流/電圧曲線を、低い使用および動作電圧でもたらす。
【0086】
これら上述の利点は、その他の電子特性の低下を伴わない。
【0087】
本発明を、下記の実施例によって、さらに詳細に説明するが、それにより本発明を制限しようとするものではない。当業者なら、この説明を使用して、開示される範囲全体にわたって本発明を実施し、かつ進歩性のない状態で本発明によるさらなる化合物を調製し、それらを電子デバイスで使用し、または本発明によるプロセスを使用することができるであろう。
【0088】
実施例:
下記の合成は、他に指示されない限り、乾燥溶媒中で、保護気体雰囲気下で実施される。
【0089】
例1:TMM2の合成
【化41】

【0090】
a)(4−ブロモフェニル)−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−アミン
【化42】

【0091】
トルエン400mlに溶かした2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン23.4g(87.2mmol)を、4−ブロモアニリン15.0g(87.2mmol)をピリジン280mlおよびトルエン400mlに溶かして十分撹拌された溶液に添加し、混合物を引き続き室温で16時間撹拌する。溶媒を引き続き真空中で除去し、残留物をクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル20:1)により精製する。収量:21.1g(52.3mmol)、60%。
【0092】
b)(4−ブロモフェニル)ビス−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミン
【化43】

【0093】
NaH(油中60%)0.32g(8mmol)を、最初にTHF 100mlに導入する。a)から得た生成物2.00g(5mmol)をTHF 50mlに溶かした溶液を、室温で滴下する。1時間後、2−クロロ−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン1.35g(5mmol)を添加し、混合物を8時間加熱還流し、室温で12時間撹拌する。溶媒を引き続き真空中で除去し、残留物をクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル20:1)により精製する。収量:0.71g(1.2mmol)、22%。
【0094】
c)TMM2
【化44】

【0095】
b)から得られた生成物0.95g(1.5mmol)、4−ジフェニルアミノフェニルボロン酸0.45g(1.7mmol)、およびリン酸三カリウム0.81g(3.75mmol)を、トルエン50ml、ジオキサン50ml、および水50mlに懸濁させる。トリ−o−トリルホスフィン45.6mg(0.15mmol)、次いで酢酸パラジウム(II)17mg(0.075mmol)を、この懸濁液に添加し、反応混合物を16時間加熱還流する。冷却後、有機相を分別し、シリカゲルに通して濾過し、毎回20mlの水で3回洗浄し、その後、蒸発乾固する。残留物を、トルエンから、およびジクロロメタン/イソプロパノールから再結晶させる。収量は0.59g(0.74mmol)であり、理論値の49%に相当する。
【0096】
例2:TMM3の合成
【化45】

【0097】
a)ビス(4−ブロモフェニル)ジフェニルシラン
【化46】

【0098】
1,4−ジブロモベンゼン10.81g(50mmol)を、乾燥THF400mlに溶解し、−78℃に冷却する。n−ブチルリチウム20ml(50mmol)を、引き続き−78℃で滴下し、添加が終了したら、混合物を78℃でさらに1時間撹拌する。次いで乾燥THF 80mlに溶解したジクロロジフェニルシラン6.3g(25mmol)をゆっくり滴下し、一晩で室温にさせる。反応混合物を、ロータリーエバポレーターで蒸発乾固し、固体をトルエンから、次いでn−ブタノールから再結晶させる。収量は10g(0.21mmol)であり、理論値の81%に相当する。
【0099】
b)2,2’−[(ジフェニルシリレン)ジ−1,4−フェニレン]ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)
【化47】

【0100】
ビス(4−ブロモフェニル)ジフェニルシラン(28.2g、57mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(16.0g、63mmol)、酢酸カリウム(18.6g、0.19mol)、PdCl(dppf)xCHCl(0.75g、1mmol)、およびジオキサン(400ml)の混合物を、30分間脱気する。反応混合物を6時間加熱還流する。室温に冷却後、混合物を氷水(80ml)に注ぎ、トルエンで抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧留去し、褐色の液体を残す。最終生成物は、薄い褐色の固体(30.2g、90%)として単離される。
【0101】
c)TMM3
【化48】

【0102】
2’−[(ジフェニルシリレン)ジ−1,4−フェニレン]ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)13.18g(22.4mmol)、(4−ブロモフェニル)ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミン7.2g(11.2mmol)、および(4−ブロモフェニル)ジフェニルアミン3.9g(11.7mmol)をトルエン250mlおよびジオキサン250mlに加えた混合物を、30分間N中に通すことによって脱気する。次いでPd(OAc) 252mg(1.12mmol)およびトリス−o−トリルホスフィン1.34g(4.48mmol)を添加し、混合物を80℃で8時間加熱する。室温に冷却後、混合物を水100mlで希釈し、酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧除去する。粗製生成物を、シリカ上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、結晶化する(17g、67%)。
【0103】
例3:TMM4の合成
【化49】

【0104】
1,6−ビス(p−ビス[4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン]フェニル)−ヘキサン(11g、22.4mmol)、(4−ブロモフェニル)ビス−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミン(7.2g、11.2mmol)、および(4−ブロモフェニル)ジフェニルアミン(3.9g、11.7mmol)をトルエン250mlおよびジオキサン250mlに加えた混合物を、Nを使用して30分間脱気する。次いでPd(OAc)(252mg、1.12mmol)およびトリス−o−トリルホスフィン(1.34g、4.48mmol)を添加し、混合物を80℃で24時間加熱する。室温に冷却後、混合物を水100mlで希釈し、酢酸エチル(3×50ml)で抽出する。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧除去する。粗製生成物を、シリカ上でフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、結晶化する(15g、64%)。
【0105】
使用例
使用される材料:
下記の材料を本発明で使用する:TMM1は、従来技術(WO 2008/086851)による参照マトリックス材料である。TMM2、TMM3、およびTMM4は本発明によるマトリックス材料であり、その合成は例1から3に記述される。本明細書の略称TMMは、3重項マトリックス材料を表す。TEG1はリン光発光体であり、TEGは3重項発光体グリーンを表す。
【化50】

【化51】

【0106】
中間層として使用されるポリマーIL1は、WO 2003/048225に開示されるような、鈴木カップリングにより合成される下記のモノマーのコポリマーである:
【化52】

【0107】
例4:TMM1からTMM6およびTEG1に関する、3重項レベルの測定と量子化学シミュレーション
TMM1からTMM6およびTEG1に関する量子化学シミュレーションは、Gaussian 03W(Gaussian Inc.)で実施する:まず、分子の幾何形状を最適化するためにAM1を使用し、補正汎関数B3PW9および基底系6−31G(d)による時間依存密度汎関数理論(TD−DFT:time-dependent density function theory)をエネルギー計算に使用するが、これにはHOMOおよびLUMOの位置と、3重項状態および励起1重項状態のエネルギーが含まれている。第1の3重項状態および第1の励起1重項状態は、最も重要な状態である。これらはT1およびS1によって以下に示される。HOMOおよびLUMO値は、下記の通りサイクリックボルタンメトリー(CV)により補正される:一連の材料はCVにより測定され、また同じ方法を使用して、例えばB3PW91および同じ基底系6−31G(d)を使用して、Gaussian 03Wにより計算される。次いで計算値を、測定値により較正する。この較正係数は、さらなる計算のために使用される。
【0108】
TMM1からTMM4のT1レベルは、下記の通り低温で、時間分解分光法によってさらに測定される:TMM1からTMM4のフィルムが100nmの厚さで石英上にコーティングされ、次いで液体ヘリウム温度(10K)でYAGレーザー(355nm)またはNレーザー(337nm)を使用して励起される。10μs後の遅延フォトルミネセンススペクトルを記録する。次いでT1レベルを、遅延フォトルミネセンスの発生により決定する。
【0109】
シミュレートされ測定されたエネルギーレベルを、表1にまとめる。TEG1のT1レベルは、トルエン中のTEG1のフォトルミネセンススペクトルの発生から誘導される。TMM1からTMM6のT1レベルは、シミュレート値と計算値の両方が、TEG1の場合よりも高く、これらの材料全てがTEG1に適したマトリックス材料であることを示している。しかし参照マトリックスTMM1は、大きな帯域分離と大きなS1−T1ギャップ(約0.43eV)とを有し、それが電荷注入を難しくする可能性がある。TMM2からTMM6は、非常に小さいS1−T1分離(わずか約0.2eV)を有し、それらのHOMOおよびLUMOレベルは電荷注入にさらに適している。
【表1】

【0110】
例5:TMM1からTMM4およびTEG1を含む溶液および組成物
表2にまとめた溶液は、下記の通り調製される:まず、TMM 200mgおよびTEG1 50mgをクロロベンゼン10mlに溶解し、溶液が透明になるまで撹拌する。溶液を、Millipore Millex LS、疎水性PTFE 5.0μmフィルターを使用して濾過する。
【表2】

【0111】
溶液1から4を、OLEDの発光層をコーティングするのに使用する。対応する固体組成物は、溶媒を溶液から蒸発させることによって得ることができる。これは、さらなる配合物の調製に使用することができる。
【0112】
例6:OLEDの生成
図1に示されるような、従来技術による構造を有するOLED1からOLED4を、下記の手順により、表2にまとめたような対応する溶液を使用して生成する:
1)スピンコーティングによって、ITOコーティング付きガラス基板上にPEDOT(Baytron P AI 4083)を80nmコーティングする。
【0113】
2)グローブボックス内で、IL1のトルエン溶液(濃度0.5重量%)をスピンコーティングすることにより、20nmの中間層IL1をコーティングする。
【0114】
3)グローブボックス内で、中間層IL1を180℃で1時間加熱する。
【0115】
4)表2による溶液をスピンコーティングすることによって、80nmの発光層をコーティングする。
【0116】
5)デバイスを120℃で20分間加熱する。
【0117】
6)蒸着によってBa/Alカソード(3nm+150nm)を付着させる。
【0118】
7)デバイスを包封する。
【0119】
例7:測定および結果の比較
このように得られるOLEDは、標準的な方法によって特徴付けられる。下記の性質を測定する:UIL特性、エレクトロルミネセンススペクトル、色座標、効率、動作電圧、および寿命。結果を表3にまとめ、OLED1は、従来技術による比較としての役割を果たす。表3において、Uonは使用電圧を表し、U(100)は100cd/mでの電圧を表し、U(1000)は1000cd/mでの電圧を表す。
【表3】

【0120】
表3からわかるように、動作電圧および効率に関して著しく改善されたリン光OLEDは、本発明によるマトリックス材料TMM2、TMM3、およびTMM4を使用して得られる。全てのOLEDは、同等の色座標を示す。OLED1の高い動作電圧および低い効率は、マトリックス材料TMM1の低HOMOおよび高LUMOに起因すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】OLEDの構造を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
【化1】

式中、使用した記号および添字には下記の事項が適用される:
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)であり;ここでArおよびArは、単結合によって互いに接続されることによりカルバゾールを形成していてもよく;
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する2価の芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)であり、但しArおよびArは、互いに直接縮合し3個以上の芳香族6員環を有するアリール基を含有していないことを条件とし;
Ar、Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、下記の式(2)
【化2】

(ここで、破線で示される結合は、Nに結合する位置を示す)の基を表し;
Xは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CRまたはNであり、但しAr中の少なくとも2個の基XはNを表すことを条件とし、かつそれぞれの場合に式(2)の基における最大3個の記号XがNを表すことを条件とし;さらに式(2)がトリアジンを表す場合には、ラジカルRがアルコキシ基、チオアルコキシ基、塩素、または置換もしくは非置換アミノ基に等しくないことを条件とし;
Lは、1から40個のC原子を有する2価の直鎖のアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ、もしくはチオアルキレンオキシ基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキレン、アルキリデン、アルキレンオキシ、もしくはチオアルキレンオキシ基(これらは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、好ましくは隣接していない、1以上のCH基は、Si(R)、Ge(R)、Sn(R)、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)R、S=O、SO、−O−、−S−、または−CONR−により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOにより置きかえられていてもよい)、または5から30個の芳香族環原子を有する2価の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、Lは、互いに直接縮合し3個以上の芳香族6員環を有するアリール基を含有しない)であるか、あるいはLは、Si(R)、Ge(R)、O、S、C(=O)、S(=O)、SO、SF、PR、P(=O)(R)、PF、P(=S)(R)、AsR、As(=O)(R)、As(=S)(R)、Sb、Sb(=O)(R)、Sb(=S)(R)、N(Ar)であるか、あるいはLは、これらの系の2、3、4または5個の組合せであり;
Rは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、C(=O)R、P(=O)(Ar)、B(R、B(OR、Si(R、1から40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または2から40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S、またはCONRによって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOによって置きかえられていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRによって置換されていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、任意に、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系(これらは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を形成していてもよく;
は、出現するごとに同一であるかまたは異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CN、NO、N(Ar)、N(R、C(=O)Ar、C(=O)R、P(=O)(Ar)、B(R、B(OR、Si(R、1から40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または3から40個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキル、アルコキシ、もしくはチオアルキル基、または2から40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基(これらのそれぞれは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、1以上の隣接していないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、S、またはCONRによって置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CN、またはNOによって置きかえられていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、5から60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、または5から60個の芳香族環原子を有するアラルキルもしくはヘテロアラルキル基(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、任意に、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系(これらは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を形成していてもよく;
Arは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、1以上の非芳香族ラジカルRによって置換されていてもよい)であり;同じN原子またはP原子に結合された2個のラジカルArは、単結合、またはN(R)、C(R、O、もしくはSから選択されるブリッジによって互いに架橋されていてもよく;
は、H、D、F、CN、1から20個のC原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル、5から30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(ここで、1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、またはCNにより置きかえられていてもよい)からなる群から選択され、ここで、2個以上の隣接する置換基Rは、互いに、単環または多環式の、脂肪族、芳香族、またはヘテロ芳香族環系を形成していてもよく;
m、nは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、0または1であり、ここでLがO、S、またはN(Ar)を表す場合にはm=n=1である。
【請求項2】
Arを表す前記式(2)において、少なくとも1個の基X、好ましくは2個または3個の基XがNを表し、残りの基XがCRを表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Arを表す前記式(2)の基が、出現するごとに同一であるかまたは異なり、式(3)から(11)の基
【化3】

から選択され、
前記基Arが、式(3)から(11)の基または式(12)から(15)の基
【化4】

から選択され、
ここで、使用した記号は、請求項1に記載された意味を有し;ここで破線で示される結合は、当該基から窒素への結合の位置を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
単位−NArArが、式(16)から(27)の基
【化5】

から選択され、
ここで、使用した記号は、請求項1に記載された意味を有し、破線で示される結合は、この基からLまたはArへの結合を示すことを特徴とする請求項1から3の一以上の項に記載の化合物。
【請求項5】
ArおよびArが、出現するごとに同一であるかまたは異なり、5から30個の芳香族環原子を有する、好ましくは5から24個の芳香族環原子を有する、芳香族またはヘテロ芳香族環系(これは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)を表すことを特徴とする請求項1から4の一以上の項に記載の化合物。
【請求項6】
基ArおよびArが、出現するごとに同一であるかまたは異なり、式(28)から(42)
【化6】

【化7】

から選択され、
使用した記号は、請求項1に記載された意味を有し、破線で示される結合は、この基から窒素への結合を示すことを特徴とする請求項1から5の一以上の項に記載の化合物。
【請求項7】
n=0および/またはm=0の場合、Lは、1から10個のC原子、特に1から5個のC原子を有する2価の直鎖のアルキレンもしくはアルキリデン基、または3から10個のC原子、特に3から6個のC原子を有する分枝状もしくは環状のアルキレンもしくはアルキリデン基(これらは、それぞれの場合に1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)(ここで、Nに直接結合しておらずかつ隣接していない1以上のCH基は、Si(R)、C=O、P(=O)R、S=O、SO、−O−、−S−、または−CONR−により置きかえられていてもよく、1以上のH原子は、DまたはFにより置きかえられていてもよい)、または5から24個の芳香族環原子を有する2価の芳香族もしくはヘテロ芳香族環系(これは、1以上のラジカルRにより置換されていてもよい)、またはSi(R)、C(=O)、S(=O)、SO、P(=O)R、またはこれらの系の2または3個の組合せであり;m=n=1の場合、Lは、上述の態様からまたはO、S、もしくはN(Ar)から選択されることを特徴とする請求項1から6の一以上の項に記載の化合物。
【請求項8】
添字mおよびn=1であり、架橋単位Lが、式(145):
−(CR−(Y)− 式(145)
(ここで、Rは請求項1に記載された意味を有し、さらに:
Yは、出現するごとに同一であるかまたは異なり、CR、SiR、GeR、S、O、またはNRであり;
pは、0から14の数、好ましくは0、1、2、3、4、5、または6であり;
qは、0、1、2、3、または4、好ましくは0、1、または2であり;
p+q>0であり;
但し複数のヘテロ原子が互いに直接結合していないことを条件とする)
の構造を有することを特徴とする請求項1から7の一以上の項に記載の化合物。
【請求項9】
反応ステップ:
a)任意に塩基および/または触媒の添加を伴った、化合物G−(Ar−L−(Ar−NHと化合物G−ArおよびG−Arとの反応による、化合物G−(Ar−L−(Ar−NArArの合成(ここで、Gは、反応性離脱基、特にフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を表す);および
b)基ArArNHをArもしくはLにカップリングさせることによる、または基ArAr−N−Ar−GをLにカップリングさせることによる、基ArArN−の導入
を含む、請求項1から8の一以上の項に記載の化合物を調製するための方法。
【請求項10】
請求項1から8の一以上の項に記載の1種以上の化合物を含むオリゴマー、ポリマー、またはデンドリマーであって、1以上の結合が、本発明による化合物からポリマー、オリゴマー、またはデンドリマーへ存在するオリゴマー、ポリマー、またはデンドリマー。
【請求項11】
電子デバイスにおける、請求項1から8または10の一以上の項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
有機エレクトロルミネセンスデバイス(有機発光ダイオード、OLED)、有機集積回路(O−IC)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機太陽電池(O−SC)、有機色素増感太陽電池(ODSSC)、有機光学検出器、有機感光体、有機電場消光デバイス(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)、および有機プラズモン発光デバイスからなる群から好ましくは選択される、請求項1から8または10の一以上の項に記載の少なくとも1種の化合物を含有する電子デバイス。
【請求項13】
請求項1から8または10の一以上の項に記載の化合物が、蛍光またはリン光発光体のマトリックス材料として、および/または正孔遮断層において、および/または電子輸送層において、および/または電子遮断もしくは励起子遮断層において、および/または正孔輸送層において使用されることを特徴とする請求項12に記載の有機エレクトロルミネセンスデバイス。
【請求項14】
請求項1から8または10の一以上の項に記載の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種の溶媒とを含む、配合物、特に溶液、分散液、またはミニエマルジョン。
【請求項15】
請求項1から8および10の一以上の項に記載の少なくとも1種の化合物と、少なくとも1種のさらなる化合物とを含む混合物。

【図1】
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【公表番号】特表2013−517227(P2013−517227A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548348(P2012−548348)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007744
【国際公開番号】WO2011/085781
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】