説明

有機エレクトロルミネセンス素子

【課題】有機EL素子の透明エリアにおいて、透明電極を目立たなくする。
【解決手段】発光表示部(有機EL素子)は、撮影視野領域(透明エリア)22を有し、撮影視野領域に有機発光層33を配置する。発光表示部は、有機発光層33の陰極線及び陽極線と成り、透明電極から構成される第1〜第6の広幅電極線部61〜66を備える。各第1〜第6の広幅電極線部61〜66それぞれは、第1〜第6の面状部61A〜66Aと、第1〜第6の線状部61B〜66Bとを備える。第1〜第6の面状部61A〜66Aは、撮影視野領域22のほぼ全域を占め、各第1〜第6の面状部61A〜66Aの間は、線状微小スペース81を介して離間されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばファインダー装置に適用される有機エレクトロルミネセンス素子であって、特に電極配置が改良された有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子という)は、他の固体発光素子に比べ、高速な応答性を有すること、視野角が広いこと、素子が占める容積が小さいこと等優れた特性を有している。
【0003】
近年、有機EL素子は、例えば一眼レフカメラ等のファインダー装置に適用されることが検討されつつあり、例えばペンタプリズムと焦点板の間の被写体結像位置近傍に配置されて適用される(特許文献1参照)。この場合、有機EL素子の一部は、光が透過可能な透明エリアとして形成され、透明エリアにはエリアフレーム等の各種マークの形状に沿うようにパターニングして積層された有機発光層が配置される。このような構成により、透明エリアは、撮影視野領域として被写体観察に使用されると共に、有機発光層の発光により、各種マークも発光表示される。
【0004】
特許文献1において、透明エリアには、電流供給のために、エリア外から延ばされる電極線が有機発光層に接続される。この電極線は、被写体からの光が透過できるように透明材料から形成されている。
【特許文献1】特開2000−221578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、透明材料から形成される電極線は、被写体からの光を透過することはできるが、完全に透過できるわけではなく、撮影者によって電極線の存在が認識され、被写体観察の妨げとなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、例えばファインダー装置に適用される有機EL素子において、透明エリアに配置される電極線が被写体観察の妨げとならないようにすることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る有機EL素子は、基板と、その基板に対向して設けられる封止部材と、有機発光材料を含み、基板と封止部材の間において封止部材に封止されて配置される有機発光層と、透明材料から形成されると共に基板の上に配置され、有機発光層に電圧を印加するための透明電極とを備える。基板及び封止部材を通って光が透過可能な領域が透明エリアとして形成され、透明エリアに有機発光層が配置される。そして、透明エリアは、透明電極又は、透明電極及び透明電極とは別体に形成される透明材料層によって、ほぼ全域が占められることを特徴とする。
【0008】
例えば、透明エリアが、基板の一方の面に形成される透明電極及び透明電極とは別体に形成される透明材料層によってほぼ全域を占められる場合、基板の一方の面に透明電極を形成し、一方の面とは異なる面(例えば、基板の反対側の面)に透明材料層を配置させ、透明電極が配置された部分以外の部分に透明材料層が形成されても良い。
【0009】
透明エリアが、例えば、基板の一方の面に形成される透明電極によってほぼ全域が占められる場合、透明電極は複数の電極部を含み、複数の電極部は、それらの間に線状微小スペースが形成されるように離間して配置されることが好ましい。
【0010】
一方、透明エリアが、例えば、基板の一方の面に形成される透明電極及び透明電極とは別体に形成される透明材料層によって、ほぼ全域が占められる場合、透明電極と透明材料層は隣接して形成されるとともに、それらの間に線状微小スペースが形成されるように離間して配置されることが好ましい。この場合、勿論、複数の透明電極が設けられ、これら透明電極も隣接していても良く、複数の電極部も、それらの間に線状微小スペースが形成されるように離間して配置されることが好ましい。
【0011】
線状微小スペースの幅は、20μm以下であることが好ましく、線状微小スペースの幅は、各電極部の幅より小さく形成される。
【0012】
透明材料層は、例えば、電極を形成する透明材料と同一の材料から形成されることが好ましいが、非導電材料から形成されても良い。そして、非導電材料から形成される場合、電極と透明材料層は、接触するように隣接して配置されることが好ましい。このように接触して隣接すると、これらの間には線状微小スペースが形成されず、透明エリアの透過率はより均一になる。
【0013】
透明材料層が、非導電材料から形成される場合、電極と同一の色相になるように、色材を含むことが好ましい。
【0014】
また、透明エリアが、電極及び電極とは別体に形成される透明材料層によって、ほぼ全域が占められる場合、電極が形成された領域における透過率と透明材料層が形成された領域における透過率との差は、5%以内であることが好ましい。また、透明エリアを、格子状に均一に複数に分割したとき、各分割領域における透過率の最大値と最小値の差は5%以内であることが好ましい。
【0015】
なお、本明細書における透過率とは、有機EL素子(発光表示部)において、その厚さ方向における光の透過率をいう。そして、分割領域における透過率とは、分割領域それぞれにおいて測定された透過率をいう。また、透明材料層が形成された領域における透過率、又は透明電極が形成された領域における透過率とはそれぞれ、有機発光層等が積層されず、透明電極のみ、又は透明材料層のみが形成された発光表示部の領域における透過率をいう。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、透明エリアのほぼ全ての領域において、透明電極又は透明電極及び透明材料層が形成されるので、透明エリアの透過率をほぼ均一にすることができ、透明エリアにおいて透明電極が被写体観察の妨げとなることが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態が適用された一眼レフカメラのファインダー装置を示す。なお、以下の説明においては、ファインダー装置が一眼レフカメラに適用された場合を説明するが、本発明は、顕微鏡、コンパクトカメラ等のその他の光学機器にも適用することが可能である。
【0018】
ファインダー装置10は、対物レンズ11と、クイックリターンミラー12と、ピント板13と、ペンタプリズム14と、接眼レンズ15と、発光表示部16と、ファインダー窓17とを備える。
【0019】
被写体で反射された反射光は、対物レンズ11を介して、クイックリターンミラー12で反射され、ピント板13に導かれ、ピント板13で一旦結像される。その後上記反射光は、ペンタプリズム14で2回反射され、接眼レンズ15を介してファインダー窓17に入射され、ファインダー窓17からピント板13に結像された被写体像が視認される。クイックリターンミラー12はレリーズスイッチ(不図示)が押されると、光路上から退避させられ、対物レンズ11によって導かれた反射光は、CCDやフィルム等に導かれ、これらを露光する。
【0020】
発光表示部16は、ピント板13と、ペンタプリズム14の間で、被写体からの光が通過する光路に交差する横断領域上に配置される。すなわち、発光表示部16は被写体結像位置近傍に配設される。発光表示部16から発せられた光も、ペンタプリズム14、接眼レンズ15を介してファインダー窓17内に入射される。なお、発光表示部16は、クイックリターンミラー12とピント板13の間に配置することも可能である。
【0021】
図2は、本実施形態における発光表示部16を接眼側から見た平面図である。すなわち、図2における紙面裏側を、発光表示部16の対物側とし、紙面表側を発光表示部の接眼側とすると共に、紙面の上下左右を発光表示部の上下左右とする。
【0022】
図2に示すように、発光表示部16は、矩形のファインダー視野領域21と、ファインダー視野領域21の上下左右の外側を囲み、枠状に形成されたファインダー視野外領域19とを含む。ファインダー視野領域21は、ファインダー窓17から視認可能な領域であるが、ファインダー視野外領域19はファインダー窓17から視認することができない領域である。なお、ファインダー視野領域21は、図2においては一点鎖線で囲まれた領域である。
【0023】
発光表示部16の接眼側(図1においては上側)には、第1の開口部53と,複数の第2の開口部54を有する遮光マスク51が設けられる。遮光マスク51は、ファインダー視野外領域19の全てと、ファインダー視野領域21の第1及び第2の開口部53、54が設けられた部分以外の全てを覆うように形成される。
【0024】
第1の開口部53は、略矩形を呈し、第1の開口部53によって開口された矩形状の部分は、被写体からの反射光を透過させ、被写体観察に使用される撮影視野領域22として使用される。また、ファインダー視野領域21において、撮影視野領域22の上下左右を取り囲む四角枠状の領域は各種情報を表示するための情報表示領域23として形成される。情報表示領域23には被写体からの反射光が入射されず、この領域では被写体を観察することはできない。第2の開口部54は、情報表示領域23における左側領域23Lにおいて、複数上下に並べられて設けられると共に、下方領域23Dにも複数左右に並べられて設けられる。
【0025】
撮影視野領域22には、複数の発光部26A〜26Cが設けられ、発光部26Aは撮影視野領域22における左側に、発光部26Bは中央に、発光部26Cは右側に配置される。また、情報表示領域23における左側領域23Lには、各第2の開口部54に対応して複数の発光部27A〜27Fが上下に並べられて設けられる。また、情報表示領域23の下方領域23Dには、各第2の開口部54に対応して複数の発光部27G〜27Mが左右に並べられて設けられる。各発光部26A〜26C、及び27A〜27Mは、後述するように、それぞれ独立に積層された有機発光層によって構成される。
【0026】
発光部26A〜26Cの発光は被写体と共に、撮影視野領域22において表示され、ファインダー窓17から観察される。また、各発光部27A〜27Mの発光表示は、各第2の開口部54を介して、接眼側に出射され、情報表示領域23において表示され、ファインダー窓17から観察される。
【0027】
なお、図2においては、発光部26A〜26C、及び27A〜27Mは、説明を簡略化するため、それぞれ方形状にパターニングされるが、所望の形状にパターニングすることが可能である。例えば、撮影視野領域22に配置される発光部26A〜26Cは、例えば、所定のエリアを区画するために、コの字形状にパターニングされ、フォーカスエリアの指標のマークとして使用されても良い。また、さらに多数設けられ、合焦ポイントを示すためのマークとして使用されても良い。また、情報表示領域23に配置される発光部27A〜27Mは、花、山、稲妻等の所定のシンボルマークの形状にパターニングされ、ストロボの有無、撮影モード等を示すために使用される。
【0028】
図3に示すように、発光表示部16は、基板41及び封止部材42と、これらの間に配置される有機発光層33、透明電極34、非透明電極35とを備え、有機EL素子として構成される。基板41は平板状に形成されると共に、封止部材42はキャップ構造を有し、平板状のベース部43とその周縁から下方に向けて立設される側壁部44とから一体的に形成される。
【0029】
封止部材42は、側壁部44の先端部が、接着剤37を介して透明基板41に接着され、透明基板41と封止部材42との間に密閉空間39が形成される。ファインダー装置10においては、図3における下側(すなわち、透明基板41側)が接眼側、上側(すなわち、封止部材42側)が対物側に配置される。
【0030】
基板41及び封止部材42はガラス、プラスチック等の透明材料から形成される。したがって、開1の開口部53によって開口され、遮光マスク51が配置されない撮影視野領域22は、基板41及び封止部材42を介して光が透過可能な透明エリアとして形成される。
【0031】
基板41の上面40U(対物側の面)には、所定の形状にパターニングして形成された透明電極34が積層される。透明電極34の一部の上には、有機発光層33が重ねられて積層され、有機発光層33の上にはさらに非透明電極35が重ねられて積層される。非透明電極35は、後述するように、陰極の役割を果たし、一部は透明電極34に接続される。透明電極34は、複数設けられ、後述するように、有機発光層33が上面に積層されている部分の電極は、陽極の役割を果たすと共に、非透明電極35が接続された電極は陰極の役割を果たす。発光した光は、図3の下側(接眼側)に進行することになる。
【0032】
図4は、透明電極、有機発光層、非透明電極が積層された基板41をその接眼側から見た平面図を示す。透明電極34は、撮影視野領域22内に配線される第1〜第6の広幅電極線部61〜66と、情報表示領域23に配線され、細線形状を呈する第1〜第5の陽極線部71〜75とを含む。非透明電極35は、第1〜第3の陰極端子部87〜89、及び第1〜第6の陰極線部91〜96を含む。
【0033】
透明電極34(すなわち、第1〜第6の広幅電極線部61〜66及び第1〜第5の陽極線部71〜75)は、ITO(Indium Tin Oxide)、ATO(antimony doped tindioxide)、ZnO(zinc oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電性金属化合物から形成され、透過性の電極層として形成される。非透明電極35(第1〜第3の陰極端子部87〜89、及び第1〜第6の陰極線部91〜96)は、例えばアルミニウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム、チタニウム、イットリウム、リチウム、又はこれらの合金等の非透過性の陰極金属材料から形成され、非透過性の電極層として形成される。有機発光層33は、例えば陽極(透明電極)側から順に、正孔輸送材料で形成される正孔輸送材料層、有機発光材料で形成される有機発光材料層、電子輸送材料で形成される電子輸送材料層等が積層されて構成され、有機発光層33を挟持する陽極と陰極の間に電圧が印加されると、赤、緑、青、白色等の所定の色の光を発する。
【0034】
第1〜第6の広幅電極線部61〜66はそれぞれ、撮影視野領域22において、矩形の面状に広がる第1〜第6の面状部61A〜66Aと、第1〜第6の面状部61A〜66Aそれぞれに接続され、第1〜第6の面状部61A〜66Aより幅(図4においては左右の長さ)が小さく、細線形状を呈する第1〜第6の線状部61B〜66Bとを備える。
【0035】
第1の面状部61Aは、撮影視野領域22において、左下方の領域に広がり、その左縁部61L及び下縁部61Dは撮影視野領域22から出されてその外側に配置される。第2の面状部62Aは、撮影視野領域22において、左上方の領域に広がり、その左縁部62L及び上縁部62Uは撮影視野領域22から出されて外側に配置される。
【0036】
第2の面状部62Aの左縁部62L及び右縁部62Rそれぞれは、第1の面状部61Aの左縁部61L及び右縁部61Rと同一直線上に配置される。また、第2の面状部62Aの下縁部62Dは、第1の面状部61Aの上縁部61Uに沿って設けられると共に、これら下縁部62Dと上縁部61Uは、その間に形成された線状微小スペース81を介して、離間されている。すなわち、撮影視野領域22において、左側の領域は、撮影視野領域22の上縁部22Uから下縁部22Dにわたって、線状微小スペース81が形成された領域を除いて、第1及び第2の面状部61A、62Aによって占められることとなる。
【0037】
第3の面状部63Aは、撮影視野領域22において、中央の下側の領域に広がり、その下縁部63Dは撮影視野領域22から出されて、外側に配置される。第4の面状部64Aは、中央の上側の領域に広がり、その上縁部64Uは撮影視野領域22の外側に出されて配置される。そして、第4の面状部64Aの下縁部64Dは、第3の面状部63Aの上縁部63Uに沿って設けられると共に、これら下縁部64Dと上縁部63Uは、その間に形成された線状微小スペース81を介して離間される。すなわち、撮影視野領域22において、中央の領域は、撮影視野領域22の上縁部22Uから下縁部22Dにわたって、線状微小スペース81が形成された領域を除いて、第3及び第4の面状部63A、64Aによって占められることとなる。
【0038】
第3及び第4の面状部63A、64Aの左縁部63L、64Lは同一の直線状に形成される。これら同一直線上に形成された左縁部63L、64Lは、第1及び第2の面状部61A、62Aの同一線上に形成された右縁部61R、62Rに沿って設けられる。そして、これらの右縁部61R、62Rと左縁部63L、64Lは、その間に形成された線状微小スペース81を介して離間される。
【0039】
第5の面状部65Aは、撮影視野領域22において、右下方の領域に広がり、その右縁部65R及び下縁部65Dは撮影視野領域22の外側に出されて配置される。第6の面状部66Aは、撮影視野領域22において、右上方の領域に広がり、その右縁部66R及び上縁部66Uは撮影視野領域22の外側に出されて配置される。第6の面状部66Aの下縁部66Dは、第5の面状部65Aの上縁部65Uに沿って設けられると共に、これら下縁部66Dと上縁部65Uは、その間に形成された線状微小スペース81を介して離間される。すなわち、撮影視野領域22において、右側の領域は、撮影視野領域22の上縁部22Uから下縁部22Dにわたって、線状微小スペース81が形成された領域を除いて、第5及び第6の面状部65A、66Aによって占められることとなる。
【0040】
第6の面状部66Aの左縁部66Lは、第5の面状部65Aの左縁部65Lと同一直線上に配置され、同一直線上に形成されたこれら左縁部65L、66Lは、同一直線状に形成された第3及び第4の面状部63A、64Aの右縁部63R、64Rに沿って設けられる。そして、これらの右縁部63R、64Rと左縁部65L、66Lは、その間に形成された線状微小スペース81を介して離間される。
【0041】
以上の構成により、基板41の対物側の面における、撮影視野領域(透明エリア)22は、線状微小スペース81が形成された部分以外の全ての領域が、透明電極34によって、占められることとなる。なお、線状微小スペース81はその線幅が20μm以下になるように設定され、その線幅は陽極線(第1〜第6の面状部61A〜66A)の幅(左右の長さ)より小さい。
【0042】
第1、第3、第5の線状部61B、63B、65Bそれぞれは、第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aの下縁部から下方に延び、基板41の下縁部41Dまで延出する。第2、第4、第6の線状部62B、64B、66Bは、それぞれは、第2、第4、第6の面状部62A、64A、66Aの上縁部から上方に延び、基板41の上縁部41Uまで延出する。
【0043】
第1の陽極線部71は、細線形を呈し、情報表示領域23の左側領域23Lにおいて、基板41の上縁部41U近傍から、基板41の下縁部41Dまで延出し、情報表示領域23の左側領域23Lに配置される発光部27A〜27Fの陽極として形成される。第2〜第5の陽極線部72〜75は、下方領域23Dから基板41の下縁部41Dまで下方向に延び、第1、第3、第5の線状部61B、63B、65Bと交互に並べられる。
【0044】
第1の陽極線部71の対物側の面には、各発光部27A〜27Fに対応する位置それぞれに、有機発光層33が積層される。また、第2〜第5の陽極線部72〜75、並びに第1、第3、第5の線状部(陽極線)61B、63B、65Bの上端部の対物側の面の一部にも、それぞれ発光部27G〜27Mを形成するために、有機発光層33が積層される。
【0045】
第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aそれぞれの対物側の面には、発光部26A、26B、26Cそれぞれを形成するための有機発光層33が積層される。発光部26A〜26Cのそれぞれを形成する有機発光層33は、その上縁部それぞれが、第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aの上縁部61U、63U、65Uに沿って積層される。そして、各有機発光層33の幅(図4において左右の長さ)は、第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aの幅より小さく、第1、第3、第5の線状部61B、63B、65Bの幅と略同一に形成される。
【0046】
第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aに積層される各有機発光層33の対物側には、それぞれ第1、第2、第3の陰極端子部87、88、89が積層される。第1、第2、第3の陰極端子部87、88、89は、それぞれ各有機発光層33から、線状微小スペース81を通って、第2、第4、第6の面状部62A、64A、66Aまで延出し、これらに接続される。このような構成により、第2、第4、第6の面状部62A、64A、66Aは陰極線として構成されると共に、第1、第3、第5の面状部61A、63A、65Aは陽極線として構成される。
【0047】
情報表示領域23の左側領域23Lに設けられた、各発光部27A〜27Eを構成する有機発光層33の対物側にはそれぞれ、第1〜第5の陰極線部91〜95が積層され、各陰極線部91〜95は有機発光層33から、基板41の左縁部41Lまで延びる。また、情報表示領域23の下方領域23Dには第6の陰極線部96が配線される。第6の陰極線部96は、下方領域23Dにおいて、最も右側に設けられた発光部27Mの有機発光層33の対物側から、発光部27L〜27Fの有機発光層33それぞれの対物側を通り、基板41の左縁部41Lまで延び、これら発光部27F〜27Mの陰極として構成される。
【0048】
第1〜第5の陽極線部71〜75、第1〜第6の陰極線部91〜96及び第1〜第6の線状部61B〜66Bは、各縁部41U、41L、41Dにおいて、各発光部の発光が独立制御可能なように、それぞれ不図示の電源に接続される。
【0049】
以上のように、本実施形態では、撮影視野領域22のほぼ全域が広幅電極線部61〜66によって占められ、これら広幅電極線部61〜66それぞれは互いに、幅20μm以下の線状微小スペース81を介して離間されている。発光表示部16において、線状微小スペース81が形成された領域は広幅電極線部61〜66が形成された領域に比べ光透過率が高くなり、被写体の光を相対的に多く透過させる。しかし、線状微小スペース81はその線幅が細いため、視覚的な作用により観察者に視認されない。すなわち、本実施形態では、広幅電極線部61〜66は、撮影視野領域22において、連続した均一な領域として視認されるために、被写体観察の妨げとならないので、より快適な被写体観察が提供される。
【0050】
図5は第1の実施形態において、透明電極34が積層された基板41を接眼側から見た平面図である。透明電極34がその対物側の面に積層された基板41は、撮影視野領域22において、ほぼ全ての領域に面状部61A〜65Aが積層されており、ほぼ全ての領域において、透過率が均一になる。しかし、撮影視野領域22には、部分的に透明電極34が形成されず、透過率が相対的に高くなる線状微小スペース81が形成される。したがって、透明電極34がその対物側の面に積層された基板41は、撮影視野領域22の全ての領域で透過率が均一になるわけではない。すなわち、本実施形態では、線状微小エリア81が形成される領域が偏り、線状微小エリア81が一部の領域に集中して形成されると、被写体からの光に輝度むらが生じることがある。
【0051】
したがって、本実施形態では、図5に示すように、透明電極部34が形成された基板41の撮影視野領域22を、縦方向に5分割、横方向に10分割均等に格子状に分割し、各分割領域22Pにおける透過率を測定した場合、透過率の最大値と最小値との差が5%以内に設定されるように、線状微小エリア81が配置されることが好ましい。このように、分割領域22P間の透過率の差を小さくすることにより、撮影視野領域22において、被写体は、輝度むらなく観察される。
【0052】
図6は、第2の実施形態において、有機発光層、透明電極、非透明電極、及び透明材料層が積層された基板41を接眼側から見た平面図である。第1の実施形態では、透明電極のみによって撮影視野領域(透明エリア)22のほぼ全域が占められたが、本実施形態では、撮影視野領域22が透明電極及び透明材料層によってほぼ全域が占められる点が相違する。以下、第2の実施形態についてその相違点について説明する。
【0053】
本実施形態では、発光部26A〜26Cの陽極・陰極として形成された、第1〜第6の広幅電極線部61〜66の代わりに、線状で幅長が一定である同一の第1〜第6の細幅電極線部161〜166が設けられる。第1の細幅電極線部161は、発光部26Aが配置される位置から下方に延び、基板41の下縁部41Dまで延びる。第2の細幅電極線部162は、発光部26Aが配置される位置から上方に延び、基板41の上縁部41Uまで延びる。ここで、第2の細幅電極線部162の下縁部162Dは、第1の細幅電極線部161の上縁部161Uに沿って形成され、これら下縁部162Dと上縁部161Uは、その間に形成される線状微小スペース81を介して離間される。
【0054】
同様に、第3及び第4の細幅電極線部163、164それぞれは、発光部26Bが配置される位置から基板41の下縁部41D及び上縁部41Uまで延びる。そして、第3の細幅電極線部163の上縁部163U及び第4の細幅電極線部164の下縁部164Dは、その間に形成される線状微小スペース81を介して離間される。
【0055】
同様に、第5及び第6の細幅電極線部165、166それぞれは、発光部26Cが配置される位置から基板41の下縁部41D及び上縁部41Uまで延びる。そして、第5の細幅電極線部165の上縁部165U及び第6の細幅電極線部166の下縁部166Dは、その間に形成される線状微小スペースを介して離間される。
【0056】
第1、第3、第5の細幅電極線部161、163、165の上端部それぞれには、その対物側の面に、発光部26A、26B、26Cを形成するための有機発光層33が積層される。そして、各有機発光層33の対物側の面には、さらに第1、第2、第3の陰極端子部87、88、89が積層される。第1、第2、第3の陰極端子部87、88、89は、それぞれ各有機発光層33の対物側から、線状微小スペース81を通って、第2、第4、第6の細幅電極線部162、164、166まで延出し、これらに接続される。
【0057】
撮影視野領域22に形成される透明電極は、線幅の細い細幅電極線部161〜166であるので、撮影視野領域22の大部分は透明電極34が形成されない領域となる。したがって、本実施形態では、撮影視野領域22の透明電極34が形成されない領域において、有機発光層33に電気的に接続されない、矩形状を呈する第1〜第4の透明材料層101〜104が基板41の対物側の面に積層される。
【0058】
具体的には、第1の透明材料層101は、第1及び第2の細幅電極線部161、162の左側に配置され、その左縁部101Lが撮影視野領域22の外側に出されて配置される。また、第1の透明材料層101の右縁部101Rは、第1及び第2の細幅電極線部161A、162Aの同一直線状に配置された左縁部161L、162Lに沿って形成されると共に、これら左縁部161L、162Lに対して、線状微小スペース81を介して離間される。
【0059】
第2の透明材料層102は、第1及び第2の細幅電極線部161、162と、第3及び第4の細幅電極線部163、164との間に配置される。そして、第2の透明材料層102の左縁部102Lは、第1及び第2の細幅電極線部161、162の同一直線状に配置された右縁部161R、162Rに沿って形成されると共に、これら右縁部161R、162Rに対して、線状微小スペース81を介して離間される。また、同様に第2の透明材料層102の右縁部102Rは、第3及び第4の細幅電極線部163、164に対して、線状微小スペース81を介して離間される。
【0060】
第3の透明材料層103は、第3及び第4の細幅電極線部163、164と第5及び第6の細幅電極線部165、166の間に配置される。そして、第3の透明材料層103は、第2の透明材料層102と同様に、第3〜第6の細幅電極線部163〜166に対して、線状微小スペース81を介して離間される。第4の透明材料層104は、第5及び第6の細幅電極線部165、166の右側に配置される。そして、第4の透明材料層104の左縁部104Lは、第5及び第6の細幅電極線部165に対して、線状微小スペース81を介して離間される。また、第4の透明材料層104の右縁部104Rは撮影視野領域22の外側に出されて配置される。線状微小スペース81の幅は、例えば20μm以下であり、第1及び第6の細幅電極線部161〜166の線幅より小さくなる。
【0061】
また、第1〜第4の透明材料層101〜104は、それぞれの上縁部101U〜104U、下縁部101D〜104Dが撮影視野領域22の外側に出されて配置される。以上の構成により、撮影視野領域22はほぼ全ての領域が電極線部と透明材料層によって占められることとなる。
【0062】
本実施形態において、第1〜第4の透明材料層101〜104は、上述した透明導電性金属化合物から形成され、好ましくは透明電極(すなわち、細幅電極線部161A〜166A)と同一の材料で形成される。第1〜第4の透明材料層101〜104は、透明電極と共に、蒸着やスパッタリングで形成されるが、透明電極と同一の材料で形成されることにより、その製造が容易になる。
【0063】
本実施形態においては、撮影視野領域22を透明材料で占有するための透明材料層101〜104が、発光部27A〜27Cに電圧を印加するための電極部161〜166と別体に形成される。したがって、電極部161〜166の占有面積を狭くし、かつこれらの線幅を細くすることができるので、各発光部27A〜27Cに効率的に電流を供給することができる。
【0064】
また、本実施形態においては、第1〜第4の透明材料層101〜104は、透明導電性金属化合物の代わりに合成樹脂等によって、透明性を有する非導電材料層として形成されても良い。
【0065】
電極部161〜166は透明材料で形成され、光透過性を有するが、無色透明ではなく、僅かに着色されている。例えば、細幅電極線部161〜166は、ITOで形成される場合、灰色を呈する。したがって、本実施形態では、第1〜第4の透明材料層101〜104の色相が、電極部161〜166の色相と同一になるように、第1〜第4の透明材料層101〜104(非導電材料層)には顔料、染料等の色材が含有された方が良い。なお、色材としては、赤色の色材、青の色材、緑の色材、又はこれらの組み合わせが使用される。
【0066】
非導電材料層は、例えば、顔料、染料等の色材が含有されたフォトレジスト材料で形成される。このようなフォトレジスト材料としては、例えば富士フイルム製の透過型COLOR MOSAIC CM-6000系、CM-7000系、CM-8000系、CM-9000系として商業的に入手可能であり、これらが適宜組み合わされて使用される。また、非導電材料層は、例えば顔料分散型ネガタイプのフォトレジスト材料で形成される。顔料分散型ネガタイプのフォトレジスト材料としては、例えば東京応化製のCFPRシリーズとして商業的に入手可能である。また、顔料が用いられる場合、例えば、赤色顔料としてC.I.Pig.Red 254、C.I.Pig.Red 177、緑色顔料としてはC.I.Pig.Green 36、黄色顔料としてはC.I.Pig.Yellow 138、C.I.Pig.Yellow 150、青色顔料としてはC.I.Pig.Blue 15:6、紫色顔料としてはC.I.Pig.Violet 23、黒色顔料としてはカーボンブラック等、もしくはこれらの中の2種以上の混合物が使用可能であって、非導電材料層は例えばこれら顔料が1種以上含有されたフォトレジスト材料等によって形成される。
【0067】
第1〜第4の透明材料層101〜104が非導電材料層で形成される場合、発光表示部16において、第1〜第4の透明材料層101〜104が形成された領域における透過率と、電極部161〜166が形成された領域における透過率との差が5%以内になることが好ましい。このように非導電材料層と透明電極との透過率の差が小さくされることにより、被写体及び発光部26A〜26Cからの光は、撮影視野領域22において、輝度むらなく観察される。なお、第1〜第4の透明材料層101〜104の透過率は、例えば膜厚を変更することにより適宜調整可能である。
【0068】
なお、第1〜第4の透明材料層101〜104が透明導電性金属化合物から形成される場合も、勿論、発光表示部16において、第1〜第4の透明材料層101〜104が形成された領域における透過率と、電極部161〜166が形成された領域における透過率との差は5%以内であることが好ましい。
【0069】
また、本実施形態においても、撮影視野領域22を均等に50分割し、各分割領域の透過率を測定した場合、透過率の最大値と最小値との差が5%以内に設定されることが好ましい。
【0070】
図7は、第3の実施形態において、有機発光層、透明電極、非透明電極、及び透明材料層が積層された基板をその接眼側から見た平面図である。本実施形態では、第1〜第4の透明材料層101〜104それぞれは、図7に示すように、2以上に分割されている。すなわち、第1〜第4の透明材料層101〜104それぞれは、分割線状微小スペース83によって上下に分割され、第1及び第2の領域105、106から形成される。この場合、分割線状微小スペース83は、第1及び第2の細幅電極線部161、162の間及び第5及び第6の細幅電極線部165、166の間に形成された線状微小スペース81と同一の幅を有し、かつ同一直線上に形成される。すなわち、分割線状微小スペース83の幅は20μm以下になる。
【0071】
図8は、第4の実施形態において、有機発光層、透明電極、非透明電極、及び透明材料層が積層された基板をその接眼側から見た平面図である。本実施形態では、第1〜第4の透明材料層101〜104は上述した非導電材料層から形成され、第1〜第4の透明材料層101〜104と各第1〜第6の細幅電極線部161〜166との間には線状微小スペース81は形成されない。すなわち、第1〜第4の透明材料層101〜104は、隣接する各第1〜第6の細幅電極線部161〜166と接触している。例えば第1の透明材料層101の右縁部101Rは、第1及び第2の細幅電極線部161、162の左縁部161L、162Lに沿って設けられ、左縁部161L、162Lに接触している。第2〜第4の透明材料層101〜104も同様に第1〜第6の細幅電極線部161〜166の左縁部及び右縁部に接触するように形成される。なお、本実施形態では、第1〜第4の透明材料層101〜104は非導電性であるので、各第1〜第6の細幅電極線部161〜166が短絡することはない。
【0072】
本実施形態においても、発光表示部16において、第1〜第4の透明材料層101〜104が形成された領域における透過率と、電極部161〜166が形成された領域における透過率との差が5%以内になることが好ましい。また、撮影視野領域22を均等に格子状に50分割し、各分割領域の透過率を測定した場合、透過率の最大値と最小値との差が5%以内に設定されることが好ましい。
【0073】
本実施形態では、線状微小スペース81は、細幅電極線部同士の間にしか形成されないが、これら線状微小スペース81の対物側の面には非透明材料から成る陰極端子部87〜89が積層される。すなわち、本実施形態の撮影視野領域22において、発光部26A〜26Cが形成された部分以外の領域は、透明材料層(又は細幅電極線部)が積層され、それ以外の層が積層されないので、撮影視野領域22における透過率にばらつきはなく、撮影視野領域22における視認性はさらに向上する。
【0074】
なお、第1〜4の実施形態においては、有機発光層33の対物側面に積層される電極(陰極)は、非透明電極として形成されたが、透明電極として形成されても良い。また、有機発光層33の対物側の面に積層される電極は陰極、有機発光層33の接眼側の面に積層された電極が陽極であったが、有機発光層33の対物側の面に積層される電極が陽極、有機発光層33の接眼側の面に積層された電極が陰極であっても良い。
【0075】
さらには、有機発光層33の対物側の面に積層される電極(陰極)は、非透過性の陰極金属材料から形成され、有機発光層33の対物側に積層される第1の層と、透明導電性金属化合物から形成され、第1の層の対物側に積層される第2の層とによって構成されても良い。この場合、第1の層の膜厚を薄くすれば、有機発光層33の上に積層される電極を実質的に非透明電極として形成し、かつ電子の注入性を高めることができる。
【0076】
次いで、第4の実施形態の変形例を説明する。本変形例においては、基板41の一方の面(対物側の面)に透明電極が形成されるとともに、基板の他方の面(接眼側の面)に透明材料層が形成される。この場合、第4の実施形態と同様に、発光表示部の厚さ方向に見ると、透明電極と透明材料層の間には、線状微小スペースが形成されず、接触するように隣接して配置される。本変形例によれば、透明電極と透明材料層とのアライメント精度も気にすることなく、混線を防ぐことができる。
【0077】
本変形例では、例えば、基板の一方の面に形成される透明電極のパターンのエッチング加工にネガ型レジスト用い、さらに、もう一方の面に形成される透明材料層のパターンの形成にポジ型レジストを用いることが好ましい。このような構成によれば、同じマスクでパターニングが可能となり、工程が簡易化することができる。同様に、電極のパターンにポジ型、透明材料層のパターンにネガ型が用いられても良い。なお、本変形例においては、透明材料層は、封止部材の接眼側の面、又は対物側の面に形成されていても良い。
【0078】
また、観察者からの視線は、画面中心以外の位置を通るとき、厚さ方向に対して僅かに傾くこととなる。したがって、透明材料層が一方の面とは異なる面に形成され、厚さ方向に見ると、電極線と透明材料層が接触するように隣接して配置されると、視線のうち一部は、透明電極及び透明材料層の両方を通る場合もあるし、両方を通らない場合もある。そのため、視野エリアの中心位置からの距離、及び透明電極と透明材料層との厚さ方向における離間距離に応じて、厚さ方向に沿って発光表示部を見たとき、透明材料層と透明電極との間に僅かに隙間が生じ、又は僅かに重なるように透明材料層が配置されても良い。このような構成によれば、全ての視線が透明電極及び透明材料層の一方を通るように調整可能である。勿論、中心位置からの距離、及び透明電極と透明材料層との厚さ方向における離間距離に関係なく、厚さ方向に見ると、電極線と透明材料層の間には、線状微小スペースが形成されていても良い。また、第2の実施形態のように、透明材料層は透明電極と同様に、導電材料で形成されていても良い。
【0079】
なお、第3の実施形態において、第1〜第4の透明材料層101〜104それぞれは、2つの線状微小スペース81を介して2つの領域に分割されたが、さらに多数の領域に分割されていても良い。この場合、各領域は長方形や正方形に形成されても良いが、線状微小パターンは直線状にならないほうが良いので、各領域は例えば六角形となり、ハニカム構造に形成されても良い。なお、第1〜第4の透明材料層101〜104が樹脂で形成される場合、各領域は透明電極に接していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】一眼レフカメラのファインダー装置を示す。
【図2】発光表示部を接眼側から見た平面図である。
【図3】図2のIII−III線上における発光表示部の断面を模式的に示した図である。
【図4】第1の実施形態における基板をその接眼側から見た平面図である。
【図5】第1の実施形態において、透明電極が積層された基板を接眼側から見た平面図である。
【図6】第2の実施形態における基板をその接眼側から見た平面図である。
【図7】第3の実施形態における基板をその接眼側から見た平面図である。
【図8】第4の実施形態における基板をその接眼側から見た平面図である。
【符号の説明】
【0081】
16 発光表示部
22 撮影視野領域(透明エリア)
26A〜26C 発光部
33 有機発光層
34 透明電極
35 非透明電極
41 基板
42 封止部材
61〜66 第1〜第6の広幅電極線部(透明電極)
61A〜66A 第1〜第6の面状部(透明電極)
61B〜66B 第1〜第6の線状部(透明電極)
81 線状微小スペース
87〜89 第1〜第3の陰極端子部(非透明電極)
101〜104 第1〜第4の透明材料層
161〜166 第1〜第6の細幅電極線部(透明電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、その基板に対向して設けられる封止部材と、有機発光材料を含み、前記基板と前記封止部材の間において前記封止部材に封止されて配置される有機発光層と、透明材料から形成されると共に前記基板の上に配置され、前記有機発光層に電圧を印加するための透明電極とを備え、
前記基板及び封止部材を通って光が透過可能な領域が透明エリアとして形成され、
前記透明エリアに前記有機発光層が配置されると共に、
前記透明エリアは、前記透明電極又は、前記透明電極及び前記透明電極とは別体に形成される透明材料層によって、ほぼ全域が占められることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
前記透明エリアが、前記透明電極及び前記透明電極とは別体に形成される透明材料層によってほぼ全域を占められる場合、前記基板の一方の面に透明電極を形成し、その基板の一方の面とは異なる面に前記透明材料層を形成させ、前記透明電極が形成された部分以外の部分に前記透明材料層が形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記透明エリアが前記透明電極によってほぼ全域が占められる場合、前記透明電極は複数の電極部を含み、
前記複数の電極部は、それらの間に線状微小スペースが形成されるように離間して配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記透明エリアが、前記透明電極及び前記透明電極とは別体に形成される透明材料層によってほぼ全域が占められる場合、前記透明電極と前記透明材料層は、それらの間に線状微小スペースが形成されるように離間して配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記線状微小スペースの幅は、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記透明材料層は、前記透明電極を形成する透明材料と同一の材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記透明エリアが、前記透明電極及び前記透明電極とは別体に形成される透明材料層によってほぼ全域が占められる場合、前記透明材料層は、非導電材料から形成され、前記透明電極と前記透明材料層は、接触するように隣接して配置されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記透明材料層は、非導電材料から形成され、前記透明電極と同一の色相になるように、色材を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
前記透明エリアは、前記透明電極及び前記透明電極とは別体に形成される透明材料層によって、ほぼ全域が占められる場合、
前記透明電極が形成された領域における透過率と前記透明材料層が形成された領域における透過率の差は、5%以内であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
前記透明エリアを、格子状に均一に複数に分割したとき、各分割領域における透過率の最大値と最小値の差は5%以内であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−124365(P2008−124365A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308939(P2006−308939)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】