説明

有機エレクトロルミネッセンスデバイス用の物質

本発明は、芳香族アミン、並びにこれらアミンが、特に発光層中のマトリックス物質として、および/またはホール輸送物質として、および/または電子ブロックもしくはエキシトンブロック物質として、および/または電子輸送物質が用いられている電子デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、有機半導体および電子デバイスにおけるその使用に関する。
【0002】
有機半導体は、種々のタイプの多数の電子用途のために開発されつつある。これらの有機半導体が機能性物質として用いられている有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED)の構造は、例えば、US4539507、US5151629、EP0676461およびWO98/27136に記載されている。しかしながら、さらなる改善がなお必要である。例えば、特に青色発光有機エレクトロルミネッセンスデバイスの寿命と効率における、改善についての必要性が存在する。さらに、化合物は高い熱安定性と高いガラス転移温度を有し、しかも分解することなく昇華し得ることが必要である。特に高温での使用には、長い寿命を達成するためには高いガラス転移温度が必須である。
【0003】
改善された物質、例えば蛍光発光および燐光発光エミッタ用のホスト物質であるが、特に特に電荷輸送物質、すなわちホール輸送物質および電子輸送物質、並びに電荷ブロック物質に対する要求が継続してある。特に、これらの物質の特性は、しばしば、有機エレクトロルミネッセンスデバイスの短い寿命および低い効率の原因となっている。
【0004】
予想外にも、オルト−ジアリールアミン置換芳香族が特に良好な電荷輸送性を有し、加えて、それを用いて製造された電子デバイスの効率と寿命を決定的に改善することが見いだされた。
【0005】
特に、ジアリールアミン誘導体によりオルソ置換された芳香族化合物は、有機エレクトロルミネッセンスデバイスでの使用に非常に高度に適していることが見いだされ、そこではそれらは先行技術と比べて有意な改善をもたらす。このことは、前記化合物がさらなる置換基により置換されている場合、または対応するヘテロ環式誘導体を用いた場合に、同様に当てはまる。従って、本発明は、これらの化合物および電子デバイスにおけるそれらの使用に関する。置換に依存して、本発明による化合物は、ホール輸送物質、電子もしくはエキシトンブロック物質または蛍光発光もしくは燐光発光化合物用のマトリックス物質として特に適しているが、また、ホールブロック物質および電子輸送物質としても使用することができる。本発明による物質を用いると、先行技術による物質と比較して、有機電子デバイスの同じもしくは改善された寿命をもって、効率の増大が可能である。さらに、これらの化合物は、高い熱安定性を有する。一般に、これらの物質は、高いガラス転移温度を有するので、電子デバイスでの使用に非常に高度に適している。
【0006】
言及し得る先行技術には、明細書US2004/0151944A1およびJP2008/056625Aが含まれる。
【0007】
US2004/0151944A1は、赤色もしくは橙色蛍光発光ドーパント/マトリックス混合物を開示し、ここでホストはペリレン構造を有し、赤色ドーパントはジケトピロロピロール構造を有する。しかしながら、ホスト構造は緑色および青色をも含めるためには適していない。加えて、電荷輸送層もしくは電荷注入層中での使用の場合になお改善が必要である。
【0008】
JP2008/056625Aは、ホール輸送層中にオルト−ジアリールアミン置換ナフタレンを使用する。しかしながら、安定性と寿命に関する改善に対する必要性がなお存在する。加えて、これらの化合物は、青色燐光発光OLEDでの使用には適さない。
【0009】
JP3171755B2およびJP09−148072Aは、オルソ置換ジアリールアミンを開示している。しかしながら、寿命に関する改善に対する必要性がなお存在する。
【0010】
従って、本発明は、式(1)
【化1】

【0011】
(ここで、使用した記号および添え字には以下が適用される:
Xは、出現毎に同一であるか、異なり、N、P、P=O、P=S、B、1,3,5−トリアジン、N(Ar23であり、
Ar1は、出現毎に同一であるか、異なり、基C−Cとともに、5〜30個の芳香族環原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基を形成する基であって、1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、
Ar2は、出現毎に同一であるか、異なり、5〜30個の芳香族環原子を有する二価のアリールもしくはヘテロアリール基であって、各場合において1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、同じ基Xに結合する2つの基Ar2は、単結合またはB(R2)、C(R22、Si(R22、C=O、C=NR2、C=C(R22、O、S、S=O、SO2、N(R2)、P(R2)およびP(=O)R2から選ばれるブリッジにより互いに連結されていてもよく、
Ar3は、出現毎に同一であるか、異なり、5〜16個の芳香族環原子を有する一価のアリールもしくはヘテロアリール基であって、各場合において1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、同じNに結合した2つの基Ar3は、単結合またはB(R2)、C(R22、Si(R22、C=O、C=NR2、C=C(R22、O、S、S=O、SO2、N(R2)、P(R2)およびP(=O)R2から選ばれるブリッジにより互いに連結されていてもよく、
1は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、S(=O)Ar、S(=O)2Ar、CR2=CR2Ar、CN、NO2、Si(R23、B(OR22、B(R22、B(N(R222、OSO22、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基もしくは3〜40個のC原子を有する分枝もしくは環式のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基もしくは2〜40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基であって、その各々は、1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよいもの(ここで、1つまたはそれ以上の非隣接CH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R22、Ge(R22、Sn(R22、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)R2、SO、SO2、NR2、O、SまたはCONR2により置き換えられてもよく、そして1つまたはそれ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO2により置き換えられてもよい)、または各場合において1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよい、5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、または1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基、またはこれら系の組合せであり、ここで、2つまたはそれ以上の置換基R1は、互いに単環もしくは多環の脂肪族もしくは芳香族環を形成していてもよく、
Arは、出現毎に同一であるか、異なり、1つまたは以上の非芳香族基R1により置換されていてもよい、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり、
2は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、またはH原子がDまたはFで置き換えられていてもよい、1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族および/もしくはヘテロ芳香族有機基、好ましくは炭化水素基であり、ここで、2つまたはそれ以上の隣接置換基R2は、互いに単環もしくは多環の脂肪族もしくは芳香族環を形成していてもよく、
nは、2または3であり、
pは、出現毎に同一であるか、異なり、0、1または2であり、
qは、p=0のとき、1であり、p=1のとき1または2であり、
rは、出現毎に同一であるか、異なり、0、1または2である)の化合物に関する。
【0012】
式(1)の化合物は、好ましくは70℃を超える、特に好ましくは100℃を超える、非常に特に好ましくは110℃を超えるガラス転移温度TGを有する。
【0013】
本発明の1つの好ましい態様において、式(1)の化合物は、中性である。
【0014】
式(1)から明らかなように、n=3は、当該化合物が基X上に、もしくはr>0の場合のAr2基上に3つのオルソ置換された基を有すること、他方、n=2は、さらに1つの芳香族もしくはヘテロ芳香族置換基Ar3が存在することを意味する。Ar1は、オルソ置換された芳香族もしくはヘテロ芳香族基である。p=0の場合、1つだけのジアリールアミン基がAr1に結合し得る。p=1または2の場合、Ar2は、また、2個までのジアリールアミン基により置換され得る。
【0015】
アリール基は、本発明の意味において、6〜60個のC原子を含有し、そしてヘテロアリール基は、本発明の意味において、2〜60個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有するが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計数は、少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。ここで、アリール基もしくはヘテロアリール基は、単純な芳香環すなわちベンゼンであるか、単純なヘテロ芳香環例えばピリジン、ピリミジン、チオフェン等、または縮合アリールもしくはヘテロアリール基例えばナフタレン、アントラセン、ピレン、キノリン、イソキノリン等を意味するものと解される。
【0016】
芳香環系は、本発明の意味において、環構造内に6〜60個のC原子を有する。ヘテロ芳香環系は、本発明の意味において、環構造内に2〜60個のC原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有するが、ただし、C原子とヘテロ原子の合計数は、少なくとも5である。ヘテロ原子は、好ましくは、N、Oおよび/またはSから選ばれる。芳香族もしくはヘテロ芳香族環系は、本発明の意味において、アリールもしくはヘテロアリール基のみを含む必要はなく、その代わりに、加えて、複数のアリールもしくはヘテロアリール基が例えばsp3混成C、NまたはO原子のような短い非芳香族単位(H以外の原子の10%未満)により介在されていてもよい系を意味するものと解される。かくして、例えば、9,9’−スピロビフルオレン、9,9−ジアリールフルオレン、トリアリールアミン、ジアリールエーテル、スチルベン、ベンゾフェノン等のような系は、また、本発明の意味において、芳香族環系と解されることが意図される。同様に、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系は、複数のアリールもしくはヘテロアリール基が単結合により互いに連結している系、例えばビフェニル、テルフェニルまたはビピリジンを意味するものと解される。
【0017】
本発明の目的にとって、個々のH原子またはCH2基が上記基により置換されていてもよいC1〜C40アルキル基は、特に好ましくは、基メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルまたはオクチニルを意味するものと解される。C1〜C40アルコキシ基は、特に好ましくは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシまたは2−メチルブトキシを意味するものと解される。
【0018】
本発明のさらなる好ましい態様において、n=3である。従って、式(2)、(3)および(4)の化合物が、式(1)の化合物の好ましい態様である。
【化2】

【化3】

【化4】

【0019】
ここで、使用した記号および添え字は、上に述べた意味を有する。
【0020】
本発明のさらなる好ましい態様において、pは0または1に等しく、rは0または1に等しい。特に好ましくは、p=0およびr=0である。
【0021】
本発明の特に好ましい態様において、記号Ar1は、基C−Cとともに、ベンゼンを表し、これは、1つまたはそれ以上の置換基R1により、特には1つの置換基R1により、置換されていてもよい。
【0022】
置換基R1は、特に好ましくは、Xに対しパラ位にある。さらなる特に好ましい態様において、置換基R1は水素または重水素に等しくない。
【化5】

【0023】
本発明のさらなる好ましい態様において、式(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の化合物における記号R1は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、F、Br、I、CN、または1〜10個のC原子を有する直鎖のアルキル基もしくは3〜10個のC原子を有する分枝もしくは環式のアルキル基であって、その各々は1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよく、そして、1つまたはそれ以上の非隣接CH2基は、R2C=CR2またはOにより置き換えられていてもよく、また1つまたはそれ以上のH原子はDまたはFにより置き換えられていてもよいもの、または各場合に1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよい、5〜20個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、またはこれら系の組合せを表し、ここで、2つまたはそれ以上の隣接置換基R1は、互いに単環もしくは多環の脂肪族もしくは芳香環系を形成してもよい。
【0024】
本発明の特に好ましい態様において、式(1)、(2)、(3)、(4)および(5)の化合物における記号R1は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、Br、I、CN、1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基もしくは3〜6個のC原子を有する分枝もしくは環式のアルキル基であって、その各々は、1つまたはそれ以上の非芳香族基R2により置換されていてもよく、そして1つまたはそれ以上のH原子は、DまたはFにより置き換えられていてもよいもの、または各場合において1つまたはそれ以上の非芳香族基R2により置換されていてもよい、5〜18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系を表し、同じ窒素原子に結合した2つの芳香族基は、単結合またはB(R2)、C(R22、Si(R22、C=O、C=NR2、C=C(R22、O、S、S=O、SO2、N(R2)、P(R2)およびP(=O)R2から選ばれるブリッジにより互いに連結されていてもよい。
【0025】
1が芳香族もしくはヘテロ芳香族環系を表す場合、これは、好ましくは、5〜30個の芳香族環原子、特に6〜20個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系から、非常に特に好ましくは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フェニルアントラセニル、1−もしくは2−ナフチルアントラセニル、ビナフチル、ピレニル、フルオランテニル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−ベンゾアントラセニル、N−ベンゾイミダゾリル、フェニル−N−ベンゾイミダゾリル、N−フェニルベンゾイミダゾリルもしくはフェニル−N−フェニルベンゾイミダゾリルから選ばれる。
【0026】
特に、R1は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチルまたはフェニルを表す。溶液から処理される化合物の場合、10個までのC原子を有する線状もしくは分枝アルキル鎖も好ましい。
【0027】
本発明のさらなる好ましい態様において、式(1)、(2)および(3)におけるAr2は、ナフタレンまたはベンゼンを表し、それぞれの場合、R1により置換されていてもよい。記号Ar2は、特に好ましくはベンゼンを示し、これはR1により置換されていてもよい。
【0028】
式(1)、(2)および(3)の化合物のさらなる好ましい態様は、q=1である分子である。それらは特に容易に合成的に入手しやすいからである。
【0029】
さらなる好ましい態様において、Ar3は、5〜10個のC原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系である。Ar3は、特に好ましくはチオフェン、フェニルまたはナフタレンを表し、その各々は、1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよい。ここで、2つの基Ar3は、単結合または上記の二価の基特にC(R22により互いに結合していてもよい。
【0030】
式(1)〜(5)の好ましい化合物の例は、以下に示す構造(1)〜(122)である。
【化6−1】

【化6−2】

【化6−3】

【化6−4】

【化6−5】

【化6−6】

【化6−7】

【化6−8】

【化6−9】

【化6−10】

【化6−11】

【化6−12】

【化6−13】

【化6−14】

【化6−15】

【化6−16】

【化6−17】

【化6−18】

【0031】
本発明による化合物は、当業者に知られた合成工程を用いて合成することができる。ここでは、中心のトリアリールアミンまたは反応性離脱基、特に塩素、臭素、ヨウ素、トシラートもしくはトリフラートによりアリール基に対しオルソ位で置換された他の基Xを含有する対応する誘導体から出発することが特に好適であることがわかった。ついで、この基に対し、基(Ar32N−Ar2のボロン酸誘導体を、パラジウム触媒を用いたスズキカップリングでカップリングさせることができる。同様に、この基に対し、基(Ar32−NHをハルトウィッヒ−ブッフバルトカップリングでカップリングさせることができる。これらのタイプの反応は、有機合成の当業者に適切に知られており、当業者は、創作力を要することなく、それらを本発明による化合物の合成のために用いることができるであろう。
【0032】
したがって、本発明は、さらに、スズキカップリングにおける、ボロン酸誘導体としての基(Ar32N−Ar2の導入か、ハルトウィッヒ−ブッフバルトカップリングにおける、(Ar32−NHとしての基(Ar32−Nの導入を含む、本発明による化合物の製造方法に関する。
【0033】
上記本発明による化合物、特に、臭素、ヨウ素、トリフラート、トシラート、ボロン酸もしくはボロン酸エステルのような反応性離脱基により置換された化合物は、対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーの製造のためのモノマーとして、またはデンドリマーのコアとして使用することができる。ここで、オリゴマー化またはポリマー化は、好ましくは、上記ハロゲン官能基またはボロン酸官能基を介して生じる。このことは、特に、基R1がそれぞれ反応性離脱基を表すところの化合物に当てはまる。
【0034】
したがって、本発明は、さらに、式(1)の1種またはそれ以上の化合物を含むダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーに関し、ここで1つまたはそれ以上の基R1またはR2は、ダイマー、トリマー、テトラマーまたはペンタマーにおける式(1)の化合物同士の間の結合、または式(1)の化合物からポリマー、オリゴマーもしくはデンドリマーへの結合を表す。オリゴマーは、本発明の意味において、式(1)の単位を少なくとも6個有する化合物を意味するものと解される。ポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーは、共役、部分共役または非共役であってよい。トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマーまたはポリマーは、線状であっても、分枝であってもよい。線状に連結した構造において、式(1)の単位は、互いに直接連結し得るか、二価の基を介して、例えば置換もしくは無置換のアルキレン基を介して、ヘテロ原子を介して、または二価の芳香族もしくはヘテロ芳香族基を介して互いに連結し得る。分枝構造においては、例えば、3つまたはそれ以上の式(1)の単位は、三価もしくは多価の基を介して、例えば三価もしくは多価の芳香族もしくはヘテロ芳香族基を介して連結して分枝トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマーもしくはポリマーを与え得る。
【0035】
ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーおよびデンドリマーにおける式(1)の繰り返し単位については、上記の好ましさと同じ好ましさが当てはまる。したがって、好ましい繰り返し単位は、この場合もやはり、式(2)、(3)、(4)および(5)の単位である。
【0036】
オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーの製造のために、本発明による化合物を単独重合させるか、さらなるモノマーと共重合させる。適切でありかつ好ましいコモノマーは、フルオレン(例えば、EP842208またはWO00/22026によるもの)、スピロビフルオレン(例えばEP707020、EP894107またはWO06/061181によるもの)、パラ−フェニレン(例えば、WO92/18552によるもの)、カルバゾール(例えば、WO04/070772またはWO04/113468によるもの)、チオフェン(例えば、EP1028136によるもの)、ジヒドロフェナントレン(例えば、WO05/014689によるもの)、cis−およびtrans−インデノフルオレン(例えば、WO04/041901またはWO04/113412によるもの)、ケトン(例えば、WO05/040302によるもの)、フェナントレン(例えば、WO05/104264またはWO07/017066によるもの)あるいはまた複数のこれら単位から選ばれる。ポリマー、オリゴマーおよびデンドリマーは、通常、さらなる単位、例えば発光(蛍光発光もしくは燐光発光)単位、例えば、ビニルトリアリールアミン(例えば、WO07/068325によるもの)または燐光発光金属錯体(例えば、WO06/003000によるもの)および/または電荷輸送単位を含有する。本発明による繰り返し単位は、ホールのための電荷輸送単位として特に適している。
【0037】
さらに、本発明は、式(1)の少なくとも1種の化合物または対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマーもしくはポリマーと、少なくとも1種のさらなる化合物を含む混合物に関する。前記さらなる化合物は、例えば、式(1)の化合物がマトリックス物質として用いられる場合、蛍光発光もしくは燐光発光ドーパントであり得る。好適な蛍光発光および燐光発光ドーパントは、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関して以下に記載されているものであり、本発明による混合物にも好ましいものである。前記さらなる化合物は、式(1)の化合物がホール輸送もしくは電子輸送化合物である場合、ドーパントであり得る。好適なドーパントは、有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関して以下に記載されている。
【0038】
本発明は、さらにまた、式(1)の少なくとも1種の化合物または対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマーもしくはポリマーと、少なくとも1種の溶媒を含む組成物もしくは溶液に関し、ここで、溶媒は、通常、有機溶媒である。このタイプの溶液は、溶液から、例えばスピンコーティングによりもしくは印刷手法により電子デバイスを製造するために必要である。これらの溶液は、また、本発明の化合物の混合物を含んでいてもよい。
【0039】
本発明による式(1)の化合物および対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーは、電子デバイスにおける、特に有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED、PLED)における使用に適している。置換に依存して、本化合物は、異なる機能および異なる層に使用される。
【0040】
電子デバイスは、本発明の意味において、少なくとも1つのアノード、少なくとも1つのカソード、および前記アノードと前記カソードとの間の、少なくとも1種の有機化合物を含む少なくとも1つの層を備えるものである。
【0041】
従って、本発明は、さらに、式(1)化合物または対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーの電子デバイスにおける、特に有機エレクトロルミネッセンスデバイスにおける使用に関する。
【0042】
本発明は、さらになお、式(1)の少なくとも1種の化合物または対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーを含む電子デバイス、特にアノードと、カソードと、少なくとも1つの発光層を備え、発光層または他の層であり得る少なくとも1つの有機層が式(1)の少なくとも1種の化合物または対応するダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーもしくはデンドリマーを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
【0043】
本出願のテキストは、主に、OLEDおよびPLED並びに対応するディスプレーに関する本発明による化合物の使用に関する。本明細書のこの制限にも関わらず、当業者は、さらなる創作力を要することなく、本発明による化合物を他の電子デバイス、例えば、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電場消光デバイス(field-quench device)(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)もしくは有機感光体(photoreceptor)にも使用することができる。
【0044】
本発明は、同様に、本発明による化合物の対応するデバイスにおける使用およびそれらデバイス自体に関する。
【0045】
カソード、アノードおよび発光層以外に、有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、さらなる層を含み得る。それらは、例えば、各場合において、1つまたはそれ以上のホール注入層、ホール輸送層、ホールブロック層、電子輸送層、電子注入層、電子ブロック層、エキシトンブロック層、電荷発生層(IDMC 2003, Taiwan; Session 21 OLED (5), T. Matsumoto, T. Nakada, J. Endo, K. Mori, N. Kawamura, A. Yokoi, J. Kido, Multiphoton Organic EL Device Having Charge Generation Layer)および/または有機もしくは無機のp/n接合から選ばれる。さらに、前記層は、特に電荷輸送層は、ドープされていてもよい。層のドーピングは、改善された電荷輸送に有利である。しかしながら、これらの層のそれぞれは、必ず存在しなければならないというものではなく、そして層の選定は、常に、使用する化合物に依存し、特にエレクトロルミネッセンスデバイスが蛍光発光ものであるか、燐光発光のものであるかに依存する。
【0046】
本発明の1つの態様において、有機エレクトロルミネッセンスデバイスは、また、複数の発光層を含み、ここで、少なくとも1つの有機層は式(1)の少なくとも1種の化合物を含む。それらの発光層は、特に好ましくは、合計で、380nm〜750nmに複数の発光極大を有し、全体で白色発光をもたらすものであり、すなわち、蛍光発光または燐光発光し得、そして青色、緑色、黄色、橙色または赤色光を発する種々の発光化合物が発光層に用いられる。3層系、すなわち、3つの発光層を有し、それら層の少なくとも1つが式(1)の少なくとも1種の化合物を含み、上記3つの層が青色、緑色および橙色もしくは赤色発光を示す系(基本構造については、例えば、WO05/011013を参照のこと)が特に好ましい。さらに、4つ以上の発光層を用いることも好ましい。広域発光バンドを有し、従って白色発光を示すエミッタも、同様に、白色発光に適している。
【0047】
本発明の1つの好ましい態様において、式(1)の化合物は、発光層において、蛍光発光または燐光発光化合物のためのマトリックス物質として使用される。蛍光発光化合物のためのマトリックス物質の場合、1つまたはそれ以上のR1は、好ましくは、芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、特にアントラセンを含有する芳香環系を表す。
【0048】
マトリックスとドーパントを含む系におけるマトリックス物質は、当該系において最も高い比率で存在する成分を意味するものと解される。1種のマトリックスと複数種のドーパントを含む系において、マトリックスは、当該混合物中の割合が最も高い成分を意味するものと解される。
【0049】
式(1)の化合物は、また、複数のマトリックス物質の混合物(「混合ホスト」)における成分として使用することができ、ここでエミッタは、また、蛍光発光または燐光発光エミッタであり得る。式(1)の化合物を複数のマトリックス物質の混合物において使用する場合、この化合物は、通常、ホール伝導成分である。式(1)の化合物を組み合わせることができる燐光発光エミッタのためのマトリックス物質は、好ましくは、CBP(N,N−ビスカルバゾリルビスフェニル)、カルバゾール誘導体(例えば、WO05/039246、US2005/0069729、JP2004/288381、EP1205527またはWO08/086851によるもの)、アザカルバゾール(例えばEP1617710、EP1617711、EP1731584、JP2005/347160によるもの)、ケトン(例えばWO04/093207または未公開出願DE102008033943.1によるもの)、ホスフィンオキシド、スルホキシドおよびスルホン(例えばWO05/003253によるもの)、オリゴフェニレン、芳香族アミン(例えばUS2005/0069729によるもの)、双極性マトリックス物質(例えばWO07/137725によるもの)、シラン(例えばWO05/111172によるもの)、9,9−ジアリールフルオレン誘導体(例えば未公開出願DE102008017591.9によるもの)、アザボロール、ボロン酸エステル(例えばWO06/117052によるもの)、インデノカルバゾール(WO07/063754、WO08/056746によるもの)、トリアジン誘導体(WO07/063754または未公開出願DE102008036982.9によるもの)または亜鉛錯体(EP652273または未公開出願DE102007053771.0)からなる群のなかから選ばれる。
【0050】
式(1)の化合物は、発光層において発光化合物のためのマトリックス物質として使用する場合、1種またはそれ以上の蛍光発光物質または燐光発光物質(三重項エミッタ)と組み合わせて用いることができる。燐光発光は、本発明の意味において、励起状態の比較的高いスピン多重度すなわち>1のスピン状態からの、特に、励起された三重項状態からのルミネッセンスを意味するものと解される。本発明の目的にとって、全てのルミネッセントIrおよびPt化合物は、燐光発光化合物とみなされる。式(1)の化合物を燐光発光エミッタのためのマトリックスとして用いる場合、Xは、好ましくは、N、P=Oまたはトリアジンを表す。その場合、式(1)の化合物および燐光発光化合物の混合物は、エミッタとマトリックス物質の混合物全量に基づいて、99〜1体積%、好ましくは98〜10体積%、特に好ましくは97〜60体積%、殊に95〜85体積%の式(1)の化合物を含む。対応して、この混合物は、エミッタとマトリックス物質の混合物全量に基づいて、1〜99体積%、好ましくは2〜90体積%、特に好ましくは3〜40体積%、殊に5〜15体積%のエミッタを含む。
【0051】
好適な燐光発光化合物(=三重項エミッタ)は、特に、適切な励起により、光を、特に可視領域において、発する化合物であり、加えて、20より大きな、好ましくは38より大きく84より小さな、特に好ましくは56より大きく80より小さな原子番号を有する少なくとも1つの原子を含有する化合物である。使用する燐光発光エミッタは、好ましくは、銅、モリブデン、タングステン、レニウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、白金、銀、金またはユーロピウムを含有する化合物、特にイリジウムまたは白金を含有する化合物である。
【0052】
上記エミッタの例は、出願WO00/70655、WO01/41512、WO02/02714、WO02/15645、EP1191613、EP1191612、EP1191614およびWO05/033244に示されている。一般に、燐光発光OLEDのために先行技術で用いられており、また有機ルミネッセンスの分野における当業者に知られている全ての燐光発光錯体が好適であり、当業者は、創作力を要することなく、さらなる燐光発光錯体を使用し得るであろう。
【0053】
式(1)の化合物を蛍光発光化合物のためのマトリックス物質として用いる場合、発光層におけるマトリックス物質の割合は、50.0〜99.9体積%、好ましくは80.0〜99.5体積%、特に好ましくは90.0〜99.0体積%である。対応して、ドーパントの割合は、0.1〜50.0体積%、好ましくは0.5〜20.0%、特に好ましくは1.0〜10.0体積%である。
【0054】
好ましいドーパントは、モノスチリルアミン、ジスチリルアミン、トリスチリルアミン、テトラスチリルアミン、スチリルホスフィン、スチリルエーテルおよびアリールアミンのクラスから選ばれる。モノスチリルアミンは、1つの置換もしくは無置換スチリル基と、好ましくは芳香族である少なくとも1つのアミンを含有する化合物を意味するものと解される。ジスチリルアミンは、2つの置換もしくは無置換スチリル基と、好ましくは芳香族である少なくとも1つのアミンを含有する化合物を意味するものと解される。トリスチリルアミンは、3つの置換もしくは無置換スチリル基と、好ましくは芳香族である少なくとも1つのアミンを含有する化合物を意味するものと解される。テトラスチリルアミンは、4つの置換もしくは無置換スチリル基と、好ましくは芳香族である少なくとも1つのアミンを含有する化合物を意味するものと解される。スチリル基は、特に好ましくはスチルベンであり、これはさらに置換されていてもよい。対応するホスフィンおよびエーテルは、上記アミンと類似的に定義される。アリールアミンもしくは芳香族アミンは、本発明の意味において、窒素に直接結合した3個の置換もしくは無置換芳香族もしくはヘテロ芳香族環系を含有する化合物を意味するものと解される。これらの芳香族もしくはヘテロ芳香族環系の少なくとも1つは、好ましくは少なくとも14個の芳香族環原子を有する、縮合環系である。その好ましい例は、芳香族アントラセンアミン、芳香族アントラセンジアミン、芳香族ピレンアミン、芳香族ピレンジアミン、芳香族クリセンアミンまたは芳香族クリセンジアミンである。芳香族アントラセンアミンは、1つのジアリールアミノ基が、アントラセン基に、好ましくは9−位において、直接結合した化合物を意味するものと解される。芳香族アントラセンジアミンは、2つのジアリールアミノ基がアントラセン基に、好ましくは2,6−位または9,10−位において、直接結合した化合物を意味するものと解される。芳香族ピレンアミン、ピレンジアミン、クリセンアミンおよびクリセンジアミンはこれと類似的に定義され、ここで、ピレン上のジアリールアミノ基は、好ましくは、1−位もしくは1,6−位において結合する。さらなる好ましいドーパントは、インデノフルオレンアミンもしくはインデノフルオレンジアミン例えばWO06/122630によるもの、ベンゾインデノフルオレンアミンもしくはベンゾインデノフルオレンジアミン例えばWO08/006449によるもの、およびジベンゾインデノフルオレンアミンもしくはジベンゾインデノフルオレンジアミン例えばWO07/140847によるものから選ばれる。スチリルアミンのクラスからのドーパントは、置換もしくは無置換のトリスチルベンアミン、またはWO06/000388、WO06/058737、WO06/000389、WO07/065549およびWO07/115610に記載されているドーパントである。さらなる好ましいドーパントは、例えば未公開出願DE102008035413.9に開示されている化合物のような芳香族炭化水素である。
【0055】
本発明のさらなる態様において、式(1)の化合物は、ホール輸送物質として、ホール注入物質として、電子ブロック物質として、またはエキシトンブロック物質として使用される。そのような化合物において、Xは、好ましくは、NまたはN(Ar23を表す。その場合、該化合物は、好ましくは、ホール輸送もしくはホール注入もしくは電子ブロックもしくはエキシトンブロック層に用いられる。ホール注入層は、本発明の意味において、アノードに直接隣接する層である。ホール輸送層は、本発明の意味において、ホール注入層と発光層との間に配置される層である。電子ブロックもしくはエキシトンブロック層は、本発明の意味において、アノード側で発光層に直接隣接する層である。式(1)の化合物をホール輸送もしくはホール注入物質として用いる場合、それらは、電子アクセプタ化合物で、例えばF4−TCNQで、またはEP1476881もしくはEP1596445に記載された化合物でドープされていることが好ましいであろう。
【0056】
本発明のさらなる態様において、式(1)の化合物は、電子輸送層またはホールブロック層における電子輸送物質としてまたはホールブロック物質として使用される。ここで、R1は、電子不足ヘテロ環に相当するヘテロアリール基、例えば、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、フェナントロリン等を表すか、またはC(=O)Ar、P(=O)Ar2、S(=O)ArまたはS(O)2Arを表し、および/またはXは、B、P=O、P=S、または1,3,5−トリアジンを表すことが好ましい。さらに、該化合物は、電子ドナー化合物でドープされていることが好ましいであろう。ホールブロック層は、本発明の意味において、発光層と電子輸送層との間に配置され、前記発光層に直接隣接する層である。
【0057】
式(1)の繰り返し単位は、また、ポリマー骨格として、ホール輸送単位としておよび/または電子輸送単位として、ポリマー中に使用することができる。ここで、好ましい置換パターンは、上に述べたものに相当する。
【0058】
さらに、1つまたはそれ以上の層が、物質を真空昇華装置内において10-5mbar未満、好ましくは10-6mbar未満の初期圧力で気相堆積させる昇華プロセスにより適用されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。しかしながら、圧力は、より低いもの、例えば10-7mbar未満であり得ることに注意すべきである。
【0059】
同様に、1つまたはそれ以上の層が、物質を10-5mbar〜1barの圧力で適用するOVPD(有機気相堆積)法によりまたはキャリヤーガス昇華の補助をもって塗布されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。この方法の特別な場合は、OVJP(有機気相ジェット印刷)法であり、ここでは物質はノズルを介して直接適用され、したがって構造化される(例えば、M.S.アーノルドら、Appl. Phys. Lett. 2008, 92, 053301)。
【0060】
さらに、1つまたはそれ以上の層が溶液から、例えばスピンコートによるように、またはいずれかの所望の印刷法、例えばスクリーン印刷、フレキソ印刷もしくはオフセット印刷、特に好ましくはLITI(光誘起サーマルイメージング、熱転写印刷)またはインクジェット印刷により作られていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスデバイスが好ましい。この目的には、可溶性化合物が必要である。高い溶解性は、化合物の適切な置換により達成することができる。ここで、個々の物質の溶液ばかりでなく、複数の化合物、例えばマトリックス物質およびドーパントを含む溶液をも適用することができる。
【0061】
同様に、化合物の一部を溶液から適用し、化合物のさらなるの部分を真空気相堆積により適用することもできる。すなわち、例えば、発光層を溶液から適用し、それに対し電子輸送層を真空堆積により適用することができる。
【0062】
最後に、本発明による上記化合物の全ての好ましい特徴および好ましいものとして明白には述べていない全ての特徴、その電子デバイスにおける使用並びに電子デバイスそれ自体は、所望により互いに組み合わせることができることに注意すべきである。その結果する全ての組合せは、同様に、本発明の部分である。
【0063】
以下の例により本発明をよき詳しく説明するが、それにより本発明を制限することを意図するものではない。同業者は、創作力を要することなく、本発明によるさらなる化合物を合成し、それらを電子デバイスに使用することができるであろう。
【0064】
例:
以下の合成は、別段の指摘がない限り、乾燥溶媒中で、保護ガス雰囲気下で行われる。溶媒および試薬は、アルドリッチ(ALDRICH)またはABCRから購入することができる。前駆体2,2’,2”−トリブロモトリフェニルアミン[CAS 67242−18-6]、2,2’,2”,4,4’,4”−ヘキサブロモトリフェニルアミン[CAS 5489-72−5]、2,2’,2”−トリブロモ−4,4’,4”−トリメチルトリフェニルアミン[CAS 32337-99-8]、4−(N−ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸[CAS 201802−67-7]、4−(N−カルバゾリル)フェニルボロン酸[CAS 419536-33-7]は、文献記載の方法により調製することができる。
【0065】
例1:2,2’,2”−トリス(4−ジフェニルアミノフェニル)トリフェニルアミンの合成
【化7】

【0066】
48.2g(100mmol)の2,2’,2”−トリブロモトリフェニルアミン、115.7g(400mmol)の4−(N−ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸、169.8g(800mmol)のリン酸三カリウム、600mlのトルエン、200mlのジオキサンおよび800mlの水の混合物に、5.5g(18mmol)のトリ−o−トリルホスフィンを、ついで674mg(3mmol)の酢酸パラジウム(II)を、激しく攪拌しながら、添加する。その混合物を還流下に24時間攪拌した後、冷却し、水相を分離除去し、有機相を、シリカゲルを通じて濾過し、蒸発乾固させる。残渣を1000mlのジクロロメタン中に採り、その溶液を、アルミニウム酸化物(塩基性、活性グレード1)を通じて濾過し、濾液を蒸発乾固させ、粘稠油状物を約300mlの熱アセトン中に採る。その溶液を攪拌しながら冷却し、無色固体を吸引濾別し、50mlのアセトンで、次いで100mlのエタノールで3回洗浄する。真空中での乾燥およびDMF(約6ml/g)からの6回の再結晶の後、固体を真空(p=10-5mbar、T=380℃)中で昇華させる。収量:53.2g(55mmol)、54.6%、純度99.9%(HPLC)。
【0067】
本発明による以下の化合物を例1と類似的に、対応するアミンから得る(例2〜4)。例3については、2倍量の4−(N−ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸を使用する。例4については、4−(N−ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸の代わりに、4−(N−フェニル−1−ナフチルアミノ)フェニルボロン酸を使用する。
【化8】

【0068】
例5:2,2’,2”−(トリス−N−カルバゾリルフェニル)トリフェニルアミンの合成
【化9】

【0069】
48.2g(100mmol)の2,2’,2”−トリブロモトリフェニルアミン、114.9g(400mmol)の4−(N−カルバゾリル)フェニルボロン酸、169.8g(800mmol)のリン酸三カリウム、600mlのトルエン、200mlのジオキサンおよび800mlの水の混合物に、5.5g(18mmol)のトリ−o−トリルホスフィンを、ついで674mg(3mmol)の酢酸パラジウム(II)を、激しく攪拌しながら、添加する。その混合物を還流下に24時間攪拌した後、冷却し、水相を分離除去し、有機相を、シリカゲルを通じて濾過し、蒸発乾固させる。残渣を1000mlのジクロロメタン中に採り、その溶液を、アルミニウム酸化物(塩基性、活性グレード1)を通じて濾過し、濾液を蒸発乾固させ、粘稠油状物を約300mlの熱アセトン中に採る。その溶液を攪拌しながら冷却し、無色固体を吸引濾別し、50mlのアセトンで、次いで100mlのエタノールで3回洗浄する。真空中での乾燥およびジオキサン:EtOH(1:1、約10ml/g)からの5回の再結晶の後、固体を真空(p=10-5mbar、T=390℃)中で昇華させる。収量:41.9g(43mmol)、43.2%、純度99.9%(HPLC)。
【0070】
本発明による以下の化合物を、例5と類似的に、対応するアミンから得る(例6〜7)。
【化10】

【0071】
例8:2,2’,2”−(トリスジフェニルアミノ)トリフェニルアミンの合成
【化11】

【0072】
48.2g(100mmol)の2,2’,2”−トリブロモトリフェニルアミン、67.7g(400mmol)のジフェニルアミン、57.6g(600mmol)のナトリウムtert−ブトキシドおよび600mlのトルエンの混合物に、723mg(4mmol)のジ−tert−ブチルホスフィンクロライドを、ついで674mg(3mmol)の酢酸パラジウム(II)を、激しく攪拌しながら、添加する。その混合物を還流下に24時間攪拌した後、冷却し、1000mlの水を加え、有機相を分離し、シリカゲルを通じて濾過し、蒸発乾固させる。残渣を1000mlのジクロロメタン中に採り、その溶液を、アルミニウム酸化物(塩基性、活性グレード1)を通じて濾過し、濾液を蒸発乾固させ、粘稠油状物を約300mlの熱EtOHおよび少量の酢酸エチル中に採る。その溶液を攪拌しながら冷却し、無色固体を吸引濾別し、100mlのエタノールで3回洗浄する。真空中での乾燥およびDMF(約3ml/g)からの5回の再結晶の後、固体を真空(p=10-5mbar、T=365℃)中で昇華させる。収量:25.2g(34mmol)、33.8%、純度99.9%(HPLC)。
【0073】
本発明による以下の化合物を、例8と類似的に、対応するアミンから得る(例9〜11)。
【化12】

【0074】
例12:2,2’−ビス(ジフェニルアミノ)−2”−フェニルトリフェニルアミンの合成
【化13】

【0075】
48.2g(100mmol)の2,2’,2”−トリブロモトリフェニルアミン、33.9g(200mmol)のジフェニルアミン、28.8g(300mmol)のナトリウムtert−ブトキシドおよび500mlのトルエンの混合物に、488mg(2.7mmol)のジ−tert−ブチルホスフィンクロライドを、ついで449mg(2mmol)の酢酸パラジウム(II)を、激しく攪拌しながら、添加する。その混合物を還流下に24時間攪拌した後、冷却し、1000mlの水を加え、有機相を分離し、シリカゲルを通じて濾過し、蒸発乾固させる。粘稠油状物を、400mlのトルエンと100mlのジオキサンの混合物に採り、18.3g(150mmol)のフェニルボロン酸、42.5g(200mmol)のリン酸三カリウムおよび500mlの水を加えた後、
1.83g(6mmol)のトリ−o−トリルホスフィンおよび224mg(1mmol)の酢酸パラジウム(II)を添加し、その混合物を激しく攪拌しながら還流下に16時間加熱する。冷却後、有機相を分離し、シリカゲルを通じて濾過し、蒸発乾固させる。残渣を1000mlのジクロロメタン中に採り、その溶液を、アルミニウム酸化物(塩基性、活性グレード1)を通じて濾過し、濾液を蒸発乾固させ、粘稠油状物を約300mlの熱メタノールおよび少量の酢酸エチル中に採る。その溶液を攪拌しながら冷却し、ベージュ色の固体を吸引濾別し、100mlのエタノールで3回洗浄する。真空中での乾燥およびDMF(約2ml/g)からの5回の再結晶の後、固体を真空(p=10-5mbar、T=340℃)中で昇華させる。収量:23.9g(36mmol)、36.5%、純度99.9%(HPLC)。
【0076】
本発明による以下の化合物を、例12と類似的に、対応するアミンから得る(例13〜15)。
【化14】

【0077】
例16:本発明による化合物を含む有機エレクトロルミネッセンスデバイスの製造と特性決定
本発明によるエレクトロルミネッセンスデバイスは、例えばWO05/003253に記載されているように製造することができる。種々のOLEDについての結果を以下に比較する。基本構造、使用した物質、ドーピングの程度およびその層の厚さは、より良好な比較のために、同じである。
【0078】
第1のデバイス例は、発光層がホスト物質スピロ−ケトンからなり、ゲスト物質(ドーパント)がIr(ppy)3からなる先行技術による比較基準を記述する。さらに、種々の構造を有するOLEDを記載するが、それぞれは、ゲスト物質(ドーパント)Ir(ppy)3を有する。以下の構造を有するOLEDを、上記一般的手法と類似的に製造する。
【数1】

【0079】
明確さのために、Ir(ppy)3およびスピロケトンの構造を以下に示す。
【化15】

【0080】
例1、2および5の化合物を以下に再掲する。
【化16】

【0081】
これらのまだ最適化されていないOLEDを、標準的な方法で特性決定する。この目的のために、エレクトロルミネッセンススペクトル、電流/電圧/輝度特性線(IUL特性線)から計算した、輝度の関数としての効率(cd/Aで測定)および寿命を測定する。
【0082】
表1は、デバイスの特性決定の結果を示す。本発明による化合物を含むデバイスは、有意に改善された効率と同時に、混合ホスト系(例19および20)において匹敵する寿命またはかなり改善された寿命を示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

(ここで、使用した記号および添え字には以下が適用される:
Xは、出現毎に同一であるか、異なり、N、B、P、P=O、P=S、1,3,5−トリアジン、N(Ar23であり、
Ar1は、出現毎に同一であるか、異なり、基C−Cとともに、5〜30個の芳香族環原子を有するアリールもしくはヘテロアリール基を形成する基であって、1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、
Ar2は、出現毎に同一であるか、異なり、5〜30個の芳香族環原子を有する二価のアリールもしくはヘテロアリール基であって、各場合において1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、同じ基Xに結合する2つの基Ar2は、単結合またはB(R2)、C(R22、Si(R22、C=O、C=NR2、C=C(R22、O、S、S=O、SO2、N(R2)、P(R2)およびP(=O)R2から選ばれるブリッジにより互いに連結されていてもよく、
Ar3は、出現毎に同一であるか、異なり、5〜16個の芳香族環原子を有する一価のアリールもしくはヘテロアリール基であって、各場合において1つまたはそれ以上の基R1により置換されていてもよいものであり、同じNに結合した2つの基Ar3は、単結合またはB(R2)、C(R22、Si(R22、C=O、C=NR2、C=C(R22、O、S、S=O、SO2、N(R2)、P(R2)およびP(=O)R2から選ばれるブリッジにより互いに連結されていてもよく、
1は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、F、Cl、Br、I、CHO、C(=O)Ar、P(=O)(Ar)2、S(=O)Ar、S(=O)2Ar、CR2=CR2Ar、CN、NO2、Si(R23、B(OR22、B(R22、B(N(R222、OSO22、1〜40個のC原子を有する直鎖のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基もしくは3〜40個のC原子を有する分枝もしくは環式のアルキル、アルコキシもしくはチオアルコキシ基もしくは2〜40個のC原子を有するアルケニルもしくはアルキニル基であって、その各々は、1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよいもの(ここで、1つまたはそれ以上の非隣接CH2基は、R2C=CR2、C≡C、Si(R22、Ge(R22、Sn(R22、C=O、C=S、C=Se、C=NR2、P(=O)R2、SO、SO2、NR2、O、SまたはCONR2により置き換えられてもよく、そして1つまたはそれ以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNもしくはNO2により置き換えられてもよい)、または各場合において1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよい、5〜60個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系、または1つまたはそれ以上の基R2により置換されていてもよい、5〜60個の芳香族環原子を有するアリールオキシもしくはヘテロアリールオキシ基、またはこれら系の組合せであり、ここで、2つまたはそれ以上の置換基R1は、互いに単環もしくは多環の脂肪族もしくは芳香族環を形成していてもよく、
Arは、出現毎に同一であるか、異なり、1つまたは以上の非芳香族基R1により置換されていてもよい、5〜30個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系であり、
2は、出現毎に同一であるか、異なり、H、D、または、H原子がDまたはFで置き換えられていてもよい、1〜20個のC原子を有する脂肪族、芳香族および/もしくはヘテロ芳香族有機基であり、ここで、2つまたはそれ以上の隣接置換基R2は、互いに単環もしくは多環の脂肪族もしくは芳香族環を形成していてもよく、
nは、2または3であり、
pは、出現毎に同一であるか、異なり、0、1または2であり、
qは、p=0のとき、1であり、p=1のとき1または2であり、
rは、出現毎に同一であるか、異なり、0、1または2である)の化合物。
【請求項2】
式(2)、(3)または(4)の、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【化3】

【化4】

(ここで、使用した記号および添え字は、請求項1に示した意味を有する)。
【請求項3】
前記基Xが、N、N(Ar23、P=Oまたは1,3,5−トリアジンを表すことを特徴とする請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
Ar1が、1つまたはそれ以上の置換基R1により置換されていてもよいベンゼンを表すことを特徴とする請求項1〜3の一項またはそれ以上に記載の化合物。
【請求項5】
前記基Ar1が、HまたはDに等しくない置換基R1によりXに対しパラ位で置換されたベンゼンを、特に式(5)の化合物を表すことを特徴とする請求項4に記載の化合物。
【化5】

(ここで、記号は、請求項1に示した意味を有する)。
【請求項6】
Ar2が、それぞれ1つまたはそれ以上の置換基R1により置換されていてもよいナフタレンもしくはベンゼンを表すことを特徴とする請求項1〜5の一項またはそれ以上に記載の化合物。
【請求項7】
Ar3が、それぞれ1つまたはそれ以上の置換基R1により置換されていてもよいチオフェン、フェニルもしくはナフタレンを表し、ここで、複数の基Ar1は、請求項1に記載した通り、単結合もしくは二価の基により互いに連結していてもよいことを特徴とする請求項1〜6の一項またはそれ以上に記載の化合物。
【請求項8】
1が、H、D、CN、F、Br、I、CN、または1〜6個のC原子を有する直鎖のアルキル基もしくは3〜6個のC原子を有する分枝もしくは環式のアルキル基であって、その各々は1つまたはそれ以上の非芳香族基R2により置換されていてもよく、そして1つまたはそれ以上のH原子はDまたはFにより置き換えられていてもよいもの、または1つまたはそれ以上の非芳香族基R2により置換されていてもよい、5〜18個の芳香族環原子を有する芳香族もしくはヘテロ芳香族環系を表すことを特徴とする請求項1〜7の一項またはそれ以上に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8の一項もしくはそれ以上に記載の化合物を含むダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマーであって、1つまたはそれ以上の基R1またはR2が前記ダイマー、トリマー、テトラマーまたはペンタマーにおける式(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の化合物同士の間の結合、または式(1)、(2)、(3)、(4)または(5)の化合物から前記ポリマー、オリゴマーまたはデンドリマーへの結合を表す、ダイマー、トリマー、テトラマー、ペンタマー、オリゴマー、ポリマーまたはデンドリマー。
【請求項10】
請求項1〜9の一項もしくはそれ以上に記載の化合物、および少なくとも1種のさらなる化合物を含む混合物。
【請求項11】
請求項1〜9の一項もしくはそれ以上に記載の化合物または請求項10に記載の混合物、および少なくとも1種の溶媒を含む組成物。
【請求項12】
スズキカップリングにおいてボロン酸誘導体として基(Ar32N−Ar2を導入するか、ハルトウィッヒ−ブッフバルトカップリングにおいて(Ar32NHとして基(Ar32Nを導入することを特徴とする、請求項1〜9の一項もしくはそれ以上に記載の化合物の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜9の一項もしくはそれ以上に記載の化合物または請求項10に記載の混合物または請求項11に記載の組成物の、電子デバイスにおける使用。
【請求項14】
請求項1〜9の一項またはそれ以上に記載の化合物または請求項10に記載の少なくとも1種の混合物を含む、特に有機エレクトロルミネッセンスデバイス(OLED、PLED)、有機電界効果トランジスタ(O−FET)、有機薄膜トランジスタ(O−TFT)、有機発光トランジスタ(O−LET)、有機集積回路(O−IC)、有機太陽電池(O−SC)、有機電場消光デバイス(O−FQD)、発光電気化学電池(LEC)、有機レーザーダイオード(O−レーザー)もしくは有機感光体から選ばれる、電子デバイス。
【請求項15】
請求項1〜9の一項またはそれ以上に記載の化合物が蛍光発光もしくは燐光発光化合物のためのマトリックス物質として使用され、および/または請求項1〜9の一項またはそれ以上に記載の化合物がホール輸送物質として、もしくはホール注入物質として、もしくは電子ブロック物質として、もしくはエキシトンブロック物質として使用され、および/または請求項1〜9の一項またはそれ以上に記載の化合物が電子輸送物質として、もしくはホールブロック物質として使用されていることを特徴とする請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンスデバイス。

【公表番号】特表2012−505168(P2012−505168A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530384(P2011−530384)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006556
【国際公開番号】WO2010/040438
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】