説明

有機エレクトロルミネッセンス素子を利用した発光装置及び表示装置

【課題】 有機EL素子を利用した発光装置において、定電流源を用いて有機EL素子に逆方向電圧を印加する。
【解決手段】 本発明の発光装置10は、定電流源12と、定電流源12に接続された第1有機エレクトロルミネッセンス素子16と、定電流源12から第1有機エレクトロルミネッセンス素子16に印加される電圧の方向を切換えるスイッチ14,20を備える。発光装置10は、さらに、第1有機エレクトロルミネッセンス素子16と並列に接続され、電流が流れると電位差を発生する電位差発生手段18を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)を利用した発光装置に関する。詳しくは、有機EL素子を発光させない期間に逆方向電圧を印加する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、有機発光層と、その有機発光層をはさむ一対の陽極と陰極を備えた発光素子である。有機EL素子の陽極から陰極へ向けて電圧(順方向電圧)が印加されると、陽極から発光層へ正孔が注入され、陰極から発光層へ電子が注入されて、発光層中の発光体が励起され、有機EL素子は発光する。
有機EL素子は、低電力で高輝度が得られるため、電子機器のディスプレイ用の光源としての利用が期待されている。現在は主に透過型液晶モニタのバックライトとして利用され、例えば、コンピュータディスプレイ、液晶テレビ、携帯電話等の電子機器に搭載される液晶表示装置のバックライトなどに利用されている。
【0003】
有機EL素子を利用した発光装置では、長期間の使用による発光強度の低下が問題となる。この発光強度の低下は、有機発光層の界面において電荷がトラップ等により蓄積することが原因と考えられている。上記のような電荷の蓄積に伴う有機EL素子の発光強度の低下に対しては、有機EL素子に逆方向電圧を印加することが有効であることが従来から知られている。例えば、特許文献1には、有機EL素子を交流電源で駆動し、有機EL素子に順方向電圧と逆方向電圧を交互に印加することで、有機EL素子の発光強度の低下を抑制する発光装置が開示されている。
【特許文献1】特開平2001−203077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の発光装置では、有機EL素子を交流電源で駆動するため、有機EL素子に順方向電圧が印加される期間内(すなわち、有機EL素子が発光している期間内)において、有機EL素子を流れる電流値が時間とともに変化する。有機EL素子の発光強度は、有機EL素子を流れる電流値によって変化する。このため、特許文献1の発光装置では、有機EL素子を流れる電流値が変化することで、有機EL素子の発光強度も変化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、有機EL素子に逆方向電圧を印加することで有機EL素子の発光強度の低下を抑制しつつ、有機EL素子に順方向電圧を印加する際には有機EL素子に一定の電流を流すことができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の発光装置は、定電流源と、その定電流源に接続された第1有機EL素子と、定電流源から第1有機EL素子に印加される電圧の方向を切換えるスイッチと、第1有機EL素子と並列に接続され、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子に消灯するような方向の電圧が印加されたときに、電流が流れて電位差を発生する電位差発生手段と、を有する。
上記の発光装置では、第1有機EL素子に印加される電圧の方向がスイッチによって切り替えられる。第1有機EL素子に順方向電圧が印加されると、第1有機EL素子に電流が流れ、第1有機EL素子が発光する。この際、第1有機EL素子には定電流源から電流が供給されるため、第1有機EL素子には一定の電流が流れる。
一方、第1有機EL素子に逆方向電圧が印加されると、第1有機EL素子は消灯する。このとき、第1有機EL素子の逆方向のインピーダンスは極めて大きいため、第1有機EL素子に電流は殆ど流れず、第1有機EL素子と並列に接続された電位差発生手段を電流が流れる。電位差発生手段に電流が流れると、電位差発生手段に電位差(すなわち、第1有機EL素子の陽極と陰極の間に電位差)が発生し、その電位差は第1有機EL素子の陰極側の電位が高く、陽極側の電位が低くなる。このため、第1有機EL素子には逆方向電圧が印加され、有機EL素子の発光強度の低下が抑制される。
この発光装置では、第1有機EL素子に逆方向電圧が印加されることで発光強度の低下を抑制することができ、かつ、第1有機EL素子に順方向電圧が印加される際は第1有機EL素子に一定の電流を流すことができる。
本明細書では、有機EL素子の陽極が陰極に対して高電位となるような電圧の印加を「順方向電圧の印加」、陽極が陰極に対して低電位になるような電圧の印加を「逆方向電圧の印加」という。
【0007】
上記の発光装置において、電位差発生手段には種々の構成を採用することができる。例えば、電位差発生手段を第2有機EL素子とすることができる。この際、第2有機EL素子の陽極が第1有機EL素子の陰極に接続されており、第2有機EL素子の陰極が第1有機EL素子の陽極に接続されていることが好ましい。
このような構成によると、第1有機EL素子に順方向電圧が印加されると第2有機EL素子に逆方向電圧が印加され、第2有機EL素子に順方向電圧が印加されると第1有機EL素子に逆方向電圧が印加される。したがって、第1及び第2有機EL素子は、ともに逆方向電圧が印加されて発光強度の低下が抑制され、また、順方向電圧が印加される際は一定の電流が流れることとなる。
【0008】
また、電位差発生手段としては抵抗を用いることができる。電位差発生手段に抵抗を用いると、その抵抗値を適宜調整することで、第1有機EL素子に適切な逆方向電圧を印加することができる。
なお、電位差発生手段に抵抗を用いる場合、電位差発生手段はその抵抗と直列に接続されたダイオードをさらに有することができる。
このような構成によると、第1有機EL素子に順方向電圧が印加される際は電位差発生手段(抵抗+ダイオード)に電流が殆ど流れず、第1有機EL素子に逆方向電圧が印加される際に電位差発生手段(抵抗+ダイオード)に電流が流れる。このため、電位差発生手段による電力損失を低減することができる。
【0009】
また、本発明の第2の発光装置は、複数の有機EL素子と、複数の有機EL素子のそれぞれに電流を供給する定電流源と、複数の有機EL素子のそれぞれの点灯と消灯とを切換え制御する点灯制御手段と、を有する。そして、各有機EL素子は、当該有機EL素子が消灯している期間の少なくとも一部の期間において、点灯している他の有機EL素子に印加されている順方向電圧が逆方向電圧として印加される。
この発光装置においても定電流源を用いることで、有機EL素子に一定の電流を流すことができる。また、消灯されている有機EL素子に対しては、点灯されている他の有機EL素子の順方向電圧が、逆方向電圧として印加される。このため、各有機EL素子は、逆方向電圧が印加されることで発光強度の低下が抑制され、また、有機EL素子に順方向電圧が印加される際には有機EL素子に一定の電流が流れることとなる。
【0010】
また、第2の発光装置において、複数の有機EL素子の少なくとも一部は、2つの有機EL素子を並列に接続した発光ユニットを構成することができる。この場合に、発光ユニットの一方の有機EL素子の陽極を他方の有機EL素子の陰極に接続し、一方の有機EL素子の陰極を他方の有機EL素子の陽極に接続する。そして、点灯制御手段は、定電流源から発光ユニットに印加される電圧の方向を切換えることが好ましい。
このような構成によると、一方の有機EL素子に順方向電圧が印加されると他方の有機EL素子に逆方向電圧が印加され、一方の有機EL素子に逆方向電圧が印加されると他方の有機EL素子に順方向電圧が印加される。したがって、発光ユニットを構成する2つの有機EL素子に効率的に順方向電圧と逆方向電圧を印加することができる。
【0011】
また、本発明は、上記第2の発光装置と液晶パネルとを組み合わせることで新規な表示装置を提供する。
本発明に係る表示装置は、複数の画素と、それら複数の画素に画像信号を出力する画像信号出力部を有する液晶パネルと、液晶パネルの後方に配置され、液晶パネルを後方から照らす上記第2の発光装置を有する。
液晶パネルの画像信号出力部は、走査線毎に、当該走査線上の各画素に画像信号を出力する。そして、発光装置の点灯制御手段は、(1)液晶パネルの1の走査線上の各画素に画像信号が出力されている間は、そのデータが出力されている走査線に対応する有機EL素子を消灯し、(2)その走査線への画像信号の出力終了後の所定のタイミングで、その走査線に対応する有機EL素子を点灯する。
この表示装置では、液晶パネルの1の走査線上の各画素に画像信号を出力している間(すなわち、データの書き込みを行っている間)はその走査線に対応する有機EL素子が消灯され、その他の有機EL素子の全て又はその一部が点灯される。そして、その走査線上の各画素への画像信号の出力が終了した後の所定のタイミング(例えば、画像信号が出力された各画素の液晶分子の配向が完了するタイミング)で、その走査線に対応する有機EL素子が点灯される。これによって、液晶パネルに表示される動画の画質を向上することができる。
また、有機EL素子は、液晶パネルの走査と同期して点灯・消灯し、その消灯している期間には逆方向電圧が印加される。したがって、液晶パネルの作動中にも有機EL素子に逆方向電圧が印加され、有機EL素子の発光強度の低下が抑制される。
【0012】
さらに、本発明は、有機EL素子を利用して立体画像を表示する新規な表示装置を提供する。
本発明に係る表示装置は、複数の有機EL素子と、それら複数の有機EL素子の前方に配置されており、有機EL素子からの光を通して画像を表示する複数の画素を有する液晶パネルと、複数の有機EL素子の点灯と消灯を制御する点灯制御手段と、液晶パネルの前方に配置され、有機EL素子から各画素を通る光に指向性を付与する指向性部材と、を有する。
複数の有機EL素子は、液晶パネルの1の画素に対して、液晶パネルの水平方向に並んで配置される。そして、点灯制御手段は、(1)複数の有機EL素子の一部を点灯すると共に残りを消灯し、(2)消灯されている有機EL素子に対して、その消灯されている期間の少なくとも一部の期間において、点灯している他の有機EL素子に印加されている順方向電圧を逆方向電圧として印加する。
この表示装置では、液晶パネルの1の画素に対して、複数の有機EL素子が液晶パネルの水平方向に並んで配置される。このため、複数の有機EL素子のうち点灯する有機EL素子を変えることで、液晶パネルに表示される画像を異なる位置に視認させることができる。これによって、いわゆる立体画像を表示することができる。
また、有機EL素子は、液晶パネルによる画像の表示と同期して点灯・消灯し、その消灯している期間に逆方向電圧が印加される。したがって、表示装置の作動中にも有機EL素子に逆方向電圧が印加され、有機EL素子の発光強度の低下が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具現化した実施例について図面を参照して説明する。最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(形態1) 定電流源と、第1有機EL素子と、第2有機EL素子と、第1スイッチと、第2スイッチとを備える。第1有機EL素子と第2有機EL素子は逆並列に接続されている(すなわち、第1有機EL素子の陽極が第2有機EL素子の陰極に接続され、第1有機EL素子の陰極が第2有機EL素子の陽極に接続される。)。定電流電源の+側端子は、第1スイッチを介して第1及び第2有機EL素子に接続される。定電流電源の−側端子は、第2スイッチを介して第1及び第2有機EL素子に接続される。
第1スイッチは、定電流源の+側端子を第1有機EL素子の陽極(第2有機EL素子の陰極)に接続する第1状態と、定電流源の+側端子を第1有機EL素子の陰極(第2有機EL素子の陽極)に接続する第2状態に切り替える。
第2スイッチは、定電流源の−側端子を第1有機EL素子の陰極(第2有機EL素子の陽極)に接続する第3状態と、定電流源の−側端子を第1有機EL素子の陽極(第2有機EL素子の陰極)に接続する第4状態に切り替える。
第1スイッチが第1状態に切り替わると第2スイッチが第3状態に切り替わり、第1有機EL素子が発光すると共に第2有機EL素子に逆方向電圧が印加される。一方、第1スイッチが第2状態に切り替わると第2スイッチが第4状態に切り替わり、第1有機EL素子に逆方向電圧が印加されると共に第2有機EL素子が発光する。
(形態2) 定電流源と、第1有機EL素子と、第2有機EL素子と、・・第n有機EL素子と、各有機EL素子の陽極を定電流源の両端子に選択的に接続する第1スイッチ群と、各有機EL素子の陰極を定電流源の両端子に選択的に接続する第2スイッチ群とを備える。
第1有機EL素子・・第n有機EL素子は、定電流源に対して並列に接続されている。
第1スイッチ群及び第2スイッチ群は、第1有機EL素子・・第n有機EL素子の一部が、その陽極が定電流源の+側端子に接続されると共にその陰極が定電流電源の−側端子に接続される状態に切り替える。これと同期して、第1有機EL素子・・第n有機EL素子の残りの全部又は一部が、その陽極が定電流源の−側端子に接続されると共にその陰極が定電流電源の+側端子に接続される状態に切り替える。
【実施例】
【0014】
(第1実施例) 以下、本発明を具現化した一実施例について図面を参照しながら説明する。図1に示す発光装置10は、定電流源12、第1有機EL素子16、第2有機EL素子18を備えている。
【0015】
第1有機EL素子16は、例えば、基板上に形成された陽極16a、有機発光層及び陰極16bにより構成することができる。第1有機EL素子16には、有機発光層からの発光が基板側から取り出されるボトムエミッションタイプを用いることができる。
基板は、第1有機EL素子16を支持するための板状の部材であり、取り出す光に対して高い透過率を示す透明基板が用いられる。例えば、可視光領域で高い透過率を示すガラス基板や、透明なアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂から構成される透明樹脂基板等を用いることができる。
陽極16aは導電性の金属酸化物系材料で形成されており、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)や、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、ZnO(酸化亜鉛)、SnO(酸化錫)等を用いることができる。
有機発光層としては、Alq3等の発光材料を用いることで、赤色、緑色、青色、黄色等の単色光を示す構成のものや、それらの組み合わせによる発光色、例えば、白色発光を示す構成のもの等を用いることができる。白色を示す構成としては、発光層を2層や3層に積層させる積層型や、1層の発光層に異なる発光材料を混合させる混合型、1層を面内方向のエリアに分けて異なる発光層を塗り分ける塗り分け型等が挙げられる。また、電荷(正孔、電子)注入層、電荷輸送層、ブロック層等の機能層を適宜組み合わせることもできる。
陰極16bには、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、クロム等の金属やこれらの合金である少なくとも可視光に対して反射性を有する反射電極を用いることができる。
陰極16bより外側には、有機発光層を酸素及び水分から保護するための保護部を設けることができる。保護部は、パッシペーション膜や封止缶、又はそれらの組み合わせ等で構成される。上述した陽極、有機発光層、陰極及び保護部は、真空蒸着法、スパッタ法等の公知の薄膜形成法を適宜使用することができる。
【0016】
第2有機EL素子18は、第1有機EL素子16と同様に構成され、第1有機EL素子16に対して逆並列に接続されている。すなわち、第2有機EL素子18の陽極18aは第1有機EL素子16の陰極16bに接続されており、第2有機EL素子18の陰極18bは第1有機EL素子16の陽極16aに接続されている。
【0017】
定電流源12は+側端子と−側端子を備え、+側端子から−側端子へ向けて直流の定電流を供給する。定電流源12の+側端子は、スイッチ14を介して、第1有機EL素子16及び第2有機EL素子18に接続されている。定電流源12の−側端子は、スイッチ20を介して、第1有機EL素子16及び第2有機EL素子18に接続されている。
【0018】
スイッチ14は切り替えスイッチであり、ab間を導通する状態と、ac間を導通する状態とに切り替える。スイッチ14がab間を導通すると、定電流源12の+側端子が第1有機EL素子16と第2有機EL素子18との接続点17に接続される。これにより、定電流源12の+側端子は、第1有機EL素子16の陽極16aと第2有機EL素子18の陰極18bに接続される。スイッチ14がac間を導通すると、定電流源12の+側端子が第1有機EL素子16と第2有機EL素子18との接続点19に接続される。これにより、定電流源12の+側端子は、第1有機EL素子16の陰極16bと第2有機EL素子18の陽極18aに接続される。
【0019】
スイッチ20も切り替えスイッチであり、de間を導通する状態と、df間を導通する状態とに切り替える。スイッチ20がde間を導通すると、定電流源12の−側端子が接続点19に接続される。これにより、定電流源12の−側端子は、第1有機EL素子16の陰極16bと第2有機EL素子18の陽極18aに接続される。スイッチ20がdf間を導通すると、定電流源12の−側端子が接続点17に接続される。これにより、定電流源12の−側端子は、第1有機EL素子16の陽極16aと第2有機EL素子18の陰極18bに接続される。
【0020】
スイッチ14,20は、互いに同期して状態が変化する。本実施例では、スイッチ14がab間を導通する状態となるとスイッチ20がde間を導通し、スイッチ14がac間を導通する状態となるとスイッチ20がdf間を導通する。スイッチ14,20の状態の変化は周期的に行われる。
スイッチ14と、スイッチ20を同期させる手法は、どのようなものでもよい。例えば、スイッチ20をスイッチ14と機械的に連動して状態が切り替わるように構成してもよいし、スイッチ14,20が常に同期して状態が切替わるようにそれぞれのスイッチを操作してもよい。
【0021】
次に、発光装置10の動作を説明する。発光装置10を動作させるには、まず、スイッチ14をab間が導通する状態とし、スイッチ20をde間が導通する状態とする。この状態では、定電流源12の+側端子が第1有機EL素子16の陽極16aと第2有機EL素子18の陰極18bに接続され、定電流源12の−側端子が第1有機EL素子16の陰極16bと第2有機EL素子18の陽極18aに接続される。したがって、第1有機EL素子16には順方向電圧が印加されて、その有機発光層に正孔と電子が注入されて発光する。また、第2有機EL素子18には逆方向電圧が印加されて、その有機発光層の界面に蓄積した電荷が取り除かれる。
【0022】
ここで、有機EL素子は、順方向電圧に対するインピーダンスに対して、逆方向電圧に対するインピーダンスが極めて大きい。このため、定電流源12から供給される電流は、第2有機EL素子18を殆ど流れず、第1有機EL素子16を流れる。したがって、第1有機EL素子16には一定の電流が流れ、第1有機EL素子16は均一の発光強度で発光することができる。
また、第1有機EL素子16を順方向に電流が流れると、第1有機EL素子16の陽極16aと陰極16bの間に電位差が発生する。この電位差は、第2有機EL素子18の陰極18bと陽極18aの電位差となる。したがって、第2有機EL素子18の逆方向電圧の大きさは、第1有機EL素子16を電流が流れることによって発生する電位差となる。有機EL素子の順方向電圧に対するインピーダンスはそれほど大きくはないため、第1有機EL素子16を電流が流れることによって発生する電位差も過大なものとはならない。このため、第2有機EL素子18に印加される逆方向電圧も適度な大きさの電圧となり、第2有機EL素子18を劣化させることはない。
【0023】
上述した状態で所定時間が経過すると、次に、スイッチ14がac間を導通する状態に切り替わると共にスイッチ20がdf間を導通する状態に切り替わる。このため、定電流源12の+側端子が第1有機EL素子16の陰極16bと第2有機EL素子18の陽極18aに接続され、定電流源12の−側端子が第1有機EL素子16の陽極16aと第2有機EL素子18の陰極18bに接続される。したがって、第1有機EL素子16には逆方向電圧が印加されて、その有機発光層の界面に蓄積した電荷が取り除かれる。また、第2有機EL素子18には順方向電圧が印加されて、その有機発光層に正孔と電子が注入されて発光する。
なお、この状態においても、第2有機EL層18には一定の電流が流れて、一定の発光強度で発光する。また、第1有機EL層16に印加される逆方向電圧の大きさは、第2有機EL層18を電流が流れることによって発生する電位差であり、適度な大きさとなっている。
【0024】
以下、スイッチ14がab間を導通し、かつ、スイッチ20がde間を導通する状態と、スイッチ14がac間を導通し、かつ、スイッチ20がdf間を導通する状態とに交互に切り替わる。これによって、第1及び第2有機EL素子16,18に交互に順方向電圧と逆方向電圧が印加され、第1及び第2有機EL素子16,18はそれぞれ発光と消灯を繰返すこととなる。
【0025】
図2は第1及び第2有機EL素子16,18に印加される電圧と、第1及び第2有機EL素子16,18を流れる電流の経時的な遷移を示している。
図2から明らかなように、第1有機EL素子16及び第2有機EL素子18には、交互に順方向電圧と逆方向電圧が印加される。すなわち、第1有機EL素子16の順方向に電圧Vf1が印加されているときは、第2有機EL素子18には逆方向に電圧Vf1が印加され、また、第2有機EL素子18の順方向に電圧Vf2が印加されているときは、第1有機EL素子16の逆方向に電圧Vf2が印加される。したがって、第1有機EL素子16と第2有機EL素子18は交互に発光し、消灯している間は他方の有機EL素子の電位差が逆方向電圧として印加される。
また、図から明らかなように、第1及び第2有機EL素子16,18に順方向電圧が印加されている期間においては、有機EL素子16,18に流れる電流Ia1,Ia2は一定であり、これらの有機EL素子16,18は均一の発光強度で発光する。
【0026】
なお、スイッチ14,20を60Hz以上の周波数のパルスでパルス駆動し、第1及び第2有機EL素子16,18を交互に点灯と消灯を繰返すと、人間の目には第1及び第2有機EL素子16,18が連続して点灯しているように見える。このため、発光装置10を連続的な照明装置として用いることができる。
【0027】
以上、説明したように、本実施例の発光装置10では、定電流源12を用いることで各有機EL素子16,18に供給される電流の強さが一定となり、各有機EL素子16,18を均一の発光強度で発光させることができる。
また、消灯している有機EL素子16又は18には、点灯している有機EL素子18又は16の両端の電位差が逆方向電圧として印加される。このため、有機EL素子16又は18に印加される逆方向電圧は適度な大きさとなり、有機EL層16又は18の発光強度の低下が抑制される。このため、発光装置10は、長期間にわたって高い発光強度を維持することができる。
【0028】
なお、上述した実施例では、第1有機EL素子16に第2有機EL素子18を逆並列に接続したが、本発明はこのような構成に限られない。例えば、図12に示すように、有機EL素子16に抵抗Rを並列に接続するような構成をとることができる。このような構成では、定電流源から有機EL素子16に逆方向電圧が印加されると、定電流源からの電流は抵抗Rを流れる。このため、定電流源を用いて有機EL素子16に逆方向電圧を印加しても、有機EL素子16に過大な逆方向電圧が印加されない。
すなわち、有機EL素子と定電流源をそのまま接続して、有機EL素子へ逆方向電圧を印加しようとすると、逆方向電圧に対する有機EL素子のインピーダンスが極めて大きいため、有機EL素子に逆方向電圧として過大な電圧が印加されてしまう。有機EL素子に過大な逆方向電圧が印加されると、有機EL素子の耐久性を著しく損ねる。しかしながら、図12に示すように、有機EL素子16に抵抗Rを並列に接続することで、定電流源を用いて有機EL素子16に逆方向電圧を印加しても、定電流源からの電流は抵抗Rを流れることができ、有機EL素子16に過大な電圧が印加されることを防止することができる。
【0029】
あるいは、図13に示すように、抵抗Rと、この抵抗Rに直列に接続されたダイオードDを用いることもできる。抵抗RとダイオードDを組み合わせたものを利用する場合、ダイオードDの正極を有機EL素子16の陰極に接続し、ダイオードDの負極を有機EL素子16の陽極に接続する。このような構成によると、有機EL素子16に順方向電圧が印加される際は、抵抗R及びダイオードDに電流が殆ど流れず、無駄な電力の消費が抑えられる。
【0030】
なお、上述した図12,13に示すように、第2有機EL素子18の換わりに抵抗Rや、抵抗RとダイオードDを組み合わせた構成を用いる場合、有機EL素子16を点灯する時間と消灯する時間を任意に設定することができる。
【0031】
(第2実施例) 次に、第2実施例に係る発光装置35を説明する。図3に示すように、発光装置35は複数の有機EL素子21〜26を備えている。有機EL素子21〜26は、その発光面が帯状または線状に形成されている。有機EL素子21〜26は、その長手方向が水平となるようにして、垂直方向に並べて配置されている。
図3から明らかなように、有機EL素子21と有機EL素子24は逆並列に接続されて発光ユニットを形成し、その両端が定電流源33(図4参照)に接続されている。同様に、有機EL素子22と有機EL素子25は逆並列に接続されて発光ユニットを形成し、その両端が定電流源33に接続されている。また、有機EL素子23と有機EL素子26は逆並列に接続されて発光ユニットを形成し、その両端が定電流源33に接続されている。
なお、有機EL素子21〜26の構成については、第1実施例の有機EL素子16,18と同様の構成を採ることができる。
【0032】
図4に発光装置35の回路構成が示されている。図4に示すように、有機EL素子21,24はスイッチ27,28を介して定電流源33に接続され、有機EL素子22,25はスイッチ29,30を介して定電流源33に接続され、有機EL素子23,26はスイッチ31,32を介して定電流源33に接続されている。有機EL素子21,24と定電流源33との接続構成、有機EL素子22,25と定電流源33との接続構成、並びに有機EL素子23,26と定電流源33との接続構成は、既に説明した第1実施例と同様に接続されている。また、有機EL素子21,24で構成される発光ユニットと、有機EL素子22,25で構成される発光ユニットと、有機EL素子23,26で構成される発光ユニットは、定電流源33に並列に接続されている。
なお、スイッチ27〜32の切り替えは、図示しないコントローラによって切換えられる。スイッチ27とスイッチ28は同期して切換えられ、スイッチ29とスイッチ30も同期して切換えられ、スイッチ31とスイッチ32も同期して切換えられる。こられのスイッチが同期して切換えられる点は、第1実施例と同様である。
【0033】
図5は有機EL素子21〜26の点灯と消灯の経時的な遷移を示しており、図6は図5に示す各タイミングにおける有機EL素子21〜26の点灯状態を模式的に示している。なお、図5中、有機EL素子21を第1有機ELで表し、有機EL素子22を第2有機ELで表し、以下、順に有機EL素子23を第3有機EL、有機EL素子24を第4有機EL、有機EL素子25を第5有機EL、有機EL素子26を第6有機ELと表している。また、図6中、消灯している有機EL素子は色を付して示している。
【0034】
図5,6に示すように、期間t1においては、有機EL素子21,22,23が点灯し、これら有機EL素子21,22,23と逆並列に接続された有機EL素子24,25,26は消灯している。消灯している有機EL素子24,25,26には、点灯している有機EL素子21,22,23の陽極と陰極の間の電位差が逆方向電圧として印加されている。
次に、期間t2となると、有機EL素子22,23,24が点灯し、これら有機EL素子22,23,24と逆並列に接続された有機EL素子25,26,21は消灯している。消灯している有機EL素子25,26,21には、期間t1と同様に逆方向電圧が印加されている。
以下、同様に、点灯される有機EL素子が順次変更され、それに応じて逆方向電圧を印加される有機EL素子も順次変更される。
【0035】
上述した説明から明らかなように、第2実施例の発光装置35においても、各有機EL素子21〜26は点灯と消灯を繰り返し、消灯している間に逆方向電圧が印加される。これによって、有機EL素子21〜26の発光強度の低下を抑制することができる。
また、有機EL素子21〜26には定電流源33から電流が供給され、各期間t1〜t6において3つの有機EL素子が点灯されている。このため、点灯されている有機EL素子21〜26には同一強度の電流が流れ、その発光強度を均一にすることができる。
さらに、有機EL素子21〜26に定電流源33を用いて逆方向電圧を印加するが、各有機EL素子21〜26は、2つの有機EL素子(21,24),(22,25),(23,26)を逆並列に接続して1つの発光ユニットを形成しているため、その逆方向電圧が過大なものとはならず、素子の劣化を防止することができる。
【0036】
(第3実施例) 次に、第3実施例に係る発光装置40を説明する。図7に示すように発光装置40は、定電流源42と、複数の有機EL素子44〜49を備えている。有機EL素子44〜49も、第2実施例と同様に、その発光面が帯状または線状に形成され、その長手方向が水平となるようにして、垂直方向に並べて配置されている。
【0037】
各有機EL素子44〜49の陽極は、スイッチ56b〜61bをそれぞれ介して定電流源42に接続されている。スイッチ56b〜61bは、有機EL素子44〜49の陽極が定電流源42の+側端子に接続される状態と、−側端子に接続される状態とに切換える。
各有機EL素子44〜49の陰極は、スイッチ56a〜61aをそれぞれ介して定電流源42に接続されている。スイッチ56a〜61aは、有機EL素子44〜49の陰極が定電流源42の+側端子に接続される状態と、−側端子に接続される状態とに切換える。
【0038】
有機EL素子44の両極に設けられたスイッチ56a,56bは同期して切換えられる。例えば、有機EL素子44の陽極が定電流源42の+側端子に接続されると、有機EL素子44の陰極が定電流源42の−側端子に接続され、有機EL素子44には順方向電圧が印加される。スイッチ56a,56bを同期して切換えることで、有機EL素子44に順方向電圧と逆方向電圧が印加されるようになっている。
各有機EL素子45〜49のスイッチ57b〜61bも同様に、対応するスイッチ57a〜61aと同期して切換えられる。これによって、有機EL素子45〜49に順方向電圧と逆方向電圧が印加される。
【0039】
スイッチ56a〜61a及びスイッチ56b〜61bの切り替えは、図示しないコントローラによって切換えられる。本実施例では、有機EL素子44〜49のいずれか一つに逆方向電圧が印加され、その他の有機EL素子には順方向電圧が印加されるように、スイッチ56a〜61a及びスイッチ56b〜61bが切り替えられている。図7に示す例では、有機EL素子45に逆方向電圧が印加され、その他の有機EL素子44,46〜49には順方向電圧が印加されている。
【0040】
上述した実施例では、各有機EL素子44〜49には定電流源42から電流が供給されるため、各有機EL素子44〜49には一定の強度の電流が流れ、各有機EL素子44〜49は均一に発光する。また、各有機EL素子44〜49に逆方向電圧が印加されるときの電位差は、点灯している有機EL素子の両極の電位差であり、過大なものとはなっていない。このため、有機EL素子44〜49を定電流源42で駆動しても、有機EL素子44〜49に過大な逆方向電圧が印加されず、有機EL素子44〜49の劣化を防止することができる。
【0041】
なお、上述した第3実施例では、有機EL素子44〜49のいずれか一つを消灯し、残り全てを点灯するようにしたが、消灯する有機EL素子の数は適宜設定することができる。例えば、有機EL素子44〜49のうち2つ以上の有機EL素子を消灯し、残りを点灯するようにしてもよい。また、有機EL素子44〜49が消灯されている期間においては、その全期間において逆方向電圧を印加するようにしてもよいが、その一部の期間において逆方向電圧を印加するようにしてもよい。すなわち、有機EL素子への逆方向電圧の印加は、有機EL素子の有機発光層の界面に蓄積した電荷を取り除くために必要な時間だけ行えばよい。
【0042】
(第4実施例) 次に、第4実施例に係る表示装置を説明する。図8に示すように、第4実施例に係る表示装置は、液晶パネル70と、液晶パネル70の後方に配置されたバックライト83を備えている。
液晶パネル70は、公知のアクティブマトリックス型の液晶表示器であり、垂直駆動回路74から水平方向に伸びる複数の走査線78と、水平駆動回路72から垂直方向に伸びる複数の信号線76を有している。これら信号線76と走査線78の交点には、トランジスタ80を介して画素電極82が配置されている。したがって、液晶パネル70には複数の画素電極82が配置されている(すなわち、複数の画素を備えている。)。
【0043】
液晶パネル70に画像を表示するためには、垂直駆動回路74によって1の走査線78を選択した状態(すなわち、選択した走査線78に接続されたトランジスタ80をオンした状態)で、水平駆動回路72から各信号線76に画像信号(画像データ)を出力する。これにより、選択した走査線78上の対応する画素電極82に画像信号に応じた電圧が印加され、その印加された電圧に応じて当該画素の液晶分子が配向する。
このような走査線78の選択及び画像信号の出力を全ての走査線78について行うことで、液晶パネル70に画像が表示される。
【0044】
バックライト83は、液晶パネル70の各走査線78(詳しくは、走査線78により選択される水平方向に並んだ画素群)に対応して水平方向に伸びる帯状又は線状の発光面を有する有機EL素子84〜87を複数備えている。バックライト83には、上述した実施例3又は4等に記載の発光装置を用いることができる。
【0045】
複数の有機EL素子84〜87の点灯と消灯は、点灯制御回路88によって制御される。点灯制御回路88は、液晶パネル70の画像信号の出力に応じて有機EL素子84〜87を点灯制御する。例えば、図9に示すように、液晶パネル70の1の走査線78が垂直駆動回路74によって選択(ON)されているときは、その走査線78に対応する有機EL素子84を消灯する。そして、その走査線78の選択が終了したとき(時刻t2)から所定時間(各液晶分子が配向する時間)が経過すると(時刻t3)、当該有機EL素子84を点灯する。このように、液晶パネル70の垂直方向の走査と同期してバックライト83の有機EL素子84〜87の点灯と消灯を行うことで、液晶パネル70に表示される動画の画質を向上することができる。
【0046】
なお、バックライト83を構成する各有機EL素子84〜87には、上述した第3実施例の構成等を採用することで、消灯中に逆方向電圧を印加することができる。これによって、各有機EL素子84〜87の発光強度の低下を抑制することができる。
【0047】
(第5実施例) 次に、第5実施例に係る表示装置を説明する。図10,11に示すように、第5実施例に係る表示装置は、液晶パネル90と、液晶パネル90の後方に配置されたバックライト92によって構成されている。
液晶パネル90は、公知の液晶表示器(例えば、第4実施例で用いた液晶表示器)を用いることができる。液晶パネル90は、バックライト92からの光を透過して画像を表示する画素90aを複数備えている。液晶パネル90の各画素90aには、画像信号出力部97より画像データが出力される。
【0048】
バックライト92は、垂直方向に伸びる帯状又は線状の発光面を有する有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・を複数備えている。図11に示すように、複数の有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・は、液晶パネル90の一つの画素90aに対して水平方向に並んで配置されている。なお、有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・を駆動する駆動回路の構成には、上述した実施例(例えば、実施例3又は4等)の構成を採用することができる。また、有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・の発光制御は、発光制御部98によって行われる。
【0049】
図11に示すように、液晶パネル90の前方にはレンチキュラーレンズ96が配置されている。したがって、液晶パネル90の画像はレンチキュラーレンズ96を介して視認されることとなる。
ここで、液晶パネル90の1つの画素90aに対して水平方向に複数の有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・が並んで配置されている。このため、有機EL素子94aを点灯した状態で画素90aの画像が視認される位置と、有機EL素子94bを点灯した状態で画素90aの画像が視認される位置とは異なる。したがって、発光制御部98がバックライト92の有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・のうち点灯するものを変更することで、液晶パネル90に表示される画像を異なる位置に視認させることができる。これにより、本実施例の表示装置では立体的な画像を表示することができる。なお、液晶パネル90の画像表示制御及びバックライト92の点灯制御については、特開2005−10302号公報に開示の技術を用いることができる。
【0050】
また、有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・は点灯と消灯が行われるが、消灯されている間は、上述した各実施例に記載の方法等により逆方向電圧を印加することができる。このため、有機EL素子94a,94b,94c,94d,94e,・・の発光強度の低下を抑制することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1実施例の発光装置10の構成を模式的に示す図である。
【図2】発光装置10の各有機EL素子に印加される電圧と、これらの素子に流れる電流の状態の遷移を示す図である。
【図3】第2実施例の発光装置35を構成する有機EL素子の配置を模式的に示す図である。
【図4】発光装置35の回路構成を模式的に示す図である。
【図5】発光装置35を構成する各有機EL素子の点灯状態の遷移を示すタイミングチャートである。
【図6】発光装置35を構成する各有機EL素子の点灯状態の遷移を示す模式図である。
【図7】第3実施例の発光装置40の回路構成を模式的に示す図である。
【図8】第4実施例の表示装置の概略構成を示す図である。
【図9】第4実施例における有機EL素子の点灯タイミングを説明するための図である。
【図10】第5実施例の表示装置の液晶パネルとバックライトの関係を模式的に示す図である。
【図11】第5実施例の表示装置の概略構成を示す図である。
【図12】第1実施例の変形例を説明するための図である。
【図13】第1実施例の他の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0053】
10,35,40・・・発光装置
12,33・・・定電流源
16・・・第1有機EL素子
18・・・第2有機EL素子
14,20,27〜32,56a〜61a,56b〜61b・・・スイッチ
21〜26,44〜49,84〜87,94a〜94e・・・有機EL素子
68・・・コントローラ
70,90・・・液晶パネル
72・・・水平駆動回路
74・・・垂直駆動回路
76・・・信号線
78・・・走査線
80・・・トランジスタ
82・・・画素電極
83,92・・・バックライト
90a・・・画素
96・・・レンチキュラーレンズ
97・・・画像信号出力部
98・・・発光制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定電流源と、
該定電流源に接続された第1有機エレクトロルミネッセンス素子と、
前記定電流源から前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子に印加される電圧の方向を切換えるスイッチと、
前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と並列に接続され、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子に消灯するような方向の電圧が印加されたときに、電流が流れて電位差を発生する電位差発生手段と、を有する発光装置。
【請求項2】
前記電位差発生手段は第2有機エレクトロルミネッセンス素子であり、該第2有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極が前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極に接続されており、該第2有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極が前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記電位差発生手段が抵抗を有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記電位差発生手段は、前記抵抗と直列に接続されたダイオードをさらに有していることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
複数の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
それら複数の有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれに電流を供給する定電流源と、
前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子のそれぞれの点灯と消灯とを切換え制御する点灯制御手段と、を有し、
各有機エレクトロルミネッセンス素子は、当該有機エレクトロルミネッセンス素子が消灯している期間の少なくとも一部の期間において、点灯している他の有機エレクトロルミネッセンス素子に印加されている順方向電圧が逆方向電圧として印加されることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の少なくとも一部は、2つの有機エレクトロルミネッセンス素子を並列に接続した発光ユニットを構成しており、
該発光ユニットの一方の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極が他方の有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極に接続されており、一方の有機エレクトロルミネッセンス素子の陰極が他方の有機エレクトロルミネッセンス素子の陽極に接続されており、
前記点灯制御手段は、定電流源から前記発光ユニットに印加される電圧の方向を切換えることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
複数の画素と、それら複数の画素に画像信号を出力する画像信号出力部を有する液晶パネルと、
該液晶パネルの後方に配置され、該液晶パネルを後方から照らす請求項5に記載の発光装置と、を有し、
前記画像信号出力部は、走査線毎に、当該走査線上の各画素に画像信号を出力し、
前記発光装置の点灯制御手段は、(1)前記液晶パネルの1の走査線上の各画素に画像信号が出力されている間は、そのデータが出力されている走査線に対応する有機エレクトロルミネッセンス素子を消灯し、(2)その走査線への画像信号の出力終了後の所定のタイミングで、その走査線に対応する有機エレクトロルミネッセンス素子を点灯することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
複数の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
それら複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の前方に配置され、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子からの光を通して画像を表示する複数の画素を有する液晶パネルと、
前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯と消灯を制御する点灯制御手段と、
前記液晶パネルの前方に配置され、前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子から各画素を通る光に指向性を付与する指向性部材と、を有し、
前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記液晶パネルの1の画素に対して、前記液晶パネルの水平方向に並んで配置されており、
前記点灯制御手段は、(1)前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子の一部を点灯すると共に残りを消灯し、(2)消灯されている有機エレクトロルミネッセンス素子に対して、その消灯されている期間の少なくとも一部の期間において、点灯している他の有機エレクトロルミネッセンス素子に印加されている順方向電圧を逆方向電圧として印加することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−5072(P2007−5072A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182019(P2005−182019)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】