説明

有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法及び粒状窒素肥料製品

【課題】本発明は、バイオソリッドなどの(但しこれに限定するものではない)有機物から肥料を製造する新しい方法を提供する。また、本発明の方法により製造する肥料を提供する。
【解決手段】有機物に金属塩、水を添加してスラリーを生成する工程と、前記スラリーを高速攪拌機でせん断を加えて粘度を調整する工程と、乱流を形成するためのオリフィス板を有するパイプクロスリアクターと、アンモニア噴霧器と備えている造粒機に、スラリーを投下して粒子を形成する工程と、造粒機からの粒子と蒸気とを粒子分離装置で分離する工程と、分離した造粒機からの粒子をリサイクルする工程と、分離した造粒機からの蒸気を酸化装置で酸化する工程と、含む、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物質を肥料に変換するためのシステム、装置、および方法に関する。具体的には、本発明は、有機物質から肥料を製造する前に、有機物質に硫酸鉄または他の金属塩を添加することに関する。
【背景技術】
【0002】
下水汚泥の廃棄は、世界規模の大きな問題である。現在の下水汚泥の廃棄法には、焼却、直接的な陸および海への応用、殺菌のために加熱、乾燥し、その後の陸への応用、埋立地への堆積、あるいは外部からの熱源(例えば、購入した燃料を燃やすことによる)から供給される加熱および乾燥により標準的な回転式造粒機で行う造粒などがある。これらのうちのいくつかの方法によれば、肥料がもたらされる一方で、その肥料が持つ植物のための栄養価は比較的低いという分析が出ている。
肥料の植物栄養価の表し方としては、肥料のNPK値の識別があり、ここで、Nは窒素の量、Pは、燐酸(五酸化燐P2O5として表わす)の量、Kは、カリウム(酸化カリウムK2Oとして表わす)の量のことである。そこで、米国特許第3,050,383号に報告されているように、2.5/2.5/0の値を有する下水汚泥は、2.5%の窒素、P2O5として2.5%の燐酸、およびK2Oとして0%のカリウムを含む。ここにおいては、すべてのパーセント値は、別段の指定がある場合を除いて重量%(すなわちw/w)である。
【0003】
幸いにして、分析結果が比較的低い有機性廃棄物の栄養価を高める方法がある。例えば、前述したウイルソン特許(その内容は、参照することにより、全体として本出願の一部に含まれる)に、量をコントロールした硫酸や燐酸(または、強度を燐酸として表わす同等の燐化合物)などの酸またはそれらの混合物、およびアンモニア水またはアンモニア性窒素塩含有溶液などのアンモニア性溶液といっしょに乾燥家畜糞尿および下水汚泥を処理し、その大量の反応物を混転させ、植物栄養価のグレードが上がるか、または植物栄養価そのものが上がった粒状肥料を生成する方法が開示されている。
酸、塩基およびその混合物により、植物栄養価が比較的低い有機性廃棄物の栄養価を高めるための他の方法も記載されている。(例えば、米国特許第4,743,287号、Nortonら(1977年2月1日)への米国防衛特許T955,002号、米国特許第5,446,273号、米国特許第5,125,951号、米国特許第5,118,337号、米国特許第5,393,317号、米国特許第5,422,015号)。
当業界では、アンモニア塩を製造するための管状リアクタが知られている(例えば、米国特許第6,117,406号、米国特許第2,902,342号、米国特許第2,755,176号、および米国特許第2,568,901号であり、その内容は、参照することにより、本出願に含まれる)。リアクタの管内において、塩基と酸を反応させることにより、発熱反応が管状リアクタ内で行われる。欧州特許公報770,586A1号にも、栄養価が比較的低い分析値の有機性廃棄物を処理するために管状リアクタを使用することができるということが開示されている。この欧州特許公報には、一般的に、有機性廃棄物、アンモニア、および酸を管状リアクタに導入し、発熱反応を行い、汚泥から蒸気を分離し、さらに汚泥を処理することにより有機性廃棄物を処理するプロセスが記載されている。
管状リアクタに関わる代表的なコンポーネントは、事前中和装置である。この事前中和装置は、通常、酸をリアクタに導入する前に酸の部分的中和が達成されるように管状リアクタと連動して使用する。しかし、事前中和装置を使用すると、流量を正確に制御することが難しくなるということを含めて様々な不利な点が生じる。さらに、事前中和装置の使用に伴う運転および装置のコストは、しばしばかなりの出費になる。
【0004】
管状リアクタに似たリアクタに、パイプクロスリアクタがある。パイプクロスリアクタは、管状リアクタと同様に発熱反応を起こすことは可能であるが、基本的には、試薬を徹底的に混合するためには、塩基と反応する1種類または異なる2種類の酸溶液を導入する必要がある。このことは、事前中和装置の必要性をなくすため、パイプクロスリアクタの重要な特徴となっている。クロスパイプリアクタの第1段階においては、塩基、および/または洗浄水および有機性物質溶液を事前混合する。第2段階では、パイプクロスリアクタは、酸性溶液が、実質的に相対する流れとしてパイプクロスリアクタに直角に導入されるように作られた最大2個の酸の入口を設けて作られる。酸はリアクタに対し直角に入り、相対する流れとなることにより、酸が充分に混合される効果があり、従って、事前中和装置などの補助装置の必要がなくなる。
パイプクロスリアクタは、公知であり、過去には、液体薬品から粒状NPKS肥料を製造するのに使用されてきた。(例えば、「パイプクロスリアクタによる省エネルギー型肥料製造」(米国エネルギー省、1982年)(従来型アンモニア処理造粒システムの造粒ドラムに取り付けたパイプクロスリアクタ)、Achorn等による「Optimizing Use of Energy in the Production of Granular Ammonium Phosphate Fertilizer(粒状燐酸アンモニウム肥料の製造におけるエネルギー使用の最適化)」(1982年、ギリシャ、パリニビーチにおけるISMA技術会議)、British Sulfur社による「TVA modifies its pipe reactor for increased versatility(TVAは、多様性を増やすためにパイプリアクタを改造する)」”Phosphorus & Potassium(燐およびカリウム)” 90号 25〜30頁(1977年)、Achorn等による「Efficient Use of Energy in Production of Granular and Fluid Ammonium Phosphate Fertilizers(粒状および液体燐酸アンモニウム肥料の製造におけるエネルギーの有効使用)」(1982年、インド、ニューデリにおける肥料協会セミナー)、Salladay等による「Commercialization of the TVA Pipe−Cross Reactor in Regional NPKS and DAP Granulation Plants in the United States(米国内広域NPKSおよびDAP造粒プラントのTVAパイプクロスリアクタの商品化)」(1980年、インド、ニューデリにおける肥料協会セミナー)米国特許第4,619,684号、米国特許第4,377,406号、米国特許第4,134,750号、Norton等に対する米国防衛特許公報T969,002(1978年4月4日)、およびSalladay等による、「Status of NPKS Ammoniation−Granulation Plants and TVA Pipe−Cross Reactor(アンモニア処理造粒プラントの状況およびTVパイプクロスリアクタ)」(1980年、米国ジョージア州アトランタにおける肥料業界会議(Fertilizer Industry Round Table))。もっと最近では、パイプクロスリアクタは、栄養価の比較的低い有機性廃棄物の栄養価を高めるためにうまく使用されてきた(例えば、米国特許第5,984,992号、第6,159,263号、いずれも、参照することにより、全体として本出願に含まれる)。
【0005】
パイプクロスリアクタや管状リアクタなどのリアクタにより、栄養価が比較的低い有機性廃棄物を発熱反応によって処理することで欠点として生じる可能性があるのは、処理中の有毒排気ガスの臭いである。有機性廃棄物の処理にパイプクロスリアクタを使用してきたことは、その処理に伴う臭いの減少に基本的に役立ってきた。しかし、臭いの発生する可能性をなくすか、少なくとも現在の排出レベルを超えて減少させることをさらに強く保証する必要がある。
さらに、設備投資とともに運転コストの点で汚泥処理効率の改善に対する要望が引き続きある。
当業界では、植物栄養価が比較的低い有機廃棄物を、実質的に有毒ガスの臭いを出さない植物栄養価の高い組成になるように処理するための比較的簡単で有効なプロセスに対するニーズがある。このようなプロセスでは、市販の散布機により散布できるサイズや形状の製品を製造することが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,050,383号
【特許文献2】米国特許第4,743,287号
【特許文献3】米国防衛特許T955,002号(1977年2月1日)
【特許文献4】米国特許第5,446,273号
【特許文献5】米国特許第5,125,951号
【特許文献6】米国特許第5,118,337号
【特許文献7】米国特許第5,393,317号
【特許文献8】米国特許第5,422,015号
【特許文献9】米国特許第6,117,406号
【特許文献10】米国特許第2,902,342号
【特許文献11】米国特許第2,755,176号
【特許文献12】米国特許第2,568,901号
【特許文献13】欧州特許公報770,586A1号
【特許文献14】米国特許第4,619,684号
【特許文献15】米国特許第4,377,406号
【特許文献16】米国特許第4,134,750号
【特許文献17】米国防衛特許公報T969,002号(1978年4月4日)
【特許文献18】米国特許第5,984,992号
【特許文献19】米国特許第6,159,263号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「パイプクロスリアクタによる省エネルギー型肥料製造」(米国エネルギー省、1982年)(従来型アンモニア処理造粒システムの造粒ドラムに取り付けたパイプクロスリアクタ)
【非特許文献2】Achorn等による「Optimizing Use of Energy in the Production of Granular Ammonium Phosphate Fertilizer(粒状燐酸アンモニウム肥料の製造におけるエネルギー使用の最適化)」(1982年、ギリシャ、パリニビーチにおけるISMA技術会議)
【非特許文献3】British Sulfur社による「TVA modifies its pipe reactor for increased versatility(TVAは、多様性を増やすためにパイプリアクタを改造する)」”Phosphorus & Potassium(燐およびカリウム)” 90号 25〜30頁(1977年)
【非特許文献4】Achorn等による「Efficient Use of Energy in Production of Granular and Fluid Ammonium Phosphate Fertilizers(粒状および液体燐酸アンモニウム肥料の製造におけるエネルギーの有効使用)」(1982年、インド、ニューデリにおける肥料協会セミナー)
【非特許文献5】Salladay等による「Commercialization of the TVA Pipe−Cross Reactor in Regional NPKS and DAP Granulation Plants in the United States(米国内広域NPKSおよびDAP造粒プラントのTVAパイプクロスリアクタの商品化)」(1980年、インド、ニューデリにおける肥料協会セミナー)
【非特許文献6】Salladay等による、「Status of NPKS Ammoniation−Granulation Plants and TVA Pipe−Cross Reactor(アンモニア処理造粒プラントの状況およびTVパイプクロスリアクタ)」(1980年、米国ジョージア州アトランタにおける肥料業界会議(Fertilizer Industry Round Table)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、現在の戦略や設計に伴う問題および欠点を解決し、バイオソリッドなどの(但しこれに限定するものではない)有機物から肥料を製造する新しい方法を提供する。また、本発明の方法により製造する肥料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1実施例は、スラリーを生成するために該有機物に金属塩を添加することを含む、有機物から粒状窒素肥料を製造する方法に関する。有機物は、脱水されたバイオソリッドを含み、スクラバーからの水を含んでいることが好ましい。使用できる金属塩は、鉄塩、亜鉛塩、またはその混合物を含む。好ましい鉄塩には、硫酸第二鉄または酸化第二鉄があり、好ましい亜鉛塩としては、硫酸亜鉛または酸化亜鉛がある。金属塩は、硫酸などの酸と混合して酸性化された金属塩を生成することが好ましい。スラリーのpHは、約2〜2.5の範囲である。充分な量の酸性化した金属塩を有機物に加え、運転中に流体の流れが妨げられないようにスラリーの粘度を下げる。金属塩が、酸性化された硫酸第二鉄または硫酸第一鉄を含む場合は、乾燥重量換算で、0.1重量%〜10重量%の硫酸鉄を含む肥料製品を製造するのに充分な鉄が存在することが可能である。硫酸を有機物に添加する場合は、pHが3.0〜3.5の範囲になるように、混合タンクに到達する前に合計供給量の約1.75%の添加率で添加することが好ましい。
【0010】
スラリーは、高剪断を生じさせるのに充分な速度で回転する高剪断回転式攪拌機を有する剪断式混合タンクに、ポンプで汲み上げることが好ましい。スラリーは、剪断混合タンクから攪拌機を有する保持タンクまたは平衡タンクに通過させる。攪拌機により、スラリーを約2時間以上保存しておくこともできる。保持タンクまたは平衡タンクは、15%〜28%の固形分とともにスラリーのpHを3.0〜4.0に保持するために運転することができる。金属塩は、スラリーの1個以上の元素と化学的に結合させてもよい。鉄塩を使用する場合は、鉄は、スラリー内に存在する硫酸アンモニウムまたは燐酸アンモニウムと結合することができる。このことにより、造粒形成が促進され、スラリー内の硫黄化合物が減少し、運転中の臭いおよびホコリの発生が減少する。
金属塩が、スラリー中の有機分子の化学的加水分解を開始させることが好ましい。それにより、有機物から硫黄化合物を追い出し、製造される肥料製品中の臭気源を減少させることができる。
金属塩は、パイプクロスリアクタまたは管状リアクタ内の有機物に添加されることが好ましい。金属塩は、パイプクロスリアクタの反応速度を高めるとともに、金属塩を添加しなかった場合に比べて、パイプクロスリアクタの運転がコントロールし易くなるようにスラリー粘度を下げる。
【0011】
本発明のもうひとつの実施例は、本発明による方法により製造される肥料製品に関する。好ましい製品は粒状であり、金属塩は、製品の硬度を高める。製品は、6ポンド超の破壊重量を持つことが可能であるが、好ましくは7ポンド超である。肥料の粒は、肥料として使用される場合に、植物に対して生物学的に利用可能な金属を含むことが好ましい。製品に含まれる金属の水への溶解度は高まり、製品は、汚染度が低い。
本発明の他の実施例および利点は、以下の記述に部分的に記載され、この記述から部分的に明らかになるか、あるいは本発明の実施により知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1実施形態のプロセスフローを示す図である。
【図2】パイプクロスリアクタの様式図である。
【図3】回転式造粒機におけるパイプクロスリアクタの部分断面図である。
【図4】造粒機における材料用回転ベッドの様式端面図である。
【図5】パイプクロスリアクタと使用するオリフィスプレートの側面図である。
【図6】汚泥事前処理の1実施形態のプロセス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この出願書に具体化され、広く記載されているように、本発明は、有機物の処理システムおよび処理方法に関する。さらに具体的には、本発明は、汚泥を処理し、汚泥を肥料に変えるシステムおよび方法に関する。
【0014】
図1に示す通り、有機性廃棄物の植物栄養価を高めるためのプロセスは、一般に有機性廃棄物を水10と混合する必要がある。有機物を水と混合するための好ましいプロセスを図6に記載する。このプロセスは、有機性廃棄物および水などの(但し、水に限定するものではない)流体を金属塩(好ましくは鉄)と混合することを含むことが好ましい。スラリーを作るのに使用する水は、後述するスクラバー38から出る洗浄水を含むことが望ましく、この水は廃棄酸を含むこともできる。スラリーは、有機性廃棄物をできるだけ迅速に処理するが、運転中にリアクタを詰まらせたり、塞いだりしないように、充分な濃度および堅さで混合することが好ましい。好ましいリアクタは、パイプクロスリアクタ12であるが、それに代わって、管状リアクタも使用でき、さらにはシステム内でパイプクロスリアクタと連動して使用することさえも可能である。スラリーの濃度および堅さは、有機性廃棄物に含まれる非水溶性粒状物の大きさと量、およびリアクタコンポーネントの大きさおよび長さにある程度左右される。しかし、スラリーは、パイプクロスリアクタに送られるとき、一般に、少なくとも5%の固形分を含み、可能性としては約35%も含むこともある。スラリーの固形分は、約10%〜30%が好ましく、14%〜28%がさらに好ましく、15%〜22%がさらに好ましい。
【0015】
図1に示す通り、スラリーは、例えばアンモニアなどの塩基、および硫酸、燐酸、およびその混合物などの酸と発熱反応を行うために攪拌タンク10からパイプクロスリアクタ12にポンプにより送られる。この場合、溶解物を生成するために補助的な水を伴う場合と伴わない場合がある。
【0016】
発熱プロセスで使用される酸および塩基の量は、当業界の技術の1つにより決定する。しかし、アンモニアの中和は、アンモニア各2モルに対して、硫酸約1モルまたはリン酸として表わすリン酸化合物2モルの使用が指針となる。リン酸の濃度に関しては、パイプクロスリアクタ内のN:Pの代表的モル比は、0.4:1〜0.7:1の間であり、好ましくは、0.55:1〜0.65:1の間であり、硫酸の濃度に関しては、パイプクロスリアクタ内のN:Sの代表的モル比は、0.5:1と0.8:1の間であり、好ましくは、0.65:1と0.72:1の間である。窒素のモル量については、添加するアンモニアの量だけでなく有機性廃棄物に含まれるアンモニア性窒素の代表的な量も考慮すべきである。
本発明で使用できる他の酸には、硝酸、酢酸、クエン酸、およびその混合物が含まれ、その全ては、当業者に公知である(例えば、爆発性有機物の存在下において、硝酸アンモニウムを生成する硝酸およびアンモニア化合物)。選んだ酸が複数であれ、単独であれ、本プロセスにおいて使用する酸の強さは、90%硫酸に同等であることが好ましい(例えば、93〜100%の硫酸)。
【0017】
図2に示す通り、パイプクロスリアクタ12には、硫酸(約17.2〜25.8gpmの流量で供給)およびリン酸(約5.2〜7.8gpmの流量で供給)を受け入れるために、2本のクロスパイプ26、28が設けられていることが好ましい。
【0018】
第3のパイプ30は、アンモニアをリアクタの中心またはその近くに導く。このパイプ30の長さは、充分な混合を確実にするために、少なくとも20〜30インチあることが望ましい。第3のクロスパイプ32は、スラリーおよび追加の水を混合室に導く。第3のクロスパイプ32と第1、第2クロスパイプ26、28の間には、均一で大きな混合を確実にするスラリーの流れに乱流を導入するために利用するオリフィス板33が置かれる。
【0019】
本発明に使用するための代表的なクロスパイプリアクタは、直径が約3〜10インチであり、長さが約7〜15フィートあり、末端は、例えば2〜8インチの排出パイプ(または、同等の断面積のスロット)の中で終わっており、ステンレススチール製挿入物または商標名TEFLONのライニング付きが好ましい。排出パイプは、標準的な回転ドラム式造粒機14内に排出し、スチールパイプ(例えば、HASTELLOY C−276または316Lステンレススチール(反応チューブ用にはHASTELLOY CまたはB))によりできていることが好ましい。パイプクロスリアクタ内には、商標名TEFLON、セラミック、あるいはその他の耐腐食性のライニングも使用できる。温度は、204℃(400°F)より低く維持されることが好ましい。
【0020】
オリフィス板33は、図5に示す通り、パイプクロスリアクタ12に似た材質で形成される板を含み、オリフィス35すなわちパイプクロスリアクタの直径より小さな直径の穴を含む。従って、例えば直径が(6)インチのパイプクロスリアクタは、数インチ未満の直径のオリフィス35を有するオリフィス板33を採用する。オリフィス35のサイズを決定するに当たっては、スラリーの固形含有量とともにスラリー、酸、塩基の流量を含む様々なパラメータが考慮される。従って、プロセスパラメータのいずれかが変われば、所与のパイプクロスリアクタ12のオリフィス35のサイズも変わる。
【0021】
図5は、循環オリフィス板の使用について示しているが、驚いたことに、一般的に2本のパイプクロス型リアクタの上流において乱流を強くするために、突起を追加すると、熱回収量が上がるということが見出された。他の実施例においては、乱流は、1個の段差や直列または流れに対して平行な複数の段差等の隆起および1本以上のワイヤを使用する、空気などのガスを圧縮して送り込む、音波振とうあるいは振動壁をこの位置において使用するなどして創り出す。例えば、それぞれ、その位置において、直径の0.02、0.05、0.1、0.2、または0.3倍だけ管腔中間に向かって空間内に突き出る間隔を均等に空けた2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上の段差を使用して乱流を創り出す。ある実施例では、段差は、パイプ内に収縮部分を形成する環状の厚い部分である。例えば、高度音響工学が提供するような音響バイブレ−タも使用できる。図2および図5に示す通り、くびれ(restriction)は、丸型である必要はなく、楕円形、四角、あるいは不定形等の別の断面形状も可能である。特に、楕円形の縦横構成比率は、長い方の楕円軸が2本のクロスパイプの開口部に接続する線を横切って伸びるように、狭い方の末端がクロスパイプに向いていることが望ましい。別の実施例では、楕円形の短い方の軸が、2本のクロスパイプと接続している線を横切って伸びる。この場合の長軸の楕円形では、直角なクロスリアクタから入ってくる流れによりぴったりと適合した乱流ができ、特に、図2に示す通り、直角なパイプクロスリアクタを使用する場合は、この楕円形が望ましい。
【0022】
多くの実施例では、隆起は、流れ直径の0.1〜3倍の距離だけクロスリアクタ出口の平均的位置から上流に位置していることが最適な配置である(すなわち、流れの長さの間、ある間隔で配置されるクロスリアクタ出口の中間である)。隆起は、流れ直径の0.3〜1.5倍の距離だけクロスパイプリアクタの前方に位置することがさらに好ましい。最適な配置は、流量に左右されて変化する。流量が非常に多い場合は、隆起は、さらに離して配置し、流れの通路に隆起する度合いを制限すべきである。本実施例は、隆起部が離れる距離および流れの通路に突き出る度合いのコントロールを可能にする調節可能な環状リング、あるいは調節可能な段差によって実施される。環状リングは、開口サイズに合わせて調節すること、および別の位置に取り付けることもできる。複数の音響バイブレータを使用する場合は、異なる位置に置き、それぞれ、遅い流速あるいは速い流速および/または低い粘度に対応するために切り替えることができる。
【0023】
クロスパイプリアクタ自体の調節は、所与の粘度および所与の流速に合わせて最適化できる。多くの実施例で、クロスリアクタパイプは、図2に示す通り、互いに正確に相対していることが有利である。この配置は、所与の粘度に匹敵する粘度の流体を所与の流速に匹敵する流速で添加させる場合に望ましい。また、複数(3、4、あるいはそれ以上)のクロスパイプを使用するのも望ましい。例えば、粘度が充分に低い場合は、相対する側を通してそれぞれ2種類の物質を処理する4−way(4本の直角パイプ)が使用できる。複数のクロスリアクタパイプは、粘度および/または流速の変化に対応するために切り替えることができる。例えば、粘度の低い物質あるいは流速の速いシステムは、隆起からさらに離れ(さらに下流)、かつ開閉できる1個以上のクロスリアクタの入口を使用することでメリットがある。他の組み合わせも、流れ、汚泥物の種類、試薬を変え、その後下流の1箇所以上のポイントにおいて温度を測定して熱回収をモニターするなど、ルーチンのキャリブレーションで最適化できる。調節可能な隆起部を取り付け、クロスパイプを配置し、流量を最適化することにより、熱回収を行うことができる。
【0024】
さらに別の実施例では、クロスパイプリアクタの下流のあるポイントで混合物の温度を常にモニターし、隆起の位置、汚泥の流量、塩基の流量、添加水の流量、酸(1種類以上)の流量を調節し、さらに最適な結果が得られるようにクロスリアクタの出口を切り替える自動システムが提供されている。望ましい実施例では、より高い温度を得るために塩基、希釈水、酸、第2の酸、および/または汚泥の流量を上下に調整する。別の実施例では、2本以上のクロスパイプの間で切り替えを行い、さらに望ましい温度を得る。またさらに別の実施例では、充分な混合が行えるようにさらに望ましい粘度を得るために、放出された熱の一部が、コントロール可能な方法で、入ってくる流れに返される。コントロールシステムは、回収された熱、および汚泥ポンプに対するバックプレッシャやパイプクロスリアクタゲージで測定されたバックプレッシャ等の別の測定変数に従って熱転送量を調節する。
【0025】
本発明のこの実施例のいずれの理論にも拘束されることなく、オリフィス板、その他のメカニズム、あるいは装置などの隆起物により、オリフィス板33の下流、一般的には第1、第2クロスパイプ26、28の近くに乱流域を誘発させてスラリーを大きく混合することができる。多くの場合、発生する乱流が激しくなれば、より高い溶解温度として測定される通り、発生熱量が増加する。温度は、試薬が追加される最終クロスパイプの部分、またはその下流、例えば、パイプ径の1あるいは2倍の距離だけ最終クロスパイプよりさらに下流において測定する。オリフィス板を使用すると、オリフィス板を使用しない同様のパイプクロスリアクタより約30%熱回収率を上げる効果があるということが観察されてきた。オリフィス板33は、所望により、直径の異なるオリフィス35の別のオリフィス板に変えることができる。
【0026】
図2を参照すると、アンモニアは、約4.3gpmの流量でこの図に示す代表的なシステムに導入される。有機性廃棄物(例えば、下水汚泥)と水を、スラリーとして約30ないし40gpmの流量で取り込む。ここに示すパイプクロスリアクタは、通常15〜60psigのゲージプレッシャで作動する。
【0027】
熱い溶解物が、パイプクロスリアクタ12から造粒機14のなかに排出し、一方、溶解物が、造粒機14に排出されるとともに、リアクタ製造物から水が勢いよく流れる。パイプクロスリアクタ内で行われる発熱反応により水蒸気が発生する。
【0028】
図3、図4に示す造粒機(例えば、アンモニア処理式造粒機)は、長さが約5〜9mで直径2〜4mの回転ドラム式造粒機が望ましい。図3に示す通り、パイプクロスリアクタ12は、垂直に向いており、造粒機14に入る前に、90度の移行部分または曲がり部を含む。図示したパイプクロスリアクタ12の位置は、混合能力が高いので、好ましい位置である。しかし、移行部または曲がり部(例えば、米国特許第5,984,992号および第6,159,263号)がなくても、水平に向いているパイプクロスリアクタで満足する結果が得られる。
図示したプロセスでは、造粒機14は、最終製品に向けて酸と塩基の反応を完結させるために溶解物にアンモニアを添加するため、造粒機14内に操作可能に位置するアンモニア噴霧器20を備える。溶解物は、造粒機14内でリサイクルされる細かい粒子上で転がされ、造粒粒子が形成される。このようにして、造粒粒子は、所望のサイズに成長する。その後、この造粒粒子は、図1に示す通り、含有水分を減らすために、ロータリードライヤ16の中に入り十分な時間を経て、その結果高い植物栄養価の肥料ができる。スラリーと酸、塩基の反応中に生成する蒸気(例えば、勢いよく流されるスチーム)は、プラント装置内での凝縮が起きないように露点蒸気を増やすために集められ、ロータリードライヤ16の中に送られる。
【0029】
ドライヤ16内に直接蒸気を通すことは、米国特許第5,984,992号および第6,159,263号のそれと比較すると、別のプロセスである。パイプクロスリアクタに関連する以前のプロセスでは、造粒粒子は、乾燥する前に独立した乾燥工程に掛けるために蒸気から分離されることが普通であった。現在図示されているプロセスでは、追加の粒子分離装置およびエアー処理が必要なく、結局のところ、簡単で効率のよいプロセスになっている。
本発明で使用するためのドライヤは、直径が2〜4mの回転式ドラムドライヤで長さが約17m〜約33mあり、加熱能力が3千万〜7千万BTU/hある排出末端に塊粉砕機付きのもことが好ましい。
さらに、プロセスは、乾燥した造粒粒子を、スクリーン18などの粒子分離装置まで通過させる工程、および乾燥した造粒粒子を微粉、製品、およびサイズが大き過ぎるものとに分離する工程を含む。
サイズが大き過ぎるものは、微粉としてプロセスに戻すためにサイズを落とす。微粉は、プロセスに組み込むために、(カリウム、あるいは所望の最終製品の栄養価に必要な微量栄養素とともに)造粒機14に戻す。
【0030】
プロセス中、アンモニア、粒子、露点以上の水蒸気を含む煙霧は、ドライヤ16から集めてダストサイクロン34などの粒子分離装置を通す。ダストサイクロン34は、粒子の一部を空気から取り除き、この粒子(例えば、ホコリ)を、微粉および砕いたものと一緒にリサイクルする。
このとき発生する煙霧は、ダストサイクロン34を出て、バグハウスフィルタ36などの追加の粒子分離装置により処理される。バグハウスフィルタは、増えた粒子分、特にダストサイクロン34で除去された粒子より小さいサイズの粒子を除去する働きがある。バグハウスフィルタ36から除去された粒子は、造粒機14で使用するために、同様に、微粉および砕いたものといっしょにリサイクルされる。
【0031】
バグハウスフィルタを出た煙霧は、引き続き、アンモニアガスや小さいダスト粒子を収集するための水分離チャンバを備えたベンチュリスクラバーまたはパックトベッドスクラバーなどのスクラバー38により処理される。本発明では、造粒機14から逃げた反応しなかったアンモニアガスを収集するために、スクラバー38に低pHの水を使用する。ある実施例では、スクラバー38に少量の硫酸またはリン酸を添加して低pH(例えば、2〜3)を維持し、アンモニア蒸気を適切に洗浄する。
【0032】
また、プロセスには、例えば、再生熱式酸化装置(RTO)40内で酸化するように、スクラバーを出る空気を酸化する工程が含まれる。RTO40は、破壊しないと空気中に放出される揮発性有機化合物(VOC)およびその他のガス性炭化水素汚染物質を破壊するために使用する。RTO40は、高温熱式酸化法により、VOCおよび炭化水素ガスを破壊し、VOCや炭化水素ガスを二酸化炭素と水蒸気に変換する。さらに、空気の酸化は、除去しない場合大気中に排出されることになる有毒臭を実質的に除去する役割を担う。酸化処理から放出されるエネルギーは、運転コストを軽減するためにリサイクルできる。
空気は、RTO40から引いて排気筒42を通して大気中に排出される。プロセスには、塩基(例えば、アンモニア)をパイプクロスリアクタ12および/または噴霧器20を介して造粒機14に導入する前にプレヒートするために、排気筒42内の排気ガスの熱を利用する工程を含むことが有利となる。
【0033】
図示したプロセスにおける換気の別の態様として、スクリーン18から空気を収集する工程が含まれる。このプロセスには、2つの選択肢が意図されており、その両方とも、粒子の除去および粒子と空気の両方のリサイクルを含む。最初の選択肢には、ダストサイクロン34により空気を処理し、粒子と空気両方を造粒機14にリサイクルすることが含まれる。第2の選択肢には、ダストサイクロン34を利用することは含まれるが、さらにバグハウスフィルタ36により空気を処理し、造粒機にリサイクルするために再度粒子を収集することを含む。バグハウスフィルタ36を出た空気は、造粒機14ではなく、ドライヤ16に進む。
【0034】
本発明で使用する換気システムの別の態様として、上記の様々な処理ステージ間の空気の移動のためのファンを含むことが好ましい。移動する空気の量は、除去すべき水分(露点以上)の量、融点、または肥料製品の解離温度によって決まる。
【0035】
NPK肥料には、微量栄養素、鉄、亜鉛が含まれる。好ましい実施例では、溶融亜鉛メッキまたは鉄の酸洗浄処理で使われた酸が、洗浄水のpHを低く維持するために使用される。この使用された酸は、通常、5〜10%強度の硫酸であり、3〜8%の鉄を含む。メッキで使われた酸は、鉄とともに3〜8%の亜鉛を含む。鉄及び亜鉛は、洗浄工程から出るアンモニア含有洗浄水とともに汚泥スラリータンクに送られ、最終的にNPK肥料の微量栄養素の鉄、亜鉛として取り込むためにパイプクロスリアクタに送られる。使用された硫酸の場合、硫黄も、製造される肥料の栄養素になる。それは、パイプクロスリアクタ内で反応して硫酸アンモニウムを生成するからである。
【0036】
他の微量栄養素または追加成分は、乾燥固体としてウエイトフィーダーによって微粉リサイクルの流れに追加することにより製造される肥料に取り込むことができる。微量栄養素と追加成分は、石灰、ドロマイト、方解石、ハイドロバイオタイト、石膏、リン酸(例えば、ロックリン酸、またはリン酸アンモニウム)カリ、尿素、土壌クレイ、過酸化カルシウム、硝酸アンモニウム、バーミキュライト、フミン酸、および鉄、マンガン、マグネシウム、臭素、銅、亜鉛、およびその組み合わせなどの微量元素などが含まれることが好ましい。
【0037】
本発明は、都市下水汚泥について特定して述べてきたが、本発明によるプロセスは、家禽糞尿、食品処理廃棄物、製紙廃棄物、豚の糞尿汚泥、環境または産業生物学的物質、およびそれらの混合物など、比較的栄養価の低い有機性廃棄物の植物栄養価を高めるためにも使用できる。このような場合、比較的栄養価の低い有機性廃棄物が、下水汚泥に代わってプロセスで使用され、プロセスパラメータもそれに応じて変化する。
【0038】
本発明の実施例を説明するのに、次のような例が提供されるが、この実施例が本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
攪拌タンク内では、6700kg/時(7.4トン/時)の下水汚泥が、37リットル/分(10ガロン/分(gpm))の洗浄水と混合され、スラリーが生成された。このスラリーは、容積移送式ポンプまたはその他の適切なポンプで、アンモニア、硫酸、リン酸、下水汚泥、および水を受け入れるために装備されたパイプクロスリアクタに送れるような堅さ(固形分含有率が10%〜27%の間で変化する)であった。パイプクロスリアクタは、直径が約4インチ、長さが40フィートであった。パイプクロスリアクタの末端は、回転ドラム式造粒機内で終端となった。回転ドラム式造粒機は、直径が6フィート、長さが20フィートであった。
【0039】
スラリーは、パイプクロスリアクタに添加され、99.5%アンモニア8.6gpm、93%硫酸8.6gpm、およびリン酸(54%P2O5)2.6gpmと反応した。パイプクロスリアクタの温度(酸と塩基の発熱反応による)は、汚泥中の水分とともに約149℃(300°F)に維持された。この温度(最低殺菌温度を超える)は、スラリー中に発見される可能性のあるサルモネラ菌、大腸菌、その他の病原菌を殺す作用を有する。また、この温度は脱臭効果も持つ。
【0040】
混合の結果できたパイプクロスリアクタからの溶解物は、2000ポンドの追加の塩化カリウム(60%K2O)とともに微粉のリサイクルベッドにスプレイされ、一方溶解物に含まれる水は、水蒸気となって流出した。造粒機には、反応を完結させ粒子を最終的に固めるために、造粒混合物に少量のアンモニアを添加するためのアンモニア噴霧器が備えられる。
このようなパイプクロスリアクタ操作では、時間当たり10トンの生産速度で、20%の固形分を含む下水汚泥を時間当たり約14.8トン取り込んだ。
【0041】
造粒された材料は、温度が約93℃(200°F)、水分含有率が約5〜15%で造粒機を出てロータリードライヤに入る。ロータリードライヤは、直径が約2m、長さが約20mであった。ロータリードライヤは、3千万BTU/時の加熱能力があり、排出末端に塊粉砕機または塊破壊機が付属している。材料の水分は、ドライヤ内の加熱強制空気により3%未満まで減少した。
ロータリードライヤを出る材料は、サイズが大き過ぎる材料を1インチ未満まで小さくするために塊粉砕機を通した。
材料は、スクリーンを使用して、(a)微粉、(b)製品、(c)サイズが大き過ぎるものに分離される。微粉は、造粒機に戻される。製品は、直径2m、長さ20mのクーラーに行き保存され、大き過ぎる材料は、製粉機を通り、造粒機にリサイクルするためにサイズを小さくする。リサイクルの流れでは、製品1トンにつき約2トン(1800kg)の微粉材料が必要だった。
【0042】
スチーム、アンモニア、および粒子を含む造粒機からの煙霧は、水分含有量を減らすためにロータリードライヤの中に煙霧を引き込むファンによって、造粒機内を負圧に維持することにより集められた。温度92℃(198°F)、相対湿度100%で毎分20,000立方フィート(cfm)の割合で空気を造粒機から引っ張った。これは、時間当たり34,200ポンド(lbs/hr)の水と毎分296ポンド(lbs/min)の乾燥空気を運んだのとほぼ同等である。
ロータリードライヤからの引いた空気は、ダストサイクロン、バグハウスフィルタ、そしてその後、スクラバーに向かわせた。空気は、相対湿度45%で毎分70,000立方フィートの割合でドライヤから引いた。ドライヤを出た空気は、乾球温度が約93℃(200°F)あり、湿球温度が74℃(165°F)あった。これは、56,100(lbs/hr)の水、および2,711(lbs/min)の乾燥空気を運んだのとほぼ同等である。スクラバーに入った空気は、pHの低い水(溶融亜鉛メッキ処理で使用した酸を添加することによりpHを下げた水)で洗浄される。メッキ工程の酸が使用できない場合は、リン酸または硫酸でpHをコントロールする。低pH水は、ダスト粒子とともに煙霧中に存在するアンモニア蒸気を集める。
【0043】
温度165°F、相対湿度100%で、67,100(cfm)の割合で、スクラバーから熱式再生酸化装置に空気を送る。酸化された空気は、その後熱式再生酸化装置から引き抜かれ、93℃(200°F)で高さ約100フィートの排気筒から排出される。
ダストを含む空気は、装置に対して負圧を維持するファンによって製粉機およびスクリーンから集められる。その空気は、ダストの約97%を除去するサイクロンシステムから引っ張られ、回転式造粒機に戻され、ダストは、リサイクルされる微粉に添加された。
この結果製造される肥料は、12−3−6(窒素12%、リン3%、カリ6%)のNPK値となった。また、この肥料は、均質であり、標準的な施肥装置に対しても適切なサイズであった。
【0044】
(実施例2)
例1のプロセスは、パイプクロスリアクタよりむしろ管状リアクタ内で繰り返される。攪拌タンク内では、6700kg/時(7.4トン/時)の下水汚泥と37リットル/分(10ガロン/分(gpm))のスクラバー水を再混合し、スラリーを生成する。スラリーは、アンモニア、硫酸、リン酸、下水汚泥、および水を受け入れるために装備された容積移送式ポンプまたはその他の適当なポンプで管状リアクタに送れるような堅さである。管状リアクタは、直径が約1.5〜30cm、長さが2〜10m(好ましくは5〜8m)あることが好ましい。リアクタ終端は、回転ドラム式造粒機内で終わる。回転ドラム式造粒機は、直径が6フィート、長さが20フィートである。
スラリーをリアクタに添加し、8.6gpmの99.5%アンモニア、および8.6gpmの硫酸(93%)と2.6gpmのリン酸(54%P2O5)を含む酸性溶液と反応させる。リアクタの温度(酸性溶液と塩基の間の発熱反応による)は、汚泥中の水分も含めて約149℃(300°F)に維持される。
【0045】
混合の結果できたリアクタからの溶解物は、2000ポンドの追加の塩化カリウム(60%K2O)とともに微粉のリサイクルベッドに噴霧され、一方溶解物に含まれる水は、蒸気となって勢いよく出る。造粒機には、反応を完結させ粒子を最終的に固めるために、造粒混合物に少量のアンモニアを添加するためのアンモニア噴霧器が備えられる。
造粒された材料は、水分含有量とおよそ同じ量でロータリードライヤに存在する。ロータリードライヤは、直径が約2m、長さが約20mである。ロータリードライヤは、3千万BTU/時の加熱能力があり、排出末端に塊粉砕機または塊破壊機が付属している。材料の水分は、ドライヤ内の加熱強制空気により3%未満まで減少する。
【0046】
ロータリードライヤを出る材料は、サイズが大き過ぎる材料を1インチ未満まで小さくするために塊粉砕機を通す。
材料は、スクリーンを使用して、(a)微粉、(b)製品、そして(c)サイズが大き過ぎるもとのに分離される。微粉は、造粒機に戻される。製品は、直径2m、長さ20mのクーラーに行き保存され、大き過ぎる材料は、製粉機を通り、造粒機にリサイクルするためにサイズを小さくする。リサイクルの流れにおいては、製品1トンにつき約2トン(1800kg)の微粉材料が必要である。
【0047】
スチーム、アンモニア、および粒子を含む造粒機からの煙霧は、水分含有量を減らすためにロータリードライヤの中に煙霧を引き込むファンによって、造粒機内を負圧に維持することにより集められる。温度92℃(198°F)、相対湿度100%で毎分20,000立方フィート(cfm)の割合で空気を造粒機から引っ張る。これは、時間当たり34,200ポンド(lbs/hr)の水と毎分296ポンド(lbs/min)の乾燥空気を運んだものとほぼ同等である。
【0048】
ロータリードライヤからの引いた空気は、ダストサイクロン、バグハウスフィルタ、そしてその後、スクラバーに向かわせる。空気は、相対湿度45%で70,000cfmの割合でドライヤから引く。
ドライヤを出た空気は、乾球温度が約93℃(200°F)あり、湿球温度が74℃(165°F)ある。これは、56,100(lbs/hr)の水、および2,711(lbs/min)の乾燥空気を運んだのとほぼ同等である。スクラバーに入った空気は、pHの低い水で洗浄される。低pH水は、ダスト粒子とともに煙霧中に存在するアンモニア蒸気を集める。
【0049】
温度165°F、相対湿度100%で、67,100cfmの速さでスクラバーから熱式再生酸化装置に空気を送る。酸化された空気は、その後熱式再生酸化装置から引き抜かれ、93℃(200°F)で高さ約100フィートの排気筒から排出される。
ダストを含む空気は、装置に対して負圧を維持するファンによって製粉機およびスクリーンから集められる。その空気は、ダストの約97%を除去するサイクロンシステムから引かれ、回転式造粒機に戻され、ダストは、リサイクルされる微粉に添加される。その結果製造される肥料は、NPK栄養価を持つことになる。
【0050】
(実施例3)
図6は、バイオソリッドを肥料に変換する前の好ましいバイオソリッドの調製法および取扱法の一つを示す。
図6では、都市下水のバイオソリッド620が、625立方ヤードのボックスの中に投入される。これらのボックスは、適切に設計されたダンプカーの上に載せて汚泥取扱い場所に運搬されることが好ましい。ボックスを開け、中身を受け入れホッパー622の中にどさっと落とす。受け入れホッパー622の容積は、47立方ヤード以上が好ましい。ホッパー622の最大容積は、使用可能スペースおよびプラントの物理的配置によって決まる。ホッパー622は、その場所の湿潤環境の結果として発生する腐食に対して保護するために、ステンレススチールで作ることが好ましい。ホッパー内には、汚泥箱の中に存在する可能性がある大きな塊のいずれをも捉えることができるように大きなオープン格子が付いていることが好ましい。この格子は、約1インチ×1インチの開口部を持つことが好ましい。
【0051】
汚泥620は、格子を通りホッパー622の底まで通過する。ホッパー622の底では、2本の水平螺旋スクリュー624が使用される。このダブル螺旋スクリュー624によって、汚泥620のホッパー622から移送ポンプ626への搬送が開始される。このスクリューの本数、サイズ、および配置は、ホッパー622の形状によって決まる。ある実施例では、汚泥620の搬送速度をコントロールするために、4本のスクリューを交互に使用している。スクリューは、様々なものが使用できる。
スクリューは、そのプロセスに必要な量の汚泥620を供給するのに充分な速度で作動するダイレクトドライブモーターによって駆動されることが好ましい。さらに汚泥20を供給する速度は、スクリューの運転の順序立て、および運転順序ごとに運転時間と非運転時間を管理することによってコントロールできる。
【0052】
ホッパー620の底部のスクリューは、ホッパーの一端で、水平および直角コレクションスクリュー624に排出する。コレクションスクリュー24は、搬送スクリューから汚泥620を集め、それを2基の汚泥ポンプ626のうちの1基に搬送するのに使用される。このスクリュー624は、移送スクリューと似た構造およびモーターの配置にすることができる。コレクションスクリュー624は、必要最大限の汚泥供給量が確保されればよいサイズにすることが好ましい。コレクションスクリュー624は、異なるポンプ吸引位置に汚泥を移動できるようにいずれかの方向に作動するように設計されることが好ましい。スクリューハウジングの底には、現在作動している汚泥ポンプ626に汚泥を向かわせるための複数の口が付いている。
【0053】
コレクションスクリュー24ハウジングから汚泥ポンプ626の吸引口まで垂直パイプ(24’’)を取り付けることが好ましい。このパイプ内には、回転式塊破壊機628が付いていることが好ましい。塊破壊機628は、回転ブレードであり、また半固体状の汚泥620のポンプ626への流れを容易にするのに適したスピードで動作する格子システムである。塊破壊機は、次の2つの基本的な機能を有する。1)汚泥620内の大きな塊をすべて小さく砕き、管理し易い小片にする。2)小さな塊全てを、ポンプ626に到達する前に捕まえる。塊破壊機628には、汚泥ケーキ中の重合バインダの破壊を開始するための剪断力を汚泥620に付与するメリットもある。
【0054】
塊破壊機の手前で、汚泥620の流れの中に水630を注入することが好ましい。この水630は、汚泥620の液化を助け、最終汚泥濃度が望ましい濃度になるようにコントロールされる。水630は、pH2.5〜4.0のベンチュリスクラバーのリサイクル水を含むことが好ましい。この水は、望ましいリアクタの流れの少なくとも10%の割合で添加することが好ましく、15%はさらに好ましく、20%がもっとも好ましい。ある実施例では、この流量は、望ましいリアクタ流れの約22.9%である。
【0055】
別の実施例では、プロセス汚水貯め636内の水の流れ630に、酸化鉄632および硫酸634も添加することが好ましい。この添加により、作られたスラリーが、パイプクロスリアクタまたは管状リアクタを詰まらせたり、塞いだりしないように、汚泥に添加する必要がある水の量が最少になる。ある実施例では、プロセス汚水貯め636は、ステンレススチールを内張りしたコンクリートタンクで、寸法は、11インチ×11インチ×11インチである。汚水貯め636の中では、混合物のpHが、硫酸をバイオソリッドに添加する前の約2.0〜2.5になるように、硫酸634か酸化第一鉄632と反応して硫酸第一鉄を生成する。または、硫酸をバイオソリッドに添加する前の、混合物のpHが約2.0〜2.5になるように、酸化第二鉄を使って硫酸と反応させて硫酸第二鉄を生成する。汚水貯めの中の混合物は、垂直攪拌機638で攪拌する。
【0056】
剪断された汚泥は、塊破壊機628から汚泥移送ポンプ42の吸入口に排出される。汚泥ポンプ40は、高速混合タンク42に流れる8’’のステンレススチール製ヘッダーに排出する。混合タンク644に到達する前に、最終汚泥混合物のpHを3.0〜3.5の範囲にコントロールするために、流れの中に硫酸646を注入する。硫酸添加量は、全リアクタ供給量の約1.75%である。
汚泥と酸の混合体は、剪断混合タンク642の底の中へ流れる。ある実施例では、剪断混合タンク642は、酸性化したバイオソリッド混合体を強力に剪断するのに充分な高速度と高剪断性を有した回転式攪拌機648を備えた890ガロンの垂直円筒型タンクである。
【0057】
ある実施例では、スラリー貯留タンクは、容積が14,800ガロンで、ステンレススチール製のものがある。このタンクには、ブレード2セットを有する垂直攪拌機650が備わっている。スラリー貯留タンク650は、最大供給速度でスラリーを供給する場合に約2時間の貯留時間が取れるように設計される。また、このタンクは、15〜28%、好ましくは、20〜23%の固形分を含めてpHを3.0〜4.0に維持するように操作する。
リアクタへの供給物は、貯留タンク50の底からスラリー供給ポンプ652の吸入口に引き込む。リアクタへの汚泥供給量は、スラリー供給ポンプ652のモータースピードを調節することによりコントロールする。
【0058】
図6は、汚泥を酸およびアンモニアと反応させて図1に記載の肥料を製造する前に、硫酸第二鉄を汚泥に添加するプロセスを示す。鉄は、酸化鉄の形で添加する以外に、硫酸鉄、金属鉄、炭酸鉄、およびリン酸鉄などを含む他の形で汚泥に添加することも可能である。鉄は、酸およびアンモニアと反応して肥料を製造する前に、硫酸鉄に変換することが好ましい。
ある実施例では、酸化第二鉄は、水および硫酸を含む混合タンクに粉末として添加する。水および硫酸は、水、硫酸、および硫酸アンモニウムを含む空気排出洗浄システムからのブローダウン水を含むことができる。この混合タンクに硫酸を添加すると、酸化鉄が硫酸第二鉄に変換される。この水中の硫酸鉄と硫酸アンモニウムの混合物は、その後の製品の硬化と脱臭を容易にするためにバイオスラリーに添加する。
【0059】
上記のメリットを成就するために、鉄に加えて、例えば酸化亜鉛などの金属塩を反応前にスラリー添加できる。
驚いたことに、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウムなどの金属塩を汚泥に添加することにより、汚泥から肥料を製造するプロセスに顕著な改善をもたらすことができるということが見出された。第一鉄塩、第二鉄塩などの金属塩を充分に汚泥に添加して硫酸鉄などの金属塩を0.1〜10wt%含む肥料製品を製造することが好ましい。最終的な肥料製品は、硫酸鉄などの金属塩を0.5〜5wt%含むことがさらに好ましい。第一硫酸塩や第二硫酸塩などの金属塩を1〜3wt%含むことがさらに好ましい。鉄を添加するとプロセスのコントロールが簡単になり、プロセスにその他の様々な改善がもたらされる。
【0060】
その改善された内容には、つぎのようなものがある。
a)製品中に鉄などの化学的に結合した金属を含む。鉄などの金属は、混合物中に存在する硫酸アンモニウム塩と同様に混合物中の有機物成分と錯体を作ることができる。
b)硫黄化合物を減らすための鉄または亜鉛などの金属結合。この結合の結果、硫黄化合物が減ると、大気中あるいは環境下への揮発が軽減され、製品から感じる臭いが大幅に減る。
c)製品粒子の硬度増加。製品の破壊重量が、約4〜5ポンドから6ポンド以上、好ましくは7ポンドに大幅に上がる。また、この発明は、硬度範囲8〜9ポンドの粒子を作り出すと評価されている。
d)製品に関わるダストが減り、その結果製品の保管および搬送が改善される。
e)製品の臭いが低減し、通常肥料および特殊肥料ビジネスにおける製品としての市場性が高まる。
f)窒素の揮発が減るため、Unity Fertilizer社製の肥料を、固い土地の現場で使用する場合に、特に肥料の商業的な実用の場で使用される尿素の揮発率が最高40%であるのに比較して、大気中に失われる窒素の量が大幅に低減される。
g)バイオソリッドのスラリーとの混合前に酸により酸化鉄を硫酸鉄に変換する。
h)微量栄養素の増分としての鉄または亜鉛などの金属が利用できる。これは、金属塩を混合物に添加するということだけではなく、鉄などの金属の水への溶解度が上がるように、混合物中の有機成分に金属を結合させるからである。
i)従来の製品に比べて、汚染の少ない製品を製造する。第一、第二酸化鉄または硫酸鉄などの金属塩を、バイオソリッドのスラリーに添加する前に、汚水貯めの中で事前に調整する。この事前調整により、鉄が黒い化合物に変換され、以前添加していた鉄の第二酸化鉄の生成に伴う赤い色の汚染が避けられる。
【0061】
本発明に基づき製造される製品は、完成した肥料の重要な成分である、ある範囲の化学変換を取り込む。混合物をパイプクロスリアクタに通す前に、混合物の事前調整において硫酸と組み合わせて鉄を添加すると、パイプクロスリアクタの運転、および最終製品の化学的構成に影響を及ぼす範囲の状況が混合物内に起こる。それは、次の通りである。
a)パイプクロスリアクタの反応速度を高める。
b)高度造粒が起こる。
c)汚泥スラリー内で有機分子の化学的加水分解(例えば、タンパク質がペプチドおよびアミノ酸に変換されたり/あるいは、脂質が、脂肪酸などの構成分子に変換されたりするように)が開始される。長鎖有機分子(例えば、タンパク質、炭水化物、脂質、および核酸等)が化学的加水分解されると、目標作物の根の周りの土壌微生物がさらに容易に吸収できて、農作物がより強い活力、より早い成長、より高い生産性等のメリットを受けることができるように、根および毛根からもさらに簡単に直接吸収できる鉄とより簡単に結合できる分子が作り出される。さらに、パイプクロスリアクタの運転に伴う加水分解プロセスにより、有機分子が加水分解を受けると、最終製品が、加水分解を受けずにバイオソリッド有機物と組み合わさる製品より安全になる。この例としては、環境において内分泌ホルモンへの擬態を示し、例えば、鰐や蛙の雌雄性に影響してきた内分泌撹乱化合物の加水分解がある。これらの化合物を崩壊させることは、バイオソリッド製品の使用は公衆衛生上安全であるという公共的信頼性および科学的信頼性を高める。
d)バイオソリッドのスラリーの成分における硫黄化合物の低減が促進されて、硫黄化合物がもはや臭いの成分ではなくなり、また最終製品の成分としても減少してゆく。
e)パイプクロスリアクタの運転がコントロールし易いように、バイオソリッドスラリーの粘度を下げる。
f)パイプクロスリアクタで起こる混合を改善する。
【0062】
本発明の別の実施例および本発明の使用については、本明細書の考察および本明細書記載の発明を実施することにより当業者に明らかになるであろう。全米および外国特許を含む本明細書に引用される参考資料すべて、および米国仮出願第60/473,198号およびこれに対応しこれと同時に申請される非仮出願、米国特許出願第08/852,663号、第09/735,768号、および第09/416、370号を含む特許出願は、参照することにより、具体的かつ全体的に本明細書に含まれる。本明細書および例は、典型的な例としてのみ考えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物に金属塩、水を添加してスラリーを生成する工程と、
前記スラリーを高速攪拌機でせん断を加えて粘度を調整する工程と、
乱流を形成するためのオリフィス板を有するパイプクロスリアクターと、アンモニア噴霧器と備えている造粒機に、スラリーを投下して粒子を形成する工程と、
造粒機からの粒子と蒸気とを粒子分離装置で分離する工程と、
分離した造粒機からの粒子をリサイクルする工程と、
分離した造粒機からの蒸気を酸化装置で酸化する工程と、含む、
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記粘度を調整する工程が、スラリーの粘度を下げるために、充分な量の酸性金属塩を添加する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記粘度を調整する工程が、運転中にスラリーの流れを妨げない流体を生成するのに充分な濃度および固さでスラリーを混合する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記粘度を調整する工程が、15〜28%の固形分を含めてpHを3.0〜4.0に維持するために操作する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記金属塩が、スラリー中に存在する硫酸アンモニウムまたはリン酸アンモニウムと結合する鉄塩で、
該鉄塩が、硫黄化合物を減らすために酸性第一、第二鉄塩を含む
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記パイプクロスリアクターのオリフィス板の穴の断面形状が楕円形である
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記楕円形が、楕円形の縦横構成比率は、楕円形の短い方の軸が2本のクロスパイプと接続している線を横切って伸びるように、長い方の楕円軸が2本のクロスパイプに向いている
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記パイプクロスリアクターのオリフィス板の位置は、2本のクロスパイプの上流側に配置される(位置に関する構成要件を、出願の中から追加又は修正して下さい。)
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記パイプクロスリアクターが、3本以上のクロスパイプを備える
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記パイプクロスリアクターが、混合物の温度を常にモニターし、オリフィス板の位置、スラリーの流量、塩基の流量、添加水の流量、酸(1種類以上)の流量を調節し、さらにクロスリアクタの出口を切り替える
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記造粒機が、回転ドラム式であって、回転させることで造粒する粒子の大きさを制御する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記造粒機からの未反応のアンモニアガスを低pHの水を使用して、スクラバーで回収する工程を有する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項13】
請求項12に記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法において、
前記スクラバーから出る空気を再生熱式酸化装置(RTO)で酸化する工程を有する
ことを特徴とする有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法。
【請求項14】
有機物に金属塩を添加して製造される粒状窒素肥料製品において、
請求項1ないし13のいずれかに記載の有機物から粒状窒素肥料製品を製造する方法によって製造される
ことを特徴とする粒状窒素肥料製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−46405(P2012−46405A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287230(P2010−287230)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2006−533457(P2006−533457)の分割
【原出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(510337469)ユニティー エンバイロテック エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】UNITY  ENVIROTEC,LLC
【Fターム(参考)】