説明

有機電子デバイスにおける欠陥の影響を軽減する電極

【課題】 活性有機層と、電子デバイスの構成により生じる欠陥の悪影響を軽減する構造を有する電子デバイスを提供する。
【解決手段】 有機電子デバイス(10)のための複合電極(40)は、第1導電性材料の薄い第1層(42)と、該第1層上に配設された第2導電性材料からなる。一実施形態において、第2導電性材料は、複数の細長い部材(44)に形成される。別の実施形態においては、第2材料は、第2層(46)に形成される。細長い部材又は第2層は、第1層の厚さよりも大きい厚さを有する。第2層は、少なくとも第1層の材料よりも小さい導電率を有する導電性材料によって、第1層から分離される。複合電極は、有機電子デバイスの構造における短絡のような欠陥の悪影響を軽減することができ、発光デバイス又は光起電デバイス中に含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、活性有機層と、電子デバイスの構成により生じる欠陥の悪影響を軽減する構造を有する少なくとも1つの電極とを有する電子デバイスに関する。特に、本発明は、こうしたデバイスにおける短絡の影響を軽減する少なくとも1つの電極構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近開発された有機エレクトロルミネセンスデバイス(「OELD」)は、大面積の照明のような、多くの用途における無機エレクトロルミネセンスデバイスの代替案として、魅力的でより好適なものを提供することができる。
【0003】
OELDは、典型的には、ガラス又は透明なプラスチックのような基板上に形成される薄膜構造体である。有機エレクトロルミネッセンス(「EL」)材料の発光層及び随意的な隣接する半導体層は、陰極と陽極との間に挟まれる。半導体層は、正孔(正電荷)注入層又は電子(負電荷)注入層のいずれかの層であり、これも又、有機材料から構成される。発光層のための材料は、様々な波長を有する光を放出する多数の有機EL材料から選択することができる。発光有機層自体は複数の二次層からなり、その各々が異なる有機EL材料から構成される。最先端の有機EL材料は、可視スペクトラムの狭い波長域を有する電磁(「EM」)放射線を放出することができる。明確に記載されない限り、「EM放射線」及び「光」という用語は、本明細書において、一般に、紫外(「UV」)から中赤外(mid−IR)までの波長域を有する放射線を意味し、換言すると、約300nmから約10マイクロメータまでの波長域を有する放射線を意味するものとして、互換的に用いられる。白色光を達成するために、従来のデバイスは、青色、緑色、及び赤色の光を放出する近接配置されたOELDを組み入れる。これらの色が混合されて白色光が生成される。白色光を生成する別の方法が、米国特許第5,294,870号に示されており、これは、青色光を発する有機EL源を含み、異なるサブピクセル領域に塗布される緑色及び赤色発光蛍光材料を備えた有機ELマルチディスプレイデバイスについて記載している。このデバイスは、緑色及び赤色発光の蛍光材料を用いて色をシフトさせることにより異なるサブピクセル領域から様々な色を発する。しかしながら、こうしたマイクロデバイスの製造は複雑であり、高度な技術を必要とし、従って、コストが増大する。更に、全般照明目的のために、大面積のOELDを作らなければならない。欠陥のない大面積OELDの製造は難問である。一般に、例えば短絡を起こし得るような製造上の欠陥は、デバイス全体を作動不能にし暗くすることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,294,870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、製造上の欠陥に対してより作動的に許容性のある有機電子デバイスを提供することが非常に望ましい。更に、当初作られたデバイスに微視的な短絡がある場合でさえも、作動状態のまま維持する有機電子デバイスを提供することが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(1)第1導電性材料の第1層と、(2)該第1導電性材料の第1層上に配設された少なくとも1つの第2導電性材料とで構成される複合電極を提供する。ここで用いられる「複合電極」という用語は、少なくとも2つの導電性材料からなる区別できる素子からなる電極を意味する。
【0007】
本発明は更に、2つの電極と、該電極間に配設された少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料を備えた活性部材で構成される有機電子デバイスを提供する。電極の少なくとも1つは、複合電極である。
【0008】
本発明の一態様によると、有機電子デバイスはOELDであり、ここで活性部材は発光部材であり、この活性有機材料は有機EL材料である。
【0009】
本発明の別の態様によると、有機PV材料である活性部材がEM放射線を電気エネルギに変換する有機電子デバイスは有機光起電(「PV」)デバイスである。
【0010】
本発明の更に別の態様によると、複合電極の第2導電性材料は、第1導電性材料の第1層の厚さより大きい厚さを有する複数の細長い部材を備える。
【0011】
本発明の別の態様によると、第2導電性材料は、第1層の厚さより大きい厚さを有する第2層を備え、該第2層は、第1及び第2導電性材料の導電率より小さい導電率を有する導電性材料の層によって該第1層から分離される。
【0012】
本発明は、更に、有機電子デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、(a)第1電極を準備し、(b)少なくとも1つの活性有機材料の層を該第1電極上に配設し、(c)第2電極の第1導電性材料からなる第1層を、該活性有機材料の層の上に配設し、(d)第2導電性材料を第1導電性材料上に配設することからなる各段階を含む。
【0013】
本発明の別の態様によると、第2導電性材料は、第2電極の第1層の厚さより大きい厚さを有する複数の細長い部材に形成される。
【0014】
本発明の更に別の態様によると、有機電子デバイスを製造する方法は、第1及び第2導電性材料を分離する導電性有機材料を第2電極の第1層上に配設する段階を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】複合電極が第1層と、その上に配設された複数の細長い部材とを備えるデバイスの斜視図。
【図2】複合電極が第1層と、その上に配設された交差する網目を形成する複数の細長い部材とを備えるデバイスの斜視図。
【図3】複合電極が第1層と、第3層によって分離された第2層とを備えるデバイスの斜視図。
【図4】欠陥における短絡後に下にある層から第2層が分離されることを示す図3のデバイスの断面図。
【図5】正孔注入向上層を含むデバイスの断面図。
【図6】正孔注入向上層と正孔輸送層とを含むデバイスの断面図。
【図7】正孔注入向上層と、正孔輸送層と、電子注入及び輸送層とを含むデバイスの断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の本発明の詳細な説明、及び同じ番号が同じ要素を表す添付の図面を読むことにより明らかとなるであろう。
【0017】
本発明は、発光デバイス、光源、ディスプレイ、PVデバイス、又は有機PVデバイスを備える電源に含むことができる有機電子デバイスを提供する。本発明の有機電子デバイスの少なくとも1つの電極構造は、該デバイスの製造欠陥の悪影響を軽減することができる。従って、本発明は、製造工程において使用可能なデバイスについてより高い収率を可能にする。特に、この構造は、電極上の点において1つ又はそれ以上の短絡が生じた後でさえも、有機電子デバイスの継続した動作を可能にする。
【0018】
本発明の一態様によると、有機電子デバイスは、通常は、陽極及び陰極の2つの電極間に配設された少なくとも1つの有機EL材料を備えるOELDである。通常は、有機EL材料は、約1マイクロメートルよりも小さい厚さ、好ましくは約0.5マイクロメートルよりも小さい厚さを有する層に形成される。有機EL層の厚さが減少されると、定電流密度のもとでは、印加電圧が減少するという利点があり、また、定印加電圧のもとでは、電流密度が増加するという利点がある。しかしながら、有機EL層の厚さが減少されると、有機EL層の欠陥による短絡の可能性が増大する。こうした欠陥は、例えば、ピンホール、スクラッチ、導電性不純物などの形態とすることができる。通常は、短絡が起きると、電流は優先的に短絡を通って流れて有機EL材料をバイパスするため、OELD全体が作動不能となり発光しなくなる。このような短絡は、電極の一方の厚さを減らして、電極間の接点において発生する熱が、該接点の周りの薄い方の電極の小面積を除去するのに十分であるようにすることによって回避できる。薄い方の電極の一部が除去された後に短絡が排除され、電流が再び有機EL層を通って流れ、発光がもたらされるようになる。しかしながら、電極の厚さが減少されると、シート抵抗が大きくなり、従って、より高い印加電圧が必要となる。通常、シート抵抗は約100オーム/スクエアよりも小さく、好ましくは50オーム/スクエアよりも小さいことが望ましい。従って、金属電極は、通常は約25nmから約500nmまでの厚さを有する。厚さが25nmよりも大幅に小さくなると、望ましくない高いシート抵抗がもたらされることになる。
【0019】
本発明は、短絡周りの薄い電極の小面積を容易に除去することを可能にするものであるが、この電極のシート抵抗が過度に増大するのを避けることができる、少なくとも1つの電極構造を持つOELDを提供する。こうした電極は、第1導電性材料の第1層と、該第1導電性材料の第1層上に配設された第2導電性材料を備える。第1及び第2導電性材料は、同じ材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施形態を示す。この開示に添付する図面は、縮尺通りに描かれたものではないことを理解されたい。OELD10は、ほぼ透明な材料の基板15と、該基板15上に配設された第1電極20と、該第1電極20上に配設された有機EL材料の少なくとも1つの層30と、該有機EL層30上に配設された第2電極40とを備える。基板15、第1電極20及び有機EL層30については、以下により詳細に説明する。電極20及び40の少なくとも1つは、複合電極である。第1の実施形態においては、第2電極40は、第1層42と該第1層42上に配設された複数の細長い部材44とを備える複合電極である。第1層42は、第1導電性材料から作られ、通常、約1nmから約25nmまで、好ましくは約1nmから約10nmまでの厚さを有する。細長い部材44は、第2導電性材料で作られ、この第2導電性材料は第1層42の材料と同じ材料であってもよく又は異なる材料であってもよい。細長い部材44の各々は、第1層に対してほぼ垂直に測定して、約10ないし500nmの厚さを有する。第1層の上に重なる細長い部材の合計表面積は、第1層の表面積の約50パーセントより少なく、好ましくは25パーセントより少なく、より好ましくは10パーセントより少ない。図1は直線の細長い部材を示すが、一方の大きさが、例えば少なくとも他方の大きさの10倍であるならば、これらは他の形状としてもよい。
【0021】
或いは、複数の細長い部材44は、図2に示すように、交差する線の網目を形成することもできる。
【0022】
複合電極40は、OELD10の陽極又は陰極とすることができる。複合電極40は、負電荷キャリア(電子)を有機層30に注入する陰極であることが好ましい。第1及び第2導電性材料は、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr、Sm、Eu、これらの合金、又はこれらの混合物のような、例えば約4eVより少ない低い仕事関数を有するものである。陰極40の製造において好ましい材料は、Ag−Mg、Al−Li、In−Mg及びAl−Ca合金である。例えば、複合陰極40の第1層42は、約1nmから約10nmまでの厚さを有するCa層であり、細長い部材44は、約10nmから約100nmまでの厚さを有し、銀で作られる。第1層42は、該第1層42の合計厚さが、約1nmから約10nmまでの範囲のように十分に小さく維持される限り、各々が異なる導電性材料を備えた複数の二次層の積層を含むことができ、短絡を通る電流が、例えば、短絡欠陥の周りの小面積の除去により遮断されるようになる。更に、例えば、こうした短絡によって発生した熱に起因する、短絡の周りのある面積の周りの層30と層42との間の層間剥離のような、電流の流れを遮断する他のモードも可能である。
【0023】
第1層42は、物理蒸着法、化学蒸着法又はスパッタリングにより有機EL層上に被着させることができる。細長い部材44は、マスクを用いた物理蒸着法、化学蒸着法又はスパッタリングにより第1層42上に被着させることができる。或いは、第2導電性材料の厚い層を第1層42上に被着させることができ、該第2導電性材料層をエッチングして複数の細長い部材44が残るようにする。更に別の実施形態においては、第1薄層42と第2導電性材料のより厚い層とを互いに積層して、この2つの層が導電性の界面を形成するようにすることができる。第2導電性材料のより厚い層をエッチングして、複数の細長い部材44が残るようにする。
【0024】
図3は、本発明の第2の実施形態を示す。複合電極40は、有機EL層30上に配設された第1導電性材料の第1層42と、該第1層42上に配設された、有機導電性材料のような第2導電性材料の第2層46と、該第2層46上に配設された第3層48とを備える。第1層42は、上記のような低い仕事関数の材料を含む。第1層42は、約1nmから約25nmまで、好ましくは約1nmから約10nmまでの厚さを有する。第2層46は、熱伝導率は低いが、十分な導電率を有するべきである。第3層48は、必ずしもそうである必要はないが、低い仕事関数の材料を含むことができる。第3層48は、約10nmから約200マイクロメートルまで、好ましくは約10nmから約1マイクロメートルまで、より好ましくは約10nmから約500nmまでの範囲の第1層42よりも大きい厚さを有する。例えば、第1層42は、約1nmから約10nmまでの厚さを有するCaの薄層であり、第3層48は、約10nmから約500nmまでの厚さを有する銀の層である。第2層46は、第1層42と第3層48との間に挟まれ、通常は、例えば、ポリスチレンスルホン酸(「PEDOT:PSS」)がドープされたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)といった適度な導電性を有する有機材料を含む。この層の材料は、層42及び48の導電率よりも小さい導電率をもつべきである。層46のための他の好適な材料は、金属ポルフィリン、銅フタロシアニン、又は8−ヒドロキシキノリンアルミニウムのような有機金属材料である。層46の厚さは、通常は、約10nmから約100nmまで、好ましくは約10nmから約50nmまで、より好ましくは約10nmから約30nmまでの範囲である。有機EL層30の点欠陥において、短絡が陽極20と陰極40の第1層42との間で起こり、電圧が電極間に印加されると熱が発生する。こうした発熱により、点欠陥の周りの第1層42の小面積と、その上の第2層46の小面積とが迅速に除去され、その上の第3層48のある面積を下にある層から離れる方向に圧迫するある量のガスが発生し、電極間の短絡が排除されるようになる。図4は、こうした除去が生じた後の点欠陥におけるデバイスの断面図を概略的に示す。短絡点の周りの第1層42及び第2層46の小面積が除去されて、ある量のガスが発生する。このガスは迅速に出て行くことができないので、その圧力は第3層48を、欠陥から離れる方向に外向きに圧迫する。従って、第2電極は、ここではもはや第1電極との接点はない。このようにして短絡が排除される。
【0025】
第1層42及び第3層48は、物理蒸着法、化学蒸着法又はスパッタリングにより被着させることができる。有機層46は、物理蒸着法、化学蒸着法、スピンコート法、浸漬コート法、スプレー法又はインクジェット印刷法により被着させることができる。
【0026】
OELD10の他の構成要素についてここで説明する。
【0027】
基板40は、単体であるか、又は複数の異なる材料の隣接した部品を備える構造体とすることができ、約1.05から約2.5まで、好ましくは約1.1から1.55までの範囲の屈折の指数(屈折率)を有する。基板40は、ほぼ透明なガラス又は高分子材料で作られるのが好ましい。適切な高分子材料の例は、PET、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、シリコーン、エポキシ樹脂及びシリコーン官能化エポキシ樹脂である。本発明の一実施形態においては、PL材料を、基板材料の中に分散させることができる。「ほぼ透明」という用語は、可視波長域の光の少なくとも80パーセント、好ましくは少なくとも90パーセント、より好ましくは少なくとも95パーセントが、約10度よりも小さい入射角において、約0.5マイクロメートルの厚さを有するフィルムを透過することを意味する。
【0028】
電極40が陰極である場合には、電極層20は陽極であり、例えば、約4.5eVよりも大きい、好ましくは約5eVから約5.5eVまでといった高い仕事関数を有する材料で作られる。酸化インジウム・スズ(「ITO」)が、通常、この目的のために用いられる。ITOは、光透過に対してほぼ透明であり、有機エレクトロルミネセント層30から放出された光は、著しく減衰することなく容易にITO陽極層を通って出ることができる。陽極層として用いるのに適切な他の材料は、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウム・スズ亜鉛、酸化アンチモン、及びその混合物である。電極層22及び38は、物理蒸着法、化学蒸着法、又はスパッタリングにより、下にある素子上に被着させることができる。更に、薄くほぼ透明な金属層も好適である。電極層20の厚さは、通常は約50nmから約400nmまで、好ましくは約50nmから約200nmまでの範囲である。電極層20は、物理蒸着法、化学蒸着法又はスパッタリングにより基板15上に被着させることができる。電極層20及び40は、反対の電荷キャリアを有機EL層30中に注入し、そこで該電荷キャリアが結合して高エネルギの励起子が形成され、これが低いエネルギ状態にまで落ちると同時に可視スペクトルのEM放射線を放出する。
【0029】
有機EL層30は、近紫外(「UV」)から赤色可視光までの範囲(すなわち、約300nmから約770nmまでの範囲の波長)においてエレクトロルミネセンスを行う少なくとも1つの有機EL材料を含む。有機EL材料がUV域で放射線を放射する場合には、1つ又はそれ以上の光ルミネセント材料(又は蛍光体)を有機EL層30の近傍、例えば、放射されたEM放射線の経路に配設して、UV放射線が可視光に変換されるようにすることができる。有機EL層30の厚さは、約100から約300nmまでの範囲に維持されるのが好ましい。有機EL材料は、ポリマー、コポリマー、ポリマーの混合物、又は不飽和結合を有する低分子量の有機分子とすることができる。このような材料は非局在化したπ電子系を持つもので、高い移動度を有する正電荷及び負電荷キャリアを受け持つ能力をポリマー鎖又は有機分子に与える。
【0030】
適切な青色発光ELポリマーは、ポリ(N−カルバゾール)(「PVK」、約380ないし500nmの波長の紫色から青色までの光を放出する)、ポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン)(410−550nm)、ポリ(ジオクチルフルオレン)(EL発光ピーク波長が436nm)、又はポリ{9,9−ビス(3,6−ジオキサヘプチル)−フルオレン−2,7−ジイル}(400−550nm)、のようなポリ(アルキルフルオレン)、ポリ(2−デシルオキシ−1、4−フェニレン)(400−500nm)のようなポリ(プララフェニレン)誘導体である。1つ又はそれ以上のこれらのポリマー及び他のポリマーをベースとするポリマー又はコポリマーの混合物を、発光色を調整するために用いることができる。
【0031】
適切な青色光を発するELポリマーの別の部類は、ポリシランである。ポリシランは、種々のアルキル及び/又はアリール側基で置換された線状のケイ素主鎖からなるポリマーである。これらは、ポリマーの主鎖に沿って非局在化されたσ共役電子をもつ準一次元材料である。ポリシランの例は、H.Suzuki他の「Near−Ultraviolet Electroluminescence From Polysilanes」331,Thin Solid Films,64−70(1998)において開示されたポリ(ジ−n−ブチルシラン)、ポリ(ジ−n−ペンチルシラン)、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)、ポリ(メチルフェニルシラン)、及びポリ{ビス(p−ブチルフェニル)シラン}である。これらのポリシランは、約320nmから約420までの範囲の波長を有する光を放出する。
【0032】
多数の芳香族ユニットで作られた約5000より少ない分子量を有する有機材料も適用可能である。このような材料の例は、380−500nmの波長域の光を放出する1,3,5−トリス{n−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ}ベンゼンである。有機EL層は、更に、フェニルアントラセン、テトラアリールエテン、クマリン、ルブレン、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン又はこれらの誘導体のような、より低い分子量の有機分子から調製することができる。これらの材料は、一般に、最大約520nmの波長を有する光を放出する。更に、他の適切な材料は、415−457nmの波長域の光を各々放出する、アルミニウム−アセチルアセトネート、ガリウム−アセチルアセトネート、及びインジウム−アセチルアセトネート、420−433nmの波長域の光を各々放出する、アルミニウム−(ピコリメチルケトン)−ビス{2,6−ジ(t−ブチル)フェノキシド}、又はスカンジウム−(4−メトキシ−ピコリメチルケトン)−ビス(アセチルアセトネート)のような低分子量の有機金属錯体である。
【0033】
他の有機EL材料は、約480nmから600nmまでの波長域の発光ピークを有する。これらの材料の例は、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ−8−キノリノール)亜鉛、ビス(8−キノリノール)酸化アルミニウム、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、及びトリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウムのようなキレートされたオキシノイド化合物である。
【0034】
更に他の有機EL材料は、約550nmから約700nmまでの波長域の発光ピークを有する。これらの材料の例は、ポリ{2−メトキシ−5(2´−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン1,2−エテニレン−2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン−1,2−エテニレン}、ジベンゾテトラフェニルペリフランテン、ポリチオフェン、ペリレンテトラエステル、トリフェニレンヘキサエーテル、アミノ置換ペリレン誘導体、アズラクトン誘導体、ペンタセンの誘導体、ピランの誘導体、白金、パラジウム、ユーロピウム、又は亜鉛のポルフィリン、白金、パラジウム、又は亜鉛のマレニトリレジチオレートホスホン酸塩錯体、ユーロピウム(III)トリス−テノイルトリフルオロアセトン−1,10−フェナントロリン、ユーロピウム(III)トリス(ジベンゾイルメタン)(モノフェナントロリン)のようなユーロピウム(III)フェナントロリンの誘導体、及びイリジウム(III)ビス{2−(2´−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N−C3’}(アセチルアセトネート)である。
【0035】
有機EL材料は、物理蒸着法、化学蒸着法、スピンコート法、浸漬コート法、スプレー法又はインクジェット印刷法により、ニート材料として電極20上に被着させることができる。或いは、有機材料は、フィルム形成材料中に分散させることができ、この混合物は、前述の方法の1つによって被着される。適切なフィルム形成材料は、ほぼ透明なポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、シリコーン、エポキシ、又はその誘導体である。有機EL層の中に混合することができる他の適切な材料は、以下に説明する電子輸送材料である。
【0036】
有機EL層30の他に、1つ又はそれ以上の追加の有機層を電極20と電極40との間に含んで、デバイス10全体の効率を向上させることができる。例えば、これらの追加の層は、有機EL層中への電荷の注入(電子又は正孔注入向上層)又は輸送(電子又は正孔輸送層)を改善するように働くことができる。これらの層の各々の厚さは、500nmより薄く、好ましくは100nmより薄く維持される。これらの追加の層のための材料は、一般に、低から中位の分子量(約2000より少ない)の有機分子である。これらは、スプレーコート法、浸漬コート法、又は物理蒸着法若しくは化学蒸着法のような従来の方法により、デバイス10の製造の際に塗布することができる。本発明の一実施形態においては、図5に示すように、正孔注入向上層24が、陽極層20と有機EL層30との間に形成されて、所定の順方向バイアスでの高い注入電流、及び/又は、デバイス故障前の高い最大電流をもたらす。すなわち、正孔注入向上層24は、陽極からの正孔注入を助長する。正孔注入向上層24に適した材料は、3,4,9,10−ペリレンテトラ−カルボキシル基無水物又はビス(1,2,5−ヒアジアゾロ)−p−キノビス(1,3−ジチオール)のようなアリーレンベースの化合物である。
【0037】
本発明の別の実施形態においては、図6に示すように、正孔輸送層26が正孔注入向上層24と有機EL層30との間に配設される。正孔輸送層26は、正孔を輸送し電子の輸送を遮断する機能を有し、正孔及び電子が有機EL層234において最適に結合するようにする。正孔輸送層26に適した材料は、トリアリルジアミン、テトラフェニルジアミン、芳香族第3アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、及びポリチオフェンである。
【0038】
本発明の更に別の実施形態において、図7に概略的に示すように、追加の層34が陰極40の第1層42と有機EL層30との間に配設される。層34は、電子を有機EL層30に注入して輸送するという複合機能を有する。電子注入及び輸送層のために適切な材料は、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、スチルベン誘導体、アントラセン誘導体、ペリレン誘導体、金属チオキシノイド化合物、オキサジアゾール誘導体、並びに金属キレート、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体、及びトリアジンのような8−ヒドロキシキノリンの有機金属錯体である。
【0039】
本発明の別の態様によると、有機電子デバイスは、EM放射線を電気エネルギに変換することができる有機PVデバイスである。有機PVデバイスの活性層は、電子供与体と電子受容体との2つの有機半導体材料の間に形成されたヘテロ接合を備える。上記で開示された材料を二重層の形成及びへテロ接合のために用いることができる。適切な電子供与体材料は、上記で開示された電子注入又は電子輸送材料である。適切な電子受容体材料は、上記で開示された正孔注入及び向上材料又は正孔輸送材料である。活性有機材料の光吸収が、励起された電子と正孔の対を生成し、この電荷と正孔の対がヘテロ接合に移動して、ここで電荷の分離と電荷の指向性流れとを生じる。
【0040】
有機電子デバイスを作る方法をここで説明する。最初に、ガラス又はプラスチックの大面積部品のような基板を準備する。第1導電性材料を基板の片面に被着させて第1電極を形成する。第1電極は、陽極又は陰極のいずれであってもよく、1つ又はそれ以上の適切な材料を電極について先に開示されたものの中から選択する。第1電極材料は、基板上にスパッタ蒸着するのが好ましい。更に、第1電極は、例えばエッチングにより所望の形状にパターン形成することができる。
【0041】
一実施形態において、有機EL材料のような活性有機材料を、物理蒸着法若しくは化学蒸着法、スピンコート法、浸漬コート法、スプレー法、インクジェット印刷法、又はキャスティング法により第1電極上に層を成して被着させ、続いて必要であれば、重合して又は材料を硬化させる。有機EL材料は、溶剤に希釈して粘度を調整するか、又はフィルム形成媒体として働く別のポリマー材料と混合することができる。また、上記で開示されたものから選択した電子輸送材料を、単独で又はフィルム形成ポリマーとの混合物として有機EL材料と混合することができる。複合電極である第2電極の第1導電性材料を、物理蒸着法、化学蒸着法、又はスパッタリングにより有機EL層の上に被着させて、第2電極の第1層を形成する。次に、第2電極の第2導電性材料の複数の細長い部材を、マスクを用いて物理蒸着法、化学蒸着法、又はスパッタリングにより第2電極の第1層の上に形成する。或いは、第2電極の第2導電性材料の第2の厚い層を、該第2電極の第1層の上に形成する。次いで、第2層をエッチングして複数の細長い部材が残るようにする。更に別の代替方法として、第1層と第2層を一緒に積層し、これらの層が電気的に導通するようにする。組み合わされた第1及び第2層を有機EL層に積層する。第2層をエッチング或いはパターン形成して複数の細長い部材が残るようにする。この第2層のパターン形成は、組み合わされた第1及び第2層を有機EL層に積層する前又は積層した後のいずれで行ってもよい。
【0042】
本発明の別の実施形態においては、第2導電性材料で作られた、第2電極の第2層を、該第2電極の第1層の上に被着させる。第2導電性材料は、上記で開示された導電性有機材料の中の1つのような導電性有機材料であることが好ましい。次に、第1導電性材料と同じか又は異なっていてもよい第3導電性材料の第3層を、複合電極の第2層の上に被着させる。複合電極の第1及び第3層は、物理蒸着法、化学蒸着法、又はスパッタリングにより被着させることができる。複合電極の第2層は、物理蒸着法、化学蒸着法、スピンコート法、浸漬コート法、スプレー法、又はインクジェット印刷法により被着させることができる。第3層は、第1層よりも厚いことが好ましい。
【0043】
本発明の有機電子デバイスは、有利には反応性種が周囲から、有機層又は陰極のような該デバイスの感度の高い素子中に拡散することを阻止するために保護バリアに封入することができる。こうした保護バリアは、例えば、エポキシ又はシリコーンといったほぼ透明なポリマーのような有機カプセル材料で構成することができる。保護バリアは更に、複数の交互配置の有機材料と無機材料とで構成することができる。有機材料は、ポリアクリレート、ポリカーボネート、PET、エポキシ、シリコーン、シリコーン官能化エポキシ、ポリエーテルイミド、及びポリスルホンからなる群から選択することができる。無機材料は、金属、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物、金属ケイ化物又はその混合物からなる群から選択することができる。
【0044】
本発明の幾つかのOELDを支持体上に配設して、全般照明における光源を与えるか又は所望のメッセージ若しくは標識を表示することができる。
【0045】
或いは、本発明の幾つかの有機PVデバイスを支持体上で互いに統合して、吸収されたEM放射線から電気エネルギ源を与えることができる。
【0046】
本発明の特定の好ましい実施形態を上記で開示してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、多くの修正、代替技術、又は変形を行うことができることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0047】
10 有機電子デバイス
15 基板
20 第1電極
40 第2電極、複合電極
42 第1層
44 細長い部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電性材料の第1層(42)と、前記第1層(42)と電気接触関係にある複数の細長い部材(44)と、からなる有機電子デバイス用複合電極(40)であって、前記細長い部材(44)が第2導電性材料からなり、前記第1層(42)に対してほぼ垂直に測定した前記細長い部材(44)の厚さが前記第1層(42)の厚さより大きく、前記複数の細長い部材(44)が互いに導通している、複合電極(40)。
【請求項2】
前記細長い部材(44)が交差する線を形成する請求項1に記載の複合電極(40)。
【請求項3】
前記第1層(42)に重なる前記細長い部材(44)の合計表面積が、該第1層の表面積の約50パーセントより少ない請求項1又は請求項2に記載の複合電極(40)。
【請求項4】
前記第1層(42)に重なる前記細長い部材(44)の合計表面積が、該第1層の表面積の約25パーセントより少ない請求項1又は請求項2に記載の複合電極(40)。
【請求項5】
前記第1層(42)に重なる前記細長い部材(44)の合計表面積が、該第1層の表面積の約10パーセントより少ない請求項1又は請求項2に記載の複合電極(40)。
【請求項6】
前記第1層(42)の前記厚さが約1nmから約25nmまでの範囲であり、前記細長い部材(44)の前記厚さが約10nmから約500nmまでの範囲である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の複合電極(40)。
【請求項7】
有機電子デバイス(10)であって、当該有機電子デバイス(10)が、
第1電極(20)と、
第1導電性材料の第1層(42)と、前記第1層上(42)に配設され、該第1層と電気接触関係にある複数の第2導電性材料の細長い部材(44)とからなる第2電極(40)と、
前記第1電極(20)と前記第2電極(46)の前記第1層(42)との間に配設された少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料(30)と
を備えており、前記第1層(42)に対してほぼ垂直に測定した前記細長い部材(44)の厚さが前記第1層(42)の厚さより大きく、前記複数の細長い部材(44)が互いに導通している、有機電子デバイス(10)。
【請求項8】
前記細長い部材(44)が交差する線を形成する請求項7に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項9】
前記デバイスが有機エレクトロルミネセンスデバイス(「OELD」)であり、前記第1電極(20)が陽極であり、前記第2電極(40)が陰極であり、前記電気的及び光学的活性有機材料(30)が有機EL材料(30)である請求項7又は請求項8に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項10】
前記第1層(42)の前記厚さが約1nmから約25nmまでの範囲であり、前記細長い部材(44)の前記厚さが約10nmから約500nmまでの範囲である請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項11】
前記第1及び第2導電性材料が異なり、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr、Sm、Eu、これらの合金、及びこれらの混合物からなる群から選択された請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項12】
前記有機EL材料(30)が、ポリ(N−カルバゾール)、ポリ(9,9−ジヘキシルフルオレン)、ポリ(ジオクチルフルオレン)、ポリ{9,9−ビス(3,6−ジオキサヘプチル)−フルオレン−2,7−ジイル}、ポリ(2−デシルオキシ−1、4−フェニレン)、ポリ(ジ−n−ブチルシラン)、ポリ(ジ−n−ペンチルシラン)、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)、ポリ(メチルフェニルシラン)ポリ{ビス(p−ブチルフェニル)シラン}、1,3,5−トリス{n−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ}ベンゼン、フェニルアントラセン、テトラアリールエテン、クマリン、ルブレン、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、アルミニウム−アセチルアセトネート、ガリウム−アセチルアセトネート、インジウム−アセチルアセトネート、アルミニウム−(ピコリメチルケトン)−ビス{2,6−ジ(t−ブチル)フェノキシド}、スカンジウム−(4−メトキシ−ピコリメチルケトン)−ビス(アセチルアセトネート)、キレートされたオキシノイド化合物、ポリ{2−メトキシ−5(2´−エチル−ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン1,2−エテニレン−2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン−1,2−エテニレン}、ジベンゾテトラフェニルペリフランテン、ポリチオフェン、ペリレンテトラエステル、トリフェニレンヘキサエーテル、アミノ置換ペリレン誘導体、アズラクトン誘導体、ペンタセンの誘導体、ピランの誘導体、白金、パラジウム、ユーロピウム、又は亜鉛のポルフィリン、白金、パラジウム、又は亜鉛のマレニトリレジチオレートホスホン酸塩錯体、ユーロピウム(III)フェナントロリンの誘導体、及びイリジウム(III)ビス{2−(2´−ベンゾチエニル)−ピリジナト−N−C’}(アセチルアセトネート)からなる群から選択された請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項13】
前記デバイス(10)が有機光起電(「PV」)デバイスであり、前記少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料が、ヘテロ接合を形成する2つの有機半導体材料を備えた請求項7乃至請求項12のいずれか1項に記載の有機電子デバイス(10)。
【請求項14】
支持体上に配設された複数の有機エレクトロルミネセンスデバイス(10)(「OELD」)を備える光源であって、各々の前記OELDが、
第1電極(20)と、
第1導電性材料の第1層(42)と、第2導電性材料を含み且つ前記第1層(42)上に配設された複数の細長い部材(44)とからなる第2電極(40)と、
前記第1電極と前記第2電極(40)の前記第1層(42)との間に配設された少なくとも1つの有機EL材料(30)と、
を備え、
前記第1層(42)に対してほぼ垂直に測定した前記細長い部材(44)の厚さが前記第1層(42)より大きく、前記複数の細長い部材(44)が互いに導通していることを特徴とする光源。
【請求項15】
支持体上に配設された複数の有機PVデバイスを備えた電気エネルギ源であって、各々の有機PVデバイスが、
第1電極(20)と、
第1導電性材料の第1層(42)と、第2導電性材料を含み且つ前記第1層(42)上に配設された複数の細長い部材(44)とからなる第2電極(40)と、
電子供与性有機半導体材料と、電子受容性有機半導体材料と、
を備え、前記有機半導体材料が前記第1電極(20)と前記第2電極(40)の前記第1層(42)との間に配設されてヘテロ接合が形成されるようになり、
前記第1層(42)に対してほぼ垂直に測定した前記細長い部材(44)の厚さが前記第1層(42)の厚さより大きく、前記複数の細長い部材(44)が互いに導通していることを特徴とする電気エネルギ源。
【請求項16】
有機電子デバイス(10)を作る方法であって、
(a)第1電極(20)を準備し、
(b)少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料(30)を前記第1電極(20)上に配設し、
(c)第2電極(40)の第1導電性材料からなる第1層(42)を、前記少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料(30)上に配設し、
(d)第2導電性材料からなり、前記第1層(42)に対してほぼ垂直に測定した厚さが前記第1層(42)の厚さより大きく、互いに導通している複数の細長い部材(44)を前記第1層(42)上に配設する、
ことを含む方法。
【請求項17】
前記第1電極(20)を準備することが、ほぼ透明な基板(15)を準備することと、第1電極(20)材料を前記基板上に配設することとを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1電極(20)材料を配設すること、前記第2電極(40)の第1層(42)を配設すること、及び前記複数の前記細長い部材(44)を配設することが、物理蒸着法、化学蒸着法、及びスパッタリングからなる群から選択された方法により導電性材料を被着させることを含む請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の前記細長い部材(44)を配設することが、マスクを用いて導電性材料を被着させることを更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の前記細長い部材(44)を配設することが、前記第2導電性材料の層を配設することと、前記複数の細長い部材(44)が残るように前記層を選択的にエッチングすることとを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの電気的及び光学的活性有機材料(30)を配設することが、物理蒸着法、化学蒸着法、スピンコート法、浸漬コート法、スプレー法、及びインクジェット印刷法からなる群から選択された方法により行われる請求項16乃至請求項20のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−129539(P2011−129539A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57315(P2011−57315)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【分割の表示】特願2003−333735(P2003−333735)の分割
【原出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】