本のカバー掛け方法及びブックカバーの貼り合わせ装置
【課題】図書館や学校など本の汚れや破損防止のためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本を保護する需要が増加し、スピードアップと大量生産の要求に応えるために、効率よく且つ見栄えのよい仕上がりが得られる本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を提供する。
【解決手段】複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムをブックカバーの上から被せ回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、ブックカバー被覆物をそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を四隅の角部分を裁断し、中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、ブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えた本のカバー掛け方法並びに粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【解決手段】複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムをブックカバーの上から被せ回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、ブックカバー被覆物をそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を四隅の角部分を裁断し、中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、ブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えた本のカバー掛け方法並びに粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、本の汚れや破損を防止するためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本の表紙に固着するための本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、本の表紙の全面に透明なフィルムを貼着する場合に、本の表紙に直接透明粘着フィルムを貼り付けるか又は本の表紙にブックカバーを掛けた状態でその上から透明粘着フィルムを覆って貼り付けていた。しかし、透明粘着フィルムと本の表紙又はブックカバーとの間に空気を巻き込むと、見栄えが悪くなるために透明粘着フィルムの上からスポンジや布で擦って空気を抜く作業が不可欠であった。この作業には根気と熟練を要するばかりでなく、時間がかかることからコストアップの要因ともなり問題であった。
【０００３】
前記問題点を解消するために、下記のような発明が開示されている。しかし、特許文献１記載のブックカバー貼付機は、２連コンベヤベルトに対して直角方向から書籍を閉じた状態で挿入して書籍に透明粘着フィルムを貼付けていた。特許文献２記載のブックカバーかけ器は、透明粘着フィルムの粘着面上に書籍の双方の表紙を展開して置き、表紙にフィルムを貼付けていた。何れの場合も、透明粘着フィルムと本の間の空気抜きの作業は改良されているが充分ではなく、本を直接装置にセットするための時間が掛かるために作業性向上の妨げになるとともに扱いが煩雑であるという問題がある。
【０００４】
【特許文献１】特開平１−２１４４８３号公報
【特許文献２】実開昭５４−６８９２５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明者は、従来の本に直接粘着フィルムを貼り付けることから発生する前記の問題点を解消して効率よくブックカバー掛けを行うための方法と装置について鋭意研究した結果、近年、概ね本の表紙には本の内容を示したり装飾のためのブックカバーが装着しており、このブックカバーと粘着フィルムの貼り合わせに着目し、ブックカバーを本から取り外して粘着フィルムを貼り合わせる工程を機械化することによって、格段に作業性が向上するだけでなく、粘着フィルムとブックカバー間の空気を確実に抜き取ることができるので仕上がりに優れたブックカバー掛けが可能となることを見出して本発明に想到するに至ったものであり、本発明の目的は、近年、図書館や学校など本の汚れや破損防止のためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本を保護する需要が増加するに伴い、スピードアップと大量生産の要求が高まっており、係る要求に応えるために、本の表紙に直接透明粘着フィルムを貼り付けていた従来の作業を改善して機械化することによって、前記問題点を解消し、効率よく且つ見栄えのよい仕上がりが得られる本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記の課題を解決するために、本発明は、複数枚のブックカバーを、長尺状離型紙上に長手方向に適宜間隔をおいて且つブックカバーの裏面側を離型紙の離型剤を施した面に向けて配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、前記圧着したブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間部でそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分を裁断し、更に中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、前記加工を施したブックカバー被覆物から離型紙を剥がすとともにブックカバーを本に被せて前記粘着フィルムを本の表紙の裏側に貼り付けてブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えたことを特徴とする本のカバー掛け方法とする（請求項１）。
【０００７】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程において、ブックカバーの左右両側の折返し部から両端部を内側に折返した状態で複数枚のブックカバーを長手方向に適宜間隔を開けて配置することを特徴とする前記の本のカバー掛け方法とすることが好ましい（請求項２）。
【０００８】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムを掛架する掛架用ロールと、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムから剥離した回収離型紙を捲き取る回収離型紙捲取ロールと、前記回収離型紙を剥がした後の粘着フィルムを供給する粘着フィルム供給部と、ロール捲き状の搬送用離型紙を所定の長さだけ間欠的に移送する間欠移送部と、ブックカバーを適宜間隔をおいて配置した搬送用離型紙が間欠移送可能に載置される作業台と、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙とブックカバーと粘着フィルムがこの順に重ねられた材料を圧着する圧着ロール及びバックアップロールと、圧着された前記ブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間でそれぞれ切断する切断装置とを備えたことを特徴とする粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置とする（請求項３）。
【０００９】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記搬送用離型紙が作業台上に停止時に搬送用離型紙上の所定位置にブックカバーを配置するブックカバー配置手段を備えたことを特徴とする前記の粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置とすることが好ましい（請求項４）。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置は、ブックカバーを離型紙の離型剤を施した面に配置して、その上から透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着することによって、従来の、本に粘着フィルムを貼り合わせる立体的作業を、ブックカバーに粘着フィルムを貼り合わせる平面的作業に置き換えことによる、連続作業が可能となり且つ確実な空気抜きによる空気溜まりが防止できるのでスピードアップと仕上がりの良さが確保できる効果を奏する。また、粘着フィルムの供給時に裏打ち材に使用されている離型紙を本発明を実施する際に使用すれば、材料の無駄を防止できるメリットがある。この離型紙は、ブックカバーを本の表紙に固着する直前までブックカバー被覆物に貼り合わせてあるので、粘着フィルムの粘着剤が露出することによる途中の加工作業の妨げを防止する役割を果たす。粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置は、コンパクトで操作も簡単なので、熟練を要することもなく操作手順を習うだけで誰でも取り扱いができ、車輪を取り付けることにより移動も簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明を実施するための最良の形態（以下「本発明の実施の形態」と称する）について図面を参照して説明する。しかしながら本願発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。図１は、本発明の実施の形態に係る粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を示し、図２は、前記貼り合わせ装置によって、離型紙、ブックカバー、粘着フィルムの順に重ねて圧着したブックカバー被覆物を示す。図３は、切断後のブックカバー被覆物の打ち抜き加工部を示し、図４は、ブックカバーを粘着フィルムと貼り合わせる前のブックカバーの切断部を示す。
【００１２】
本発明の実施の形態において使用される合成樹脂製粘着フィルムは、片面に粘着層を有する透明又は半透明な合成樹脂製フィルムからなり、通常は該粘着層面を覆う離型紙を重ね合わせた長尺ロール状にして供給される。合成樹脂製フィルムの素材等は透明又は半透明性を備えた合成樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンないしポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、各種エラストマー、又はこれらの共重合体ないし混合物の何れかが好ましい。前記合成樹脂製フィルムの片面には透明又は半透明な粘着層が積層されてなる。また、離型紙は紙にシリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂などの離型剤を塗布したもので、離型剤を塗布する紙の面に升目印刷を施した離型紙が好ましい。
【００１３】
粘着フィルムＦ２とブックカバーＢ１の貼り合わせ装置１は、図１に示すように、ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１を掛架する掛架用ロール２と、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１から剥離した回収離型紙Ｒ１を捲き取る回収離型紙捲取ロール３と、粘着フィルム供給部である板状体４（粘着フィルムが当接する先端部の断面がやや丸味を持って形成してなる）と、ロール捲き状の搬送用離型紙Ｒ２を所定の長さだけ間欠的に移送する、タイマーＴとモーターＭの回転・伝動を制御するコントローラＣとフットスイッチＳとからなる間欠移送部５と、ブックカバーＢ１を適宜間隔をおいて配置する搬送用離型紙Ｒ２が間欠移送可能に載置される後部作業台６ａと、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙Ｒ２とブックカバーＢ１と粘着フィルムＦ２がこの順に重ねられた材料を圧着するゴム製の圧着ロール７及びバックアップロール７’と、圧着された前記ブックカバー被覆物Ｂ２を移送可能に載置する前部作業台６ｂと、隣接するブックカバーとブックカバーの中間位置でブックカバー被覆物Ｂ２を切断するための切断位置に移動可能に設置された切断装置８とを備えてある。そして前記装置は、箱型枠体９に装着されており、該箱型枠体９は下方に取り付けられたキャスター１０によって移動自在に構成されてなる。必要に応じて、ブックカバーＢ１及び／又は搬送用離型紙Ｒ２上に当接する回転ローラー１２を設けてブックカバーの浮き上がりと搬送用離型紙の蛇行を防止するように構成してもよい。
【００１４】
先ず貼り合わせ装置１に離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１を粘着面がブックカバー側に向くように、そして搬送用離型紙Ｒ２を離型剤塗布面が上向きになるように、それぞれセットして運転を開始する。搬送用離型紙Ｒ２が、回転する圧着ロール７及びバックアップロール７’に狭持されて前方に所定長さ分、移送されて停止する。この時、搬送用離型紙Ｒ２上の所定位置にブックカバーの左右方向が離型紙の長手方向を向くようにして載置する。ブックカバーの左右両側の折返部Ｂ５を内側に折返した状態にして、裏面側を下方（離型紙側）に向けて載置する。載置する位置決めを容易にするために後部作業台６ａに目印のメジャー１３を設けておくとよい。また、搬送用離型紙Ｒ２に升目が印刷してあれば升目を目安にして載置できるのでより好ましい。ブックカバーを所定位置にセットしフットスイッチＳを押すと、タイマーＴに設定した時間、即ちブックカバー１枚分相当の搬送用離型紙Ｒ２が移送して停止する。この時、粘着フィルムＦ２が板状体４を経てブックカバーＢ１の上面を覆い重ね合わされた状態で圧着ロール７とバックアップロール７’の間を通過して圧着されるので粘着フィルムとブックカバーの間の空気が押し出されて両者は密着する。粘着フィルム供給部は、粘着フィルムの幅出しと皺の発生を防止する限りにおいて板状体４に限定されず、ゴム製ないしプラスチック製ロール等を用いてもよい。
【００１５】
搬送用離型紙Ｒ２が停止したら前回と同様に所定位置に次のブックカバーをセットする。以後同様にこの操作を繰り返すと、隣接するブックカバーとブックカバーの中間に適宜の間隔をおいて圧着されたブックカバー被覆物Ｂ２が形成される。このブックカバー被覆物Ｂ２は、前部作業台６ｂの前方に移送され、前記間欠移送部５と連動して作動するカッター等の切断装置８によりブックカバーとブックカバーの中間ＣＬ１で切断されて一枚ずつのブックカバー被覆物Ｂ２として受具１１に収納される。前記実施の形態の貼り合わせ装置１では、ブックカバーを搬送用離型紙Ｒ２上に手でセットしているが、手以外に図示しない例えばロボットアームのような配置手段を使ってブックカバーを所定位置にセットするように構成してもよい。また、ブックカバー被覆物Ｂ２を一旦長尺ロール状に捲き取って別工程にてカットしてもよい。
【００１６】
ブックカバーＢ１は、予め本から取り外して天地幅が同じものを揃える。この際に、本とブックカバーが対応可能なように、予め両者に同一の識別記号、例えば顧客記号と書籍番号を組み合わせた識別記号を付けておき、後で本の表紙にブックカバーを固着するときの目安となるように構成することが好ましい。次に、図５に示すように、ブックカバーＢ１の両側の折返部Ｂ５の天地端部ＣＬ４を斜めに切断して、表紙の裏側に粘着フィルムが貼り付き易くなるようにすることが好ましい。搬送用離型紙Ｒ２は、粘着フィルムＦ２の幅と同幅かやや広幅のものを使用することが好ましい。図２に示すように、ブックカバーの天地方向長さＬ１と粘着フィルムの幅Ｌ２との差及び粘着フィルムの幅Ｌ２と搬送用離型紙の幅Ｌ３との差は、本の大きさや厚みなどに応じて適宜設定すればよく特に限定するものではないが、例えば、両側で約４ｃｍ前後、片側それぞれ約２ｃｍ前後とるのが好ましい。或いは、予め余尺として若干広くとっておきスリッターで両側を切断して幅を揃えてもよい。同様に、隣同士に配置されるブックカバーの間隔もそれぞれ約２ｃｍ前後、合計約４ｃｍ前後とることが好ましい。また、ブックカバーは、この他に図示しない配置方法、即ちブックカバーの左右両側の折返部Ｂ５を展開した状態で天地方向を粘着フィルムの長手方向に向けて適宜間隔を開けて配置してもよい。表１に種々の本のサイズと必要な粘着フィルム幅及び離型紙幅の関係を示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】
次に、所定の大きさに裁断されたブックカバー被覆物Ｂ２は、図３に示すように、一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分ＣＬ２を裁断し、更に中央の背部Ｂ３近傍に切り込みＣＬ３を形成する。四隅の角部分はブックカバーの角部より若干外側に約４５度位の角度αで切断し、ブックカバーの背部折り曲げ部より若干左右端寄りにブックカバーの天地辺に対して約７０度位の角度βで切り込みを形成する。これらの加工は打ち抜き型を使用した打ち抜き加工によるのが好ましい。左右幅の長さが異なるブックカバーに対応可能にするために予め左右幅の長さが異なる打ち抜き型を複数準備しておいて対応してもよい。また、前記貼り合わせ装置１において、切断装置８に代えて、ブックカバーの左右幅の長さが異なる複数の打ち抜き型を交換可能に配置しておき、ブックカバーの左右幅に対応する打ち抜き型を適宜選択して１工程で打ち抜き加工まで仕上げるように構成してもよい。
【００１９】
次に、前記打ち抜きないし切り込み加工後のブックカバー被覆物Ｂ２をそれぞれ１枚ずつ本の表紙に固着する手順について説明する。先ず、図４に示すように、天地両方の背部切り込み部の離型紙を剥がして粘着フィルム折返部Ｆ３１，Ｆ３１をそれぞれ折り返してブックカバーの裏側に貼り付ける。それから、ブックカバーの左右どちらか一方を本の表紙に被せ、粘着フィルム折返部Ｆ３２及びＦ３３，Ｆ３３の順に離型紙を剥がして表紙の裏側に貼り付けて固着する。本の裏表紙の裏側に、ブックカバーのもう一方を被せ同様の手順にて粘着フィルムで固着して完成する。ブックカバー被覆物Ｂ２を本の表紙に固着する際に従来法における粘着フィルムに巻き込まれた空気抜きの作業が全く不要なことと、粘着フィルムを本の表紙に貼り付ける直前まで粘着フィルムの粘着面に離型紙が付いているので粘着剤が作業の妨げにならず作業性が格段に向上する。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明に係る本のカバー掛け方法及びブックカバーの貼り合わせ装置は、図書館や学校など本の汚れや破損防止のためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本を保護する需要の増加に伴うスピードアップと大量生産の要求に充分に応えられるので極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の実施の形態に係る粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を示す説明図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る連続状ブックカバー被覆物を示す説明図である。
【図３】切断後のブックカバー被覆物の打ち抜き加工部を示す説明図である。
【図４】打ち抜き加工後のブックカバーを本の表紙に貼り付ける際の貼り付け部を示す説明図である。
【図５】ブックカバーを粘着フィルムと貼り合わせる前のブックカバーの切断部を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２２】
１：貼り合わせ装置、２：掛架用ロール、３：回収離型紙捲取ロール、４：板状体、５：間欠移送部、６：作業台、６ａ：後部作業台、６ｂ：前部作業台、７：圧着ロール、７’：バックアップロール、８：切断装置、９：箱型駆体、１０：キャスター、１１：受具、１２：回転ローラー、１３：ガイド用メジャー、１４：移送用ロール
Ｆ１：離型紙付き合成樹脂製粘着フィルム、Ｆ２：粘着フィルム、Ｆ３１，Ｆ３２，Ｆ３３：粘着フィルム折返部、Ｒ１：回収離型紙、Ｒ２：搬送用離型紙、Ｂ１：ブックカバー、Ｂ２：ブックカバー被覆物、Ｂ３：背部、Ｂ４：片側、Ｂ５：ブックカバー折返部、
ＣＬ１，ＣＬ２，ＣＬ３，ＣＬ４：切断線、
Ｔ：タイマー、Ｃ：コントローラ、Ｓ：フットスイッチ、Ｍ：ギヤードモーター、Ｐ：電源、
【技術分野】
【０００１】
本発明は、本の汚れや破損を防止するためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本の表紙に固着するための本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、本の表紙の全面に透明なフィルムを貼着する場合に、本の表紙に直接透明粘着フィルムを貼り付けるか又は本の表紙にブックカバーを掛けた状態でその上から透明粘着フィルムを覆って貼り付けていた。しかし、透明粘着フィルムと本の表紙又はブックカバーとの間に空気を巻き込むと、見栄えが悪くなるために透明粘着フィルムの上からスポンジや布で擦って空気を抜く作業が不可欠であった。この作業には根気と熟練を要するばかりでなく、時間がかかることからコストアップの要因ともなり問題であった。
【０００３】
前記問題点を解消するために、下記のような発明が開示されている。しかし、特許文献１記載のブックカバー貼付機は、２連コンベヤベルトに対して直角方向から書籍を閉じた状態で挿入して書籍に透明粘着フィルムを貼付けていた。特許文献２記載のブックカバーかけ器は、透明粘着フィルムの粘着面上に書籍の双方の表紙を展開して置き、表紙にフィルムを貼付けていた。何れの場合も、透明粘着フィルムと本の間の空気抜きの作業は改良されているが充分ではなく、本を直接装置にセットするための時間が掛かるために作業性向上の妨げになるとともに扱いが煩雑であるという問題がある。
【０００４】
【特許文献１】特開平１−２１４４８３号公報
【特許文献２】実開昭５４−６８９２５号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明者は、従来の本に直接粘着フィルムを貼り付けることから発生する前記の問題点を解消して効率よくブックカバー掛けを行うための方法と装置について鋭意研究した結果、近年、概ね本の表紙には本の内容を示したり装飾のためのブックカバーが装着しており、このブックカバーと粘着フィルムの貼り合わせに着目し、ブックカバーを本から取り外して粘着フィルムを貼り合わせる工程を機械化することによって、格段に作業性が向上するだけでなく、粘着フィルムとブックカバー間の空気を確実に抜き取ることができるので仕上がりに優れたブックカバー掛けが可能となることを見出して本発明に想到するに至ったものであり、本発明の目的は、近年、図書館や学校など本の汚れや破損防止のためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本を保護する需要が増加するに伴い、スピードアップと大量生産の要求が高まっており、係る要求に応えるために、本の表紙に直接透明粘着フィルムを貼り付けていた従来の作業を改善して機械化することによって、前記問題点を解消し、効率よく且つ見栄えのよい仕上がりが得られる本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
前記の課題を解決するために、本発明は、複数枚のブックカバーを、長尺状離型紙上に長手方向に適宜間隔をおいて且つブックカバーの裏面側を離型紙の離型剤を施した面に向けて配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、前記圧着したブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間部でそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分を裁断し、更に中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、前記加工を施したブックカバー被覆物から離型紙を剥がすとともにブックカバーを本に被せて前記粘着フィルムを本の表紙の裏側に貼り付けてブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えたことを特徴とする本のカバー掛け方法とする（請求項１）。
【０００７】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程において、ブックカバーの左右両側の折返し部から両端部を内側に折返した状態で複数枚のブックカバーを長手方向に適宜間隔を開けて配置することを特徴とする前記の本のカバー掛け方法とすることが好ましい（請求項２）。
【０００８】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムを掛架する掛架用ロールと、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムから剥離した回収離型紙を捲き取る回収離型紙捲取ロールと、前記回収離型紙を剥がした後の粘着フィルムを供給する粘着フィルム供給部と、ロール捲き状の搬送用離型紙を所定の長さだけ間欠的に移送する間欠移送部と、ブックカバーを適宜間隔をおいて配置した搬送用離型紙が間欠移送可能に載置される作業台と、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙とブックカバーと粘着フィルムがこの順に重ねられた材料を圧着する圧着ロール及びバックアップロールと、圧着された前記ブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間でそれぞれ切断する切断装置とを備えたことを特徴とする粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置とする（請求項３）。
【０００９】
また、前記の課題を解決するために、本発明は、前記搬送用離型紙が作業台上に停止時に搬送用離型紙上の所定位置にブックカバーを配置するブックカバー配置手段を備えたことを特徴とする前記の粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置とすることが好ましい（請求項４）。
【発明の効果】
【００１０】
本発明の本のカバー掛け方法及び粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置は、ブックカバーを離型紙の離型剤を施した面に配置して、その上から透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着することによって、従来の、本に粘着フィルムを貼り合わせる立体的作業を、ブックカバーに粘着フィルムを貼り合わせる平面的作業に置き換えことによる、連続作業が可能となり且つ確実な空気抜きによる空気溜まりが防止できるのでスピードアップと仕上がりの良さが確保できる効果を奏する。また、粘着フィルムの供給時に裏打ち材に使用されている離型紙を本発明を実施する際に使用すれば、材料の無駄を防止できるメリットがある。この離型紙は、ブックカバーを本の表紙に固着する直前までブックカバー被覆物に貼り合わせてあるので、粘着フィルムの粘着剤が露出することによる途中の加工作業の妨げを防止する役割を果たす。粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置は、コンパクトで操作も簡単なので、熟練を要することもなく操作手順を習うだけで誰でも取り扱いができ、車輪を取り付けることにより移動も簡単である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
次に、本発明を実施するための最良の形態（以下「本発明の実施の形態」と称する）について図面を参照して説明する。しかしながら本願発明は係る本発明の実施の形態によって何ら限定されるものではない。図１は、本発明の実施の形態に係る粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を示し、図２は、前記貼り合わせ装置によって、離型紙、ブックカバー、粘着フィルムの順に重ねて圧着したブックカバー被覆物を示す。図３は、切断後のブックカバー被覆物の打ち抜き加工部を示し、図４は、ブックカバーを粘着フィルムと貼り合わせる前のブックカバーの切断部を示す。
【００１２】
本発明の実施の形態において使用される合成樹脂製粘着フィルムは、片面に粘着層を有する透明又は半透明な合成樹脂製フィルムからなり、通常は該粘着層面を覆う離型紙を重ね合わせた長尺ロール状にして供給される。合成樹脂製フィルムの素材等は透明又は半透明性を備えた合成樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンないしポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、各種エラストマー、又はこれらの共重合体ないし混合物の何れかが好ましい。前記合成樹脂製フィルムの片面には透明又は半透明な粘着層が積層されてなる。また、離型紙は紙にシリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂などの離型剤を塗布したもので、離型剤を塗布する紙の面に升目印刷を施した離型紙が好ましい。
【００１３】
粘着フィルムＦ２とブックカバーＢ１の貼り合わせ装置１は、図１に示すように、ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１を掛架する掛架用ロール２と、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１から剥離した回収離型紙Ｒ１を捲き取る回収離型紙捲取ロール３と、粘着フィルム供給部である板状体４（粘着フィルムが当接する先端部の断面がやや丸味を持って形成してなる）と、ロール捲き状の搬送用離型紙Ｒ２を所定の長さだけ間欠的に移送する、タイマーＴとモーターＭの回転・伝動を制御するコントローラＣとフットスイッチＳとからなる間欠移送部５と、ブックカバーＢ１を適宜間隔をおいて配置する搬送用離型紙Ｒ２が間欠移送可能に載置される後部作業台６ａと、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙Ｒ２とブックカバーＢ１と粘着フィルムＦ２がこの順に重ねられた材料を圧着するゴム製の圧着ロール７及びバックアップロール７’と、圧着された前記ブックカバー被覆物Ｂ２を移送可能に載置する前部作業台６ｂと、隣接するブックカバーとブックカバーの中間位置でブックカバー被覆物Ｂ２を切断するための切断位置に移動可能に設置された切断装置８とを備えてある。そして前記装置は、箱型枠体９に装着されており、該箱型枠体９は下方に取り付けられたキャスター１０によって移動自在に構成されてなる。必要に応じて、ブックカバーＢ１及び／又は搬送用離型紙Ｒ２上に当接する回転ローラー１２を設けてブックカバーの浮き上がりと搬送用離型紙の蛇行を防止するように構成してもよい。
【００１４】
先ず貼り合わせ装置１に離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムＦ１を粘着面がブックカバー側に向くように、そして搬送用離型紙Ｒ２を離型剤塗布面が上向きになるように、それぞれセットして運転を開始する。搬送用離型紙Ｒ２が、回転する圧着ロール７及びバックアップロール７’に狭持されて前方に所定長さ分、移送されて停止する。この時、搬送用離型紙Ｒ２上の所定位置にブックカバーの左右方向が離型紙の長手方向を向くようにして載置する。ブックカバーの左右両側の折返部Ｂ５を内側に折返した状態にして、裏面側を下方（離型紙側）に向けて載置する。載置する位置決めを容易にするために後部作業台６ａに目印のメジャー１３を設けておくとよい。また、搬送用離型紙Ｒ２に升目が印刷してあれば升目を目安にして載置できるのでより好ましい。ブックカバーを所定位置にセットしフットスイッチＳを押すと、タイマーＴに設定した時間、即ちブックカバー１枚分相当の搬送用離型紙Ｒ２が移送して停止する。この時、粘着フィルムＦ２が板状体４を経てブックカバーＢ１の上面を覆い重ね合わされた状態で圧着ロール７とバックアップロール７’の間を通過して圧着されるので粘着フィルムとブックカバーの間の空気が押し出されて両者は密着する。粘着フィルム供給部は、粘着フィルムの幅出しと皺の発生を防止する限りにおいて板状体４に限定されず、ゴム製ないしプラスチック製ロール等を用いてもよい。
【００１５】
搬送用離型紙Ｒ２が停止したら前回と同様に所定位置に次のブックカバーをセットする。以後同様にこの操作を繰り返すと、隣接するブックカバーとブックカバーの中間に適宜の間隔をおいて圧着されたブックカバー被覆物Ｂ２が形成される。このブックカバー被覆物Ｂ２は、前部作業台６ｂの前方に移送され、前記間欠移送部５と連動して作動するカッター等の切断装置８によりブックカバーとブックカバーの中間ＣＬ１で切断されて一枚ずつのブックカバー被覆物Ｂ２として受具１１に収納される。前記実施の形態の貼り合わせ装置１では、ブックカバーを搬送用離型紙Ｒ２上に手でセットしているが、手以外に図示しない例えばロボットアームのような配置手段を使ってブックカバーを所定位置にセットするように構成してもよい。また、ブックカバー被覆物Ｂ２を一旦長尺ロール状に捲き取って別工程にてカットしてもよい。
【００１６】
ブックカバーＢ１は、予め本から取り外して天地幅が同じものを揃える。この際に、本とブックカバーが対応可能なように、予め両者に同一の識別記号、例えば顧客記号と書籍番号を組み合わせた識別記号を付けておき、後で本の表紙にブックカバーを固着するときの目安となるように構成することが好ましい。次に、図５に示すように、ブックカバーＢ１の両側の折返部Ｂ５の天地端部ＣＬ４を斜めに切断して、表紙の裏側に粘着フィルムが貼り付き易くなるようにすることが好ましい。搬送用離型紙Ｒ２は、粘着フィルムＦ２の幅と同幅かやや広幅のものを使用することが好ましい。図２に示すように、ブックカバーの天地方向長さＬ１と粘着フィルムの幅Ｌ２との差及び粘着フィルムの幅Ｌ２と搬送用離型紙の幅Ｌ３との差は、本の大きさや厚みなどに応じて適宜設定すればよく特に限定するものではないが、例えば、両側で約４ｃｍ前後、片側それぞれ約２ｃｍ前後とるのが好ましい。或いは、予め余尺として若干広くとっておきスリッターで両側を切断して幅を揃えてもよい。同様に、隣同士に配置されるブックカバーの間隔もそれぞれ約２ｃｍ前後、合計約４ｃｍ前後とることが好ましい。また、ブックカバーは、この他に図示しない配置方法、即ちブックカバーの左右両側の折返部Ｂ５を展開した状態で天地方向を粘着フィルムの長手方向に向けて適宜間隔を開けて配置してもよい。表１に種々の本のサイズと必要な粘着フィルム幅及び離型紙幅の関係を示す。
【００１７】
【表１】
【００１８】
次に、所定の大きさに裁断されたブックカバー被覆物Ｂ２は、図３に示すように、一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分ＣＬ２を裁断し、更に中央の背部Ｂ３近傍に切り込みＣＬ３を形成する。四隅の角部分はブックカバーの角部より若干外側に約４５度位の角度αで切断し、ブックカバーの背部折り曲げ部より若干左右端寄りにブックカバーの天地辺に対して約７０度位の角度βで切り込みを形成する。これらの加工は打ち抜き型を使用した打ち抜き加工によるのが好ましい。左右幅の長さが異なるブックカバーに対応可能にするために予め左右幅の長さが異なる打ち抜き型を複数準備しておいて対応してもよい。また、前記貼り合わせ装置１において、切断装置８に代えて、ブックカバーの左右幅の長さが異なる複数の打ち抜き型を交換可能に配置しておき、ブックカバーの左右幅に対応する打ち抜き型を適宜選択して１工程で打ち抜き加工まで仕上げるように構成してもよい。
【００１９】
次に、前記打ち抜きないし切り込み加工後のブックカバー被覆物Ｂ２をそれぞれ１枚ずつ本の表紙に固着する手順について説明する。先ず、図４に示すように、天地両方の背部切り込み部の離型紙を剥がして粘着フィルム折返部Ｆ３１，Ｆ３１をそれぞれ折り返してブックカバーの裏側に貼り付ける。それから、ブックカバーの左右どちらか一方を本の表紙に被せ、粘着フィルム折返部Ｆ３２及びＦ３３，Ｆ３３の順に離型紙を剥がして表紙の裏側に貼り付けて固着する。本の裏表紙の裏側に、ブックカバーのもう一方を被せ同様の手順にて粘着フィルムで固着して完成する。ブックカバー被覆物Ｂ２を本の表紙に固着する際に従来法における粘着フィルムに巻き込まれた空気抜きの作業が全く不要なことと、粘着フィルムを本の表紙に貼り付ける直前まで粘着フィルムの粘着面に離型紙が付いているので粘着剤が作業の妨げにならず作業性が格段に向上する。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明に係る本のカバー掛け方法及びブックカバーの貼り合わせ装置は、図書館や学校など本の汚れや破損防止のためにブックカバーを透明な粘着フィルムで覆って本を保護する需要の増加に伴うスピードアップと大量生産の要求に充分に応えられるので極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【００２１】
【図１】本発明の実施の形態に係る粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置を示す説明図である。
【図２】本発明の実施の形態に係る連続状ブックカバー被覆物を示す説明図である。
【図３】切断後のブックカバー被覆物の打ち抜き加工部を示す説明図である。
【図４】打ち抜き加工後のブックカバーを本の表紙に貼り付ける際の貼り付け部を示す説明図である。
【図５】ブックカバーを粘着フィルムと貼り合わせる前のブックカバーの切断部を示す説明図である。
【符号の説明】
【００２２】
１：貼り合わせ装置、２：掛架用ロール、３：回収離型紙捲取ロール、４：板状体、５：間欠移送部、６：作業台、６ａ：後部作業台、６ｂ：前部作業台、７：圧着ロール、７’：バックアップロール、８：切断装置、９：箱型駆体、１０：キャスター、１１：受具、１２：回転ローラー、１３：ガイド用メジャー、１４：移送用ロール
Ｆ１：離型紙付き合成樹脂製粘着フィルム、Ｆ２：粘着フィルム、Ｆ３１，Ｆ３２，Ｆ３３：粘着フィルム折返部、Ｒ１：回収離型紙、Ｒ２：搬送用離型紙、Ｂ１：ブックカバー、Ｂ２：ブックカバー被覆物、Ｂ３：背部、Ｂ４：片側、Ｂ５：ブックカバー折返部、
ＣＬ１，ＣＬ２，ＣＬ３，ＣＬ４：切断線、
Ｔ：タイマー、Ｃ：コントローラ、Ｓ：フットスイッチ、Ｍ：ギヤードモーター、Ｐ：電源、
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数枚のブックカバーを、長尺状離型紙上に長手方向に適宜間隔をおいて且つブックカバーの裏面側を離型紙の離型剤を施した面に向けて配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、前記圧着したブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間部でそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分を裁断し、更に中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、前記加工を施したブックカバー被覆物から離型紙を剥がすとともにブックカバーを本に被せて前記粘着フィルムを本の表紙の裏側に貼り付けてブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えたことを特徴とする本のカバー掛け方法。
【請求項２】
前記複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程において、ブックカバーの左右両側の折返し部から両端部を内側に折返した状態で複数枚のブックカバーを長手方向に適宜間隔を開けて配置することを特徴とする請求項１記載の本のカバー掛け方法。
【請求項３】
ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムを掛架する掛架用ロールと、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムから剥離した回収離型紙を捲き取る回収離型紙捲取ロールと、前記回収離型紙を剥がした後の粘着フィルムを供給する粘着フィルム供給部と、ロール捲き状の搬送用離型紙を所定の長さだけ間欠的に移送する間欠移送部と、ブックカバーを適宜間隔をおいて配置した搬送用離型紙が間欠移送可能に載置される作業台と、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙とブックカバーと粘着フィルムがこの順に重ねられた材料を圧着する圧着ロール及びバックアップロールと、圧着された前記ブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間でそれぞれ切断する切断装置とを備えたことを特徴とする粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【請求項４】
前記搬送用離型紙が作業台上に停止時に搬送用離型紙上の所定位置にブックカバーを配置するブックカバー配置手段を備えたことを特徴とする請求項３記載の粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【請求項１】
複数枚のブックカバーを、長尺状離型紙上に長手方向に適宜間隔をおいて且つブックカバーの裏面側を離型紙の離型剤を施した面に向けて配置する工程と、透明又は半透明な合成樹脂製粘着フィルムの粘着面を前記離型紙側に向けてブックカバーの上から被せるとともに回転する二本のロール間に挟んで圧着する工程と、前記圧着したブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間部でそれぞれ切断する工程と、前記切断されたブックカバー被覆物を一枚または複数枚重ね合わせて四隅の角部分を裁断し、更に中央の背部近傍に切り込みを形成する加工工程と、前記加工を施したブックカバー被覆物から離型紙を剥がすとともにブックカバーを本に被せて前記粘着フィルムを本の表紙の裏側に貼り付けてブックカバーを本の表紙に固着する工程とを備えたことを特徴とする本のカバー掛け方法。
【請求項２】
前記複数枚のブックカバーを長尺状離型紙上に配置する工程において、ブックカバーの左右両側の折返し部から両端部を内側に折返した状態で複数枚のブックカバーを長手方向に適宜間隔を開けて配置することを特徴とする請求項１記載の本のカバー掛け方法。
【請求項３】
ロール捲き状の離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムを掛架する掛架用ロールと、前記離型紙付き合成樹脂製粘着フィルムから剥離した回収離型紙を捲き取る回収離型紙捲取ロールと、前記回収離型紙を剥がした後の粘着フィルムを供給する粘着フィルム供給部と、ロール捲き状の搬送用離型紙を所定の長さだけ間欠的に移送する間欠移送部と、ブックカバーを適宜間隔をおいて配置した搬送用離型紙が間欠移送可能に載置される作業台と、該作業台の前方にあって、前記搬送用離型紙とブックカバーと粘着フィルムがこの順に重ねられた材料を圧着する圧着ロール及びバックアップロールと、圧着された前記ブックカバー被覆物を隣接するブックカバーとブックカバーの中間でそれぞれ切断する切断装置とを備えたことを特徴とする粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【請求項４】
前記搬送用離型紙が作業台上に停止時に搬送用離型紙上の所定位置にブックカバーを配置するブックカバー配置手段を備えたことを特徴とする請求項３記載の粘着フィルムとブックカバーの貼り合わせ装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００９−９６２（Ｐ２００９−９６２Ａ）
【公開日】平成２１年１月８日（２００９．１．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１６６１５８（Ｐ２００７−１６６１５８）
【出願日】平成１９年６月２５日（２００７．６．２５）
【特許番号】特許第４０９５１０９号（Ｐ４０９５１０９）
【特許公報発行日】平成２０年６月４日（２００８．６．４）
【出願人】（５０７２１３１６７）株式会社南海堂 (3)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１月８日（２００９．１．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年６月２５日（２００７．６．２５）
【特許番号】特許第４０９５１０９号（Ｐ４０９５１０９）
【特許公報発行日】平成２０年６月４日（２００８．６．４）
【出願人】（５０７２１３１６７）株式会社南海堂 (3)
【Ｆターム（参考）】
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