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杭穴掘削ヘッド
説明

杭穴掘削ヘッド

【課題】2つの掘削腕の揺動をカムを介して、1本の操作ロッドの昇降として伝達して、この昇降を地上で目視できる。
【解決手段】杭穴掘削ヘッド1は、第一掘削腕14及び第二掘削腕15を有するヘッド本体2の上端に、掘削ロッド5の下端部に連結するための連結部18を有し、掘削腕14、15の位置を確認するヘッド操作体3を連設して構成する。掘削腕14、15は逆回転して大きく揺動して拡大掘削する。この際に、ヘッド操作体3にカム23〜26を設ける。掘削腕14の揺動→第一カム23→第三カム25と、掘削腕15の揺動→第二カム24→第三カム25と伝え、第三カム25→第四カム26→操作ロッド27(1本)の昇降と伝える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
出願人は、先端に掘削刃を設けた掘削腕を土圧で揺動させて、揺動方向で掘削径を変化させる掘削ヘッドを提案している(特許文献1、2)。
【0002】
また、出願人は掘削腕の揺動状態を地上で把握することを目的として、掘削腕のヘッド本体側の面に第一センサーを取り付け、掘削腕が揺動した際に第一センサーの軌道に合わせた第二センサーを取り付けた掘削ヘッドを提案している(特許文献1)。これは、第一センサーを基準点として、掘削腕の揺動に対応して、基準点である第一センサーが、第二センサーの揺動範囲のどこに位置しているかのデータを地上に送ることができ、掘削腕の揺動角度を地上で確認できるものである。
【0003】
さらに出願人は、より確実な掘削径の拡大や、その後容易に縮径できるように、掘削腕にストッパーを形成し、地上からの昇降操作により昇降できるストッパー受けに掘削径に対応した保持部を形成し、保持部とストッパーとを対応させた掘削ヘッドの提案もしている(特許文献2)。これは、掘削ロッドを回転させると回転方向に従って、掘削腕は一側又は他側に振れ、ストッパー受けでストッパーを保持することにより、予め設定した一側又は他側の揺動角度を保持して、第一揺動角度、第二揺動角度で設定した所定の掘削径で確実に杭穴掘削できるものである。またストッパー受けの上下動に連動する操作ロッドの昇降状態により、掘削腕の状態を地上から目視できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−150834
【特許文献2】特開2008−179971
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のような提案により、確実な拡大径での掘削や掘削腕の揺動角度の目視で確認する場合、操作ロッドのような部材で、その場で直ぐに確認できる手段が重要になっている(特許文献2)。特許文献2の掘削ヘッドの場合、各掘削腕に対応した2つの操作ロッドをストッパー受けに連結することが必要であった。
【0006】
一般に、地面から50〜70mの深さまでも掘るので、掘削ロッド(通常1単位10m以下)を継ぎ足しながら掘り進めるため、操作ロッドも継ぎ足す必要があった。従って、2本の操作ロッドの接続や操作作業などが煩雑となっていた。また、掘削ヘッドに掘削以外の様々な機能を付与することが行われ、例えば根固め部の充填物を採取して試料として収容する容器を設ける場合があり、この場合には容器の開閉を操作する操作ロッドが必要であり、併用が難しくなる問題点があった。更に、製造コストの観点から操作ロッドの本数を減らしつつ、掘削腕の揺動角度を地上で把握する手段が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、この発明は、2つの掘削腕の位置を、複数のカムを組み合わせて1本の操作ロッドの昇降により示すので、前記問題点を解決した。
【0008】
即ち、この発明は、掘削ロッドの下端部に連結するための連結部を有し、以下のように構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
(1) 前記掘削ヘッドは、第一、第二掘削腕を有するヘッド本体の上端に前記連結部を有するヘッド操作体を連設して構成した。
(2) 前記ヘッド本体は、前記ヘッド本体の上端部に設けた水平軸に前記第一掘削腕、前記第二掘削腕を回動自在に取り付け、前記第一掘削腕が取り付けられたヘッド本体側の面を第一側面とし、前記第二掘削腕が取り付けられたヘッド本体側の面を第二側面とする構成とした。
(3) 前記ヘッド操作体は、前記ヘッド本体の第一側面、第二側面に対応するヘッド操作体の面をそれぞれ第一側面、第二側面とし、前記第一側面と直角な側面を第三側面、第四側面とする構成とした。
(4) 前記ヘッド操作体は、前記ヘッド操作体の第一側面に第一カム、第二側面に第二カム、第三側面に第三及び第四カムを軸支する構成とした。
(5) 前記第一カム、第二カムは、それぞれ前記第一操作腕、第二操作腕の揺動に従って回動する構成とした。
(6) 前記第三カムは、前記第一カム及び第二カムの回動に従って回動し、前記第四カムは、前記第三カムの回動に従って回動する構成とした。
(7) 前記第四カムは、上端部を地上に突出させた昇降部材を取り付ける構成とした。
【0009】
また、前記において、以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
(1) 第一及び第二掘削腕はそれぞれの上端に上方突部を形成した。
(2) 第一及び第二カムにそれぞれ、第一突部及び第二突部を形成し、各第一突部は前記各上方突部にそれぞれ接触して連動する構成とした。
(3) 第三カムに第一突部、第二突部及び第三突部を形成し、前記第三カムの第一突部は前記第一カムの第二突部に接触して連動し、前記第三カムの第二突部は前記第二カムの第二突部に接触して連動する構成とした。
(4) 第四カムに第一突部及び第二突部を形成し、前記第四カムの第一突部は前記第三カムの第三突部に接触して連動し、前記第四カムの第二突部に昇降部材を取り付ける構成とした。
【0010】
また、前記において、各上方突部はそれぞれ、左側に凸の突端部を有し、突端部の頂点を基準点とし、その基準点の上側に上辺を、下側に下辺を形成し、
(1) 前記各突端部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触した時の前記第一掘削腕、第二掘削腕及び昇降部材の位置を基準位置とし、
(2) 掘削ロッドを正回転させ、前記第一及び第二掘削腕が一側に揺れて小径掘削状態とした時に、前記各上辺部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触して連動し、
(3) 掘削ロッドを逆回転させ、前記第一及び第二掘削腕が他側に揺れて大径掘削状態とした時に、前記各下辺部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触して連動する
ように上方突部の形状を設定したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
【0011】
また、他の発明は、第一掘削腕の上方突部と第一カムの第一突部との間、並びに第二掘削腕の上方突部と第二カムの第一突部との間に連動手段を設けたことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
【0012】
さらに、他の発明は、掘削ロッドの下端部に連結するための連結部を有し、以下のように構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッドである。
(1) 前記掘削ヘッドは、第一、第二掘削腕を有するヘッド本体の上端に前記連結部を有するヘッド操作体を連設して構成した。
(2) 前記ヘッド操作体に、上端部を地上に突出させた1本の昇降部材を取り付け、前記第一掘削腕の動き及び前記第二掘削腕の動きを、前記昇降部材に伝えるカムを複数個組組み合わせて、前記ヘッド本体又はヘッド操作体に取り付ける。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、掘削腕とカムの連動により、揺動した掘削腕を所定の角度で保持させると共に、カムの連動を昇降部材に伝え、掘削腕の揺動角度を昇降部材の昇降に変換するので、地上で昇降部材を目視確認することができる効果がある。
【0014】
また、一本の操作ロッドで、両掘削腕の揺動を確認することができるので、製造コストを低減でき、また、他の面を有効活用できる効果がある。
【0015】
さらに、掘削腕とカムとの間に連動手段を設けることで、カムの揺動範囲が規制され、カムが不測の位置に移動することなく掘削腕の位置を特定できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図であって、(a)左正面から見た斜視図、(b)右正面から見た斜視図。
【図2】小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図であって、(a)左正面から見た斜視図、(b)右正面から見た斜視図。
【図3】大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図であって、(a)左正面から見た斜視図、(b)右正面から見た斜視図。
【図4】掘削ヘッドの正面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図5】掘削ヘッドの右側面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図6】掘削ヘッドの左側面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図7】掘削ヘッドの背面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図8】本発明の他の実施例に係る掘削ヘッドの正面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図9】本発明の他の実施例に係る掘削ヘッドの背面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図10】本発明の他の一の実施例に係る掘削ヘッドの正面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【図11】本発明の他の一の実施例に係る掘削ヘッドの背面図であって、(a)基準位置における掘削ヘッドの状態を示す図、(b)小径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図、(c)大径掘削状態における掘削ヘッドの状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の杭穴掘削ヘッド1は、第一掘削腕14及び第二掘削腕15を有するヘッド本体2の上端に、掘削ロッド5の下端部に連結するための連結部18を有し、掘削腕14、15の位置を確認するヘッド操作体3を連設して構成した(図1)。
【0018】
ヘッド本体2は、ヘッド本体2の上端部に設けた水平軸13に第一掘削腕14、第二掘削腕15を回動自在に取り付け、第一掘削腕14が取り付けられたヘッド本体2側の面を第一側面6とし、第二掘削腕15が取り付けられたヘッド本体2側の面を第二側面7とする構成とした(図4、図7)。また、第一及び第二掘削腕14、15はそれぞれの上端に上方突部17を形成した(図1)。
【0019】
ヘッド操作体3は、ヘッド本体2の第一側面6、第二側面7に対応するヘッド操作体3の面をそれぞれ第一側面19、第二側面20とし、第一側面19と直角な側面を第三側面21、第四側面22とする構成とした(図1、図6)。また、ヘッド操作体3の第一側面19に第一カム23、第二側面20に第二カム24、第三側面21に第三カム25及び第四カム26を軸支する構成とした(図1)。
【0020】
第一カム23及び第二カム24にそれぞれ、第一突部23a、24a及び第二突部23b、24bを形成し、各第一突部23a、24aは各上方突部17にそれぞれ接触して連動する構成とした。従って、第一カム23、第二カム24は、それぞれ第一操作腕14、第二操作腕15の揺動に従って回動する(図4〜図7)。
【0021】
第三カム25に第一突部25a、第二突部25b及び第三突部25cを形成し、第三カム25の第一突部25aは第一カム23の第二突部23bに接触して連動し、第三カム25の第二突部25bは第二カム24の第二突部24bに接触して連動する構成とした。従って、前記第三カム25は、前記第一カム23及び第二カム24の回動に従って回動する(図5)。
【0022】
第四カム26に第一突部26a及び第二突部26bを形成し、第四カム26の第一突部26aは第三カム25の第三突部25cに接触して連動し、第四カム26の第二突部26bに操作ロッド27を取り付け、その上端を地上に突出させる構成とした(図1)。従って、第四カム26は記第三カム25の回動に従って回動する(図5)。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例を図1〜図7に基づいて説明する。
【0024】
1.掘削ヘッド1の構成
以下のように掘削ヘッド1を構成する(図1)。
【0025】
1−1 ヘッド本体2
【0026】
ヘッド本体2は、四角柱状の基部2aの上端に四角柱状のヘッド操作体3を連設し、基部2aの下縁に連続して、扁平の膨出部4を形成してなる。前記基部2aは、対向する一側面を第一側面6及び第二側面7とし、一側面に隣接して対向する他側面8、8とを有する。
【0027】
ヘッド本体2の基部2aの第一側面6及び第二側面7に水平軸13を突出して形成する。前記水平軸13に第一掘削腕14、第二掘削腕15のそれぞれの基端部を揺動自在に取り付ける。なお、水平軸13は第一側面6と第二側面7とで軸が一致していれば、一体の軸でも分割された軸のいずれでもよい。また、水平軸13は第一及び第二掘削腕14、15を回動できるように形成されればよいので、掘削腕14、15に水平軸13を設けて、ヘッド本体2に軸受けを設けてもよい。
【0028】
基部2aは、下方に向けて第一側面6と第二側面7が近づくように、両他側面8、8の幅が縮まるように寸法が設定されており、基部2aの下端に連続して膨出部4に至っている。膨出部4は水平方向に膨出して、第一側面6及び第二側面7の幅が大きくなるように形成する。膨出部4の下縁は、掘削腕14、15の揺動軌道に沿った円弧に形成し、下縁に下方に向けて固定掘削刃10、10を取り付ける(図1、図4)。また、前記ヘッド本体2の他側面8、8に撹拌翼11、12を傾斜して、かつ各他側面8、8で取り付け高さを違えて(撹拌翼11が撹拌翼12より上方に位置している)、取り付ける(図1)。
【0029】
ヘッド本体2の第一側面6、7側上端部に掘削腕の正回転時の揺動を規制する第一ストッパー9aを設ける。また、逆回転時の揺動を規制する第二ストッパー9bを設ける(図4)。
【0030】
1−2 掘削腕14、15
【0031】
第一及び第二掘削腕14、15はそれぞれ、基端部で水平軸の周りが大径に形成され、中間部で幅が小さく、先端部は幅広く形成される。掘削腕14、15は、ヘッド本体2の第一側面6及び第二側面7の表面形状の変形に沿って変形され、ヘッド本体2の基部2a、膨出部4の形状変化(下方に向けて第一側面6と第二側面7が近づくように形成されている)に併せて、各掘削腕14、15が近づくように屈曲して形成され、膨出部4の下部で逆に外側に向けた方向に(第一掘削腕14と第二掘削腕15が離れるように)、掘削刃16を突設する(図1、図5、図6)。
【0032】
第一及び第二掘削腕14、15は、それぞれの上端に上方突部17、17を形成し、当該各上方突部17、17はそれぞれ、左側に凸の突端部17aを有し、当該突端部17aの頂点を基準としてその基準点の上側に上辺17bを、下側に下辺17cを形成する(図1、図2)。
【0033】
1−3ヘッド操作体3
【0034】
ヘッド操作体3は四角形状であって、その上端に掘削ロッド5の下端部に連結するための連結部18を有し、ヘッド本体2の上端に連設される。ヘッド操作体3は、ヘッド本体2の第一側面6、第二側面7に対応するヘッド操作体の面をそれぞれ第一側面19、第二側面20とし、前記ヘッド操作体3の第一側面19と直角な側面を第三側面21、第四側面22とする構成とした。
【0035】
1−4 カム
【0036】
ヘッド操作体3の第一側面19に第一カム23を軸Aで、第二側面20に第二カム24を軸Bで、第三側面21に第三カム25を軸Cで、第三側面21に第四カム26を軸Dで、それぞれ軸支する。各軸A、B、C、Dは軸支した側面に対して直角に突設される。
【0037】
第一カム23及び第二カム24にそれぞれ、第一突部23a、24a及び第二突部23b、24bを形成し、各第一突部23aは、それぞれ上方突部17、17に接触して連動するようになっている。
【0038】
第三カム25に第一突部25a、第二突部25b及び第三突部25cを形成する。第三カム25の第一突部25aは第一カム23の第二突部23bに接触して連動し、第三カム25の第二突部25bは第二カム24の第二突部24bに接触して連動するようになっている。
【0039】
第四カム26に第一突部26a及び第二突部26bを形成する。第四カム26の第一突部26aは第三カム25の第三突部25cに接触して連動し、第四カム26の第二突部26bに操作ロッド27を取り付け、第四カム26の回動によって操作ロッド27の昇降位置を地上で確認することができる。また第一〜第四カムの軸の位置は以下のようになる。
【0040】
(1) 第一カム23の軸Aは、掘削腕14、15の軸位置(水平軸13)の略真上であり、第二カム24の軸Bと同軸である。また、軸Aは、第三カム25と略Cとほぼ同じ高さであり、第四カム26の軸Dよりも下に位置する。
(2) 第二カム24の軸Bは、掘削腕14、15の軸位置(水平軸13)の略真上であり、第一カム23の軸Aと同軸である。また、軸Bは、第三カム25の軸Cと略同じ高さであり、第四カム26の軸Dよりも下に位置する。
(3) 第三カム25の軸Cは、掘削腕14、15の軸位置(水平軸13)よりも上であり、第一カム23、第二カム24の軸A、Bと略同じ高さに位置する。また、第四カム26の軸Dよりも下に位置する。
(4) 第四カム26の軸Dは、第一カム23、第二カム24の軸A、Bよりも上側であって、第三カム25の軸Cよりも左上側に位置する。
【0041】
2.掘削ヘッド1の使用
【0042】
続いて、本発明の掘削ヘッド1の使用について説明する。
掘削機(図示していない)に掘削ロッド5を取り付け、掘削ロッド5の下端に掘削ヘッド1の連結部18を取り付け、操作ロッド27を掘削ロッド5に沿って上方に延長して、杭穴を掘削する。第一及び第二掘削腕14、15が垂れ下がっている状態を、掘削腕14、15、前記各カム23〜26の基準位置とすると、各カム23〜26における軸と突部の関係は以下のようになる。
【0043】
2−1 基準位置
【0044】
(1) 第一カム23の第一突部23aは、第一カム23の軸Aよりも左側で下方向に形成されている。また、第二突部23bは第一カム23の軸Aよりも下側で右方向に形成されている(図4(a))。
【0045】
(2) 第二カム24の第一突部24aは第二カム24の軸Bよりも左側で下方向に形成されている。また、第二突部24bは第二カム24の軸Bよりも上側で左方向に形成されている(図7(a)。
【0046】
(3) 第三カム25の第一突部25aは第三カム25の軸Cよりも斜め左下方向に形成されている。また、第二突部25bは第三カム25の軸Dよりも斜め右上方向に形成され、第三突部25cは第三カム25の軸Cの略真上に形成されている(図5(a))。
【0047】
(4) 第四カム26の第一突部26aは第四カム26の軸Dよりも右側で下方向に形成されている。また、第二突部26bは第四カム26の軸Dよりも下側で右方向に形成されている(図5(a))。
【0048】
(5) また、カム23〜26相互間での突部の位置関係は以下のようになる。
【0049】
第一カム23の第二突部23bは第三カム25の第一突部25aの上側の面で接触している(図1(a))。
第二カム24の第二突部24bは第三カム25の第二突部25b下側の面で接触している(図1(b))。また、第二カム24の第二突部24bは第一カム23の第二突部23bよりも位置が高い(図1(b))。
第三カム25の第三突部25cと第四カム26の第一及び第二突部26a、26bは第一、第二カムの第二突部23b、24bよりも位置が高い(図1(a)、(b))。
【0050】
2−2 小径掘削位置
【0051】
(1) 掘削ロッド5を正回転させると、掘削刃16をはじめ掘削腕14、15に生じる土圧により第一掘削腕14は、矢示28のように一側に振れ、第二掘削腕15は矢示28のように一側に振れる(図4(b)、図7(b))。この時掘削腕14、15の上方突部17、17がそれぞれ第一ストッパー9a、9aに当たって、このときの揺動角度を維持する。
【0052】
(2) この時の各カムにおける軸と突部の関係は以下のようになる。
・第一カム23の第一突部23aは基準位置より左方向に移動する。また、第二突部23bは基準位置より下方向に移動する(図4(b))。
・第二カム24の第一突部24aは基準位置より左方向に移動する。また、第二突部24bは基準位置より上方向に移動する(図7(b))。
・第三カム25の第一突部25aは基準位置よりも右方向に移動(回転)する。また、第二突部25bは基準位置よりも左方向に移動(回転)し、第三突部25cは基準位置よりも左方向に移動(回転)する(図5(b))。
【0053】
(3)また、カム相互間での突部の位置関係は以下のようになる。
・第一カム23の第二突部23bは第三カム25の第一突部25a上側の面で接触している(図2(a))。
・第二カム24の第二突部24bは第三カム25の第二突部25b下側の面で接触している(図2(b))。
・第二カム24の第二突部24bは第一カム23の第二突部23aよりも位置が高い(図2)。
・第三カム25の第三突部25cと第四カム26の第二突部26bは第一カム23、第二カム24の第二突部23b、24bよりも位置が高い(図2)。
・第二カム24の第二突部24bは第四カム26の第一突部26aと略同じ高さに位置する(図2)。
【0054】
(4)従って、第三カム25の第三突部25cに連動して、第四カム26の第一突部26aが左方向に移動し、第二突部25bが下方向に移動する。この時操作ロッド27は前記第四カムの第二突部25bに連動して下降するので(図5b)、地上で操作ロッド27が下降していることが確認できれば、所定の掘削径Dで杭穴が掘削されていることが確認できる。
【0055】
2−3 大径掘削位置
【0056】
(1) 所定の深さまで掘削した後、掘削ロッド5の回転を止め、次に掘削ロッド5を逆回転すると、掘削刃16をはじめ掘削腕14、15に生じる土圧により第一掘削腕14は、矢示29の方向に振れ、第二掘削腕15は矢示29の方向に振れる(図4(c)、図7(c))。この時掘削腕14、15の上方突部17、17がそれぞれ第二ストッパー9b、9bに当たって、このときの揺動角度を維持する。
【0057】
(2) この時の各カムにおける軸と突部の関係は以下のようになる。
・第一カム23の第一突部23aは基準位置より右方向に移動する。また、第二突部23bは基準位置より上方向に移動する(図4(c))。
・第二カム24の第一突部24aは基準位置より右方向に移動する。また、第二突部24bは基準位置より下方向に移動する(図7(c))。
・第三カム25の第一突部25aは基準位置よりも上方向に移動(回転)する。また、第二突部25bは基準位置よりも下方向に移動(回転)し、第三突部25cは基準位置よりも右方向に移動(回転)する(図5(c))。
・第四カム26第一突部26aは基準位置よりも右方向に移動し、第二突部26bは基準位置よりも上方向に移動する(図5(c))。
【0058】
(3) また、カム相互間での突部の位置関係は以下のようになる。
・第一カム23の第二突部23bは第三カム25の第一突部25a上側の面で接触している(図3(a)。
・第二カム24の第二突部24bは第三カム25の第二突部25b下側の面で接触している(図3(b))。
・第一カム23の第二突部23bは第二カム24の第二突部24bよりも位置が高い(図3)。
・第三カム25の第三突部25cと第四カム26の第一突部26a及び第二突部26bは第一カム23、第二カム24の第二突部23b、24bよりも位置が高い(図3)。
【0059】
(4) 従って、第三カム25の第三突部25cに連動して、第四カム26の第一突部26aが右方向に移動し、第二突部25bが上方向に移動する。この時操作ロッド27は前記第四カムの第二突部25bに連動して上昇するので(図5(c))、地上で操作ロッド27が上昇していることが確認できれば、所定の掘削径Dで杭穴が掘削されていることが確認できる。
【0060】
(5) 以上より、第一掘削腕14及び第二掘削腕15が小径掘削時の位置にあるか(図2)、大径掘削時の位置にあるか(図3)、あるいは下方に垂れた状態(基準位置)にあるかは(図1)、掘削ロッド5の回転方向と操作ロッド27が上昇状態か下降状態であるかを見ることにより把握できる。従って、地上で操作ロッド27の状態を把握することにより、第一掘削腕14及び第二掘削腕15の状態をより確実に認識することができる。
【0061】
3.他の実施例
【0062】
(1) 前記実施例において、第一掘削腕14と第一カム23との間及び第二掘削腕15と第二カム24との間に連動手段を設けてもよい。
連動手段は、図8及び図9に示すように、第一掘削腕14の上方突部17及び第一カム23の第一突部23aに突起30、30を設け、当該突起30に板状の連動板31を多少の遊びを設けて緩く取り付け、同様に第二掘削腕15の上方突部17及び第二カム24の第一突部24aに突起30を設け、当該突起30に板状の連動板31を、多少の遊びを設けて緩く取り付ける構成となっている。
また、連動手段は、図10及び図11に示すように、第一掘削腕14の上方突部17及び第一カム23の第一突部23aにフック32、32を設け、当該フック32にワイヤー33を取り付け、同様に第二掘削腕15の上方突部17及び第二カム24の第一突部24aにフック32、32を設け、当該フック32にワイヤー33を取り付ける構成となっている。
前記各構成により、第一掘削腕14の上方突部17と第一カム23の第一突部23aとが常に接触した又は大きく離れない状態になり、第二掘削腕15の上方突部17と第二カム24の第一突部24aとが必要なときに接触した状態になる。従って、第一カム23及び第二カム24それぞれの揺動範囲が規制され、第一カム23及び第二カム24が不測の位置に配置されることがなくなり、第一掘削腕14及び第一掘削腕15の位置を確実に特定することができる。
【0063】
(2) また、前記連結手段(連動板31又はフック32)は、第一カム23と第三カム25との間、第二カム24と第三カム25との間、第三カム25と第四カムとの間に向けることもできる(図示していない)。
【符号の説明】
【0064】
1 杭穴掘削ヘッド
2 ヘッド本体
2a ヘッド本体の基部
3 ヘッド操作体
4 膨出部
5 掘削ロッド
6 ヘッド本体の第一側面
7 ヘッド本体の第二側面
8 ヘッド本体の他側面
9a 第一ストッパー
9b 第二ストッパー
10 固定掘削刃
11 撹拌翼
12 撹拌翼
13 水平軸
14 第一掘削腕
15 第二掘削腕
16 掘削刃
17 上方突部
17a 突端部
17b 上辺
17c 下辺
18 連結部
19 ヘッド操作体の第一側面
20 ヘッド操作体の第二側面
21 ヘッド操作体の第三側面
22 ヘッド操作体の第四側面
23 第一カム
23a 第一カムの第一突部
23b 第一カムの第二突部
24 第二カム
24a 第二カムの第一突部
24b 第二カムの第二突部
25 第三カム
25a 第三カムの第一突部
25b 第三カムの第二突部
25c 第三カムの第三突部
26 第四カム
26a 第四カムの第一突部
26b 第四カムの第二突部
27 操作ロッド
30 突起
31 連動板(連動手段)
32 フック(連動手段)
33 ワイヤー(連動手段)
A 第一カムの軸
B 第二カムの軸
C 第三カムの軸
D 第四カムの軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削ロッドの下端部に連結するための連結部を有し、以下のように構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッド。
(1) 前記掘削ヘッドは、第一、第二掘削腕を有するヘッド本体の上端に前記連結部を有するヘッド操作体を連設して構成した。
(2) 前記ヘッド本体は、前記ヘッド本体の上端部に設けた水平軸に前記第一掘削腕、前記第二掘削腕を回動自在に取り付け、前記第一掘削腕が取り付けられたヘッド本体側の面を第一側面とし、前記第二掘削腕が取り付けられたヘッド本体側の面を第二側面とする構成とした。
(3) 前記ヘッド操作体は、前記ヘッド本体の第一側面、第二側面に対応するヘッド操作体の面をそれぞれ第一側面、第二側面とし、前記第一側面と直角な側面を第三側面、第四側面とする構成とした。
(4) 前記ヘッド操作体は、前記ヘッド操作体の第一側面に第一カム、第二側面に第二カム、第三側面に第三及び第四カムを軸支する構成とした。
(5) 前記第一カム、第二カムは、それぞれ前記第一操作腕、第二操作腕の揺動に従って回動する構成とした。
(6) 前記第三カムは、前記第一カム及び第二カムの回動に従って回動し、前記第四カムは、前記第三カムの回動に従って回動する構成とした。
(7) 前記第四カムは、上端部を地上に突出させた昇降部材を取り付ける構成とした。
【請求項2】
以下の要件を全て具備して構成したことを特徴とする請求項1記載の杭穴掘削ヘッド。
(1) 第一及び第二掘削腕はそれぞれの上端に上方突部を形成した。
(2) 第一及び第二カムにそれぞれ、第一突部及び第二突部を形成し、各第一突部は前記各上方突部にそれぞれ接触して連動する構成とした。
(3) 第三カムに第一突部、第二突部及び第三突部を形成し、前記第三カムの第一突部は前記第一カムの第二突部に接触して連動し、前記第三カムの第二突部は前記第二カムの第二突部に接触して連動する構成とした。
(4) 第四カムに第一突部及び第二突部を形成し、前記第四カムの第一突部は前記第三カムの第三突部に接触して連動し、前記第四カムの第二突部に昇降部材を取り付ける構成とした。
【請求項3】
各上方突部はそれぞれ、左側に凸の突端部を有し、突端部の頂点を基準点とし、その基準点の上側に上辺を、下側に下辺を形成し、
(1) 前記各突端部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触した時の前記第一掘削腕、第二掘削腕及び昇降部材の位置を基準位置とし、
(2) 掘削ロッドを正回転させ、前記第一及び第二掘削腕が一側に揺れて小径掘削状態とした時に、前記各上辺部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触して連動し、
(3) 掘削ロッドを逆回転させ、前記第一及び第二掘削腕が他側に揺れて大径掘削状態とした時に、前記各下辺部がそれぞれ、前記第一カムの第一突部、前記第二カムの第一突部に接触して連動する
ように上方突部の形状を設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の杭穴掘削ヘッド。
【請求項4】
第一掘削腕の上方突部と第一カムの第一突部との間、並びに第二掘削腕の上方突部と第二カムの第一突部との間に連動手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の杭穴掘削ヘッド。
【請求項5】
掘削ロッドの下端部に連結するための連結部を有し、以下のように構成したことを特徴とする杭穴掘削ヘッド。
(1) 前記掘削ヘッドは、第一、第二掘削腕を有するヘッド本体の上端に前記連結部を有するヘッド操作体を連設して構成した。
(2) 前記ヘッド操作体に、上端部を地上に突出させた1本の昇降部材を取り付け、前記第一掘削腕の動き及び前記第二掘削腕の動きを、前記昇降部材に伝えるカムを複数個組組み合わせて、前記ヘッド本体又はヘッド操作体に取り付ける。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−214333(P2011−214333A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84561(P2010−84561)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000176512)三谷セキサン株式会社 (91)
【Fターム(参考)】