説明

板材の連結方法及び板材連結装置

【課題】 短尺な積層板等の板材に対しても回路板の製造のための加工処理を連続的に行うことを可能とすることができる、板材の接合方法を提供する。
【解決手段】 二つの板材を一方の前端面と他方の後端面とを対向させた状態で配置する。この二つの板材の少なくとも一面側において一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置する。連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結する。連結後の板材を前方に搬送すると共に、後側に配置された連結後の板材と、これより更に後側に配置された新たな板材とに対して同一工程を繰り返し、板材同士を連結し、この工程を繰り返し行うことにより複数の板材を一列に連結する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層板等のような板材を連続的に連結する技術に関し、特に板材に対して回路板製造等のための加工処理を連続的に施すことを可能とすることができる板材の連結方法及び板材連結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の内層材等に用いられる回路板は、例えば両面金属箔張積層板等の板材にサブトラクティブ法等を施して回路形成を行うなどして製造される。このとき例えば板材上に感光性樹脂からなるドライフィルムを設け、露光処理、現像処理を経て板材上にレジスト層を形成し、エッチング処理を経て板材上のレジスト層を除去するものである。
【0003】このように複数の工程を経て回路板を製造するにあたり、従来は適宜の寸法にカットされた短尺の板材に対して、各種の加工処理を施していたものである。
【0004】しかし、板材一枚ずつに処理を行う場合は、各加工処理工程における板材の搬送及び各加工処理工程における板材の位置合わせの工程が煩雑となって処理効率が悪いものであった。また処理後の板材を次工程に移載するには処理後の板材を積み上げた状態で行わなければならず、この移載工程も面倒なものであり、またこの移載工程における板材の積み下ろしが不良発生の原因ともなる。
【0005】一方、近年、長尺に形成された板材を長手方向に搬送しながら板材に対して連続的に回路板製造用の加工処理を施す連続工法が採用されるようになってきているが、このような連続処理が可能な積層板等は対応可能なものが限られており、それ以外のものについては、従来通り短尺に形成される板材に対して一枚ずつ回路形成を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、短尺な積層板等の板材に対しても回路板の製造のための加工処理を連続的に行うことを可能とすることができる、板材の連結方法及び板材連結装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る板材の連結方法は、二つの板材を一方の前端面と他方の後端面とを対向させた状態で配置し、この二つの板材の少なくとも一面側において一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結し、連結後の板材を前方に搬送すると共に、後側に配置された連結後の板材と、これより更に後側に配置された新たな板材とに対して同一工程を繰り返すことによりこの板材同士を連結し、この工程を繰り返し行うことにより複数の板材を一列に連結することを特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、板材の連結に先だって、一方の板材の端縁位置を基準としてこの板材の配置位置を移動させることにより、板材同士の位置合わせを行うことを特徴とするものである。
【0009】また請求項3の発明は、二つの板材の両面側において、それぞれ一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、各連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結することを特徴とするものである。
【0010】また請求項4の発明は、板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせし、この状態で板材同士を連結することを特徴とするものである。
【0011】また請求項5の発明は、連結用押圧具にて連結材を板材に向けて押圧すると共に連結用押圧具を介して連結材を加熱することにより、連結材を板材に融着して接合することを特徴とするものである。
【0012】また請求項6の発明は、連結用押圧具にて、離型フィルムを介して連結材を押圧することを特徴とするものである。
【0013】また請求項7の発明は、連結用押圧具による連結材の加熱後に、連結材を冷却することを特徴とするものである。
【0014】また請求項8の発明は、連結材を板材に接合する際に、前方側の板材と後方側の板材とを下方に向けて押圧することにより位置ずれを防止することを特徴とするものである。
【0015】また請求項9の発明は、連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結した後、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結して、板材同士を連結することを特徴とするものである。
【0016】また請求項10の発明は、一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結した後、板材を前方に向けて一定長さ搬送し、板材同士の本連結を行う共に、後側に配置された板材の後方に更に新たな板材を配置して、この板材間で、一方の板材の前端部から、後方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結し、この工程を繰り返し行うことを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項11に係る板材連結装置は、前方に配置された板材に対して、その後方に他の板材を配置する板材供給部と、板材供給部にて供給された後方の板材の前端面を、前方の板材の後端面とを対向させた状態で配置する板材位置決め部と、位置合わせされた板材の少なくとも一面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘って連結材を配置する連結材配置部と、連結材を各板材の端部に接合して板材同士を連結する板材連結部と、連結後の板材を前方に搬送する搬送機構とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0018】また請求項12の発明は、板材位置決め部が、板材の端縁の配置位置を基準として板材同士の位置合わせを行う位置決め機構を備えることを特徴とするものである。
【0019】また請求項13の発明は、板材位置決め部が、板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせする位置決め機構を備えることを特徴とするものである。
【0020】また請求項14の発明は、連結材配置部が、板材の両面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘ってそれぞれ連結材を配置するものであることを特徴とするものである。
【0021】また請求項15の発明は、連結材配置部が、テープ状の連結材が巻回された供給リールと、供給リールから引き出され連結材の引出方向をガイドするガイド部とからなる連結材供給部を備えることを特徴とするものである。
【0022】また請求項16の発明は、連結材供給部から供給される連結材を挟持した状態で横方向に引き出して板材の表面側に配置する引出機構と、引出機構にて引き出された連結材を板材表面の所定位置に配置する位置調整部とを備えることを特徴とするものである。
【0023】また請求項17の発明は、連結材配置部が、連結材の張力を検知するテンションセンサを備えると共にこのテンションセンサによる検知結果に基づいて連結材に所定の張力がかかった状態で連結材を板材に対して配置する張力制御機構を備えることを特徴とするものである。
【0024】また請求項18の発明は、板材連結部を、連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結する仮連結部と、仮連結部よりも前方に配設され、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結する本連結部とから構成して成ることを特徴とするものである。
【0025】また請求項19の発明は、仮連結部にて仮連結された板材間の間隔を、前方の板材の後端縁と後方の板材の前端縁とをそれぞれ挟持することにより保持し、この状態で前方に駆動することにより板材の連結部位を本連結部に搬送する移動クランプを具備して成ることを特徴とするものである。
【0026】また請求項20の発明は、上面に板材が配置される搬送テーブルと、板材連結部による板材の連結動作を行う際に搬送テーブル上の板材を下方に押圧する押圧支持具とを具備して成ることを特徴とするものである。
【0027】また請求項21の発明は、板材連結部として、連結材を加熱して板材に融着させるものを具備すると共に、板材連結部による連結材の加熱後に連結材を冷却する冷却部を具備して成ることを特徴とするものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図1R>1〜18を示して説明する。
【0029】本発明において連結される板材1としては、従来から配線板の製造に利用されているような、絶縁層と導体層とが積層一体化された積層板等を用いることができる。具体的には、紙やガラス織布、ガラス不織布等のシート状の繊維材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物を含浸させ、加熱乾燥等することにより半硬化させてプリプレグを形成し、一枚のプリプレグ又はプリプレグを所要枚数のだけ積層したものに対して、その両面に銅箔等の金属箔を積層し、これを加熱加圧することにより一体化させて得られる金属箔張積層板を必要に応じて所望の大きさに切断したものを用いることができる。この場合はプリプレグの硬化物にて絶縁層が形成され、この絶縁層の両側に金属箔にて導体層が形成される。ここで、板材1は短尺のシート状(枚葉状)に形成される。
【0030】図示の板材1の連結装置には、前方の始端部から後方の終端部にかけて、順に、板材供給部A、板材位置決め部B、連結材配置部C、板材連結部D及び搬送巻取部Eが設けられている。
【0031】板材供給部Aは、短尺のシート状(枚葉状)に形成された板材1を一枚ずつ前方の次工程に移載する機能を有する。
【0032】また板材位置決め部Bは、板材供給部Aから供給された板材1を、前方に配置された他の板材1に対して位置合わせして配置する機能を有する。
【0033】また連結材配置部Cは板材位置決め部Bにて位置決めして配置された板材1間に連結材2を配置する機能を有し、板材連結部Dは連結材配置部Cにて配置された連結材2を各板材1に接合することにより板材1同士を連結する機能を有する。
【0034】また全工程の終端には搬送巻取部Eが配設されており、この搬送巻取部Eにて板材1を搬送すると共に一列に連結された板材1をロール状に巻き取るようになっている。
【0035】図1,2に板材連結装置の全体構成を示す。
【0036】上記の構成のうち、板材供給部Aは、載置テーブル3と、移載装置4とから構成される。載置テーブル3は装置の最始端部に配設されており、上面に複数枚の板材1が積層して載置される。
【0037】また移載装置4は、載置テーブル3に載置された板材1を一枚ずつ順次、板材位置決め部Bに移載するものである。図示の例では移載装置4は板材1を吸着支持する吸着支持部5と、吸着支持部5を前後方向に水平移動可能に支持するスライドレール6とから構成されている。スライドレール6は載置テーブル3の両側方にそれぞれ設けられており、前方の板材位置決め部Bに向けて略水平方向に延出するように形成されており、吸着支持部5はサーボモータ制御等により駆動して、このスライドレール6に沿って、載置テーブル3の上方と、その前方における板材位置決め部Bを構成する配置テーブル8の上方との間で前後にスライド移動する。また吸着支持部5は、上下昇降駆動する吸着パット7を備えており、この吸着パット7は吸着支持部5が載置テーブル3側に配置されている状態では載置テーブル3の上方に配置され、吸着支持部5が配置テーブル8側に配置されている状態では配置テーブル8の上方に配置される。この吸着パット7はシリンダ機構等により上下昇降駆動するように形成される。
【0038】この板材供給部Aでは、吸着支持部5を載置テーブル3側に配置した状態で吸着パット7を下降させることにより、積層配置された板材1のうち最上部のものを吸着し、この状態で吸着パット7を上昇させることにより一枚の板材1を他の板材1から上方に離間させた状態で吸着支持する。次いで、吸着支持部5を駆動させた前方に移動させて、配置テーブル8の上方に配置する。この状態で吸着パット7を下降させ、吸着パット7により板材1の吸着を解除することにより、板材1を配置テーブル8上に配置する。次いで、吸着パット7を上昇させ、吸着支持部5を駆動して後方に移動させることにより、再び吸着支持部5を載置テーブル3側に配置するものである。
【0039】また、板材位置決め部Bは、板材位置決め部Bに配置された板材1を所定位置に移動させるものである。このとき板材位置決め部Bは、これより前方の搬送テーブル9上に配置された板材1に対して、板材位置決め部Bに配置された板材1を位置合わせするものであり、このとき前方の板材1(搬送テーブル9に配置された板材1)の前端面と後方の板材1(板材位置決め部Bに配置された板材1)の後端面とを対向させた状態で配置し、更に各板材1の片側端縁が、それぞれ一直線状に並ぶようにする。
【0040】また好ましくは、このとき板材1同士の対向する端面間に一定の幅の隙間が形成された状態で位置合わせするものであり、このように端面に隙間が形成されることで継ぎ目部分に柔軟性を付与し、また板材1の切断寸法のバラツキを吸収することができる。また、連結後の板材1をロール状に巻回する場合には板材1同士の継ぎ目部分を容易に湾曲させることができて、巻き取り作業が容易なものとなる。
【0041】このような板材位置決め部Bの構成の一例を図3〜5に示す。図示の例では、上面が搬送テーブル9と略面一に形成された配置テーブル8の下方に、間隔を開けて駆動台10が配設されており、この駆動台10と配置テーブル8とは、連結部11を介して一体に連結されている。駆動台10の下方には所定位置に固定して配置される支持台12が設けられており、駆動台10と支持台12との間には、サーボモータ機構等により駆動台10を固定台に対して前後方向に駆動させる前後方向調整部13が設けられている。また、駆動台10と配置テーブル8との間には、吸着移動部14が配設されている。この吸着移動部14は、前部側と後部側とにそれぞれ設けられており、工程の前後方向と直交する横方向に向けてスライド移動自在な吸着部15と、吸着部15を駆動して横方向にスライド移動させる駆動部16とから構成されている。各吸着移動部14の吸着部15の同一の横方向の一端は配置テーブル8の一側縁よりも外側方に突出するように設けられており、この突出部分の上面には、板材1の下面を吸着支持する吸着パッド17がそれぞれ設けられている。
【0042】また、配置テーブル8に対して、吸着パッド17が設けられている側の側方には、配置テーブル8上の板材1の側端縁が所定の配置位置aに位置しているときにそのことを検知する位置検知センサ(側端縁位置検知センサ18)が設けられており、また配置テーブル8の前方には、配置テーブル8上の板材1の前端縁が所定の配置位置aに位置しているときにそのことを検知する位置検知センサ(前端縁位置検知センサ19)が設けられている。各位置検知センサは、光電管スイッチ等で構成することができる。図示の例では、配置テーブル8の前方には、前端縁位置検知センサ19に加えて、板材1の前端縁が所定の配置位置aよりやや後方に配置されたことを検知する位置検知センサ(予備位置検知センサ20)も設けられている。
【0043】この板材位置決め部Bは、初期状態では、図3に示すように、吸着パッド17が板材1の所定の配置位置aの側端縁よりも内側方に配置されると共に、配置テーブル8の前端縁が板材1の所定の配置位置aの前端縁よりも後方に配置されるようにする。また、前方に配置されている吸着パッド17が、対応する側端縁位置検知センサ18の横方向の内側方に横方向に並ぶよう配置されると共に、後方に配置されている吸着パッド17が、対応する側端縁位置検知センサ18の横方向の内側方に横方向に並ぶように配置されるようにする。
【0044】この状態で、板材1は板材供給部Aによって既述のように配置テーブル8上に配置されるものであるが、このとき板材1は、前端縁が板材1の所定の配置位置aの前端縁と配置テーブル8の前端縁との間に配置されるようにし、更に一方の側端縁が、板材1の所定の配置位置aの側端縁と、吸着パッド17の配置位置との間に配置されるようにする。
【0045】板材1が配置されたら、吸着パッド17にて板材1の下面を吸着支持し、この状態で吸着移動部14を、側端縁位置検知センサ18による検知結果に基づく制御により駆動する。このとき、まず各吸着移動部14を、吸着部15を外側方に向けて突出するように移動させ、これに伴って配置テーブル8上の板材1を外側方に向けて移動させる。そして二つの側端縁位置検知センサ18のうちのいずれか一方が、板材1の側端縁が所定の配置位置aに位置することを検知したら、対応する吸着部15の移動を停止し、次いで他方の側端縁位置検知センサ18が、板材1の側端縁が所定の配置位置aに位置することを検知したら、対応する吸着部15の移動を停止する。これにより、図4に示すように、移動後の板材1の側端縁が所定の配置位置aに配置される。このとき、板材1は配置テーブル8上を摺動するものであるが、配置テーブル8の上面に多数の気流噴出用の開口を形成してエアーテーブルとして形成すると、板材1の移動時に開口から気流を噴出させることにより板材1と配置テーブル8との間の摩擦力を低減し、配置テーブル8上における板材1の移動をスムーズに行わせることができる。
【0046】次いで、前後方向調整部13を駆動を、前端縁位置検知センサ19及び予備位置検知センサ20による検知結果に基づく制御により駆動する。このとき、まず前後方向調整部13にて配置テーブル8を前方に移動させ、これに伴って板材1を前方に向けて移動させる。そして、予備位置検知センサ20により板材1の前端縁が検知されたら、前後方向調整部13による配置テーブル8の移動速度を減速し、更に前端縁位置検知センサ19にて板材1の前端縁が所定の配置位置aに位置することを検知したら、前後方向調整部13による配置テーブル8の移動を停止する。これにより移動後の板材1の前端縁が所定の配置位置aに配置されることとなり、またこのときの板材1の移動が、予備位置検知センサ20と前端縁位置検知センサ19からの検知結果による制御によって、高い位置精度で行われる。
【0047】このようにして板材1の配置位置を移動させることにより、図5に示すように、移動後の板材1は所定の配置位置aに配置されるものである。
【0048】また、板材位置決め部Bの構成の他例を図6に示す。
【0049】図示の例では、上面が搬送テーブル9と略面一に形成された配置テーブル8の下方に、回転制御部21が配置されており、この回転制御部21はサーボモータ機構等により駆動して、配置テーブル8を鉛直回転軸を中心に回転させるものである。この回転制御部21の下方には、横方向調整部22が設けられており、この横方向調整部22は、サーボモータ機構等により駆動して、配置テーブル8を回転制御部21ごと横方向にスライド移動させるものである。また横方向調整部22の下方には前後方向調整部13が設けられており、この前後方向調整部13は、サーボモータ機構等により駆動して、配置テーブル8を回転制御部21及び横方向調整部22ごと、前後方向に移動させるものである。
【0050】この板材位置決め部Bは、初期状態では、配置テーブル8の一方の側端縁が板材1の所定の配置位置aの側端縁よりも内側方に配置されると共に、配置テーブル8の前端縁が板材1の所定の配置位置aの前端縁よりも後方に配置されるようにする。
【0051】また、配置テーブル8の上方には、CCDカメラ等で構成される画像検出器23が配設されている。画像検出器23は側端縁検出器23aと隅部検出器23bが設けられており、側端縁検出器23aは、その視野24aが、初期状態にある配置テーブル8の一方の側端縁と、板材1の所定の配置位置aにおける側端縁との間に位置するように配設され、また隅部検出器23bは、その視野24bが、初期状態にある配置テーブル8の一方の側端縁の外側方かつ前端縁の前方であり、更に板材1の所定の配置位置aにおける側端縁の内側方かつ前端縁の後方の位置に配されるように配設される。
【0052】この状態で、板材1は板材供給部Aによって既述のように配置テーブル8上に配置されるものであるが、このとき板材1は、一方の側端縁が側端縁検出器23aの視野24aに配され、かつ一側の前隅部が、隅部検出器23bの視野24bに配されるように、配置される。
【0053】板材1が配置されたら、各画像検出器23による検出結果を画像処理装置25に伝達する。画像処理装置25は、画像検出器23による検出結果から、画像処理によって板材1の一側端縁及び一側の前隅部の配置位置を検知し、この検知結果に基づいて、板材位置決め部Bを制御するためのNCデータを導出する。そして、NCデータに基づいて制御される板材位置決め部Bは、回転制御部21により板材1の角度を調整し、横方向調整部22により板材1の横方向の配置位置を調整し、前後方向調整部13により板材1の前後方向の配置位置を調整して、移動後の板材1を所定の配置位置aに配置するものである。
【0054】また、板材位置決め部Bの構成の更に他例を図7〜9に示す。
【0055】図示の例では、配置テーブル8はその上面に配置された板材1の配置位置を変更可能に形成するものであり、例えば図6に示されるものと同様に形成することができるが、この場合は回転制御部21は外部からかかる応力に応じて配置テーブル8を自由に回転させるように形成し、また横方向調整部22も外部からかかる応力に応じて配置テーブル8を横方向に自由に移動させるように形成する。また前後方向調整部13は、図6に示すものと同様に、サーボモータ機構等により駆動して、配置テーブル8を回転制御部21及び横方向調整部22ごと、前後方向に移動させるものである。
【0056】また、位置合わせ用のガイド治具26が配設される。このガイド治具26は、配置位置が変更可能に形成されるものであり、その配置位置の変更は人力で行っても良いし、シリンダー機構等に接続して配置位置を制御しても良い。
【0057】このガイド治具26は左右一対の平面視略T字状の部材から構成されており、各ガイド治具26は、板材1の外側に沿って配置される前後方向に長い外縁側ガイド部27と、外縁側ガイドの中程から内側方に延出された幅規制ガイド部28とから構成される。外縁側ガイド部27は幅規制ガイド部28よりも前方側は内側面が板材1の前後方向と平行に形成され、幅規制ガイド部28よりも後方側は、内側面が後方に向かうほど外側方に向けて湾曲するように形成されている。また、幅規制ガイド部28は、前後方向の幅が板材1同士を連結する際に板材1の端面間に形成する隙間の幅と同一寸法に形成される。
【0058】板材1同士の位置合わせを行うにあたっては、図7に示すように、まず搬送テーブル9に配置されている板材1の両側にそれぞれガイド治具26を、外縁側ガイド部27の前方側の内側面を板材1の外側面に当接させると共に幅規制ガイド部28の前面を板材1の後端面に当接させて配置する。
【0059】また、搬送テーブル9に配置されている板材1に連結される板材1が板材供給部Aによって既述のように配置テーブル8上に配置されるものであるが、このとき板材1は前端縁が配置テーブル8の前端縁よりも前方に突出すると共に、少なくとも前方側における外側縁が配置テーブル8の外側縁よりも外側方に突出するように配置される。
【0060】この状態で前後方向調整部13を駆動して配置テーブル8を前方に向けて移動させ、これに伴って板材1を前方に向けて移動させる。このとき、図8に示すように、板材1の配置位置がガイド治具26によってガイドされてその前端面が幅規制ガイド部28の後面に当接すると共に前端側の両外側縁が外縁側ガイド部27の内側に配置されることとなり、二つの板材1は端面同士が幅規制ガイド部28の幅と同一の間隔をあけて対向して配置され、また両側の外側縁が略一直線状に配置されて、位置合わせされる。このように板材1同士が位置合わせされる過程においては、配置テーブル8が横方向に移動すると共に鉛直方向の回転軸を中心に回転することにより配置テーブル8上の板材1の配置位置が調整される。
【0061】このように板材1同士が位置合わせされたら、図9に示すようにガイド治具26を移動させて板材1から離間させるものである。
【0062】ここで、板材位置決め部Bにて板材1同士を位置合わせする場合には、上記の構成のうちのいずれの場合であっても、前方に配置される板材1の後端縁は搬送テーブル9の後端縁よりも後方に突出すると共に、後方に配置される板材1の前端縁は配置テーブル8の前端縁よりも前方に突出するように配置され、板材1同士の対向する端面同士の隙間は、搬送テーブル9と配置テーブル8の端面同士の隙間に配置されるようにする。
【0063】連結材配置部Cは、上記のように板材位置決め部Bにて位置合わせされた板材1間に連結材2を配置する。
【0064】連結材2としては長尺のテープ状のものを用いることができ、またこの連結材2は、基材層と、基材層の一面側に配置される接着層とから構成することができる。基材層は、連結材2の強度を確保するためにポリエチレンテレフタレートフィルムやポリイミドフィルムで形成することが好ましい。また接着層はポリエステル系樹脂等のような熱可塑性樹脂や、エポキシ系樹脂等のような熱硬化性樹脂にて形成されるものを用いることが好ましい。この連結材2の幅は、板材位置決め部Bにて位置合わせされた板材1の端面間の隙間の幅よりも幅広に形成される。
【0065】また、この連結材2は、一定の弾性をするものが用いられる。
【0066】このような連結材2は、板材1の端部に融着させることにより板材1同士を連結するものであり、このとき連結材2が板材1から大きく突出せず、連結後の板材1をロール状に巻回する場合に連結部位が形成されている箇所に重ね合わされた板材1に圧痕が形成されることを防止することができる。
【0067】図10〜13に示される例における連結材配置部Cは、供給リール28とガイド部29から構成される連結材供給部と、保持クランプ30及び引出クランプ31とから構成される引出機構とを備える。配置位置に位置合わせして配置された配置テーブル8上の板材1と搬送テーブル9上の板材1の間の一側方に、供給リール28及びガイド部29が配設されている。また、供給リール28と板材1の一側の外側縁との間に、連結材2を前方側(又は後方側)から挟持して保持する保持クランプ30が配設されている。この保持クランプ30は、連結材2を挟持可能な位置と、この位置よりも前方側(又は後方側)の待避位置との間で前後方向に進退駆動可能に形成されている。また供給リール28と保持クランプ30との間には、連結材2の送り方向をガイドするガイド部29が配設されている。また、連結材2を引き出す引出クランプ31も配設されている。引出クランプ31は、連結材2を後方側(又は前方側)から挟持した状態で横方向に移動することにより連結材2を引き出し、板材1の表面から離間した位置で板材1間の所定位置に配置するものであり、横方向に駆動可能に形成されると共に、連結材2を挟持可能な位置と、この位置よりも後方側(前方側)の待避位置との間で前後方向に進退駆動可能に形成される。
【0068】供給リール28は、巻回されている連結材2に引っ張り応力がかけられるに従って順回転することにより連結材2を繰り出すものであり、また後述するテンションセンサ32から検知される連結材2の張力に基づく制御を受けて順方向又は逆方向に回転駆動することにより、連結材2にかけられる張力を調整することができる。
【0069】図13に示すように、ガイド部29にはスリット状の横方向の通路33が設けられており、この通路33の開口の幅及び高さ寸法は、連結材2の幅及び厚みよりもやや大きく形成され、連結材2がこの通路33内に挿通される。またガイド部29の両端部には通路33の両側において連結材2の一面に当接して回転するローラ34がそれぞれ設けられており、連結材2が引き出されるに従ってローラ34が回転することによりガイド部29における連結材2の移動が円滑に行われる。
【0070】また、引出クランプ31は、板材1の表面から離間した位置に配置された横方向のガイドレール35(図1,2参照)に沿って横方向に駆動可能に形成されており、その横方向の配置位置は保持クランプ30とガイド部29との間における待機位置と、供給リール28とは反対側の基材の外側方における引出位置との間で変位するように形成されている。また、引出クランプ31はガイドレール35に対して前後方向に進退駆動可能に形成されている。
【0071】また引出クランプ31の待機位置と、ガイド部29との間には、連結材2の張力を測定するテンションセンサ32が配設されている。このテンションセンサ32は、図13に示すように、センサ本体36と、センサ本体36から連結材2側に向けて進退移動自在な押圧部37とから構成されている。押圧部37はバネ弾性力等により連結材2に向けて付勢されて、その先端が連結材2に当接されているものであり、センサ本体36に対する押圧部37の変位に基づいて連結材2にかけられている張力を測定するものである。
【0072】また、保持クランプ30と板材1の側端縁との間、及び板材1の反対側の側端縁と引出クランプ31の引出位置との間の位置には、位置調整部38が設けられている。この位置調整部38は、引出クランプ31にて引き出された連結材2の配置位置に対して、板材1とは反対側に配設されており、板材1側に向けて駆動可能に形成されている。
【0073】この位置調整部38は、図12に示すように、例えば板材1側の先端部に上方及び横方向に開口するガイド凹部39を設けて形成されたガイド部材40をシリンダ機構等により上下方向に駆動可能に形成して設けることができる。このガイド凹部39は、底部の幅が連結材2の幅と同一またはそれよりもやや大きくなるように形成し、側部は先端側に行くほど外側方に広がるテーパ状に形成される。このガイド凹部39の底部は、互いに位置合わせして配置された板材1同士の対向する端面間と合致する位置に配されるようにする。
【0074】また、位置調整部38を、外周面に沿って凹溝が形成されたボビン状の回転輪をシリンダ機構等により上下方向に駆動可能に形成して設けることもできる。この場合、回転輪の凹溝は底部の幅が連結材2の幅と同一またはそれよりもやや大きくなるように形成し、凹溝の内側面は外周側に行くほど外側方に広がるテーパ状に形成される。この回転輪の凹溝の底部は、互いに位置合わせして配置された板材1同士の対向する端面間と合致する位置に配されるようにする。
【0075】また、連結材2を保持クランプ30と、板材1に対して保持クランプ30側に配置された位置調整部38との間で切断するシャーカッター等の切断器41も設けられている。
【0076】このようにして形成される連結材配置部Cは、板材1の一面側のみに設ることができ、この場合は、連結材2は板材1の一面側のみに配置される。また好ましくは上記のような連結材配置部Cを板材1に対して上面側及び下面側にそれぞれ設ける。この場合は、連結された板材1間の引っ張り強度が向上すると共に、連結後の板材1をロール状に巻回する場合などには巻き取り時に板材1を一面側と他面側のいずれの方向に湾曲させる場合でも板材1間の引っ張り強度を同等のものとすることができ、巻取の作業性を向上することができる。
【0077】連結材配置部Cを板材1の両面側にそれぞれ設ける場合には、連結材配置部Cを板材1に対して上下対称に配設することができる。但し、位置調整部38を構成するガイド部材40や回転輪は、板材1側に向けて駆動された場合に互いに突き当たってその動作が阻害されないように、横方向に配置位置をずらして設けられる。また切断器41は、二つの連結材2を共に切断するものを一つのみ設けても良い。
【0078】このように構成される連結材配置部Cにて板材1に対して連結材2を配置するにあたっては、まず供給リール28から引き出された連結材2がガイド部29内を通過し、保持クランプ30にて連結材2の端部を挟持して保持した状態とする。このとき引出クランプ31は待機位置に配置する(図10(a)及び図11(a)参照)。
【0079】この状態で引出クランプ31にて連結材2を挟持すると共に、保持クランプ30による連結材2の挟持を解除し、保持クランプ30を進退移動させて待避位置に移動させる。
【0080】次いで、引出クランプ31を横方向に移動させて引出位置に配置し、これに伴って連結材2を引き出して、板材1の表面から離間した位置において、板材1同士の隙間位置と合致する位置に配置する(図10(b)及び図11(b)参照)。
【0081】この状態でテンションセンサ32にて連結材2にかかる張力を測定し、これに基づいて供給リール28を回転駆動することにより連結材2にかかる張力を所定の値に調整する。このとき連結材2の張力は、連結材2が弛みなく配置されるように調整される。
【0082】次に保持クランプ30を進退移動させて、テープ材2を挟持させ、更に位置調整部38を構成するガイド部材40(あるいは回転輪)を板材1側に向けて駆動し、このガイド部材40にて連結材2を押圧して、連結材2を板材1に当接するように配置する(図10(c)及び図11(c)参照)。このとき連結材2は、図12(b)に示すようにガイド凹部39内に配置されることにより前後方向の配置位置が規制され、連結材2は板材1の両面側において、板材1同士の隙間に合致する位置に、一方の板材1の前端部から他方の板材1の後端部に亘って配置される。また、このとき保持クランプ30と引出クランプ31との間において連結材2が伸長されるが、この連結材2の伸長は、弾性を有する連結材2を使用すると共に、予め既述のように供給リール28を駆動して連結材2にかけられる張力を調整しておくことにより確保される。
【0083】この状態で連結材2を板材1に対して仮連結又は本連結するものであるが、これについては後述する板材連結部Dの説明中において述べる。
【0084】次いで、連結材2を板材1に接合した後、切断器41にて連結材2を切断すると共に、引出クランプ31による連結材2の挟持を解除し、ガイド部材40を板材1から離れる方向に移動する。次いで、引出クランプ31を前後方向に移動して待避位置に移動してから、横方向に移動し、更に前後方向に移動することにより待機位置に配置することにより、初期の配置状態に復帰させる。
【0085】板材連結部Dとしては、本実施形態では仮連結部D1と本連結部D2とが設けられている。
【0086】仮連結部D1は上記の連結材配置部Cにて板材1に配置された連結材2を部分的に板材1に連結して板材1同士を仮連結するものである。仮連結部D1は図11に示すように上記の配置テーブル8と搬送テーブル9の間において、それよりも上方と下方に配設された連結用押圧具(仮連結押圧具42)にて構成されており、この仮連結押圧具42は、シリンダー機構等により上下昇降自在に形成される。仮連結押圧具42は、配置テーブル8及び搬送テーブル9側に対向する押圧面43の外径が、連結材2の幅よりも小さく、且つ位置合わせされた板材1同士の隙間よりも大きくなるように形成されており、またヒータ等により押圧面43が加熱されるように形成されている。
【0087】仮連結部D1にて板材1同士を仮連結するにあたっては、上記の連結材配置部Cにて連結材2を板材1に配置した後、連結材配置部Cの切断器41によって連結材2が切断される前に仮連結押圧具42を加熱した状態で板材1側に向けて移動させ、連結材2を押圧面43にて押圧して加熱する。このとき仮連結押圧具42は板材1の左右両側部側にそれぞれ配設し、押圧面43の配置位置が両側部における板材1間に配置されるようにしている。またこのとき仮連結押圧具42の押圧面43の配置位置は、図15に示すように、一方の板材1の端縁から他方の板材1の端縁に亘る位置となるようにし、この位置において上下両側から連結材2を押圧するようにしている。このように仮連結押圧具42にて連結材2を押圧すると共に加熱すると、押圧面43による押圧を受けた部位において連結材2同士が融着すると共に、連結材2と板材1の端縁とが融着し、板材1同士が仮連結される。次いで、仮連結押圧具42を連結材2から離間させ、上記のように連結材配置部Cの切断器41にて連結材2を切断するものである。
【0088】上記の例では、仮連結押圧具42の押圧面43の配置位置は板材1の左右両側部側に配置してこの位置で板材1同士の仮連結を行っているが、仮連結を行う位置はこのようなものに限られず、板材1の大きさや重量によっては板材1の横方向の中央部において押圧面43を配置して仮連結することもできる。
【0089】また本連結部D2は、板材位置決め部B及び仮連結部D1よりも前方側に配置されており、仮連結された板材1を前方に搬送して、板材1同士の連結位置を本連結部D2の設置位置に配置し(この搬送機構については後述する)、この状態で板材1同士を連結するものである。このとき、板材位置決め部B及び仮連結部D1と、本連結部D2との工程間は、板材1一枚分の間隔があけられており、板材位置決め部B及び仮連結部D1と本連結部D2との間に配置される板材1を、本連結部D2にてそれより前方に配置されている他の板材1と本連結すると同時に、板材位置決め部B及び仮連結部D1にて連結材2を配置すると共にその後方に配置されている他の板材1と仮連結することができる。
【0090】図1,2及び図16に示すように、本連結部D2においては、搬送テーブル9は前後に分割されてその間に隙間が形成されており、この隙間の内側に、仮連結された板材1の連結部位が配置される。
【0091】この搬送テーブル9の隙間の形成位置の上方及び下方にはそれぞれ連結用押圧具(本連結押圧具44)が配設されている。この本連結押圧具44は、押圧面45が横方向寸法が板材1の幅よりも長く形成されており、その前後方向の幅は連結材2の幅よりも大きく、かつ搬送テーブル9の隙間の幅よりも小さくなるように形成されている。またヒータ等により押圧面45が加熱されるように形成されている。
【0092】また搬送テーブル9の上方には、本連結過程において板材1を固定する押圧支持具46が設けられている。この押圧支持具46には、本連結押圧具44と合致する位置に、押圧面45よりもやや大きい開口47が形成されている。また押圧支持具46はシリンダのシリンダーロッドに接続されて、上下昇降駆動可能に形成されている。
【0093】また、搬送テーブル9の上方側には、PETフィルム等の離型フィルム48を供給する供給ロール49と、この離型フィルム48を巻き取る巻取ロール50とが配設されており、また搬送テーブル9の下方側にも同様に供給ロール49と巻取ロール50とが配設されている。この供給ロール49と巻取ロール50とは、本連結押圧具44の配置位置(搬送テーブル9の隙間の形成位置)に対して、前方側と後方側とに配設されており、供給ロール49から繰り出される離型フィルム48が本連結押圧具44の押圧面45側を通過して巻取ロール50に巻き取られるようになっている。また、搬送テーブル9の上面側においては、離型フィルム48は押圧支持具46と搬送テーブル9との間を通過するようになっている。
【0094】また本連結部D2には冷却部51が設けられている。冷却部51は図示の例では押圧支持具46と一体に設けられており、図17,18に示すように、冷却部51は冷却具52と駆動部53とから構成され、駆動部53は支持台54、シリンダ55、固定部56及び連結具57から構成されている。押圧支持具46には開口47に対して前方側(あるいは後方側)の上面に、支持台54が立設されており、支持台54にはシリンダ55が軸着されている。また開口47と支持台54との間には固定部56が設けられており、固定部56には連結具57の一端が軸着され、連結具57の他端には冷却具52が軸着されている。また更に連結具57の他端には、シリンダ55のシリンダーロッドの端部が軸着されている。このように構成される駆動部53は、押圧支持具46の横方向の一側部と他側部とにそれぞれ設けられ、二つの駆動部53にて一つの冷却具52を支持している。
【0095】また、冷却具52は押圧面58が押圧支持具46の開口47よりもやや小さくなるように形成されている。この冷却具52はステンレス材等の熱容量の大きい材料にて形成される。この冷却具52は上記の駆動部53にて、押圧支持具46の開口47位置に押圧面58が下方を向くように配置される状態と、押圧支持具46の上方に配置される状態との間で、駆動される。
【0096】尚、図18中の符号68は、押圧支持具46を昇降駆動するシリンダーのシリンダーロッドの接続部位を示す。
【0097】本連結部D2にて板材1同士を本連結するにあたっては、搬送テーブル9の隙間に仮連結された板材1の連結部位が配置された状態で、押圧支持具46を下方に駆動して前方側の板材1と後方側の板材1とを押圧支持具46にて同時に押圧することにより板材1を搬送テーブル9から位置ずれしないようにすると共に、押圧支持具46の開口47の内側に板材1の連結部位を配置する。この状態で本連結押圧具44を搬送テーブル9側に移動させ、その押圧面58にて離型フィルム48を介して連結具57を押圧すると共に加熱する。このとき押圧面58は板材1の横方向の全域に亘って連結材2の全面を押圧し、この領域にて連結材2を加熱溶融して、連結材2同士を融着すると共に連結材2を板材1に融着する。このとき押圧面58と連結材2との間に離型フィルム48が配されていることにより、溶融した連結材2が押圧面58に接合されることが防止される。離型フィルム48は、溶融した連結材2が付着して汚染されるごとに、巻取ロール50にて巻き取ると共に供給ロール49から繰り出されて、押圧面58に配置される箇所が更新される。
【0098】次に、本連結押圧具44を駆動させて連結材2から離間させ、冷却部51を駆動して冷却具52を押圧支持具46の開口47に配置し、冷却具52の押圧面58にて連結材2の上面を押圧する。このとき、連結材2よりも低温で且つ熱容量の大きい冷却具52へ向けて、連結材2から熱が移動し、連結材2が冷却されて固化することにより、本連結押圧具44による加熱により溶融した連結材2を平坦にするとともに、連結材2が板材1に強固に接合されて、板材1同士が連結される。
【0099】次に、冷却部51を駆動して冷却具52を押圧支持具46の上方に配置すると共に押圧支持具46を駆動して板材1から離間させるものである。
【0100】このように連結材2の加熱後に、連結材2を冷却することにより、溶融後の連結材2を迅速に冷却固化し、作業効率を向上すると共に、本連結押圧具44で溶融した連結材2を平坦し、溶融状態の連結材2が板材1から脱離して板材1同士の連結が外れることが確実に防止される。また、冷却具52で押圧しながら冷却固化するので板材1同士のそりを抑制しつつ連結することができる。
【0101】搬送巻取部Eは上記の工程における搬送テーブル9上での板材1の搬送を行う機能と、一列に連結された長尺状にされた板材1をロール状に巻き取る機能とを有する。
【0102】この搬送巻取部Eは、図1,2に示すように、回転駆動することにより長尺に連結された板材1を巻き取る巻取ロール59と、この巻取ロール59を支持する支持台60とから構成されており、支持台60は、巻取ロール59を横方向に駆動可能に支持している。また搬送巻取部Eには、巻取ロール59の後方に、板材1をU字状に支える上下昇降自在な段差ロール61が設けられており、この段差ロール61の上下昇降動作により板材1を搬送すると共に、搬送途中における板材1のたるみの発生や、板材1に過剰な張力がかけられることが防止される。また、搬送巻取部Eの後方には、板材1の両側の側端縁の配置位置を検知する、光電管スイッチ等で構成される側端縁位置検知センサ62がそれぞれ設けられており、この側端縁位置検知センサ62にて板材1の側端縁の配置位置が所定位置からずれていることが検知されたら、支持台60にて巻取ロール59を横方向に駆動することにより、板材1の配置位置を補正するようになっている。
【0103】搬送巻取部Eは、板材位置決め部B及び仮連結部D1と本連結部D2との間に配置される板材1が、それより前方に配置されている他の板材1と本連結部D2に本連結されると共に、それよりも後方に配置されている他の板材1と、板材位置決め部B及び仮連結部D1にて連結材2を配置すると共に仮連結されるごとに、段差ロール61が下降して搬送テーブル9上の板材1を前方に搬送する。この搬送動作の終了後には、再び新たな本連結部D2による本連結の動作と、板材位置決め部B及び仮連結部D1による連結材2の配置と仮連結の動作とがなされるが、その間に巻取ロール59が駆動して段差ロール61よりも後方の板材1を巻き取ると共に、これに伴って段差ロール61が上昇して元の配置位置に配置される。
【0104】この搬送動作は、搬送テーブル9の後端縁の後方に配置された位置検知センサ(後端縁位置検知センサ63)による検知結果によって制御される(図3〜6参照)。この後端縁位置検知センサ63は、搬送テーブル9上の板材1の後端縁が所定の配置位置に位置しているときにそのことを検知するものであり、またこの後端縁位置検知センサ63の更に後方には、板材1の後端縁が所定の配置位置よりやや後方に配置されたことを検知する位置検知センサ(予備位置検知センサ64)も設けられている。
【0105】この板材1の搬送過程においては、配置テーブル8上に配置された板材1は、それよりも前方の他の板材1と仮連結された後、段差ロール61が下降して、搬送テーブル9側に向けて前方に移動される。このとき、予備位置検知センサ64が板材1の後端縁を検知したら、搬送巻取部Eは板材1の搬送速度を減速し、更に後端縁位置検知センサ63により板材1の後端縁が検知されたら、搬送巻取部Eは段差ロール61を停止させて基材の搬送動作を停止する。このとき板材1の後端縁位置は、それよりも後方の搬送テーブル9上に配置される他の板材1との間で連結材2の配置と仮連結を行う際の所定の配置位置に配置される。
【0106】また、この搬送過程においては、搬送前に配置テーブル8上に配置された板材1と、その前方の板材1との間の仮連結された連結部位が、本連結部D2の設置位置まで移動されて、本連結部D2による本連結動作が可能な状態となる。このとき、この仮連結された連結部位の連結が外れたり、板材1同士の間隔が変動したりすることを防ぐために、連結部位を移動クランプ65にて保持した状態で搬送するようにする。
【0107】すなわち、搬送テーブル9の両側には、連結材配置部C及び仮連結部D1と、本連結部D2との間に亘って、それぞれガイドレール66が設けられており、このガイドレール66には、移動クランプ65が設けられている。移動クランプ65は平面視コ字状に形成されており、前後方向の両側には、それぞれ板材1の端縁を挟持する挟持部67が搬送テーブル9側に突出するように形成されている。また移動クランプ65は、ガイドレール66に沿って前後方向に駆動可能に形成されており、またガイドレール66に対して横方向に駆動可能に形成されている。また、搬送時に板体1の連結部位が搬送テーブル9の端部と衝突を防いだり、こすれたりするのを防止するため上昇下降駆動することが可能となっている。
【0108】この移動クランプ65は、連結材配置部Cと仮連結部D1における連結材2の配置と仮連結の動作が行われている間は、連結材配置部C及び仮連結部D1よりも前方に待避し、この連結材配置部C及び仮連結部D1の動作が終了して板材1同士が仮連結されたら、連結材配置部C及び仮連結部D1の設置位置まで移動し、更にガイドレール66に対して搬送テーブル9側に移動して、各挟持部67にて前方側の板材1の後端縁と、後方側の板材1の前端縁とを、板材1の左右両側から挟持する。次いで、搬送巻取部Eの駆動により板材1が搬送されるのに連動して、前方に向けて移動し、これにより、板材1の搬送途中において、仮連結されている板材1間の間隔を保持し、連結部位の連結が外れたり、板材1同士の間隔が変動したりすることが防止される。この連結部位が本連結部D2の設置位置に配置されて板材1の搬送が停止されたら、板体1を押圧支持具46で押圧し、その後、移動クランプ65は板材1の挟持を解除して、搬送テーブル9の外側方に移動すると共に、後方に向けて移動し、連結材配置部C及び仮連結部D1よりも前方において、次の連結材配置部C及び仮連結部D1の動作が終了するまで待機するものである。
【0109】このように構成される板材1の連結装置を用いると、板材供給部Aにて板材1を順次供給し、前後に配置される二つの板材1同士が板材位置決め部Bにて位置決めされた状態で、連結材配置部Cにて板材1間に連結材2を配置すると共に仮連結部D1にて連結材2を板材1に接合して板材1同士を仮連結し、この板材1を搬送巻取部Eの段差ロール61が下降することにより前方に搬送して、本連結部D2にて連結材2を板材1に本連結して板材1同士を連結し、更に搬送巻取部Eの巻取ロール59を駆動させて巻き取るものであり、短尺の板材1を一列に連結して長尺にしたものが、ロール状に巻き取られるものである。
【0110】このとき、連結材2の配置及び仮連結と、本連結とを別々の位置で行うと共に、この工程間の間隔が板材1の一枚分であることから、板材1を搬送しながら、連結材配置部C及び仮連結部D1における連結材2の配置と仮連結の動作と、本連結部D2における本連結の動作とを同時に行うことができ、連結材2の配置及び仮連結と、本連結とが、流れ作業で行われ、作業効率が高いものである。
【0111】尚、上記の工程における本連結部D2をなくすと共に、仮連結部D1の設置位置に本連結部D2を設けるようにして、同一位置において連結材2の配置と本連結とを行うようにしても良い。
【0112】このように長尺に連結された板材1には、長手方向に搬送しながら、順次連続的に回路板製造等のための加工処理を施すことができるものであり、短尺な板材1に対しても回路板の製造のための加工処理を連続的に行うことができ、各加工処理工程における板材1の搬送や板材1の位置合わせを容易に行うことができるようになる。また多数枚の短尺の板材1をそのままの状態で加工処理工程に投入する場合のように各加工処理工程への投入間隔があかないようにすることができ、処理効率を向上することができる。またロール状に巻回すと搬送性が向上し、次工程に容易に搬送することができるものである。
【0113】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る板材の連結方法は、二つの板材を一方の前端面と他方の後端面とを対向させた状態で配置し、この二つの板材の少なくとも一面側において一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結し、連結後の板材を前方に搬送すると共に、後側に配置された連結後の板材と、これより更に後側に配置された新たな板材とに対して同一工程を繰り返すことによりこの板材同士を連結し、この工程を繰り返し行うことにより複数の板材を一列に連結するため、短尺な板材を連結して長尺状にすることで回路板の製造のための加工処理を連続的に行うことができ、各加工処理工程における板材の搬送や板材の位置合わせを容易に行うことができるものであり、また多数枚の短尺の板材をそのままの状態で加工処理工程に投入する場合のように各加工処理工程への投入間隔があかないようにすることができ、処理効率を向上することができるものである。またロール状に巻回すと搬送性が向上し、次工程に容易に搬送することができるものである。
【0114】また請求項2の発明は、板材の連結に先だって、一方の板材の端縁位置を基準としてこの板材の配置位置を移動させることにより、板材同士の位置合わせを行うため、位置合わせを正確に行った状態で板材同士を連結させることができるものである。
【0115】また請求項3の発明は、二つの板材の両面側において、それぞれ一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、各連結材を各板材の端部に接合するため、接合された板材間の引っ張り強度が向上すると共に、板材を接合して得られる連結板材をロール状に巻回する場合などには巻き取り時に板材を一面側と他面側のいずれの方向に湾曲させる場合でも板材間の引っ張り強度を同等のものとすることができ、巻取の作業性を向上することができるものである。
【0116】また請求項4の発明は、板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせし、この状態で板材同士を連結するため、端面に隙間が形成されることで継ぎ目部分に柔軟性を付与し、連結後の板材をロール状に巻回する場合には板材同士の継ぎ目部分を容易に湾曲させることができて、巻き取り作業が容易なものとなる。
【0117】また請求項5の発明は、連結用押圧具にて連結材を板材に向けて押圧すると共に連結用押圧具を介して連結材を加熱することにより、連結材を板材に融着して接合するため、連結材を板材から大きく突出するように形成する必要がなく、テープ状の薄肉のものを使用することができ、連結後の板材をロール状に巻回する場合に連結部位が形成されている箇所に重ね合わされた板材に圧痕が形成されることを防止することができるものである。
【0118】また請求項6の発明は、連結用押圧具にて、離型フィルムを介して連結材を押圧するため、溶融した連結材が連結用押圧具に付着することを防止することができるものである。
【0119】また請求項7の発明は、連結用押圧具による連結材の加熱後に、連結材を冷却するため、溶融後の連結材を迅速に冷却固化し、作業効率を向上すると共に、溶融状態の連結材が板材から脱離して板材同士の連結が外れることを確実に防止することができるものである。
【0120】また請求項8の発明は、連結材を板材に接合する際に、前方側の板材と後方側の板材とを下方に向けて押圧することにより位置ずれを防止するため、板材同士を所定の位置関係で固定した状態で板材の連結を行うことができ、板材同士の位置ずれを確実に防止することができるものである。
【0121】また請求項9の発明は、連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結した後、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結して、板材同士を連結するため、板材の連結を流れ作業で行うことができ、作業効率が高いものである。
【0122】また請求項10の発明は、一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結した後、板材を前方に向けて一定長さ搬送し、板材同士の本連結を行う共に、後側に配置された板材の後方に更に新たな板材を配置して、この板材間で、一方の板材の前端部から、後方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結し、この工程を繰り返し行うため、前方側の連結部位における板材同士の本連結と、後方側の連結部位における連結材の配置及び板材同士の仮連結とを同時に行うことができ、作業効率を更に向上することができるものである。
【0123】本発明の請求項11に係る板材連結装置は、前方に配置された板材に対して、その後方に他の板材を配置する板材供給部と、板材供給部にて供給された後方の板材の前端面を、前方の板材の後端面とを対向させた状態で配置する板材位置決め部と、位置合わせされた板材の少なくとも一面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘って連結材を配置する連結材配置部と、連結材を各板材の端部に接合して板材同士を連結する板材連結部と、連結後の板材を前方に搬送する搬送機構とを具備するため、板材供給部にて供給された板材を、板材位置決め部にて、二つの板材を一方の前端面と他方の後端面とを対向させた状態で位置決めして配置し、連結材配置部にてこの二つの板材の少なくとも一面側において一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、板材連結部にて連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結し、搬送機構にて連結後の板材を前方に搬送すると共に、後方に板材供給部にて新たな板材を配置して同一工程を繰り返すことにより板材同士を連結し、この工程を繰り返し行うことにより複数の板材を一列に連結することができるものであり、短尺な板材を連結して長尺状にすることで回路板の製造のための加工処理を連続的に行うことができ、各加工処理工程における板材の搬送や板材の位置合わせを容易に行うことができるものであり、また多数枚の短尺の板材をそのままの状態で加工処理工程に投入する場合のように各加工処理工程への投入間隔があかないようにすることができ、処理効率を向上することができるものである。またロール状に巻回すと搬送性が向上し、次工程に容易に搬送することができるものである。
【0124】また請求項12の発明は、板材位置決め部が、板材の端縁の配置位置を基準として板材同士の位置合わせを行う位置決め機構を備えるため、位置合わせを正確に行った状態で板材同士を連結させることができるものである。
【0125】また請求項13の発明は、板材位置決め部が、板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせする位置決め機構を備えるため、端面に隙間が形成されることで継ぎ目部分に柔軟性を付与し、連結板材をロール状に巻回する場合には板材同士の継ぎ目部分を容易に湾曲させることができて、巻き取り作業が容易なものとなる。
【0126】また請求項14の発明は、連結材配置部が、板材の両面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘ってそれぞれ連結材を配置するため、接合された板材間の引っ張り強度が向上すると共に、板材を接合して得られる連結板材をロール状に巻回する場合などには巻き取り時に板材を一面側と他面側のいずれの方向に湾曲させる場合でも板材間の引っ張り強度を同等のものとすることができ、巻取の作業性を向上することができるものである。
【0127】また請求項15の発明は、連結材配置部が、テープ状の連結材が巻回された供給リールと、供給リールから引き出され連結材の引出方向をガイドするガイド部とからなる連結材供給部を備えるため、連結材の引出方向のずれを防止して、連結材を正確な位置に配置することができ、露光可能な製品化される領域を確保することができるものである。
【0128】また請求項16の発明は、連結材供給部から供給される連結材を挟持した状態で横方向に引き出して板材の表面側に配置する引出機構と、引出機構にて引き出された連結材を板材表面の所定位置に配置する位置調整部とを備えるため、引出機構にて引き出された連結材を配置機構にて板材の表面に配置することができるものである。
【0129】また請求項17の発明は、連結材配置部が、連結材の張力を検知するテンションセンサを備えると共にこのテンションセンサによる検知結果に基づいて連結材に所定の張力がかかった状態で連結材を板材に対して配置する張力制御機構を備えるため、連結材を所定の張力をかけて配置することができ、連結材に弛みが発生することを防止することができるものである。
【0130】また請求項18の発明は、板材連結部を、連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結する仮連結部と、仮連結部よりも前方に配設され、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結する本連結部とから構成するため、板材の連結を流れ作業で行うことができ、作業効率が高いものである。
【0131】また請求項19の発明は、仮連結部にて仮連結された板材間の間隔を、前方の板材の後端縁と後方の板材の前端縁とをそれぞれ挟持することにより保持し、この状態で前方に駆動することにより板材の連結部位を本連結部に搬送する移動クランプを具備するため、仮連結された板材同士の位置関係を保持した状態で本連結を行うことができ、板材同士の位置ずれの発生を防止することができるものである。
【0132】また請求項20の発明は、上面に板材が配置される搬送テーブルと、板材連結部による板材の連結動作を行う際に搬送テーブル上の板材を下方に押圧する押圧支持具とを具備するため、連結材を板材に接合する際に、板材同士を所定の位置関係で固定した状態で板材の連結を行うことができ、板材同士の位置ずれを確実に防止することができるものである。
【0133】また請求項21の発明は、板材連結部として、連結材を加熱して板材に融着させるものを具備すると共に、板材連結部による連結材の加熱後に連結材を冷却する冷却部を具備するため、溶融後の連結材を迅速に冷却固化し、作業効率を向上すると共に、溶融状態の連結材が板材から脱離して板材同士の連結が外れることを確実に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】板材連結装置の全体構成を示す側面図である。
【図2】同上の側面図である。
【図3】板材位置決め部の構成の一例を示すものであり、(a)は概略の平面図、(b)は側面図である。
【図4】図3に示す板材位置決め部の動作を示すものであり、(a)は概略の平面図、(b)は側面図である。
【図5】図3に示す板材位置決め部の他の動作を示すものであり、(a)は概略の平面図、(b)は側面図である。
【図6】板材位置決め部の構成の他例を示すものであり、(a)は概略の平面図、(b)は側面図である。
【図7】板材位置決め部の構成の更に他例を示す概略の平面図である。
【図8】図7に示す板材位置決め部の動作を示す概略の平面図である。
【図9】図7に示す板材位置決め部の他の動作を示す概略の平面図である。
【図10】連結材配置部の構成の一例を示すものであり、(a)乃至(c)は概略の平面図である。
【図11】(a)乃至(c)は同上の概略の正面図である。
【図12】位置調整部の構成を示すものであり、(a)及び(b)は概略の側面図である。
【図13】連結材配置部の構成を示すものであり、(a)は一部の断面図、(b)は側面図である。
【図14】仮連結部における連結工程を説明する、断面図である。
【図15】仮連結部による仮連結位置と、移動クランプの構成とを示す概略の平面図である。
【図16】本連結部における連結工程を説明する、断面図である。
【図17】押圧支持具と冷却部の構成を示す断面図である。
【図18】同上の平面図である。
【符号の説明】
A 板材供給部
B 板材位置決め部
C 連結材配置部
D 板材連結部
1 板材
2 連結材
28 供給リール
32 テンションセンサ
38 位置調整部
46 押圧支持具
48 離型フィルム
51 冷却部
65 移動クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 二つの板材を一方の前端面と他方の後端面とを対向させた状態で配置し、この二つの板材の少なくとも一面側において一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結し、連結後の板材を前方に搬送すると共に、後側に配置された連結後の板材と、これより更に後側に配置された新たな板材とに対して同一工程を繰り返すことによりこの板材同士を連結し、この工程を繰り返し行うことにより複数の板材を一列に連結することを特徴とする板材の連結方法。
【請求項2】 板材の連結に先だって、一方の板材の端縁位置を基準としてこの板材の配置位置を移動させることにより、板材同士の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1に記載の板材の連結方法。
【請求項3】 二つの板材の両面側において、それぞれ一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置し、各連結材を各板材の端部に接合することにより板材同士を連結することを特徴とする請求項1又は2に記載の板材の連結方法。
【請求項4】 板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせし、この状態で板材同士を連結することを特徴とする請求項3に記載の板材の連結方法。
【請求項5】 連結用押圧具にて連結材を板材に向けて押圧すると共に連結用押圧具を介して連結材を加熱することにより、連結材を板材に融着して接合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の板材の連結方法。
【請求項6】 連結用押圧具にて、離型フィルムを介して連結材を押圧することを特徴とする請求項5に記載の板材の連結方法。
【請求項7】 連結用押圧具による連結材の加熱後に、連結材を冷却することを特徴とする請求項5又は6に記載の板材の連結方法。
【請求項8】 連結材を板材に接合する際に、前方側の板材と後方側の板材とを下方に向けて押圧することにより位置ずれを防止することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の板材の連結方法。
【請求項9】 連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結した後、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結して、板材同士を連結することを特徴とする請求項3乃至8のいずれかに記載の板材の連結方法。
【請求項10】 一方の板材の前端部から他方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結した後、板材を前方に向けて一定長さ搬送し、板材同士の本連結を行う共に、後側に配置された板材の後方に更に新たな板材を配置して、この板材間で、一方の板材の前端部から、後方の板材の後端部に亘って連結材を配置して、板材同士を仮連結し、この工程を繰り返し行うことを特徴とする請求項9に記載の板材の連結方法。
【請求項11】 前方に配置された板材に対して、その後方に他の板材を配置する板材供給部と、板材供給部にて供給された後方の板材の前端面を、前方の板材の後端面とを対向させた状態で配置する板材位置決め部と、位置合わせされた板材の少なくとも一面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘って連結材を配置する連結材配置部と、連結材を各板材の端部に接合して板材同士を連結する板材連結部と、連結後の板材を前方に搬送する搬送機構とを具備して成ることを特徴とする板材連結装置。
【請求項12】 板材位置決め部が、板材の端縁の配置位置を基準として板材同士の位置合わせを行う位置決め機構を備えることを特徴とする請求項11に記載の板材連結装置。
【請求項13】 板材位置決め部が、板材同士を、対向する端面間に隙間が形成された状態で位置合わせする位置決め機構を備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の板材連結装置。
【請求項14】 連結材配置部が、板材の両面において、後方の板材の前端部から前方の板材の後端部に亘ってそれぞれ連結材を配置するものであることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の板材連結装置。
【請求項15】 連結材配置部が、テープ状の連結材が巻回された供給リールと、供給リールから引き出され連結材の引出方向をガイドするガイド部とからなる連結材供給部を備えることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の板材連結装置。
【請求項16】 連結材供給部から供給される連結材を挟持した状態で横方向に引き出して板材の表面側に配置する引出機構と、引出機構にて引き出された連結材を板材表面の所定位置に配置する位置調整部とを備えることを特徴とする請求項15に記載の板材連結装置。
【請求項17】 連結材配置部が、連結材の張力を検知するテンションセンサを備えると共にこのテンションセンサによる検知結果に基づいて連結材に所定の張力がかかった状態で連結材を板材に対して配置する張力制御機構を備えることを特徴とする請求項11乃至16のいずれかに記載の板材連結装置。
【請求項18】 板材連結部を、連結材を板材に部分的に接合することにより板材同士を仮連結する仮連結部と、仮連結部よりも前方に配設され、連結材を板材に全体的に接合することにより板材同士を本連結する本連結部とから構成して成ることを特徴とする請求項11乃至17のいずれかに記載の板材連結装置。
【請求項19】 仮連結部にて仮連結された板材間の間隔を、前方の板材の後端縁と後方の板材の前端縁とをそれぞれ挟持することにより保持し、この状態で前方に駆動することにより板材の連結部位を本連結部に搬送する移動クランプを具備して成ることを特徴とする請求項18に記載の板材連結装置。
【請求項20】 上面に板材が配置される搬送テーブルと、板材連結部による板材の連結動作を行う際に搬送テーブル上の板材を下方に押圧する押圧支持具とを具備して成ることを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載の板材連結装置。
【請求項21】 板材連結部として、連結材を加熱して板材に融着させるものを具備すると共に、板材連結部による連結材の加熱後に連結材を冷却する冷却部を具備して成ることを特徴とする請求項11乃至20のいずれかに記載の板材連結装置。

【図1】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図12】
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【図16】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2003−159702(P2003−159702A)
【公開日】平成15年6月3日(2003.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−361784(P2001−361784)
【出願日】平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】