説明

板状ワークの温度調整装置及び板状ワークの温度調整方法

【課題】所定間隔を置いて精密加工が施される複数枚の板状の各ワークに対して同時に且つ容易に精密な温度調整を施す。
【解決手段】精密加工が施される複数枚の板状のワークとしてのガラス板を所定間隔を介して平行に積層して積層体を形成する積層手段としての棚体10と、ガラス板の各々の両面に沿って空気流が平行流として流れるように、積層体の一端側の全面に亘って空気流を供給する空気流供給手段としての空気供給部20と、空気流を所定温度に調整する温度調整手段とが設けられ、この温度調整手段には、空気流供給部20に供給される供給空気を冷却する熱交換器32と、熱交換器32に所定温度に冷却した冷媒を供給する冷凍機34とから成る冷却手段と、熱交換器32で冷却された供給空気を昇温する加熱ヒータ30と、ガラス板の積層体に吹き付ける空気流の温度を所定温度に維持するように、前記加熱手段を制御する制御手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は板状ワークの温度調整装置及び板状ワークの温度調整方法に関し、更に詳細には精密加工が施される複数枚の板状ワークを同時に温度調整できる温度調整装置及び板状ワークの温度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイの製造では、温湿度制御されたクリーンルーム内でガラス板上に、スパッタリングやプラズマCVDでの成膜や露光装置による露光等の精密加工が施される。
かかる精密加工では、温度変化に因るガラス板の大きさ変動が、その加工精度に影響するため、精密加工を施す前に、予め温度変化に因るガラス板の大きさ変動を解消すべく、クリーンルーム内に設置した図3に示す棚体10にガラス板を所定時間載置することが行われている。図3に示す棚体10では、枠体に平行に設けられた複数の棚12,12・・の各々に、立設されたピン14,14・・上にガラス板16が載置される。
図3に示す棚体10に所定時間載置して、クリーンルーム内の温度に調整されたガラス板に、精密加工が施される。
しかし、近年では、液晶ディスプレイの大型化等に伴って基板として用いるガラス板も、大型のガラス板が採用されてきている。このため、クリーンルームの温度変化に因るガラス板の大きさ変動が、精密加工の加工精度に影響を与えるようになってきている。
【0003】
この様な、大型のガラス板の温度変化に因る大きさ変動を可及的に少なくすべく、下記特許文献1及び特許文献2には、図4に示す温度調整装置が提案されている。
図4に示す温度調整装置には、上下動可能に設けられた板体104に立設されたピン106,106・・に載置されたガラス板16の上下面側に、ヘッド100a,100bが設けられている。かかるヘッド100a,100bの各々には、ガラス板16の上面及び下面に対して直交する方向に空気流を噴出する複数のノズル102,102・・が設けられている。このノズル102,102・・の各々からは、温度変化がクリーンルームよりも小さくなるように温度調整された空気流が噴出する。
【特許文献1】特開2002−72492号公報
【特許文献2】特開2004−200706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図4に示す温度調整装置によれば、ピン106,106・・に載置されたガラス板16の温度変化を、クリーンルームの温度変化よりも小さくでき、ガラス板16上に施す精密加工の加工精度を向上できる。
また、ガラス板16の温度調整を迅速に行うことができ、液晶ディスプレイの生産性の向上を図ることができる。
しかし、図4に示す温度調整装置では、ガラス板16に対し、その両面側から空気流が吹き付けられているため、図3に示す様に、複数枚のガラス板16が多層に積層されている場合には、図4に示す温度調整装置を適用することは極めて困難である。
また、図4に示す温度調整装置では、ピン106,106・・上にガラス板16を載置した状態を保持して、ガラス板16の上下面に空気流を吹き付ける際に、ガラス板16が極めて薄いため、ガラス板16の上下面からの空気噴射量等のバランスが崩れると、ガラス板16の位置ずれやガラス板16に損傷等を与えるおそれがある。このため、ノズル102,102・・の各々からの噴射空気量等をきめ細かに調整しなければならない。
しかも、ヘッド100a,100bの各々に立設できるノズル数には限界が存在するため、図4に示す温度調整装置によって温度調整できるガラス板16の大きさにも限界が存在する。
更に、近年は、ガラス板16が更に大型化して、更に一層の精密な温度調整を行うことが求められている。
そこで、本発明の課題は、所定間隔を置いて精密加工が施される複数枚の板状の各ワークに対して同時に且つ容易に精密な温度調整を施すことのできる板状ワークの温度調整装置及び温度調整方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、所定間隔を置いて積層された複数枚の板状の各ワークに、温度調整した空気流をワークに対して平行流として吹き付けることによって、ワークの各両面に沿って温度調整した空気流を流すことができ、複数枚のワークを同時に温度調整できることを見出した。
更に、本発明者等は、ワークに吹き付ける空気流の温度調整についても、ワークに空気流を平行流として吹き付ける空気供給手段に供給する供給空気を冷却手段で一旦冷却してから加熱手段で所定温度に昇温し、その際に、ワークに吹き付ける空気流の温度との関係で加熱手段を制御することが、ワークに吹き付ける空気流の温度調整を容易に且つ精度よくできることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、精密加工が施される複数枚の板状ワークを所定間隔を介して平行に積層して積層体を形成する積層手段と、前記板状ワークの各々の両面に沿って空気流が平行流として流れるように、前記複数枚の板状ワークが積層されている積層体の一端側の全面に亘って前記空気流を供給する空気流供給手段と、前記空気流を所定温度に調整する温度調整手段とが設けられた温度調整装置であって、前記温度調整手段には、前記空気流供給手段に供給される供給空気を冷却する熱交換器と、前記熱交換器に所定温度に冷却した冷媒を供給する冷凍機とから成る冷却手段と、前記熱交換器と前記空気流供給手段との間に設けられ、前記熱交換器で冷却された供給空気を昇温する加熱手段と、前記板状ワークの積層体に吹き付ける空気流の温度を所定温度に維持するように、前記加熱手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする板状ワークの温度調整装置にある。
また、本発明は、精密加工が施される複数枚の板状ワークを所定間隔を介して平行に積層して積層体を形成する積層手段と、前記板状ワークの各々の両面に沿って空気流が平行流として流れるように、前記複数枚の板状ワークが積層されている積層体の一端側の全面に亘って前記空気流を供給する空気流供給手段と、前記空気流を所定温度に調整する温度調整手段とを具備する温度調整装置を用い、前記空気流供給手段に供給する供給空気を、冷凍機から所定温度に冷却した冷媒が供給される熱交換器によって冷却した後、前記熱交換器で冷却された供給空気を、前記熱交換器と前記空気流供給手段との間に設けた加熱手段によって昇温し、その際に、前記板状ワークの積層体に吹き付ける空気流が設定温度となるように、前記加熱手段を制御することを特徴とする板状ワークの温度調整方法でもある。
【0006】
かかる本発明において、熱交換器に供給する冷媒を、板状ワークの積層体に吹き付ける空気流の設定温度よりも1〜8℃低温となるように冷凍機を制御することが好ましい。また、加熱手段の制御として、PID制御を好適に採用できる。
更に、積層手段として、複数枚の板状のワークが所定間隔を介して平行に積層されると共に、前記ワークに対して直交し且つ互いに対向する二面が、前記ワークの端面の各々が露出するように開放されている棚体を用い、空気流供給手段を、前記棚体の開放面の一方を閉塞するフィルタによって一壁面が形成されているチャンバーと、前記ワークの各両面に沿って平行流として流れる空気流を、前記フィルタの全面から吹き出すように、前記チャンバー内に送風してチャンバーの内圧を所定圧とする送風手段とから構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定間隔で平行に積層した、精密加工を施す複数枚の板状ワークの端面の一方側から、所定温度に温度調整した空気流を板状ワークの各々に対して平行流として供給し、板状ワークの各両面側に所定温度に温度調整した空気流を流すことができる。 更に、本発明では、板状ワークに平行流として吹き付ける空気流(以下、単に空気流と称することがある)の空気供給手段に供給する供給空気を冷却手段で一旦冷却してから加熱手段で所定温度に昇温する。その際に、空気流の温度との関係で加熱手段を制御することによって、空気流の温度調整を行っている。
その結果、板状ワークに平行流として吹き付ける空気流に対して精密な温度調整を行うことができる。例えば、本発明に係る温度調整装置をクリーンルーム内に設置した場合、板状ワークに吹き付ける空気流の温度変化を、クリーンルーム内の温度変化よりも小さくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る温度調整装置の一例を図1に示す。図1に示す温度調整装置には、積層手段としての棚体10と、空気流供給手段としての空気供給部20とが設けられている。
この棚体10には、枠体に平行に設けられた複数の棚12,12・・の各々に、ピン14,14・・立設され、このピン14,14・・上に板状のワークとしての液晶ディスプレイ用のガラス板16(以下、単にガラス板16と称することがある)が載置されている。従って、棚体10には、複数枚のガラス板16,16・・が所定間隔を介して積層されている。
更に、かかる棚体10では、積層されたガラス板16,16・・に対して直交し且つ互いに対向する二面が、ガラス板16,16・・の各端面が露出するように開放されている。この棚体10の開放面を、ガラス板16と同幅又はガラス板16よりも広幅の開放面に形成することによって、ガラス体16の両面の全面に亘って温度調整した空気流を流すことができる。
尚、図1に示す棚体10の開放面は、通常、パネル板で覆われている部分であり、ガラス板16,16・・の積層状態を説明するため、パネル板を取り去って形成したものである。
【0009】
かかる棚体10の開放面の一方側には、空気供給部20が設けられている。この空気供給部20は、棚体10の開放面の一方を閉塞するフィルタ22によって一壁面が形成されているチャンバー24と、ガラス板16の各両面に沿って流れる空気流を、フィルタ22の全面からガラス板16,16・・の各々に対して平行流として吹き出すように、チャンバー24内に送風してチャンバー24の内圧を所定圧とする送風手段としての送風機26から構成されている。送風機26は、チャンバー24の直下に設けられており、チャンバー24の大きさによっては、複数台の送風機26,26・・を設けてもよい。
このチャンバー24としては、直方体状であって、棚体10の開放面の一方を閉塞するフィルタ22によって一壁面が形成されている矩形状のチャンバー24を好適に用いることができる。矩形状のチャンバー24内では、空気流の循環を活発化でき、フィルタ22から吹き出す空気流の温度分布を均一化できる。また、矩形状のチャンバー24は、その容積を大きくでき、送風機26を複数台設けても、各送風機26からの送風にバラツキが存在しても、フィルタ22から吹き出す空気流のバラツキを可及的に小さくできる。
かかるフィルタ22としては、0.3μmの粒子を捕集できるHEPAフィルタ(High Effieiency Particulate Air filter)又は0.15μmの粒子を捕集できるULPAフィルタ(Ultra Low Penetration Air filter)を用いると、高度に除塵された空気流をフィルタ22の全面から吹き出すことができ好ましい。
【0010】
チャンバー24内には、送風機26によって、空気供給部20の外壁面に開口された開口部28から吸い込まれ、所定温度に調整された空気が送風される。チャンバー24内に送風する空気流の温度調整手段として、開口部28と送風機26との間に冷却手段と加熱手段とが設けられている。この加熱手段としては、加熱ヒータ30が用いられ、冷却手段としては、冷凍機に連結された熱交換器32が用いられる。
かかる熱交換器32は、図2に示す様に、棚体10及び空気供給部20から成る温度調整装置内に設けられており、温度調整装置外に設置されている冷凍機34と、冷媒の循環配管36を介して連結されている。この冷媒として、水を用いることによって熱交換器32の補修等を容易に行うことができる。
この様に、熱交換器32よりも大型の冷凍機34を温度調整装置外に設置することによって、温度調整装置の小型化を図ることができる。
尚、熱交換器32の下方には、漏水センサ38が設けられており、加熱ヒータ30の上方には、過昇温防止サーモ40が設けられている。
【0011】
また、図1及び図2に示す棚体10及び空気供給部20から成る温度調整装置では、熱交換器32には、冷凍機34によって所定温度に冷却した冷媒としての水を循環することによって、開口部28から吸い込まれた空気を熱交換器32により冷却した後、加熱ヒータ30によって所定温度に調整する。加熱ヒータ30は、冷凍機34によって冷媒温度を変更する場合に比較して、その加熱温度を容易に且つ迅速に変更できる。このため、空気流の温度を容易に且つ迅速に所望温度に調整できる。
加熱ヒータ30は、温度調整装置外に設けられた制御部42によって制御されている。かかる制御部42では、キーボード等から予め入力されて設定された設定温度と空気流温度センサ44によって測定されたフィルタ22から吹き出される空気流の温度とに基づいて加熱ヒータ30を制御する。
この制御としては、PID制御を好適に採用できる。かかるPID制御では、設定温度と空気流温度センサ44で測定された温度との温度差に応じて加熱ヒータ30の加熱量を変化させる比例動作(P動作)と、温度差の継続時間に比例して加熱ヒータ30の加熱量を変化させる積分動作(I動作)と、温度差の変化の大きさに比例して加熱ヒータ30の加熱量を変化させる微分動作(D動作)とから成る。
また、熱交換器32に供給される冷媒の温度を、制御部42に入力された設定温度よりも1〜8℃(特に、好ましくは3〜5℃)ほど低温に制御することによって、フィルタ22から吹き出される空気流の温度(空気流温度センサ44によって測定された温度)を精密に制御できる。
尚、図2に示す枠体温度センサ46は、棚体10の他方の開口部近傍の枠体に設けられおり、温度調整装置の始動開始時に用いられる。
【0012】
加熱ヒータ30を通過しつつ所定温度に調整された空気流は、送風機26によってチャンバー24内に送風され、チャンバー24内を所定圧力に保持する。このチャンバー24内の圧力としては、フィルタ22の破壊圧力の20〜99%とすることが好ましい。
この様に、チャンバー24を所定圧力に保持することによって、フィルタ22の全面から所定温度に調整された空気流を吹き出すことができる。吹き出した空気流は、棚体10に積層されたガラス板16,16・・の各々に対して平行流である。
このため、棚体10に積層されたガラス板16,16・・の各両面に沿って、温度調整された空気流を流すことができ、ガラス板16,16・・の全体を同時に所定温度に調整できる。
所定温度に調整したガラス板16,16・・には、成膜や露光等の精密加工を迅速に且つ正確に施すことができ、得られたガラス板16を用いた液晶ディスプレイの生産性及び信頼性の向上を図ることができる。
【0013】
図1及び図2に示す棚体10及び空気供給部20から成る温度調整装置をクリーンルーム内に設置することによって、開口部28から吸引したクリーンルーム内の空気を、冷凍機34で冷却された冷媒が供給される熱交換器32、加熱ヒータ30及び制御部42によって所定温度に調整して、フィルタ22の全面から吹き出す空気流は、その温度変化をクリーンルーム内の温度変化よりも小さくできる。
このため、ガラス板16,16・・の各々の温度調整を、更に一層厳密に行うことができ、更に一層精密な精密加工を迅速に且つ正確に施すことができる結果、得られたガラス板16を用いた液晶ディスプレイの生産性及び信頼性の向上を図ることができる。
尚、これまでの説明では、ワークとして液晶ディスプレイのガラス板16について説明してきたが、半導体ウェーハの温度調整にも、図1及び図2に示す温度調整装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る温度調整装置の一例を説明する正面図である。
【図2】図1に示す温度調整装置内の空気流の流れを説明する説明図である。
【図3】クリーンルーム内に設置されていた棚体を説明する正面図である。
【図4】改良された温度調整装置を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0015】
10 棚体
12 棚
14 ピン
16 ガラス板
20 空気供給部
22 フィルタ
24 チャンバー
26 送風機
28 開口部
30 加熱ヒータ
32 熱交換器
34 冷凍機
36 循環配管
38 漏水センサ
40 過昇温防止サーモ
42 制御部
44 空気流温度センサ
46 枠体温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
精密加工が施される複数枚の板状ワークを所定間隔を介して平行に積層して積層体を形成する積層手段と、前記板状ワークの各々の両面に沿って空気流が平行流として流れるように、前記複数枚の板状ワークが積層されている積層体の一端側の全面に亘って前記空気流を供給する空気流供給手段と、前記空気流を所定温度に調整する温度調整手段とが設けられた温度調整装置であって、
前記温度調整手段には、前記空気流供給手段に供給される供給空気を冷却する熱交換器と、前記熱交換器に所定温度に冷却した冷媒を供給する冷凍機とから成る冷却手段と、
前記熱交換器と前記空気流供給手段との間に設けられ、前記熱交換器で冷却された供給空気を昇温する加熱手段と、
前記板状ワークの積層体に吹き付ける空気流の温度を所定温度に維持するように、前記加熱手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする板状ワークの温度調整装置。
【請求項2】
冷凍機では、熱交換器に供給される冷媒が板状ワークの積層体に吹き付ける空気流の設定温度よりも1〜8℃低温となるように制御されている請求項1記載の板状ワークの温度調整装置。
【請求項3】
制御手段では、PID制御が採用されている請求項1又は請求項2記載の板状ワークの温度調整装置。
【請求項4】
積層手段が、複数枚の板状のワークが所定間隔を介して平行に積層されると共に、前記ワークに対して直交し且つ互いに対向する二面が、前記ワークの端面の各々が露出するように開放されている棚体であって、
空気流供給手段が、前記棚体の開放面の一方を閉塞するフィルタによって一壁面が形成されているチャンバーと、前記ワークの各両面に沿って平行流として流れる空気流を、前記フィルタの全面から吹き出すように、前記チャンバー内に送風してチャンバーの内圧を所定圧とする送風手段とから構成される請求項1〜3のいずれか一項記載の板状ワークの温度調整装置。
【請求項5】
精密加工が施される複数枚の板状ワークを所定間隔を介して平行に積層して積層体を形成する積層手段と、前記板状ワークの各々の両面に沿って空気流が平行流として流れるように、前記複数枚の板状ワークが積層されている積層体の一端側の全面に亘って前記空気流を供給する空気流供給手段と、前記空気流を所定温度に調整する温度調整手段とを具備する温度調整装置を用い、
前記空気流供給手段に供給する供給空気を、冷凍機から所定温度に冷却した冷媒が供給される熱交換器によって冷却した後、
前記熱交換器で冷却された供給空気を、前記熱交換器と前記空気流供給手段との間に設けた加熱手段によって昇温し、
その際に、前記板状ワークの積層体に吹き付ける空気流が設定温度となるように、前記加熱手段を制御することを特徴とする板状ワークの温度調整方法。
【請求項6】
熱交換器に供給する冷媒を、板状ワークの積層体に吹き付ける空気流の設定温度よりも1〜8℃低温となるように冷凍機を制御する請求項5記載の板状ワークの温度調整方法。
【請求項7】
加熱手段の制御として、PID制御を採用する請求項5又は請求項6記載の板状ワークの温度調整方法。
【請求項8】
積層手段として、複数枚の板状のワークが所定間隔を介して平行に積層されると共に、前記ワークに対して直交し且つ互いに対向する二面が、前記ワークの端面の各々が露出するように開放されている棚体を用い、
空気流供給手段を、前記棚体の開放面の一方を閉塞するフィルタによって一壁面が形成されているチャンバーと、前記ワークの各両面に沿って平行流として流れる空気流を、前記フィルタの全面から吹き出すように、前記チャンバー内に送風してチャンバーの内圧を所定圧とする送風手段とから構成する請求項5〜7のいずれか一項記載の板状ワークの温度調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−25870(P2008−25870A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−196346(P2006−196346)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】