説明

柱状体セット

【課題】連係機構で連係した複数の分割キー部材を、安定した姿勢で開口部を通すことができるようにする。
【解決手段】外嵌用管部の内周側に内向き周溝を形成し、内嵌用柱部の外周側に外向き周溝を形成してある柱状体と、内向き周溝と外向き周溝とに亘って装着し、且つ、柱状体周方向で複数個の分割キー部材で構成してあるキー部材15を備え、外向き周溝の溝長手方向における一部を外方に臨ませるための開口部を外嵌用管部に形成し、分割キー部材の夫々を、開口部を通して内向き周溝と外向き周溝との間に挿入することにより、外嵌用管部と内嵌用柱部とを互いに係合可能に構成すると共に、連係機構Bを介して互いに連係させ、隣接する分割キー部材同士が開口部を通す姿勢で連係方向の周りに相対回転するのを阻止する回転止め部を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外嵌用管部と内嵌用柱部とを両端部に振り分けて設けてあり、前記外嵌用管部の内周側には内向き周溝を形成してあると共に、前記内嵌用柱部の外周側には外向き周溝を形成してある柱状体と、一対の柱状体を柱状体長手方向に互いに係合させて接続するために、一方の柱状体の前記外嵌用管部と他方の柱状体の前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着するキー部材とを備え、前記キー部材は、柱状体周方向で複数個の分割キー部材で構成してあり、前記外嵌用管部には、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記外向き周溝の溝長手方向における一部を外方に臨ませるための開口部を形成してあり、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた後、前記分割キー部材の夫々を、前記開口部を通して前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入することにより、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着して、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを柱状体長手方向に互いに係合可能に構成し、前記複数個の分割キー部材どうしは、前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入可能に、連係機構を介して予め互いに連係させてある柱状体セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の分割キー部材どうしを連係させる連係機構としては、例えば、一本のワイヤーを、複数の分割キー部材に挿通させるだけの構造であった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−35931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の連係機構では、外嵌用管部に形成した前記開口部を通して内向き周溝と外向き周溝との間に挿入する際に、ワイヤーが挿通した複数の分割キー部材が、ワイヤーの回りに夫々相対回転し、挿入姿勢が定まりにくく、開口部を通しにくいという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、連係機構で連係した複数の分割キー部材を、安定した姿勢で開口部を通すことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、外嵌用管部と内嵌用柱部とを両端部に振り分けて設けてあり、前記外嵌用管部の内周側には内向き周溝を形成してあると共に、前記内嵌用柱部の外周側には外向き周溝を形成してある柱状体と、一対の柱状体を柱状体長手方向に互いに係合させて接続するために、一方の柱状体の前記外嵌用管部と他方の柱状体の前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着するキー部材とを備え、前記キー部材は、柱状体周方向で複数個の分割キー部材で構成してあり、前記外嵌用管部には、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記外向き周溝の溝長手方向における一部を外方に臨ませるための開口部を形成してあり、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた後、前記分割キー部材の夫々を、前記開口部を通して前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入することにより、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着して、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを柱状体長手方向に互いに係合可能に構成し、前記複数個の分割キー部材どうしは、前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入可能に、連係機構を介して予め互いに連係させてある柱状体セットであって、前記連係機構には、隣接する前記分割キー部材同士が前記開口部を通す姿勢で連係方向の周りに相対回転するのを阻止する回転止め部を設けてあるところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、回転止め部により隣接する分割キー部材同士は、連係方向の周りに相対回転するのが阻止されるために、開口部を通して夫々の分割キー部材を安定した姿勢で挿入することができる。
従って、柱状体同士の係合作業を効率よく行うことができるようになる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記連係機構は、複数の隣接する前記分割キー部材を共に挿通する複数本の索条体からなり、前記分割キー部材の連係方向と交差する方向に前記複数本の索条体を互いに離して前記回転止め部を構成してあるところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、分割キー部材夫々に複数本の索状体を、分割キー部材の連係方向と交差する方向に互いに離して挿通させるだけの簡単な構造で、分割キー部材同士の相対回転が阻止され、安価にキー部材を製作できる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記連係機構は、複数の隣接する前記分割キー部材を、共に挿通する帯状体からなり、前記帯状体が挿通する挿通孔を、前記帯状体の断面と同様の長い断面形状で、前記分割キー部材夫々に形成して前記回転止め部を構成してあるところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、分割キー部材夫々に、帯状体が挿通する挿通孔を、前記帯状体の断面と同様の長い断面形状で、形成するだけで、製作を簡単にできる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記連係機構は、前記キー部材が前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入できるように屈曲可能に複数の隣接する前記分割キー部材同士を弾性体を介して接着してあり、その弾性体接着部で前記回転止め部を形成してあるところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、弾性体を介して接着した分割キー部材同士は、それらの姿勢が安定し易く、しかも開口部を通して外向き周溝と内向き周溝間の湾曲した溝に追従して屈曲変形しながら挿入でき、柱状体同士の係合操作をスムーズに行なうことができるようになった。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は、前記内向き周溝又は前記外向き周溝に摺接する前記分割キー部材の周面に、低摩擦層を形成してあるところにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、分解キー部材夫々を開口部を通して挿入する際に、分割キー部材の周面に形成した低摩擦層により、スムーズに滑らせながら挿入でき、キー部材の装着作業を短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】柱状体同士の接続部の縦断斜視図で、(a)は接続前、(b)は接続状態を示す。
【図2】柱状体同士の接続前の要部縦断面図である。
【図3】柱状体同士の接続時の要部縦断面図で、(a)はキー部材装着前、(b)はキー部材装着時を示す。
【図4】キー部材の一部切欠き斜視図である。
【図5】キー部材の挿入手順を示す柱状体の横断面図で、(a)は挿入前、(b)は挿入時、(c)は挿入後を示す。
【図6】柱状体の要部横断面図である。
【図7】別実施形態のキー部材の一部縦断斜視図である。
【図8】別実施形態のキー部材の一部縦断斜視図である。
【図9】別実施形態のキー部材の一部縦断斜視図である。
【図10】別実施形態のキー部材の一部縦断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1(a),(b)は、本発明の柱状体の接続工法に使用する本発明による柱状体セットを示し、柱状体の一例としての外周面形状が円筒状の鋼管杭Aと、一対の鋼管杭Aを杭長手方向に互いに係合させて接続するために装着するキー部材15とを備えている。
【0018】
前記鋼管杭A(A1,A2)は、鋼管1の両端部に筒型鋳鋼製の外嵌用管部2と内嵌用柱部3とを振り分けて同芯状に溶接してあり、内嵌用柱部3を上側に位置させて地中に埋設できるように構成してある。
【0019】
前記内嵌用柱部3は、図1、図2に示すように、鋼管1の外径と略同じ外径の基部4に、その基部4よりも外径が小径の内嵌部5を延設してある略円筒状に形成してあり、基部4の内嵌部5側に臨む端面を、外嵌用管部2の先端部分を接当させる内嵌側接当面6に形成して、その内嵌側接当面6に内嵌側係合凹部7を環状に形成してあり、内嵌部5の外周側には、二条の外向き周溝8を円環状に形成してあり、内嵌部5の先端部分には内嵌側係合凸部9を環状に形成してある。
【0020】
前記外嵌用管部2は、図1、図2に示すように、鋼管1の外径と略同じ外径の略円筒状に形成してあり、その内周側に内嵌部5を嵌合させる外嵌部10を形成して、外向き周溝8と略同じ深さの二条の内向き周溝11を形成し、内嵌側接当面6に接当させる先端部分に、内嵌側係合凹部7に係合する外嵌側係合凸部12を環状に形成し、内嵌部5の先端部分を接当させる外嵌側接当面13に、内嵌側係合凸部9を係合させる外嵌側係合凹部14を形成してある。
【0021】
前記内向き周溝11は、内嵌部5を外嵌部10に嵌合させた状態で、外向き周溝8に対向するように円環状に形成してあり、一対の鋼管杭Aを接続するために、一方の鋼管杭Aの外嵌用管部2と他方の鋼管杭Aの内嵌用柱部3とを互いに嵌合させた状態で、内向き周溝11と外向き周溝8とに亘ってキー部材15を装着することにより、外嵌用管部2と内嵌用柱部3とを鋼管杭長手方向に互いに係合できるようにしてある。
【0022】
前記キー部材15は、図4に示すように、杭周方向で予め互いに連係機構Bで連係した複数個の略直方体形状の分割キー部材で構成してあり、外嵌用管部2と内嵌用柱部3とを互いに嵌合させた状態で、これらの分割キー部材15を内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入するために、図1,図5に示すように、各外向き周溝8の溝長手方向における一部を外向き周溝9の全幅に亘って外方に臨ませるための開口部16を、各内向き周溝11の形成箇所に沿って、内向き周溝11の全幅に亘って切り取った形状で、外嵌用管部2の周方向で複数箇所(本実施形態では4箇所)に予め形成してある。
【0023】
そして、図3(a)、図5(a)に示すように、一方の鋼管杭A1の外嵌用管部2に他方の鋼管杭A2の内嵌用柱部3を内嵌して互いに嵌合させた後、図3(b)、図5(b)、(c)に示すように、隣り合う開口部16間における内向き周溝11と外向き周溝8との間毎に、複数個の分割キー部材15の夫々を、開口部16を通して外方に臨ませた外向き周溝部分8aに装着して、その外向き周溝部分8aに沿って内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入することにより、内向き周溝11と外向き周溝8とに亘って跨るように装着して、外嵌用管部2と内嵌用柱部3とを杭長手方向に互いに係合させる接続工法で、一対の鋼管杭A(A1,A2)どうしを接続できるように構成してある。
【0024】
尚、図1(b)中の符号17は、互いに接続した鋼管杭A(A1,A2)どうしの相対回転を抑止するために、外嵌用管部2と内嵌用柱部3とに亘って係合するようにビス止めしてある回転抑止キーである。
【0025】
前記杭周方向で隣り合う開口部16の間毎に装着する複数個の分割キー部材15は、図4に示すように、各分割キー部材15に2本のワイヤー挿通用貫通孔32を、分割キー部材15の連係方向と交差する方向、即ち、上下方向に離して形成して、それらの分割キー部材15に亘って、一連の索条体としての2本のワイヤー18を、予めワイヤー挿通用貫通孔32に各別に挿通して、複数の分割キー部材15同士の連係機構Bを構成すると共に、複数の隣接する分割キー部材15同士がそれらの連係方向の周りに相対回転するのを阻止する回転止め部に形成してある。つまり、2本のワイヤの内の一方のワイヤー18を回転軸心としてその軸心周りに分割キー部材15が回転しようとしても、他方のワイヤー18が一方のワイヤー18から径方向に離れた位置でその回転を阻止し、また、他方のワイヤー18を回転軸心として分割キー部材15が回転しようとしても、その径方向に離れた位置で、同様に一方のワイヤー18が分割キー部材15の回転を阻止し、結局、2本のワイヤー18により連係機構Bと回転止め部が同時に構成される。
【0026】
前記ワイヤー18には、そのワイヤー18を挿通してある分割キー部材15のうちの、挿入方向前端側の分割キー部材15aとの接当でその分割キー部材15aとの相対移動を規制する規制部19としての第1規制部材19aと、挿入方向後端側の分割キー部材15bとの接当でその分割キー部材15bとの相対移動を規制する規制部19としての第2規制部材19bとを設けてあり、第1規制部材19aと第2規制部材19bとの間隔を、各分割キー部材15の合計長さ以上の長さ、例えば二倍以上の長さに設定して、各分割キー部材15が内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入可能な姿勢に姿勢変更自在に挿通してある。
【0027】
従って、複数の分割キー部材15どうしは、連係機構Bとしての2本のワイヤー18と規制部19とを介して、内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入可能、かつ、内向き周溝11と外向き周溝8との間から引き戻し可能に予め互いに連係させてあり、また、内向き周溝11と外向き周溝8との間における、挿入方向への相対移動と、引き戻し方向への相対移動とを規制可能に予め互いに連係させてある。
【0028】
前記分割キー部材15の夫々を内向き周溝11と外向き周溝8とに亘って装着する方法を説明する。
図5(a)に示すように、隣り合う開口部16の間毎に、ワイヤー18の端部を、一方の開口部16から内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿通して他方の開口部16から引き出した後、図5(b)に示すように、そのワイヤー18を挿通してある各分割キー部材15を、内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入して、内向き周溝11と外向き周溝8とに亘って順に装着し、その後、図5(c)に示すように、ワイヤー18を切断して各分割キー部材15から抜き取る。
尚、内向き周溝11と外向き周溝8との間に各分割キー部材15を挿入後、再び、内向き周溝11と外向き周溝8との間から各分割キー部材15を抜き取って、複数の柱状体を分離する作業がある場合には、ワイヤー18は、各分割キー部材5に挿通したままにしておけば良い。
【0029】
次に、図6に示すように、各分割キー部材15の周溝内での移動を阻止するためのL字状のスライドキー部材20を開口部16から内向き周溝11と外向き周溝8との間に装着するとともに、隣り合うスライドキー部材20の間に押えキー部材21を装着して、スライドキー部材20どうしを連結固定する連結板22を各スライドキー部材20にビス止めする。
【0030】
本実施形態の柱状体セットによれば、索条体としてのワイヤー18を、開口部16から内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿通しても、そのワイヤー18が分割キー部材15の装着の邪魔にならないように、分割キー部材15の複数個に亘って、それらの分割キー部材15が内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入可能な姿勢に姿勢変更自在に、ワイヤー18を挿通しておき、ワイヤー18の端部を、開口部16から内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿通して開口部16から引き出した後、そのワイヤー18を挿通してある分割キー部材15の複数個を、外方に臨ませた外向き周溝部分8aに装着して、その外向き周溝部分8aに沿って内向き周溝11と外向き周溝8との間に挿入することにより、内向き周溝11と外向き周溝8とに亘って順に装着できる。
【0031】
従って、分割キー部材15の一つずつを、外方に臨んでいる外向き周溝部分8aに装着してから先行分割キー部材にボルト連結するような、従来行っていた煩雑な作業を要することなく、つまり、分割キー部材15の装着作業を煩雑化することなく、分割キー部材15のいずれかが内向き周溝11と外向き周溝8との間で引っ掛かって挿入できなくなったときは、その引っ掛かりを解消するべく、開口部16から引き出してあるワイヤー18を上下左右に動かすことで、分割キー部材15と内向き周溝11又は外向き周溝8との間のあそび(隙間)部分での分割キー部材15の引っ掛かりを解消し易い。
【0032】
また、ワイヤー18として、そのワイヤー18を挿通してある分割キー部材15との接当で、その分割キー部材15との相対移動を規制する規制部19を設けてあるワイヤー18を使用するので、ワイヤー18を少なくとも前後方向のいずれか一方に動かすことで、そのワイヤー18を挿通してある分割キー部材15の全部又は一部を積極的に動かすことができ、分割キー部材15の引っ掛かりを一層解消し易い。
【0033】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0034】
〈1〉 前記ワイヤー挿通用貫通孔32を、上下方向に離して形成した例を示したが、横方向や斜め方向に離して形成してあっても良い。
〈2〉 前記ワイヤー挿通用貫通孔32は、2本以外に3本以上の複数本設けてあっても良い。
〈3〉 前記連係機構Bとして、ワイヤー18に代えて、他の索状体で23あっても良く。また、ワイヤー18に代えて、図7に示すように、帯状体23で形成し、その帯状体23が挿通する挿通孔24を、帯状体23の断面と同様の長い断面形状に形成してあれば良い。
〈4〉 分割キー部材15を、図8に示すように、隣接するもの同士が互いに接触してもキー部材全体として左右に屈曲変形し易いように、隣接する分割キー部材15に対する摺接面を、一方側を凸曲面25に他方側を凹曲面26に形成してあれば、開口部16から挿入する分割キー部材15同士の間隔が小さくて済み、互いに連結する鋼管杭A同士を引き離そうとする力に対する抵抗力が向上する。つまり、より連結力が向上する。
〈5〉 分割キー部材15同士は、図9に示すように、連係機構Bとして1本以上のワイヤー18又は帯状体23を使用し、隣接する分割キー部材15の隣接面部の一方に上下方向に沿った係合凸部27を設け、他方に上下方向に沿った係合凹部28を設けて、それら係合凸部27と係合凹部28とが互いに係合して前記回転止め部に形成してあるものでもよい。この場合、左右にキー部材全体が屈曲自在になるように、平面視で各4隅部を面取り部29にしてあるのが良い。
〈6〉 前記連係機構Bは、図10に示すように、内向き周溝と外向き周溝との間に挿入出切るように、分割キー部材15同士をゴム等の弾性体30を介して接着して、その弾性体接着部で回転止め部を形成してあっても良い。
〈7〉 前記内向き周溝11又は外向き周溝8に摺接する分割キー部材15の周面に、フッ素コーティング等の低摩擦層を形成してあれば、開口部16を通して複数の分割キー部材15を挿入する時に、滑らせながらスムーズに行なえる。
〈8〉 挿入方向に複数並んだ分割キー部材の両サイドを、テープ状の弾性体で挟んで接着して、回り止め部を形成してもよい。
【0035】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
2 外嵌用管部
3 内嵌用柱部
8 外向き周溝
11 内向き周溝
15 キー部材
16 開口部
B 連係機構
23 帯状体
30 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外嵌用管部と内嵌用柱部とを両端部に振り分けて設けてあり、前記外嵌用管部の内周側には内向き周溝を形成してあると共に、前記内嵌用柱部の外周側には外向き周溝を形成してある柱状体と、
一対の柱状体を柱状体長手方向に互いに係合させて接続するために、一方の柱状体の前記外嵌用管部と他方の柱状体の前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着するキー部材とを備え、
前記キー部材は、柱状体周方向で複数個の分割キー部材で構成してあり、
前記外嵌用管部には、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた状態で、前記外向き周溝の溝長手方向における一部を外方に臨ませるための開口部を形成してあり、
前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを互いに嵌合させた後、前記分割キー部材の夫々を、前記開口部を通して前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入することにより、前記内向き周溝と前記外向き周溝とに亘って装着して、前記外嵌用管部と前記内嵌用柱部とを柱状体長手方向に互いに係合可能に構成し、
前記複数個の分割キー部材どうしは、前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入可能に、連係機構を介して予め互いに連係させてある柱状体セットであって、
前記連係機構には、隣接する前記分割キー部材同士が前記開口部を通す姿勢で連係方向の周りに相対回転するのを阻止する回転止め部を設けてある柱状体セット。
【請求項2】
前記連係機構は、複数の隣接する前記分割キー部材を共に挿通する複数本の索条体からなり、
前記分割キー部材の連係方向と交差する方向に前記複数本の索条体を互いに離して前記回転止め部を構成してある請求項1に記載の柱状体セット。
【請求項3】
前記連係機構は、複数の隣接する前記分割キー部材を、共に挿通する帯状体からなり、
前記帯状体が挿通する挿通孔を、前記帯状体の断面と同様の長い断面形状で、前記分割キー部材夫々に形成して前記回転止め部を構成してある請求項1に記載の柱状体セット。
【請求項4】
前記連係機構は、前記キー部材が前記内向き周溝と前記外向き周溝との間に挿入できるように屈曲可能に複数の隣接する前記分割キー部材同士を弾性体を介して接着してあり、その弾性体接着部で前記回転止め部を形成してある請求項1に記載の柱状体セット。
【請求項5】
前記内向き周溝又は前記外向き周溝に摺接する前記分割キー部材の周面に、低摩擦層を形成してある請求項1〜4のいずれか1項に記載の柱状体セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−42039(P2012−42039A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186343(P2010−186343)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】