説明

梱包用マット及び梱包用マットを用いた梱包ユニット

【課題】 緩衝層として充填された緩衝体ビーズを偏在させない。
【解決手段】 外袋1と、内袋2と、緩衝体ビーズ3からなっている。外袋1は、気密性を有する袋であり、外袋内の脱気に際し、吸引力が作用したときに開弁し、脱気後は閉弁して外袋内への外気の導入を阻止する逆止弁を有している。内袋2は、伸縮性を有する通気性の袋であり、内袋2の上下のシート面の全面にわたり一定間隔ごとに微小範囲を一体に結合した接合点5を有している。緩衝体ビーズ3は、緩衝性を有する粒状体であり、内袋2内に定量が充填され、前記内袋2のいくつかの接合点5を結ぶ区画内に実質的に閉じ込められる。緩衝体ビーズ3が充填された内袋2は平坦なほぼ一定厚みの緩衝層となって外袋1内に挿入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、特に宅配便用の物品配送に梱包用マット及び梱包用マットを用いた梱包ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
物品を輸送する際には、輸送中に受ける衝撃や振動などから物品を有効に保護するため、通常は緩衝性を有する紙やプラスチックシートその他の緩衝材を用いて物品を梱包し、更に、必要に応じて物品が動かないよう詰め物をして外箱内に梱包される。
【0003】
製品をメーカーや量販店の修理センターに配送する時や製品の販売時には、「個装」つまり、物品個々を包装し、物品の商品価値を高めるため、又は物品を保護するために適切な材料容器などを物品に施すことが必要であるが、修理のために、製品の運送を宅配業者に依頼するようなときには、製品販売時のような「個装」は必要ではなく、要するに輸送中に受けるかもしれない衝撃や外力から製品を有効に保護できれば足りると考えられる。
【0004】
物品運送用の袋ではないが、買い物袋などとして使用することを目的とした保温袋として、特許文献1には、発泡粒状体の断熱効果を利用した袋が記載されている。この保温袋は、相互間に粒状体収容部を形成して自在に変形可能な内側袋部及び外側袋部を有する2重袋で、保温物を収納可能に形成され、かつ前記両袋部の内の少なくとも外側袋部が非通気性をなす袋本体と、前記粒状体収容部に収容され、この収容部が脱気されるにつれて互いに密着状態に集合して固化状態となる無数の発泡粒状体と、前記粒状体収容部に連通して前記袋本体に設けられ、前記粒状体収容部が脱気した状態を保持する吸気弁を有する給排気口とを具備したことを特徴とする保温袋である。
【0005】
特許文献1に記載された保温袋によれば、粒状体収容部内に収容されている無数の発泡粒状体を被保温物の形状に沿うように固化状態とすることによって、袋本体内で被保温物の周囲の空気の対流による熱損失をなくすとともに、発泡粒状体群で断熱ができるから、被保温物の温度変化を長時間にわたり抑制できるとともに、前記固化状態の発泡粒状体で被保温物を袋本体内で動かないように位置決めすることによって、被保温物が動くことに基づく被保温物の品質劣化を防止できるという効果が強調されている。
【0006】
特許文献1に記載の保温袋は、被保温物の形状に沿うように固化状態として発泡粒状体群(ビーズ)の断熱効果を被保温物の保温に利用したものであるが、前記固化状態の発泡粒状体で被保温物を袋本体内で動かないように位置決めできることは、固化状態とした発泡粒状体群は断熱効果だけでなく、緩衝効果を期待でき、また、物品を定位置に安定に保持できることは、宅配便として輸送される物品を梱包する上にも大きな効果が期待できる。
【0007】
ところが、マットの袋体内にビーズを収容しただけでは梱包用マット内にビーズを均一に分散させることができず、特に梱包用マットで立体形状の物品を包んだときに、梱包用マットは物品外壁面に沿って立ち上る部分が生じるが、その立ち上げ部分では梱包用マット内のビーズの収納量が少なくなり、極端な場合には立ち上げ部分の一定範囲にわたってビーズがなくなってしまうという事態が生じる。いうまでもなく、ビーズの収納量が少なくなったり、さらには局部的にもビーズがなくなってしまうといった事態が発生すると、梱包用マットを物品に密着させて安定に保持させることができないばかりか、ビーズによる緩衝効果も期待できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−321217
【特許文献2】特許第2847651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、梱包物品を梱包用マットで包むときに、梱包用マットに充填されたビーズが偏在し、物品を定位置に安定に保持させることができないだけでなく、ビーズによる緩衝効果が得られないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明による梱包用マットは、気密性を有する外袋と、外袋に内装された通気性を有する内袋と、内袋内に充填した緩衝体ビーズとの組み合わせからなり、内袋を構成する対のシート面の対向面の要所を一定間隔ごとに縫合し、互いに隣接する3点以上の各接合点によって囲まれる区画内に定量の緩衝体ビーズを閉じ込めて梱包用マットに充填されたビーズを偏在させないようにした点を最大の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明による梱包用マットは、風呂敷と同様に床や卓上に広げて物品を包んだり、収納袋として物品を収納して折りたたんだり、あるいは物品を挟んだりして物品を梱包でき、物品梱包の際に、梱包用マットの一部を立ち上げたりあるいは折り曲げたりしても、梱包用マット内に充填された緩衝体ビーズは内袋内で偏ることがない。
【0012】
さらに、物品を梱包した状態でマットの外袋内を脱気すれば、内袋内の緩衝体ビーズの層は、一定厚みのまま固化し、緩衝体ビーズの固化層にて梱包物品を安定に支え、緩衝体ビーズの固化層の有する緩衝作用によって、運搬中に外部から受けるかもしれない衝撃、振動による破損、損傷から梱包物品を有効に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による梱包用マットの1実施例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図2】(a)、(b)は内袋に設ける接合点の態様を示す図である。
【図3】接合点が形成する区画を示す図である。
【図4】バルブの構造を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図5】梱包用マットを外箱と組み合わせてユニットを形成する例を示す図である。
【図6】(a)は物品を包んだマットを外箱に固定する固定用テープを設ける例を示す図、(b)は物品を包んだマットを固定用テープで止め、更に物品を包んだマットを外箱の固定用テープで外箱に固定した状態を示す図である。
【図7】マットにも物品を包んだ状態に保持させる固定用テープを設ける例を示す図である。
【図8】梱包用マットをカバーシートと組み合わせてユニットを形成する例を示す図であり、(a)は底面図、(b)は(a)のX−X線断面図、(c)はマットを2つ折りにしてバッグまたはホルダーとした例である。
【図9】評価1の測定要領を示す図である。
【図10】評価2の測定要領を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1において、本発明による梱包用マット(以下マットと略称する)10は、外袋1と、内袋2と、内袋2内に充填された緩衝体ビーズ3との組み合わせからなっている。この実施例において、外袋1は、気密性を有する長方形の対の外層シート1a、1bを上下に重ね合わせ、その周縁を気密にシールして扁平な長方形の袋状に加工されたものである。外袋1のシート面の一部にはバルブ4が取り付けられている。
【0015】
内袋2は、伸縮性を有する通気性の袋である。通気性を有する長方形の対のシートの周縁を縫合して外袋よりひと周り小さい平坦な長方形の袋状に加工されている。緩衝体ビーズ3を充填した内袋2は外袋1に挿入される。本発明において、内袋2は、袋を形成する上下のシート面には接合点5を有している。接合点5は、内袋2の上下のシート面の全面にわたり、図2に示すように縦横の一定間隔ごとに微小範囲を一体に結合した部分である。この実施例において、各接合点5は、図2(a)のよう内袋を上方から視たときに、行列方向の列ごとに縦横の位置を互いにずらせて各所に散在させているが、これは図2(b)のように縦横に整列させてもかまわない。
【0016】
内袋2は、通気性のシートの周縁を縫合し、あるいは袋状の編み物についてその要所を接合することに得られるが、この実施例に用いた内袋のシートには、繊維糸の編み地の表編み地と裏編み地とこれらを連結する連結糸から構成された立体編み物を用いている。このような編み物には、例えば旭化成株式会社の立体編み物「ダブルラッセル(登録商標)」(特許文献2参照)がある。
【0017】
このような立体編み物によれば、互いに近接する3点以上のいくつかの区画、この実施例では図3に示すように4つの接合点5,5,5,5によって囲まれた区画が実質的に独立した構造体を構成し、編み地は伸縮性に富んでいるため、各接合点5を結ぶ区画内に緩衝体ビーズ3を実質的に閉じ込めることができ、緩衝体ビーズ3が充填された内袋2は平坦なほぼ一定厚みとなる。また、上記立体編み物によるときには、最初に内袋2内に緩衝体ビーズ3を封入するに際し、内袋2の一部に開口(図示略)を設け、その開口から高圧空気で緩衝体ビーズを圧送して各接合点5を結ぶ区画内に適量を均等に封入することができる。開口は後に閉じて緩衝体ビーズの流失を防止する。なお、内袋2を形成する上下のシートは伸縮性を有することが必要であるが、必ずしも編み物である必要はない。伸縮性の織物であっても使用できる。
【0018】
緩衝体ビーズ3は、発泡ポリエチレンあるいは発泡ポリスチレンの粒状体であり、その粒径の大きさは問わないが、粒径が小さいほど物品の形状によくなじませることができる。緩衝体ビーズ3を充填した通気性の内袋2を気密性の外袋1内に挿入することによって緩衝体ビーズ3は、外袋1の密閉空間に充填されることになる。緩衝体ビーズ3の層の厚みは内袋2の高さによって規制され、内袋2は、ほぼ一定厚さの緩衝層となり、外袋1は内袋2と組み合わされて扁平なマットが得られる。
【0019】
外袋1のシート面に備えたバルブ4は、逆止弁と吸気弁との組み合わせからなっている。図4にバルブ4の構造を示す。バルブ4は、逆止弁6と吸気弁7との組み合わせからなり、吸気弁7は、円筒状の弁箱8の内部中心の流路に組み込まれ、逆止弁6は、その周囲に同心上の位置に形成された流路に組み込まれている。
【0020】
逆止弁6は、マット10内の脱気に際し、ポンプの吸引力が作用したときにその吸引力を受けて開弁し、脱気後は閉弁してマット10内への外気の導入を阻止するものであり、吸気弁7は、弁箱8の上端に備えたキャップ9を手動で回転することによって、押し下げられて開弁し、脱気されたマット1内への外気の導入を可能にするものである。脱気されたマット10は固化し、収納された物品Mの表面に密着して当該物品Mを定位置に保持する。なお、外袋、内袋の平面形状は長方形の例で説明しているが、正方形であってもかまわない。マット10の形状は問わない。
【0021】
次に、宅配便としての運送に備え、外箱11と組み合わせて物品の梱包ユニットとして利用できる。以下に物品をマット10に包み、これを外箱11内に梱包する場合の手順を説明する。図5(a)において、まず外箱11内にマット10を差し込み、同図(b)のように外箱11の底にマット10を敷き詰め、その端縁(四隅)を内壁に沿って立ち上げ、外箱11の縁から外部に垂らす。
【0022】
ついで梱包すべき物品Mを外箱11内に収容してマット上に置き(図5(c))、マットの端縁(四隅)を、図5(d)〜(e)の順に順次折り返して物品Mの上面を覆い、物品Mをマット10に包んだ状態で、図5(f)のようにマット10の外袋1の一部に取り付けたバルブ4にポンプ12を差し込み、ハンドル13を操作してマット10内を脱気する。これによって、図5(g)のようにマット10は固化し、物品Mの表面に密着する。
【0023】
この状態で図5(h)のように、外箱11の開口を施蓋すれば梱包が完了するが、宅配便として輸送するためには、物品Mを包んだマット10を外箱11に固定して搬送中に物品が外箱内で動かないようにしておくことが必要である。図6は、物品Mを包んだマット10を外箱11に固定する固定用テープ14を設けた例である。固定用テープ14は例えば面ファスナー(マジックファスナー(登録商標))であり、図6(a)は、外箱11の対向内壁面に向き合わせて固定用テープ14の対を設けた例を示している。
【0024】
一方、マット10にも、図7のように物品を包んだ状態を保持させるために固定用テープ15を設けて置くことが好ましい。この例によれば、物品を包んだ状態で図6(b)に示すようにマットの対向端縁間を固定用テープ15で止め、次いで外箱11の内壁に付設した対の固定用テープ14をマット10の上面に止めて施蓋する。
【0025】
これによって、マットに包まれた物品は、外箱11に固定され、運搬中に、振動や衝撃が加えられても外箱内で浮動、転動することがなく、運搬中に受けるかもしれない振動や衝撃は、マット10内でほぼ固化した緩衝体ビーズ3の緩衝層によって吸収される。目的地に届けられた貨物を開梱するには、外箱11の蓋を開き、固定用テープ14、15を外し、バルブ4のキャップ9をまわし、吸気弁7を押し下げて流路を開き、その流路を通してマット10内に外気を導入する。
【0026】
外気の流入によって、マット10内の容量が増加して緩衝体ビーズ3の充填密度が減少し、マット10の緊張がほぐれてやわらかくなり、容易にマット10を開いて物品Mを外箱11から取り出すことができる。
【0027】
このように、梱包ユニットとして利用する場合に、外箱11は梱包すべき物品Mを包んだマット10を収容し固定する箱であり、本発明によるマット10は、梱包すべき物品Mを包んだ状態で物品Mの表面形状に沿って固化し、物品Mの表面に密着して物品を保護する緩衝層となる。
【0028】
梱包ユニットとして利用する例は、外箱と組み合わすだけにかぎらない。カバーシートと組み合わせてバッグとして利用できる。この場合には、図8(a),(b)に示すように、カバーシート16は、バッグの全長より長い長方形のシートであり、フラップ17となる部分を一部に残してそのシート面にマット10を重ね、マット10の一面を覆って一体に接合し、マット10の露出面を内側にして、マット10をカバーシート16とともに2つ折りに折り曲げ、その両側縁を図8(c)のように接合あるいは開閉可能に封止する。これによって、2つ折りのマット10はバッグ(またはホルダー)となり、フラップ17は袋の開口を塞ぐ蓋となる。バッグ内に物品Mを収納し、マット10内を脱気して固化すれば、その固化層が梱包物品Mを定位置に支え、またその固化層が緩衝層として、外部から受けるかもしれない衝撃や振動から梱包物品Mを保護する。
【0029】
(評価例)
以下に、立体編み物を用いた内袋内にビーズを充填し、その充填量を変えたときにビーズ偏在性及び折り畳み性を評価した。なお、内袋の立体編物には、ポリエステル繊度75デニール、外形1000mm×1000mm、表裏の編み込みパターンは、ドッド総柄、ドット部の直径10mm、ドット間距離50mm、生地の重量205g、緩衝体ビーズには、発泡ポリエチレン、発泡倍率30倍±3%、球径4.5mm±10%の発泡体ビーズを用いた。
【0030】
評価の方法は以下のとおりである。
(1)(評価1)内袋内での緩衝体ビーズの偏在評価
<方法>
・ 平滑に均したビーズ入りの内袋を、図9に示すように垂直壁面に左右及び中央のそれぞれ上端をそれぞれ固定し、その状態で5分経過後、内袋内でのビーズの変位量を測定した。
・ 測定箇所は左端、右端及び中央部の3点とし、以下の基準に従って〇、△、×の判定を行った。
<判定基準>
垂直姿勢に置かれた内袋の高さLに対するビーズの変位量Xが0〜5%未満を〇判定とし、5%〜10%未満を△、10%以上を×と判定した。判定結果を表1に示す。
【0031】
(2)(評価2)内袋の折り畳み性の評価
<方法>
平滑に均したビーズ入りの内袋を図10に示すように4つ折にし、その上部に平板を置いて測定した。測定箇所は、4つ折の際に2度折りした角の厚みである。
<判定基準>
平滑に均したビーズ入りの内袋の厚みの4倍に対し、4つ折の際の2度折りした角の厚みXが+10%未満を〇、10〜15%未満を△、15%以上を×と判定した。
判定結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の結果から明らかなようにビーズ容量一袋あたり480〜490gのときにビーズの偏在性、折り畳み性のいずれにおいても〇の判定結果が得られた。
本発明のマットは、袱紗折りに折り曲げて物品を包んだとき、袋状に加工して物品を格納したとき、あるいは2つ折に折り曲げて物品を挟むときに生じるマットの折り曲げ、折り畳み、立ち上げなどいずれの状態においても内袋内に収納したビーズの層の厚みに大きな変動がなく、脱気後もほぼ一定の厚さに保たれて緩衝作用が確保され、物品を安定に保持させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明による梱包用マットは、小売店、量販店から買主に商品を届ける場合、物品の修理のために、物品の使用者から、修理センターに物品を配送する場合、修理を終えた製品を修理センターから依頼主に返送する場合はもとより、引越しや宅配便による商品の運送、デパート、小売店からの商品の配送、工場や事務所間の物品、書類の輸送にも広く活用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 外袋 1a,1b 外層シート2 内袋 3 緩衝体ビーズ 4 バルブ 5 接合点 6 逆止弁 7 吸気弁 8 弁箱 9 キャップ 10 マット 11 外箱 12 ポンプ 13 ハンドル 14,15 固定用テープ 16 カバーシート 17 フラップ M 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外袋と、内袋と、緩衝体ビーズからなる梱包用マットであって、
外袋は、内袋を収容する気密性を有する袋であり、バルブを有し、
バルブは、逆止弁と吸気弁との組み合わせであり、
逆止弁は、外袋内の脱気に際し、ポンプの吸引力が作用したときに開弁し、脱気後は閉弁して外袋内への外気の導入を阻止するものであり、
吸気弁は、手動操作により開弁し、脱気された外袋内へ外気を導入させるものであり、
内袋は、伸縮性を有する通気性の袋であり、袋を形成する上下のシート面には接合点を有し、
接合点は、内袋の上下のシート面の全面にわたり縦横の一定間隔ごとに微小範囲を一体に結合した部分であり、
緩衝体ビーズは、緩衝性を有する粒状体であり、内袋内に定量が充填され、前記内袋の3点以上のいくつかの接合点を結ぶ区画内に実質的に閉じ込められ、
緩衝体ビーズが充填された内袋は平坦なほぼ一定厚みの緩衝層となって外袋内に挿入されているものであることを特徴とする梱包用マット。
【請求項2】
前記各接合点は、行列方向の列ごとに縦横の位置を互いにずらせ、あるい縦横に整列させて各所に散在させたものであり、緩衝体ビーズは、互いに隣接する4つの接合点によって囲まれた区画内に実質的に閉じ込められるものであることを特徴とする請求項1に記載の梱包用マット。
【請求項3】
前記内袋のシートは、繊維糸の編み地の表編み地と裏編み地とこれらを連結する連結糸から構成された立体編み物であることを特徴とする請求項1に記載の梱包用マット
【請求項4】
前記緩衝体ビーズは、内袋の一部に設けられた開口から高圧空気で圧送して各接合点を結ぶ区画内に封入されたものであることを特徴とする請求項3に記載の梱包用マット。
【請求項5】
梱包用マットと外箱との組み合わせからなる梱包用マットを用いた梱包ユニットであって、
外箱は梱包すべき物品を包んだ梱包用マットを収容し、これを固定して施蓋する箱であり、
梱包用マットは、梱包すべき物品を包んだ状態でマットを物品の表面形状に沿って固化し、物品の表面に満密着させ、緩衝層として物品を保護するものであることを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれかに1に記載された梱包用マットを用いた梱包ユニット。
【請求項6】
梱包用マットとカバーシートとを組み合わせた梱包用マットを用いた梱包ユニットであって、カバーシートは、フラップとなる部分を一部に残してそのシート面に梱包マットを重ね、梱包マットの一面を覆って一体に接合され、マットの露出面を内側にしてカバーシートとともに2つ折りに折り曲げ、その両側縁を接合あるいは開閉可能に封止したことを特徴とする請求項1,2,3,4のいずれか1に記載された梱包用マットを用いた梱包ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−79537(P2011−79537A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231644(P2009−231644)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(507022983)ヤマト包装技術研究所株式会社 (19)
【Fターム(参考)】