説明

梱包箱、梱包方法及び開梱方法

【課題】開梱時にカッター等の工具が不要で、カートリッジに衝撃を与えることなく容易に取り出すことができる梱包箱を得る。
【解決手段】ミシン目11a,11bが梱包箱1Aの上面に互いに平行に設けられ、ミシン目11aの両端がミシン目13a,13bに連結している梱包箱。ミシン目11a,11bの中央の位置には、ミシン目11a,11bにそれぞれ接した穴18,19が設けられている。ミシン目12a,12bは梱包箱の上面に互いに平行に設けられ、ミシン目12aの両端はミシン目14a,14bに連結している。ミシン目12a,12bの中央の位置には、ミシン目12a,12bにそれぞれ接した穴20,21が設けられている。ミシン目15a,15bは、梱包箱の中央部に互いに平行に設けられている。ミシン目15a,15bの一端は穴20に連結し、他端は穴19に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は梱包箱、特に、複写機やプリンタなど電子写真法による画像形成装置に組み込まれるカートリッジ用の梱包箱、梱包方法及び開梱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、複写機やプリンタなどに組み込まれるカートリッジには、感光体、現像器、廃棄トナー回収部などの精密部品が含まれている。そして、カートリッジを開梱するときには、トナーの粉煙が発生しないように、梱包箱に衝撃を与えないことが望まれる。
【0003】
また、通常の梱包箱は、上面にフラップを有し、それを接着テープで留めるタイプのものである。そのため、開梱時にカッターなどの工具で接着テープをカットする必要があり、開梱時にカッターでカートリッジを傷つけてしまうおそれがあった。さらに、カッターの取り扱いミスによって作業者が負傷するおそれもある。
【0004】
なお、特許文献1には、側面にミシン目を設けて、開梱時にカッターなどの工具を用いることなく、破り易くして開梱を容易にした梱包箱が記載されている。
【特許文献1】特開平9−295634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、開梱時にカッターなどの工具が不要で、カートリッジに衝撃を与えることなく容易に取り出すことができる梱包箱、梱包方法及び開梱方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る梱包箱は、電子写真法による画像形成装置に組み込まれるカートリッジ用の梱包箱であって、梱包箱の上面にミシン目を設け、該ミシン目を破ることにより、カートリッジを取り出すことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る梱包箱においては、その側面に設けた開口部からカートリッジが挿入された後、開口部を密封することにより梱包される。開梱時には、カッターなどの工具が不要で、カートリッジは衝撃を与えられることなく取り出すことができる。
【0008】
また、ミシン目を破ると、梱包箱の上面が完全にオープン状態となることが好ましい。これにより、カートリッジを容易に取り出すことができる。このとき、ミシン目が形成された部分は、完全に梱包箱から分離した状態となってもよく、あるいは、梱包箱に付いた状態となってもよい。
【0009】
また、ミシン目の所定の位置に、該ミシン目に接した穴を設けることにより、ミシン目に沿った破り取りが容易になる。
【0010】
また、ミシン目の所定の位置に切れ目を設け、該切れ目が設けられた部分を押し込むことによってミシン目に接した穴が形成されるようにすれば、梱包箱の密閉性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係る梱包箱、梱包方法及び開梱方法の実施例について添付図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施例、図1〜図4参照)
図1は、複写機又はプリンタなどのカラーの画像形成装置に組み込まれるカートリッジ用の梱包箱1Aに、4個のカートリッジ(例えば、4色の作像用カートリッジ)31を梱包する方法を示す斜視図である。作像用カートリッジ31は、図示しない感光体ドラム、現像器、帯電器、トナーのクリーナなどを一体的に収容したものであり、これらの収容部品の組合せには様々な種類がある。
【0013】
梱包箱1Aは、例えば、ダブルフルート構造(波形の紙を2重にもつ構造)のように丈夫で比較的厚い段ボール紙でできている。梱包箱1Aは、上から見た形が長方形の直方体であり、その側面にはフラップ2を有する開口部1aが設けられている。そして、緩衝材41で両端部を保護されたカートリッジ31は、梱包箱1Aの側面の開口部1aから挿入される。この後、フラップ2を折り畳んでそれを接着テープ45で留めて開口部1aを密封することにより梱包される。カートリッジ31が梱包箱1Aの側面から挿入できるので梱包しやすい。
【0014】
図2に示すように、梱包箱1Aの上面にはミシン目11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14b,15a,15bと穴18,19,20,21が設けられている。
【0015】
ミシン目11a,11bは、20mm程度の距離を置いて八の字を縦列配設するように、梱包箱1Aの一方の長辺側寄りに互いに平行に設けられている。ミシン目11aの左端は、梱包箱1Aのコーナ部から略45°の傾きを有して配設されているミシン目13aに連結している。また、ミシン目11aの右端は、梱包箱1Aのコーナ部から略45°の傾きを有して配設されているミシン目13bに連結している。ミシン目11a,11bの中央の位置には、ミシン目11a,11bにそれぞれ接した穴18,19(穴の幅は40mm程度)が設けられている。穴18,19の位置において、ミシン目11a,11b間に切れ目16が設けられている。
【0016】
同様に、ミシン目12a,12bは、20mm程度の距離を置いて八の字を縦列配設するように、梱包箱1Aの他方の長辺側寄りに互いに平行に設けられている。ミシン目12aの左端は、梱包箱1Aのコーナ部から略45°の傾きを有して配設されているミシン目14aに連結している。また、ミシン目12aの右端は、梱包箱1Aのコーナ部から略45°の傾きを有して配設されているミシン目14bに連結している。ミシン目12a,12bの中央の位置には、ミシン目12a,12bにそれぞれ接した穴20,21(穴の幅は40mm程度)が設けられている。穴20,21の位置において、ミシン目12a,12b間に切れ目16が設けられている。
【0017】
さらに、ミシン目15a,15bは、20mm程度の距離を置いて八の字を縦列配設するように、梱包箱1Aの中央部に互いに平行に設けられている。ミシン目15a,15bの一端は穴20に連結し、他端は穴19に連結している。
【0018】
以上の構成からなる梱包箱1Aを開梱するときには、ミシン目11a〜15bを手で破ることにより、カートリッジ31を取り出すことができる。即ち、ミシン目15a,15bの間の破り取り部分9の一端部p1を持ち上げて矢印方向に引っ張り、破り取り部分9を破り取る。
【0019】
次に、ミシン目11a,11bの間の切れ目16部分を押し込んで、切れ目16を完全に切断した後、破り取り部分7a,7bのそれぞれの一端部p2を持ち上げて矢印方向に引っ張り、破り取り部分7a,7bを破り取る。このときの押し込み量は小さく、カートリッジ31への衝撃はほとんどない。
【0020】
次に、破り取り部分7a,7bを除去した跡の隙間に指を入れ、フラップ部3を引っ張り上げることにより、ミシン目13a,13bを容易に破ることができる。同様に、一端部p3を持ち上げて破り取り部分8a,8bを除去した跡の隙間に指を入れ、フラップ部4を引っ張り上げることにより、ミシン目14a,14bを容易に破ることができる。
【0021】
こうして、図3及び図4に示すように、フラップ部3,4,5,6を外方向に折り曲げることができるようになり、梱包箱1Aの上面が完全にオープン状態となる。これにより、4個のカートリッジ31を容易に取り出すことができる。しかも、開梱時には、カッターなどの工具が不要で、カートリッジ31に衝撃を与えることはほとんどない。
【0022】
さらに、ミシン目11a,11b,12a,12b,15a,15bの所定の位置に、ミシン目に接した穴18〜21が設けられているので、ミシン目11a,11b,12a,12b,15a,15bに沿った破り取りが容易である。また、破り取り開始位置を把握し易く、開梱作業が容易になる。この場合、破り取り部分7a,7b,8a,8b,9は、完全に梱包箱1Aから分離した状態となる。
【0023】
(第2実施例、図5及び図6参照)
図5及び図6に第2実施例である梱包箱1Bを示す。この梱包箱1Bは、前記穴18,19,20,21を設ける代わりに、破線状の切れ目61,62,63,64を設けたものである。切れ目61,62の位置において、ミシン目11a,11bの間の破り取り部分7a,7bの境界部には、完全に切断されているエ字形状の切断部51が形成されている。同様に、切れ目63,64の位置において、ミシン目12a,12bの間の破り取り部分8a,8bの境界部には、完全に切断されているエ字形状の切断部51が形成されている。さらに、ミシン目15a,15bの間の破り取り部分9の一端部は、完全に切断されているコ字形状の切断部52が形成されている。
【0024】
以上の構成からなる梱包箱1Bは、開梱時に、切れ目61,62,63,64の部分を押し込むことによって、ミシン目11a,11b,12a,12b,15a,15bに接した穴を形成する。このときの押し込み量は小さく、カートリッジ31への衝撃はほとんどない。穴形成後は、前記開梱作業と同様にして開梱することができる。この梱包箱1Bは、開梱時までは表面に穴が形成されていないので、密閉性に優れ、環境の変化に対してカートリッジ31への影響を少なくできる。
【0025】
(第3実施例、図7及び図8参照)
図7及び図8に第3実施例である梱包箱1Cを示す。この梱包箱1Cは、前記梱包箱1Aにおいて、穴19の代わりに破線状の切れ目62を設けるとともに、切れ目62の右縁側の方が左縁側より破り取り易いように切れ目を大きくしたものである。さらに、ミシン目11b,12bの両端に直角な切れ目71を形成し、破り取り部分7a〜8bの端部がフラップ部5,6から千切れにくい構造にしたものである。以上の構成からなる梱包箱1Cは、開梱時に、破り取り部分7a〜9がフラップ部5,6に付いた状態となり、空の梱包箱1Cの廃棄が容易となる。
【0026】
(第4実施例、図9及び図10参照)
図9及び図10に第4実施例である梱包箱1Dを示す。この梱包箱1Dは、前記梱包箱1Bにおいて、切れ目62,63のそれぞれの右縁側の方が左縁側より破り取り易いように切れ目を大きくし、さらに、ミシン目11b,12bの両端に直角な切れ目71を形成し、破り取り部分7a〜8bの端部がフラップ部5,6から千切れにくい構造にしたものである。以上の構成からなる梱包箱1Dは、開梱時に、破り取り部分7a〜9がフラップ部5,6に付いた状態となり、空の梱包箱1Dの廃棄が容易となる。
【0027】
なお、本発明に係る梱包箱、梱包方法及び開梱方法は、前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0028】
特に、梱包箱の大きさや基本的な形状は任意である。また、前記実施例で示した数値はあくまで一例にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る梱包箱の第1実施例における梱包方法を示す斜視図。
【図2】第1実施例である梱包箱の平面図。
【図3】第1実施例における開梱方法を示す斜視図。
【図4】第1実施例である梱包箱の開梱後の平面図。
【図5】本発明に係る梱包箱の第2実施例を示す平面図。
【図6】第2実施例である梱包箱の開梱後の平面図。
【図7】本発明に係る梱包箱の第3実施例を示す平面図。
【図8】第3実施例である梱包箱の開梱後の平面図。
【図9】本発明に係る梱包箱の第4実施例を示す平面図。
【図10】第4実施例である梱包箱の開梱後の平面図。
【符号の説明】
【0030】
1A〜1D…梱包箱
1a…開口部
3,4,5,6…フラップ部
7a,7b,8a,8b,9…破り取り部分
11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14b,15a、15b…ミシン目
18,19,20,21…穴
31…カートリッジ
61,62,63,64…切れ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真法による画像形成装置に組み込まれるカートリッジ用の梱包箱において、
梱包箱の上面にミシン目を設け、該ミシン目を破ることにより、カートリッジを取り出すことを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
前記ミシン目を破ると、梱包箱の上面が完全にオープン状態となることを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
【請求項3】
前記ミシン目を破ると、前記ミシン目が形成された部分が完全に梱包箱から分離した状態となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梱包箱。
【請求項4】
前記ミシン目を破っても、前記ミシン目が形成された部分は梱包箱に付いた状態となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梱包箱。
【請求項5】
前記ミシン目の所定の位置に、該ミシン目に接した穴が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項6】
前記ミシン目の所定の位置に切れ目が設けられており、該切れ目が設けられた部分を押し込むことによってミシン目に接した穴が形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の梱包箱。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の梱包箱の側面に設けた開口部から、前記カートリッジを挿入した後、前記開口部を密封することを特徴とする梱包方法。
【請求項8】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の梱包箱の上面に設けたミシン目を手で切ることにより、前記カートリッジを取り出すことを特徴とする開梱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−284082(P2007−284082A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−111403(P2006−111403)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】