梱包箱
【課題】緩衝材の取り付け作業が容易である梱包箱を提供すること。
【解決手段】予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体1と、前記箱本体1中に収容された緩衝材51と、を備える梱包箱であって、前記箱本体1は、その底面11、13の一部を切り起こして成る凸部23を備え、前記緩衝材51は、前記凸部23を差込み可能な凹部53を備えることを特徴とする梱包箱。
【解決手段】予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体1と、前記箱本体1中に収容された緩衝材51と、を備える梱包箱であって、前記箱本体1は、その底面11、13の一部を切り起こして成る凸部23を備え、前記緩衝材51は、前記凸部23を差込み可能な凹部53を備えることを特徴とする梱包箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製品を梱包するために用いられる梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電化製品等の各種製品を梱包するために、段ボール等から成る箱本体と、その箱本体の内部に固定された発泡合成樹脂等の緩衝材とから成る梱包箱が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−348082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、梱包箱に梱包する製品として、大型の薄型テレビが挙げられる。この大型の薄型テレビを梱包する梱包箱では、底面上に緩衝材を取り付ける必要があるが、大型の薄型テレビ用の箱本体は、奥行き方向の幅が小さく、しかも、縦に長いため、箱本体の上側の開口部から緩衝材を箱本体の中に入れ、底面上に取り付ける作業が非常に困難であった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、緩衝材の取り付け作業が容易であり、緩衝材を指定の位置で固定でき、ひっくり返しても緩衝材が落下しない梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の梱包箱は、予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、前記箱本体中に収容された緩衝材と、を備える梱包箱であって、前記箱本体は、そのいずれかの面の一部を切り起こして成る凸部を備え、前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の梱包箱では、例えば、箱本体の一部を開放した状態で、箱本体のいずれかの面(例えば、天面、側面、前後面、底面)に設けられた凸部を緩衝材の凹部に差込むことで、箱本体に緩衝材を取り付け、その後、箱本体を完成することができる。そのため、箱本体に緩衝材を取り付ける作業が非常に容易である。
【0008】
本発明の第2の梱包箱は、予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、前記箱本体のいずれかの面(例えば、天面、側面、前後面、底面)に敷かれるシート部材と、前記箱本体中に収容される緩衝材と、を備える梱包箱であって、前記シート部材は、その一部を切り起こして成る凸部を備え、前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の梱包箱では、例えば、シート部材が箱本体とは別体の(中に入っていない)状態で、シート部材に設けられた凸部を緩衝材の凹部に差込むことで、シート部材に緩衝材を取り付け、その後、シート部材を箱本体に収納して梱包箱を完成することができる。そのため、緩衝材を取り付ける作業が非常に容易である。
【0010】
前記緩衝材の材質は特に限定されないが、例えば、発泡合成樹脂、パルプモールド、段ボール緩衝等が挙げられる。
前記シート部材、シート部材の材質は特に限定されないが、例えば、段ボール、プラスチック等の樹脂材料、厚紙等の紙材料が挙げられる。
【0011】
前記シート材には、箱本体を組み立てる際に折り曲げる部分に、予め折線を設けておくことができる。こうすることにより、箱本体の正確な組み立てが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】箱本体1を構成する段ボールの展開図である。
【図2】凸部23の付近を表す写真である。
【図3】緩衝材51を斜め上方向から見た斜視図である。
【図4】緩衝材51を斜め下方向から見た斜視図である。
【図5】緩衝材51の側断面図である。
【図6】緩衝材51の側断面図である。
【図7】凹部53付近を表す写真である。
【図8】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図9】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図10】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図11】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図12】シート部材101の構成を表す平面図である。
【図13】別形態の緩衝材51の構成を表す説明図である。
【図14】別形態の緩衝材51の構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
1.箱本体1の構成
箱本体1の構成を図1、図2に基づいて説明する。図1は、箱本体1を構成する段ボールの展開図である。図2は、後述する凸部23の付近を表す写真である。
【0014】
箱本体1は、図1に示す、予め定められた形状に切断された段ボール(シート材)を折り曲げることにより組立てられる。箱本体1は、略直方体の形状を有する。図1に示す段ボールにおいて、左側面3、前面5、右側面7、後面9が、箱本体1の側面を構成する。また、底フラップ11、13が、箱本体1の底面を構成する。すなわち、箱本体1の底面は、底フラップ11、13に2分割されている。また、天板フラップ15、17が箱本体1の天板を構成する。
【0015】
底フラップ13には、一対の切り込み19、21が設けられており、それらの一端は底フラップ13の端に達している。底フラップ13のうち、一対の切り込み19、21で挟まれた部分である凸部23は、図2に示すように、折り目25において折り曲げられ、底フラップ13における他の部分に対し、引き起こされる。引き起こされる方向は、箱本体1が完成したとき、凸部23が上方向に突出するようになる方向である。凸部23は、折り目25に近い側の部分(以下、根元部23aとする)では、幅が狭く、折り目25に遠い側の部分(以下、先端部23bとする)では、幅が広くなっている。また、図1に示すように、先端部23bの両端には、先端に近づくほど幅が若干狭くなるように、テーパーが付けられている。
【0016】
2.緩衝材51の構成
緩衝材51は、後述するように、箱本体1内に収容され、固定される。この緩衝材51の構成を、図3〜図7に基づいて説明する。図3は緩衝材51を斜め上方向から見た斜視図である。図4は緩衝材51を斜め下方向から見た斜視図である。図5、図6は緩衝材51の側断面図である。図7は後述する凹部53付近を表す写真である。
【0017】
緩衝材51は、発泡合成樹脂から成る略箱状の部材である。緩衝材51の上面には、図3に示すように、箱本体1内に収容する製品(例えば薄型テレビ等)の形状に応じた凹凸等も形成されている。また、図4に示すように、緩衝材51の底面52には、凸部23を挿入可能な凹部53が形成されている。
【0018】
凹部53の底面52における位置は、底面52の長手方向における一方の端面54近くである。凹部53の内壁のうち、端面54とは反対側の面には、底面52に直交する直交面55がある。一方、凹部53の内壁のうち、端面54に近い側には、奥にゆくほど直交面55に近づく傾斜面57が形成されている。また、直交面55のうち、凹部53の入口に近い部分の両サイドには、凹部53の入口を狭めるように張り出した一対の張り出し部59、59が形成されている。なお、張り出し部59、59よりも奥では、凹部53の幅は再び広がっている。
【0019】
3.箱本体1への緩衝材51の取り付け
箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を図8〜図11に基づいて説明する。箱本体1に緩衝材51を取り付けたものが、本発明に係る梱包箱である。
まず、箱本体1を、基本的には組み立てられた状態であるが、底フラップ11、13は開放された状態とする。次に、図8に示すように、箱本体1の凸部23を緩衝材51の凹部53に挿入する。このとき、箱本体1と緩衝材51との位置関係は、緩衝材51の端面54が凸部23に接近し、凸部23の幅方向が端面54と平行となるものである。
【0020】
箱本体1の凸部23を緩衝材51の凹部53に挿入するとき、図8に示すように、凸部23の一方の面が凹部53の傾斜面57に沿うようにすると、凸部23をスムーズに挿入できる。また、上述したように、凸部23の先端にテーパーが付けられているので、凸部23の挿入がスムーズに行える。このときの凸部23と凹部53との位置関係は図5に示すものとなる。
【0021】
凸部23の根元部23aまで凹部53に挿入させると、凸部23に対して緩衝材51を回転し、図9に示す状態とする。このときの凸部23と凹部53との位置関係は図6に示すものとなり、凸部23は、直交面55に沿った状態となる。このとき、凸部23における先端部23bは、張り出し部59、59よりも奥側に位置し、根元部23aは張り出し部59、59の間に位置する。先端部23bの幅は、一対の張り出し部59、59間の間隔より大きいので、図6に示す状態から、凸部23を凹部53から真っ直ぐに引き出そうとしても、先端部23bが張り出し部59、59に当り、凸部23を引き出すことができない。すなわち、緩衝材51は底フラップ13から容易に外れてしまうことがない。
【0022】
次に、図10に示すように、底フラップ13を倒し、箱本体1の底面とする。このとき、緩衝材51は、箱本体1における反対側の側面(前面5)に当接する。さらに、底フラップ11を閉じ、箱本体1を完全に組み立てられた状態とする。このとき、緩衝材51は、箱本体1の内部に収容され、その底面上に配置されている。さらに、箱本体1側の凸部23が緩衝材51の凹部53に挿入され、逆戻りしないようになっていることにより、緩衝材51の位置が固定されている。
【0023】
なお、緩衝材51では、図11に示すように、凹部53の一部が上面まで連通しており、そこから凸部23を視認することができる。
4.梱包箱が奏する効果
本発明の梱包箱によれば、箱本体1の底フラップ13を開いた状態で、底フラップ13に緩衝材51を取り付け、その後、底フラップ13を閉じれば、箱本体1の内部にしっかりと緩衝材51を固定することができる。よって、緩衝材51の取り付けが容易である。
【0024】
また、底フラップ11、13を開放すれば、緩衝材51を箱本体1から容易に取り外すことができる。そのため、再利用が容易であり、また、環境にやさしい。
(第2の実施形態)
本実施形態の梱包箱は前記第1の実施形態と基本的には同様であるが、一部において相違する。以下ではその相違点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略乃至簡略化する。
【0025】
本実施形態では、箱本体1の底面には、凸部23は形成されていない。本実施形態では、箱本体1の組立て後、その内部に、図12に示すシート部材101を取り付ける。シート部材101は、段ボールから成る1枚のシートであり、箱本体1の底面のサイズ(内寸)に合わせて形成されており、箱本体1の底面の上に敷かれる。シート部材101には、前記第1の実施形態における凸部23と同様の凸部103が形成されている。
【0026】
箱本体1に緩衝材51を取り付けるときは、まず、シート部材101が箱本体1とは別体の(中に入っていない)状態で、シート部材101の凸部103に緩衝材51を取り付ける。シート部材101に緩衝材51を取り付ける方法は、前記第1の実施形態において底フラップ13に緩衝材51を取り付けた方法と同様である。次に、シート部材101を箱本体1内部の所定の位置に取り付ける。本実施形態でも、緩衝材51の取り付けが容易である。
【0027】
また、緩衝材をシート部材101から容易に取り外すことができる。そのため、再利用が容易であり、また、環境にやさしい。
(緩衝材51の別形態)
前記第1、第2の実施形態における緩衝材51は、図13、図14に示すものであってもよい。
【0028】
尚、本考案は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本考案を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1・・・箱本体、3・・・左側面、5・・・前面、7・・・右側面、9・・・後面、
11、13・・・底フラップ、15、17・・・天板フラップ、
19、21・・・切り込み、23・・・凸部、23a・・・根元部、
23b・・・先端部、25・・・折り目、51・・・緩衝材、52・・・底面、
53・・・凹部、54・・・端面、55・・・直交面、57・・・傾斜面、
59・・・張り出し部、101・・・シート部材、103・・・凸部
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種製品を梱包するために用いられる梱包箱に関する。
【背景技術】
【0002】
電化製品等の各種製品を梱包するために、段ボール等から成る箱本体と、その箱本体の内部に固定された発泡合成樹脂等の緩衝材とから成る梱包箱が用いられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−348082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、梱包箱に梱包する製品として、大型の薄型テレビが挙げられる。この大型の薄型テレビを梱包する梱包箱では、底面上に緩衝材を取り付ける必要があるが、大型の薄型テレビ用の箱本体は、奥行き方向の幅が小さく、しかも、縦に長いため、箱本体の上側の開口部から緩衝材を箱本体の中に入れ、底面上に取り付ける作業が非常に困難であった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、緩衝材の取り付け作業が容易であり、緩衝材を指定の位置で固定でき、ひっくり返しても緩衝材が落下しない梱包箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の梱包箱は、予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、前記箱本体中に収容された緩衝材と、を備える梱包箱であって、前記箱本体は、そのいずれかの面の一部を切り起こして成る凸部を備え、前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の梱包箱では、例えば、箱本体の一部を開放した状態で、箱本体のいずれかの面(例えば、天面、側面、前後面、底面)に設けられた凸部を緩衝材の凹部に差込むことで、箱本体に緩衝材を取り付け、その後、箱本体を完成することができる。そのため、箱本体に緩衝材を取り付ける作業が非常に容易である。
【0008】
本発明の第2の梱包箱は、予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、前記箱本体のいずれかの面(例えば、天面、側面、前後面、底面)に敷かれるシート部材と、前記箱本体中に収容される緩衝材と、を備える梱包箱であって、前記シート部材は、その一部を切り起こして成る凸部を備え、前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の梱包箱では、例えば、シート部材が箱本体とは別体の(中に入っていない)状態で、シート部材に設けられた凸部を緩衝材の凹部に差込むことで、シート部材に緩衝材を取り付け、その後、シート部材を箱本体に収納して梱包箱を完成することができる。そのため、緩衝材を取り付ける作業が非常に容易である。
【0010】
前記緩衝材の材質は特に限定されないが、例えば、発泡合成樹脂、パルプモールド、段ボール緩衝等が挙げられる。
前記シート部材、シート部材の材質は特に限定されないが、例えば、段ボール、プラスチック等の樹脂材料、厚紙等の紙材料が挙げられる。
【0011】
前記シート材には、箱本体を組み立てる際に折り曲げる部分に、予め折線を設けておくことができる。こうすることにより、箱本体の正確な組み立てが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】箱本体1を構成する段ボールの展開図である。
【図2】凸部23の付近を表す写真である。
【図3】緩衝材51を斜め上方向から見た斜視図である。
【図4】緩衝材51を斜め下方向から見た斜視図である。
【図5】緩衝材51の側断面図である。
【図6】緩衝材51の側断面図である。
【図7】凹部53付近を表す写真である。
【図8】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図9】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図10】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図11】箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を表す写真である。
【図12】シート部材101の構成を表す平面図である。
【図13】別形態の緩衝材51の構成を表す説明図である。
【図14】別形態の緩衝材51の構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
1.箱本体1の構成
箱本体1の構成を図1、図2に基づいて説明する。図1は、箱本体1を構成する段ボールの展開図である。図2は、後述する凸部23の付近を表す写真である。
【0014】
箱本体1は、図1に示す、予め定められた形状に切断された段ボール(シート材)を折り曲げることにより組立てられる。箱本体1は、略直方体の形状を有する。図1に示す段ボールにおいて、左側面3、前面5、右側面7、後面9が、箱本体1の側面を構成する。また、底フラップ11、13が、箱本体1の底面を構成する。すなわち、箱本体1の底面は、底フラップ11、13に2分割されている。また、天板フラップ15、17が箱本体1の天板を構成する。
【0015】
底フラップ13には、一対の切り込み19、21が設けられており、それらの一端は底フラップ13の端に達している。底フラップ13のうち、一対の切り込み19、21で挟まれた部分である凸部23は、図2に示すように、折り目25において折り曲げられ、底フラップ13における他の部分に対し、引き起こされる。引き起こされる方向は、箱本体1が完成したとき、凸部23が上方向に突出するようになる方向である。凸部23は、折り目25に近い側の部分(以下、根元部23aとする)では、幅が狭く、折り目25に遠い側の部分(以下、先端部23bとする)では、幅が広くなっている。また、図1に示すように、先端部23bの両端には、先端に近づくほど幅が若干狭くなるように、テーパーが付けられている。
【0016】
2.緩衝材51の構成
緩衝材51は、後述するように、箱本体1内に収容され、固定される。この緩衝材51の構成を、図3〜図7に基づいて説明する。図3は緩衝材51を斜め上方向から見た斜視図である。図4は緩衝材51を斜め下方向から見た斜視図である。図5、図6は緩衝材51の側断面図である。図7は後述する凹部53付近を表す写真である。
【0017】
緩衝材51は、発泡合成樹脂から成る略箱状の部材である。緩衝材51の上面には、図3に示すように、箱本体1内に収容する製品(例えば薄型テレビ等)の形状に応じた凹凸等も形成されている。また、図4に示すように、緩衝材51の底面52には、凸部23を挿入可能な凹部53が形成されている。
【0018】
凹部53の底面52における位置は、底面52の長手方向における一方の端面54近くである。凹部53の内壁のうち、端面54とは反対側の面には、底面52に直交する直交面55がある。一方、凹部53の内壁のうち、端面54に近い側には、奥にゆくほど直交面55に近づく傾斜面57が形成されている。また、直交面55のうち、凹部53の入口に近い部分の両サイドには、凹部53の入口を狭めるように張り出した一対の張り出し部59、59が形成されている。なお、張り出し部59、59よりも奥では、凹部53の幅は再び広がっている。
【0019】
3.箱本体1への緩衝材51の取り付け
箱本体1に緩衝材51を取り付ける方法を図8〜図11に基づいて説明する。箱本体1に緩衝材51を取り付けたものが、本発明に係る梱包箱である。
まず、箱本体1を、基本的には組み立てられた状態であるが、底フラップ11、13は開放された状態とする。次に、図8に示すように、箱本体1の凸部23を緩衝材51の凹部53に挿入する。このとき、箱本体1と緩衝材51との位置関係は、緩衝材51の端面54が凸部23に接近し、凸部23の幅方向が端面54と平行となるものである。
【0020】
箱本体1の凸部23を緩衝材51の凹部53に挿入するとき、図8に示すように、凸部23の一方の面が凹部53の傾斜面57に沿うようにすると、凸部23をスムーズに挿入できる。また、上述したように、凸部23の先端にテーパーが付けられているので、凸部23の挿入がスムーズに行える。このときの凸部23と凹部53との位置関係は図5に示すものとなる。
【0021】
凸部23の根元部23aまで凹部53に挿入させると、凸部23に対して緩衝材51を回転し、図9に示す状態とする。このときの凸部23と凹部53との位置関係は図6に示すものとなり、凸部23は、直交面55に沿った状態となる。このとき、凸部23における先端部23bは、張り出し部59、59よりも奥側に位置し、根元部23aは張り出し部59、59の間に位置する。先端部23bの幅は、一対の張り出し部59、59間の間隔より大きいので、図6に示す状態から、凸部23を凹部53から真っ直ぐに引き出そうとしても、先端部23bが張り出し部59、59に当り、凸部23を引き出すことができない。すなわち、緩衝材51は底フラップ13から容易に外れてしまうことがない。
【0022】
次に、図10に示すように、底フラップ13を倒し、箱本体1の底面とする。このとき、緩衝材51は、箱本体1における反対側の側面(前面5)に当接する。さらに、底フラップ11を閉じ、箱本体1を完全に組み立てられた状態とする。このとき、緩衝材51は、箱本体1の内部に収容され、その底面上に配置されている。さらに、箱本体1側の凸部23が緩衝材51の凹部53に挿入され、逆戻りしないようになっていることにより、緩衝材51の位置が固定されている。
【0023】
なお、緩衝材51では、図11に示すように、凹部53の一部が上面まで連通しており、そこから凸部23を視認することができる。
4.梱包箱が奏する効果
本発明の梱包箱によれば、箱本体1の底フラップ13を開いた状態で、底フラップ13に緩衝材51を取り付け、その後、底フラップ13を閉じれば、箱本体1の内部にしっかりと緩衝材51を固定することができる。よって、緩衝材51の取り付けが容易である。
【0024】
また、底フラップ11、13を開放すれば、緩衝材51を箱本体1から容易に取り外すことができる。そのため、再利用が容易であり、また、環境にやさしい。
(第2の実施形態)
本実施形態の梱包箱は前記第1の実施形態と基本的には同様であるが、一部において相違する。以下ではその相違点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略乃至簡略化する。
【0025】
本実施形態では、箱本体1の底面には、凸部23は形成されていない。本実施形態では、箱本体1の組立て後、その内部に、図12に示すシート部材101を取り付ける。シート部材101は、段ボールから成る1枚のシートであり、箱本体1の底面のサイズ(内寸)に合わせて形成されており、箱本体1の底面の上に敷かれる。シート部材101には、前記第1の実施形態における凸部23と同様の凸部103が形成されている。
【0026】
箱本体1に緩衝材51を取り付けるときは、まず、シート部材101が箱本体1とは別体の(中に入っていない)状態で、シート部材101の凸部103に緩衝材51を取り付ける。シート部材101に緩衝材51を取り付ける方法は、前記第1の実施形態において底フラップ13に緩衝材51を取り付けた方法と同様である。次に、シート部材101を箱本体1内部の所定の位置に取り付ける。本実施形態でも、緩衝材51の取り付けが容易である。
【0027】
また、緩衝材をシート部材101から容易に取り外すことができる。そのため、再利用が容易であり、また、環境にやさしい。
(緩衝材51の別形態)
前記第1、第2の実施形態における緩衝材51は、図13、図14に示すものであってもよい。
【0028】
尚、本考案は前記実施の形態になんら限定されるものではなく、本考案を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1・・・箱本体、3・・・左側面、5・・・前面、7・・・右側面、9・・・後面、
11、13・・・底フラップ、15、17・・・天板フラップ、
19、21・・・切り込み、23・・・凸部、23a・・・根元部、
23b・・・先端部、25・・・折り目、51・・・緩衝材、52・・・底面、
53・・・凹部、54・・・端面、55・・・直交面、57・・・傾斜面、
59・・・張り出し部、101・・・シート部材、103・・・凸部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、
前記箱本体中に収容された緩衝材と、
を備える梱包箱であって、
前記箱本体は、そのいずれかの面の一部を切り起こして成る凸部を備え、
前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、
前記箱本体の何れかの面に敷かれるシート部材と、
前記箱本体中に収容される緩衝材と、
を備える梱包箱であって、
前記シート部材は、その一部を切り起こして成る凸部を備え、
前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする梱包箱。
【請求項1】
予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、
前記箱本体中に収容された緩衝材と、
を備える梱包箱であって、
前記箱本体は、そのいずれかの面の一部を切り起こして成る凸部を備え、
前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする梱包箱。
【請求項2】
予め定められた形状に切断されたシート材を折り曲げることにより組立てられる箱本体と、
前記箱本体の何れかの面に敷かれるシート部材と、
前記箱本体中に収容される緩衝材と、
を備える梱包箱であって、
前記シート部材は、その一部を切り起こして成る凸部を備え、
前記緩衝材は、前記凸部の差込み及び取り外しが可能な凹部を備えることを特徴とする梱包箱。
【図1】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−96836(P2012−96836A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246671(P2010−246671)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(305006624)ダイナパック株式会社 (8)
【出願人】(508264564)株式会社エイテクノデザイン (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(305006624)ダイナパック株式会社 (8)
【出願人】(508264564)株式会社エイテクノデザイン (4)
【Fターム(参考)】
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