説明

棒状油性固形化粧品

【課題】 使用感に優れ、十分な温度安定性を有する棒状油性固形化粧料を備えるとともに外観の見栄えがよい棒状油性固形化粧品を提供すること。
【解決手段】 課題を解決する棒状油性固形化粧品20は、両端が開口された筒状の透明又は半透明である充填部材21が装着された繰り出し容器22と、油性固形化粧料組成物を充填部材に充填し固化させてなる棒状油性固形化粧料23と、を備え、上記油性固形化粧料組成物が、(a)セレシン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンのうちから選択される1種又は2種以上の固形油分3〜10質量%と、(b)ワセリンと、(c)水添ポリイソブテン及び/又はポリブテンと、を含むとともに、固形油分を除く油分を合計で55〜97質量%含有し、(b)成分及び(c)成分を合計で、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%含有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状油性固形化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、口紅、リップグロス、リップクリーム、アイシャドウ、チーク等の棒状化粧料は、繰り出し機構を備える容器に収容され、使用時に化粧料を繰り出して塗布される。従来、このような棒状化粧料としては、組み立てが完了した繰り出し容器に、予め製造した棒状化粧料を装填した製品が提供されていたが、近年、繰り出し容器に装着された筒状の充填部材内に溶融状態の化粧料組成物を注入し冷却固化させた新しい化粧料が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このようなタイプの製品は、棒状化粧料を細く成形できること、棒状化粧料の損傷を防止できること、製造コストの低減を図れることなどの点で優れている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−087033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近では、化粧品の意匠性に対する要求水準も益々高くなっている。そこで、本発明者らは、上記の繰り出し容器において化粧料が充填される充填部材を透明又は半透明にすることで、化粧料の色を容易に認識可能とし、意匠的のみならず機能的にも価値の高い化粧品を提供することを検討した。
【0005】
しかし、本発明者らの検討によると、上記の化粧品には以下に示される課題が存在することが判明した。すなわち、充填する化粧料組成物の組成によっては、固化した化粧料と充填部材の内壁との間に空間(例えば、図2に示される29)が生じること(以下、このような現象を「離型」という場合もある。)が本発明者らの検討により判明した。そして、このような離型が発生すると、充填部材が透明又は半透明であるが故に気泡のような不具合として目立つようになり、かえって外観の見栄えが損なわれるという結果になってしまう。
【0006】
更に、最近の消費者の傾向から、口紅などの油性固形化粧料は、軟らかく、艶があり、かつのびの良い使用感に優れたものが望まれている。しかし、このような特性を満足させようとすると化粧料の温度安定性を十分確保することが困難となる傾向にある。そのため、従来よりも価値の高い棒状油性固形化粧品を提供するうえで、上述の離型の発生を十分防止しつつ、使用感及び温度安定性に優れた油性固形化粧料を充填部材内に形成することが必要であることが本発明者らの検討により明らかとなった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用感に優れ、十分な温度安定性を有する棒状油性固形化粧料を備えるとともに外観の見栄えがよい棒状油性固形化粧品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の棒状油性固形化粧品は、両端が開口された筒状の透明又は半透明である充填部材が装着された繰り出し容器と、油性固形化粧料組成物を充填部材に充填し固化させてなる棒状油性固形化粧料と、を備え、上記油性固形化粧料組成物が、(a)セレシン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンのうちから選択される1種又は2種以上の固形油分3〜10質量%と、(b)ワセリンと、(c)水添ポリイソブテン及び/又はポリブテンと、を含むとともに、固形油分を除く油分を合計で55〜97質量%含有し、(b)成分及び(c)成分を合計で、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%含有するものであることを特徴とする。
【0009】
本明細書において「固形油分」とは、常温(25℃)において固体の油分を指し、「半固形油分」とは、常温(25℃)において半固体の油分を指し、「液状油分」とは、常温(25℃)において液体の油分を指す。
【0010】
本発明の棒状油性固形化粧品は、透明又は半透明である充填部材に上記構成を有する油性固形化粧料組成物が充填されることにより、離型の発生が十分少なく外観の見栄えがよく、且つ、優れた使用感及び十分な温度安定性を有する棒状油性固形化粧料を備えることができる。
【0011】
本発明の棒状油性固形化粧品においては、上記棒状油性固形化粧料組成物が、粉体を1質量%以上40質量%以下更に含有するものであってもよい。
【0012】
この場合、油性固形化粧料組成物の充填性を十分確保しつつ粉体が有する機能を棒状油性固形化粧品に付与することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用感に優れ、十分な温度安定性を有する棒状油性固形化粧料を備えるとともに外観の見栄えがよい棒状油性固形化粧品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の棒状油性固形化粧品について詳細に説明する。
【0015】
先ず、本発明に係る棒状油性固形化粧料を形成するための油性固形化粧料組成物について詳述する。
【0016】
(油性固形化粧料組成物)
本発明に係る油性固形化粧料組成物は、(a)セレシン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンのうちから選択される1種又は2種以上の固形油分3〜10質量%と、(b)ワセリンと、(c)水添ポリイソブテン及び/又はポリブテンとを含むとともに、固形油分を除く油分を合計で55〜97質量%含有し、(b)成分及び(c)成分を合計で、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%含有するものである。
【0017】
(a)成分であるセレシン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンは、固形であること以外は特に制限されず、市販品を用いてもよい。セレシンの市販品の例としては、「セレシンSP−1020P」(STRAL&PITSCH Inc.社製、商品名)、「セレシン#810」(日興リカ社製、商品名)などが挙げられる。ポリエチレンの市販品の例としては、「PERFORMALENE500」、「PERFORMALENE655」(以上、東洋ペトライト社製、商品名)、「サンワックス131P」、「サンワックス171P」(以上、三洋化成工業社製、商品名)などが挙げられる。マイクロクリスタリンワックスの市販品の例としては、「マルチワックスW−445」(WITCO CORPORATION社製、商品名)、「アヤコールCO−327Y」(成和化成社製、商品名)などが挙げられる。パラフィンの市販品の例としては、「パラフィンワックス135」(日本精蝋社製、商品名)、「アヤコールBC−120」(成和化成社製、商品名)などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
油性固形化粧料組成物における(a)成分の含有量は、3〜10質量%であることが必要である。(a)成分の含有量が、3質量%未満であると、形成される棒状油性固形化粧料の温度安定性及び使用感が不十分となり、10質量%を超えると、透明又は半透明である充填部材内で形成された棒状油性固形化粧料が充填部材の内面から離型するようになり、製品外観が損なわれてしまう。また、形成される棒状油性固形化粧料の温度安定性を確保しつつ離型の発生をより確実に防止する観点から、油性固形化粧料組成物における(a)成分の含有量は、3〜10質量%であることが好ましく、4〜9質量%であることがより好ましい。
【0019】
(b)成分であるワセリンは、半固形であること以外は特に制限されず、市販品を用いてもよい。ワセリンの市販品の例としては、「サンホワイトP−150」(日興リカ社製、商品名)、「ノムコートW」(日清オイリオグループ社製、商品名)などが挙げられる。
【0020】
(c)成分である水添ポリイソブテン及びポリブテンは、液状であること以外は特に制限されず、市販品を用いてもよい。水添ポリイソブテンの市販品の例としては、「パールリーム18」、「パールリーム46」(以上、日本油脂社製、商品名)などが挙げられる。ポリブテンの市販品の例としては、「ポリブテンHV−300F」、「ポリブテンHV−1900F」(以上、新日本石油化学社製、商品名)などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
油性固形化粧料組成物における(b)成分の含有量と(c)成分の含有量との比は、質量比で10:1〜1:10であることが好ましい。(b)成分の含有量が(c)成分の含有量に対して10倍を超えると塗布時のつやが低下する傾向にあり、(c)成分の含有量が(b)成分の含有量に対して10倍を超えると、塗布時にべたつきが発生しやすくなる傾向にある。
【0022】
本発明に係る油性固形化粧料組成物においては、(b)成分及び(c)成分の合計含有量が、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%であることが必要である。(b)成分及び(c)成分の合計含有量が、30質量%未満であると、製品の外観、形成される棒状油性固形化粧料の温度安定性及び使用感のすべてを高水準で満足させることができなくなり、99質量%を超えると、固形になりにくく、棒状油性固形化粧料としての形状を保つことができなくなる。
【0023】
本発明に係る油性固形化粧料組成物は、上記(a)成分以外の固形油分を含有することができる。このような固形油分としては、例えば、硬化油、モクロウ、カカオ脂、硬化ヒマシ油等の油脂、固形パラフィン、ミツロウ、ラノリン、ゲイロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ等のロウ、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベへン酸等の高級脂肪酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール、パルミチン酸セチル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル等の固体エステル等が挙げられる。
【0024】
また、本発明に係る油性固形化粧料組成物は、上記(b)成分以外の半固形油分を含有することができる。このような半固形油分としては、例えば、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、イソステアリン酸水添ヒマシ油等が挙げられる。
【0025】
また、本発明に係る油性固形化粧料組成物は、上記(c)成分以外の液状油分を含有することができる。このような液状油分としては、化粧料に配合され得るものであれば特に限定されず、例えば、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、イソオクタン酸トリグリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソオクタン酸トリメチロールプロパン、セスキオレイン酸ソルビタン、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、オレイン酸ドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸2−オクチルドデシル、コハク酸2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル等のエステル類、流動パラフィン、プリスタン、スクワラン等の炭化水素、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等のポリシロキサン等が挙げられる。
【0026】
なお、本発明に係る油性固形化粧料組成物は、固形油分を除く油分、すなわち半固形油分及び液状油分を合計で油性固形化粧料組成物全量を基準として55〜97質量%含有するものであることが必要である。固形油分を除く油分の含有量が55質量%未満であると、滑らかな使用感が十分に得られず、また良好な外観を得ることができなくなる。一方、固形油分を除く油分の含有量が97質量%を超えると、形成される棒状油性固形化粧料の温度安定性及び使用感が不十分となる。
【0027】
本発明に係る油性固形化粧料組成物は、粉体を更に含有することが好ましい。粉体としては、特に限定されないが、化粧料において一般に用いられる粉体を配合することができる。具体的には、例えばタルク、カオリン、マイカ、セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、セラミックパウダー、窒化ホウ素、ホウケイ酸(Ca/Na)等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー、架橋ポリスチレン等の有機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄、γ−酸化鉄、黄酸化鉄、黒酸化鉄、コバルトバイオレット、酸化クロム、コバルトブルー、群青、紺青等の無機顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;赤色202号、赤色226号、赤色405号、橙色203号、黄色401号、黄色4号、青色404号等の有機顔料等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0028】
粉体は、シリコーン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、界面活性剤処理、あるいは酸、アルカリ、無機塩類による処理、さらにはこれらの複合処理を行った後、配合してもよい。
【0029】
本発明に係る油性固形化粧料組成物における粉体の含有量は、油性固形化粧料組成物の全量を基準として1質量%以上40質量%以下が好ましい。
【0030】
本発明に係る油性固形化粧料組成物には、上記成分に加えて必要に応じ、化粧品の成分として通常使用されている保湿剤、界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、香料、薬剤、溶剤等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0031】
次に、本発明の棒状油性固形化粧品の実施形態について説明する。
【0032】
図1は、本発明の棒状油性固形化粧品の一実施形態を説明するための模式断面図である。図1に示される棒状油性固形化粧品20は、両端が開口された筒状の透明又は半透明である充填部材21が装着された繰り出し容器22と、上述した本発明に係る油性固形化粧料組成物を充填部材21に充填し固化させてなる棒状油性固形化粧料23と、繰り出し容器22に勘合するキャップ24とを備えて構成されている。また、繰り出し容器22は、充填部材21と、充填部材21の内部に配設される移動体25及び移動体25を矢印で示す方向に移動させる操作部26を有する容器本体27とから構成されている。なお、図1では、容器本体27内部の詳細な構造については省略されている。また、本実施形態の棒状油性固形化粧品20は口紅として好適な形状を有しているが、本発明の適用は口紅に限定されるものではなく、アイシャドウ、コンシーラー、チーク等の各種棒状油性固形化粧品に適用できるものである。
【0033】
充填部材21としては、透明又は半透明の材料からなるもの、すなわち可視光透過性を有し内容物の色が認識可能であるものであれば特に限定されず、例えば、ABS、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)系のPETG、PCTG、PCTA等の射出成形用素材により成形された樹脂成形体、ガラスの成形体等が挙げられる。これらのうち、内容物の色調や装填状況を外から確認できること、携帯性、内容物との反応性及び意匠性の点で、PETが好ましい。
【0034】
繰り出し容器22としては、充填部材21内の棒状油性固形化粧料23を繰り出したり引き戻したりすることができるものであれば特に限定されず、例えば、容器前部と当該容器前部に相対回転可能とされた容器後部(操作部26)とが一方向に相対回転されると、充填部材21内に配設された移動体25が前進し棒状油性固形化粧料23を容器先端の開口部21aから出現させ、容器前部と容器後部とが一方向とは反対方向の他方向に相対回転されると、前進した移動体25が後退し充填部材内の減圧作用(密閉状態を保つ作用)により棒状油性固形化粧料23を引き戻す機構を有しているものが利用できる。
【0035】
キャップ24の材質については特に限定されないが、意匠性の観点から、透明又は半透明の材料からなるものが好ましい。このようなキャップとしては、例えば、ABS、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)系のPETG、PCTG、PCTA等の射出成形用素材により成形された樹脂成形体、ガラスの成形体等が挙げられる。これらのうち、内容物の色調や装填状況を外から確認できること、携帯性、内容物との反応性及び意匠性の点で、PETが好ましい。
【0036】
このような棒状油性固形化粧品20は、以下の手順により製造することができる。
【0037】
先ず、上述した各(a)、(b)及び(c)成分、並びに、必要に応じてその他成分を加熱溶解し、これらを分散・混合することにより本発明に係る油性固形化粧料組成物を調製する。なお、分散・混合は、ビーズミル、ロール、ディスパー、ホモミキサーなどを用いることができる。
【0038】
次に、予め容器本体27に組付けられた充填部材21の開口部21aから加熱により溶融された油性固形化粧料組成物を流し込む。なお、移動体25は、充填部材21の組み付け時に充填部材21内に配される。
【0039】
続いて、油性固形化粧料組成物が充填された充填部材21を冷却して化粧料組成物を固化させることにより、充填部材21内に棒状油性固形化粧料23を形成する。
【0040】
次に、キャップ24を容器本体27に勘合させることにより、棒状油性固形化粧品20が作製される。
【0041】
上記の方法では、予め容器本体に組付けられた充填部材に油性固形化粧料組成物を流し込むことにより棒状油性固形化粧品20を作製しているが、所定の栓によって開口部21aが塞がれた充填部材21の他方の開口から油性固形化粧料組成物を充填し、冷却固化させた後、この充填部材を容器本体に組付けて棒状油性固形化粧品20を作製してもよい。
【0042】
このようにして、使用感に優れ、十分な温度安定性を有する棒状油性固形化粧料を備えるとともに、離型の発生が十分防止され外観の見栄えがよい棒状油性固形化粧品20を得ることができる。一方、本発明に係る条件を満たしていない油性固形化粧料組成物を用いて棒状油性固形化粧品を作製すると、例えば、図2に示されるような離型が発生する、或いは、使用感及び温度安定性を満足させることができなくなる場合がある。なお、図2に示される棒状油性固形化粧品30は、棒状油性固形化粧料28が本発明に係る条件を満たしていない油性固形化粧料組成物から形成され、離型29が発生していること以外は図1の棒状油性固形化粧品20と同様である。
【0043】
更に、本発明の棒状油性固形化粧品に用いられる繰り出し容器として好適な実施形態ついて図3〜図18を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0044】
図3〜図6は、本発明の棒状油性固形化粧品に用いられる繰り出し容器として好適な棒状物押出容器の各状態を示す各縦断面図、図7は、本体筒を示す破断斜視図、図8及び図9は、中間部材を示す各図、図10及び図11は、移動体を示す各図、図12及び図13は、移動螺子筒を示す各図、図14及び図15は、回転部材を示す各図、図16及び図17は、螺子筒を示す各図、図18は、充填部材を示す縦断斜視図であり、本実施形態の棒状物押出容器は、本発明の棒状油性固形化粧料を収容すると共に適宜使用者の操作により押し出し可能とするものである。なお、図3は、本発明の棒状油性固形化粧品に用いられる繰り出し容器として好適な棒状物押出容器の初期状態を示す各縦断面図である。図4は、図3に示す状態からキャップが取り外され使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が前進した時の縦断面図である。図5は、図4に示す状態で棒状物が使用者により使用されてから使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が後退し移動螺子筒が後退限近くに後退した時の縦断面図である。図6は、図4に示す状態から使用者の操作により移動体が最大に前進した時の縦断面図である。
【0045】
ここでは、棒状物として、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイカラー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアーカラー等を始めとした本発明の棒状油性固形化粧料が用いられる。また、外径が1mm以下の細径芯や10mm以上の太めの棒状物が使用可能である。
【0046】
図3に示すように、棒状物押出容器100は、両端が開口された筒状の充填部材1と、この充填部材1に充填された棒状物Mと、その前部に充填部材1の後部を内挿して当該充填部材1を相対回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結する本体筒(本体)3と、を外形構成として具備し、充填部材1により容器前部が構成されると共に、本体筒3により容器後部が構成されている。
【0047】
そして、この棒状物押出容器100は、内部に、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結された螺子筒4と、充填部材1に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結された回転部材10と、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に連結されると共に回転部材10を軸線方向に弾性的に押え軸線方向に離脱不能とする中間部材11と、回転部材10に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に螺子筒4に第一の螺合部8を介して螺合し、容器前部を構成する充填部材1と容器後部を構成する操作筒3とが一方向である繰り出し方向に相対回転されると前進し所定の前進限まで前進すると前進が停止し、充填部材1と本体筒3とが一方向の反対方向の他方向である繰り戻し方向に相対回転されると後退し所定の後退限まで後退すると後退が停止する移動螺子筒5と、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に係合すると共に移動螺子筒5に第二の螺合部9を介して螺合し、充填部材1と本体筒3とが一方向に相対回転されると移動螺子筒5に伴われて前進すると同時に単独でも前進し、移動螺子筒5が前進限に達し充填部材1と本体筒3とがさらに同方向に相対回転されると単独で前進し、充填部材1と本体筒3とが他方向に相対回転されると移動螺子筒5に伴われて後退すると同時に単独でも後退し、移動螺子筒5が後退限に達すると移動螺子筒5と共に後退が停止する移動体6と、この移動体6の先端部に装着され充填部材1内に挿入されて摺動するピストン(押出部)7と、を概略備えている。
【0048】
本体筒3は、図7に示すように、有底円筒状に構成された本体部3xと、この本体部3xの底部中央に、先端側に向かうように立設された軸体3yと、を備える構成とされている。
【0049】
本体部3xは、その先端部の内周面に、中間部材11を軸線方向に係合するための環状凸凹部(凸凹部が軸線方向の並ぶもの)3aを備えると共に、この環状凸凹部3aより後側の内周面に、周方向に多数の凹凸部が並設されて当該凹凸部が軸線方向に所定長延びるローレット3bを、中間部材11を回転方向に係合するためのものとして備えている。また、本体部3xは、その底部側の内周面に、周方向に沿って多数が並設されて底部から先端側に向かって延びる突条3cを、螺子筒4を回転方向に係合するためのものとして備えている。
【0050】
軸体3yは、円柱体の外周面に周方向に沿う六等配の位置に半径方向外方に突出するように配置されて軸線方向に延びる突条3dを備える横断面非円形形状とされ、この突条3dが、移動体6の回り止め機構(回り止め部)50の一方を構成する回り止めとされている。
【0051】
中間部材(回転部材押え部材)11は、樹脂による射出成形品とされ、図8及び図9に示すように、後部側のバネ部11yと、このバネ部11yより前側の本体部11xと、を備える段付き円筒状とされている。
【0052】
本体部11xは、軸線方向中程の外面が径方向に拡大した鍔部11aを具備し、この鍔部11aより後側の外周面に、環状凹凸部(凹凸部が軸線方向の並ぶもの)11bを、本体筒3の環状凸凹部3aに軸線方向に係合するものとして備えている。また、本体部11xの環状凹凸部11bとバネ部11yとの間の外周面には、周方向に沿って複数が並設されて軸線方向に延びる突条11dが、本体筒3のローレット3bに回転方向に係合するものとして設けられている。また、本体部11xの鍔部11aより前側の外周面には、図3に示すキャップ12を着脱可能に軸線方向に係止するための突部(所謂ダボ)11cが、周方向に沿って複数設けられている。
【0053】
バネ部11yは、本体部11xの後側に一体的に連設され、軸線方向に伸縮可能とされている所謂樹脂バネであり、後述するように、充填部材1と本体筒3との相対回転時に、良好な摺動回転抵抗を与えるためのものである。このバネ部11yは、切欠の形状により強度を変えることが可能であり、また、無くすことも可能である。
【0054】
これらの本体部11x及びバネ部11yを備える中間部材11は、図3に示すように、その鍔部11aより後側の部分が本体筒3に内挿され、鍔部11aの後端面が本体筒3の先端面に突き当てられ、その突条11dが本体筒3のローレット3bに回転方向に係合すると共にその環状凹凸部11bが本体筒3の環状凸凹部3aに軸線方向に係合することで、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に装着され、本体筒3と一体化されている。
【0055】
移動体6は、樹脂による射出成形品とされ、図10及び図11に示すように、先端側に鍔部6aを有する円筒状に構成され、その鍔部6aより後側から後端に亘る外周面に、第二の螺合部(螺合機構)9の一方を構成する雄螺子6bを備えている。この雄螺子6bの前側に位置する鍔部6aの外形は、円形形状の外周に二平面部6aaを対向して設けた形状とされている。
【0056】
また、移動体6の鍔部6aの前側は、鍔部6aより小径を成す円筒部とされ、この円筒部の先端に小径鍔部6cを備えることで、小径鍔部6cと鍔部6aとの間に、軸線方向に幅広の環状溝部6dが形成されている。この幅広の環状溝部6dは、ピストン7を軸線方向移動可能に係合するためのものである。
【0057】
また、移動体6の筒孔である内周面は、横断面円形状の孔とされ、この孔の周面の周方向に沿って六等配の位置に、放射状に内側に所定長突出し軸線方向に延びる突条6fが設けられている。この突条6fが、移動体6の回り止め部(回り止め機構)50の他方を構成する回り止めとされている。
【0058】
この移動体6は、図3に示すように、本体筒3の軸体3yに外挿され、その突条6fが本体筒3の軸体3yの突条3d,3d間に進入して回転方向に係合することで、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向移動可能に装着されている。
【0059】
ピストン7は、PP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)等、比較的柔らかい素材より成形され、図4に示すように、先端に向けて傘状に湾曲する形状を呈し、後端面から先端側に向けて外面に倣うように凹設された凹部7aを備えている。このピストン7の内面の軸線方向の中程には、後方に向かって短尺に延びる円筒部7dが設けられ、この円筒部7dの内周面には環状突部7bが設けられている。この環状突部7b及び円筒部7dの後端面7fは、移動体6に軸線方向移動可能に係合するためのものである。また、ピストン7には、その後端部の外周面に、充填部材1の内周面に密着し気密性を確保するための環状突部7cが設けられている。
【0060】
このピストン7は、移動体6に外挿され、その環状突部7bが、移動体6の環状溝部6dに進入することで、移動体6に回転可能且つ軸線方向移動可能(所定の範囲内を移動可能;詳しくは後述)に装着されている。なお、ピストン7と移動体6とを同期回転可能に構成することも可能である。
【0061】
移動螺子筒5は、樹脂による射出成形品とされ、図12及び図13に示すように、後端側に鍔部5aを有する円筒状に構成され、鍔部5aより前側が外径小径部5x、後側が外径大径部5yとされている。この外径大径部5yの外周面には、第一の螺合部(螺合機構)8の一方を構成する雄螺子としての螺合突起(円弧状の突条)5eが複数設けられている。
【0062】
この移動螺子筒5の外径小径部5xには、軸線方向中程の外周面に、周方向に沿って四等配の位置に軸線方向に延びる突条5bが、回転部材10を回転方向に係合するものとして設けられている。
【0063】
また、移動螺子筒5には、その外径小径部5xの先端から突条5bの近傍まで延び内外を連通するスリット5nが、軸線を挟んだ両側に一対設けられていると共に、このスリット5nの根元部分に周方向に所定長延びる長孔5cが連設されている。これらのスリット5n及び長孔5cの機能については後述する。
【0064】
そして、移動螺子筒5の外径小径部5xには、その先端部の内面に、第二の螺合部(螺合機構)9の他方を構成する雌螺子5dが、スリット5n,5nを横切り半円弧状を成すようにして設けられている。
【0065】
このような構成を有する移動螺子筒5の雌螺子5dは、雌螺子5dを形成する螺子部を外周面に有するコアピン(成形型)により成形される。このコアピンは、樹脂成形時の樹脂硬化後に軸線方向先端側又は後端側に引き抜かれる所謂無理抜きとなるが、この無理抜きの際に、スリット5n,5nにより、移動螺子筒5の先端部が径方向外側に開き、雌螺子5dに損傷を与えること無くコアピンが容易に引き抜かれるようになっている。また、移動螺子筒5の先端部が径方向外側に開く際に、スリット5n,5nの根元部分に作用する応力が、長孔5c,5cにより分散され、移動螺子筒5に損傷を与えることが防止されている。このように、移動螺子筒5は、モータやラック等を用いてコアピンを回し抜きしたりするのでは無く無理抜きを可能とする構成のため、迅速な成形が可能であり、製造コストや金型コストの低減が図られている。
【0066】
そして、この移動螺子筒5は、図3に示すように、移動体6に外挿され、その雌螺子5dが移動体6の雄螺子6bに螺合した状態とされている。
【0067】
回転部材10は、樹脂による射出成形品とされ、図14及び図15に示すように、後部側のバネ部10yと、このバネ部10yより前側の本体部10xと、を備える段付き円筒状とされている。
【0068】
本体部10xは、後方側に行くに従って段階的に外径が大とされ、後部に、螺子筒4を軸線方向に押えるための鍔部10aを具備し、この鍔部10aより前側の外周面に、周方向に沿って複数が並設される突部10bが、中間部材11のバネ部11yに押圧されるものとして設けられている。また、本体部10xの突部10bより前側の外周面には、充填部材1の後端面を突き当てるための鍔部10cが設けられると共に、この鍔部10cより前側の外周面には、環状凸凹部10dが、充填部材1を軸線方向に係合するものとして設けられている。さらに、本体部10xの環状凸凹部10dより前側の外周面には、周方向に沿って複数が並設されて軸線方向に延びる突条10eが、充填部材1を回転方向に係合するものとして設けられている。また、本体部10xの内周面には、周方向に沿って複数の位置に軸線方向に延びる突条10fが、移動螺子筒5の突条5bに回転方向に係合するものとして設けられている。
【0069】
バネ部10yは、本体部10xの後側に一体的に連設され、軸線方向に伸縮可能とされている所謂樹脂バネである。
【0070】
これらの本体部10x及びバネ部10yを備える回転部材10は、図3に示すように、移動螺子筒5に外挿され、突部10bが中間部材11のバネ部11yに押圧されることで、軸線方向前側への離脱が阻止され、この状態で、突条10fが移動螺子筒5の突条5bに回転方向に係合することで、移動螺子筒5を同期回転可能且つ軸線方向移動可能としている。そして、この状態で、回転部材10のバネ部10yの後端面と移動螺子筒5の鍔部5aとの間には、移動螺子筒5が前進するための所定の空間が設けられている。なお、この所定の空間は無くても良い。
【0071】
螺子筒4は、樹脂による射出成形品とされ、図16及び図17に示すように、段付き円筒状に構成され、後側の小径部4yと、段差面4cを介してこれより前側の大径部4xとを備えている。小径部4yの外周面には、周方向に沿って複数が並設されて軸線方向に延びる突条4aが、本体筒3の突条3cに回転方向に係合するものとして設けられている。この小径部4yの内周面は、大径部4xの内周面より小径とされ、この小径部4yの内周面に、第一の螺合部(螺合機構)8の他方を構成する雌螺子4dを備えている。
【0072】
この螺子筒4は、図3に示すように、本体筒3と移動螺子筒5との間に挿入され、その先端面が、回転部材10の鍔部10aに押し当てられることで、その段差面4cが本体筒3の突条3cの先端面に当接した状態で、その突条4aが本体筒3の突条3cに回転方向に係合し、本体筒3に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に装着されている。また、この状態で、螺子筒4の雌螺子4dが、移動螺子筒5の螺合突起5eに螺合した状態とされている。
【0073】
このような移動螺子筒5の螺合突起5e及び螺子筒4の雌螺子4dより構成された第一の螺合部8、移動螺子筒5の雌螺子5d及び移動体6の雄螺子6bより構成された第二の螺合部9にあっては、図13及び図17に示すように、第二の螺合部9のリードに比して第一の螺合部8のリードが大きくされている。ここで、リードとは、螺子を一回転した時に軸方向に進む距離のことである。
【0074】
なお、螺子筒4、移動螺子筒5、移動体6、回転部材10、中間部材11は、POM(ポリアセタール)、UHMWPE(超高分子量ポリエチレン)等の摺動性の高い射出成形用素材を用いるのが好ましい。
【0075】
充填部材1は、図3に示すように、内部に棒状物M(本発明の棒状油性固形化粧料)を充填するためのものであると共に、当該棒状物Mを使用者による操作に従って先端部から出現させるためのものである。この充填部材1及びキャップ12は、ABS、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PCT(ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート)系のPETG、PCTG、PCTA等の射出成形用素材で成形され、棒状物Mの色調や充填状況を確認できるように透明材又は半透明材が用いられている。
【0076】
図3、図4及び図18に示すように、充填部材1は、段付き円筒状に構成され、後側の小径部1yと、段差面1eを介してこれより前側の大径部1xとを備えている。大径部1xは先端に向かって外周が多少先細りする形状とされ、先端の開口1aが棒状物Mを出現させるための開口とされている。
【0077】
図18に示すように、小径部1yの後端部の内周面には、環状凹凸部1bが、回転部材10の環状凸凹部10dに軸線方向に係合するものとして設けられていると共に、この環状凹凸部1bより前側の内周面には、周方向に多数の凹凸部が並設されて当該凹凸部が軸線方向に所定長延びるローレット1cが、回転部材10の突条10eに回転方向に係合するものとして設けられ、さらに、このローレット1cより前側の内周面には、後側に開放されて短尺に先端側に向かう空気抜き溝1iが、通気部として設けられている。
【0078】
この充填部材1は、図3に示すように、その後部側から回転部材10及びピストン7と中間部材11との間に挿入され、図3に示すように、後端面が回転部材10の鍔部10cに当接し、環状凹凸部1bが回転部材10の環状凸凹部10dに軸線方向に係合すると共に、ローレット1cに回転部材10の突条10eが回転方向に係合することで、回転部材10に同期回転可能且つ軸線方向離脱不能に装着され、当該回転部材10と一体化されている。この回転部材10は、前述したように、本体筒3と一体化された中間部材11のそのバネ部11yにより軸線方向前側への離脱が阻止されると共に移動螺子筒5と同期回転可能とされ、この移動螺子筒5は、第二の螺合部9を介して移動体6に螺合し、この移動体6は、本体筒3に同期回転可能とされているため、当該充填部材1は本体筒3に対して回転可能且つ軸線方向離脱不能に装着されている。また、充填部材1の後端部内には、ピストン7が当該充填部材1と密接するようにして挿入されている。
【0079】
そして、図3に示すように、中間部材11に対してキャップ12が着脱可能に装着されることで、充填部材1はキャップ12により保護されている。
【実施例】
【0080】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0081】
(実施例1〜8及び比較例1〜10)
表1〜4に示す組成の油性固形化粧料組成物を下記製法により調製した。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に75〜90℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、評価用サンプル(口紅)を得た。得られたサンプルについて、外観(離型の有無)、化粧料の温度安定性、化粧料の使用感の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定した。これらの結果を表1〜4に示す。なお、表中の各成分の単位は特にことわりがない限り質量%である。また、各油性固形化粧料組成物における(a)成分の含有量(質量%)、固形油分を除く油分の含有量(質量%)、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量に対する(b)成分及び(c)成分の合計含有量(質量%)を表1〜4に示す。
【0082】
【表1】



【0083】
【表2】



【0084】
【表3】



【0085】
【表4】



【0086】
<油性固形化粧料組成物の製法>
(実施例1〜8)
先ず、成分1〜12を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分13〜16及び成分18を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させた。続いて、この混合物に成分17を添加し更に混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。
【0087】
(比較例1)
先ず、成分1〜12を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分13〜16及び成分18、19を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させた。続いて、この混合物に成分17を添加し更に混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。
【0088】
(比較例2〜6)
先ず、成分1〜14を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分15〜18及び成分20を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させた。続いて、この混合物に成分19を添加し更に混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。
【0089】
(比較例7、8及び10)
先ず、成分1〜13を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分14〜17及び成分19、20を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させた。続いて、この混合物に成分18を添加し更に混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。
【0090】
(比較例9)
成分1〜13を90℃で加熱溶解し、これらを分散・混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。
【0091】
なお、表1〜4に示される各成分は、下記に示すものを使用した。
セレシン:商品名「セレシンSP−1020P」、STRAL&PITSCH Inc.社製。
ポリエチレン:商品名「PERFORMALENE500」、東洋ペトライト社製。
マイクロクリスタリンワックス:商品名「マルチワックスW−445」、WITCO CORPORATION社製。
パラフィン:商品名「パラフィンワックス135」、日本精蝋社製。
ワセリン:商品名「サンホワイトP−150」、日興リカ社製。
水添ポリイソブテン:商品名「パールリーム18」、日本油脂社製。
ポリブテン:商品名「ポリブテンHV−300F」、新日本石油化学社製。
【0092】
<評価方法>
[外観]
油性固形化粧料組成物を充填部材に充填し完全に固化させて形成された棒状油性固形化粧料について、充填部材内面からの離型の有無を目視により確認し、以下の評価基準に基づいて外観を評価した。
◎:離型が見られない。
○:開口部から1〜2mmの離型が見られる。
△:2mm〜5mmの離型が見られる。
▲:5mm〜10mmの離型が見られる。
×:10mm以上の離型が見られる。
【0093】
[温度安定性]
評価用サンプルを40℃で1ヶ月保存した後、室温に戻し、棒状油性固形化粧料の外観を目視により確認し、以下の評価基準に基づいて化粧料の温度安定性を評価した。
◎:変化が見られない。
○:ごくわずかな変化が見られる(室温に戻すと発汗が認められなくなる)。
△:やや変化が見られる(発汗による形跡が僅かに認められる)。
▲:明らかな変化が見られる(発汗あとが認められる)。
×:化粧料の溶解が見られる。
【0094】
[使用感]
被験者(10名)に、評価用サンプルを実際に使用してもらい、その際の滑らかさ及び得られるつやの観点から使用感が良好であるか否かを回答してもらった。そして、下記基準に基づいてその使用感を評価した。
◎:10名中9名以上が、「使用感が良好である」と回答。
○:10名中6名以上9名未満が、「使用感が良好である」と回答。
△:10名中4名以上6名未満が、「使用感が良好である」と回答。
▲:10名中2名以上4名未満が、「使用感が良好である」と回答。
×:10名中2名未満が、「使用感が良好である」と回答。
【0095】
表1〜4に示すように、(a)成分を3〜10質量%と、(b)成分及び(c)成分とを含み、固形油分を除く油分を合計で55〜97質量%含有し、(b)成分及び(c)成分を合計で油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%含有する油性固形化粧料組成物を、透明の充填部材に充填してなる実施例1〜8の棒状油性固形化粧品は、いずれも化粧料の温度安定性及び使用感に優れたものであり、棒状油性固形化粧料の離型が十分少なく外観に優れたものであることが確認された。
【0096】
以下、さらに本発明の棒状油性固形化粧品の実施例を示す。なお、実施例9〜14に示される各成分は、下記に示すものを使用した。
セレシン:商品名「セレシンSP−1020P」、STRAL&PITSCH Inc.社製。
ポリエチレン*1:商品名「PERFORMALENE500」、東洋ペトライト社製。
ポリエチレン*2:商品名「PERFORMALENE655」、東洋ペトライト社製。
ポリエチレン*3:商品名「サンワックス131P」、三洋化成工業社製。
マイクロクリスタリンワックス:商品名「マルチワックスW−445」、WITCO CORPORATION社製。
パラフィン:商品名「パラフィンワックス135」、日本精蝋社製。
合成ワックス:商品名「パラフリントH2」、加藤洋行社製。
ワセリン:商品名「サンホワイトP−150」、日興リカ社製。
水添ポリイソブテン:商品名「パールリーム18」、日本油脂社製。
【0097】
(実施例9)アイシャドウ
(成分) (質量%)
1. セレシン 4.00
2. マイクロクリスタリンワックス 1.00
3. キャンデリラロウ 2.00
4. カルナウバロウ 2.00
5. ワセリン 20.00
6. 水添ポリイソブテン 10.00
7. スクワラン 2.00
8. マカデミアナッツ油 15.00
9. トコフェロール 0.02
10. フェニルトリメチコン 10.00
11. トリオクタノイン 6.94
12. パルミチン酸エチルヘキシル 13.00
13. ホホバ種子油 0.02
14. シメチコン 0.02
15. セスキオレイン酸ソルビタン 0.03
16. グンジョウ 2.607
17. コンジョウ 0.125
18. 酸化チタン 4.14
19. シリル化シリカ 2.00
20. シリカ 0.363
21. マイカ 4.735
【0098】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
先ず、成分1〜14を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分15〜21を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させ油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に80〜90℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、アイシャドウとしての棒状油性固形化粧品を得た。
【0099】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【0100】
(実施例10)コンシーラー
(成分) (質量%)
1. セレシン 7.00
2. ポリエチレン*1 1.00
3. マイクロクリスタリンワックス 1.00
4. 合成ワックス 0.10
5. ワセリン 15.00
6. 水添ポリイソブテン 15.00
7. スクワラン 7.00
8. マカデミアナッツ油 5.00
9. トコフェロール 0.02
10. リンゴ酸ジイソステアリル 2.16
11. ジメチコン 5.00
12. フェニルトリメチコン 10.00
13. シメチコン 0.02
14. 酸化チタン 19.55
15. 酸化鉄(ベンガラ) 0.60
16. 酸化鉄(黄酸化鉄) 3.50
17. 酸化鉄(黒酸化鉄) 0.10
18. 酸化亜鉛 3.00
19. ポリメタクリル酸メチル 2.00
20. シリル化シリカ 2.50
21. 水酸化アルミニウム 0.45
【0101】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
先ず、成分1〜13を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分14〜21を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させ油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に80〜85℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、コンシーラーとしての棒状油性固形化粧品を得た。
【0102】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【0103】
(実施例11)チーク
(成分) (質量%)
1. セレシン 2.00
2. パラフィン 5.00
3. 酢酸ステアリン酸スクロース 0.50
4. ワセリン 25.00
5. 水添ポリイソブテン 8.00
6. スクワラン 12.00
7. マカデミアナッツ油 2.00
8. トコフェロール 0.02
9. リンゴ酸ジイソステアリル 3.76
10. フェニルトリメチコン 12.00
11. パルミチン酸エチルヘキシル 8.00
12. ミネラルオイル 6.50
13. シメチコン 0.02
14. 酸化チタン 3.00
15. 赤202 0.20
16. 黄4 1.00
17. シリル化シリカ 1.00
18. セリサイト 10.00
【0104】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
先ず、成分1〜13を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分14〜18を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させ油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に75〜90℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、チークとしての棒状油性固形化粧品を得た。
【0105】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【0106】
(実施例12)リップグロス
(成分) (質量%)
1. セレシン 6.00
2. ポリエチレン*2 0.50
3. ポリエチレン*3 0.50
4. ワセリン 25.00
5. 水添ポリイソブテン 20.00
6. スクワラン 5.00
7. マカデミアナッツ油 15.00
8. トコフェロール 0.02
9. リンゴ酸ジイソステアリル 24.82
10. ホホバ種子油 0.02
11. シメチコン 0.02
12. 酸化チタン 0.015
13. 赤202 0.10
14. 黄4 0.02
15. ホウケイ酸(Ca/Na) 0.485
16. シリル化シリカ 2.00
【0107】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
先ず、成分1〜11を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分12〜14及び成分16を添加し、ロール分散を施した後、更に95℃で加熱溶解し、再分散させた。続いて、この混合物に成分15を添加し更に混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に90〜95℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、リップグロスとしての棒状油性固形化粧品を得た。
【0108】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【0109】
(実施例13)口紅
(成分) (質量%)
1.セレシン 4.00
2. キャンデリラロウ 1.00
3. カルナウバロウ 1.00
4. コメヌカロウ 3.00
5. ワセリン 25.00
6. 水添ポリイソブテン 20.00
7. スクワラン 15.00
8. マカデミアナッツ油 10.00
9. トコフェロール 0.02
10. リンゴ酸ジイソステアリル 11.94
11. ホホバ種子油 0.02
12. シメチコン 0.02
13. グンジョウ 1.00
14. 酸化チタン 2.00
15. 酸化鉄(ベンガラ) 6.00
【0110】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
先ず、成分1〜12を加熱溶解し、これらを分散・混合した。続いて、この混合物に成分13〜15を添加し、ロール分散を施した後、更に90℃で加熱溶解し、再分散させ油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に予め装着された充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に75〜80℃で流し込み、冷却・固化することにより、棒状油性固形化粧料を形成し、口紅としての棒状油性固形化粧品を得た。
【0111】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【0112】
(実施例14)リップクリーム
(成分) (質量%)
1. セレシン 1.00
2. ポリエチレン*2 3.00
3. ミツロウ 10.00
4. ワセリン 30.00
5. 水添ポリイソブテン 20.00
6. ヒマワリ種子油 29.00
7. マカデミアナッツ油 5.00
8. ホホバ種子油 2.00
【0113】
<棒状油性固形化粧品の製造方法>
成分1〜8を110℃で加熱溶解し、これらを分散・混合することにより油性固形化粧料組成物を得た。得られた油性固形化粧料組成物を、図1に示されるものと同様の繰り出し容器に装着する充填部材(PET樹脂製、内径:8mm、長さ:44.6mm)に90〜95℃で流し込み、冷却・固化することにより、透明の充填部材内に棒状油性固形化粧料を形成した。その後、この充填部材を図1に示されるものと同様の繰り出し容器本体に装着して、リップクリームとしての棒状油性固形化粧品を得た。
【0114】
<棒状油性固形化粧品の評価>
得られた棒状油性固形化粧品について、上記と同様の評価を行ったところ、化粧料の温度安定性は良好であり、滑らかでつやのある良好な使用感が10名中8名以上で得られ、棒状油性固形化粧料の離型も見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の棒状油性固形化粧品の一実施形態を説明するための模式断面図である。
【図2】棒状油性固形化粧品に発生した離型を説明するための模式断面図である。
【図3】本発明の棒状油性固形化粧品に用いられる繰り出し容器として好適な棒状物押出容器の初期状態を示す各縦断面図である。
【図4】図3に示す状態からキャップが取り外され使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が前進した時の縦断面図である。
【図5】図4に示す状態で棒状物が使用者により使用されてから使用者の操作により移動螺子筒及び移動体が後退し移動螺子筒が後退限近くに後退した時の縦断面図である。
【図6】図4に示す状態から使用者の操作により移動体が最大に前進した時の縦断面図である。
【図7】図3〜図6中の本体筒を示す破断斜視図である。
【図8】図3〜図6中の中間部材を示す斜視図である。
【図9】図8に示す中間部材の縦断斜視図である。
【図10】図3〜図6中の移動体を示す側面図である。
【図11】図10に示す移動体の縦断斜視図である。
【図12】図3〜図6中の移動螺子筒を示す斜視図である。
【図13】図12に示す移動螺子筒の縦断面図である。
【図14】図3〜図6中の回転部材を示す斜視図である。
【図15】図14に示す回転部材の縦断斜視図である。
【図16】図3〜図6中の螺子筒を示す斜視図である。
【図17】図16に示す螺子筒の縦断面図である。
【図18】図3〜図6中の充填部材を示す縦断斜視図である。
【符号の説明】
【0116】
20,30…棒状油性固形化粧品、21…充填部材、22…繰り出し容器、23,28…棒状油性固形化粧料、24…キャップ、25…移動体、26…操作部、27…容器本体、29…離型。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口された筒状の透明又は半透明である充填部材が装着された繰り出し容器と、油性固形化粧料組成物を前記充填部材に充填し固化させてなる棒状油性固形化粧料と、を備え、
前記油性固形化粧料組成物が、(a)セレシン、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンのうちから選択される1種又は2種以上の固形油分3〜10質量%と、(b)ワセリンと、(c)水添ポリイソブテン及び/又はポリブテンと、を含むとともに、固形油分を除く油分を合計で55〜97質量%含有し、前記(b)成分及び前記(c)成分を合計で、油性固形化粧料組成物中の固形油分を除く油分全量を基準として30〜99質量%含有するものである、棒状油性固形化粧品。
【請求項2】
前記棒状油性固形化粧料組成物が、粉体を1質量%以上40質量%以下更に含有するものである、請求項1に記載の棒状油性固形化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−239578(P2008−239578A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85180(P2007−85180)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)
【Fターム(参考)】