説明

棒鋼締結構造

棒鋼締結構造を開示する。この棒鋼締結構造は、内周に雌ネジを有する締結具と、雌ネジに結合する雄ネジを有する棒鋼とを含んでなる。棒鋼は締結具内に押し込まれる。雌ネジおよび雄ネジはそれぞれのネジ山の頂が切り出された状態で形成される。これにより、棒鋼が締結具に強く結合するとき、雌ネジと雄ネジの隣接したネジ山の頂とネジ谷の底とは互いに接せず、雌ネジと雄ネジのネジ山とネジ谷の両側の傾斜面は互いに強く密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒鋼締結構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、締結具の外周に雄ネジおよびスリットを設け、棒鋼を締結具内に押し込んだ後、ナットを締結具の雄ネジに締結することにより、スリットが狭くなりながら、棒鋼の雄ネジの傾斜面と締結具の内周に設けた雌ネジの傾斜面とが強く密着する、棒鋼締結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は従来の一般なボルトナット締付具を示す断面図である。
【0003】
第1の従来の技術である、図1の一般なボルトナット締付具は、一端に雄ネジ94が設けられた棒鋼(鉄筋)92と、前記棒鋼92の押し込まれる内周に雌ネジ91が設けられたナット90とを含んでなる。
【0004】
前記雄ネジ94はネジ谷の深さが棒鋼92の一端93から遠くなるほど浅くなるように設けられ、前記雌ネジ91は一定なネジ形状を持つように設けられる。
【0005】
したがって、図1(a)の状態で棒鋼92をナット90に押し込むと、図1(b)に示すように、棒鋼92の一端93の雄ネジ94はナット90の雌ネジ91に容易に締結されながら押し込まれるが、棒鋼92の一端93から所定の距離離れて位置した雄ネジ94のネジ谷はナット90の雌ネジ91のネジ山によって締め付けられる。その結果、棒鋼92とナット90とが締結される。
【0006】
図2は従来の棒鋼締結具を示す分解斜視図および断面図、図3は図2の結合断面図である。
【0007】
第2の従来の技術である、図2の棒鋼締結具は、全体的に円筒状の締結具1と、前記締結具1の内部に押し込まれる棒鋼5と、前記棒鋼5の押し込まれた締結具1を締め付けるナット10とを含んでなる。
【0008】
前記締結具1は、内周に設けられた第1雌ネジ4と、外周の両端に向かって外径が減少するように傾いた傾斜部3と、前記傾斜部3に設けられた第1雄ネジ16と、締結具1の長手方向に多数設けられたスリット15とを含んでなる。
【0009】
前記棒鋼5は、先端の外周に設けられた第2雄ネジ7と、前記第2雄ネジ7の後方に設けられた突出部8とを含んでなる。
【0010】
前記ナット10には、前記第1雄ネジ16に締結される第2雌ネジ12が設けられる。
【0011】
次に、前述したように構成された従来の棒鋼締結具の作動について説明する。
【0012】
図2に示すように、棒鋼締結具の各構成要素が分離された状態で前記棒鋼5を締結具1に押し込むと、図3に示すように、第2雄ネジ7が第1雌ネジ4に螺合され、この状態でナット10を締結具1に結合させると、突出部8と前記第1雌ネジ4の外側に設けられた内壁17とが摩擦によって密着する。
【0013】
ところが、前述した第1および第2の従来の技術は次の問題がある。
【0014】
雌ネジと雄ネジを用いた締結構造は、締結と締付の2つの機能がなければならない。締結は雌ネジと雄ネジとの間に間隙があれば可能であり、締付方法は別途に設けられなければならない。
【0015】
第1の従来の技術の締付方法では、前記雄ネジ94の端部に設けられるネジ谷を低くし、雌ネジ91のネジ山が雄ネジ94のネジ谷に密着することにより、締付が実現される。
【0016】
ところが、このような締付は、一部のみが密着し、残部は既存の間隙がある状態なので、瞬間的な強い衝撃、例えば地震荷重または風荷重などによって、密着していた部分が微細に滑って変形が発生する。
【0017】
通常、このような締結具は、コンクリートと一緒に使用され、コンクリートと棒鋼が荷重を分けて受け止める。前記締結具における微細な変形により、棒鋼が受けるべき荷重を受け止められずコンクリートに転嫁することにより、コンクリートが荷重に耐えられずに崩壊に至るおそれがあるという問題を抱えている。
【0018】
第2の従来の技術も、締結構造と締付構造を区分して目的をなす構造であるが、ネジ部分自体に間隙を持っており、締付部分は棒鋼の表面と締結具のネジのネジ山部分の表面とが密着して締付が実現されるように構成されている。ところが、表面の摩擦力よりさらに大きい荷重が発生する場合には相対的に滑るおそれがあり、ネジ部分の間隙分だけ変形が生じ、第1の従来の技術と同様の問題を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
そこで、本発明は、上述した従来の技術の問題点を解決するためのもので、その目的は、締結方法は棒鋼よりさらに大きい締結具を設けることにより実現し、締付方法は締結具に長手方向にスリットを設け、このスリットが締結具の外周のナットによって締め付けられるようにすることにより達成されるが、ネジの締付構造において、締結具と棒鋼のネジ山とネジ谷とが長手方向に接触せず、締結具と棒鋼のネジ山とネジ谷の両側の傾斜面で強く密着するようにして、長手方向の滑りが発生しない構造であって、地震荷重または風荷重のような瞬間的に大きい振動などにも変形が発生しないようにする、棒鋼締結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、内周に雌ネジを有する締結具と、前記雌ネジに結合する雄ネジを有し、前記締結具内に押し込まれる棒鋼とを備えるが、前記雄ネジおよび前記雄ネジはそれぞれのネジ山の頂が切り出された状態で形成されることにより、前記棒鋼が締結具に強く結合するとき、前記雌ネジと前記雄ネジの隣接したネジ山の頂とネジ谷の底とは接せず、前記雌ネジと前記雄ネジのネジ山とネジ谷の両側の傾斜面は互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造を提供する。
【0021】
また、本発明は、全体的に円筒形で、内周に第1雌ネジを有し、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いており、その外周の傾斜部分には第1雄ネジが設けられ、両端には長手方向に多数のスリットが設けられた締結具と、前記第1雄ネジにそれぞれ締結される2つのナットと、前記第1雌ネジに締結される第2雄ネジが外周に設けられた棒鋼とを含んでなる棒鋼締結構造において、前記棒鋼の第2雄ネジの周りは締結具の内周に設けられた第1雌ネジの周りに完全密着しないように第1雌ネジの周りより小さく、前記第1雌ネジおよび第2雄ネジはそれぞれのネジ山の頂が切り出された状態で形成され、前記棒鋼を締結具内に押し込んだ後、ナットを締結具の外周の第1雄ネジに締結することにより、スリットが狭くなりがら前記棒鋼が締結具に強く結合するとき、前記雌ネジと前記雄ネジの隣接したネジ山の頂とネジ谷の底とは互いに接せず、前記雌ネジと前記雄ネジのネジ山とネジ谷の両側の傾斜面は互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造を提供する。
【0022】
前記スリットは、放射状に4個以上が設けられてもよく、前記締結具の中央には、のぞき窓が設けられてもよい。
【0023】
また、前記スリットは、前記締結具の両端に互いにずれるように位置し、前記締結具の両端から中央を通り過ぎて設けられてもよく、前記棒鋼の端部に位置したネジ山の一部をネジ谷の深さまで無くし、残ったネジ山のうち、端部ネジ山の第1端面は棒鋼の長手方向と水平になるように設け、前記締結具内のネジ谷の一部をネジ山の高さまで埋め立て、残ったネジ谷の中央ネジ谷の第2端面は締結具の長手方向と水平になるように設けるが、前記棒鋼が締結具内に押し込まれて前記第1端面と前記第2端面とが突き合わされると、それ以上棒鋼が締結具内に押し込まれないように設けられてもよい。
【0024】
一方、本発明は、内周に一定の間隔で長手方向に対して直角な第1凹部および第1凸部を有する締結具と、前記第1凹部および第1凸部に嵌合される、長手方向に対して直角な第2凹部および第2凸部を有し、前記締結具内に押し込まれる棒鋼とを含んでなるが、前記締結具の第1凸部の高さは棒鋼の第1凹部の深さよりさらに高くなく、締結具の第1凹部の深さは棒鋼の第2凸部の高さよりさらに深いため、締結具と棒鋼とが結合するとき、締結具と棒鋼の凹んだ部分と突出した部分の頂点が互いに接せず、凸凹な部分の両側の傾斜面が互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造を提供する。
【0025】
本発明は、長手方向に多数個に分離されており、これを合わせると全体的に円筒状をし、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いており、その外周表面に第1雄ネジが設けられ、内周には一定の間隔で長手方向に対して直角な第1凹部および第1凸部が設けられる締結具と、前記第1雄ネジにそれぞれ締結される2つのナットと、前記第1凹部および第1凸部に嵌合される第2凹部および第2凸部が長手方向に対して直角に外周に設けられた棒鋼とを含んでなる棒鋼締結構造において、前記分離された締結具を2つの棒鋼の間に位置させ、締結具の両端の傾斜部分でナットをそれぞれの第1雄ネジに締結することにより、分離された締結具が互いに近接しながら締結具の内周の直径も狭くなり、前記締結具の第1凸部の高さは棒鋼の第1凹部の深さよりさらに高くなく、締結具の第1凹部の深さは棒鋼の第2凸部の高さよりさらに深いため、締結具と棒鋼とが結合するとき、締結具と棒鋼の凹んだ部分と突出した部分の頂点が互いに接せず、凸凹な部分の両側の傾斜面が互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造も提供する。
【0026】
前記分離されたそれぞれの締結具の内周から内方に突出した突部を含んでなり、2つの棒鋼が締結具に結合するとき、棒鋼の位置が締結具の中心部をそれ以上通過しないように構成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は従来の一般ボルトナット締付具の断面図である。
【図2】図2は従来の棒鋼締結具の分解斜視図および断面図である。
【図3】図3は図2の結合断面図である。
【図4】図4は本発明の第1実施例に係る棒鋼締結構造を示す分解斜視図である。
【図5】図5は図4の断面図である。
【図6】図6は図5の一部結合した状態の断面図である。
【図7】図7は図5の要部拡大図である。
【図8】図8は図6のB部分の拡大図である。
【図9】図9は本発明の第2実施例に係る棒鋼締結構造を示す分解斜視図である。
【図10】図10は本発明の第3実施例に係る棒鋼締結構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照番号を付加するときに、同一の構成要素については、他の図面上に表示されても、出来る限り同一の番号を付することに留意すべきであろう。なお、本発明を説明するときに、関連した公知の構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨をわかりにくくするおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0029】
図4は本発明の第1実施例に係る棒鋼締結構造を示す分解斜視図である。図5は図4の棒鋼締結構造を示す断面図であり、図6は図5の結合状態を示す断面図である。
【0030】
本発明の第1実施例によれば、棒鋼締結構造は締結具100、ナット110、および棒鋼50を含んでなる。
【0031】
さらに詳しくは、前記締結具100は、全体的に円筒状をし、内周に設けられた第1雌ネジ40、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いた傾斜部30、前記傾斜部30上に設けられた第1雄ネジ160、および両端に長手方向に設けられた多数のスリット150とを含んでなる。
【0032】
また、前記ナット110は、締結具100の外周の第1雄ネジ160に嵌合されるように、内周に第2雌ネジ112が傾斜して設けられる。
【0033】
また、前記棒鋼50の第2雄ネジ70の周りは、締結具100の内周に設けられた第1雌ネジ40の周りに完全密着しないように第1雌ネジ40の周りより小さく設けられ、前記第1雌ネジ40および第2雄ネジ70は、それぞれのネジ山の頂が切り出された状態で設けられる。
【0034】
前記棒鋼50の外周には、前記第1雌ネジ40に締結される第2雄ネジ70が設けられる。
【0035】
前記棒鋼50の端部71に位置したネジ山の一部をネジ谷の深さまで無くし、残ったネジ山のうち、端部ネジ山72には第1端面74が設けられ、締結具100の内部の中央部分にはネジ谷を有しない充填部42が設けられ、前記充填部42の端部には第2端面44が設けられるが、前記棒鋼50が締結具100の内部に押し込まれて前記第1端面74と前記第2端面44とが互いに突き合わされると、それ以上棒鋼50が締結具100内に押し込まれない。
【0036】
よって、両方の棒鋼50は、締結具100の内部中央で正確に密着する。
【0037】
前記締結具100の外周の第1雄ネジ160およびスリット150は、外周の両端から中央の水平部37まで位置する。
【0038】
前記スリット150は、各傾斜部上に4つが放射状に設けられる。前記締結具100の中央の水平部37には、のぞき窓35が設けられる。
【0039】
次に、前述したような構成を持つ本発明に係る棒鋼締結構造の作動について説明する。
【0040】
図7は図5の要部を示す拡大図、図8は図6のB部分を示す拡大図である。
【0041】
図5に示すように締結具100、ナット110および棒鋼50が分離された状態で、前記棒鋼50を締結具100の内部に押し込んだ後、ナット110を締結具100の外周の第1雄ネジ160に締結させると、図6に示したような状態になる。
【0042】
図7は、図5のナット110が締結具100に結合していない状態で前記棒鋼50を締結具100の内部に押し込んだ状態を示し、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40との間には図7(b)のような間隔が設けられる。
【0043】
第2雄ネジ70と第1雌ネジ40に設けられたネジ山は、図7(a)〜図7(d)に示すように様々な形状を有する。
【0044】
図7のような状態でナット110を締結具100の外周の第1雄ネジ160に締結させると、図6のような状態になり、前記ナット110を締結具100の中央に移動させると、第2雌ネジ112が第1雄ネジ160に嵌合されることにより、図4の各スリット150が狭くなりながら、前記棒鋼50が締結具100に強く結合するとき、前記第1雌ネジ40と前記第2雄ネジ70の隣接したネジ山の頂512とネジ谷の底514とは互いに接せず、第1雌ネジ40と第2雄ネジ70のネジ山とネジ谷の両側の傾斜面516は互いに強く密着する。
【0045】
前記のぞき窓35を介して第2雄ネジ70と第1雌ネジ40との結合度合いを確認しながら、ナット110を締結具100の中央に移動させ続けると、前記第2雄ネジ70と第1雌ネジ40間の隣接したネジ山の頂とネジ谷の底との間に設けられる第1空間518が狭くなることにより、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40間の隣接した傾斜面516は互いにさらに強く密着する。
【0046】
図8(a)〜図8(d)には、ネジ山の形態によって、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40間の様々な密着した形状が示される。
【0047】
また、異物が前記第1空間518に存在する場合にも、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40間の螺合に影響を及ぼさず、前記傾斜面516には異物が存在し難く、前記傾斜面516には異物が存在する場合にも第2雄ネジ70と第1雌ネジ40との結合過程で前記第1空間518へ移動する。
【0048】
したがって、本発明に係る棒鋼締結構造は、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40とが正確に嵌合されるように設けられる場合よりさらに堅く結合し、地震などの強い振動または衝撃にも強い結合力が維持される。
【0049】
図9は本発明の第2実施例に係る棒鋼締結構造を示す分解斜視図である。
【0050】
前記スリット150は、締結具100の両端に互いにずれるように位置し、締結具100の両端から中央を通り過ぎて設けられる。
【0051】
したがって、図9のような状態では、スリット150が締結具100の両端に互いにずれるように位置し、締結具100の中央においても互いに出会わずに通過するので、傾斜部30の長さを締結具100の両端から中心までに伸ばすことができるため、さらに緩やかに形成される。
【0052】
これにより、ナット110を締結具100に結合させる場合には、ナット110は締結具100の中央にさらに深く締結でき、第2雄ネジ70と第1雌ネジ40との嵌合も徐々にかつ広い範囲で行われ、結果として第2雄ネジ70と第1雌ネジ40間の隣接した傾斜面516もさらに伸びることになり、さらに強く密着する。
【0053】
一方、本発明は、締結具と棒鋼との結合部分がネジではなく凸凹な表面からなる棒鋼締結構造も提供するが、図10は本発明の第3実施例に係る棒鋼締結構造を示す斜視図である。
【0054】
図10に示すように、本発明の棒鋼締結構造は、長手方向に多数個に分離されており、これを合わせると全体的に円筒状をし、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いており、その外周の傾斜部分には第1雄ネジ160が設けられ、内周には一定の間隔で長手方向に対して直角な第1凹部222および第1凸部224を有する締結具100と、前記第1雄ネジ160にそれぞれ締結される2つのナット110と、前記第1凹部222および第1凸部224に嵌合される、第2凹部226および第2凸部228が長手方向に対して直角に外周に設けられた棒鋼50とを含んでなる。
【0055】
前記分離された締結具100を2つの棒鋼50の間に位置させ、締結具100の両端の傾斜部分でナット110をそれぞれの第1雄ネジ160に締結することにより、分離された締結具100が互いに近接しながら、締結具100の内周の直径も狭くなり、前記締結具100の第1凸部224の高さは棒鋼50の第1凹部222の深さよりさらに高くなく、締結具100の第1凹部222の深さは棒鋼50の第2凸部228の高さよりさらに深いため、締結具100と棒鋼50とが結合するとき、締結具100と棒鋼50の凹んだ部分と突出した部分の頂点が互いに接せず、凸凹な部分の両側の傾斜面が互いに強く密着する。
【0056】
前記分離されたそれぞれの締結具100の内周から内方に突出した突部135を含んでなり、2つの棒鋼50が締結具100に結合するとき、棒鋼50の位置が締結具100の中心部をそれ以上通過しないように構成される。
【0057】
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。
【産業上の利用可能性】
【0058】
上述したように、本発明は、ナットが締結具の外周を締め付けることにより、スリットが狭くなりながら棒鋼の雄ネジと締結具の内周の雌ネジとの結合力が大幅増加するという効果があって、大きい地震または風の荷重に耐えられる構造を実現し得るようにして、超高層建物の安全な設計を可能にすることができる。
【符号の説明】
【0059】
30 傾斜部
40 雌ネジ
50 棒鋼
70 雌ネジ
100 締結具
110 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周に第1雌ネジ(40)を有する締結具(100)と、
前記第1雌ネジ(40)に結合する第2雄ネジ(70)を有し、前記締結具内に押し込まれる棒鋼(50)とを備え、
前記第1雌ネジ(40)および第2雄ネジ(70)はそれぞれのネジ山の頂が切り出された状態で形成されることにより、
前記棒鋼(50)が締結具(100)に強く結合するとき、前記第1雌ネジ(40)と前記第2雄ネジ(70)の隣接したネジ山の頂(512)とネジ谷の底(514)とは互いに接せず、前記第1雌ネジ(40)と前記第2雄ネジ(70)のネジ山とネジ谷の両側の傾斜面(516)は互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造。
【請求項2】
全体的に円筒状で、内周に第1雌ネジ(40)が設けられ、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いており、その外周の傾斜部分には第1雄ネジ(160)が設けられ、両端には長手方向に多数のスリット(150)が設けられた締結具(100)と、
前記第1雄ネジ(160)にそれぞれ締結される2つのナット(110)と、前記第1雌ネジ(40)に締結される第2雄ネジ(70)が外周に設けられた棒鋼(50)とを含んでなる棒鋼締結構造において、
前記棒鋼(50)の第2雄ネジ(70)の周りは、前記締結具(100)の内周に設けられた第1雌ネジ(40)の周りに完全密着しないように、前記第1雌ネジの周りより小さく、
前記第1雌ネジ(40)および前記第2雄ネジ(70)はそれぞれのネジ山の頂が切り出された状態で形成されることにより、
前記棒鋼(50)を前記締結具(100)内に押し込んだ後、前記ナット(110)を前記締結具(100)の外周の第1雄ネジ(160)に締結することにより、前記スリット(150)が狭くなりながら前記棒鋼(50)が前記締結具(100)に強く結合するとき、前記雌ネジと前記雄ネジの隣接したネジ山の頂とネジ谷の底とは互いに接せず、前記雌ネジと前記雄ネジのネジ山とネジ谷の両側の傾斜面は互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造。
【請求項3】
前記スリット(150)は、放射状に4個以上が設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の棒鋼締結構造。
【請求項4】
前記スリット(150)は、前記締結具(100)の両端に互いにずれるように位置し、前記締結具(100)の両端から中央を通り過ぎて設けられることを特徴とする、請求項3に記載の棒鋼締結構造。
【請求項5】
前記棒鋼(50)の端部(71)に位置したネジ山の一部をネジ谷の深さまで無くし、残ったネジ山のうち、端部ネジ山(72)には第1端面(74)が設けられ、前記締結具(100)の内部の中央部分にはネジ谷を有しない充填部(42)が設けられることを特徴とする、請求項4に記載の棒鋼締結構造。
【請求項6】
内周に一定の間隔で長手方向に対して直角な第1凹部(222)および第1凸部(224)を有する締結具(100)と、
前記第1凹部(222)および前記第1凸部(224)に嵌合される、長手方向に対して直角な第2凹部(226)および第2凸部(228)を有し、前記締結具(100)内に押し込まれる棒鋼(50)とを含んでなり、
前記締結具(100)の第1凸部(224)の高さは前記棒鋼(50)の第1凹部(222)の深さよりさらに高くなく、前記締結具(100)の第1凹部(222)の深さは前記棒鋼(50)の第2凸部(228)の高さよりさらに深いため、前記締結具(100)と前記棒鋼(50)とが結合するとき、前記締結具(100)と前記棒鋼(50)の凹んだ部分と突出した部分の頂点が互いに接せず、凸凹な部分の両側の傾斜面が互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造。
【請求項7】
長手方向に多数個に分離されており、これを合わせると全体的に円筒状をし、中央から両端に向かって外径が減少するように傾いており、その外周には第1雄ネジ(160)が設けられ、内周には一定の間隔で長手方向に直角な第1凹部(222)および第1凸部(224)が設けられる締結具(100)と、
前記第1雄ネジ(160)にそれぞれ締結される2つのナット(110)と、
前記第1凹部(222)および前記第1凸部(224)に嵌合される、第2凹部(226)および第2凸部(228)が長手方向に対して直角に外周に設けられた棒鋼(50)と、
を含んでなる棒鋼締結構造において、
前記分離された締結具(100)を2つの棒鋼(50)の間に位置させ、前記締結具(100)の両端の傾斜部分でナット(110)をそれぞれの前記第1雄ネジ(160)に締結することにより、分離された締結具(100)が互いに近接しながら、前記締結具(100)の内周の直径も狭くなり、前記締結具(100)の第1凸部(224)の高さは前記棒鋼(50)の第1凹部(222)の深さよりさらに高くなく、前記締結具(100)の第1凹部(222)の深さは前記棒鋼(50)の第2凸部(228)の高さよりさらに深いため、前記締結具(100)と前記棒鋼(50)とが結合するとき、前記締結具(100)と前記棒鋼(50)の凹な部分と凸な部分の頂点が互いに接せず、凸凹な部分の両側の傾斜面が互いに強く密着することを特徴とする、棒鋼締結構造。
【請求項8】
前記分離されたそれぞれの締結具(100)の内周から内方に突出した突部(135)を含んでなり、2つの前記棒鋼(50)が前記締結具(100)に結合するとき、前記棒鋼(50)の位置が前記締結具(100)の中心部をそれ以上通過しないように構成されたことを特徴とする、請求項7に記載の棒鋼締結構造。
【請求項9】
前記締結具(100)の中央には、のぞき窓(35)が設けられたことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の棒鋼締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−513819(P2010−513819A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542653(P2009−542653)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006722
【国際公開番号】WO2008/075919
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(506264993)バロ コンストラクション キーテクノロジー カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】