説明

椅子型のマッサージ機

【課題】使用者の腰部の反らされ感を高めるべくより好適に腰部反らしを実施することができる椅子型のマッサージ機を提供する。
【解決手段】コントローラ17によりエアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作が連動して制御され、使用者に腰部反らしが実施される。この場合、エアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作が同時に行われるように動作され、使用者の足(脚)が持ち上げられた状態となって背もたれ部13側に使用者の体重の一部がかかるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の腰部反らしを実施するのに好適な椅子型のマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、背もたれ部や座部にエアバッグを複数設け、各エアバッグの膨縮動作により、使用者の身体を伸ばしてストレッチ効果を付与する椅子型のマッサージ機が広く知られている。
【特許文献1】特開平9−122193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記椅子型のマッサージ機にて使用者の腰部を中心とした腰部反らしを行う場合には、使用者の腰部を反らすように、背もたれ部の下段に設けたエアバッグを中心として膨張動作をさせることが考えられる。
【0004】
しかしながら、エアバッグの膨張動作だけでは、エアバッグの容量の限界があるため、腰部反らし時の腰部の反らされ感が十分得られておらず、その改善が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、使用者の腰部の反らされ感を高めるべくより好適に腰部反らしを実施することができる椅子型のマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者の着座可能な座部と、該座部の後端にリクライニング機構により傾動可能に設けられた背もたれ部と、前記座部の前端に上下回動機構により上下方向回動可能に設けられた足載台と、前記使用者の腰部に対して押圧するべく前記背もたれ部に設けられた腰部用エアバッグを膨縮動作させる制御手段とを備えた椅子型のマッサージ機であって、前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記足載台の上方向への回動動作を連動させて制御し、前記使用者に腰部反らしを実施することをその要旨とする。
【0006】
この発明では、制御手段により腰部用エアバッグの膨脹動作及び足載台の上方向への回動動作が連動して制御され、使用者に腰部反らしが実施される。この場合、例えば、足載台が上方向に回動動作された後に腰部用エアバッグが膨脹動作、若しくは腰部用エアバッグが膨脹動作された後に足載台が上方向に回動動作、若しくは腰部用エアバッグの膨脹動作及び足載台の上方向への回動動作が同時に行われるように動作される。そのため、足載台が上方向に回動されることで使用者の足(脚)が持ち上げられた状態となって背もたれ部側に使用者の体重の一部がかかり、腰部用エアバッグに押し付けられるため、その腰部用エアバッグの膨脹動作によって使用者の腰部反らしの反らされ感が向上され、好適な腰部反らしを実施することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の椅子型のマッサージ機において、前記制御手段は、前記腰部反らしから復帰させる際、前記腰部用エアバッグの収縮動作及び前記足載台の下方向への回動動作を同時に行わせるよう制御することをその要旨とする。
【0008】
この発明では、制御手段により腰部反らしから復帰させる際、腰部用エアバッグの収縮動作及び足載台の下方向への回動動作が同時に行われるよう制御される。つまり、使用者の足(脚)が持ち上げられて腰部反らしが実施されている状態から短時間で元の状態へと戻すことができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の椅子型のマッサージ機において、前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記足載台の上方向への回動動作の少なくとも一方と連動して前記背もたれ部をリクライニング状態なるよう制御したことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、制御手段により、腰部用エアバッグの膨脹動作及び足載台の上方向への回動動作の少なくとも一方と連動して背もたれ部をリクライニング状態なるよう制御される。つまり、使用者の背中が倒れて寝た状態と近くなるため、背もたれ部側に使用者の体重の一部が更にかかり、腰部用エアバッグに腰部が更に押しつけられる。そのため、腰部反らしの反らされ感がより向上され、より好適な腰部そらしを実施することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、使用者の着座可能な座部と、該座部の後端にリクライニング機構により傾動可能に設けられた背もたれ部と、前記使用者の腰部に対して押圧するべく前記背もたれ部に設けられた腰部用エアバッグを膨縮動作させる制御手段とを備えた椅子型のマッサージ機であって、前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記背もたれ部をリクライニング状態にさせる傾動動作を連動させて制御し、前記使用者に腰部反らしを実施することをその要旨とする。
【0012】
この発明では、制御手段により腰部用エアバッグの膨脹動作及び背もたれ部をリクライニング状態にさせる傾動動作が連動するよう制御され、使用者に腰部反らしが実施される。この場合、例えば、背もたれ部がリクライニング状態に傾動動作された後に腰部用エアバッグが膨脹動作、若しくは腰部用エアバッグが膨脹動作された後に背もたれ部がリクライニング状態に傾動動作、若しくは腰部用エアバッグの膨脹動作及び背もたれ部のリクライニング状態への傾動動作が同時に行われるように動作される。そのため、使用者の背中が倒れて寝た状態と近くなるため、使用者の体重の一部が背もたれ部側にかかることで、腰部用エアバッグに押し付けられるため、その腰部用エアバッグの膨脹動作によって使用者の腰部反らしの反らされ感が向上され、好適な腰部反らしを実施することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用者の腰部の反らされ感を高めるべくより好適に腰部反らしを実施することができる椅子型のマッサージ機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、椅子型のマッサージ機10の椅子本体10aは、左右一対の支持脚部11にて支持された座部12の後端に背もたれ部13が幅方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられ、該座部12の前端に足載台14が同方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられてなる。また、座部12の両側には、前後方向に延びる肘掛け部15が組み付けられている。
【0015】
座部12の下側には、背もたれ部13のリクライニング機構16が備えられており、該機構16のモータ16aの駆動を制御するコントローラ17により背もたれ部13のリクライニングがなされるようになっている。また、足載台14についても、座部12の下側に該足載台14の上下回動機構18が備えられており、該機構18のモータ18aの駆動を制御するコントローラ17により足載台14の上下回動されるようになっている。
【0016】
足載台14は、その使用者Aの左右の脚を収容するコ字状の収容溝14aを有し、その下部には使用者Aの足の裏側と当接して足及び脚を下方向から支持する底部14bを有している。
【0017】
背もたれ部13の幅方向中央部には、施療子19を有するマッサージ機構20が内装されている。マッサージ機構20は、モータ(図示略)により背もたれ部13の上下方向に移動可能に備えられ、また施療子19に施療動作を行わせるモータ(図示略)も内蔵されている。マッサージ機構20は、各種モータの駆動に基づく施療子19の施療動作により、使用者Aの背中に対して施療が行われる。
【0018】
図2に示すように、背もたれ部13には、上部両側に左右一対のエアバッグ21,22が使用者Aの左右肩部に対応して内装され、下部両側において腰部用エアバッグとしての左右一対のエアバッグ23,24が使用者Aの左右腰部に対応して内装されている。座部12の両側には、左右一対のエアバッグ25,26が使用者Aの左右臀部に対応して内装されている。足載台14には、左右の収容溝14aの内壁には、それぞれエアバッグ27,28が内装されている。各施療部位に対応して設けられたエアバッグ21〜28は、接続ホース(図示略)を介して座部12の下側の支持脚部11間に設置されるエアポンプ30に向けて取り回されている。エアポンプ30は、制御手段としてのコントローラ17によりその駆動が制御され、各エアバッグ21〜28の膨脹収縮動作が可能となっている。
【0019】
上記の様に構成された椅子型のマッサージ機10では、コントローラ17により各部を適宜制御して、使用者Aに対してマッサージ施療やストレッチを行うようになっており、特に使用者Aの腰部に対応するエアバッグ23,24と足載台14とを連動させて腰部反らしを行うことが可能となっている。
【0020】
具体的には、コントローラ17は、エアバッグ23,24を収縮状態(図1参照)から膨脹状態(図3参照)とさせるべく、Hレベルの信号(図4参照)をエアポンプ30(電磁弁)に出力してエアバッグ23,24を膨張動作させている。それと同時に、コントローラ17は、足載台14を下位置状態(図1参照)から上位置状態(図3参照)とさせるべく、Hレベルの信号(図4参照)を上下回動機構18のモータ18aに出力して足載台14を上方向に回動動作させている。即ち、足載台14が上方向に回動動作されることで、使用者Aの足(脚)が持ち上げられた状態となって背もたれ部13側に使用者Aの体重の一部がかかり、エアバッグ23,24の膨脹動作されることで、使用者Aの腰部を持ち上げて腰部反らしが行われることとなる。これにより、エアバッグ23,24のみの単調動作による腰部反らしと比較して、エアバッグ23,24に腰部がより押しつけられるため腰部の反らされ感を向上することとなる。
【0021】
コントローラ17は、エアバッグ23,24を膨脹状態、足載台14を上位置状態とさせた後に、エアバッグ23、24を膨脹状態から収縮状態とさせるべく、Lレベルの信号(図4参照)をエアポンプ30(電磁弁)に出力してエアバッグ23,24を収縮動作させている。それと同時に、コントローラ17は、足載台14を上位置状態から収縮状態とさせるべく、Lレベルの信号(図4参照)を上下回動機構18のモータ18aに出力して足載台14を下方向に回動動作させている。
【0022】
そして、コントローラ17は、例えば、上述のエアバッグ23,24及び足載台14を繰り返し連動させて、使用者Aに対して反らされ感を向上させた好適な腰部反らしを繰り返し行って使用者Aに対して効果的なストレッチ効果を付与するようになっている。
【0023】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)コントローラ17によりエアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作が連動して制御され、使用者Aに腰部反らしが実施される。この場合、エアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作が同時に行われるように動作される。そのため、足載台14が上方向に回動されることで使用者Aの足(脚)が持ち上げられた状態となって背もたれ部13側に使用者Aの体重の一部がかかり、エアバッグ23,24に押し付けられるため、そのエアバッグ23,24の膨脹動作によって使用者Aの腰部反らしの反らされ感が向上され、好適な腰部反らしを実施することができる。
【0024】
(2)コントローラ17により腰部反らしから復帰させる際、エアバッグ23,24の収縮動作及び足載台14の下方向への回動動作が同時に行われるよう制御される。つまり、使用者Aの足(脚)が持ち上げられて腰部反らしが実施されている状態から短時間で元の状態へと戻すことができる。
【0025】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、腰部用のエアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作を同時に行っているが、これに限らず、エアバッグ23,24の膨脹動作後に足載台14の上方向への回動動作を行ってもよい。また、足載台14の上方向への回動動作後にエアバッグ23,24の膨脹動作を行ってもよい。このような構成にしても上記実施形態の(1)と同様の効果を奏することができる。
【0026】
・上記実施形態では、足載台14の底部14bを利用して使用者Aの足(脚)を上方向に持ち上げているが、これに限らず、例えば足載台14に設けたエアバッグ27,28を膨脹維持させて脚を挟み込んで上方向に持ち上げるように構成してもよい。
【0027】
・上記実施形態では、特に言及していないが、腰部用のエアバッグ23,24の膨脹動作及び足載台14の上方向への回動動作の連動に加え、背もたれ部13を所定角度θ(例えば30度)傾動させて、リクライニング状態とする傾動動作を加えてもよい。このような構成にすることで、使用者Aの背中が倒れて寝た状態と近くなるため、背もたれ部13側に使用者Aの体重の一部が更にかかり、エアバッグ23,24に腰部が更に押しつけられる。そのため、腰部反らしの反らされ感がより向上され、より好適な腰部そらしを実施することができる。
【0028】
また、足載台14の連動動作を省略し、エアバッグ23,24の膨脹動作と背もたれ部13の傾動動作を連動させる構成としてもよい。尚、エアバッグ23,24の膨脹動作と背もたれ部13の傾動動作の連動させる制御としては、例えば、背もたれ部13がリクライニング状態に傾動動作された後にエアバッグ23,24が膨脹動作、若しくはエアバッグ23,24が膨脹動作された後に背もたれ部13がリクライニング状態に傾動動作、若しくはエアバッグ23,24の膨脹動作及び背もたれ部13のリクライニング状態への傾動動作が同時に行わせるような制御がある。このような構成にすることで、使用者Aの背中が倒れて寝た状態と近くなるため、使用者Aの体重の一部が背もたれ部13側にかかることで、エアバッグ23,24に押し付けられるため、そのエアバッグ23,24の膨脹動作によって使用者Aの腰部反らしの反らされ感が向上され、好適な腰部反らしを実施することができる。
【0029】
・上記実施形態では、マッサージ機構20を設けているが、設けなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態における椅子型のマッサージ機の概略構成図である。
【図2】椅子型のマッサージ機の概略構成図である。
【図3】椅子型のマッサージ機の動作について説明するための説明図である。
【図4】動作例を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0031】
10…椅子型のマッサージ機、12…座部、13…背もたれ部、14…足載台、16…リクライニング機構、17…コントローラ(制御手段)、18…上下回動機構、23,24…エアバッグ(腰部用エアバッグ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の着座可能な座部と、該座部の後端にリクライニング機構により傾動可能に設けられた背もたれ部と、前記座部の前端に上下回動機構により上下方向回動可能に設けられた足載台と、前記使用者の腰部に対して押圧するべく前記背もたれ部に設けられた腰部用エアバッグを膨縮動作させる制御手段とを備えた椅子型のマッサージ機であって、
前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記足載台の上方向への回動動作を連動させて制御し、前記使用者に腰部反らしを実施することを特徴とする椅子型のマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記制御手段は、前記腰部反らしから復帰させる際、前記腰部用エアバッグの収縮動作及び前記足載台の下方向への回動動作を同時に行わせるよう制御することを特徴とする椅子型のマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記足載台の上方向への回動動作の少なくとも一方と連動して前記背もたれ部をリクライニング状態なるよう制御したことを特徴とする椅子型のマッサージ機。
【請求項4】
使用者の着座可能な座部と、該座部の後端にリクライニング機構により傾動可能に設けられた背もたれ部と、前記使用者の腰部に対して押圧するべく前記背もたれ部に設けられた腰部用エアバッグを膨縮動作させる制御手段とを備えた椅子型のマッサージ機であって、
前記制御手段は、前記腰部用エアバッグの膨脹動作及び前記背もたれ部をリクライニング状態にさせる傾動動作を連動させて制御し、前記使用者に腰部反らしを実施することを特徴とする椅子型のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−261553(P2009−261553A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113543(P2008−113543)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】