説明

植物性カルシウム製剤

【課題】 安全であり、吸収に優れ、便秘にならなく、効果的であり、しかも味も良好な植物性カルシウム製剤を提供する。
【解決手段】 ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮の粒径40μm以下の微粉末が10〜90重量%、乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる粒径が40μm以下の少なくとも1種の第2微粉末が90〜10重量%含有しており、 前記第2微粉末が、アルファルファ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、オリーブの葉、大麦葉、ケール、ビートの葉、緑茶葉の群から選ばれる少なくとも1種の乾燥野菜粉末である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康維持を目的とする食用または健康食品用の安全なカルシウム製剤に関し、さらに詳しくは、安全であり、吸収に優れ、便秘にならなく、効果的であり、しかも味も良好な植物性カルシウム製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現代人はその食生活の変化等からミネラル分の不足が問題となってきている。特に日本人においてはカルシウム、鉄、亜鉛の摂取が少ないことが指摘されており、健康を維持していくためにはこれらの摂取は欠かせないものとなってきている。通常これらのミネラルは野菜、果物、肉類、魚、乳製品等の食物を飲食することにより摂取するが、通常の飲食で不足の分に対しては錠剤化したサプリメントにより摂取することが多くなってきている。特にカルシウムは骨の主成分となるものであり、生体内の様々な場所に存在し、骨や歯の形成、細胞膜の透過性調節、血統の運動神経、筋肉の興奮、白血球の活動、細胞分製一、電気的な興奮、ホルモン分泌、情報伝達など数え切れないほど多くの作用に関与している。また、健康な人間は通常、骨、血中(細胞外)、細胞内に1億:1万:1の割合でカルシウムが存在し、この分布率の維持は、生体内できわめて重要なものである。と同時に通常の生体の活動で、カルシウムを一日300〜600mg排泄するため、それらを補給する必要がある。もしカルシウムが不足すると、血液中のカルシウムの分布率を守るために、ホルモン作用で骨のカルシウムが血中に移動していき、この移動が長く続いて、骨がボロボロになったり、細胞の働きが鈍くなり、組織の再生が十分できなくなるため老化現象を引き起こすことが知られている。
【0003】
ここで、従来のカルシウム製剤は、一般に牛や豚などの動物の骨、魚骨、卵殻、サンゴ、貝殻などや石灰石等の無機塩を原料として用い、それらを焼成後に中和等の処理を行い調整したりして調製していた(特許文献1、特許文献2など)が、これらは体内に摂取しても決して吸収率の高いものでは無かった。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−63263号号公報
【特許文献2】特開昭61−111668号公報
【0005】
特許文献3は原料にウニ殻を使用し、さらに特許文献4はウニ殻の焼成温度を調整することにより吸収率の高いカルシウム製剤を提案しているが、それでも吸収率は十分で無く、また味も良いものでは無かった。しかも、これらカルシウム製剤は、摂取するとその生理活性から副作用として便秘を生じることが知られており、特に女性においては大きな問題となることがあった。
【0006】
【特許文献3】特開平7−75526号公報
【特許文献4】WO98−17128号公報
【0007】
そこで、特許文献5、特許文献6は、カルシウムとマグネシウムを同時に含有するカルシウム製剤が提案されているが、やはり吸収率は高くなく、しかも便秘を完全に解消することは困難であり、味も良くなかった。
【0008】
【特許文献5】特開平1−320969号公報
【特許文献6】特開平8−116922号公報
【0009】
一方、近年米国FDAの調査により、特に骨紛や消石灰等から調製されるカルシウム製剤はそのキャリーオーバー成分から安全性に問題があることが指摘されており、特に妊娠中の女性や乳幼児への摂取は注意が必要となっている。
【0010】
さらに、一般にカルシウムが高いとされている食品として牛乳等の乳製品があるが、その吸収率は十分でないとの報告もあり、また必要以上のカロリー摂取の要因にもなることから、万能で広範囲な人に適用できるカルシウム製剤の開発が強く望まれていた。
【0011】
特許文献7は、胡麻の種皮を焼成することによってシュウ酸及びフィチン酸を除去して得られるカルシウム製剤用原料から酸性水溶液を使用してカルシウム成分を抽出し、回収するカルシウム製剤が提案されているが、カルシウム製剤の味、便秘に対する効果、骨密度上昇効果、短気改善効果において必ずしも未だ十分とはいえない。
【特許文献7】特開平11−130687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、安全であり、吸収に優れ、便秘にならなく、効果的であり、しかも味も良好な植物性カルシウム製剤を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決する為に研究を重ねたところ、胡麻の種皮にシュウ酸及びフィチン酸を含有するにも拘らず、特定の植物成分を特定形状(粉末)で含有することで目的のカルシウム製剤を得るに至った。
【0014】
本発明は、ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮を微粉末として含有することを特徴とする植物性カルシウム製剤である。すなわち、微粉化された前記種子表皮(焼成していない種子表皮そのもの、好ましくは微粉化された前記種子表皮の乾燥物)を含有することを特徴とする植物性カルシウム製剤である。前記種子表皮を微粉末としては、好ましくは粒径が100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下乃至30μm以下、最適には20μm以下の微粉末として含有するものである。
【0015】
また前記ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮の微粉末は、カルシウム製剤全量に対して10〜90重量%含有することが好ましい。また、本発明の植物性カルシウム製剤としては、更に、乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる粒径が100μm以下の少なくとも1種の第2微粉末を90〜10重量%含有することが好ましい。特に、前記ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮の粒径40μm以下の微粉末が10〜90重量%、乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる粒径が40μm以下の少なくとも1種の第2微粉末が90〜10重量%含有している植物性カルシウム製剤がより好ましい。
【0016】
前記第2微粉末としては、アルファルファ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、オリーブの葉、大麦葉、ケール、ビートの葉、緑茶葉の群から選ばれる少なくとも1種の乾燥野菜粉末であることが好ましい。
【0017】
本発明の植物性カルシウム製剤は、ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮を分離機により分離して表皮を採取し、乾燥させてゴマ種子表皮乾燥物を得た後、これに乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる乾燥物を混合し、粉砕機を用いて微粉化し、フィルターを使用して粒径が100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下乃至30μm以下、最適には20μm以下の微粉末を得、これを打錠成型してペレット製剤として得ることが好ましい。なお、胡麻の種皮を焼成しシュウ酸及びフィチン酸を除去した原料を微粉化して用いることもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記の通りであるので、吸収に優れており、便秘に対する効果が良好であり、骨密度上昇効果もすぐれ、短気改善効果も改善されるなどのカルシウム摂取による固有の効果が十分発揮されている。しかも安全であり、味も良好であって、健康維持を目的とする食用または健康食品用として好適なカルシウム製剤である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に用いられるゴマはゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)に属する植物であり、熱帯アフリカ原産地で1年草である。ゴマ科には約16属あって、この中の1つがゴマ属である。ゴマ属では現在約38種が知られているが、ほとんど野生種である。これに対して栽培種はたった1種のみであるが、これをさらに品種や系統に分けると世界に約3000種類あるといわれている。草丈1メートル近くになる春まきの一年草で、高温多湿には非常に強い。茎はは四角張っていて、葉は下の方では対生で上の方では互生になり、長い柄があり、長円形である。そして、そのさや状の実の中には種子が多数入っている。種子の色には白、黄色、褐色、黒などがある。尚、黒だね種はSesamum orientalisと分類されることも多いが、本発明ではSesamum indicumに属するものとする。本発明においては、すべての品種のゴマ種子表皮を使用することが出来る。
【0020】
そして、本発明ではこのゴマ種子をそのままもしくは表皮のみ採取してから粉砕等の処理を行い使用するが、味や効果を考慮するとゴマ種子の表皮を採取してから使用することが好ましく、更に好ましくはゴマ種子の表皮を水圧により分離して採取したものを使用することである。そして、本発明においてカルシウム吸収率の更なる向上と生体への効果の更なる向上、摂取時の感触向上のためには、ゴマ種子表皮を100μm以下の微粉末に処理してから使用することが効果的であり、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましく、20μm以下の微粉末に処理することがさらに好ましい。また5μm以上、10μm以上が好ましい。20〜40μmの粒子径のゴマ種子表皮が最適である。具体的には例えば、ゴマの種子表皮をロータリー、シフター、ロータリースクリーン、比重分離機(風力選別機)、ジェット式分離機(水圧選別機)などを利用することで、剥離して回収できる。また剥離・回収したゴマ種子表皮はカッターミル、シュレッダー、ロールクラッシャー、ロール機、スクリーンミル、ジェット粉砕機、乳鉢、石臼などを利用し、粉末として使用できる。
【0021】
ゴマは従来、搾油用として使用され、また、すりごま、いりごま、ねりごま、洗い胡麻、ごま塩などに加工され、医薬用、食用として使用されている。本発明においては:ゴマ種子表皮としてこれらのゴマの製造過程において得られるものも使用することができる。
【0022】
本発明においてゴマ種子表皮の配合量は特に規定されないが、味や前記効果等を考慮すると好ましくは10〜90重量%であり、更に好ましくは20〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%である。また、本発明のカルシウム製剤では、更なる味の向上やその他ビタミン等の栄養分補給等を考慮して、乾燥野菜粉末や乾燥海藻粉末を10〜90重量%の割合で含有することが好ましく、更に好ましくは30〜80重量%、より好ましくは50〜70重量%である。中でも健康維持等の観点から乾燥緑色野菜粉末を含有することが望ましい。緑色野菜として具体的には例えば、アルファルファ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、オリーブの葉、大麦葉、ケール、ビートの葉、緑茶葉等が挙げられるが、中でもほうれん草、大麦葉、ケールが特に望ましい。また、乾燥野菜粉末や乾燥海藻粉末を含有する場合には、ゴマ種子粉末と同様に100μm以下の微粉末に処理してから含有することが好ましく、50μm以下が好ましく、少なくとも20μm以上が好ましい。より好ましくは20〜40μmの微粉末に処理することがより好ましい。
【0023】
尚、本発明のカルシウム製剤には、食品や健康食品に常用されている添加剤を本発明のカルシウム製剤の性能を損なわない範囲で含有することも可能である。例えば砂糖、塩、醤油、味噌、コショウ等の香辛料、みりん、酒、酢、ダシ等の調味料、デキストリン、トレハロース等の増量剤、セルロースまたはその誘導体、天然ガム質等の結合剤、色剤、フレーバー、安定剤等を含有できる。
【実施例】
【0024】
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1〜3、比較例1〜3]
<カルシウム製剤A、B、C(本実施例のカルシウム製剤)の調製>
白ごま種子を使用して水を利用したジェット式の分離機により表皮を採取し、乾燥させゴマ種子表皮乾燥物を得た。このゴマ種子表皮乾燥物70重量部に対し、大麦若葉乾燥物30重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り400メッシュのフィルター(ポアサイズ:約40μm)を使用して微粉末を得た。この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤A(実施例1)を得た。
【0025】
また、同様に、ゴマ種子表皮乾燥物50重量部に対し、ほうれん草乾燥物30重量部とニンジン乾燥物20重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り800メッシュのフィルター(ポアサイズ:約20μm)を使用して微粉末を得、この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤B(実施例2)を得た。
【0026】
さらに、ゴマ種子表皮乾燥物50重量部に対し、ほうれん草乾燥物10重量部、ニンジン乾燥物10重量部、ごぼう乾燥物10重量部、さつま芋乾燥物10重量部、トマト乾燥物10重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り800メッシュのフィルター(ポアサイズ:約20μm)を使用して微粉末を得、この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤C(実施例3)を得た。
【0027】
<カルシウム製剤D、E、F(比較例のカルシウム製剤)の調製>
牛骨粉を800度で焼成した牛骨粉焼成物50重量:部に対し、ほうれん草乾燥物30重量部とニンジン乾燥物20重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り800メッシュのフィルター(ポアサイズ:約20μm)を使用して微粉末を得、この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤D(比較例1)を得た。
【0028】
ウニ殻を800度で焼成した後に酢酸抽出し、さらに、クエン酸により塩交換してクエン酸カルシウム粉末とした。このクエン酸カルシウム粉末50重量部対し、ほうれん草乾燥物30重量部とニンジン乾燥物20重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り800メッシュのフィルター(ポアサイズ:約20μm)を使用して微粉末を得、この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤E(比較例2)を得た。
【0029】
カルシウム製剤Aと同様にして得たゴマ種子表皮乾燥物を800度で焼成した後に酢酸抽出し、さらに、クエン酸により塩交換してクエン酸カルシウム粉末とした。このクエン酸カルシウム粉末50重量部対し、ほうれん草乾燥物30重量部とニンジン乾燥物20重量部を混合した後、粉砕機を用いて微粉化してから平織り800メッシュのフィルター(ポアサイズ:約20μm)を使用して微粉末を得、この微粉末を打錠成型することにより、直径8mm、重さ250mgのペレット製剤としてカルシウム製剤F(比較例3)を得た。
【0030】
[評価]
前記実施例及び比較例に関するA〜Fのカルシウム製剤を用い、4項目について下記評価基準により評価を行なった。
結果を表1に示す。

【0031】
【表1】

【0032】
<評価項目及び評価基準>
(1)カルシウム製剤の味
男女20名(男性:6名、女性14名)のパネリストを使用し、先に調製したカルシウム製剤を2000mg摂取したときの味について下記のように評価し、合計点が30点以上のものを味の良いカルシウム製剤であると評価した。
i)味が良く無いと場合:0点
ii)味がまあまあであると感じた場合:1点
iii)味が良いと感じた場合:2点
【0033】
(2)便秘に対する効果
便秘がちな男女20名(男性:6名、女性14名)のパネリストを使用し、先に調製したカルシウム製剤を一日に2000mgずつ7目間摂取したときの便通の状態を下記のように評価し、合計点が30点以上のものを便秘に対して有効なカルシウム製剤であると評価した。
i)便秘になったと感じた場合:0点
ii)変わらないと感じた場合:1点
iii)便通が良くなったと感じた場合:2点
【0034】
(3)骨密度上昇効果
男女20名(男性:6名、女性14名)のパネリストを使用し、先に調製したカルシウム製剤を一日に2000mgずつ90日間摂取した前後での前腕の骨密度を超音波骨密度測定装置で測定して下記のように評価し、合計点が30点以上のものを骨密度上昇効果の高いカルシウム製剤であると評価した。
i)骨密度の上昇率が5%未満の場合:0点
ii)骨密度の上昇率が5%以上10%未満の場合:1点
iii)骨密度の上昇率が10%以上の場合:2点
【0035】
(4)短気改善効果
自分が短気であると答えた男女20名(男性:13名、女性7名)のパネリストを使用
し、先に調製したカルシウム製剤を一日に2000mgずつ30日間摂取したときの心の状態を下記のように評価し、合計点が30点以上のものを短気改善効果の高いカルシウム製剤であると評価した。
i)全く変わらないと感じた場合:0点
ii)やや怒り難くなったと感じた場合:11点
iii)明らかに落ち着き易くなり、怒り難くなったと感じた場合:2点
【0036】
実施例1〜3より、本発明の成分を用いた実施例のカルシウム製剤は、吸収に優れていると考えられるが、いずれも便秘に対する効果が良好であり、骨密度上昇効果もすぐれ、短気改善効果も改善されるなどのカルシウム摂取による固有の効果が十分発揮されている。しかも味も良好であった。また、成分は全て天然の食品用植物成分のみであり安全性に優れている。一方、比較例1〜3では十分な性能が得られていない。
【0037】
次に、下記の条件下で腸内環境を作り、胡麻表皮の粒子(平均的)の大きさの違いによるカルシウムの溶出量を測定した。表2はその結果を示している。表2より、ゴマ種子表皮を100μm以下の微粉末に処理してから使用することが効果的であり、50μm以下が好ましく、40μm以下乃至30μm以下がより好ましく、20μm以下の微粉末に処理することが最適であることが認められる。なお、表2より、20ミクロン以下となると差が小さくなることから、20〜50μm、好ましくは20〜40μm、特に30ミクロン前後が条件的に最も良いことがわかる。

【0038】
【表2】

【0039】
<試験方法>
50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.5)100mlを37℃に保ち、40mgのパンクレアチン(Sigma社製)を加えたものに、各試料1gを懸濁した。
【0040】
なお、各資料としては、粒子径20μm以下の胡麻表皮粒子は実施例2、粒子径40μm以下の胡麻表皮粒子は実施例1を用いた。粒子径30μm以下、粒子径50μm以下、粒子径100μm以下の胡麻表皮粒子は、異なる粒径になるように微粉化した以外は実施例1と同様にして得られた各胡麻表皮粒子を用いた。
【0041】
次に、前記懸濁した各資料を10分間攪拌した後、遠心分離(5℃、15000rpm)を行い、さらにメンブレンろ過(0.20μm)したものを溶出液とした。
【0042】
ミネラル(プラズマ発光分光分析法:ICP−AES):
次に、各溶出液を、精密分析用硝酸溶液(ナカライテスク社)を超純粋で希釈し調整した希釈液(0.17N HNO)を用いて、100倍及び10倍希釈した。また、標準液として原子吸光用の金属標準液(1000ppm:ナカライテスク社)を同様の希釈液を用いて、適宣希釈した。その後、以上の溶液を測定に供した。なお、分析装置は日本ジャーレルアッシュ社製CID/アキシャル高周波プラズマ発光分光分析装置(製品型番IRIS−AP)を用い、カルシウムを測定した。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、本発明の植物性カルシウム製剤(食用または健康食品用のカルシウム組成物)は、安全性が高く、吸収性に優れ、便秘にならなく、効果的であり、しかも味も良好なカルシウム製剤であり、欺界に与える影響は多大である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮を微粉末として含有することを特徴とする植物性カルシウム製剤。
【請求項2】
ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮を粒径100μm以下の微粉末として含有する請求項1記載の植物性カルシウム製剤。
【請求項3】
前記ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮の微粉末が、10〜90重量%含有する請求項1記載の植物性カルシウム製剤。
【請求項4】
乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる粒径が100μm以下の少なくとも1種の第2微粉末を、90〜10重量%含有する植物性カルシウム製剤。
【請求項5】
前記ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮の粒径40μm以下の微粉末が10〜90重量%、乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる粒径が40μm以下の少なくとも1種の第2微粉末が90〜10重量%含有している植物性カルシウム製剤。
【請求項6】
前記第2微粉末が、アルファルファ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、オリーブの葉、大麦葉、ケール、ビートの葉、緑茶葉の群から選ばれる少なくとも1種の乾燥野菜粉末である請求項4又は5記載の植物性カルシウム製剤。
【請求項7】
ゴマ科ゴマ属(Sesamum indicum)の種子表皮を分離機により分離して表皮を採取し、乾燥させてゴマ種子表皮乾燥物を得た後、これに乾燥野菜粉末及び乾燥海藻粉末の群から選ばれる乾燥物を混合し、粉砕機を用いて微粉化し、フィルターを使用して粒径が100μm以下の微粉末を得、これを打錠成型してペレット製剤としたことを特徴とする植物性カルシウム製剤の製造方法。




【公開番号】特開2007−45785(P2007−45785A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233929(P2005−233929)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(505306348)有限会社サニーヘルツ・ジャパン (2)
【Fターム(参考)】