説明

植物病害防除剤

【課題】優れた植物病害防除効力を有する植物病害防除剤を提供すること
【解決手段】式(I)


〔式中、B、R1、R3、n、Z、A1及びA2の各置換基は、明細書中に記載の定義を表す。〕で示されるアミド化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤は、優れた植物病害防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物病害防除剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの植物病害防除剤の開発が行われ、実用に供されている。
【0003】
【非特許文献1】渋谷成美、川幡寛、川幡真理子、嶋崎功 編、”SHIBUYA INDEX”−2005−(10th Edition)、SHIBUYA INDEX研究会発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する植物病害防除剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、優れた植物病害防除効力を有する植物病害防除剤を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(I)で示されるアミド化合物を含有する植物病害防除剤が優れた植物病害防除効力を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は式(I)

〔式中、Bは下記式(B1)、(B2)又は(B3)で示される基を表し、

1は水素原子又はC1−C4アルキル基を表し、
2及びR3は各々、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はシアノ基を表し、
Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、
pは、0〜6の整数のいずれかを表し、
qは、0〜5の整数のいずれかを表し、
rは、0〜4の整数のいずれかを表し、
nは、0〜3の整数のいずれかを表し、
1−A2は、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、下記群〔a−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜8員環を表す。
但し、pが2〜6の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、qが2〜5の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、rが2〜4の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、
また、nが2又は3である場合、R3は互いに同一でも相異なっていてもよい。
群〔a−1〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、Q10、Q11O、Q12S、Q13S(O)、Q14S(O)2、Q15NH、Q1617N、Q18C(O)、Q19OC(O)、Q20NHC(O)、Q2122NC(O)、Q23C(O)O、Q24OC(O)O、Q25NHC(O)O、Q2627NC(O)O、Q28C(O)NH、Q29OC(O)NH、Q30NHC(O)NH、Q3132NC(O)NH、及び、Q33S(O)2O;
〔但し、Q10は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員芳香族へテロ環式基又は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6脂肪族へテロ環式基を表し、
11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20、Q21、Q22、Q23、Q24、Q25、Q26、Q27、Q28、Q29、Q30、Q31、Q32及びQ33は独立して、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員芳香族へテロ環式基又は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6脂肪族へテロ環式基を表す。
群〔b−1〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕で示されるアミド化合物(以下、本化合物と記す場合もある。)を有効成分として含有する植物病害防除剤(以下、本発明防除剤と記す。)及び本化合物の有効量を植物又は土壌に施用する工程を有してなる植物病害の防除方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明防除剤は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害の防除に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明防除剤は、前記式(I)で示されるアミド化合物を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明において、式(I)において記載される各置換基としては具体的には、次のものが挙げられる。
1で示されるC1−C4アルキル基としては、メチル基等が挙げられ、
2及びR3で示される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基としては、メチル基、エチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基及びトリフルオロメトキシ基等が挙げられ、
1−A2が、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、下記群〔a−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜8員環における、
5〜8員環としては、
シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、2,3-ジヒドロフラン、2,5-ジヒドロフラン、[1,3]ジオキソール、フラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イミダゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピラゾール、イソチアゾール、ベンゼン、[1,4]ジオキシン、[1,3]ジオキシン、2,3-ジヒドロ−2H-[1,5]ジオキセピン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン及びピラジン等が挙げられ、
【0008】
群〔a−1〕における、
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられ、
10、Q11、Q12、Q13、Q14、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20、Q21、Q22、Q23、Q24、Q25、Q26、Q27、Q28、Q29、Q30、Q31、Q32及びQ33の各々で示される、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基における、C1−C6アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基及びtert-ブチル基等が挙げられ、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基における、C3−C8シクロアルキル基としては、シクロプロピル基及びシクロヘキシル基等が挙げられ、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員芳香族ヘテロ環式基における、5〜6員芳香族ヘテロ環式基としては、N−ピラゾリル基及び2−ピリジル基等が挙げられ、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員脂肪族ヘテロ環式基における、5〜6員脂肪族ヘテロ環式基としては、2−テトラヒドロフリル基、N−ピペリジニル基及びN−モルホニル基等が挙げられ、
【0009】
10で示される、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基における、C2−C6アルケニル基としては、ビニル基及びアリル基等が挙げられ、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基における、C2−C6アルキニル基としては、エチニル基及びプロパルギル基等が挙げられ、
11、Q12、Q13、Q14、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20、Q21、Q22、Q23、Q24、Q25、Q26、Q27、Q28、Q29、Q30、Q31、Q32及びQ33の各々で示される、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基における、C3−C6アルケニル基としては、アリル基等が挙げられ、
群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基における、C3−C6アルキニル基としては、プロパルギル基等が挙げられ、
群〔b−1〕における、
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基としては、メチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられ、
ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基としては、メトキシ基及びトリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0010】
本化合物の態様としては、例えば以下のものが挙げられる。
式(I)において、R1が水素原子であるアミド化合物;
式(I)において、R1がC1−C4アルキル基であるアミド化合物;
式(I)において、Bがキノリン−6−イル基、[1,5]ナフチリジン−2−イル基又はベンゾチアゾール−6−イル基であるアミド化合物;
式(I)において、nが0であるアミド化合物;
式(I)において、R3がハロゲン原子であるアミド化合物;
式(I)において、Zが酸素原子であるアミド化合物;
式(I)において、Bがキノリン−6−イル基、[1,5]ナフチリジン−2−イル基又はベンゾチアゾール−6−イル基であり、nが0であるアミド化合物;
式(I)において、Bがキノリン−6−イル基、[1,5]ナフチリジン−2−イル基又はベンゾチアゾール−6−イル基であり、nが0であり、Zが酸素原子であり、R1が水素原子であるアミド化合物;
【0011】
式(I)において、A1−A2が、
1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14
〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13及びE14は、独立してCX12、NX3、酸素原子又は硫黄原子を表し、
21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は、独立してCX4又は窒素原子を表し、
1、X2、X3及びX4は独立して、下記群〔a−2〕から選ばれるいずれかの基を表す。
群〔a−2〕
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、G10、G11O、G12S、G13S(O)、G14S(O)2、G15NH、G1617N、G18C(O)、G19OC(O)、G20NHC(O)、G2122NC(O)、G23C(O)O、G24OC(O)O、G25NHC(O)O、G2627NC(O)O、G28C(O)NH、G29OC(O)NH、G30NHC(O)NH、G3132NC(O)NH、及び、G33S(O)2O;
〔但し、G10は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
11、G12、G13、G14、G14、G15、G16、G17、G18、G19、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G28、G29、G30、G31、G32及びG33は独立して、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
群〔b−2〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕であるアミド化合物;
【0012】
式(I)において、A1−A2が、
1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14
〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13及びE14は、独立してCX12、NX3、酸素原子又は硫黄原子を表し、
21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は、独立してCX4又は窒素原子を表し、
1、X2、X3及びX4は独立して、下記群〔a−2〕から選ばれるいずれかの基を表す。
群〔a−2〕
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、G10、G11O、G12S、G13S(O)、G14S(O)2、G15NH、G1617N、G18C(O)、G19OC(O)、G20NHC(O)、G2122NC(O)、G23C(O)O、G24OC(O)O、G25NHC(O)O、G2627NC(O)O、G28C(O)NH、G29OC(O)NH、G30NHC(O)NH、G3132NC(O)NH、及び、G33S(O)2O;
〔但し、G10は下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
11、G12、G13、G14、G14、G15、G16、G17、G18、G19、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G28、G29、G30、G31、G32及びG33は独立して、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−22〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
群〔b−22〕
ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕であるアミド化合物;
【0013】
式(I)において、A1−A2がE1−E2−E3〔但し、E1、E2及びE3は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がE21=E22−E4〔但し、E21、E22及びE4は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がE5−E23=E24〔但し、E5、E23及びE24は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がE6−E7−E8−E9〔但し、E6、E7、E8及びE9は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がE10−E11−E12−E13−E14〔但し、E10、E11、E12、E13及びE14は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物;
【0014】
式(I)において、A1−A2がO−CH(X1)−Oであり、X1がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH(X1)−Oであり、X1がハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH(CH2CH2CH3)−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH(C65)−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がCH2−CH2−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH2−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH2−CH2であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がCH2−CH2−CH2であるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がCH=CH−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH=CHであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH2−CH2−Oであるアミド化合物;
式(I)において、A1−A2がO−CH2−CH2−CH2−Oであるアミド化合物。
【0015】
式(I)において、
群〔a−1〕におけるQ10が、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基または下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基であり、
11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20、Q21、Q22、Q23、Q24、Q25、Q26、Q27、Q28、Q29、Q30、Q31、Q32及びQ33が独立して、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基、下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基または下記群〔b−11〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物。
群〔b−11〕
ハロゲン原子、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕
【0016】
式(I)において、Bがキノリン−6−イル基又は[1,5]ナフチリジン−2−イル基であり、A1−A2がE1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14
〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13、E14、E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は前記と同じ意味を表す。〕であるアミド化合物、すなわち、式(I−1)

〔式中、
Wは窒素原子又はCH基を表し、
1は水素原子又はC1−C4アルキル基を表し、
3は各々、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はシアノ基を表し、
Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、
nは、0〜3の整数のいずれかを表し、
1−A2は、
1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13、E14、E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は前記と同じ意味を表す。〕を表す。
〕で示されるアミド化合物;
【0017】
式(I−1)において、WがCH基であるアミド化合物;
式(I−1)において、Wが窒素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、WがCH基であり、nが0であるアミド化合物;
式(I−1)において、Wが窒素原子であり、nが0であるアミド化合物;
式(I−1)において、nが0であり、A1−A2がO−C(X1)(X2)−O、O−C(X1)(X2)−CH2又はCH2−C(X1)(X2)−Oであり、X1がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり、X2が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、nが0であり、A1−A2がO−C(X1)(X2)−O、O−C(X1)(X2)−CH2又はCH2−C(X1)(X2)−Oであり、X1及びX2が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物;
【0018】
式(I−1)において、WがCH基であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X1)(X2)−O、O−C(X1)(X2)−CH2又はCH2−C(X1)(X2)−Oであり、X1及びX2が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、WがCH基であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、WがCH基であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物;
式(I−1)において、Wが窒素原子であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X1)(X2)−O、O−C(X1)(X2)−CH2又はCH2−C(X1)(X2)−Oであり、X1及びX2が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、Wが窒素原子であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4が水素原子であるアミド化合物;
式(I−1)において、Wが窒素原子であり、nが0であり、A1−A2がO−C(X4)=CH又はCH=C(X4)−Oであり、X4がハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であるアミド化合物。
【0019】
本明細書中においては、化合物の構造式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生じる全ての活性な幾何異性体、光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体及び異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でも良い。従って、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体及びラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においては特に限定されず、何れの場合も含まれる。
【0020】
次に本化合物の製造法について説明する。
本化合物は、例えば以下の(製造法A)〜(製造法C)により製造することができる。
【0021】
(製造法A)
本化合物のうち、Zが酸素原子である式(II)

〔式中、R1、R3、n、B、A1及びA2は前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、式(III)

〔式中、Bは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と、式(IV)

〔式中、R1、R3、n、A1及びA2は前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物とを、脱水縮合剤の存在下に反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N-ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン等のピリジン類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる脱水縮合剤としては、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩及び1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
式(III)で示される化合物1モルに対して、式(IV)で示される化合物が通常0.5〜3モルの割合、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過した後、濾液を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(II)で示される化合物を単離することができる。単離された式(II)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0022】
(製造法B)
本化合物のうち、前記式(II)で示される化合物は、式(V)

〔式中、Bは前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物と、前記式(IV)で示される化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物類等が挙げられる。
式(V)で示される化合物1モルに対して、式(IV)で示される化合物が通常0.5〜3モルの割合、塩基が通常1〜5モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常−20〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過した後、濾液を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(II)で示される化合物を単離することができる。単離された式(II)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0023】
(製造法C)
本化合物のうち、Zが硫黄原子である式(VI)

〔式中、R1、R3、n、B、A1及びA2は前記と同じ意味を表す。〕
で示される化合物は、前記式(II)で示される化合物と、2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジフォスフェタン-2,4-ジスルフィド(以下、ローソン試薬と記す。)、五硫化ニリン等のイオウ化剤とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、ブチロニトリル等の有機ニトリル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
式(II)で示される化合物1モルに対して、イオウ化剤が通常1〜2モルの割合で用いられる。
該反応の反応温度は通常25〜150℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を濾過した後、濾液を有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(VI)で示される化合物を単離することができる。単離された式(VI)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0024】
式(III)、式(IV)及び式(V)で示される化合物は各々、市販されているか、又は、公知の方法若しくはそれに準じた方法により製造されるものを用いることができる。
【0025】
以下、本化合物の具体例を示すが、本化合物はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0026】
式(i)

〔式中、Z、R1、R3、E1、E2及びE3の組み合わせは、(表1)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0027】
式(ii)

〔式中、Z、R1、E21、E22及びE4の組み合わせは、(表2)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0028】
式(iii)

〔式中、Z、R1、E5、E23及びE24の組み合わせは、(表3)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0029】
式(iv)

〔式中、Z、R1、E6、E7、E8及びE9の組み合わせは、(表4)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0030】
式(v)

〔式中、Z、R1、E25、E26、E27及びE28の組み合わせは、(表5)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0031】
式(vi)

〔式中、Z、R1、E10、E11、E12、E13及びE14の組み合わせは、(表6)に記載される組合わせを表す。〕で示される化合物;
【0032】
式(vii)

〔式中、Z、R1、R3、E1、E2及びE3の組み合わせは、(表1)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0033】
式(viii)

〔式中、Z、R1、E21、E22及びE4の組み合わせは、(表2)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0034】
式(ix)

〔式中、Z、R1、E5、E23及びE24の組み合わせは、(表3)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0035】
式(x)

〔式中、Z、R1、E6、E7、E8及びE9の組み合わせは、(表4)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0036】
式(xi)

〔式中、Z、R1、E25、E26、E27及びE28の組み合わせは、(表5)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0037】
式(xii)

〔式中、Z、R1、E10、E11、E12、E13及びE14の組み合わせは、(表6)に記載される組合わせを表す。〕で示される化合物;
【0038】
式(xiii)

〔式中、Z、R1、R3、E1、E2及びE3の組み合わせは、(表1)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0039】
式(xiv)

〔式中、Z、R1、E21、E22及びE4の組み合わせは、(表2)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0040】
式(xv)

〔式中、Z、R1、E5、E23及びE24の組み合わせは、(表3)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0041】
式(xvi)

〔式中、Z、R1、E6、E7、E8及びE9の組み合わせは、(表4)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0042】
式(xvii)

〔式中、Z、R1、E25、E26、E27及びE28の組み合わせは、(表5)に記載される組み合わせを表す。〕で示される化合物;
【0043】
式(xviii)

〔式中、Z、R1、E10、E11、E12、E13及びE14の組み合わせは、(表6)に記載される組合わせを表す。〕で示される化合物;
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【0048】
【表5】

【0049】
【表6】

【0050】
本発明防除剤は、本化合物のみからなるものであってもよいが、通常は本化合物を、固体担体、液体担体、ガス担体、界面活性剤等と混合し、必要により固着剤、分散剤、安定剤等の製剤用補助剤を添加して、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粒剤、ドライフロアブル剤、乳剤、水性液剤、油剤、くん煙剤、エアゾール剤、マイクロカプセル剤等に製剤化して用いる。これらの製剤には本化合物が重量比で通常0.1〜99%、好ましくは0.2〜90%含有される。
【0051】
固体担体としては、例えば、粘土類(例えば、カオリン、珪藻土、合成含水酸化珪素、フバサミクレー、ベントナイト、酸性白土)、タルク類、その他の無機鉱物(例えば、セリサイト、石英粉末、硫黄粉末、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ)等の微粉末あるいは粒状物が挙げられ、液体担体としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン)、脂肪族炭化水素類(例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサノン、灯油)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、イソブチルニトリル)、エーテル類(例えば、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル)、酸アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素)等が挙げられる。
【0052】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル類、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリオキシエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類、糖アルコール誘導体等が挙げられる。
【0053】
その他の製剤用補助剤としては、例えば固着剤や分散剤、具体的にはカゼイン、ゼラチン、多糖類(例えば、デンプン、アラビヤガム、セルロース誘導体、アルギン酸)、リグニン誘導体、ベントナイト、糖類、合成水溶性高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸又はそのエステル等が挙げられる。
【0054】
本発明防除剤を施用する方法としては、実質的に本発明防除剤が施用され得る形態であればその方法は特に限定されないが、例えば茎葉散布等の植物体への処理、土壌処理等の植物の栽培地への処理、種子消毒等の種子への処理等が挙げられる。
【0055】
また、本発明防除剤を他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料または土壌改良剤と混合して、または混合せずに同時に用いることもできる。
かかる他の殺菌剤としては、例えば、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等のアゾール系殺菌化合物;フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン等の環状アミン系殺菌化合物;カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等のベンズイミダゾール系殺菌化合物;プロシミドン;シプロディニル;ピリメタニル;ジエトフェンカルブ;チウラム;フルアジナム;マンコゼブ;イプロジオン;ビンクロゾリン;クロロタロニル;キャプタン;メパニピリム;フェンピクロニル;フルジオキソニル;ジクロフルアニド;フォルペット;クレソキシムメチル;アゾキシストロビン;トリフロキシストロビン;フルオキサストロビン;ピコキシストロビン;ピラクロストロビン;ジモキシストロビン;ピリベンカルブ;スピロキサミン;キノキシフェン;フェンヘキサミド;ファモキサドン;フェナミドン;ゾキサミド;エタボキサム;アミスルブロム;イプロヴァリカルブ;ベンチアバリカルブ;シアゾファミド;マンジプロパミド;ボスカリド;ペンチオピラド;メトラフェノン;フルオピラン;ビキサフェン;シフルフェナミド及びプロキナジドが挙げられる。
【0056】
本発明防除剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、対象病害、対象作物等によっても異なるが、本発明防除剤中の本化合物量で10アールあたり、通常1〜500g、好ましくは2〜200gである。乳剤、水和剤、懸濁剤等は通常水で希釈して施用されるが、その場合の希釈後の本化合物濃度は、通常0.0005〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%であり、粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま施用される。種子への処理においては、種子1Kgに対して本発明防除剤中の本化合物量で、通常0.001〜100g、好ましくは0.01〜50gの範囲で施用される。
【0057】
本発明防除剤は、畑、水田、芝生、果樹園等の農耕地における植物病害の防除剤として使用することができる。本発明防除剤は、以下に挙げられる「作物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の病害を防除することができる。
【0058】
農作物;トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等、野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等、
花卉、
観葉植物、
果樹;仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ等、
果樹以外の樹;チャ、クワ、花木、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ)等。
【0059】
上記「作物」とは、イソキサフルトール等のHPPD阻害剤、イマゼタピル、チフェンスルフロンメチル等のALS阻害剤、EPSP合成酵素阻害剤、グルタミン合成酵素阻害剤、ブロモキシニル等の除草剤に対する耐性が、古典的な育種法、もしくは遺伝子組換え技術により付与された作物も含まれる。
【0060】
古典的な育種法により耐性が付与された「作物」の例として、イマゼタピル等のイミダゾリノン系除草剤耐性のClearfield(登録商標)カノーラ、チフェンスルフロンメチル等のスルホニルウレア系ALS阻害型除草剤耐性のSTSダイズ等がある。また、遺伝子組換え技術により耐性が付与された「作物」の例として、グリホサートやグルホシネート耐性のトウモロコシ品種があり、RoundupReady(登録商標)及びLibertyLink(登録商標)等の商品名ですでに販売されている。
【0061】
上記「作物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、例えば、バチルス属で知られている選択的毒素等を合成する事が可能となった作物も含まれる。
この様な遺伝子組換え植物で発現される毒素として、バチルス・セレウスやバチルス・ポピリエ由来の殺虫性タンパク;バチルス・チューリンゲンシス由来のCry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1またはCry9C等のδ−エンドトキシン、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパク;線虫由来の殺虫タンパク;さそり毒素、クモ毒素、ハチ毒素または昆虫特異的神経毒素等動物によって産生される毒素;糸状菌類毒素;植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン、パパイン阻害剤等のプロテアーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシ−RIP、アブリン、ルフィン、サポリン、ブリオジン等のリボゾーム不活性化タンパク(RIP);3−ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド−UDP−グルコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ等のステロイド代謝酵素;エクダイソン阻害剤;HMG-COAリダクターゼ;ナトリウムチャネル、カルシウムチャネル阻害剤等のイオンチャネル阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ等が挙げられる。
【0062】
またこの様な遺伝子組換え作物で発現される毒素として、Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1又はCry9C等のδ−エンドトキシンタンパク、VIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A等の殺虫タンパクのハイブリッド毒素、一部を欠損した毒素、修飾された毒素も含まれる。ハイブリッド毒素は組換え技術を用いて、これらタンパクの異なるドメインの新しい組み合わせによって作り出される。一部を欠損した毒素としては、アミノ酸配列の一部を欠損したCry1Abが知られている。修飾された毒素としては、天然型の毒素のアミノ酸の1つ又は複数が置換されている。
これら毒素の例及びこれら毒素を合成する事ができる組換え植物は、EP-A-0 374 753、WO 93/07278、WO 95/34656、EP-A-0 427 529、EP-A-451 878、WO 03/052073等に記載されている。
これらの組換え植物に含まれる毒素は、特に、甲虫目害虫、双翅目害虫、鱗翅目害虫への耐性を植物へ付与する。
【0063】
また、1つ若しくは複数の殺虫性の害虫抵抗性遺伝子を含み、1つ又は複数の毒素を発現する遺伝子組換え植物は既に知られており、いくつかのものは市販されている。これら遺伝子組換え植物の例として、YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Rootworm(登録商標)(Cry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、YieldGard Plus(登録商標)(Cry1AbとCry3Bb1毒素を発現するトウモロコシ品種)、Herculex I(登録商標)(Cry1Fa2毒素とグルホシネートへの耐性を付与する為にホスフィノトリシン N−アサチルトランスフェラーゼ(PAT)を発現するトウモロコシ品種)、NuCOTN33B(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard I(登録商標)(Cry1Ac毒素を発現するワタ品種)、Bollgard II(登録商標)(Cry1AcとCry2Ab毒素とを発現するワタ品種)、VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を発現するワタ品種)、NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を発現するジャガイモ品種)、NatureGard(登録商標)Agrisure(登録商標)GT Advantage(GA21 グリホサート耐性形質)、Agrisure(登録商標) CB Advantage(Bt11コーンボーラー(CB)形質)、Protecta(登録商標)等が挙げられる。
【0064】
上記「作物」とは、遺伝子組換え技術を用いて、選択的な作用を有する抗病原性物質を産生する能力を付与されたものも含まれる。
抗病原性物質の例として、PRタンパク等が知られている(PRPs、EP-A-0 392 225)。このような抗病原性物質とそれを産生する遺伝子組換え植物は、EP-A-0 392 225、WO 95/33818、EP-A-0 353 191等に記載されている。
こうした遺伝子組換え植物で発現される抗病原性物質の例として、例えば、ナトリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤(ウイルスが産生するKP1、KP4、KP6毒素等が知られている。)等のイオンチャネル阻害剤;スチルベンシンターゼ;ビベンジルシンターゼ;キチナーゼ;グルカナーゼ;PRタンパク;ペプチド抗生物質、ヘテロ環を有する抗生物質、植物病害抵抗性に関与するタンパク因子(植物病害抵抗性遺伝子と呼ばれ、WO 03/000906に記載されている。)等の微生物が産生する抗病原性物質等が挙げられる。
【0065】
本発明により防除することができる植物病害としては、例えば糸状菌等が挙げられ、より詳しくは以下の病害を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
通常、本発明防除方法は、本発明防除剤を前記した本発明防除剤を施用する方法で用いることにより行われる。
【0066】
イネのいもち病(Magnaporthe grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi);
ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum, F. avenacerum, F. culmorum, Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、網斑病(Pyrenophora teres Drechsler)、立枯れ病(Gaeumannomyces graminis);
カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum);
リンゴのモニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria alternata apple pathotype)、黒星病(Venturia inaequalis)、炭そ病(Glomerella cingulata);
ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum);
モモの灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
【0067】
ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola);
カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae);
ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.);
トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae);
ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、さび病( Phakopsora pachyrhizi)
インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)
ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、白絹病(Sclerotium rolfsii);
エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi);
ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、半身萎凋病(Verticillium albo-atrum, V. dahliae, V. nigrescens);
イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli);
チャの網もち病(Exobasidium reticulatum);白星病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis)
タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae);
【0068】
テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、根腐病(Thanatephorus cucumeris);
バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa);
キクの褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana);
タマネギの白斑葉枯病(Botrytis cinerea, B. byssoidea, B. squamosa)、灰色腐敗病(Botrytis alli)、小菌核性腐敗病(Botrytis squamosa);
種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum);ダイコンの黒すす病(Alternaria brassicicola);
シバのダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、シバのブラウンパッチ病およびラージパッチ病(Rhizoctonia solani);並びに
バナナのシガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola、Pseudocercospora musae)。
【実施例】
【0069】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例のみに限定されるものではない。
【0070】
本化合物及び本化合物の製造中間体の製造について、製造例及び参考製造例にて示す。なお特記しない限り、反応は窒素雰囲気下で行い、1H-NMRの測定は内部標準(0〔ppm〕)としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて行った。
【0071】
製造例1

ディーンスターク蒸留装置をつけたナスフラスコ内で、3,4‐ジヒドロキシベンゾニトリル1.35g、ベンズアルデヒド1.06g、p-トルエンスルホン酸1水和物0.19g及びトルエン40mlの混合物を生成した水を除去しながら10時間加熱還流した。反応混合液を室温まで冷却した反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、粗5‐シアノ‐2フェニルベンゾ[1,3]ジオキソールを得た。
得られた粗5‐シアノ‐2‐フェニルベンゾ[1,3]ジオキソールをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、それを水素化リチウムアルミニウム0.14gのテトラヒドロフラン15ml溶液に氷冷下で加え、加熱還流下で4時間攪拌した。0℃に冷却した反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過して、濾液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣にキノリン-6-カルボン酸0.35g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.46g及びピリジン10mlを加えて室温で20時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、 N-(2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物1と記す。)を得た。
本化合物1
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.63-4.66 (2H, m), 6.51 (1H, s), 6.82-6.93 (3H, m), 6.99 (1H, br s), 7.43-7.49 (4H, m), 7.55-7.58 (2H, m), 8.04-8.08 (1H, m), 8.15-8.18 (1H, m), 8.24-8.26 (1H, m), 8.33-8.35 (1H, m), 8.98-9.00 (1H, m)
【0072】
製造例2

3,4‐ジヒドロキシベンゾニトリル1.35g、五酸化リン2.13g及びトルエン20mlの混合物を75℃で攪拌し、アセトン1.16gを加えて1時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、粗5‐シアノ‐2,2‐ジメチルべンゾ[1,3] ジオキソールを得た。
得られた粗5‐シアノ‐2,2-ジメチルベンゾ[1,3] ジオキソールをテトラヒドロフラン5mlに溶解し、それを水素化リチウムアルミニウム0.23gのテトラヒドロフラン15ml溶液に氷冷下で加え、加熱還流下で4時間攪拌した。0℃に冷却した反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液を加え、セライト濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣にクロロホルムを加え、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣にキノリン-6-カルボン酸0.17g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.23g及びピリジン2mlを加えて室温で20時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、N- (2,2-ジメチルベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル) - 6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物2と記す。)を得た。
本化合物2
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.68 (6H, s), 4.60 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.48 (1H, s), 6.67-6.72 (1H, m), 6.80-6.82 (2H, m), 7.45-7.49 (1H, m), 8.04-8.07 (1H, m), 8.14-8.17 (1H, m), 8.23-8.25 (1H, m), 8.32-8.34 (1H, m), 8.98-9.01 (1H, m).
【0073】
製造例2に記載の方法に準じて、下記の化合物を得た。

アセトンに代えて、ブタナール(butyraldehyde)を用いて、N- (2‐プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル) - 6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物3と記す。)を得た。
本化合物3
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.01 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.51-1.58 (2H, m), 1.91-1.95 (2H, m), 4.60 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.14 (1H, t, J = 4.9 Hz), 6.48 (1H, s), 6.73-6.75 (1H, m), 6.81-6.83 (2H, m), 7.46-7.49 (1H, m), 8.04-8.07 (1H, m), 8.14-8.17 (1H, m), 8.23-8.26 (1H, m), 8.32-8.33 (1H, m), 8.98-9.00 (1H, m).
【0074】

アセトンに代えて、プロパナールを用いて、N-(2‐エチルベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル)-6−キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物4と記す。)0.22gを得た。
本化合物4
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.06 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.94-2.00 (2H, m), 4.59 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.10 (1H, t, J = 4.6 Hz), 6.61 (1H, s), 6.72-6.75 (1H, m), 6.80-6.84 (2H, m), 7.45-7.48 (1H, m), 8.03-8.07 (1H, m), 8.12-8.15 (1H, m), 8.21-8.24 (1H, m), 8.31-8.33 (1H, m), 8.97-8.99 (1H, m).
【0075】
製造例3

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミン0.26g、キノリン-6-カルボン酸0.26g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.31g及びピリジン10ml混合し、室温で16時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン洗浄して、N- (5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物5と記す。)を得た。
本化合物5
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.78-1.82 (4H, m), 2.75-2.79 (4H, m), 4.63 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.51 (1H, br s), 7.07-7.14 (3H, m), 7.44-7.49 (1H, m), 8.04-8.08 (1H, m), 8.12-8.15 (1H, m), 8.21-8.24 (1H, m), 8.31-8.33 (1H, m), 8.97-8.99 (1H, m)
【0076】
製造例3に記載の方法に準じて、下記の化合物をそれぞれ得た。
【0077】

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミンの代わりに、(インダン-5-イルメチル)アミンを用いて、N- (インダン-5-イルメチル) - 6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物6と記す。)を得た。
本化合物6
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.05-2.12 (2H, m), 2.89-2.94 (4H, m), 4.67 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.54 (1H, br s), 7.15-7.28 (3H, m), 7.45-7.48 (1H, m), 8.04-8.08 (1H, m), 8.12-8.15 (1H, m), 8.21-8.23 (1H, m), 8.31-8.33 (1H, m), 8.97-8.99 (1H, m)
【0078】

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミンの代わりに、6-アミノメチル-1-ベンゾ[b]フランを用いて、 N-(ベンゾ[b]フラン-6-イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物7と記す。)を得た。
本化合物7
1H-NMR (CDCl3) δ:4.83 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.61 (1H, br s), 6.74 (1H, m), 7.29 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.47 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.1 Hz), 7.56 (1H, s), 7.60 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.64 (1H, d, J = 2.2 Hz), 8.07 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.34 (1H, s), 8.99 (1H, d, J = 4.1 Hz)
【0079】

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミンの代わりに、(キノリン-7-イル)メチルアミンを用いて、 N-(キノリン-7-イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物8と記す。)を得た。
本化合物8
1H-NMR (CDCl3) δ:4.94 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.93 (1H, br s), 7.41 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.2 Hz), 7.47 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.2 Hz), 7.61 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 1.3 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.09 (1H, s), 8.12 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 1.8 Hz), 8.15-8.17 (2H, m), 8.23 (1H, dd, J = 8.2 Hz, 1.6 Hz), 8.38 (1H, d, J = 1.8 Hz), 8.91 (1H, dd, J = 4.2 Hz, 1.3 Hz), 8.99 (1H, dd, J = 4.2 Hz, 1.6 Hz)
【0080】

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミンの代わりに、6-アミノメチルベンゾチアゾールを用いて、N- (ベンゾチアゾール-6-イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物9と記す。)を得た。
本化合物9
1H-NMR (CDCl3) δ:4.87 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.80 (1H, br s), 7.47 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.1 Hz), 7.55 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 1.7 Hz), 8.01 (1H, br s), 8.07-8.24 (4H, m), 8.36 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.99 (2H, m)
【0081】

(5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチル)アミンの代わりに、(7-アミノメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,5]ジオキセピン塩酸塩を用いて、N- (3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,5]ジオキセピン-7-イルメチル) - 6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物10と記す。)を得た。
本化合物10
1H-NMR (CDCl3) δ: 2.20 (2H, m), 4.20-4.25 (4H, m), 4.62 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.50 (1H, br s), 6.94-6.98 (2H, m), 7.01 (1H, s), 7.48 (1H, dd, J = 8.1 Hz, 4.1 Hz), 8.07 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.25 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.33 (1H, s), 8.99 (1H, dd, J = 4.1 Hz, 1.7 Hz).
【0082】
製造例4

6-ホルミル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン0.7g、2-プロパノール15ml及びピリジン3gの混合物に、室温でO-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩0.7gを加えて1時間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、メチルt-ブチルエーテルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。
得られた残渣をテトラヒドロフラン20mlに溶解し、ここに室温で水素化リチウムアルミニウム0.12gを加え、15分間撹拌した。反応混合物に硫酸ナトリウム10水和物を加え、セライト上で濾過し、濾液を減圧下濃縮した。
得られた残渣に、6-キノリンカルボン酸0.17g及びピリジン1mlを加えて攪拌し、そこに1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.18gを加え、100℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した反応混合物に水を加え、メタノールとクロロホルムとの混合液(混合割合 メタノール:クロロホルム=1:10)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、N- (2,3-ジヒドロ-1-ベンゾ[b]フラン-6-イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物11と記す。)を得た。
本化合物11
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.21 (2H, t, J = 8.7 Hz), 4.59 (2H, t, J = 8.7 Hz), 4.65 (2H, d), 6.53 (1H, br s), 6.83 (1H, s), 6.88 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.18 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.47 (1H, dd, J = 8.2 Hz, 4.2 Hz), 8.06 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.15 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.32 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.99 (1H, d, J = 4.2 Hz)
【0083】
製造例5

キノリン-6-カルボン酸0.35g、ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミン0.30g及びN,N-ジメチルホルムアミド10mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.88g及びトリエチルアミン0.40gを順次加えて室温で2時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N- (ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物12と記す。)を得た。
本化合物12
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.61 (2H, d, J = 5.6 Hz), 5.98 (2H, s), 6.61 (1H, br s) , 6.79 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.85 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 1.5 Hz), 6.89 (1H, d, J = 1.5 Hz), 7.46 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.2 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.14 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.22 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.33 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.99 (1H, dd, J = 4.2 Hz, 1.7 Hz)
【0084】
製造例5に記載の方法に準じて、下記の化合物をそれぞれ得た。
【0085】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、2,3-ジヒドロ[1,4]ベンゾジオキシン‐6‐イルメチルアミンを用いて、N- (2,3-ジヒドロ[1,4]ベンゾジオキシン‐6‐イルメチル) - 6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物13と記す。)を得た。
本化合物13
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.26 (4H, s), 4.59 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.53 (1H, br), 6.86 (2H), 6.91 (1H, s), 7.47 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.2 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 1.9 Hz), 8.14 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.32 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.98 (1H, dd, J = 4.2 Hz, 1.7 Hz).
【0086】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミンを用いて、 N-(2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物14と記す。)を得た。
本化合物14
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.21 (2H, t, J = 8.8 Hz), 4.58 (2H, t, J = 8.8 Hz), 4.62 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.48 (1H, br), 6.78 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.14 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.28 (1H, s), 7.47 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.1 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.15 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.32 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.99 (1H, dd, J = 4.1 Hz, 1.7 Hz).
【0087】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミンを用いて、 N-(ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物15と記す。)を得た。
本化合物15
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.80 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.58 (1H, br) , 6.77 (1H, dd, J = 2.2 Hz, 1.0 Hz), 7.34 (1H, dd, J = 8.5 Hz, 1.7 Hz), 7.45-7.52 (2H), 7.65 (2H, d, J = 2.2 Hz), 8.07 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.34 (1H, d, J = 2.0 Hz), 8.99 (1H, dd, J = 4.1 Hz, 1.7 Hz).
【0088】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、ベンゾ[b]チオフェン‐5‐イルメチルアミンを用いて、N- (ベンゾ[b]チオフェン‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物16と記す。)を得た。
本化合物16
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.65 (2H, d, J = 5.8 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.44 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.60 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.4 Hz), 7.73 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.85 (1H, s), 7.95 (1H, d, J = 8.6 Hz) ,8.08 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.22 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.47 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.55 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.97 (1H, dd, J = 4.1 Hz, 1.7 Hz), 9.3-9.4(1H, m)
【0089】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、1,3-ジヒドロ-5-イソベンゾフランメタンアミンを用いて、N-1,3-ジヒドロ-5-イソベンゾフランメタン-6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物17と記す。)を得た。
本化合物17
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.72 (2H, d, J = 5.7 Hz), 5.10 (4H, s), 6.66 (1H, br s), 7.23-7.31 (3H, m), 7.48 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 4.2 Hz), 8.07 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 2.0 Hz), 8.18 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.32 (1H, dd, J = 2.0 Hz), 8.39 (1H, s), 8.99 (1H, dd, J = 4.2 Hz, 1.7 Hz).
【0090】

ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミンの代わりに、2-ナフチルメチルアミン塩酸塩を用いて、N- (2-ナフチルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物18と記す。)を得た。
本化合物18
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.88 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.64 (1H, br) , 7.46-7.53 (4H), 7.84-7.88 (4H), 8.09 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.17 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.35 (1H, s), 8.99 (1H, d, J = 4.1 Hz).
【0091】
製造例6

テトラヒドロフラン5mlに、6-キノリンカルボン酸塩化物塩酸塩0.34g、2,2-ジフルオロベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミン0.28g及びトリエチルアミン0.6mlを加え、該混合物を室温で12時間攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン洗浄して、N- (2,2-ジフルオロ‐ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物19と記す。)を得た。
本化合物19
1H-NMR (CDCl3) δ: 4.69 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.64 (1H, br s), 7.03-7.15 (3H, m), 7.49 (1H, dd, J = 7.9 Hz, 4.3 Hz), 8.06 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.17 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.24-8.26 (1H, m), 8.34-8.34 (1H, m), 8.99-9.01 (1H, m).
【0092】
製造例7
(4−フルオロベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)メチルアミン0.34g、キノリン−6−カルボン酸0.35g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.50g及びピリジン5mlを加えて室温で攪拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をヘキサン洗浄して、N-(4‐フルオロベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル)-6−キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物20と記す。)0.35gを得た。
本化合物20

1H-NMR (CDCl3) δ: 4.69 (2H, d, J = 5.9 Hz), 6.03 (2H, s), 6.62-6.67 (2H, m), 6.91-6.95 (1H, m), 7.45-7.49 (1H, m), 8.03-8.06 (1H, m), 8.13-8.16 (1H, m), 8.22-8.25 (1H, m), 8.30-8.31 (1H, m), 8.97-9.00 (1H, m).
【0093】
製造例8
キノリン-6-カルボン酸0.17g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物21と記す。)0.33gを得た。
本化合物21

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93-0.97 (3H, m), 1.37-1.47 (2H, m), 1.69-1.76 (2H, m), 2.75-2.79 (2H, m), 4.76 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.36 (1H, s) , 6.56 (1H, br) , 7.24 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.45-7.48 (1H, m), 7.51 (1H, s) , 8.05-8.08 (1H, m), 8.15 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.22 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.33 (1H, s), 8.98 (1H, d, J = 2.9 Hz).
【0094】
製造例9
キノリン-6-カルボン酸0.17g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチル) -6-キノリンカルボン酸アミド(以下、本化合物22と記す。)0.29gを得た。
本化合物22

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37-1.44 (2H, m), 1.69-1.76 (2H, m), 2.75-2.78 (2H, m), 4.79 (2H, d, J = 5.4 Hz), 6.37 (1H, s) , 6.56 (1H, br) , 7.22 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.46-7.48 (3H), 8.07 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.15 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.23 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.33 (1H, s), 8.98 (1H, d, J = 1.5 Hz).
【0095】
製造例10
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.20g、ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチルアミン0.21g、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.29g、ピリジン0.5ml及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlを混合し、50℃で4時間撹拌した。その後、反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してN-(ベンゾ[1,3]ジオキソール‐5‐イルメチル)-[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物23と記す。)0.064gを得た。
本化合物23

1H-NMR (CDCl3)δ: 4.65 (2H, d, J = 6.0 Hz), 5.96 (2H, s), 6.80 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.89 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.91 (1H, s), 7.69 (1H, dd, J = 8.5, 4.1 Hz), 8.37-8.40 (1H, m), 8.44 (1H, s), 8.56 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.58 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.05 (1H, dd, J = 4.0, 1.3 Hz).
【0096】
製造例11
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物24と記す。)0.17gを得た。
本化合物24

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37-1.46 (2H, m), 1.68-1.76 (2H, m), 2.74-2.78 (2H, m), 4.79 (2H, d, J = 5.8 Hz), 6.35 (1H, s) , 7.25 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.53 (1H, s) , 7.65-7.68 (1H, m), 8.36 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.48 (1H, br), 8.54-8.60 (2H), 9.04 (1H, d, J = 3.9 Hz).
【0097】
製造例12
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させた。得られた残渣0.30gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物25と記す。)0.23gを得た。
本化合物25

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.92-0.96 (3H, m), 1.38-1.45 (2H, m), 1.67-1.75 (2H, m), 2.75 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.82 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.36 (1H, d J = 0.76 Hz) , 7.22-7.25 (1H, m), 7.44-7.46 (2H), 7.64-7.67 (1H, m), 8.33-8.36 (1H, m), 8.53 (1H, br), 8.53-8.58 (2H), 9.02-9.04 (1H, m).
【0098】
製造例13
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄(3回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣0.39gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 N- (2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物26と記す。)0.32gを得た。
本化合物26

1H-NMR (CDCl3) δ:4.65-4.67 (2H, m), 6.83 (1H, d J = 8.1 Hz) , 6.90-6.94 (2H), 6.98 (1H, s), 7.43-7.45 (3H), 7.55-7.57 (2H, m), 7.68-7.71 (1H, m), 8.39 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.46 (1H, br), 8.55-8.60 (2H), 9.05-9.06 (1H, m).
【0099】
製造例14
3,4‐ジヒドロキシベンゾニトリル13.51g及びトルエン400mlの混合物に五酸化リン21.3gを加えてバス温75℃で攪拌し、そこへブタナール14.4gを加えてバス温75℃で2時間攪拌した。氷冷した反応混合物に10%炭酸ナトリウム水溶液500mlを加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣15.39gをシリカゲルクロマトグラフィーに付し、粗5‐シアノ‐2-プロピルべンゾ[1,3] ジオキソール1.8gを得た。
水素化リチウムアルミニウム0.36gとテトラヒドロフラン20mlの混合物に、水冷しながら、粗5-シアノ2-プロピルべンゾ[1,3] ジオキソール1.8gをテトラヒドロフラン30mlに溶解した溶液を滴下し、室温で4時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気下、氷冷しながら酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を滴下し、次いで、それをtert-ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し、減圧下濃縮して、粗2-プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチルアミン1.65gを得た。
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2-プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチルアミン0.28g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄(3回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣0.48gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N- (2-プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物27と記す。)0.35gを得た。
本化合物27

1H-NMR (CDCl3) δ:1.00 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.54-1.56 (2H, m), 1.90-1.94 (2H, m), 4.62 (2H, d, J = 6.0 Hz), 6.12 (1H, t J = 4.8 Hz) , 6.73 (1H, d J = 8.4 Hz) , 6.83-6.85 (2H), 7.67-7.70 (1H, m), 8.37-8.39 (1H, m), 8.43 (1H, br), 8.55-8.60 (2H), 9.04-9.05 (1H, m).
【0100】
製造例15
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン6-イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.44g及びトリエチルアミン0.20gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄(3回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣にtert-ブチルメチルエーテル5mlを加えて冷却した。生じた固体をろ過により集め、 N- (2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン6-イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物28と記す。)0.25gを得た。
本化合物28

1H-NMR (CDCl3) δ:4.26 (4H, s), 4.63 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.85-6.93 (3H), 7.69 (1H, dd, J = 8.8, 4.2 Hz), 8.37-8.39 (1H, m), 8.43 (1H, br), 8.55 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.58 (1H, d, J = 8.8 Hz), 9.05 (1H, dd, J = 4.2, 1.7 Hz).
【0101】
製造例16
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物29と記す。)0.23gを得た。
本化合物29

1H-NMR (CDCl3) δ: 4.83 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.76 (1H, d, J = 1.2 Hz) , 7.35-7.38 (1H, m), 7.51 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.64-7.70 (3H), 8.37 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.52 (1H, br), 8.55-8.61 (2H), 9.04-9.06 (1H, m).
【0102】
製造例17
[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸0.17g、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、 N- (2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -[1,5]ナフチリジン−2−カルボン酸アミド(以下、本化合物30と記す。)0.25gを得た。
本化合物30

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.19-3.23 (2H, m), 4.55-4.60 (2H, m), 4.65 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.78 (1H, d, J = 8.2 Hz) , 7.16 (1H, d, J = 8.2 Hz) , 7.27 (1H, s), 7.67-7.70 (1H, m), 8.36-8.39 (1H, m), 8.42 (1H, br), 8.54-8.60 (2H), 9.04-9.05 (1H, m).
【0103】
製造例18
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.36g、ベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチルアミン0.30g及びN,N-ジメチルホルムアミド7mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.88g及びトリエチルアミン0.40gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄(3回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣0.81gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N- (ベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物31と記す。)0.57gを得た。
本化合物31

1H-NMR (DMSO-d6)δ: 4.42 (2H, d, J = 5.7 Hz), 5.99 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.87 (1H, d, J = 7.8 Hz), 6.93 (1H, s), 8.04 (1H, dd, J = 8.6, 1.5 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.70 (1H, d, J = 0.72 Hz), 9.12-9.15 (1H, br m), 9.54 (1H,s).
【0104】
製造例19
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物32と記す。)0.29gを得た。
本化合物32

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93-0.97 (3H, m), 1.37-1.47 (2H, m), 1.69-1.76 (2H, m), 2.75-2.79 (2H, m), 4.74 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.36 (1H, s) , 6.47 (1H, br), 7.22 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.39 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.50 (1H, s) , 7.88 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.50 (1H, s), 9.11 (1H, s).
【0105】
製造例20
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチルアミン0.23g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、 N- (2-ブチルベンゾ[b]フラン‐6‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物33と記す。)0.33gを得た。
本化合物33

1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.39-1.42 (2H, m), 1.70-1.74 (2H, m), 2.74-2.78 (2H, m), 4.77 (2H, d, J = 5.1 Hz), 6.36 (1H,s) , 6.51 (1H, br), 7.20 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.44-7.47 (2H), 7.88 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.15 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.50 (1H, s) , 9.11 (1H, s).
【0106】
製造例21
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、5‐アミノメチル‐2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール0.30g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、N- (ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて、しばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、(2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物34と記す。)0.35gを得た。
本化合物34

1H-NMR (CDCl3) δ:4.58-4.62 (2H, m), 644 (1H, br) , 6.82-6.91 (3H), 6.99 (1H, s), 7.43-7.45 (3H), 7.55-7.58 (2H, m), 7.88 (1H, dd, J = 8.6, 1.6 Hz), 8.17 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.50 (1H, d, J = 1.6 Hz), ), 9.11 (1H, s).
【0107】
製造例22
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、粗2-プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール5-イルメチルアミン0.28g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄(3回)した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。得られた残渣0.46gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、 N- (2-プロピルベンゾ[1,3]ジオキソール-5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物35と記す。)0.24gを得た。
本化合物35

1H-NMR (CDCl3) δ:0.99-1.02 (3H, m), 1.51-1.59 (2H, m), 1.87-1.95 (2H, m), 4.57-4.60 (2H, m), 6.12-6.14 (1H, m) , 6.42 (1H, br) , 6.72-6.74 (1H, m), 6.79-6.81 (2H), 7.87 (1H, dd, J = 8.6, 1.6 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.6 Hz), 8.49 (1H, d, J = 1.6 Hz), 9.11 (1H, s).
【0108】
製造例23
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン6-イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.44g及びトリエチルアミン0.20gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン6-イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物36と記す。)0.31gを得た。
本化合物36

1H-NMR (CDCl3) δ:4.26 (4H, s), 4.57 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.42 (1H, br), 6.86 (2H, s), 6.90 (1H, s), 7.87 (1H, dd, J = 8.6, 1.7 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8,6 Hz), 8.49 (1H, s), 9.11 (1H, s).
【0109】
製造例24
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、N- (ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物37と記す。)0.27gを得た。
本化合物37

1H-NMR (CDCl3) δ: 4.78 (2H, d, J = 5.6 Hz), 6.52 (1H, br) , 6.76 (1H, m), 7.32 (1H, m), 7.50 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.62-7.65 (2H, m), 7.89 (1H, dd, J = 8.5, 1.6 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.5 Hz), 8.50 (1H, d, J = 1.6 Hz), 9.11 (1H, s).
【0110】
製造例25
ベンゾチアゾール−6−カルボン酸0.18g、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチルアミン0.17g及びN,N-ジメチルホルムアミド3mlの混合物に、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート0.50g及びトリエチルアミン0.30gを順次加えて室温で4時間攪拌した。反応混合物に氷及び水を加えてしばらく攪拌した。生じた沈殿をろ過により集め、水およびtert-ブチルメチルエーテルで順次洗浄した後、乾燥させて、 N- (2,3-ジヒドロ-ベンゾ[b]フラン‐5‐イルメチル) -ベンゾチアゾール−6−カルボン酸アミド(以下、本化合物38と記す。)0.28gを得た。
本化合物38

1H-NMR (CDCl3) δ: 3.19-3.23 (2H, m), 4.56-4.61 (4H), 6.40 (1H, br) , 6.77 (1H, d, J = 8.2 Hz) , 7.12 (1H, d, J = 8.2 Hz) , 7.24 (1H, s), 7.87 (1H, d, J = 8.3 Hz) , 8.16 (1H, d, J = 8.3 Hz), 8.49 (1H, s), 9.11 (1H, s).
【0111】
次に、本化合物の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
【0112】
参考製造例1

文献(Organic Letters 2001, 3(21), 3357-3360)に記載の方法に従って製造した6-ブロモ-2,3-ジヒドロベンゾフラン1.30g、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン0.75g及びテトラヒドロフラン40mlの混合物に、-78℃でn-ブチルリチウム(1.6Mのヘキサン溶液)8.3mlを滴下し、15分間撹拌した。次いでジメチルホルムアミド7mlを加え、30分間攪拌した。反応混合物に希塩酸を加えた後に室温まで昇温し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、6-ホルミル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フランを得た。
6-ホルミル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.29 (2H, t, J = 8.9 Hz), 4.65 (2H, t, J = 8.9 Hz), 7.33-7.40 (3H, m), 9.92 (1H, s)
【0113】
参考製造例2

文献(WO96/06095)に記載の方法に従って製造した4-ブロモベンゾ[b]フランと6-ブロモベンゾ[b]フランとの混合物(混合比 1:1)6.9gをジメチルスルホキシド35mlに溶解し、青酸銅(I)4.8gを加え、180℃で6時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層をアンモニア水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、6-シアノベンゾ[b]フランを得た。
6-シアノベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ:6.87 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.52 (1H, dd, J = 8.0 Hz, 1.2 Hz), 7.69 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.81 (1H, d, J = 2.2 Hz), 7.83 (1H, d, J = 1.2 Hz)
【0114】
参考製造例3

6-シアノベンゾ[b]フラン0.35gをテトラヒドロフラン15mlに溶解し、ここに水素化リチウムアルミニウム0.4gを加え、15分間撹拌した。次いで、硫酸ナトリウム10水和物を加えて攪拌し、セライト上で濾過した。濾液を減圧下濃縮し、6-アミノメチルベンゾ[b]フランを得た。
6-アミノメチルベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ:3.98 (2H, d, J = 2.0 Hz), 6.74 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.19 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.47 (1H, s), 7.55 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.60 (1H, d, J = 2.0 Hz).
【0115】
参考製造例4

3−フルオロカテコール1.92g、1,1−ジブロモメタン3.91g、炭酸セシウム7.32g及びDMF25mlの混合物を110℃で1時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−フルオロベンゾ[1,3]ジオキソールを得た。
4−フルオロベンゾ[1,3]ジオキソール
1H-NMR (CDCl3) δ:6.01 (2H, s), 6.63-6.69 (2H, m), 6.74-6.79 (1H, m).
【0116】
参考製造例5

ヘキサメチレンテトラミン2.64g及びトリフルオロ酢酸10mlの混合物を、80℃で攪拌し、ここに4−フルオロベンゾ[1,3]ジオキソール1.32g及びトリフルオロ酢酸10mlの混合溶液を少しずつ滴下した。4時間後、室温まで冷却した反応混合物に水を加え、中性になるまで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−フルオロ−5−ホルミルベンゾ[1,3]ジオキソールを得た。
4−フルオロ−5−ホルミルベンゾ[1,3]ジオキソール
1H-NMR (CDCl3) δ:6.15 (2H, s), 6.76 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.46 (1H, dd, J = 8.3 Hz, 6.1 Hz), 10.14 (1H, s).
【0117】
参考製造例6

4−フルオロ−5−ホルミルベンゾ[1,3]ジオキソール0.58g及びメタノール10mlの混合液を氷冷下で攪拌し、そこに水素化ホウ素ナトリウム65mgを加え、室温で15分間攪拌した。反応混合物に水を加え、減圧下濃縮し、濃縮液を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、4−フルオロ−5−ヒドロキシメチルベンゾ[1,3]ジオキソールを得た。
4−フルオロ−5−ヒドロキシメチル−ベンゾ[1,3]ジオキソール
1H-NMR (CDCl3) δ:1.76 (1H, br s), 4.68 (2H, s), 6.03 (2H, s), 6.62-6.64 (1H, m), 6.83-6.87 (1H, m).
【0118】
参考製造例7

4−フルオロ−5−ヒドロキシメチルベンゾ[1,3]ジオキソール0.56g、フタルイミド0.53g、トリフェニルホスフィン0.95g及びトルエン5mlの混合物を80℃で攪拌し、アゾジカルボン酸ジエチル(2.2Mol/Lのトルエン溶液、1.65ml)を加え、1時間撹拌した。室温まで冷却した反応混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−(4−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)フタルイミド0.56gを得た。
N−(4−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)フタルイミド
1H-NMR (CDCl3) δ:4.86 (2H, d, J = 0.5 Hz), 6.00 (2H, s), 6.56-6.59 (1H, m), 6.85-6.88 (1H, m), 7.70-7.75 (2H, m), 7.84-7.87 (2H, m).
【0119】
参考製造例8

N−(4−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)フタルイミド0.56g及びメタノール10mlの混合物を加熱還流下で攪拌し、ヒドラジン1水和物0.17gを加え、3時間撹拌した。室温まで冷却した反応混合物に水を加え、減圧下濃縮した。残渣に希塩酸を加え酸性にした後、セライト上で濾過した。濾液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性にし、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して、(4−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)メチルアミンを得た。
(4−フルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)メチルアミン
1H-NMR (CDCl3) δ:1.57 (2H, s), 3.83 (2H, s), 6.01 (2H, s), 6.58-6.61 (1H, m), 6.72-6.77 (1H, m).
【0120】
参考製造例9

3,4‐ジヒドロキシベンゾニトリル18.78g、ベンズアルデヒドジエチルアセタール25.14g及びトルエン55mlの混合物にシュウ酸0.40gを加えて、生じるエタノールを除きながらバス温130℃で3時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物に10%炭酸ナトリウム水溶液500mlを加え、トルエンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣29.59gをシリカゲルクロマトグラフィーに付し、5‐シアノ‐2-フェニルべンゾ[1,3] ジオキソール5.75gを得た。
5‐シアノ‐2-フェニルべンゾ[1,3] ジオキソール
1H-NMR (CDCl3) δ: 6.90 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.08-7.09 (2H), 7.29 (1H, s), 7.44-7.49 (3H), 7.51-7.55 (2H, m).
【0121】
参考製造例10

水素化リチウムアルミニウム0.60gとテトラヒドロフラン40mlの混合物に、水冷しながら、5-シアノ2-フェニルべンゾ[1,3] ジオキソール3.57gをテトラヒドロフラン60mlに溶解した溶液を滴下し、室温で4時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気下、氷冷しながら酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を滴下した。残渣をtert-ブチルメチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し、減圧下濃縮して、3.39gを得た。
2-フェニルベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチルアミン
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.78 (2H, s), 6.76-6.80 (2H), 6.84 (1H, s), 6.94 (1H, s), 7.41-7.44 (3H), 7.55-7.58 (2H, m).
【0122】
参考製造例11

酸化銅(I) (Cu2O) 0.86gおよびピリジン40mlの混合物に、1−ヘキシン0.82gおよび2-ヨード-4-シアノフェノール2.01gを加えて、バス温130℃で10時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物をセライトろ過した後、ろ液を濃縮した。得られた残渣4.93gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2-ブチル-5-シアノベンゾ[b]フラン1.72gを得た。
2-ブチル-5-シアノベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.94-0.98 (3H, m), 1.42-1.50 (2H, m), 1.70-1.78 (2H, m), 2.77-2.81 (2H, m), 6.44 (1H, d, J = 0.48 Hz), 7.45-7.50 (2H), 7.80 (1H, d, J = 0.72 Hz)
【0123】
参考製造例12

水素化リチウムアルミニウム0.30gとテトラヒドロフラン20mlの混合物に、水冷しながら、2-ブチル-5-シアノベンゾ[b]フラン1.59gをテトラヒドロフラン30mlに溶解した溶液を滴下し、室温で4時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気下、氷冷しながら酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を滴下した。残渣をtert-ブチルメチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し、減圧下濃縮して、5-アミノメチル2-ブチルベンゾ[b]フラン1.54gを得た。
5-アミノメチル-2-ブチルベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.93-0.97 (3H, m), 1.37-1.46 (2H, m), 1.70-1.76 (2H, m), 2.73-2.77 (2H, m), 3.92 (2H, s), 6.33 (1H, d, J = 0.96 Hz), 7.13 (1H, dd, J = 8.3, 1.7 Hz) 7.35 (1H, d, J = 8.3 Hz) 740 (1H, d, J = 1.2 Hz)
【0124】
参考製造例13

酸化銅(I) (Cu2O) 0.81gおよびピリジン35mlの混合物に、1−ヘキシン0.77gおよび2-ヨード-5-シアノフェノール1.90gを加えて、バス温130℃で9時間攪拌した。室温まで冷却した反応混合物をセライトろ過した後、ろ液を濃縮した。得られた残渣4.29gをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2-ブチル-6-シアノベンゾ[b]フラン1.53gを得た。
2-ブチル-6-シアノベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95-0.98 (3H, m), 1.38-1.47 (2H, m), 1.71-1.78 (2H, m), 2.81 (2H, t, J = 7.6 Hz), 6.46 (1H, d, J = 1.0 Hz), 7.46-7.48 (1H, m), 7.53 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.69 (1H, d, J = 0.72 Hz)
【0125】
参考製造例14

水素化リチウムアルミニウム0.30gとテトラヒドロフラン20mlの混合物に、水冷しながら、2-ブチル-6-シアノベンゾ[b]フラン1.40gをテトラヒドロフラン30mlに溶解した溶液を滴下し、室温で4時間撹拌した。次いで、窒素雰囲気下、氷冷しながら酒石酸ナトリウムカリウム水溶液を滴下した。残渣をtert-ブチルメチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し、減圧下濃縮して、6-アミノメチル2-ブチルベンゾ[b]フラン1.32gを得た。
6-アミノメチル-2-ブチルベンゾ[b]フラン
1H-NMR (CDCl3) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37-1.46 (2H, m), 1.68-1.76 (2H, m), 2.75 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.95 (2H, br s), 6.34 (1H, d, J = 0.76 Hz), 7.12 (1H, dd, J = 7.9, 1.2 Hz) 7.36 (1H, s), 742 (1H, d, J = 7.9 Hz)
【0126】
次に製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0127】
製剤例1
本化合物1〜38各50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0128】
製剤例2
本化合物1〜38各20部とソルビタントリオレエート1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し、各々のフロアブル製剤を得る。
【0129】
製剤例3
本化合物1〜38各2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0130】
製剤例4
本化合物1〜38各5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ-テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0131】
製剤例5
本化合物1〜38各2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0132】
製剤例6
本化合物1〜38各10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0133】
次に、本発明防除剤が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、本発明防除剤を処理した植物の病斑の面積と、無処理の植物の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0134】
試験例1:キュウリ菌核病防除効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、キュウリ(相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。製剤例6に準じて得られた本化合物の製剤を各々を水で希釈して、本化合物1、2、3、4、7、11、12、13、14、15、20、22、23、25、26、27、28、29、30、31、34、35および36の製剤は200ppm、本化合物5、9、33および38の製剤は500ppmにした。それをキュウリ葉面に充分付着するように散布した。散布後植物を風乾し、キュウリ菌核病菌の菌糸含有PDA培地をキュウリ葉面上に置いた。接種後18℃、多湿下に4日間置いた後、防除効果を調査した。その結果、本化合物処理区の植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明防除剤は優れた植物病害防除効力を有しており、有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)

〔式中、Bは下記式(B1)、(B2)又は(B3)で示される基を表し、

1は水素原子又はC1−C4アルキル基を表し、
2及びR3は各々、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はシアノ基を表し、
Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、
pは、0〜6の整数のいずれかを表し、
qは、0〜5の整数のいずれかを表し、
rは、0〜4の整数のいずれかを表し、
nは、0〜3の整数のいずれかを表し、
1−A2は、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、下記群〔a−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜8員環を表す。
但し、pが2〜6の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、qが2〜5の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、rが2〜4の整数のいずれかである場合、R2は互いに同一でも相異なっていてもよく、
また、nが2又は3である場合、R3は互いに同一でも相異なっていてもよい。
群〔a−1〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、Q10、Q11O、Q12S、Q13S(O)、Q14S(O)2、Q15NH、Q1617N、Q18C(O)、Q19OC(O)、Q20NHC(O)、Q2122NC(O)、Q23C(O)O、Q24OC(O)O、Q25NHC(O)O、Q2627NC(O)O、Q28C(O)NH、Q29OC(O)NH、Q30NHC(O)NH、Q3132NC(O)NH、及び、Q33S(O)2O;
〔但し、Q10は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員芳香族へテロ環式基又は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6脂肪族へテロ環式基を表し、
11、Q12、Q13、Q14、Q15、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20、Q21、Q22、Q23、Q24、Q25、Q26、Q27、Q28、Q29、Q30、Q31、Q32及びQ33は独立して、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルキニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基、下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6員芳香族へテロ環式基又は下記群〔b−1〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよい5〜6脂肪族へテロ環式基を表す。
群〔b−1〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕
で示されるアミド化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤。
【請求項2】
式(I)において、A1−A2が、
1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14
〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13及びE14は、独立してCX12、NX3、酸素原子又は硫黄原子を表し、
21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は、独立してCX4又は窒素原子を表し、
1、X2、X3及びX4は独立して、下記群〔a−2〕から選ばれるいずれかの基を表す。
群〔a−2〕
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、G10、G11O、G12S、G13S(O)、G14S(O)2、G15NH、G1617N、G18C(O)、G19OC(O)、G20NHC(O)、G2122NC(O)、G23C(O)O、G24OC(O)O、G25NHC(O)O、G2627NC(O)O、G28C(O)NH、G29OC(O)NH、G30NHC(O)NH、G3132NC(O)NH、及び、G33S(O)2O;
〔但し、G10は下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
11、G12、G13、G14、G15、G16、G17、G18、G19、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G28、G29、G30、G31、G32及びG33は独立して、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
群〔b−2〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕
である請求項1記載の植物病害防除剤。
【請求項3】
式(I)において、R1が水素原子であり、Zが酸素原子であり、R3がハロゲン原子であり、Bがキノリン−6−イル基、[1,5]ナフチリジン−2−イル基又はベンゾチアゾール−6−イル基である請求項1又は2記載の植物病害防除剤。
【請求項4】
式(I)において、A1−A2が、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基により1以上置換されていてもよい5〜8員環である請求項1記載の植物病害防除剤。
【請求項5】
式(I)において、A1−A2が、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基により1以上置換されていてもよい5〜8員環である請求項1記載の植物病害防除剤。
【請求項6】
式(I)において、A1−A2が、E1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24又はE6−E7−E8−E9であり、E1、E2、E3の少なくと1つがCX12であり、E6、E7、E8、E9の少なくと2つがCX12である請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項7】
式(I)において、A1−A2が、O−C(X1)(X2)−Oである請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項8】
式(I)において、A1−A2が、O−C(X1)(X2)−CH2である請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項9】
式(I)において、A1−A2が、CH2−C(X1)(X2)−Oである請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項10】
式(I)において、X1が、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である請求項7〜9いずれか一項記載の植物病害防除剤。
【請求項11】
式(I)において、X1が、水素原子である請求項7〜9いずれか一項記載の植物病害防除剤。
【請求項12】
式(I)において、X2が、水素原子である請求項7〜11いずれか一項記載の植物病害防除剤。
【請求項13】
式(I)において、X1及びX2が、水素原子である請求項7〜9いずれか一項記載の植物病害防除剤。
【請求項14】
式(I)において、A1−A2が、O−C(X4)=CHである請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項15】
式(I)において、A1−A2が、CH=C(X4)−Oである請求項2記載の植物病害防除剤。
【請求項16】
式(I)において、X4が、水素原子である請求項14又は15いずれか一項記載の植物病害防除剤。
【請求項17】
式(I)において、X4が、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である請求項14又は15記載の植物病害防除剤。
【請求項18】
式(I−1)

〔式中、
Wは窒素原子又はCH基を表し、
1は水素原子又はC1−C4アルキル基を表し、
3は各々、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基又はシアノ基を表し、
Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、
nは、0〜3の整数のいずれかを表し、
1−A2は、
1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24、E6−E7−E8−E9、E25=E26−E27=E28又はE10−E11−E12−E13−E14を表す。
〔但し、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E12、E13及びE14は、独立してCX12、NX3、酸素原子又は硫黄原子を表し、
21、E22、E23、E24、E25、E26、E27及びE28は、独立してCX4又は窒素原子を表し、
1、X2、X3及びX4は独立して、下記群〔a−2〕から選ばれるいずれかの基を表す。
群〔a−2〕
水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、G10、G11O、G12S、G13S(O)、G14S(O)2、G15NH、G1617N、G18C(O)、G19OC(O)、G20NHC(O)、G2122NC(O)、G23C(O)O、G24OC(O)O、G25NHC(O)O、G2627NC(O)O、G28C(O)NH、G29OC(O)NH、G30NHC(O)NH、G3132NC(O)NH、及び、G33S(O)2O;
〔但し、G10は下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルケニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表し、
11、G12、G13、G14、G15、G16、G17、G18、G19、G20、G21、G22、G23、G24、G25、G26、G27、G28、G29、G30、G31、G32及びG33は独立して、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C6アルケニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC2−C6アルキニル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいC3−C8シクロアルキル基、下記群〔b−2〕より選ばれる1種以上の基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
群〔b−2〕
ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルキル基、及び、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C4アルコキシ基;
〕〕
で示されるアミド化合物。
【請求項19】
1が水素原子であり、Zが酸素原子であり、R3がハロゲン原子である請求項18記載のアミド化合物。
【請求項20】
1−A2が、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基により1以上置換されていてもよい5〜8員環である請求項18記載のアミド化合物。
【請求項21】
1−A2が、A1及びA2の各々が結合するベンゼン環構造を形成する2つの炭素原子と一緒になり、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる少なくとも1種の原子が環を構成する複素原子として含有されていてもよく、且つ、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基により1以上置換されていてもよい5〜8員環である請求項18記載のアミド化合物。
【請求項22】
1−A2が、E1−E2−E3、E21=E22−E4、E5−E23=E24又はE6−E7−E8−E9であり、E1、E2、E3の少なくと1つがCX12であり、E6、E7、E8、E9の少なくと2つがCX12である請求項18記載のアミド化合物。
【請求項23】
1−A2が、O−C(X1)(X2)−Oである請求項18記載のアミド化合物。
【請求項24】
1−A2が、O−C(X1)(X2)−CH2である請求項18記載のアミド化合物。
【請求項25】
1−A2が、CH2−C(X1)(X2)−Oである請求項18記載のアミド化合物。
【請求項26】
1が、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である請求項23〜25いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項27】
1が、水素原子である請求項23〜25いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項28】
2が、水素原子である請求項23〜27いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項29】
1及びX2が、水素原子である請求項23〜25いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項30】
1−A2が、O−C(X4)=CHである請求項18記載のアミド化合物。
【請求項31】
1−A2が、CH=C(X4)−Oである請求項18記載のアミド化合物。
【請求項32】
4が、水素原子である請求項30又は31いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項33】
4が、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1−C6アルキル基又はハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基である請求項30又は31記載のアミド化合物。
【請求項34】
Wが、CH基である請求項18〜33いずれか一項記載のアミド化合物。
【請求項35】
請求項1〜17いずれか一項記載の式(I)で示されるアミド化合物の有効量を植物又は土壌に施用する工程を有してなる植物病害の防除方法。
【請求項36】
植物又は土壌に施用して、植物病害を防除するための請求項1〜17いずれか一項記載の式(I)で示されるアミド化合物の使用。

【公開番号】特開2009−161511(P2009−161511A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239226(P2008−239226)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】