説明

植物粉末を含有したシ−ト状制振材及び自動車リサイクル法に伴うサ−マルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法

【構成】アスファルトを含有してなるアスファルト系のシ−ト状制振材において、当該制振材中に植物廃材を粉砕することにより得られた植物粉末であって含有水分が10%以下の植物粉末を1〜70重量%含有させてなる植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
【効果】大量に発生し、焼却処理を余儀なくされ、その為の大きなコストがかかっている植物由来の可燃廃棄物の有効利用を図ることができ、生の植物由来の可燃廃棄物を制振材へ配合できるようにし、シ−ト状制振材を軽くし、又、当該シ−ト状制振材の焼却残査を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物粉末を含有したシ−ト状制振材及び自動車リサイクル法に伴うサ−マルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公共の公園や道路街路樹など、管理されている植物については、定期的に剪定作業が必要となり、剪定された枝葉が可燃廃棄物として大量に発生する。
また、種子が風により運ばれて、場所を選ばずに発生、生長する所謂雑草類は、道路脇や中央分離帯など、交通の見通しを悪化させる虞れがあるため、定期的に除草する必要があり、除草された雑草類は、やはり可燃廃棄物として大量に発生する。
これらの植物由来の可燃廃棄物は、現在燃焼処理されており、そのための大きなコストがかかっている。
そこで、これらの大量に発生する植物由来の可燃廃棄物を減らすことができるリサイクル方法が求められている。
一方、使用済み自動車について「自動車リサイクル法」が施行され、「フロン類」、「エアバッグ類」及び使用済自動車から有用資源を回収した後に残る大量の「シュレッダーダスト」(破砕時に残るプラスチックなどの「破砕くず」)の3つについて自動車メーカーにリサイクルが義務づけられた。
上記のリサイクル方法の一つに「サーマルリサイクル」がある。
当該サーマルリサイクルとは、廃棄物から熱エネルギーを回収して、焼却施設や近隣施設の冷暖房や温水、施設農業などの熱源として利用する方法や技術のことである。また、廃棄物から燃料を作ってエネルギーとして利用する固形燃料化(RDF)技術や油化技術なども含まれる。
化石燃料の燃焼に伴って排出される二酸化炭素の増加が、地球温暖化現象の主な要因となっている。廃棄物に含まれる資源は、出来るだけ再生利用に努めることが重要であるが、分別、資源化出来ないものについても適正な施設で焼却処理し、「もの」ではなく「熱」として我々の生活に役立てていくことが、化石燃料の消費と二酸化炭素の排出を抑制し、地球温暖化対策として有効であると考えられている。
こうした自動車のリサイクルに際し、自動車では各種の部位に制振材が使用されており、当該制振材を自動車の各部位から剥離することもできるが、人手や手間がかかるために、自動車から剥離されることなく、上記のようなシュレッダーダストとしてサーマルリサイクルされているのが現状である。しかし、自動車で使用されているアスファルト系のシ−ト状制振材には、炭酸カルシウムなどの無機質充填剤が多量に含有されており、当該シ−ト状制振材を重くしているだけではなく、サーマルリサイクルしようとした時に、その焼却残査(灰分)を多いものにしている。
又、当該シ−ト状制振材には、体質顔料が用いられ、当該シ−ト状制振材の軽量化の要請から軽量の体質顔料が用いられるようになってきているが、無機質充填剤の含有の場合と同様の問題を生じており、当該シ−ト状制振材を重くし、又、サーマルリサイクルによる焼却残査を多いものにしている。
本件出願人の一人は、先に、アスファルト系のシ−ト状制振材において、例えば、家具等の製造時に生じる木材の研磨粉であって特定の繊維径の木材の研磨粉を充填材成分として特定量配合すると、高温での制振性能を向上せしめ、施工時の施工面への密着性に優れていること等の知見を得て特許を取得した(特開平7−48556号公報、特許第3555971号)。
【特許文献1】特開平7−48556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記に鑑み、上記のように大量に発生し、焼却処理を余儀なくされ、その為の大きなコストがかかっている植物由来の可燃廃棄物の有効利用を図ることができる技術を提供することを目的とする。
又、本発明者らは、上記特許文献1の記載に習い、木材の研磨粉が制振材に配合可能である点に着目し、同様にして植物由来の可燃廃棄物を制振材の充填材として配合するという着想を得たのであるが、家具等の製造時に生じるような木材の研磨粉とは異なり、植物由来の可燃廃棄物の場合には、剪定された枝葉等から成り、生の植物であるため、そのままの制振材への配合は不可能であるので、植物由来の可燃廃棄物でもアスファルト系のシ−ト状制振材への利用を効果的に図れる技術を提供することを目的とする。
更に、本発明は、アスファルト系のシ−ト状制振材において、当該シ−ト状制振材を重くしているだけではなく、サーマルリサイクルする時に、その焼却残査を多いものにしている炭酸カルシウムなどの無機質充填剤や体質顔料に代えて又は併用して使用することができ、その結果、当該シ−ト状制振材を軽くし、又、当該シ−ト状制振材の焼却残査を軽減することができる技術を提供することを目的とする。
更に又、本発明は、こうした軽量化や焼却残査の軽減を果たす上において、制振材としての性能の低下がないような技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的や新規な特徴については本件明細書全体の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1)アスファルトを含有してなるアスファルト系のシ−ト状制振材において、当該制振材中に植物廃材を粉砕することにより得られた植物粉末であって含有水分が10%以下の植物粉末を1〜70重量%含有させてなることを特徴とする植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
(請求項2)植物廃材が、植物由来の可燃廃棄物であって、公園等での剪定枝葉又は道路脇等における除草された雑草類であることを特徴とする、請求項1に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
(請求項3)植物粉末が、含有水分が10%以下となるように、植物由来の可燃廃棄物を破砕機及び粉砕機で粉末化し、且つ、当該植物由来の可燃廃棄物中の含有水分を除去してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
(請求項4)請求項1、2又は3に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材を自動車の制振材として使用後に、当該制振材を自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにより焼却処理をする際に、当該制振材の焼却温度の範囲を550〜1600℃として焼却残査の低減を図ったことを特徴とする自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法。
(請求項5)請求項1、2又は3に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材が、自動車の制振材の一部であることを特徴とする、請求項4に記載の自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、大量に発生し、燃焼処理を余儀なくされ、その為の大きなコストがかかっている植物由来の可燃廃棄物の有効利用を図ることができる。
又、本発明によれば、上記の有効利用に際し、特定含有水分の植物粉末を特定量含有させるなどによりアスファルト系のシ−ト状制振材への利用を効果的に図ることができる。
更に、本発明によれば、アスファルト系のシ−ト状制振材において、当該シ−ト状制振材を重くしているだけではなく、サーマルリサイクルに際し、その焼却残査を多いものにしている炭酸カルシウムなどの無機質充填剤や体質顔料を使用しなくて済むので、当該シ−ト状制振材を軽くし、又、サーマルリサイクル時の当該シ−ト状制振材の焼却残査を軽減することができる。
更に又、本発明によれば、こうした軽量化や焼却残査の軽減を果たす上において、制振材としての性能の低下がない技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明で使用される植物粉末を構成する植物廃材とは、例えば、植物由来の可燃廃棄物であって、ここに、植物とは、草や木など、根が生えて固定的な生活をしているような生物をいう。動物と対立する生物区分であり、草木・藻・菌類などが該当する。例えば、維管束植物(種子植物・シダ植物)・コケ植物・藻類などが例示でき、その他、菌類・細菌類、原生生物の一部も含まれる。
具体的には、公園等での剪定枝葉又は道路脇等における除草された雑草類が例示できる。前者としては、特に限定されるものはなく、公園や街路樹において管理上努定される樹木や、林業において伐採される樹木が使用できる。これらの樹木としては、常緑針葉樹、落葉針葉樹、常緑広葉樹、落葉広葉樹を挙げることができる。後者は、道路脇に生長するため、交通の安全確保のために除草される雑草類を使用することができる。これらの雑草類としては、イガガヤッリ(カヤツリグサ科)、イヌビエ(イネ科)、セイタカアワダチソウ(キク科)、クズ(マメ科)等を挙げることができる。
【0007】
当該植物は、制振材に混入するために、粉状に加工される。植物廃材を粉砕することにより植物粉末を得るが、当該粉砕は、例えば、粗破砕(剪断破砕)、中破砕(打撃破砕)、次いで、微粉砕により行われる。破砕には、カツタ−などの裁断機で大まかに切断しておき、次いで、高速回転刃を有する破砕機などを使用して行うことができる。微粉砕は、衝撃や摩砕等の手段により行うことができる。
微粉砕後に、バグフイルタや篩機を使用して微粉末を収集して分級することができる。
本発明で使用される植物粉末は、植物廃材を粉砕することにより得られたもので、前記の家具等の製造時に生じる木材の研磨粉とは異なるが、重複する場合には、当該木材の研磨粉は除かれる。
【0008】
本発明において、植物廃材の利用に際して、当該植物廃材は、水分を多量に含んでいるため、そのままで使用すると制振材を自動車の施工面に加熱融着する際に膨れを発生させる原因となるため、除去する必要がある。
乾燥させて水分を蒸発させればよく、乾燥させるためには、従来公知のガス式乾燥機、電気式乾燥機等が使用できる。当該乾燥は、粉砕後の植物粉末に対して行ってもよい。
特に、ガス式乾燥機等を使用して強制乾燥させなくても、公園等での剪定枝葉又は道路脇等における除草された雑草類等の植物廃材を積層しておくことにより水分が蒸発する場合もあり、こうした場合には、当該強制乾燥手段を省略できる。又、粉砕工程にて、水分は蒸発させることができるので、当該強制乾燥をその場合も省略できる。
【0009】
植物粉末におけるその含有水分は、10%以下とする必要がある。含有水分が10%を超える場合には、上記のように、制振材を自動車の施工面に加熱融着させる際に、残留水分の蒸発によって制振材が膨れる等の問題を生じる虞れがある。
【0010】
本発明において植物粉末の制振材中の含有量は、1〜70重量%好ましくは15〜50重量%である。植物粉末の含有量が、1重量%未満では、所望の効果が得難く、70重量%を超えると、後述の比較例にも示すように、自動車の施工面に対する密着性能や焼付外観や制振性能などにおいて問題を生じる。
【0011】
本発明におけるアスファルト系のシ−ト状制振材は、上記の植物粉末とアスファルトとを基本成分として含有してなる。
アスファルトは、制振材のバインダー成分となる。ストレートアスファルト及び/又はブロンアスファルト等のアスファルトが使用できる。当該アスファルトは、上記の植物粉末との関係から適宜良を選択でき、例えば10〜60重量%を配合することができる。制振材のバインダー成分としては、その他、合成樹脂、合成ゴム等からなる加熱により溶融するバインダー成分を必要に応じて適宜量を配合することができる。又、その他、必要に応じて、増粘剤、消泡剤や造膜助剤等の添加剤を全量の10重量%以下配合することができる。
【0012】
本発明では、従来使用されている炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム等の充填材に代えて当該植物粉末を使用することができ、又、当該充填材の一部を当該植物粉末に置換して即ち当該植物粉末と当該充填材とを併用することもできる。充填材を併用する場合には、最大で充填材と植物粉末との合計に対して90重量%まで使用することができる。この場合には、当該植物粉末の使用量に比例して、制振材への軽量化効果、サーマルリサイクルにおける焼却残査の減量効果が大きくなるものである。
【0013】
本発明では、制振材を自動車の施工面に加熱融着する際に膨れを発生させることを防止する為に、フクレ防止剤を添加するとよい。当該フクレ防止剤としては、例えば、生石灰が例として挙げられる。当該フクレ防止剤の添加量は、2〜5重量%である。当該フクレ防止剤の添加量の添加量が2重量%未満では、膨れ防止効果がなく、一方、5重量%を超えて添加しても、その効果が飽和し又経済的ではない。
【0014】
本発明になる制振材を製造するには、上記の各種配合物をディゾルバ−、バンバリ−ミキサ−、プラネタリ−ミキサー、オ−プンニ−ダ−、真空ニ−ダ−等の従来公知の混合分散機によって分散混練して後、カレンダ−ロ−ル等の圧延機により所望の厚さのシ−ト状制振材となす。得られたシ−トを被制振面の形状に合わせてトリムする。必要に応じて裏面に感圧性接着剤を塗布して、離型紙を貼れば、傾斜面、垂直面にも適用できる。
【0015】
本発明になる植物粉末を含有したシ−ト状制振材を自動車の制振材として使用後に、当該制振材を自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにより焼却処理をする際に当該制振材の焼却温度の範囲を550〜1600℃とすると、当該制振材中の焼却残査の良好な低減化を図ることができる。
即ち、当該焼却温度が、550℃未満では、焼却残査の低減効果を図ることができないし、1600℃では、焼却残査も飛んでしまい溶融が起こり好ましくない。
当該植物粉末を含有したシ−ト状制振材は、制振材として自動車全体に使用することはできるが、自動車の制振材として各部位で異なった性能が要求される場合もあるので、他の制振材との併用も余儀なくされる。その場合でも、当該植物粉末を含有したシ−ト状制振材は、自動車全体に使用される制振材中の50重量%以上を使用するようにすることが好ましい。
前記のように、当該植物粉末を含有したシ−ト状制振材はそのサーマルリサイクルに際し、焼却残査の良好な低減化を図ることができし、又、自動車を軽量化できる等の優れた利点がある。
【0016】
(発明の実施の形態)
本発明の理解に供するため、以下に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1.
【0017】
実施例1.
アスファルト(ブローンアスファルト:ストレートアスファルト=1:1、昭和シェル石油(株)製)55重量%、マイカ繊維4重量%、生石灰5重量%及び草粉末36重量%からなる混合物を混練し、2.0mmに圧延加工して3kgの制振材となした。
上記の草粉末は、公園等での剪定枝葉及び道路脇等における除草された雑草類を、粗破砕(剪断破砕)、中破砕(打撃破砕)、微粉砕、収集・分級により得られたもので、その含有水分は、7%であった。
【0018】
実施例2.
アスファルト(ブローンアスファルト:ストレートアスファルト=1:1、昭和シェル石油(株)製)60重量%、マイカ繊維8重量%、生石灰4重量%、草粉末17重量%及び石油樹脂11重量%からなる混合物を混練し、2.0mmに圧延加工して3kgの制振材となした。
上記の草粉末は、実施例1で使用のものと同じである。
【0019】
比較例1.
アスファルト(ブローンアスファルト:ストレートアスファルト=1:1、昭和シェル石油(株)製)50重量%、マイカ繊維4重量%、炭酸カルシウム44重量%、生石灰2重量%からなる混合物を混練し、2.0mmに圧延加工して3kgの制振材となした。
【0020】
比較例2.
アスファルト(ブローンアスファルト:ストレートアスファルト=1:1、昭和シェル石油(株)製)29重量%及び草粉末71重量%からなる混合物を混練し、2.0mmに圧延加工して3kgの制振材となした。
上記の草粉末は、実施例1で使用のものと同じである。
【0021】
比較例3.
アスファルト(ブローンアスファルト:ストレートアスファルト=1:1、昭和シェル石油(株)製)55重量%、マイカ繊維4重量%、生石灰5重量%及び草粉末36重量%(但し、水分30%のもの)からなる混合物を混練し、2.0mmに圧延加工して3kgの制振材となした。
【0022】
制振効果の測定(試験方法)
共振法(日本音響材料協会出版「騒音対策ハンドブック」438頁参照)により20℃、40℃、60℃の各温度における損失係数ηを測定した。ηは値が大きいほど制振効果が高く、0.05以上であれば制振効果があるとされている。
その結果を、表1に示す。
【0023】
実施例1及び比較例1で得られたシ−ト状制振材を、自動車の制振材中の一部として用い、700℃・2時間の焼却を行い、比較例1のように炭酸カルシウムを使用した場合と本発明のように炭酸カルシウムを使用せず、植物粉末を使用した場合との当該制振材中の焼却残査(灰分)の量の測定を行った。尚、実施例1及び比較例1で得られたシ−ト状制振材は、それぞれ、自動車全体に使用される制振材中の使用量が60重量%となるようにした。
その結果を表1に示す。







【0024】
【表1】











【0025】
表1から、炭酸カルシウムを使用した場合に比較して焼却残査を87%も低減でき、制振材中の焼却残査の著しい低減を図ることができることが判る。
炭酸カルシウムを使用しなくて済み、炭酸カルシウムを使用した場合とほぼ同等の制振効果が得られ、植物粉末により炭酸カルシウムの使用を代替えできることが判る。
炭酸カルシウムを使用しなくて済むので、シ−ト状制振材の比重が小さくなり、軽量化できることが判る。
表1から、植物粉末の含有量が70重量%を超えると、自動車の施工面に対する密着性能や焼付外観や制振性能などにおいて問題を生じることが判る。
表1から、植物粉末におけるその含有水分が10%を超える場合には、同様に、制振材を自動車の施工面に加熱融着させる際に、残留水分の蒸発によって制振材が膨れ、自動車の施工面に対する密着性能や焼付外観や制振性能などにおいて問題を生じることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、自動車の他、建築関係、家電製品等にも適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトを含有してなるアスファルト系のシ−ト状制振材において、当該制振材中に植物廃材を粉砕することにより得られた植物粉末であって含有水分が10%以下の植物粉末を1〜70重量%含有させてなることを特徴とする植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
【請求項2】
植物廃材が、植物由来の可燃廃棄物であって、公園等での剪定枝葉又は道路脇等における除草された雑草類であることを特徴とする、請求項1に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
【請求項3】
植物粉末が、含有水分が10%以下となるように、植物由来の可燃廃棄物を破砕機及び粉砕機で粉末化し、且つ、当該植物由来の可燃廃棄物中の含有水分を除去してなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材を自動車の制振材として使用後に、当該制振材を自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにより焼却処理をする際に、当該制振材の焼却温度の範囲を550〜1600℃として焼却残査の低減を図ったことを特徴とする自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法。
【請求項5】
請求項1、2又は3に記載の植物粉末を含有したシ−ト状制振材が、自動車の制振材の一部であることを特徴とする、請求項4に記載の自動車リサイクル法に伴うサーマルリサイクルにおける使用制振材の焼却残査の低減方法。

【公開番号】特開2006−316096(P2006−316096A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137118(P2005−137118)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000232542)日本特殊塗料株式会社 (35)
【Fターム(参考)】