椎間円板の修復と再生、および、関節修復と再生のための基盤の作成
椎間円板の補修基盤と、関節補修基盤の製作および準備の方法を開示する。この方法論は、基礎となる骨に固定される脊椎骨間の基盤あるいは関節補修の基盤(例えば、骨軟骨の基盤)を生成するためのテンプレートとして、磁気共鳴画像あるいは磁気共鳴とコンピュータトモグラフィー画像の結合を利用する。円板の基盤の設計は、所望の構造を含む外側の線維輪と、設計された微細構造体あるいは含まれるヒドロゲルを有する中央の髄核領域とを含む。骨軟骨の基盤は、軟骨区域と接合する骨区域を有する。骨区域は、固定部品を介して骨の切欠部と接合する。異なる微細構造体の設計が、骨と軟骨の区域が所望の機械的特性および質量移送特性を表すように、生成される。基盤は、基盤内の弾性および浸透性の特性の分布を制御する微細構造体を有するように設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物材料による基盤、特に、椎間円板の修復、及び/又は、再生の生物材料による基盤、そして、関節継手部の修復、及び/又は、再生の生物材料による基盤に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許申請2003/0069718および対応する米国特許US7,174,282において、組織製造の生物材料による基盤が3つの基本機能を実行することが記載されている。1つは、組織欠陥において、一時的機能(剛性、強さ、拡散性、浸透性)を提供する。2つ目は、結合された組織の生物因子分配、細胞移動及び再生を改善するため、十分に結合される多孔性を提供する。3つ目は、解剖組織的形状に組織の再生を導くことである。1つ目の二つの機能は相反する設計的要求を含むことに注意すること。特に、細胞移動と組織再生を改善するために結合される多孔性を大きくすることが、機械的剛性と強さを低下させ、逆に、多孔性を減らすことが、機械的剛性と強さを増大させるが、細胞移動と組織再生とを妨げる。
【0003】
米国特許申請2003/0069718は、機械的剛性と強さの要求と、細胞移動と組織再生のため結合多孔性の要求とを満たす内側多孔性構造を有する生物材料基盤を生成する設計方法を提供している。米国特許申請2003/0069718の設計方法は、材料の微細構造体における有効な物理的特性の依存性を計算するための均一化理論に孔構造の画像ベースの設計を結合させている。最適化手法が、最適孔構造を計算するために使用される。最終最適化された基盤の幾何的なボクセル・トポロジーが、磁気共鳴(MR)画像あるいはMRおよびコンピュータトモグラフィー(CT)の組み合わせの画像によって得られる3次元解剖的基盤形状を記述するボクセルデータと組み合わされている。解剖学的基盤のボクセルデータベース内の密度ばらつきが、異なる最適化された基盤のボクセルトポロジーが構成されたところを導くための地図として使用される。最適化された内部構造を有する解剖学的形状の基盤の3つ目のボクセルの表現が、ソフトウェアによって表面の表現あるいは固体自由形状構造あるいは鋳造による基盤の構造をワイヤーフレームの表現に自動的に変換される。
【0004】
米国特許申請2003/0069718の展開は、組織工学の生物材料の基盤の設計を顕著に改善するが、もっと最適化された生物材料の基盤と組織生成システムを提供する技術のさらなる発展が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、限定されないが、脛骨プラトー、基部の大腿の頭部、寛骨臼、上腕骨の頭部の骨軟骨の基盤/組織修復システム、そして脊椎骨間の脊椎円板の修復、再生を含む骨/軟骨の複合体の修復のための工学、基盤前処理、組織生成システムの方法を提供する。この方法論は、隣接する脊椎骨本体内への基盤化あるいは下の骨への固定を伴う骨軟骨の基盤の固定と同様に、脊椎骨の基盤を生成するためのテンプレートとして、磁気共鳴画像あるいは磁気共鳴とコンピュータトモグラフィーの組み合わせの画像を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
円板の基盤の設計は、必要とされる多孔質構造体と、設計された多孔質微細構造体あるいは含まれたヒドロゲルあるいは他の生物活性作用物質を含むことができる中央髄核領域とを含む外側の環帯を有する。外科的処置のための設備も備える。基盤は、脊椎骨間の区域内の弾性と浸透性の特性分布を制御するよう設計された微細構造体を備える。
【0007】
骨軟骨基盤は、軟骨区域を有する骨区域接合面を有する。骨区域は、ペグとネジのような固定部品を介し、骨の切欠部を有する接合を成す。異なる微細構造体が、必要とされる機械的、質量移送特性を表すように、骨と軟骨区域に設計、形成される。
【0008】
本発明の方法の展開として、擬似の脊椎骨が、円板内の種になり/移動される細胞に直接栄養分を供給することが可能で、生まれつきの組織を再成長させることができる円板構造を形成することが可能となるように、微細構造体を設計できる。これは、合成材料が磨耗、疲労不良を主題とし、人工的円板を越える可能性を提供する。新しい円板の再成長は、与えられた負荷に対応し再モデル化することができ、合成材料の磨耗、形状問題を主題にする生まれつきの組織を提供する。さらに、基盤が提供できない椎間円板を組織工学的に扱うために設計された基盤と浸透性と介し、必要な負荷受けを提供する。さらに、もし設計された基盤が融合のために使用されるならば、現在の本体間の融合技術のために必要とされるいくつかのあるいは全てのハードウェアーの必要性を除去できる可能性を、負荷受けが有する。
【0009】
骨軟骨基盤のため、分割された骨/軟骨接合面を設計できること、より重要には、望まれる有効な機械、質量移送特性を有するようこの骨と軟骨の区域を設計することができることである。さらに、骨軟骨基盤が、周囲の組織との接合面あるいは、外科的な固定のための接合面を仮想的に有することができる。
【0010】
全体結合の接合面のため、所望の接合面の弾性特性を与える設計された微細構造体接合面を超えるよう制御できること、および、幾何的厚さを制御できること、が含まれる。
【0011】
本発明のひとつの範囲において、患者の組織を生成するための組織生成基盤を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組が、基盤の複数の多孔質の微細構造体を画像ベースのフォーマットで表現するために生成される。第2のデータベースは、生体内の生まれつきの組織を置き換えるのに必要な外側形状を基盤に与えるよう、画像ベースのフォーマットで生成される。第3のデータベースは、基盤に固定構造を現すように生成される。そして、所望の微細構造体を表す第1のデータベースの組と、第2のデータベースと、第3のデータベースとが、基盤の画像ベースに組み合される。画像ベースの設計形状は、面の表現あるいは、ワイヤーフレームの表現のような構造的形状に変換される。
【0012】
1つの形として、基盤の外部固定構造が、多孔質になるよう設計され、基盤から離れるように延びる少なくとも1つの突起を含むように設計される。例えば、突起は、ペグ、スパイクあるいは板である。この突起は、ネジおよび/あるいはスルーホールから選択される固定手段を備えるよう設計することが可能である。1つの実施例として、基盤が椎間円板の修復のために設計される。別の実施例において、基盤が関節継手部修復のために設計される。さらに別の実施例では、基盤が、全継手部交換部のために設計される。
【0013】
基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を含むように設計することができ、医療画像装置を介し、改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングを、その少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を含むように設計することができ、X線透視装置を介し、改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングを少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過性の材料の領域を有するように設計することができ、その領域が、医療画像装置を介し画像ウインドウを通り改善された画像のため画像ウインドウを形成する。基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を有するよう設計することができ、移殖中に位置調整するための少なくとも1つのマーキングを、その少なくとも1つの突起に設けることができる。
【0014】
本発明の他の範囲として、椎間円板基盤を設計する方法を提供するものである。この方法において、第1のデータベースの組が、画像ベースのフォーマットに、基盤のための複数の多孔質の微細構造体の設計を表すように形成される。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで、患者内の生まれつきの円板を置き換えるよう求められた基盤の外部形状を現すように生成される。それから、所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組が、基盤の画像ベースの設計に第2のデータベースに組み合わされる。画像ベース設計は、組立形状に変換することができる。第2のデータベースは、基盤により占められた脊椎骨の空間を表すことができる。
【0015】
1つの形として、基盤の画像ベースの設計形状が、第1の設計された多孔質の微細構造体を有する外側の環帯を有するように設計され、第2の設計された微細構造体を有する中央領域を有するように設計することができる。他の形として、基盤の画像ベースの設計形状が、第1の設計された多孔質の微細構造体を有する外側の環帯を有するように設計し、生物的に適合性のある材料を含むよう設計された中央領域を有するように設計することができる。微細構造体の設計の少なくとも1つが、波状の繊維の設計である。ひとつの形として、基盤の画像ベースの設計形状が、球形、あるいは、楕円形の多孔質部を有するように設計することが可能である。
【0016】
基盤は、基盤から離れる方向に延びる板、ペグあるいはスパイクのような少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、医療画像装置を介し改良された画像を提供するトレーサーを備えた少なくとも1つのマーキングを、少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤は、基盤から離れる方向に延びる、少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも一つのX線不透過性のマーキングを、少なくとも一つの突起に設けることができる。基盤は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、移殖中に調整するための少なくとも1つのマーキングが、少なくとも一つの突起に設けることができる。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過性の材料の領域を有するように設計することができ、その領域が、医療画像装置を介し、画像ウインドウを通る改善された画像のための画像ウインドウを形成する。
【0017】
本発明のさらに他の範囲において、患者の生まれつきの組織を交換するための骨軟骨基盤を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組が、画像ベースのフォーマットで基盤に対する複数の多孔質の微細構造体の設計を表すように、生成される。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで患者の生まれつきの組織を置き換えるよう望まれる基盤の外側の形状を現すように、生成される。所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組が、第2のデータベースを基盤の画像ベースの設計に組み合わされ、この基盤は、第1の物理的あるいは生物化学的な特性を有するように設計された骨領域、および、第2の物理的あるいは生物化学的な特性を有するように設計された軟骨部を備える。微細構造体の設計の少なくとも1つは、波状の繊維の設計である。骨領域は、軟骨領域の多孔質構造と異なる多孔質構造を有するように設計することが可能である。軟骨領域は、球形あるいは楕円形の多孔質を有するように設計することが可能である。骨領域は、軟骨領域よりも、より多くの質量を移送することが可能なように、設計される。
【0018】
第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、機械的な特性(弾性のような)でよく、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、機械的な特性(弾性のような)でよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、質量移送特性(浸透性のような)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、質量移送特性(浸透性のような)でいい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいい。
【0019】
1つの実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、骨伝導ミネラルを用い骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。他の実施例では、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらに別の実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウムおよび、それらの混合物をから選択された材料を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらなる実施例として、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、複数の分割されたミネラル小区分を有する軟骨のミネラルで、骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現することができる。また別の実施例では、第1の物理的または生化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングし、そのミネラルの皮膜に生物活性作用物質を協働させることにより、実現することができる。この生物活性作用物質は、骨の形態形成タンパク質から選択することができる。
【0020】
本発明のさらなる別の範囲において、患者のための関節交換部を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組は、画像ベースのフォーマットで関節交換部のための多孔質の微細構造体の複数の設計を表すように生成されている。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで関節交換部の外側形状を表すように、生成されている。所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組は、第1の物理的あるいは生物化学的特性を有するよう設計された骨領域と、第2の物理的あるいは生物化学的特性を有するように設計された表面領域とを備える関節交換部の画像ベース設計に、第2のデータベースが組み込まれている。微細構造体の設計の少なくとも1つは、波状の繊維の設計である。骨領域は、表面領域の多孔質構造と異なる多孔質構造を有するように設計することができる。表面構造は、球形あるいは楕円形の多孔質を有するように設計することができる。骨領域は、軟骨領域より大きい質量を移送するように設計することができる。
【0021】
第1の物理的あるいは生物化学的特性は、機械的特性(弾性のような)でもいいし、第2の物理的あるいは生物化学的特性は、機械的特性(弾性のような)でもよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、質量移送特性(浸透性のような)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、質量移送特性(浸透性のような)でよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でもよい。
【0022】
1つの実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。他の実施例では、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらに別の実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウム、および、それらの混合物から選択された材料を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらなる実施例として、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルで、骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現することができる。また別の実施例では、第1の物理的または生化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングし、そのミネラルの皮膜に生物活性作用物質を協働させることにより、実現することができる。この生物活性作用物質は、骨の形態形成タンパク質から選択することができる。
【0023】
本発明のさらに別の範囲では、椎間円板の修復および又は基盤の再生が提供される。基盤は、その中央コアに第1の多孔質微細構造体を有する、生まれつきの椎間円板の髄核にほぼ似せた形状の中央コアと備えている。基盤は、さらに、生まれつきの椎間円板の繊維輪に似せた形状の外側の環帯を備え、外側の環帯は、中央コアに結合され囲んでおり、外側の環帯は、第2の多孔質微細構造体を有する。1つの実施例では、中央コアと外側の環帯は、異なる浸透性を有している。さらに別の実施例では、中央コアと外側の環帯は、異なる生物活性作用物質のリリース特性を有する。
【0024】
一つの形として、中央コアが、生物的に適合性のある材料を有する。他の形として、中央コアが、ヒドロゲルを有する。さらに、別の形として、中央コアが、生物活性作用物質を有する。1つの実施例では、生物活性作用物質は、骨膜から未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、脈管形成阻害物質、および、その混合物から選択される。中心コアは、波状の繊維を備える。
【0025】
基盤は、生分解性ポリマー、生分解性セラミックス、非生分解性金属、非生分解性金属合金、あるいは、その混合物から形成される。基盤は、医療画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングを備える。基盤は、X線透視装置を介し、改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過マーキングを備える。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過材料の領域を有し、その領域は、医療画像装置を介し、画像ウインドウを通し改善された画像のためのその画像ウインドウを形成する。基盤は、移殖の間、調整のための少なくとも1つのマーキングを備える。
【0026】
1つの実施例において、骨伝導ミネラルの皮膜が、基盤の少なくとも一部に施されている。骨伝導ミネラル皮膜は、複数の分離されたミネラル小区分を備える。代替として、骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均一なミネラル皮膜であってもよい。骨伝導ミネラル皮膜は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウム、および、それらの混合物を有する。生物活性作用物質は、ミネラル皮膜に協働させることができる。例えば、生物活性作用物質は、形態生成プロテインである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】内側のリングが、異種の微細構造体をマッピングするよう異なる密度領域を表す、椎間円板の外側の形状設計のデータの組からのスライスを示す図である。
【図2】(a)は、円筒状連続気孔を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。(b)は、トポロジー最適化された微細構造体を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。(c)は、波状の繊維の微細構造体を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。
【図3】正しい解剖学的形状における波状の繊維の微細構造体を有し、中央領域が生まれつきの椎間円板内の髄核の形状に似せてある、設計された脊椎骨間の基盤のスライスを示す図である。
【図4】円板再生の基盤における一体化された前大腿部の板部の固定の例の斜視図である。
【図5】(a)は、椎間円板の基盤の上部における突起が付けられた脊椎骨の接合面の例の斜視図である。(b)は、図5の椎間円板の基盤の底部における突起が付けられた脊椎骨の接合面の例の斜視図である。
【図6】脛骨のプラトーのための密度マップを示す概略図である。
【図7】所望の形状と微細構造体を有する最終の軟骨基盤の例を示す斜視図である。
【図8】脛骨全体内への、設計された軟骨の基盤の嵌合を示す斜視図である。
【図9】周囲の骨へのステムの固定のための接合面として設計された微小構造を有する股関節のステムを擬態するステムを示す斜視図である。
【図10】画像から加工された基盤への下顎骨の関節丘の基盤を製作する工程を示す概略図である。
【図11】設計された前大腿部の固定プレートおよびポリカプロラクトン(PCL)から加工された波状の繊維の微細構造体とを備える頚部の円板の再生基盤の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の記述において、図から図の同じあるいは似たような部品に、同様の番号を付すものとする。本発明による椎間円板の基盤は、(1)生分解性のポリマー(例えば、ポリカプロラクトン)、生分解性のセラミック(例えば、リン酸カルシウム)、あるいは、非生分解性の金属又は金属合金(例えば、チタン又はチタン合金)または、その混合物で形成された、設計された多孔質の微細構造体の基盤と、(2)隣接する脊椎骨に設計された脊椎骨間の基盤を一体化する固定構造と、を備える。ここで使用されているように、「生分解性」の材料は、元気のいい生理学的状態における通常の下で、新陳代謝あるいは排泄可能な成分に分解できることである。
【0029】
基盤は、基盤における任意の所望の位置で、生物活性物質が含まれる。 "生物活性物質"は、ここに使用されているように、これに制限しないが、身体において部分的にあるは全体的に作用する、生理学的あるいは薬理学的な活性物質が含まれている。生物活性物質は、疾病や病状の処置、予防、診断、治療あるいは緩和のため使用される物質であり、身体の構造あるいは機能に影響を与え、あるいは、所定の生理学的環境に配置された後、生物学的に活性化され、あるいは、より活性化される物質である。生物活性物質は、これに制限しないが、細胞、酵素、有機触媒、リボザイム、有機金属、タンパク質(例えば、骨形成タンパク質)、鉱物質除去骨基質、骨髄吸引液、骨膜からの未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、脈管形成阻害剤、糖タンパク質、ペプチド、ポリ酸、抗体、核酸、ステロイド分子、抗生物質、抗真菌性剤、サイトカイン、フィブリン、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、成長因子(例えば、形質転換成長因子や線維芽細胞成長因子)、炭水化物、スタチン、オレオフォビック物質、脂質、細胞外マトリックスおよび/またはその個々の成分、医薬品、および治療薬を含む。
【0030】
骨の成長に望まれる基盤の領域において、好ましい生物活性物質は、これに限定しないが、骨形成タンパク質(rhBMP-2、BMP-2、BMP-4、BMP-7、BMP-14のような)、鉱物質除去骨基質、骨髄吸引液、成長と発展の要因−5(GDF-5)、または多血小板血漿(PRP)を含む。軟骨あるいは線維組織の成長が望まれる基盤の領域では、好ましい生物活性物質として、これに限定しないが、骨膜から未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤(例えば、界面活性剤、ポリドカノール、モルイン酸ナトリウム)、脈管形成活性物質、脈管形成阻害物質がある。
【0031】
基盤を生成するための開始時点は、CT画像、MR画像、MR/CT結合画像あるいはデジタル化された死体の脊椎骨画像のいずれかである。結果として得られる画像は、外側の形状と、円板の基盤および固定のための設計スペースとを提供する。これらの画像は、ボクセルのデータ組内の密度分布として記憶される。さらに、画像からの組織の密度分布が、全体の設計スペース内で設計された微細構造体を配置するフラッグを与える。さらに、マッピングのフラッグとして使用される全体の密度分布は、全体のトポロジー最適化を使用するのに生成される。断面の椎間円板の画像20の全体の密度分布の例を図1に示す。そこにおいて、内側のリングは、異質性の微細構造体をマッピングするために異なる密度領域を示すものである。
【0032】
多孔質の微細構造体の設計は、米国特許申請2003/0069718に記載されている画像ベース設計方法を使用して形成されており、この米国特許申請は、全体として参照されていることにより協働している。米国特許申請2003/0069718に記載されている画像ベース設計方法を用いる本発明の基盤最適化を実行するステップは、以下のとおりである。ステップ1において、方法手順は、単位細胞ボクセルのデータベースを生成する。すなわち、基本細胞構造の組が、設計パラメータ全体に亘るボクセルフォーマット範囲に生成される。ステップ2において、この方法は、有効な物理的特性を計算する。すなわち、方法は、基盤の気孔内に成長していく基盤および組織の有効な物理特性を計算して、それぞれの単位細胞のため均一化を解決する。この方法は、細胞設計パラメータへの有効剛性、浸透性、および多孔性の機能的依存性を決定する。ステップ3において、この方法は、単位細胞の最適アルゴリズムを数式化し、解を求める。すなわち、この方法は、自然に生じる組織特性に、基盤および再生された組織特性の両方の最適組み合わせを見いだすための最適化課題の解を求める。この解は、単位細胞の構造に対し、最適設計パラメータを与える。ステップ4において、この方法は、解剖学的な形状のボクセルデータベースを生成する。すなわち、この方法は、異なる基盤構造を表す異なる密度を有する解剖学的な基盤形状のボクセルデータベースを生成する。ステップ5において、この方法は、解剖学的なデータベースおよび単位細胞構造のデータベースを組み合わせる。すなわち、この方法は、密度分布を有する解剖学的なデータベースを単位細胞のデータベースのそれぞれの組に組み合させる画像ベースのブール演算を用いる。ステップ6において、この方法は、表面あるいはワイヤーフレーム構造にボクセル設計を変換する。すなわち、この方法は、ボクセルフォーマットの得られた完全な基盤設計を、固体自由形状系に使用できる三角小面表現あるいはワイヤーフレーム表現のどちらかに、変換する。ステップ7において、この方法は、直接あるいは間接(キャスティング)の固体自由形状技術を用いて、生物的材料から設計された基盤を加工する。
【0033】
本発明において、栄養素の栄養の流れに沿って、生まれつきの人間の脊椎骨の円板と同様な負荷受け能力を提供するよう設計された、有効弾性および浸透性の特性の規定された不均質な分布を与えるために、基盤微細構造体は生成される。微細構造体の設計は、これに限定されないが、以下のようになる。(1)様々な直径を有する球形の孔の連続系、(2)様々な直径を有する直線のあるいは曲線の支柱の連続系、(3)トポロジー最適化された微細構造体、(4)波状線維構造。図2(a)は、連続円筒孔を有する基盤のために設計された微細構造体の1例を示す。図2(b)は、トポロジー最適化された微細構造体を有する基盤のため設計された微細構造体の1例を示す。図2(c)は、波状線維の微細構造体を有する基盤のため設計された微細構造体の1例を示す。
【0034】
微細構造体の設計において、米国特許申請2003/0069718のような画像ベースの方法は、目標の骨あるいは軟骨のヤング率に合わせるよう最適化された内部構造を設計するために使用することができる。特に、このヤング率は、海綿骨と椎間円板の範囲を取り、融合と円板の修復を目標としている:骨:30 - 200MPa、および、椎間円板:0.4 − 10MPa。
【0035】
この微細構造体は、基本的な単位細胞の設計ブロックを繰り返すことにより作成される。これらの単位細胞のブロックは、構造化されたボクセルデータセット内の密度分布として表現される。単位細胞の設計や全体形状のテンプレートの画像データベースが作成されると、米国特許申請2003/0069718に記載されているように、それらは、画像ブール演算を用いて組み合され、最終設計の多孔質の微細構造体の基盤を生成する。設計された椎間円板の修復および/又は再生基盤の試作が図3に示されている。図3は、正しい解剖学的な形の中に、波状の線維微細構造体32を有する設計された椎間円板の基盤30の断面を示している。中央領域34は、生まれつきの椎間円板間の髄核の形状を近似している。外側の領域36は、生まれつきの椎間円板の外側の線維輪の形状を近似している。
【0036】
基盤を生成する次のステップは、隣接する脊椎骨に基盤を形成する円板を取り付ける固定構造を生成することである。この固定構造は、微細構造体と全体設計のデータ組の同じ組み合わせを用いて、生成され、それは、骨の内方成長を可能とする多孔質である。この固定は、多くの形式がある。1つの固定の例は、基盤円板に直接に取り付けられた板である。この固定の例は、図4の基盤40に示される。
【0037】
図4において、波状の線維微細構造体32は、生まれつきの椎間円板のための正しい解剖学的な形状である。上部固定板45は、離れて配置されている固定孔46a、46bと上部中央U字型切欠部47とを有する。底部固定板51は、離れて配置されている固定孔52a、52bと底部中央逆U字型切欠部53とを有する。波状線維微細構造体32は、固定板45、51と一体化されている。椎間円板交換に使用されるとき、基盤40の波状の線維微細構造体32は、隣接する脊椎骨の間の椎間円板を取り除くことによって形成された脊椎骨間の空間内に位置付けされる。第1の上脊椎骨に対する前部の取り付けのため、固定部は、固定孔46a、46b内に挿入され、隣接する第2の下脊椎骨への前部の取り付けのため、固定部は、固定孔52a、52b内に挿入される。波状の線維微細構造体32の上部端面54は、第1の上脊椎骨の下面と接し、波状の線維微細構造体32の反対側の底部端面55は、第2の下脊椎骨の上面と接する。それにより、波状の線維微細構造体32は、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨の間に機械的負荷受け部を提供する。
【0038】
波状の線維微細構造体32の縦寸法は、様々な異なる脊椎骨間の距離に応じて調整することができる。同様に、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨に基盤40を固定するために、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨に隣接して、固定孔46a、46b、52a、52bを適切な位置に確保するように、固定板45、51の水平方向の長さおよびその空間的関係は、変化させることが可能である。波状の線維微細構造体32の寸法を変化させることにより、異なる寸法の基盤40が、外科医による選択のために、提供される。
【0039】
基盤40は、生体適合性の、生分解性(もし可能ならば)の、高分子材料、金属材料、セラミックス材料およびその混合物から選択された多孔質材料を有する。1つの実施例では、基盤40は、ポリカプロラクトン、生体適合性と生分解性ポリマーから形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(グリコール酸−乳酸)、ポリ(プロピレン−フマル酸エステル)、ポリ(カプロラクトン、フマル酸エステル)、ポリエチレングリコールのようなポリマー、および、ポリ(グリコリド- カプロラクト共重合体)は、基盤40を形成するために便利である。ここで、"生体適合性"材料は、激しいあるいは拡大する反応とは逆に、穏やかな、しばしば一時的な移殖反応を刺激するだけのものである。
【0040】
骨伝導ミネラル皮膜は、骨の成長が望まれる、基盤40の少なくとも1部に形成することができる。骨伝導ミネラル皮膜は、複数の分離されたミネラル小区分を有する、あるいは、ミネラル皮膜が、基盤40の全体の表面領域上に形成することができる。1つの例では、骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均質なミネラル皮膜で構成される。1つの例の実施例では、ミネラル皮膜が、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有のヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸非晶質カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウムなどのカルシウムやリン酸を含む任意の適切なコーティングするミネラルで構成される。ミネラル皮膜は、溶解度を制御する異なる溶解特性、運動学的、生物活性の送出特性を有する複数の異なる層を備える。生理的条件下では、リン酸カルシウム材料の溶解度は以下の通りである:非晶質リン酸カルシウム>リン酸2カルシウム>リン酸オクタカルシウム>リン酸3カルシウム>ヒドロキシアパタイト。このように、様々なリン酸カルシウムの複数の層は、広い範囲の溶解パターンを提供することができる。空白の層(すなわち、いかなる生物活性物質を含まないリン酸カルシウム層)の組み込むことにより、遅延放出を提供することができる。また、生物活性物質の異なる濃度を有する層の組み込みにより、様々なリリース速度を提供することができる。
【0041】
生物活性物質は、基盤40及び/又は基盤40のミネラルコートされた部分を形成するコートされていない生体適合性の材料に協働させることができる。生物活性物質の異なるリリース速度は、基盤40のコートされている領域と、コートされていない領域とから可能となる。上記の様々な生物活性物質は、基盤40と共に使用するのに適しており、1つの実施例では、生物活性物質が、骨形態発生プロテイン、脱塩化された骨マトリックス、骨髄吸引液、および、それらの混合物から選択される。骨形態発生プロテインは、成長する骨で優れているように示され、粉末の人間リコンビナントBMP−2は、商用の製品として入手可能である。脱塩化された骨マトリックスは、骨誘導プロテイン(例えば、骨形態発生プロテイン)を有し、粒状あるいは線維状の形で使用される。骨髄吸引液は、骨幹細胞を有し、前もって、患者の骨髄を、ニードルで採取しておくことができる。ここで、生物活性物質が、直接あるいは間接に、物理的あるいは化学的にポリマー及び/又は皮膜と接合されているならば、生物活性物質は、ポリマー及び/又は皮膜と協働させられる。生物活性物質は、落とし込み、埋め込み、あるいは、ポリマー内の生物活性物質を含むこと、及び又はコーティングした網構造により、物理的にポリマー及び又は皮膜と結合する。生物活性物質は、化学的反作用により、化学的にポリマー及び/又は皮膜と結合し、生物活性物質は、ポリマーあるいは皮膜と、共有原子的に、あるいは、イオン的に結合する。このように、ポリマー及び又は皮膜に生物活性物質を協働させる様々な方法が考えられる。
【0042】
生物活性物質は、所望の効果による骨化組織あるいは線維組織の成長を誘発する量が存在する。基盤40のコートされた及び又はコートされない領域の生物活性物質の量は、生物活性物質の性質、生物活性物質の骨誘導ポテンシャル及びキャリア材料の性質(例えば、基盤40を形成する生体適合性の材料あるいは基盤40の上のミネラル皮膜)を含む様々な因子に依存する。さらに、BMPの1−100ng/ml濃度は、骨形成を誘発し、例えば、本発明のBMPは10−50日の範囲の時間枠で、基盤40から分離される。従って、発明をこれに限定しないが、骨形態発生のプロテインの場合、材料の1cm立方当たり約10−5000ngの骨形態発生のプロテインの濃度が、隣接する骨あるいは隣接する骨の表面間の骨形成を誘発するために適切である。
【0043】
基盤40の様々な領域が、皮膜及び協働する生物活性物質を有することができる。例えば、反対側の脊椎骨に固定された板45、51は、連続した皮膜あるいは皮膜の分離部、および、皮膜と協働する生物活性物質でコートすることができる。基盤の内部空間が皮膜を含まず、線維組織の成長を促すように、異なる協働する生物活性物質を含むように、骨成長が誘発される。例に示すように、図4の板45、51は、連続のミネラル皮膜と、協働する生物活性物質とを含んでおり、隣接する脊椎骨に骨の固定が誘発される。波状の線維微細構造体32は、骨膜からの区別できない軟骨細胞の前駆物質細胞、骨髄からの間葉細胞の柱状細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、及び/又は、脈管形成妨害剤を含み、繊維状成長がこの領域で促進される。
【0044】
生物活性物質(例えば、骨形態発生プロテイン、軟骨細胞)は、椎間円板の空間に波状線維微細口座凹32を挿入する前の基盤40を形成する被覆しない生体適合性の材料及び/又はミネラルコートされた部分と協働する。例えば、骨形態発生プロテインは、製造サイトでリン酸カルシウムの皮膜に化学的に結合される(例えば、イオン結合、あるいは、共有結合)。あるいは、代替として、骨形態発生プロテインは、移植前、及び/又は、その後、外科医により、リン酸カルシウム皮膜に化学的に結合される。外科医は、粉末化された骨形態発生プロテインを無菌の水に溶いて、その溶かれた粉末化された骨形態発生プロテインを基盤40に供給する。同様に、軟骨細胞は、外科医により、あるいは、工場サイトで、波状の線維微細構造体32に接合される。
【0045】
代替として、第1の上脊椎骨と隣接の第2の下脊椎骨の固定は、図5(a)と5(b)に示すように、竜骨構造として形成される。図5(a)と5(b)の基盤60は、基盤60の上面62からの上部突起61と基盤60の底面からの底部突起63とを有する波状の線維微細構造体32aを備える。椎間円板補修に使用するとき、基盤60の波状の線維微細構造体32aは、隣接する脊椎骨の間の椎間円板を取り除くことにより形成される脊椎骨間の空間内に位置づけられる。上部突起61は、第1の上脊椎骨の底面への取り付けを補助し、底部突起63は、隣接する第2の下脊椎骨の上面への取り付けを補助する。
【0046】
固定構造、取り付け板構造、及び又は、竜骨構造は、実際の円板基盤と複合する多孔質のポリマー、セラミックおよび金属で構成される。最終の基盤の構造は、基盤構造画像設計データベースを有する固定構造画像設計データベースのブール演算交差によって生成される。最終の結果は、図4あるいは、図5(a)と5(b)に示すように、設計された多孔質の固定構造と複合を形成する多孔質の基盤構造となる。
【0047】
骨軟骨基盤に対し、同じ固定設計手順が用いられる。図6は、脛骨のプラトーについての密度マップ70であり、線71、72は、異質な微細構造体をマッピングするため、異なる密度領域を示している。この場合、波状の線維設計32を含むけれど限定されない、図2(a)、2(b)、2(c)の設計に似ている微細構造体が、骨軟骨基盤の機能的に勾配のある構造を生成するために使用されている。これらの設計は、固定ペグに沿って、所望の形状と微細構造体を有する基盤設計を生成するため、図6の密度マップ70に代用されている。図7は、所望の形状と微細構造体を有する最終の骨軟骨基盤80の例を示す。基盤80は、基盤80の底面84から下向きに延びる固定ペグ83を有する脛骨プラトー82が設けられている。脛骨プラトー82の領域は、軟骨成長を改善するため、球形あるいは楕円形の孔を有するように設計されている。脛骨プラトー82の領域は、また、軟骨成長を促進するためにペグ83よりも低い弾性率を有するように設計されている。脛骨86の脛骨プラトー85内の骨軟骨基盤80の最終固定は、図8に示される。
【0048】
基盤80は、高分子材料、金属材料、セラミックス材料およびその混合物から選択された、多孔質の生体適合性と生分解性の(可能ならば)多孔質材料で構成される。実施例では、基盤80は、ポリカプロラクトン、生体適合性で生分解性ポリマーから形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコイド、ポリ(ラクチド-グリコリド)、ポリ(プロピレン、フマル酸エステル)、ポリ(カプロラクトン、フマル酸エステル)、ポリエチレングリコール、ポリ(グリコリドーカプロラクトン共重合体)のような他のポリマーは、基盤80を形成するために有利である。
【0049】
骨伝導ミネラル皮膜は、骨成長が所望される基盤80の少なくとも部分に形成することができる。生物活性物質は、図7の基盤80のものが有利である。例えば、骨形態発生プロテインは、脛骨86への固定のため、基盤80の底面84のリン酸カルシウム皮膜と化学的に(イオン結合あるいは共有結合で)結合され、軟骨細胞が軟骨成長のために脛骨プラトー82に接合される。
【0050】
多孔質の骨軟骨基盤に使用することに加え、この設計された微細構造体は、より伝統的な全体関節交換部のための骨接合面としても使用される。この場合、所望の機械的、質量移送特性を有するように設計された多孔質の微細構造体は、関節交換部面を覆うように設計される。この結合部構造は、CT方法を用いてスキャンされ、設計された微細構造体は、ブール演算を用いて結合される。図9は、設計された皮膜微細構造体92と単純固体ステム90の組み合わせを示す。このステムは、周囲の骨へのステムの固定のための接合面として設計された微細構造体を有するヒップステムに似せている。
【0051】
新たな椎間円板を設計するため基盤を生成するほうが好ましいとき、構成材料は、構造の基盤のための分解可能なポリマーおよび設計された基盤内に分散させられているヒドロゲルの成分を含む。生物活性物質も、基盤に含まれている。分解可能なポリマーは、これに限定されないが、以下のものからの一つを含む:(1)ポリカプロラクトン、(2)ポリ乳酸、(3)ポリ乳酸―ポリグリコール酸コポリマー、(4)ポリプロピレン・フマル酸、(5)ポリ(グリセロール・セバシン酸)、そして(6)ポリオクタンジオールクエン酸。ヒドロゲルは、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)フィブリン ゲル、(2)ポリエチレン・グリコール(PEG)、(3)コラーゲン I ゲル、(4)コラーゲン/ヒアルロン酸ゲル。
【0052】
脊椎間融合装置を生成することが望ましいときは、上記の分解可能なポリマーに加えて、基盤の材料は、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)リン酸カルシウムセラミック、(2)リン酸カルシウムセラミック/ポリマー 複合材、(3)チタニウム。
【0053】
骨軟骨基盤の骨部のための材料は、ポリマー、セラミックあるいは金属を含む。これに限定されないが、ポリマーは以下のものを含む:(1)ポリカプロラクトン、(2)ポリ乳酸、(3)ポリ乳酸・ポリグリコール酸コポリマー、および(4)ポリプロピレン・フマル酸。これらのポリマーは、米国特許US6,767,928に記載されているような技術を用いて骨伝導を改善する生物鉱化作用を受けた面を含むよう形成された面である。さらに、セラミックおよび金属は、これに限定されないが、骨の部分を加工形成するために以下のものが使用される:(1)リン酸カルシウムセラミック、(2)リン酸カルシウムセラミック・ポリマー複合材、および、(3)チタニウム。骨軟骨基盤は、骨及び/又は軟骨部に生物活性物質を含む。
【0054】
設計された微細構造体の接合面で全関節交換部のために、関節交換部に使用される材料は、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)Ti6Al4Vのようなチタニウム合金、(2)コバルト、クローム、モリブデン合金、(3)ステンレス鋼。関節交換部は、生物活性物質も含む。
【0055】
本発明は、椎間円板の生物学的再生のために使用される。部分的あるいは全円板の機能を回復するためのこの試みは、現状の水準の組織形成手法による円板再生を含む。かかる手法を実行する一つの重要原理は、椎間円板(IVD)を形成し、髄核(NP)と似ている中央領域および線維輪(AF)に対する周囲領域で実質組織に対応して培養する、設計された基盤の2つの区別された解剖学的な領域を形成することである。しかし、この考え方は、2−3の研究において皮下的にテストされただけである。このアプローチが、元の位置で適用されるなら、全機能的な円板再生の成功を妨げる必然の重要なハードルがあることを想像できるであろう。全機能円板を形成する大きな問題は、細胞の生存である。円板細胞が、組織体積のほんの1−2%の細胞密度を有する血管を欠くものであることが知られている。IVD細胞、特にNP細胞は、球形の下の面の軟骨端板を介し拡散された栄養供給に大きく依存している。椎間板切除が実行されたとき、端板が露出させられ、基盤の挿入が、物理的接触がないため、その端板と干渉する。さらに、基盤と端板との干渉のため、新円板組織形成の間に完全に一体になることができなくなる。この状態は、拡散された栄養から離され死滅することにより、移殖された細胞を危険にさらし、その結果、多くの細胞が死滅し、全円板再生に失敗する。
【0056】
代替として、本発明は、円板交換部の均一化線維組織再生を提案する。医学的研究から始まって、椎体間融合のいくつかのケースは、固体の骨融合よりも非固体、線維結合を示す、無症候性の偽関節に発展している。この現象を説明する医者の意図は、線維組織形成の十分な量が脊椎骨間に生じており、円板の高さを維持するのに十分な剛性を提供し、神経の根を妨害しないで動く量を保存する。さらに、線維結合の形成により、本体重量からの接触応力が、新たな線維構成に均等に分布され、軸方向の椎間板起因の痛みの病因を低減する。
【0057】
基盤形成で既に記述されたアプローチを適用することにより、本発明は、手術後の至急の支持を提供するため同質の円板の組織特性を有する基盤を設計することができる。硬化物質が、繊維症および組織収縮のための傷跡を誘導することが証明されているので、本発明は、設計された構造内に新たな線維組織を閉じ込めるよう制御する方法で、線維組織結合を増やす物質を組み込んでいる。線維組織形成の利点を目的とするならば、治療に役立つプロテイン、成長因子、原細胞、及び、分子、化合物が、設計する基盤に含まれてもよい。形成の運搬体、あるいは、マイクロ球体は、円板交換部のための提案された、結合された線維組織再生を適用するための成分として、この発明に使用されてもいい。
【0058】
脊椎間の基盤の画像設計データ組が生成されると、stlファイルフォーマット(立体造型三角小面データ)の面表現に自動的に変換される。これは、直接あるいは間接方法を用い、固体自由形状加工(SFF)システムの任意の形式から脊椎間の基盤を形成することを可能とする。直接SFF方法は、これに限定されないが、以下の方法を含む:(1)選択レーザー焼結法(SLS)、(2)立体リソグラフィー(SLA)、(3)溶融堆積モデリング(FDM)、(4)選択レーザー溶融法(SLM)。一つの例である固体自由形状形成法は、米国特許申請2003/0074096に見いだすことができる。
【0059】
間接方法は、上記にリストされたような、生物学的な材料をSFFシステムで形成されたモールド内に鋳造することを元にしている。上記のSFFシステムに加えて、このモールドは、ワックスをプリントするシステムを含む、直接3D印刷システムで形成されてもいい。米国特許申請2003/0006534および米国特許US7,067,200に記述されている方法は、円板基盤を作成するために使用されている。
【0060】
本発明の方法論は、ユカタン・ミニ豚・モデルで、顎関節の補修のための基盤を形成するために導入されている。この設計手順は、ミニ豚のCTスキャンを取り、基盤を設計し加工する画像ベース技術を用い、基盤を外科的に移殖することを含んでいる。図10は、基盤を製造するための画像から下顎骨の関節丘設計のための手順のステップの例を示す。この基盤は、ネジ穴で示されるように、外科的固定を可能とする、周囲巻き付けの羽枝カラーを含む画像ベースの設計から特別に形成された特徴を有している。
【0061】
図10を参照し、球状ボイド構造の設計102は、画像ベースの設計の軟骨(表面)領域のために選択されている。直交支柱構造の設計104は、画像ベースの設計の骨の領域のために選択されている。微細構造体102、104は、米国特許申請2003・0069718に記述された画像ベースの方法を使用して作成される。得られたCTスキャン画像は、基盤110のための、関節丘シェルの解剖学的外側形状と設計空間を提供する。これらの画像は、ボクセルデータ組の中に密度分布として、記録される。この方法は、解剖学と構造のデータベースを組み合わせたものである(矢印112、113、114)。この方法は、面あるいはワイヤーフレーム形状にボクセル設計を変換する(矢印115)。この方法は、直接あるいは間接(鋳造)の固体自由形状技術を用いて生物学的材料から基盤を製造する。
【0062】
また、実際に機能する試作は、前部固定板を有する頸部円板設計と、設計された微細構造体で構成されている。図11の基盤120は、生まれつきの椎間円板の正しい解剖学的な形に、波状の繊維微細構造体32を有している。上部固定板125は、空間で離れた固定穴146a(2番目の穴は表示せず)と、上部中央U字形状切欠部147とを含む。底部固定板151は、空間で離れた固定穴152a,152bと、底部中央逆U字切欠部153とを含む。波状の繊維微細構造体32は、固定板125,151と一体化されている。椎間円板の修復に使用するとき、基盤120の波状の線維微細構造体32は、隣接する脊椎骨の間の椎間円板の除去によって形成された脊椎骨間空間内に位置付けされる。固定部品は、第1の上部脊椎骨への前部固定部のため、固定穴146a(第2の穴は、図示せず)に挿入され、この固定部品は、隣接する第2の下部脊椎骨への前部取り付けのため、固定穴152、152bに挿入される。波状の繊維微細構造体32の上端面154は、第1の上脊椎骨の下面と接し、波状の繊維微細構造体32の反対側の下端面155は、第2の脊椎骨の上面と接する。それにより、波状の繊維微細構造体32は、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨との間に機械的負荷の受け支持部を提供する。固定板125、151は、流体の組織障害と関連する問題を最小限にするように、基盤の内側空間に流体を入れるための導通穴を有する。必要に応じて、固定部品(例えば、固定ネジ)の戻りを防止するため、フラップ(図示せず)を、固定板125、151に設けることができる。1つの実施例で、固定ネジは、同じ生体適合性、生分解性の材料を使用して、骨伝導のミネラル皮膜と、この生分解性の材料及び/又は皮膜と関連する生物活性物質とを形成することができる。
【0063】
基盤120は、多孔質の生体適合性の、(もし必要があれば)生分解性の、ポリマー材料、金属材料、セラミック材料及びその混合物から選択された多孔質材料を有する。1つの実施例では、基盤120は、生体適合性で生分解性のポリマーであるポリカプロラクトンで形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド・グリコール酸)、ポリ(プロピレン・フマル酸)、ポリ(グリコール酸・フマル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(グリコール酸・カプロラクトン)のような、他のポリマーが、基盤120を形成するために有利な場合がある。
【0064】
図11の波状の繊維微細構造体32の垂直方向の寸法は、様々な異なる脊椎骨間の距離によって、調整することが可能である。同様に、固定板125、151の水平方向の寸法とその空間的な関係は、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨に対し、基盤120を固定するための、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨に隣接する固定穴146、(第2の穴は図示せず)152、152bの適切な位置を得るために、変化させることが可能である。波状の繊維微細構造体32と固定板125、151の寸法を変えることによって、外科医により選択のために、異なる寸法の基盤120を提供することができる。
【0065】
この円板の基盤120は、固定穴で示すように、外科的な固定を可能とする、固定板125、151を含む、画像ベースの設計から、特に形成された特徴を有する。円板の基盤120の様々な領域が、ミネラル皮膜および、それと関連する生物活性物質を備えることができる。たとえば、対向する脊椎骨に近くに配置された上下端に近い領域は、連続したあるいは分離した皮膜およびそれに関連する生物活性物質で、コートすることが可能であり、それで、骨成長が誘導され、椎間円板の内側の部屋は、線維組織の成長を促進するために、皮膜や、それに関連する生物活性物質を含まない。
【0066】
図11の円板の基盤120の配置は、医療用画像処理装置と技術(X線透視観察など)を使用して実施されるので 、医療用画像装置を介した改善された画像を提供するトレーサーを備える少なくとも1つのマーキングをさらに有する。たとえば、X線透視検査中の改善された画像のためX線不透過性の材料の制限を受けない例として、硫酸バリウム,タングステン、タンタル、ジルコニウム、プラチナ、金、銀、ステンレス鋼、チタン、それらの合金、および、その混合物がある。X線不透過性のマーキングは、円板の基盤の適切な位置決めを確認する補助として使用することができる。また、基盤120は、材料の無い領域、あるいは、X線透過性の材料の領域を有することができ、この領域は、医療用画像処理装置を介して画像ウインドウを通す改善された画像のため、画像ウインドウを形成する。
【0067】
したがって、本発明は、椎間円板の生まれつきの機能を模倣した、制御された弾性と浸透性の特性を有する椎間本体基盤を設計する方法を提供する。設計された浸透性は、与えられた細胞あるいは円板に移動する細胞の生存できるように、栄養が円板内に行き渡ることを可能とする。円板の基盤の浸透性は、通常の円板の浸透性の分布を模倣するように設計することが可能である。また、波状の繊維微細構造体によって、円板の基盤は、人間の椎間円板に似た非線形の挙動を示す。この可能性は、従来の人工の円板や、組織製造された円板あるいは脊椎融合アプローチでは、見られなかった。さらに、円板は、複合材料として製作することもできる。
【0068】
本発明は、関節の接合面の設計を使用する、骨軟骨の基盤の設計を行う方法を提供する。本発明は、接合面の効果的な機械的、質量移送特性を設計する機能と、これらの制御された微細構造体を形成する機能とを備える。また、本発明は、解剖学的な特徴に基づいて隣接する外科的固定を容易に形成する機能を備えている。
【0069】
また、本発明は、関節交換部の設計の方法を提供している。本発明は、関節を安定させ、隣接する骨の線維組織結合を促進し、隣接する骨の間の動きを可能にする方法及び装置を提供している。
【0070】
本発明は、特定の実施例を参照し、考えられる詳細について記述しているが、当業者には、図示され、記述された実施例以外に実現できるものであり、これに限定されない。特に、ここに記述された方法と装置は、他の骨の表面の間の線維結合を促進するために使用できる。したがって、付加された請求の範囲は、ここの実施例の説明に限定すべきではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物材料による基盤、特に、椎間円板の修復、及び/又は、再生の生物材料による基盤、そして、関節継手部の修復、及び/又は、再生の生物材料による基盤に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許申請2003/0069718および対応する米国特許US7,174,282において、組織製造の生物材料による基盤が3つの基本機能を実行することが記載されている。1つは、組織欠陥において、一時的機能(剛性、強さ、拡散性、浸透性)を提供する。2つ目は、結合された組織の生物因子分配、細胞移動及び再生を改善するため、十分に結合される多孔性を提供する。3つ目は、解剖組織的形状に組織の再生を導くことである。1つ目の二つの機能は相反する設計的要求を含むことに注意すること。特に、細胞移動と組織再生を改善するために結合される多孔性を大きくすることが、機械的剛性と強さを低下させ、逆に、多孔性を減らすことが、機械的剛性と強さを増大させるが、細胞移動と組織再生とを妨げる。
【0003】
米国特許申請2003/0069718は、機械的剛性と強さの要求と、細胞移動と組織再生のため結合多孔性の要求とを満たす内側多孔性構造を有する生物材料基盤を生成する設計方法を提供している。米国特許申請2003/0069718の設計方法は、材料の微細構造体における有効な物理的特性の依存性を計算するための均一化理論に孔構造の画像ベースの設計を結合させている。最適化手法が、最適孔構造を計算するために使用される。最終最適化された基盤の幾何的なボクセル・トポロジーが、磁気共鳴(MR)画像あるいはMRおよびコンピュータトモグラフィー(CT)の組み合わせの画像によって得られる3次元解剖的基盤形状を記述するボクセルデータと組み合わされている。解剖学的基盤のボクセルデータベース内の密度ばらつきが、異なる最適化された基盤のボクセルトポロジーが構成されたところを導くための地図として使用される。最適化された内部構造を有する解剖学的形状の基盤の3つ目のボクセルの表現が、ソフトウェアによって表面の表現あるいは固体自由形状構造あるいは鋳造による基盤の構造をワイヤーフレームの表現に自動的に変換される。
【0004】
米国特許申請2003/0069718の展開は、組織工学の生物材料の基盤の設計を顕著に改善するが、もっと最適化された生物材料の基盤と組織生成システムを提供する技術のさらなる発展が望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、限定されないが、脛骨プラトー、基部の大腿の頭部、寛骨臼、上腕骨の頭部の骨軟骨の基盤/組織修復システム、そして脊椎骨間の脊椎円板の修復、再生を含む骨/軟骨の複合体の修復のための工学、基盤前処理、組織生成システムの方法を提供する。この方法論は、隣接する脊椎骨本体内への基盤化あるいは下の骨への固定を伴う骨軟骨の基盤の固定と同様に、脊椎骨の基盤を生成するためのテンプレートとして、磁気共鳴画像あるいは磁気共鳴とコンピュータトモグラフィーの組み合わせの画像を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
円板の基盤の設計は、必要とされる多孔質構造体と、設計された多孔質微細構造体あるいは含まれたヒドロゲルあるいは他の生物活性作用物質を含むことができる中央髄核領域とを含む外側の環帯を有する。外科的処置のための設備も備える。基盤は、脊椎骨間の区域内の弾性と浸透性の特性分布を制御するよう設計された微細構造体を備える。
【0007】
骨軟骨基盤は、軟骨区域を有する骨区域接合面を有する。骨区域は、ペグとネジのような固定部品を介し、骨の切欠部を有する接合を成す。異なる微細構造体が、必要とされる機械的、質量移送特性を表すように、骨と軟骨区域に設計、形成される。
【0008】
本発明の方法の展開として、擬似の脊椎骨が、円板内の種になり/移動される細胞に直接栄養分を供給することが可能で、生まれつきの組織を再成長させることができる円板構造を形成することが可能となるように、微細構造体を設計できる。これは、合成材料が磨耗、疲労不良を主題とし、人工的円板を越える可能性を提供する。新しい円板の再成長は、与えられた負荷に対応し再モデル化することができ、合成材料の磨耗、形状問題を主題にする生まれつきの組織を提供する。さらに、基盤が提供できない椎間円板を組織工学的に扱うために設計された基盤と浸透性と介し、必要な負荷受けを提供する。さらに、もし設計された基盤が融合のために使用されるならば、現在の本体間の融合技術のために必要とされるいくつかのあるいは全てのハードウェアーの必要性を除去できる可能性を、負荷受けが有する。
【0009】
骨軟骨基盤のため、分割された骨/軟骨接合面を設計できること、より重要には、望まれる有効な機械、質量移送特性を有するようこの骨と軟骨の区域を設計することができることである。さらに、骨軟骨基盤が、周囲の組織との接合面あるいは、外科的な固定のための接合面を仮想的に有することができる。
【0010】
全体結合の接合面のため、所望の接合面の弾性特性を与える設計された微細構造体接合面を超えるよう制御できること、および、幾何的厚さを制御できること、が含まれる。
【0011】
本発明のひとつの範囲において、患者の組織を生成するための組織生成基盤を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組が、基盤の複数の多孔質の微細構造体を画像ベースのフォーマットで表現するために生成される。第2のデータベースは、生体内の生まれつきの組織を置き換えるのに必要な外側形状を基盤に与えるよう、画像ベースのフォーマットで生成される。第3のデータベースは、基盤に固定構造を現すように生成される。そして、所望の微細構造体を表す第1のデータベースの組と、第2のデータベースと、第3のデータベースとが、基盤の画像ベースに組み合される。画像ベースの設計形状は、面の表現あるいは、ワイヤーフレームの表現のような構造的形状に変換される。
【0012】
1つの形として、基盤の外部固定構造が、多孔質になるよう設計され、基盤から離れるように延びる少なくとも1つの突起を含むように設計される。例えば、突起は、ペグ、スパイクあるいは板である。この突起は、ネジおよび/あるいはスルーホールから選択される固定手段を備えるよう設計することが可能である。1つの実施例として、基盤が椎間円板の修復のために設計される。別の実施例において、基盤が関節継手部修復のために設計される。さらに別の実施例では、基盤が、全継手部交換部のために設計される。
【0013】
基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を含むように設計することができ、医療画像装置を介し、改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングを、その少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を含むように設計することができ、X線透視装置を介し、改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングを少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過性の材料の領域を有するように設計することができ、その領域が、医療画像装置を介し画像ウインドウを通り改善された画像のため画像ウインドウを形成する。基盤の外部固定構造は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を有するよう設計することができ、移殖中に位置調整するための少なくとも1つのマーキングを、その少なくとも1つの突起に設けることができる。
【0014】
本発明の他の範囲として、椎間円板基盤を設計する方法を提供するものである。この方法において、第1のデータベースの組が、画像ベースのフォーマットに、基盤のための複数の多孔質の微細構造体の設計を表すように形成される。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで、患者内の生まれつきの円板を置き換えるよう求められた基盤の外部形状を現すように生成される。それから、所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組が、基盤の画像ベースの設計に第2のデータベースに組み合わされる。画像ベース設計は、組立形状に変換することができる。第2のデータベースは、基盤により占められた脊椎骨の空間を表すことができる。
【0015】
1つの形として、基盤の画像ベースの設計形状が、第1の設計された多孔質の微細構造体を有する外側の環帯を有するように設計され、第2の設計された微細構造体を有する中央領域を有するように設計することができる。他の形として、基盤の画像ベースの設計形状が、第1の設計された多孔質の微細構造体を有する外側の環帯を有するように設計し、生物的に適合性のある材料を含むよう設計された中央領域を有するように設計することができる。微細構造体の設計の少なくとも1つが、波状の繊維の設計である。ひとつの形として、基盤の画像ベースの設計形状が、球形、あるいは、楕円形の多孔質部を有するように設計することが可能である。
【0016】
基盤は、基盤から離れる方向に延びる板、ペグあるいはスパイクのような少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、医療画像装置を介し改良された画像を提供するトレーサーを備えた少なくとも1つのマーキングを、少なくとも1つの突起に設けることができる。基盤は、基盤から離れる方向に延びる、少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも一つのX線不透過性のマーキングを、少なくとも一つの突起に設けることができる。基盤は、基盤から離れる方向に延びる少なくとも1つの突起を有するように設計することができ、移殖中に調整するための少なくとも1つのマーキングが、少なくとも一つの突起に設けることができる。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過性の材料の領域を有するように設計することができ、その領域が、医療画像装置を介し、画像ウインドウを通る改善された画像のための画像ウインドウを形成する。
【0017】
本発明のさらに他の範囲において、患者の生まれつきの組織を交換するための骨軟骨基盤を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組が、画像ベースのフォーマットで基盤に対する複数の多孔質の微細構造体の設計を表すように、生成される。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで患者の生まれつきの組織を置き換えるよう望まれる基盤の外側の形状を現すように、生成される。所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組が、第2のデータベースを基盤の画像ベースの設計に組み合わされ、この基盤は、第1の物理的あるいは生物化学的な特性を有するように設計された骨領域、および、第2の物理的あるいは生物化学的な特性を有するように設計された軟骨部を備える。微細構造体の設計の少なくとも1つは、波状の繊維の設計である。骨領域は、軟骨領域の多孔質構造と異なる多孔質構造を有するように設計することが可能である。軟骨領域は、球形あるいは楕円形の多孔質を有するように設計することが可能である。骨領域は、軟骨領域よりも、より多くの質量を移送することが可能なように、設計される。
【0018】
第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、機械的な特性(弾性のような)でよく、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、機械的な特性(弾性のような)でよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、質量移送特性(浸透性のような)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、質量移送特性(浸透性のような)でいい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいい。
【0019】
1つの実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、骨伝導ミネラルを用い骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。他の実施例では、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらに別の実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウムおよび、それらの混合物をから選択された材料を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらなる実施例として、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、複数の分割されたミネラル小区分を有する軟骨のミネラルで、骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現することができる。また別の実施例では、第1の物理的または生化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングし、そのミネラルの皮膜に生物活性作用物質を協働させることにより、実現することができる。この生物活性作用物質は、骨の形態形成タンパク質から選択することができる。
【0020】
本発明のさらなる別の範囲において、患者のための関節交換部を設計する方法を提供する。この方法において、第1のデータベースの組は、画像ベースのフォーマットで関節交換部のための多孔質の微細構造体の複数の設計を表すように生成されている。第2のデータベースが、画像ベースのフォーマットで関節交換部の外側形状を表すように、生成されている。所望の微細構造体の設計を表す第1のデータベースの組は、第1の物理的あるいは生物化学的特性を有するよう設計された骨領域と、第2の物理的あるいは生物化学的特性を有するように設計された表面領域とを備える関節交換部の画像ベース設計に、第2のデータベースが組み込まれている。微細構造体の設計の少なくとも1つは、波状の繊維の設計である。骨領域は、表面領域の多孔質構造と異なる多孔質構造を有するように設計することができる。表面構造は、球形あるいは楕円形の多孔質を有するように設計することができる。骨領域は、軟骨領域より大きい質量を移送するように設計することができる。
【0021】
第1の物理的あるいは生物化学的特性は、機械的特性(弾性のような)でもいいし、第2の物理的あるいは生物化学的特性は、機械的特性(弾性のような)でもよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、質量移送特性(浸透性のような)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、質量移送特性(浸透性のような)でよい。第1の物理的あるいは生物化学的な特性は、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でいいし、第2の物理的あるいは生物化学的な特性も、生物化学的な特性(生物活性作用物質の供給制御)でもよい。
【0022】
1つの実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。他の実施例では、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらに別の実施例において、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウム、および、それらの混合物から選択された材料を有する骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現される。さらなる実施例として、第1の物理的あるいは生物化学的特性は、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルで、骨領域の少なくとも一部をコーティングすることにより実現することができる。また別の実施例では、第1の物理的または生化学的特性は、骨伝導ミネラルで骨領域の少なくとも一部をコーティングし、そのミネラルの皮膜に生物活性作用物質を協働させることにより、実現することができる。この生物活性作用物質は、骨の形態形成タンパク質から選択することができる。
【0023】
本発明のさらに別の範囲では、椎間円板の修復および又は基盤の再生が提供される。基盤は、その中央コアに第1の多孔質微細構造体を有する、生まれつきの椎間円板の髄核にほぼ似せた形状の中央コアと備えている。基盤は、さらに、生まれつきの椎間円板の繊維輪に似せた形状の外側の環帯を備え、外側の環帯は、中央コアに結合され囲んでおり、外側の環帯は、第2の多孔質微細構造体を有する。1つの実施例では、中央コアと外側の環帯は、異なる浸透性を有している。さらに別の実施例では、中央コアと外側の環帯は、異なる生物活性作用物質のリリース特性を有する。
【0024】
一つの形として、中央コアが、生物的に適合性のある材料を有する。他の形として、中央コアが、ヒドロゲルを有する。さらに、別の形として、中央コアが、生物活性作用物質を有する。1つの実施例では、生物活性作用物質は、骨膜から未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、脈管形成阻害物質、および、その混合物から選択される。中心コアは、波状の繊維を備える。
【0025】
基盤は、生分解性ポリマー、生分解性セラミックス、非生分解性金属、非生分解性金属合金、あるいは、その混合物から形成される。基盤は、医療画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングを備える。基盤は、X線透視装置を介し、改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過マーキングを備える。基盤は、材料の無い領域あるいはX線透過材料の領域を有し、その領域は、医療画像装置を介し、画像ウインドウを通し改善された画像のためのその画像ウインドウを形成する。基盤は、移殖の間、調整のための少なくとも1つのマーキングを備える。
【0026】
1つの実施例において、骨伝導ミネラルの皮膜が、基盤の少なくとも一部に施されている。骨伝導ミネラル皮膜は、複数の分離されたミネラル小区分を備える。代替として、骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均一なミネラル皮膜であってもよい。骨伝導ミネラル皮膜は、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウム、および、それらの混合物を有する。生物活性作用物質は、ミネラル皮膜に協働させることができる。例えば、生物活性作用物質は、形態生成プロテインである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】内側のリングが、異種の微細構造体をマッピングするよう異なる密度領域を表す、椎間円板の外側の形状設計のデータの組からのスライスを示す図である。
【図2】(a)は、円筒状連続気孔を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。(b)は、トポロジー最適化された微細構造体を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。(c)は、波状の繊維の微細構造体を有する基盤形成のため設計された微細構造体の斜視図である。
【図3】正しい解剖学的形状における波状の繊維の微細構造体を有し、中央領域が生まれつきの椎間円板内の髄核の形状に似せてある、設計された脊椎骨間の基盤のスライスを示す図である。
【図4】円板再生の基盤における一体化された前大腿部の板部の固定の例の斜視図である。
【図5】(a)は、椎間円板の基盤の上部における突起が付けられた脊椎骨の接合面の例の斜視図である。(b)は、図5の椎間円板の基盤の底部における突起が付けられた脊椎骨の接合面の例の斜視図である。
【図6】脛骨のプラトーのための密度マップを示す概略図である。
【図7】所望の形状と微細構造体を有する最終の軟骨基盤の例を示す斜視図である。
【図8】脛骨全体内への、設計された軟骨の基盤の嵌合を示す斜視図である。
【図9】周囲の骨へのステムの固定のための接合面として設計された微小構造を有する股関節のステムを擬態するステムを示す斜視図である。
【図10】画像から加工された基盤への下顎骨の関節丘の基盤を製作する工程を示す概略図である。
【図11】設計された前大腿部の固定プレートおよびポリカプロラクトン(PCL)から加工された波状の繊維の微細構造体とを備える頚部の円板の再生基盤の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の記述において、図から図の同じあるいは似たような部品に、同様の番号を付すものとする。本発明による椎間円板の基盤は、(1)生分解性のポリマー(例えば、ポリカプロラクトン)、生分解性のセラミック(例えば、リン酸カルシウム)、あるいは、非生分解性の金属又は金属合金(例えば、チタン又はチタン合金)または、その混合物で形成された、設計された多孔質の微細構造体の基盤と、(2)隣接する脊椎骨に設計された脊椎骨間の基盤を一体化する固定構造と、を備える。ここで使用されているように、「生分解性」の材料は、元気のいい生理学的状態における通常の下で、新陳代謝あるいは排泄可能な成分に分解できることである。
【0029】
基盤は、基盤における任意の所望の位置で、生物活性物質が含まれる。 "生物活性物質"は、ここに使用されているように、これに制限しないが、身体において部分的にあるは全体的に作用する、生理学的あるいは薬理学的な活性物質が含まれている。生物活性物質は、疾病や病状の処置、予防、診断、治療あるいは緩和のため使用される物質であり、身体の構造あるいは機能に影響を与え、あるいは、所定の生理学的環境に配置された後、生物学的に活性化され、あるいは、より活性化される物質である。生物活性物質は、これに制限しないが、細胞、酵素、有機触媒、リボザイム、有機金属、タンパク質(例えば、骨形成タンパク質)、鉱物質除去骨基質、骨髄吸引液、骨膜からの未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、脈管形成阻害剤、糖タンパク質、ペプチド、ポリ酸、抗体、核酸、ステロイド分子、抗生物質、抗真菌性剤、サイトカイン、フィブリン、コラーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ヒアルロン酸、成長因子(例えば、形質転換成長因子や線維芽細胞成長因子)、炭水化物、スタチン、オレオフォビック物質、脂質、細胞外マトリックスおよび/またはその個々の成分、医薬品、および治療薬を含む。
【0030】
骨の成長に望まれる基盤の領域において、好ましい生物活性物質は、これに限定しないが、骨形成タンパク質(rhBMP-2、BMP-2、BMP-4、BMP-7、BMP-14のような)、鉱物質除去骨基質、骨髄吸引液、成長と発展の要因−5(GDF-5)、または多血小板血漿(PRP)を含む。軟骨あるいは線維組織の成長が望まれる基盤の領域では、好ましい生物活性物質として、これに限定しないが、骨膜から未分化の軟骨細胞の前駆細胞、骨髄からの間葉系幹細胞、軟骨細胞、硬化剤(例えば、界面活性剤、ポリドカノール、モルイン酸ナトリウム)、脈管形成活性物質、脈管形成阻害物質がある。
【0031】
基盤を生成するための開始時点は、CT画像、MR画像、MR/CT結合画像あるいはデジタル化された死体の脊椎骨画像のいずれかである。結果として得られる画像は、外側の形状と、円板の基盤および固定のための設計スペースとを提供する。これらの画像は、ボクセルのデータ組内の密度分布として記憶される。さらに、画像からの組織の密度分布が、全体の設計スペース内で設計された微細構造体を配置するフラッグを与える。さらに、マッピングのフラッグとして使用される全体の密度分布は、全体のトポロジー最適化を使用するのに生成される。断面の椎間円板の画像20の全体の密度分布の例を図1に示す。そこにおいて、内側のリングは、異質性の微細構造体をマッピングするために異なる密度領域を示すものである。
【0032】
多孔質の微細構造体の設計は、米国特許申請2003/0069718に記載されている画像ベース設計方法を使用して形成されており、この米国特許申請は、全体として参照されていることにより協働している。米国特許申請2003/0069718に記載されている画像ベース設計方法を用いる本発明の基盤最適化を実行するステップは、以下のとおりである。ステップ1において、方法手順は、単位細胞ボクセルのデータベースを生成する。すなわち、基本細胞構造の組が、設計パラメータ全体に亘るボクセルフォーマット範囲に生成される。ステップ2において、この方法は、有効な物理的特性を計算する。すなわち、方法は、基盤の気孔内に成長していく基盤および組織の有効な物理特性を計算して、それぞれの単位細胞のため均一化を解決する。この方法は、細胞設計パラメータへの有効剛性、浸透性、および多孔性の機能的依存性を決定する。ステップ3において、この方法は、単位細胞の最適アルゴリズムを数式化し、解を求める。すなわち、この方法は、自然に生じる組織特性に、基盤および再生された組織特性の両方の最適組み合わせを見いだすための最適化課題の解を求める。この解は、単位細胞の構造に対し、最適設計パラメータを与える。ステップ4において、この方法は、解剖学的な形状のボクセルデータベースを生成する。すなわち、この方法は、異なる基盤構造を表す異なる密度を有する解剖学的な基盤形状のボクセルデータベースを生成する。ステップ5において、この方法は、解剖学的なデータベースおよび単位細胞構造のデータベースを組み合わせる。すなわち、この方法は、密度分布を有する解剖学的なデータベースを単位細胞のデータベースのそれぞれの組に組み合させる画像ベースのブール演算を用いる。ステップ6において、この方法は、表面あるいはワイヤーフレーム構造にボクセル設計を変換する。すなわち、この方法は、ボクセルフォーマットの得られた完全な基盤設計を、固体自由形状系に使用できる三角小面表現あるいはワイヤーフレーム表現のどちらかに、変換する。ステップ7において、この方法は、直接あるいは間接(キャスティング)の固体自由形状技術を用いて、生物的材料から設計された基盤を加工する。
【0033】
本発明において、栄養素の栄養の流れに沿って、生まれつきの人間の脊椎骨の円板と同様な負荷受け能力を提供するよう設計された、有効弾性および浸透性の特性の規定された不均質な分布を与えるために、基盤微細構造体は生成される。微細構造体の設計は、これに限定されないが、以下のようになる。(1)様々な直径を有する球形の孔の連続系、(2)様々な直径を有する直線のあるいは曲線の支柱の連続系、(3)トポロジー最適化された微細構造体、(4)波状線維構造。図2(a)は、連続円筒孔を有する基盤のために設計された微細構造体の1例を示す。図2(b)は、トポロジー最適化された微細構造体を有する基盤のため設計された微細構造体の1例を示す。図2(c)は、波状線維の微細構造体を有する基盤のため設計された微細構造体の1例を示す。
【0034】
微細構造体の設計において、米国特許申請2003/0069718のような画像ベースの方法は、目標の骨あるいは軟骨のヤング率に合わせるよう最適化された内部構造を設計するために使用することができる。特に、このヤング率は、海綿骨と椎間円板の範囲を取り、融合と円板の修復を目標としている:骨:30 - 200MPa、および、椎間円板:0.4 − 10MPa。
【0035】
この微細構造体は、基本的な単位細胞の設計ブロックを繰り返すことにより作成される。これらの単位細胞のブロックは、構造化されたボクセルデータセット内の密度分布として表現される。単位細胞の設計や全体形状のテンプレートの画像データベースが作成されると、米国特許申請2003/0069718に記載されているように、それらは、画像ブール演算を用いて組み合され、最終設計の多孔質の微細構造体の基盤を生成する。設計された椎間円板の修復および/又は再生基盤の試作が図3に示されている。図3は、正しい解剖学的な形の中に、波状の線維微細構造体32を有する設計された椎間円板の基盤30の断面を示している。中央領域34は、生まれつきの椎間円板間の髄核の形状を近似している。外側の領域36は、生まれつきの椎間円板の外側の線維輪の形状を近似している。
【0036】
基盤を生成する次のステップは、隣接する脊椎骨に基盤を形成する円板を取り付ける固定構造を生成することである。この固定構造は、微細構造体と全体設計のデータ組の同じ組み合わせを用いて、生成され、それは、骨の内方成長を可能とする多孔質である。この固定は、多くの形式がある。1つの固定の例は、基盤円板に直接に取り付けられた板である。この固定の例は、図4の基盤40に示される。
【0037】
図4において、波状の線維微細構造体32は、生まれつきの椎間円板のための正しい解剖学的な形状である。上部固定板45は、離れて配置されている固定孔46a、46bと上部中央U字型切欠部47とを有する。底部固定板51は、離れて配置されている固定孔52a、52bと底部中央逆U字型切欠部53とを有する。波状線維微細構造体32は、固定板45、51と一体化されている。椎間円板交換に使用されるとき、基盤40の波状の線維微細構造体32は、隣接する脊椎骨の間の椎間円板を取り除くことによって形成された脊椎骨間の空間内に位置付けされる。第1の上脊椎骨に対する前部の取り付けのため、固定部は、固定孔46a、46b内に挿入され、隣接する第2の下脊椎骨への前部の取り付けのため、固定部は、固定孔52a、52b内に挿入される。波状の線維微細構造体32の上部端面54は、第1の上脊椎骨の下面と接し、波状の線維微細構造体32の反対側の底部端面55は、第2の下脊椎骨の上面と接する。それにより、波状の線維微細構造体32は、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨の間に機械的負荷受け部を提供する。
【0038】
波状の線維微細構造体32の縦寸法は、様々な異なる脊椎骨間の距離に応じて調整することができる。同様に、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨に基盤40を固定するために、第1の上脊椎骨および第2の下脊椎骨に隣接して、固定孔46a、46b、52a、52bを適切な位置に確保するように、固定板45、51の水平方向の長さおよびその空間的関係は、変化させることが可能である。波状の線維微細構造体32の寸法を変化させることにより、異なる寸法の基盤40が、外科医による選択のために、提供される。
【0039】
基盤40は、生体適合性の、生分解性(もし可能ならば)の、高分子材料、金属材料、セラミックス材料およびその混合物から選択された多孔質材料を有する。1つの実施例では、基盤40は、ポリカプロラクトン、生体適合性と生分解性ポリマーから形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(グリコール酸−乳酸)、ポリ(プロピレン−フマル酸エステル)、ポリ(カプロラクトン、フマル酸エステル)、ポリエチレングリコールのようなポリマー、および、ポリ(グリコリド- カプロラクト共重合体)は、基盤40を形成するために便利である。ここで、"生体適合性"材料は、激しいあるいは拡大する反応とは逆に、穏やかな、しばしば一時的な移殖反応を刺激するだけのものである。
【0040】
骨伝導ミネラル皮膜は、骨の成長が望まれる、基盤40の少なくとも1部に形成することができる。骨伝導ミネラル皮膜は、複数の分離されたミネラル小区分を有する、あるいは、ミネラル皮膜が、基盤40の全体の表面領域上に形成することができる。1つの例では、骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均質なミネラル皮膜で構成される。1つの例の実施例では、ミネラル皮膜が、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有のヒドロキシアパタイト、リン酸3カルシウム、リン酸非晶質カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸2カルシウム、リン酸カルシウムなどのカルシウムやリン酸を含む任意の適切なコーティングするミネラルで構成される。ミネラル皮膜は、溶解度を制御する異なる溶解特性、運動学的、生物活性の送出特性を有する複数の異なる層を備える。生理的条件下では、リン酸カルシウム材料の溶解度は以下の通りである:非晶質リン酸カルシウム>リン酸2カルシウム>リン酸オクタカルシウム>リン酸3カルシウム>ヒドロキシアパタイト。このように、様々なリン酸カルシウムの複数の層は、広い範囲の溶解パターンを提供することができる。空白の層(すなわち、いかなる生物活性物質を含まないリン酸カルシウム層)の組み込むことにより、遅延放出を提供することができる。また、生物活性物質の異なる濃度を有する層の組み込みにより、様々なリリース速度を提供することができる。
【0041】
生物活性物質は、基盤40及び/又は基盤40のミネラルコートされた部分を形成するコートされていない生体適合性の材料に協働させることができる。生物活性物質の異なるリリース速度は、基盤40のコートされている領域と、コートされていない領域とから可能となる。上記の様々な生物活性物質は、基盤40と共に使用するのに適しており、1つの実施例では、生物活性物質が、骨形態発生プロテイン、脱塩化された骨マトリックス、骨髄吸引液、および、それらの混合物から選択される。骨形態発生プロテインは、成長する骨で優れているように示され、粉末の人間リコンビナントBMP−2は、商用の製品として入手可能である。脱塩化された骨マトリックスは、骨誘導プロテイン(例えば、骨形態発生プロテイン)を有し、粒状あるいは線維状の形で使用される。骨髄吸引液は、骨幹細胞を有し、前もって、患者の骨髄を、ニードルで採取しておくことができる。ここで、生物活性物質が、直接あるいは間接に、物理的あるいは化学的にポリマー及び/又は皮膜と接合されているならば、生物活性物質は、ポリマー及び/又は皮膜と協働させられる。生物活性物質は、落とし込み、埋め込み、あるいは、ポリマー内の生物活性物質を含むこと、及び又はコーティングした網構造により、物理的にポリマー及び又は皮膜と結合する。生物活性物質は、化学的反作用により、化学的にポリマー及び/又は皮膜と結合し、生物活性物質は、ポリマーあるいは皮膜と、共有原子的に、あるいは、イオン的に結合する。このように、ポリマー及び又は皮膜に生物活性物質を協働させる様々な方法が考えられる。
【0042】
生物活性物質は、所望の効果による骨化組織あるいは線維組織の成長を誘発する量が存在する。基盤40のコートされた及び又はコートされない領域の生物活性物質の量は、生物活性物質の性質、生物活性物質の骨誘導ポテンシャル及びキャリア材料の性質(例えば、基盤40を形成する生体適合性の材料あるいは基盤40の上のミネラル皮膜)を含む様々な因子に依存する。さらに、BMPの1−100ng/ml濃度は、骨形成を誘発し、例えば、本発明のBMPは10−50日の範囲の時間枠で、基盤40から分離される。従って、発明をこれに限定しないが、骨形態発生のプロテインの場合、材料の1cm立方当たり約10−5000ngの骨形態発生のプロテインの濃度が、隣接する骨あるいは隣接する骨の表面間の骨形成を誘発するために適切である。
【0043】
基盤40の様々な領域が、皮膜及び協働する生物活性物質を有することができる。例えば、反対側の脊椎骨に固定された板45、51は、連続した皮膜あるいは皮膜の分離部、および、皮膜と協働する生物活性物質でコートすることができる。基盤の内部空間が皮膜を含まず、線維組織の成長を促すように、異なる協働する生物活性物質を含むように、骨成長が誘発される。例に示すように、図4の板45、51は、連続のミネラル皮膜と、協働する生物活性物質とを含んでおり、隣接する脊椎骨に骨の固定が誘発される。波状の線維微細構造体32は、骨膜からの区別できない軟骨細胞の前駆物質細胞、骨髄からの間葉細胞の柱状細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性物質、及び/又は、脈管形成妨害剤を含み、繊維状成長がこの領域で促進される。
【0044】
生物活性物質(例えば、骨形態発生プロテイン、軟骨細胞)は、椎間円板の空間に波状線維微細口座凹32を挿入する前の基盤40を形成する被覆しない生体適合性の材料及び/又はミネラルコートされた部分と協働する。例えば、骨形態発生プロテインは、製造サイトでリン酸カルシウムの皮膜に化学的に結合される(例えば、イオン結合、あるいは、共有結合)。あるいは、代替として、骨形態発生プロテインは、移植前、及び/又は、その後、外科医により、リン酸カルシウム皮膜に化学的に結合される。外科医は、粉末化された骨形態発生プロテインを無菌の水に溶いて、その溶かれた粉末化された骨形態発生プロテインを基盤40に供給する。同様に、軟骨細胞は、外科医により、あるいは、工場サイトで、波状の線維微細構造体32に接合される。
【0045】
代替として、第1の上脊椎骨と隣接の第2の下脊椎骨の固定は、図5(a)と5(b)に示すように、竜骨構造として形成される。図5(a)と5(b)の基盤60は、基盤60の上面62からの上部突起61と基盤60の底面からの底部突起63とを有する波状の線維微細構造体32aを備える。椎間円板補修に使用するとき、基盤60の波状の線維微細構造体32aは、隣接する脊椎骨の間の椎間円板を取り除くことにより形成される脊椎骨間の空間内に位置づけられる。上部突起61は、第1の上脊椎骨の底面への取り付けを補助し、底部突起63は、隣接する第2の下脊椎骨の上面への取り付けを補助する。
【0046】
固定構造、取り付け板構造、及び又は、竜骨構造は、実際の円板基盤と複合する多孔質のポリマー、セラミックおよび金属で構成される。最終の基盤の構造は、基盤構造画像設計データベースを有する固定構造画像設計データベースのブール演算交差によって生成される。最終の結果は、図4あるいは、図5(a)と5(b)に示すように、設計された多孔質の固定構造と複合を形成する多孔質の基盤構造となる。
【0047】
骨軟骨基盤に対し、同じ固定設計手順が用いられる。図6は、脛骨のプラトーについての密度マップ70であり、線71、72は、異質な微細構造体をマッピングするため、異なる密度領域を示している。この場合、波状の線維設計32を含むけれど限定されない、図2(a)、2(b)、2(c)の設計に似ている微細構造体が、骨軟骨基盤の機能的に勾配のある構造を生成するために使用されている。これらの設計は、固定ペグに沿って、所望の形状と微細構造体を有する基盤設計を生成するため、図6の密度マップ70に代用されている。図7は、所望の形状と微細構造体を有する最終の骨軟骨基盤80の例を示す。基盤80は、基盤80の底面84から下向きに延びる固定ペグ83を有する脛骨プラトー82が設けられている。脛骨プラトー82の領域は、軟骨成長を改善するため、球形あるいは楕円形の孔を有するように設計されている。脛骨プラトー82の領域は、また、軟骨成長を促進するためにペグ83よりも低い弾性率を有するように設計されている。脛骨86の脛骨プラトー85内の骨軟骨基盤80の最終固定は、図8に示される。
【0048】
基盤80は、高分子材料、金属材料、セラミックス材料およびその混合物から選択された、多孔質の生体適合性と生分解性の(可能ならば)多孔質材料で構成される。実施例では、基盤80は、ポリカプロラクトン、生体適合性で生分解性ポリマーから形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコイド、ポリ(ラクチド-グリコリド)、ポリ(プロピレン、フマル酸エステル)、ポリ(カプロラクトン、フマル酸エステル)、ポリエチレングリコール、ポリ(グリコリドーカプロラクトン共重合体)のような他のポリマーは、基盤80を形成するために有利である。
【0049】
骨伝導ミネラル皮膜は、骨成長が所望される基盤80の少なくとも部分に形成することができる。生物活性物質は、図7の基盤80のものが有利である。例えば、骨形態発生プロテインは、脛骨86への固定のため、基盤80の底面84のリン酸カルシウム皮膜と化学的に(イオン結合あるいは共有結合で)結合され、軟骨細胞が軟骨成長のために脛骨プラトー82に接合される。
【0050】
多孔質の骨軟骨基盤に使用することに加え、この設計された微細構造体は、より伝統的な全体関節交換部のための骨接合面としても使用される。この場合、所望の機械的、質量移送特性を有するように設計された多孔質の微細構造体は、関節交換部面を覆うように設計される。この結合部構造は、CT方法を用いてスキャンされ、設計された微細構造体は、ブール演算を用いて結合される。図9は、設計された皮膜微細構造体92と単純固体ステム90の組み合わせを示す。このステムは、周囲の骨へのステムの固定のための接合面として設計された微細構造体を有するヒップステムに似せている。
【0051】
新たな椎間円板を設計するため基盤を生成するほうが好ましいとき、構成材料は、構造の基盤のための分解可能なポリマーおよび設計された基盤内に分散させられているヒドロゲルの成分を含む。生物活性物質も、基盤に含まれている。分解可能なポリマーは、これに限定されないが、以下のものからの一つを含む:(1)ポリカプロラクトン、(2)ポリ乳酸、(3)ポリ乳酸―ポリグリコール酸コポリマー、(4)ポリプロピレン・フマル酸、(5)ポリ(グリセロール・セバシン酸)、そして(6)ポリオクタンジオールクエン酸。ヒドロゲルは、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)フィブリン ゲル、(2)ポリエチレン・グリコール(PEG)、(3)コラーゲン I ゲル、(4)コラーゲン/ヒアルロン酸ゲル。
【0052】
脊椎間融合装置を生成することが望ましいときは、上記の分解可能なポリマーに加えて、基盤の材料は、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)リン酸カルシウムセラミック、(2)リン酸カルシウムセラミック/ポリマー 複合材、(3)チタニウム。
【0053】
骨軟骨基盤の骨部のための材料は、ポリマー、セラミックあるいは金属を含む。これに限定されないが、ポリマーは以下のものを含む:(1)ポリカプロラクトン、(2)ポリ乳酸、(3)ポリ乳酸・ポリグリコール酸コポリマー、および(4)ポリプロピレン・フマル酸。これらのポリマーは、米国特許US6,767,928に記載されているような技術を用いて骨伝導を改善する生物鉱化作用を受けた面を含むよう形成された面である。さらに、セラミックおよび金属は、これに限定されないが、骨の部分を加工形成するために以下のものが使用される:(1)リン酸カルシウムセラミック、(2)リン酸カルシウムセラミック・ポリマー複合材、および、(3)チタニウム。骨軟骨基盤は、骨及び/又は軟骨部に生物活性物質を含む。
【0054】
設計された微細構造体の接合面で全関節交換部のために、関節交換部に使用される材料は、これに限定されないが、以下のものを含む:(1)Ti6Al4Vのようなチタニウム合金、(2)コバルト、クローム、モリブデン合金、(3)ステンレス鋼。関節交換部は、生物活性物質も含む。
【0055】
本発明は、椎間円板の生物学的再生のために使用される。部分的あるいは全円板の機能を回復するためのこの試みは、現状の水準の組織形成手法による円板再生を含む。かかる手法を実行する一つの重要原理は、椎間円板(IVD)を形成し、髄核(NP)と似ている中央領域および線維輪(AF)に対する周囲領域で実質組織に対応して培養する、設計された基盤の2つの区別された解剖学的な領域を形成することである。しかし、この考え方は、2−3の研究において皮下的にテストされただけである。このアプローチが、元の位置で適用されるなら、全機能的な円板再生の成功を妨げる必然の重要なハードルがあることを想像できるであろう。全機能円板を形成する大きな問題は、細胞の生存である。円板細胞が、組織体積のほんの1−2%の細胞密度を有する血管を欠くものであることが知られている。IVD細胞、特にNP細胞は、球形の下の面の軟骨端板を介し拡散された栄養供給に大きく依存している。椎間板切除が実行されたとき、端板が露出させられ、基盤の挿入が、物理的接触がないため、その端板と干渉する。さらに、基盤と端板との干渉のため、新円板組織形成の間に完全に一体になることができなくなる。この状態は、拡散された栄養から離され死滅することにより、移殖された細胞を危険にさらし、その結果、多くの細胞が死滅し、全円板再生に失敗する。
【0056】
代替として、本発明は、円板交換部の均一化線維組織再生を提案する。医学的研究から始まって、椎体間融合のいくつかのケースは、固体の骨融合よりも非固体、線維結合を示す、無症候性の偽関節に発展している。この現象を説明する医者の意図は、線維組織形成の十分な量が脊椎骨間に生じており、円板の高さを維持するのに十分な剛性を提供し、神経の根を妨害しないで動く量を保存する。さらに、線維結合の形成により、本体重量からの接触応力が、新たな線維構成に均等に分布され、軸方向の椎間板起因の痛みの病因を低減する。
【0057】
基盤形成で既に記述されたアプローチを適用することにより、本発明は、手術後の至急の支持を提供するため同質の円板の組織特性を有する基盤を設計することができる。硬化物質が、繊維症および組織収縮のための傷跡を誘導することが証明されているので、本発明は、設計された構造内に新たな線維組織を閉じ込めるよう制御する方法で、線維組織結合を増やす物質を組み込んでいる。線維組織形成の利点を目的とするならば、治療に役立つプロテイン、成長因子、原細胞、及び、分子、化合物が、設計する基盤に含まれてもよい。形成の運搬体、あるいは、マイクロ球体は、円板交換部のための提案された、結合された線維組織再生を適用するための成分として、この発明に使用されてもいい。
【0058】
脊椎間の基盤の画像設計データ組が生成されると、stlファイルフォーマット(立体造型三角小面データ)の面表現に自動的に変換される。これは、直接あるいは間接方法を用い、固体自由形状加工(SFF)システムの任意の形式から脊椎間の基盤を形成することを可能とする。直接SFF方法は、これに限定されないが、以下の方法を含む:(1)選択レーザー焼結法(SLS)、(2)立体リソグラフィー(SLA)、(3)溶融堆積モデリング(FDM)、(4)選択レーザー溶融法(SLM)。一つの例である固体自由形状形成法は、米国特許申請2003/0074096に見いだすことができる。
【0059】
間接方法は、上記にリストされたような、生物学的な材料をSFFシステムで形成されたモールド内に鋳造することを元にしている。上記のSFFシステムに加えて、このモールドは、ワックスをプリントするシステムを含む、直接3D印刷システムで形成されてもいい。米国特許申請2003/0006534および米国特許US7,067,200に記述されている方法は、円板基盤を作成するために使用されている。
【0060】
本発明の方法論は、ユカタン・ミニ豚・モデルで、顎関節の補修のための基盤を形成するために導入されている。この設計手順は、ミニ豚のCTスキャンを取り、基盤を設計し加工する画像ベース技術を用い、基盤を外科的に移殖することを含んでいる。図10は、基盤を製造するための画像から下顎骨の関節丘設計のための手順のステップの例を示す。この基盤は、ネジ穴で示されるように、外科的固定を可能とする、周囲巻き付けの羽枝カラーを含む画像ベースの設計から特別に形成された特徴を有している。
【0061】
図10を参照し、球状ボイド構造の設計102は、画像ベースの設計の軟骨(表面)領域のために選択されている。直交支柱構造の設計104は、画像ベースの設計の骨の領域のために選択されている。微細構造体102、104は、米国特許申請2003・0069718に記述された画像ベースの方法を使用して作成される。得られたCTスキャン画像は、基盤110のための、関節丘シェルの解剖学的外側形状と設計空間を提供する。これらの画像は、ボクセルデータ組の中に密度分布として、記録される。この方法は、解剖学と構造のデータベースを組み合わせたものである(矢印112、113、114)。この方法は、面あるいはワイヤーフレーム形状にボクセル設計を変換する(矢印115)。この方法は、直接あるいは間接(鋳造)の固体自由形状技術を用いて生物学的材料から基盤を製造する。
【0062】
また、実際に機能する試作は、前部固定板を有する頸部円板設計と、設計された微細構造体で構成されている。図11の基盤120は、生まれつきの椎間円板の正しい解剖学的な形に、波状の繊維微細構造体32を有している。上部固定板125は、空間で離れた固定穴146a(2番目の穴は表示せず)と、上部中央U字形状切欠部147とを含む。底部固定板151は、空間で離れた固定穴152a,152bと、底部中央逆U字切欠部153とを含む。波状の繊維微細構造体32は、固定板125,151と一体化されている。椎間円板の修復に使用するとき、基盤120の波状の線維微細構造体32は、隣接する脊椎骨の間の椎間円板の除去によって形成された脊椎骨間空間内に位置付けされる。固定部品は、第1の上部脊椎骨への前部固定部のため、固定穴146a(第2の穴は、図示せず)に挿入され、この固定部品は、隣接する第2の下部脊椎骨への前部取り付けのため、固定穴152、152bに挿入される。波状の繊維微細構造体32の上端面154は、第1の上脊椎骨の下面と接し、波状の繊維微細構造体32の反対側の下端面155は、第2の脊椎骨の上面と接する。それにより、波状の繊維微細構造体32は、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨との間に機械的負荷の受け支持部を提供する。固定板125、151は、流体の組織障害と関連する問題を最小限にするように、基盤の内側空間に流体を入れるための導通穴を有する。必要に応じて、固定部品(例えば、固定ネジ)の戻りを防止するため、フラップ(図示せず)を、固定板125、151に設けることができる。1つの実施例で、固定ネジは、同じ生体適合性、生分解性の材料を使用して、骨伝導のミネラル皮膜と、この生分解性の材料及び/又は皮膜と関連する生物活性物質とを形成することができる。
【0063】
基盤120は、多孔質の生体適合性の、(もし必要があれば)生分解性の、ポリマー材料、金属材料、セラミック材料及びその混合物から選択された多孔質材料を有する。1つの実施例では、基盤120は、生体適合性で生分解性のポリマーであるポリカプロラクトンで形成される。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(ラクチド・グリコール酸)、ポリ(プロピレン・フマル酸)、ポリ(グリコール酸・フマル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(グリコール酸・カプロラクトン)のような、他のポリマーが、基盤120を形成するために有利な場合がある。
【0064】
図11の波状の繊維微細構造体32の垂直方向の寸法は、様々な異なる脊椎骨間の距離によって、調整することが可能である。同様に、固定板125、151の水平方向の寸法とその空間的な関係は、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨に対し、基盤120を固定するための、第1の上脊椎骨と第2の下脊椎骨に隣接する固定穴146、(第2の穴は図示せず)152、152bの適切な位置を得るために、変化させることが可能である。波状の繊維微細構造体32と固定板125、151の寸法を変えることによって、外科医により選択のために、異なる寸法の基盤120を提供することができる。
【0065】
この円板の基盤120は、固定穴で示すように、外科的な固定を可能とする、固定板125、151を含む、画像ベースの設計から、特に形成された特徴を有する。円板の基盤120の様々な領域が、ミネラル皮膜および、それと関連する生物活性物質を備えることができる。たとえば、対向する脊椎骨に近くに配置された上下端に近い領域は、連続したあるいは分離した皮膜およびそれに関連する生物活性物質で、コートすることが可能であり、それで、骨成長が誘導され、椎間円板の内側の部屋は、線維組織の成長を促進するために、皮膜や、それに関連する生物活性物質を含まない。
【0066】
図11の円板の基盤120の配置は、医療用画像処理装置と技術(X線透視観察など)を使用して実施されるので 、医療用画像装置を介した改善された画像を提供するトレーサーを備える少なくとも1つのマーキングをさらに有する。たとえば、X線透視検査中の改善された画像のためX線不透過性の材料の制限を受けない例として、硫酸バリウム,タングステン、タンタル、ジルコニウム、プラチナ、金、銀、ステンレス鋼、チタン、それらの合金、および、その混合物がある。X線不透過性のマーキングは、円板の基盤の適切な位置決めを確認する補助として使用することができる。また、基盤120は、材料の無い領域、あるいは、X線透過性の材料の領域を有することができ、この領域は、医療用画像処理装置を介して画像ウインドウを通す改善された画像のため、画像ウインドウを形成する。
【0067】
したがって、本発明は、椎間円板の生まれつきの機能を模倣した、制御された弾性と浸透性の特性を有する椎間本体基盤を設計する方法を提供する。設計された浸透性は、与えられた細胞あるいは円板に移動する細胞の生存できるように、栄養が円板内に行き渡ることを可能とする。円板の基盤の浸透性は、通常の円板の浸透性の分布を模倣するように設計することが可能である。また、波状の繊維微細構造体によって、円板の基盤は、人間の椎間円板に似た非線形の挙動を示す。この可能性は、従来の人工の円板や、組織製造された円板あるいは脊椎融合アプローチでは、見られなかった。さらに、円板は、複合材料として製作することもできる。
【0068】
本発明は、関節の接合面の設計を使用する、骨軟骨の基盤の設計を行う方法を提供する。本発明は、接合面の効果的な機械的、質量移送特性を設計する機能と、これらの制御された微細構造体を形成する機能とを備える。また、本発明は、解剖学的な特徴に基づいて隣接する外科的固定を容易に形成する機能を備えている。
【0069】
また、本発明は、関節交換部の設計の方法を提供している。本発明は、関節を安定させ、隣接する骨の線維組織結合を促進し、隣接する骨の間の動きを可能にする方法及び装置を提供している。
【0070】
本発明は、特定の実施例を参照し、考えられる詳細について記述しているが、当業者には、図示され、記述された実施例以外に実現できるものであり、これに限定されない。特に、ここに記述された方法と装置は、他の骨の表面の間の線維結合を促進するために使用できる。したがって、付加された請求の範囲は、ここの実施例の説明に限定すべきではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内における基盤を構成する複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記生体内における生まれつきの組織を交換する必要のある前記基盤の外形形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記基盤の固定構造を表す第3のデータベースを作り、そして
前記第2のデータベースと前記第3のデータベースとを、所望の微細構造体を表す前記第1のデータベースの組に組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得る
ことを特徴とする生体内における組織の基盤を設計する方法。
【請求項2】
前記設計形状を加工形状に変換する工程を、さらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記製造形状が、少なくとも1つの表面表現とワイヤーフレーム表現を備えていることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基盤の固定構造が、多孔質で形成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記突起が、ペグ、スパイクあるいは板で構成されていることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記突起には、ネジ及び又は貫通穴の中から選択された固定手段が備えられていることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記基盤が、椎間円板の補修のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記基盤が、関節の補修のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記基盤が、全関節交換部のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記基盤には、空間を有する領域、あるいは、X線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置を介し改善された画像が通るための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、移殖中の位置調整のために、少なくとも1つのマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記基盤の複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
生体内で生まれつきの円板を交換するために設計された基盤の形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、そして
前記第2のデータベースを、所望の前記微細構造体を表す前記第1のデータベースに組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得る
ことを特徴とする椎間円板の基盤を設計する方法。
【請求項16】
前記設計形状を加工形状に変換する工程をさらに備えることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第2のデータベースが、前記基盤により占有された脊椎間の空間を表すことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記基盤の前記設計形状には、第1の多孔質微細構造体を有する外側環帯と、第2の微細構造体を有する中央領域が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記基盤の前記設計形状には、第1の多孔質の微細構造体を有する外側環帯と、生体適応性の材料を含む中央領域が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維設計形状であることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを備える少なくとも1つのマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記突起が、板、ペグ、あるいは、スパイクで構成されていることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項24】
前記基盤には、空間を有する領域又はX線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置の画像ウインドウを通る改善された画像のための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、移殖中に調整をするための少なくとも1つのマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項26】
前記基盤の前記設計形状には、球形又は楕円形の孔が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項27】
生体内における生まれつきの組織を交換するための骨軟骨基盤を設計する方法において、
前記基盤の複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記生体内における前記生まれつきの組織を交換することを所望される基盤の外形形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記第2のデータベースを、所望の微細構造体を表す前記第1のデータベースに組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得て、そして
前記設計形状には、第1の物理的又は生物化学的特性を有する骨領域と、第2の物理的又は生物化学的特性を有する軟骨領域と、が備えられている
ことを特徴とする骨軟骨基盤を設計する方法。
【請求項28】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、質量移送特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、質量移送特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項32】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、カルシウム化合物から成る骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項33】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合から選択された材料を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項34】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項35】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、均質なミネラル皮膜となるように骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項36】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングし、前記ミネラル皮膜に生物活性物質を協働させることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項37】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインの中から選択されることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維の設計形状であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項39】
前記骨領域が、前記軟骨領域の多孔質構造体と異なる多孔質構造体を有していることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項40】
前記軟骨領域が、球形又は楕円形の孔を有していることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項41】
前記骨領域が、前記軟骨領域よりも、大きな質量移送性を有することを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項42】
生体内における関節交換部のための複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記関節交換部の外側形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記第2のデータベースを、所望の微細構造体の設計を表す前記第1のデータベースの組に組み合わせて、画像ベースによる前記関節交換部の設計形状を得て、そして
前記設計形状には、第1の物理的又は生物化学的特性を有する骨領域と、第2の物理的又は生物化学的特性を有する表面領域とが設けられている
ことを特徴とする生体内における関節交換部を設計する方法。
【請求項43】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、質量の移送特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、質量の移送特性であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項46】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項47】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項48】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合から選択された材料を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項49】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項50】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、均質なミネラル皮膜となるように骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項51】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングし、前記ミネラル皮膜に、生物活性物質を協働させることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項52】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインの中から選択されることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維の設計形状であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項54】
前記骨領域が、前記表面領域の多孔質構造体と異なる多孔質構造体を有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項55】
前記表面領域が、球形又は楕円形の孔を有していることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項56】
前記骨領域が、前記表面領域よりも、大きな質量移送性を有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項57】
生まれつきの椎間円板の髄核に似せて形成された、第1の多孔質構造体を有する中央コアと、
前記生まれつきの椎間円板の環状の線維輪に似せて形成された、前記中央コアの周囲を取り囲んで結合した、第2の多孔質構造体を有する外側環帯と、が設けられ、かつ、
前記中央コアと前記外側環帯とが、異なる弾性率を有するものとされている
ことを特徴とする椎間円板の補修及び又は再生用の基盤。
【請求項58】
生まれつきの椎間円板の髄核に似せて形成された、第1の多孔質構造体を有する中央コアと、
前記生まれつきの椎間円板の環状の線維輪に似せて形成された、前記中央コアの周囲を取り囲んで結合した、第2の多孔質構造体を有する外側環帯と、が設けられ、かつ、
前記中央コアと前記外側環帯とが、異なる浸透性を有するものとされている
ことを特徴とする椎間円板の補修及び又は再生用の基盤。
【請求項59】
前記中央コアが、生体適合性の材料を有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項60】
前記中央コアが、ヒドロゲルを有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項61】
前記中央コアが、生物活性物質を有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項62】
前記生物活性物質が、骨膜からの未分化軟骨細胞の前駆体細胞、骨髄からの軟骨幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性化剤、脈管形成阻害剤、およびそれらの混合とから選択されることを特徴とする請求項61記載の基盤。
【請求項63】
前記中央コアには、波状線維が備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項64】
前記基盤が、生分解性ポリマー、生分解性セラミックス、非生分解性金属、非生分解性金属合金あるいはそれらの混合から選択された材料で構成されていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項65】
医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングが、さらに備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項66】
X線透視装置を介し改善された画像を提供する、少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、さらに備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項67】
空間を有する領域、あるいは、X線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置を介し改善された画像が通るための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項68】
移殖中に位置調整を行うための少なくとも1つのマーキングが備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項69】
前記基盤の少なくとも一部には、骨伝導ミネラル皮膜が、さらに備えられていることを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項70】
前記骨伝導ミネラル皮膜には、複数の分割されたミネラル小区分が備えられていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項71】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均質なミネラル皮膜で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項72】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、カルシウム化合物で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項73】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項74】
生物活性物質が、ミネラル皮膜と協働することを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項75】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインから選択されることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項1】
生体内における基盤を構成する複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記生体内における生まれつきの組織を交換する必要のある前記基盤の外形形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記基盤の固定構造を表す第3のデータベースを作り、そして
前記第2のデータベースと前記第3のデータベースとを、所望の微細構造体を表す前記第1のデータベースの組に組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得る
ことを特徴とする生体内における組織の基盤を設計する方法。
【請求項2】
前記設計形状を加工形状に変換する工程を、さらに有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記製造形状が、少なくとも1つの表面表現とワイヤーフレーム表現を備えていることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記基盤の固定構造が、多孔質で形成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記突起が、ペグ、スパイクあるいは板で構成されていることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記突起には、ネジ及び又は貫通穴の中から選択された固定手段が備えられていることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記基盤が、椎間円板の補修のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記基盤が、関節の補修のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記基盤が、全関節交換部のために構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記基盤には、空間を有する領域、あるいは、X線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置を介し改善された画像が通るための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記基盤の固定構造には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、移殖中の位置調整のために、少なくとも1つのマーキングが、前記少なくとも1つの突起に配置されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記基盤の複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
生体内で生まれつきの円板を交換するために設計された基盤の形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、そして
前記第2のデータベースを、所望の前記微細構造体を表す前記第1のデータベースに組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得る
ことを特徴とする椎間円板の基盤を設計する方法。
【請求項16】
前記設計形状を加工形状に変換する工程をさらに備えることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記第2のデータベースが、前記基盤により占有された脊椎間の空間を表すことを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記基盤の前記設計形状には、第1の多孔質微細構造体を有する外側環帯と、第2の微細構造体を有する中央領域が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記基盤の前記設計形状には、第1の多孔質の微細構造体を有する外側環帯と、生体適応性の材料を含む中央領域が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維設計形状であることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項21】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを備える少なくとも1つのマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項22】
前記突起が、板、ペグ、あるいは、スパイクで構成されていることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、X線透視装置を介し改善された画像を提供する少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項24】
前記基盤には、空間を有する領域又はX線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置の画像ウインドウを通る改善された画像のための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項25】
前記基盤には、前記基盤から離れる方向に延在する少なくとも1つの突起が備えられ、移殖中に調整をするための少なくとも1つのマーキングが、少なくとも1つの前記突起に配置されることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項26】
前記基盤の前記設計形状には、球形又は楕円形の孔が備えられていることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項27】
生体内における生まれつきの組織を交換するための骨軟骨基盤を設計する方法において、
前記基盤の複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記生体内における前記生まれつきの組織を交換することを所望される基盤の外形形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記第2のデータベースを、所望の微細構造体を表す前記第1のデータベースに組み合わせて、画像ベースによる前記基盤の設計形状を得て、そして
前記設計形状には、第1の物理的又は生物化学的特性を有する骨領域と、第2の物理的又は生物化学的特性を有する軟骨領域と、が備えられている
ことを特徴とする骨軟骨基盤を設計する方法。
【請求項28】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、質量移送特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、質量移送特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項32】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、カルシウム化合物から成る骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項33】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合から選択された材料を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項34】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項35】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、均質なミネラル皮膜となるように骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項36】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングし、前記ミネラル皮膜に生物活性物質を協働させることにより、得られることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項37】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインの中から選択されることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維の設計形状であることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項39】
前記骨領域が、前記軟骨領域の多孔質構造体と異なる多孔質構造体を有していることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項40】
前記軟骨領域が、球形又は楕円形の孔を有していることを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項41】
前記骨領域が、前記軟骨領域よりも、大きな質量移送性を有することを特徴とする請求項27記載の方法。
【請求項42】
生体内における関節交換部のための複数の多孔質微細構造体を画像ベースフォーマットで表す第1のデータベースの組を作り、
前記関節交換部の外側形状を画像ベースフォーマットで表す第2のデータベースを作り、
前記第2のデータベースを、所望の微細構造体の設計を表す前記第1のデータベースの組に組み合わせて、画像ベースによる前記関節交換部の設計形状を得て、そして
前記設計形状には、第1の物理的又は生物化学的特性を有する骨領域と、第2の物理的又は生物化学的特性を有する表面領域とが設けられている
ことを特徴とする生体内における関節交換部を設計する方法。
【請求項43】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、機械的特性であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項44】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、質量の移送特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、質量の移送特性であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項45】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であり、前記第2の物理的又は生物化学的特性が、生物化学的特性であることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項46】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項47】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、カルシウム化合物を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法
【請求項48】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合から選択された材料を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項49】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、複数の分割されたミネラル小区分を有する骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項50】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、均質なミネラル皮膜となるように骨伝導ミネラルを用いてコーティングすることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項51】
前記第1の物理的又は生物化学的特性が、前記骨の領域の少なくとも一部を、骨伝導ミネラルを用いてコーティングし、前記ミネラル皮膜に、生物活性物質を協働させることにより、得られることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項52】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインの中から選択されることを特徴とする請求項51記載の方法。
【請求項53】
前記微細構造体の少なくとも1つが、波状線維の設計形状であることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項54】
前記骨領域が、前記表面領域の多孔質構造体と異なる多孔質構造体を有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項55】
前記表面領域が、球形又は楕円形の孔を有していることを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項56】
前記骨領域が、前記表面領域よりも、大きな質量移送性を有することを特徴とする請求項42記載の方法。
【請求項57】
生まれつきの椎間円板の髄核に似せて形成された、第1の多孔質構造体を有する中央コアと、
前記生まれつきの椎間円板の環状の線維輪に似せて形成された、前記中央コアの周囲を取り囲んで結合した、第2の多孔質構造体を有する外側環帯と、が設けられ、かつ、
前記中央コアと前記外側環帯とが、異なる弾性率を有するものとされている
ことを特徴とする椎間円板の補修及び又は再生用の基盤。
【請求項58】
生まれつきの椎間円板の髄核に似せて形成された、第1の多孔質構造体を有する中央コアと、
前記生まれつきの椎間円板の環状の線維輪に似せて形成された、前記中央コアの周囲を取り囲んで結合した、第2の多孔質構造体を有する外側環帯と、が設けられ、かつ、
前記中央コアと前記外側環帯とが、異なる浸透性を有するものとされている
ことを特徴とする椎間円板の補修及び又は再生用の基盤。
【請求項59】
前記中央コアが、生体適合性の材料を有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項60】
前記中央コアが、ヒドロゲルを有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項61】
前記中央コアが、生物活性物質を有することを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項62】
前記生物活性物質が、骨膜からの未分化軟骨細胞の前駆体細胞、骨髄からの軟骨幹細胞、軟骨細胞、硬化剤、脈管形成活性化剤、脈管形成阻害剤、およびそれらの混合とから選択されることを特徴とする請求項61記載の基盤。
【請求項63】
前記中央コアには、波状線維が備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項64】
前記基盤が、生分解性ポリマー、生分解性セラミックス、非生分解性金属、非生分解性金属合金あるいはそれらの混合から選択された材料で構成されていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項65】
医療用画像装置を介し改善された画像を提供するトレーサーを有する少なくとも1つのマーキングが、さらに備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項66】
X線透視装置を介し改善された画像を提供する、少なくとも1つのX線不透過性のマーキングが、さらに備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項67】
空間を有する領域、あるいは、X線透過性の材料の領域が備えられ、前記領域が、医療用画像装置を介し改善された画像が通るための画像ウインドウを構成することを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項68】
移殖中に位置調整を行うための少なくとも1つのマーキングが備えられていることを特徴とする請求項57または58記載の基盤。
【請求項69】
前記基盤の少なくとも一部には、骨伝導ミネラル皮膜が、さらに備えられていることを特徴とする請求項57又は58記載の基盤。
【請求項70】
前記骨伝導ミネラル皮膜には、複数の分割されたミネラル小区分が備えられていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項71】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、事実上均質なミネラル皮膜で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項72】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、カルシウム化合物で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項73】
前記骨伝導ミネラル皮膜が、ヒドロキシアパタイト、カルシウム欠乏の炭酸含有ヒドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸カルシウム及びそれらの混合で構成されていることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項74】
生物活性物質が、ミネラル皮膜と協働することを特徴とする請求項69記載の基盤。
【請求項75】
前記生物活性物質が、骨形態発生プロテインから選択されることを特徴とする請求項69記載の基盤。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−508126(P2010−508126A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535421(P2009−535421)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/082958
【国際公開番号】WO2008/082766
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(597039076)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (14)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ フオンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/082958
【国際公開番号】WO2008/082766
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(597039076)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (14)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
【出願人】(390023641)ウイスコンシン アラムナイ リサーチ フオンデーシヨン (61)
【氏名又は名称原語表記】WISCONSIN ALUMNI RESEARCH FOUNDATION
【Fターム(参考)】
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