説明

検出計および操作モード

少なくとも1つの検体定量化部材およびそれに関連するセンサを備えている装置を用いることによって、体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度を決定する検定を行う方法である。この方法は、第1の試料を検体定量化部材に加えることと、十分な試料の量の存在または不在を検出することと、を含んでおり、十分な試料の量の不在を検出したときに、有限期間を開始し、体液の第2の試料を検体定量化部材に導くことをユーザに信号によって知らせることを含んでいることを特徴としている。関連する機構および装置も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度の測定に関連する装置、機構、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文献、法令、または知識の断片を参照し、または検討することになる本明細書において、この参照または検討は、文献、法令、または知識の断片あるいはこれらの任意の組合せが、優先日において、公に入手可能であり、公に知られており、共通の一般的知識の一部をなしていたこと、または適用される法的な規定に基づいて先行技術を構成していること、または本明細書が関わっている問題を解消する試みに関連していることが知られていることを容認するものではない。
【0003】
米国糖尿病協会によれば、糖尿病は、米国において5番目に死亡率の高い病気である。1987年以来、糖尿病による死亡率は、45%増大している。米国において、20,800,000人、すなわち、人口の7%の子供および成人が糖尿病を患っていると推定されている。2007年度の糖尿病の総経済コストは、1740億ドルと見積もられている。これは、2002年以来、420億ドル増えている。この32%の増加は、毎年、80億ドル増えていることを意味している。
【0004】
糖尿病を管理する上で重要なことは、血糖監視を頻繁に行うことである。現在、患者による自己監視用の多数のシステムが存在している。殆どの体液分析システム、例えば、血液試料のブドウ糖含有量を分析するためのシステムは、多数の別々の構成要素、例えば、別々の突刺部分、移送部分、および定量化部分を備えている。これらのシステムは、嵩張っており、多くの場合、ユーザにとって分かり難く、複雑である。
【0005】
その結果、体液試料を取得し、その体液を測定装置に移送し、体液試料内に含まれている検体のレベルを定量化するためのステップおよび機構を全て単一装置内に組み入れる「一体型装置」を開発するために、いくらかの努力が払われてきている。このような装置の例は、特許文献1および特許文献2に例示されている。このような装置は、ユーザから十分な試料の量を確実に得るように設計されているが、時には、多くの異なる理由から、最初の試行において、分析するのに十分な試料の量をうまく収集し、移送することができない場合がある。前述したような装置は、ユーザの皮膚の表面内に押し込まれる針のような皮膚貫入部材を備えている。いったん皮膚貫入部材が始動または作動されると、このような装置は、同一の皮膚貫入部材が皮膚の表面を突き刺すのに再び用いられることを可能にする「再起動」の能力を有していない。最初の刺傷生成の結果として、不十分な試料の量が収集され、かつ移送された場合、この特定の試験をさらに進行させることができない。従って、この試験は、「無駄」になる。ユーザは、新しい皮膚貫入部材および定量化部材を用いて、新しい試験を行わねばならない。これによって、検体または血糖値の監視に関連するユーザコストが高くなることになる。さらに、一回の刺傷から満足のいく試験を復旧することができないことは、ユーザが、分析するのに十分な試料の量を収集し、かつ移送するために、多くの場合、新しい採取部位において別の刺傷を作るかまたは既存の刺傷をさらに損傷させることを意味している。これは、明らかに、ユーザが受ける痛みおよびフラストレーションを高め、検体または血糖値を頻繁かつ体系的に監視するようにユーザを促す目的に対して逆効果を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,540,675号明細書
【特許文献2】米国特許第7,004,928号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、分析するために装置に供される十分な試料の量を収集するのに際して、より大きな融通性をユーザにもたらす、体液を採取かつ分析する技術および装置を提供することが、当技術分野において必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、前述の目的の1つまたは複数に対処することができる構造、機構、および技術が提供されることになる。しかし、本発明は、ブドウ糖濃度を監視する目的で行われる血液採取に関連するものに制限されるものではない。本明細書に記載されているこの概念に対する多くの代替的な用途または使用が、考えられる。
【0009】
本発明のいくつかの態様によれば、以下の利得または長所、すなわち、不十分な試料の量が収集され、または移送されていることをユーザに知らせること、および分析するのに必要な試料の量を供給するために体液の試料を再び加える機会をユーザに与えること、の1つまたは複数を任意選択的にもたらすことができる装置、構造、機構、および技術が提供されることになる。
【0010】
本明細書において用いられる「指(digital)」という用語は、手の指または足の指を意味しており、手の指の遠位端の背面側または掌側の突刺部位を含んでいる。
【0011】
本明細書において用いられる「体液」という用語は、全血、腸液、およびその混合液、ならびに尿、唾液、および体に含まれている他の流体を含んでいる。
【0012】
本明細書において用いられる「一体化された装置」または「一体化された計測器」という用語は、体液の採取、体液の移送、検体の定量化、および体液の試料内に含まれている検体の量の表示を行うのに必要な全ての構成要素を含んでいる装置または計測器を意味している。
【0013】
本明細書において第1、第2、第3、および第4(など)の構成要素への言及は、これらの構成要素の各々が物理的に互いに分離可能になっている実施例に本発明を制限するものではないことを理解されたい。例えば、本発明の単一の物理的構成要素が、特許請求の範囲に記載されている第1、第2、第3、または第4の構成要素の2つ以上の機能を果たすことがあってもよい。逆に、一緒に作用している複数の個別の物理的構成要素が、特許請求の範囲に記載されている第1、第2、第3、または第4の構成要素のうちの1つの機能を果たすことがあってもよい。同様に、第1、第2(など)の方法ステップへの言及は、個別のステップのみに本発明を制限するものではない。本発明によれば、単一の方法ステップが、本明細書に記載されている多数のステップを満たすことがあってもよい。逆に、複数の方法ステップが、組み合わされて、本明細書に記載されている単一の方法ステップを構成することがあってもよい。加えて、方法のステップは、必ずしも、本明細書に記載されているかまたは特許請求の範囲に記載されている順序に制限されるものではない。「および」という用語は、一般的に、その片方に示されている用語の代替物を含んでいるが、一般的に、両方の存在を必ずしも必要とするものではないことを意図している。
【0014】
一態様によれば、本発明は、少なくとも1つの検体定量化部材およびそれに関連するセンサを備えている装置を用いることによって、体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度を決定する検定を行う方法において、第1の試料を検体定量化部材に加えることと、十分な試料の量の存在または不在を検出することと、を含んでおり、十分な試料の量の不在を検出したときに、有限期間を開始し、体液の第2の試料を検体定量化部材に導くことをユーザに信号によって知らせることを含んでいることを特徴とする方法に向けられている。
【0015】
他の態様によれば、本発明は、体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度を決定する検定を行うための装置において、少なくとも1つの検体定量化部材と、少なくとも1つの検体定量化部材に流体連通している少なくとも1つの通路と、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた十分な試料の量の存在または不在を検出するように、構成され、かつ配置されたセンサと、センサに信号通信している制御装置であって、十分な試料の量の不在を検出したとき、有限期間を開始し、他の体液の試料を少なくとも1つの通路内に導くことをユーザに信号によって知らせるように、構成され、かつ配置されている、制御装置と、を備えていることを特徴とする装置に向けられている。
【0016】
体液の試料を収集するための装置において、皮膚インターフェイス部材および皮膚貫入部材を備えており、皮膚インターフェイス部材および皮膚貫入部材の少なくとも1つは、体液の流れを所望の箇所に向かう所望の方向に導くように構成されたガイド要素を備えていることを特徴とする装置が提供されている。
【0017】
好ましい実施形態の以下の説明は、添付の図面と関連して読めば、よく理解されるだろう。なお、同様の番号は、同様の要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の原理によって行われるいくつかの方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の他の態様によって形成された装置の正面斜視図である。
【図3】図2の装置の破断側面図である。
【図4】本発明の代替的な実施形態の部分断面図である。
【図5】本発明の付加的な実施形態の側面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態の部分断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態の部分断面図である。
【図8】本発明のさらに他の態様によって形成された機構の部分断面図である。
【図9】本発明のさらに他の代替的な実施形態によって形成された機構の部分断面図である。
【図10】図9の機構の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、体液の試料内に含まれている検体の存在および/または濃度を測定する検定を行うための技術が提供されている。例えば、本発明によれば、本明細書に記載されている技術を用いて、体液の試料を分析し、そこに含まれている検体(例えば、ブドウ糖、ビリルビン、アルコール、規制物質、毒素、ホルモン、タンパク質、など)の量を定めることができる。
【0020】
本発明の原理に従って行われる例示的な方法が、図1のフロ−チャートに例示されている。この方法は、体液の試料の生成から開始されるようになっている。体液の試料を生成または収集する方法は、本発明の技術の実施に不可欠なものではない。例えば、本発明の方法または技術は、患者が血糖値を自己監視するかまたは臨床環境において血糖値を測定することに関連して実施される状況では、皮膚を突き刺し、採取部位に体液を絞り出すことができる刺傷を作ることによって、少量の血液を生じさせることができる。選択される採取部位として、指の皮膚表面、または前腕、太腿、などのような代替的な採取部位が挙げられる。具体的には、図1における破線のプロセスボックスによって示されているように、皮膚を突き刺すステップは、本発明の方法および技術に関連する限り、任意選択的である。実施するとき、どのような適切な装置または技術によって、皮膚が突き刺されてもよい。適切な装置および技術として、ランセット、中空針、流体圧の噴出、集中エネルギー(例えば、レーザ)、などが挙げられる。
【0021】
いったん体液の試料が生じたなら、この試料は、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられるようになっている。どのような形態の検体定量化部材が用いられてもよい。例えば、検体定量化部材は、電気化学的な特性または測光的な特性のいずれかを有するものとすることができる。1つの特定の例示的な非制限的実施形態によれば、少なくとも1つの検体定量化部材は、当業者にとってそれ自体が知られているように目標検体と反応したときに色変化を生じるように調合された化学試薬を含んでいる検定パッドを備えているとよい。
【0022】
十分な試料の量の存在または不在を検出する目的で、少なくとも1つのセンサが用いられるようになっている。試料の量を検出し、計算し、および/または評価するために、どのような適切なセンサ構造またはセンサ機構が用いられてもよい。例えば、センサは、電気化学的な特性または測光的な特性のいずれかを有するものであるとよい。センサは、少なくとも1つの検体定量化部材から分離され、該部材に関連付けられていないようになっていてもよい。1つの例示的な非制限的実施例によれば、センサは、少なくとも1つの検体定量化部材に向かう体液の流れを検出し、可能であれば、その流れを定量する流量センサから構成されていてもよい。代替的に、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの検体定量化部材を調べ、体液の試料の存在を検出し、かつ試料の量を計算および/または評価する電気化学的または光学的なセンサから構成されていてもよい。1つの非制限的な例によれば、少なくとも1つの検体定量化部材が、目標検体に晒されたときに色変化する化学試薬を含んでいる検定パッドを備えている場合、光学センサを用いることによって、少なくとも1つの検体定量化部材を調べ、目標検体を含んでいる体液試料に接触している検定パッドの領域におけるこの色変化を検出することができる。このように用いられる適切なセンサの例として、制限されないが、CCD式センサおよびCMOS式センサが挙げられる。また、センサは、体液の試料との接触によって色変化した検定パッドの領域を測定または評価することができる。次いで、この領域を用いて、支援電子機器によって、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた体液の量を計算および/または評価することができる。このような計算または評価の詳細な説明は、米国特許第7,052,652号に含まれている。この全体の内容は、参照することによって、本明細書に含まれるものとする。
【0023】
もしセンサが、十分な量の体液が許容される時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材に導かれたことを決定したなら、検定が継続され、体液の試料内に含まれている検体の存在および/または量が計算されることになる。任意選択的に、装置または計測器によって、十分な量の試料が検出されたことが、ユーザに信号によって知らされるようになっているとよい。どのような適切な聴覚的および/または視覚的な信号が、この目的のために生成され、かつ用いられてもよい。例えば、英数字および/または記号を含んでいるメッセージが、ディスプレイ上に表示されてもよい。代替的に、「青信号」または他の視覚的合図が、計測器または装置の任意の部分に表示されてもよい。加えて、音声メッセージまたは聴覚的合図のような聴覚的信号が、前述の視覚的信号に代わって、またはそれに加えて、生成されてもよい。ここでも、検体を検出するためにおよび/またはその濃度を計算するために、どのような適切な技術が用いられてもよい。例えば、電気化学的技術および測光的技術の両方が用いられてもよい。1つの非制限的な例によれば、少なくとも1つの検体定量化部材が、目標検体と反応したときに色変化を生じる化学試薬を含んでいる検定パッドを備えているとき、光学センサを用いることによって、十分な試料の量の検出に続いて、少なくとも1つの検体定量化部材を調べ、目標検体と化学試薬との間の反応によって生じる色変化を検出することができる。次いで、この色変化と特定の検体濃度との相関関係を調べることができる。この種の光学的分析は、当業者にとってそれ自体が知られている。いったん体液の試料内に含まれている目標検体の量の計算が行われると、その計算結果をユーザに対して表示することができる。必要な計算を行い、視覚的および/または聴覚的信号を生成するために、従来の電子機器および/またはソフトウエア要素、例えば、制御装置、中央処理ユニット(CPU)、メモリ要素、電気接続部、などのどのような適切な機構が、前述のセンサおよび少なくとも1つの検体定量化部材に関連して用いられてもよい。
【0024】
もしセンサが、不十分な量の体液が前述の時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材に導かれたことを決定したなら、本発明によれば、検定を復旧することを試みるステップが行われることになる。第2の有限期間が開始され、これによって、十分な量の体液を供給する追加的なステップをユーザ操作時間内に行うことが可能になる。この第2の有限期間は、どのような適切な時間であってもよい。例示的な非制限的実施例によれば、第2の有限期間は、1分未満または45秒以下とすることができる。また、検定を行うのに十分な量の体液を加えるために追加的なステップが必要であることを示す視覚的および/または聴覚的な信号をユーザに供給するようになっていてもよい。この信号供給は、有限期間の開始の前、有限期間の開始と同時、または有限期間の開始の後に行われるとよい。前述したように、どのような適切な視覚的および/または聴覚的な信号が用いられてもよい。
【0025】
十分な体液の試料を生じさせ、その試料を少なくとも1つの検体定量化部材に供給する追加的なステップを行うことを示す信号を受信したことに応じて、このような追加的な試料の量を生じさせることができるどのような追加的なステップが行われてもよい。1つの非制限的な例によれば、皮膚を突き刺し、体液を絞り出すことができる刺傷を作ることによって、体液の試料が生成されている場合、体液の試料の量を増大するために行われる追加的なステップとして、ユーザが手によって刺傷の近くに「ミルキング」動作を加えることが挙げられる。これは、刺傷の近くの皮膚の押し込みおよび解放を交互に行い、刺傷から追加的な体液を絞り出すことによって、達成されることになる。この技術は、糖尿病を患って血糖値を定期的に監視している人にはよく知られており、多くの場合、血糖濃度を測定する検定を行うために十分な量の体液を絞り出すのに成果を挙げている。
【0026】
代替的に、皮膚を突き刺すことによって体液の試料を生じさせるためのいくつかの技術および装置は、皮膚を突き刺すことによって作られた刺傷から絞り出される体液の量を増大させるために、ある種の促進媒体を利用している。適切な促進媒体として、熱、圧力、真空、振動、および局所投与薬が挙げられる。これらの促進媒体は、皮膚を突き刺す前、最中、または後のいずれかの時期に、またはこれらの時期を組み合わせて、加えられるとよい。本発明によれば、もし皮膚を突き刺した後に不十分な量の体液が生じたなら、不十分な試料体液が検出されたことを示す前述の信号を受信したときに、促進媒体が最初の刺傷の生成および体液試料の絞り出しに関連して用いられたかどうかに関わりなく、刺傷から絞り出される体液の量を増大させることを意図して、刺傷の近くに促進媒体を加えるように、ユーザに指示がなされるかまたはユーザ自身が決定するとよい。促進媒体を再び加えることに関する特定の指示を含む視覚的および/または聴覚的信号を生じさせるために、従来の電子機器および/またはソフトウエア要素、例えば、制御装置、中央処理ユニット(CPU)、メモリ要素、電気接続具、ディスプレイ要素、などのどのような適切な機構が、用いられてもよい。第2の所定期間内に十分な量の体液を生じさせるために、ユーザが1つまたは複数の試みを行ってもよいことは、本発明の範囲内に含まれる。もし2つ以上の試みがなされるなら、同じ技術(例えば、ミルキングまたは促進媒体の適用)が繰り返されてもよい。代替的に、複数の試みとして、十分な試料の量を絞り出すための種々の技術の組合せが行われてもよい。非制限的な例では、ユーザは、一回以上刺傷から追加的な体液をミルキングし、もし不十分であれば、一回以上促進媒体を刺傷部位に加え、これらの全てが、所定に第2の期間内に行われるようになっていてもよい。この技術または機能は、図1のフローチャートに表されている。本明細書に記載されている技術または方法のいずれもが、この技術または機能を含むように実施されてもよいことを理解されたい。同様に、本明細書に記載されているどのような装置または機構も、この技術または機能と整合性が取れるように、構成され、または用いられるようになっていてもよい。
【0027】
もしセンサが、不十分な量の体液が前述の第2の有限期間内において少なくとも1つの検体定量化部材に導かれたことを決定したなら、検定が終了されるとよい。検体が終了したことまたは試験が失敗したことをユーザに示す適切な信号が生成されるとよい。
【0028】
もしセンサが、十分な量の体液が前述の第2の期間内において少なくとも1つ検体定量化部材に導かれたことを決定したなら、検定を継続することができる。具体的には、体液の試料内に含まれる検体の存在および/または量を計算するように、検定が継続されることになる。ここでも、検体を検出し、および/またはその濃度を計算するために、どのような適切な技術が用いられてもよい。例えば、既に述べた非制限的な例におけるような電気化学的技術および測光学的な技術の両方が用いられてもよい。いったん検体の存在および/または濃度が計算されたなら、その結果が、1つまたは複数の視覚的および聴覚的信号によって、ユーザにもたらされるようになっているとよい。
【0029】
血液のような体液は、環境に晒されると自然に凝固しようとするので、ある期間が経過したあとに体液の流れを継続させるいくつかの措置が取られると有利である。例えば、不十分な量を有していることが分かっている体液試料が、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられることがある。この不十分な量が検出され、この状態が任意選択的にユーザに知らされたとき、試験を復旧するために、前述した追加的なステップが行われることになる。前述したように、これらの追加的なステップは、完了するまでにいくらかの時間が掛かる。第1の体液が加えられてからの経過期間中に、前述の凝固効果によって、後で加えられる追加的な試料の流れが損なわれるかまたは完全に阻止されることがある。従って、本発明の原理によれば、体液の凝固を阻止するステップが行われるとよい。1つの例示的な非制限的実施例では、体液が接触する1つまたは複数の構成部品または部材に、抗凝固材料が少なくとも部分的に施されるようになっている。適切な抗凝固材料の例として、制限されないが、アスピリン、ヘパリン、およびコーマディン(Coumadin)(登録商標)が挙げられる。
【0030】
本発明のさらに他の態様によれば、より融通性のある操作モードを有するように構成され、かつ配置され、本発明の原理に関連する1つまたは複数の利点を達成することができる、機構および/または装置が提供されている。本明細書に記載されている機構および/または装置のいずれもが、前述した本発明の技術または方法を実施するのに用いられてもよいことを理解されたい。
【0031】
前述した形式の一実施形態である機構10は、図2,3に示されているような装置の形態にあるとよい。ここに示されているように、機構10は、任意選択的に、一体型計測器または装置11の形態にあってもよい。本明細書に記載されている方法、機構、および装置のいずれもが、例示されている実施形態の一体型装置11の1つまたは複数の特徴部を有することができる一体型計測器と共に実施されてもよいことを理解されたい。しかし、本発明は、必ずしもそのように制限されるものではないことも明らかである。本発明の方法、機構、および装置は、多くの異なる装置およびシステム、例えば、単純な突刺装置、どのような試料生成機構を有していない計測器、多数の構成部品システム、などに適用可能である。同様に、本明細書に記載されている機構および装置は、本発明の方法に従って機能するように構成され、かつ配置されていてもよいが、必ずしもそのように制限されるものではない。
【0032】
本発明に記載されている方法、機構、および装置は、適切な採取部位におけるユーザの皮膚表面に使用または適用されるとよい。1つの適切な採取部位は、指D上にある。しかし、これらの方法、機構、および装置は、必ずしもそのように制限されるものではない。例えば、本明細書に記載されている方法、機構、および装置は、前腕、太腿、などのような代替的な採取部位を含むどのような適切な採取部位におけるどのような皮膚表面に使用または適用されてもよい。
【0033】
図2,3に示されている実施形態によれば、機構10または計測器11は、ハウジング12を備えている。ハウジング12は、どのような適切な形状または構成を有していてもよく、例示されている形状および構成に制限されるものではない。例えば、ハウジング12は、ユーザの手によって容易に握られるように輪郭付けされていてもよい。ハウジング12は、どのような適切な材料から構成されていてもよい。例えば、ハウジング12は、ポリマー材料から構成されていてもよいし、または金属材料から構成されていてもよい。ハウジング12は、該ハウジングに配置された開口14を備えているとよい。皮膚インターフェイス部材16が、開口14内に配置され、ハウジング12に取り付けられているとよい。皮膚インターフェイス部材16は、どのような適切な構造を備えていてもよいし、またはどのような適切な材料から形成されていてもよい。例えば、皮膚インターフェイス部材は、エラストマー、シリコンゴム、軟質プラスチック、または種々の特性を有する材料の組合せから構成されていてもよい。多くの代替的な皮膚インターフェイス部材の構造が、以下にさらに述べるように、考えられる。
【0034】
機構10または装置11は、促進媒体をさらに任意選択的に備えていてもよい。促進媒体は、採取部位における体液の潅流を増進または促進することによって、試料取得プロセスを支援するものである。いくつかの促進媒体の少なくとも1つが、本発明の機構に利用されるとよく、または組み入れられているとよい。考えられる促進媒体として、熱、圧力、真空、振動、および(血管拡張を誘発し、突刺部位において入手可能な血液または体液を増大させる)居所投与薬が挙げられる。これらの促進媒体は、皮膚突刺の前、最中、後のいずれか、またはこれらの時期の2つまたは3つを組み合わせて加えられるとよく、これによって、体液BFに含まれている検体(例えば、ブドウ糖)の濃度を測定するために、十分な量の体液BFを絞り出すのを容易にすることができる。本発明の原理によれば、1つまたは複数の前述の促進媒体は、互いに組み合わせて、同時にまたは順次的に用いられるようにすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、皮膚の突刺の前、最中、および/または後のいずれかに、低真空(例えば、3−8インチ水銀柱)が開口14を介して採取部位における皮膚の表面に加えられるようになっている。真空を刺傷部位に加えるためのいくつかの実施形態が考えられる。一実施形態では、ポンプ18を用いて、真空を開口14を介して皮膚の領域に加えるようになっている。ポンプ18は、例示されている流体連通ライン20のような任意の適切な機構を介して、開口に連通している。代替的な実施形態として、個々のパッケージ化された真空チャンバを用いて真空を加える方法、または注射器状機構を用いて真空を加える方法が挙げられる。
【0036】
機構10または装置11は、任意の適切な形態の検体定量化部材24をさらに備えているとよい。例えば、検体定量化部材24は、電気化学的な特性を有するものまたは測光的な特性を有するもののいずれであってもよい。1つの特定の例示的な非制限的実施形態によれば、少なくとも1つの検体定量化部材24は、検定パッド26を備えているとよい。検定パッド26は、当業者によってそれ自体が知られているように、目標検体と反応したときに色変化が生じるように調合された化学試薬を含んでいる。体液BFの試料は、どのような適切な構造または技術によって、検体定量化部材に導かれてもよい。例えば、体液BFの試料は、開口14および/または通路22を介して導かれるとよい。
【0037】
少なくとも1つのセンサ28が、少なくとも1つの検体定量化部材24と関連して設けられているとよい。少なくとも1つの検体定量化部材24を調べるために、どのような適切なセンサ28の構造または機構が設けられていてもよい。このセンサは、検体定量化部材24に一体化されていてもよいし、または該部材から分離され、該部材に関連付けられていないようになっていてもよい。例えば、検体定量化部材24は、機構10または装置11の一部をなすセンサ28によって分析されてもよい。代替的に、検体定量化部材24は、機構10または装置11から取り外されるかまたは分離され、電気化学的計測器または測光的計測器内に挿入されるようになっていてもよい。
【0038】
少なくとも1つのセンサ28は、少なくとも1つの検体定量化部材24を調べ、体液の試料の存在を検出し、および/または試料の量を計算または評価する電気化学的センサまたは光学的センサから構成されているとよい。1つの非制限的な例によれば、少なくとも1つの検体定量化部材が、目標検体に晒されたときに色変化する化学試薬を含んでいる検定パッド26を備えている場合、光学センサ28を用いることによって、少なくとも1つの検体定量化部材24を調べ、目標検体を含む体液試料BFに接触している検定パッド26の領域におけるこの色変化を検出することができる。このように利用可能な適切な光学センサの例として、制限されないが、CCD式センサおよびCMOS式センサが挙げられる。また、センサ28は、体液の試料との接触によって色変化した検定パッドの領域を測定または評価することができる。次いで、この領域を用いて、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた体液の量を計算および/または評価することができる。このような計算または評価の詳細な説明は、米国特許第7,052,652号に含まれている。この特許の全内容は、参照することによって、本明細書に含まれるものとする。
【0039】
機構10または装置11は、少なくとも1つの皮膚貫入部材30をさらに備えているとよい。この少なくとも1つの皮膚貫入部材30は、どのような適切な形態を取ることもできる。例えば、少なくとも1つの皮膚貫入部材は、中実ランセットから構成されていてもよいし、または中空針から構成されていてもよい。従来の機構は、多くの場合、血液の試料を皮膚の表面に引き出すために、および試料を反応チャンバに移送するために、別々になった機構を必要としている。本発明の機構は、刺傷開口の生成および試料の移送の両方を行う内腔を有する中空針の形態にある皮膚突刺要素30を任意選択的に備えることができ、これによって、機構10または装置11の効率を著しく簡素化し、かつ改良することができる。
【0040】
任意選択的な一実施形態によれば、(1つまたは複数の)皮膚貫入部材30は、所謂、「マイクロ針」の形態にあってもよい。この名称が指すように、マイクロ針は、比較的小さい外径によって、特徴付けられている。例えば、本明細書において「マイクロ針」という用語が用いられる場合、約40−200μmの外径を有する皮膚貫入部材が、マイクロ針に含まれることになる。マイクロ針が中空で内腔を備えている場合、その内径を異ならせることができる。例えば、約25−160μmの内径を有することができる。針は、当技術分野において、「ゲージ」を参照することによっても、特徴付けられている。前述の説明に一致する例を挙げると、26−36の範囲内のゲージを有するマイクロ針は、明らかに本発明に含まれることになる。このようなマイクロ針を皮膚貫入部材として用いることによって、いくつかの利点が得られる。具体的には、小さい寸法によって、皮膚内に入った時に残される刺傷の大きさが比較的小さく、これによって、このような針の挿入に付随する痛みを最小限に抑え、迅速な治癒プロセスをもたらすことができる。しかし、本発明は、勿論、このようなマイクロ針の使用に制限されるものではない。例えば、1つの実行可能な代替的実施形態によれば、(1つまたは複数の)皮膚貫入部材は、約20−25のゲージを有する中空針から構成されていてもよいし、または約0.007インチ(0.01778cm)の内径および約0.020インチ(0.0508cm)の外径を有する中空針から構成されていてもよい。
【0041】
少なくとも1つの皮膚貫入部材30は、どのような適切な材料、例えば、金属、プラスチック、ガラス、などから形成されていてもよい。任意選択的に、少なくとも1つの皮膚貫入部材は、検体定量化部材24と連通していてもよい。
【0042】
少なくとも1つの皮膚貫入部材30および/または検体定量化部材24は、作動要素(図示せず)、例えば、バネに取り付けられていてもよい。作動要素は、少なくとも1つの皮膚貫入部材30を採取部位における皮膚内に押し込むようになっている。
【0043】
図2,3にさらに示されているように、機構10または装置11は、複数の皮膚貫入部材30および/または複数の検体定量化部材24を備えることができる。複数の皮膚貫入部材30および/または複数の検体定量化部材24は、任意選択的に、取外し可能なカートリッジ32内に取り付けられていてもよい。従って、機構10は、特に一体型計測器11の形態にあるとき、完全な自立式で、収集した体液BFの試料に対して多数の検定を行うことができる。多数の皮膚貫入部材30および多数の検体定量化部材24に対応する多数の検定が行われた後、カートリッジ32を取り外し、廃棄し、次いで、新しいカートリッジと交換することが可能である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、機構10は、自動的に操作されてもよいし、または半自動的に操作されてもよい。例えば、ユーザは、皮膚インターフェイス部材16を皮膚の表面の上に置き、体液の試料を生じさせる準備および/または検定を行う準備を整えたときに、例えば、ボタン33、タッチスクリーン、または他のインターフェイス装置を押すことによって、プロセスを開始するようになっていてもよい。これによって、1つまたは複数の促進媒体の作動および皮膚内への皮膚貫入部材30の押込みを含む装置内のプログラム化された一連の事象を開始することができる。所定時間になって、促進媒体の作動が停止されることになる。この操作モードは、一連の事象がユーザの手動によって開始されねばならない「半自動化」として特徴付けることができる。
【0045】
一代替形態によれば、操作モードは、完全に自動化されていてもよい。例えば、ユーザが皮膚インターフェイス部材16を適切な採取部位における皮膚の上に置く。機構10または装置11は、1つまたは複数のセンサ17を備えることができる。センサ17は、ユーザの皮膚が開口14の上に適切に配置され、採取手順を開始する準備が整ったことを検出し、かつ確認するものである。この1つまたは複数のセンサは、静電容量型タッチセンサ、抵抗型タッチセンサ、ドームスイッチ、またはマイクロスイッチのようなどのような適切なセンサから構成されていてもよい。いったんこの状態が検知されると、装置は、1つまたは複数の促進媒体の作動および皮膚内への皮膚貫入部材30の押込みを含む装置内のプログラム化された一連の事象を自動的に始動させることになる。これに続く所定時間になって、促進媒体装置14の作動が停止されることになる。促進媒体装置の作動は、皮膚貫入部材が皮膚内に押し込まれる前、最中、または後のいずれに停止されるようになっていてもよい。
【0046】
本発明の原理に従って形成された機構10または装置11は、支援電子機器を備えているとよい。例えば、機器10または装置11は、センサ28および任意選択的なポンプ18と信号通信36を行うようになっている制御装置34を備えているとよい。制御装置34は、当業者によってそれ自体よく知られているような中央処理ユニット、メモリ、制御論理(例えば、コード)、電源、支援電子機器、などを備えているとよい。制御装置34は、機構10または装置11の操作を制御するものである。
【0047】
本発明のいくつかの態様に関連して前述の1つまたは複数の方法ステップを実行するために、制御装置34は、本明細書に記載されている機構10または装置11の1つまたは複数の特徴部と関連して、用いられるとよい。前述の機構10または装置11に関連して行われる例示的な体液分析方法について、必ずしもこれに制限されるものではないが、以下に説明する。
【0048】
体液の試料を生成または収集する方法は、本発明の技術の実施に不可欠なものではない。例えば、本発明の方法または技術は、患者が血糖値を自己監視するかまたは臨床環境において血糖値を測定することに関連して実施される状況において、皮膚を突き刺し、採取部位に体液を絞り出すことができる刺傷を作ることによって、少量の血液を生じさせることができる。選択される採取部位として、指の皮膚表面、または前腕、太腿、などのような代替的な採取部位が挙げられる。従って、機構10が任意選択的な一体型装置(例えば、11)の形態で実施されるとき、少なくとも1つの皮膚貫入部材30によって皮膚が突き刺され、これによって、皮膚の表面に体液BFの試料を絞り出すことができる刺傷が作られることになる。
【0049】
いったん体液BFの試料が生じたなら、この試料は、開口14および/または通路22を介して、少なくとも1つの検体定量化部材24に加えられるようになっている。十分な試料の量の存在または不在を検出する目的のために、センサ28が任意選択的に用いられるとよい。1つの非制限的な例によれば、少なくとも1つの検体定量化部材24が、目標検体に晒されたときに色変化する化学試薬を含んでいる検定パッド26を備えているとき、光学センサを用いることによって、少なくとも1つの検体定量化部材を調べ、目標検体を含んでいる体液試料BFに接触している検定パッド26の領域におけるこの色変化を検出することができる。次いで、この領域を用いて、支援電子機器(例えば、制御装置34、中央処理ユニット、メモリ、制御論理(例えば、コード)、電源、など)によって、前述したように、少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた体液の量を計算および/または評価することができる。
【0050】
もしセンサ28が、十分な量の体液が許容される時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材に導かれたことを決定したなら、制御装置34は、検定を継続させ、体液の試料内に含まれている検体の存在および/または量を計算することになる。少なくとも1つの検体定量化部材24が、目標検体と反応したときに色変化を生じる化学試薬を含んでいる検定パッド26を備えている場合、センサ28を用いることによって、十分な試料の量の検出に続いて、少なくとも1つの検体定量化部材24を調べ、目標検体と化学試薬との間の反応によって生じた色の変化を検出することができる。次いで、この色変化と特定の検体濃度との間の相関関係を調べることができる。この種の光学的分析は、当業者にとってそれ自体が知られている。いったん体液の試料内に含まれている目標検体の量の計算が行われると、その計算の結果が、ユーザに対して、ディスプレイ38に視覚的に表示されるか、またはスピーカ42を介して聴覚的に知らされるようにすることができる。
【0051】
もしセンサ28によって調べた結果、体液BFの不十分な量が前述の時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材24に導かれたことが決定されたなら、本発明によれば、検定を復旧することを試みるステップが行われるようになっている。第2の有限期間が制御装置34によって開始され、これによって、十分な量の体液を加える追加的なステップをユーザ操作時間内に行うことが可能になる。この第2の有限期間は、どのような適切な時間であってもよい。例示的な非制限的実施例によれば、第2の有限期間は、1分未満または45秒以下とすることができる。制御装置34は、検定を行うのに十分な量の体液を加えるには追加的なステップが必要であることを示すために、ユーザにディスプレイ38上の視覚的信号40またはスピーカ42を介する聴覚的信号を供給することもできる。この信号供給は、有限期間の開始の前、有限期間の開始と同時、または有限期間の開始の後に行われるとよい。
【0052】
十分な体液の試料を生じさせ、その試料を少なくとも1つの検体定量化部材24に供給する追加的なステップを行うことを示す信号を受信したことに応じて、このような追加的な試料の量を生じさせることができるどのような追加的なステップが行われてもよい。1つの非制限的な例によれば、皮膚を突き刺し、体液を絞り出すことができる刺傷を作ることによって、体液の試料が生成されている場合、体液の試料の量を増大させるための追加的なステップとして、ユーザが手によって刺傷の近くに「ミルキング」動作を加えることが挙げられる。これは、刺傷の近くの皮膚の押し込みおよび解放を交互に行い、刺傷から追加的な体液を絞り出すことによって、達成されることになる。この技術は、糖尿病を患って定期的に血糖値を監視している人にとっては、よく知られており、多くの場合、血糖濃度を測定する検定を行うために十分な量の体液を絞り出すのに成果を挙げている。いったん追加的な試料が刺傷からミルキングされたら、この追加的な試料、すなわち、「第2」の試料は、開口14および/または通路22を介して、検体定量化部材24に加えられることになる。
【0053】
代替的に、もし促進媒体の最初の印加と併せて皮膚を突き刺したあと、不十分な量の体液BFが生じたなら、不十分な体液試料を検出したことを知らせる前述の信号を受信したときに、ユーザは、促進媒体が最初の刺傷生成および体液試料絞り出しと関連して用いられたかどうかに関わりなく、刺傷から絞り出される体液の量を増大させることを意図して、刺傷の近傍に促進媒体を加えるように、前述の信号供給を介して指示されるかまたは自ら決定することができる。例えば、真空促進媒体が利用されるとき、ユーザは、皮膚インターフェイス部材16を刺傷上に置き、真空促進媒体を再び加えるように、指示されるかまたは自ら決定するようになっているとよい。促進媒体は、どのように適切な方法によって加えられてもよい。具体的には、ユーザは、皮膚インターフェイス部材16を刺傷の上に配置した後、ボタン33、タッチスクリーン、または任意の他の適切なインターフェイス装置を押し込むことによって、促進媒体を始動させることができる。代替的に、促進媒体の印加は、前述したように、皮膚が皮膚インターフェイス部材16の上に適切に配置されていることを検知することによって、自動的に開始されてもよい。
【0054】
もしセンサ28が、不十分な量の体液BFが前述の第2の有限時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材24に導かれたことを決定したなら、検定は、終了されるとよい。検定が終了したことまたは試験が失敗したことをユーザに知らせる適切な信号が、ディスプレイ38上にまたはスピーカ42によってもたらされるとよい。
【0055】
もしセンサ28が、十分な量の体液が前述の第2の時間枠内において少なくとも1つの検体定量化部材24に導かれたことを決定したなら、検定を継続することができる。具体的には、前述したように、検定が継続され、体液の試料内に含まれている検体の存在および/または量が計算されることになる。いったん検体の存在および/または検体の濃度が計算されたなら、その結果が、ディスプレイ38またはスピーカ42を介する1つまたは複数の視覚的信号および聴覚的信号によって、ユーザにもたらされるとよい。
【0056】
血液のような体液は、環境に晒されると、自然に凝固しようとするので、ある期間が経過したあとに体液の流れを継続させるいくつかの措置が取られると有利である。1つの例示的な非制限的実施例によれば、開口14、皮膚インターフェイス部材16、通路22、または体液が接触する他の部品または部材の1つまたは複数に、抗凝固材料が少なくとも部分的に施されているとよい。適切な抗凝固材料の例として、制限されないが、アスピリン、ヘパリン、およびコーマディン(Coumadin)(登録商標)が挙げられる。さらに他の代替的な実施形態によれば、体液の流れを改良する付加的な試薬または材料が、開口14、皮膚インターフェイス部材16、通路22、または体液が接触する他の部品または部材に施されていてもよい。このような付加的な試薬または材料として、例えば、シルウェット(Silwet)(登録商標)が挙げられる。付加的な代替的実施形態によれば、機構10または装置11の1つまたは複数の前述の部品または構成要素が、これらの2種の材料の組合せによって被覆されていてもよい。1つの例示的な非制限的実施例によれば、1つまたは複数の前述の部品または構成要素は、例えば、49.4mlの滅菌水+49.4mlの滅菌イソプロピルアルコール+0.8mlのシルウェット(登録商標)L7600+0.46gの低分子量ヘパリンの組成を有する溶液によって被覆されるようになっている。
【0057】
付加的な任意選択的実施形態による装置、機構、および技術が、図4−10に示されている。これらの付加的な代替的実施形態の装置、機構、および技術は、本発明の前述の技術または方法のいずれかの実施に関連して用いられてもよいことを理解されたい。しかし、本発明は、必ずしもそのように制限されるものではない。これらの付加的な代替的実施形態の装置、機構、および技術は、本明細書に記載されていない付加的な技術または方法の実施に関連して用いられてもよい。同様に、図4−10の付加的な代替的実施形態の装置、機構、および技術は、前述の実施形態(例えば、図2,3)の特徴部および/または機能性のいくつかまたは全てを有していてもよい。しかし、これらの付加的な代替的実施形態は、そのように制限されるものではない。図4−10に示されている技術、装置、および機構は、前述されていない他の装置または機構に関連して良好に用いられることがあってもよい。図4−10に示されている付加的な代替的実施形態が前述の実施形態(例えば、図2,3)と共通する特徴部を有している場合、このような共通の特徴部を識別するために、同じ参照番号が用いられている。簡潔にするために、このような共通の特徴部は、これらの付加的な代替的実施形態の以下の記載において、完全には示されていない場合がある。図4−10に示されている実施形態に含まれているこれらの共通の特徴部の記載は、前述の実施形態に関連するそれらの前述の記載を参照することによって、ここに含まれるものとする。
【0058】
図4は、本発明の任意選択的な代替的実施形態に従って形成された機構400を示している。機構400は、いくらか修正された皮膚インターフェイス部材116を備えている。皮膚インターフェイス部材は、どのような適切な材料、例えば、エラストマー、シリコンゴム、プラスチック、または種々の材料の組合せから形成されていてもよい。皮膚インターフェイス部材116は、任意選択的なリム状構造117をさらに備えているとよい。リム状構造117は、皮膚の表面に沿って該構造117に加えられた圧力のリングをもたらし、これによって、体液BF試料採取手順を容易にするという利点をもたらすことができる。任意選択的なリム状構造117が存在するかどうかに関わりなく、図4に破線で示されているように、皮膚は、垂れ下がって皮膚インターフェイス部材116によって画定された開口または通路22内に下方に突出する傾向にある。この皮膚が垂れ下がる効果は、例えば、体液BF試料収集を試みている過程において真空促進媒体が加えられると、さらに一層著しくなる。
【0059】
図4は、体液BFの試料を検体定量化部材24に加える試みを示している。検体定量化部材24は、ハブ25を備えており、試薬パッド26がこのハブ25に取り付けられている。内腔34を有する中空針の形態にある皮膚貫入部材30が、設けられている。内腔34は、26で示されている検定と流体連通している。この流体連通は、多くの実行可能な構成によって、もたらすことができる。具体的には、皮膚貫入部材30の端が、試薬パッド26に直接通じるように、ハブの全体を通って取り付けられてもよい。代替的に、皮膚貫入部材30の端が、試薬パッド26から離れてハブに取り付けられてもよく、この場合、ハブ25は、任意選択的に、皮膚貫入部材30の端に通じて試薬パッド26に達する別の通路36を備えているとよい。
【0060】
図4にさらに示されているように、1つの代替的な実施形態によれば、いったん、場合によっては最初の試みが十分な試料の量を生じさせることができなかったことを示す装置または機構からの指示に応じて、追加的な量の体液を得るために追加的な措置が取られたなら、ユーザは、最初の試みによって作られた刺傷が皮膚貫入部材116によって画定された開口の中心に略位置するように、皮膚を皮膚インターフェイス部材116に接触させることになる。機構400は、皮膚がこのように配置されたとき、内腔34の端によって画定された開口を有する皮膚貫入部材の端が刺傷に近接し、刺傷から絞り出された追加的な量の体液BFが前記開口に通じるように、構成されている。内腔34が試薬パッド26を備えている検体定量化部材24に流体連通しているので、体液BFは、重力、毛細管効果、またはこれら2つの組合せによって、試薬パッド26に移送されることになる。次いで、前述したように、検定を行うのに十分な試料の量をもたらすために、体液BFの再供与が十分であったかどうかを決定するステップが行われることになる。
【0061】
図5は、修正された皮膚貫入部材構造130を備えている機構500を示している。この構造130は、該構造に加えられる体液BFの受け入れを容易にするように設計されている。ここに示されているように、皮膚貫入部材130は、端部131を備えている。端部131は、該端部に加えられる体液BFの試料を良好に受け入れやすい面をもたらすのに最適化された幾何学的形状を備えている。端部131は、例示されている構造に制限されるものではなく、代わって、該端部に加えられる体液の滴を捕捉する可能性を高めるどのような適切な幾何学的形状を有していてもよい。皮膚貫入部材130は、どのような適切な材料、例えば、前述の実施形態の皮膚貫入部材30に関連して前述したどのような適切な材料から形成されていてもよい。さらに、皮膚貫入部材130は、任意選択的な体液BF流れ促進特徴部34cを備える内腔34を有することができる。流れ促進特徴部34cは、表面テクスチャ(surface texturing)または被膜を備えることができる。流れ促進特徴部34cが被膜から構成されている場合、この被膜は、任意選択的に、抗凝固物質、例えば、前述した抗凝固物質の形態にあるとよい。検体定量化部材24がハブ25を備えている場合、このハブ25は、内腔34と試薬パッド26との間に流体連通をもたらすための別の通路36を備えていてもよい。また、通路36およびハブ25は、体液BF流れ促進特徴部34cを備えていてもよい。
【0062】
さらに他の代替的実施形態に従って構成された機構600が、図6に示されている。ここに示されているように、皮膚インターフェイス部材116は、ガイド要素118を備えている。ガイド要素118は、所望の方向、すなわち、内腔34の端部によって画定された中空の皮膚貫入部材30の開端に向かって体液の流れを促進するように、構成されている。ガイド要素118は、皮膚インターフェイス部材116の残りと同じ材料から形成されていてもよい。代替的に、ガイド要素118は、皮膚インターフェイス部材116の残りの少なくともその一部と異なる材料から形成されていてもよい。例えば、ガイド要素118は、皮膚インターフェイス部材116の残りよりも軟質および/または柔軟なポリマー材料から形成されていてもよいし、またはその逆であってもよい。ガイド要素118は、高可視性材料から形成されていてもよいし、または該材料から被覆されていてもよく、これによって、該ガイド要素に体液BFの滴を加えるのが容易になる。例えば、この材料または被覆は、明色の反射性物質、および/または蛍光物質から構成されていてもよい。代替的に、または追加的に、関連する装置または機構は、ガイド要素118を照明する光源を備えていてもよい。ガイド要素118は、皮膚インターフェイス部材116の一体部分として構成されていてもよい。代替的に、ガイド要素118は、皮膚インターフェイス部材116の残りの部分に恒久的にまたはごく簡単に取り付けられる別の部分または別の構成要素として構成されていてもよい。ガイド要素118は、どのような適切な幾何学的な構成または形状を有していてもよい。具体的には、いくつかの非制限的な例によれば、ガイド要素118は、円錐、切頭円錐、または凹状ドーム形状を有することができる。皮膚インターフェイス部材116の少なくともガイド要素118は、任意選択的に、1つまたは複数の体液流れ促進特徴部を備えていてもよい。すなわち、ガイド要素118の少なくとも一部は、所望の箇所に向かう所望の方向における体液BFの流れを促進する適切な被膜120を備えていてもよい。被膜120は、親水被膜、疎水被膜、抗凝固被膜、またはこれらの組合せから構成されていてもよい。代替的に、または付加的に、ガイド要素118は、表面テクスチャ、例えば、所望の箇所に向かう所望の方向における体液の流れを促進するのに役立つ1つまたは複数の毛細管溝122を備えていてもよい。図6に示されているように、被膜120および溝122は、互いに組み合わせて用いられてもよい。代替的に、ガイド要素118は、被膜120または溝122のいずれかのみから構成されていてもよい。図6に示されている機構600から明らかなように、ガイド要素118を設けることは、刺傷をいかに正確に皮膚貫入部材30の位置に対して配置させる必要があるかに関して、ユーザにいくらかの自由度を可能とする点に関して、有益である。ガイド要素118は、もし体液BFがそのガイド要素のどの部分に導かれても、その流れを皮膚貫入部材30の内腔34の端に向かって導くように構成されている。中空針式の皮膚貫入部材30の存在は、任意選択的であることを理解されたい。例えば、機構600は、ガイド要素118がそのガイド要素に流体連通している検体定量化部材に体液BFの流れを直接導くように、構成されていてもよい。さらに他の例によれば、ガイド要素118は、他の部材または要素、例えば、中空チューブまたは同様の流体運搬構造または流体受入れ構造に体液BFの流れを直接導くことができる。
【0063】
図7は、本発明のさらに他の任意選択的な実施形態に従って形成されたさらに他の代替的な機構700を示している。機構700は、ガイド要素124が皮膚貫入部材30に関連付けられている以外は、前述の機構600と同様である。ガイド要素124は、前述のガイド要素118と同じ構造、機能、および特徴部を有することができる。ガイド要素124は、どのような適切な方法によって皮膚貫入部材30に関連付けられていてもよい。図示されている例によれば、ガイド要素124は、皮膚貫入部材30の外周の少なくとも一部を包囲しているカラー状部分126を介して、皮膚貫入部材30に関連付けられている。ガイド要素124は、カラー状部分126と一体に形成されていてもよい。代替的に、ガイド要素124は、別に形成され、カラー状部分126に恒久的または取外し可能に取り付けられていてもよい。検体定量化部材24がハブ25を備えているとき、カラー状部分126は、どのような適切な方法によってハブ25に接続されていてもよく、例えば、接着剤によってハブ25に固定されていてもよい。代替的に、カラー状部分126およびハブ25は、同一材料の単一片として一体に形成されていてもよいし、または単一構造を形成するように共成形されていてもよい。機構700のガイド要素124は、付加的な機能、すなわち、刺傷部位における皮膚内への皮膚貫入部材30の貫入深さのストッパまたはリミットとして作用するようになっていてもよい。前述したように、皮膚貫入部材30は、皮膚インターフェイス部材16の通路22内に位置する皮膚の表面内に作動、すなわち、押し込まれ、これによって、刺傷を作るようになっている。図7に示されているように、ガイド要素124は、皮膚貫入部材30に対して外方かつ上方に突出している。従って、ガイド要素124の最上面は、ユーザの皮膚と所望の接触を行うように構成され、かつ寸法決めされているとよい。この接触は、皮膚貫入部材がユーザの皮膚の表面内に延びる深さを制限するように働くことになる。機構600に関連して前述したように、中空針式皮膚貫入部材30の存在は、任意選択的であることを理解されたい。例えば、機構700は、ガイド要素124が、ガイド要素124に流体連通している検体定量化部材に体液BFの流れを直接導くように構成されていてもよい。さらに他の例によれば、ガイド要素124は、他の部材または要素、例えば、中空管または同様の流体運搬構造または流れ受入れ構造に体液BFの流れを導くことができる。
【0064】
図8は、代替的に構成された皮膚貫入部材/ガイド要素の構造を示している。ここに示されているように、ガイド要素124’およびカラー状部分126’は、互いに異なる特性を有する別々の材料から形成されていてもよい。ガイド要素124’およびカラー状部分126’は、別々に形成され、恒久的または取外し可能に接合されてもよく、または単一構造を形成するように成形されていてもよい。例えば、ガイド要素124’は、カラー状部分126’よりも軟質または柔軟な材料から形成されていてもよい。この構造は、ユーザに対して容易に適合するより追従的なガイド要素124’をもたらす利得をもたらす一方、より剛性のカラー状部分126’によって、容易に位置ずれしない正確な配置をもたらすことができる。
【0065】
図9,10は、本発明のいくつかの任意選択的な態様に従って形成されたさらに他の代替的な機構900に向けられている。機構900は、前述した機構700,800と同様の構造を有している。しかし、機構900によれば、皮膚インターフェイス部材116および皮膚貫入部材30の両方が、それぞれ、それらに関連付けられたガイド要素118,124を有している。ガイド要素118,124は、前述の実施形態におけるのと同じ特徴部、構造、および機能を有することができる。前述の機構に関連して前述したように、中空針式皮膚貫入部材30の存在は、任意選択的であることを理解されたい。例えば、機構900は、ガイド要素118,124が、それらのガイド要素に流体連通している検体定量化部材に体液BFの流れを直接導くように構成されていてもよい。さらに他の例によれば、ガイド要素118,124は、他の部材または要素、例えば、中空管または同様の流体運搬構造または流体受入れ構造に体液BFの流れを導くことができる。
【0066】
本明細書に用いられている成分、構成要素、反応条件、などの量を表す数は、全ての場合に、「約」という語によって修飾されているものと理解されたい。本明細書において提示されている主題の広範な範囲を明記している数値範囲および数値パラメータは、近似値であるにも関わらず、明記されている数値は、可能な限り正確に示されている。しかし、どのような数値も、それぞれの測定技術に見出される標準偏差から必然的に生じるいくらかの誤差を本質的に含んでいる。「手段(means)」という用語が明示的に用いられていない限り、添付の特許請求の範囲に列挙されているどのような構成要素も、米国特許法第112条(6)を行使して解釈されるべきではない。
【0067】
本発明を好ましい実施形態に関連して説明してきたが、具体的に記載されていない追加、削除、修正、および交換が、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、なされてもよいことが、当業者には理解されるだろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの検体定量化部材およびそれに関連するセンサを備えている装置を用いることによって、体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度を決定する検定を行う方法において、
第1の試料を前記検体定量化部材に加えることと、
十分な試料の量の存在または不在を検出することと、
を含んでおり、
十分な試料の量の不在を検出したときに、有限期間を開始し、体液の第2の試料を前記検体定量化部材に導くことをユーザに信号によって知らせることを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた十分な試料の量の存在または不在を検出するために、前記有限期間中に前記検体定量化部材を前記センサによって調べることをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記期間内に十分な試料の量の不在を検出したとき、前記検定が終了されていることをユーザに信号によって知らせることを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記期間中に十分な試料の量が検出されたとき、前記検定を継続させることを含んでいることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記検体の存在または濃度を確認するために、前記期間に続いて、前記検体定量化部材を調べることをさらに含んでいることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記検体は、ブドウ糖を含んでおり、前記体液は、血液を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの検体定量化部材は、前記検体と反応したときに色変化を生じるように調合された化学試薬を含んでいる検定パッドを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記装置は、複数の前記検体定量化部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記装置は、複数の検体定量化部材を含んでいる取外し可能なカートリッジを備えていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサは、前記色変化を表す信号を生成するように構成された光学センサを含んでいることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記有限期間は、1分未満であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記有限期間は、45秒以下であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記信号供給は、視覚的信号および聴覚的信号の少なくとも1つを生成することを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記装置は、少なくとも1つの皮膚貫入部材をさらに備えており、前記方法は、前記少なくとも1つの皮膚貫入部材によってユーザの皮膚を突き刺し、これによって、体液を絞り出すための刺傷口を作ることをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の体液の試料を前記少なくとも1つの検体定量化部材に導く前に、前記皮膚が突き刺されるようになっていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第2の体液の試料を前記検体定量化部材に導くことをユーザに信号によって知らせた後、 (i)前記第2の試料を刺傷から絞り出すために、刺傷を手によってミルキングすること、および(ii)刺傷の近くの前記皮膚に促進媒体を加えることの少なくとも1つをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記促進媒体は、真空を含んでいることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの皮膚貫入部材によって前記皮膚を突き刺す前、最中、または後に、促進媒体をユーザの前記皮膚に加えることをさらに含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記促進媒体は、真空を含んでいることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
常態では体液に接触する少なくとも一部に抗凝固材料を設ける装置を提供することをさらに含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記装置は、皮膚インターフェイス部材をさらに備えており、前記皮膚インターフェイス部材および前記皮膚貫入部材の少なくとも1つは、ガイド要素を備えており、
前記方法は、
第2の体液の試料を導くことをユーザに信号によって知らせた後、前記刺傷から追加的な体液を絞り出す少なくとも1つの追加的な措置を取ることと、
前記刺傷の近くの前記皮膚を、前記ガイド要素が前記検体定量化部材への前記第2の試料の移送を容易にすることができるように、前記皮膚インターフェイス部材に接触させることと、
をさらに含んでいることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記皮膚インターフェイス部材および前記皮膚貫入部材の両方が、ガイド要素を備えていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
体液の試料内に含まれている検体の存在または濃度を決定する検定を行うための装置において、
少なくとも1つの検体定量化部材と、
前記少なくとも1つの検体定量化部材に流体連通している少なくとも1つの通路と、
前記少なくとも1つの検体定量化部材を調べ、前記少なくとも1つの検体定量化部材に加えられた十分な試料の量の存在または不在を検出するように、構成され、かつ配置されたセンサと、
前記センサに信号通信している制御装置であって、十分な試料の量の不在を検出したとき、有限期間を開始し、他の体液の試料を前記少なくとも1つの通路内に導くことをユーザに信号によって知らせるように、構成され、かつ配置されている、制御装置と、
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項24】
前記制御装置および前記センサは、前記少なくとも1つの検体定量化部材が、十分な試料の量の存在または不在を検出するために、前記有限期間中に前記センサによって調べられるように、構成され、かつ配置されていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記制御装置は、前記期間内に十分な試料の量の不在が検出されたとき、前記検定が終了されていることをユーザに信号によって知らせるように、構成され、かつ配置されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項26】
前記制御装置は、前記期間中に十分な試料の量が検出されたとき、前記装置が前記検定を継続するように、構成され、かつ配置されていることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項27】
前記制御装置および前記センサは、前記検体の存在または濃度を確認するために、前記期間に続いて、前記少なくとも1つの検体定量化部材を調べるように、構成され、かつ配置されていることを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記検体は、ブドウ糖を含んでおり、前記体液は、血液を含んでいることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記少なくとも1つの検体定量化部材は、前記検体と反応したときに色変化を生じるように調合された化学試薬を含んでいる検定パッドを備えていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項30】
前記装置は、複数の前記検体定量化部材を備えていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項31】
前記装置は、前記複数の検体定量化部材を含んでいるカートリッジを備えていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記センサは、前記色変化を表す信号を生成するように構成された光学センサを含んでいることを特徴とする請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記有限期間は、1分未満であることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項34】
前記有限期間は、45秒以下であることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記信号は、視覚的信号および聴覚的信号の少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項36】
少なくとも1つの皮膚貫入部材をさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項37】
複数の皮膚貫入部材をさらに備えており、前記複数の検体定量化部材の各々は、前記検体定量化部材の各々に関連するそれぞれの皮膚貫入部材を有していることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項38】
前記少なくとも1つの皮膚貫入部材は、内腔を有する針を含んでおり、前記少なくとも1つの通路は、前記針の前記内腔を含んでいることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記複数の検体定量化部材および前記複数の皮膚貫入部材を含んでいる取外し可能なカートリッジをさらに備えていることを特徴とする請求項35に記載の装置。
【請求項40】
前記少なくとも1つの皮膚貫入部材によって前記皮膚を突き刺す前、最中、または後に、体液を前記刺傷から絞り出すために促進媒体を加えるように構成され、かつ配置された促進媒体生成機構をさらに備えていることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項41】
前記促進媒体生成機構は、十分な体液試料の量の不在をユーザに示す信号に続いて、前記刺傷から体液を絞り出すために促進媒体を加えるように、構成され、かつ配置されていることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項42】
前記促進媒体生成機構は、真空ポンプを含んでいることを特徴とする請求項34に記載の装置。
【請求項43】
抗凝固材料が、前記通路の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項44】
抗凝固材料が、前記内腔の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項45】
皮膚インターフェイス部材および皮膚貫入部材をさらに備えており、前記皮膚インタ−フェイス部材および前記皮膚貫入部材の少なくとも1つは、体液の流れを所望の箇所に向かう所望の方向に案内するように構成されたガイド要素を備えていることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項46】
前記皮膚インターフェイス部材および前記皮膚貫入部材の両方が、ガイド要素を備えていることを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
体液の試料を収集するための装置において、
皮膚インターフェイス部材および皮膚貫入部材を備えており、
前記皮膚インターフェイス部材および前記皮膚貫入部材の少なくとも1つは、前記部材の少なくとも1つに配置された、体液の流れを導くように構成されたガイド要素を備えていることを特徴とする装置。
【請求項48】
前記皮膚貫入部材は、内腔を有する中空針を含んでおり、前記ガイド要素は、前記内腔内への前記体液の試料の導入を容易にするように構成されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記適用ガイドは、ファンネル状形状または凹状ドーム形状を備えていることを特徴とする請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記ガイド要素は、ポリマー、金属、セラミック、またはこれらの組合せから形成されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項51】
前記ガイド要素は、少なくとも1つの流体流れ促進特徴部をさらに備えていることを特徴とする請求項47に記載の装置。
【請求項52】
前記少なくとも1つの流体流れ促進特徴部は、親水性被膜、疎水性被膜、または毛細管溝を含んでいることを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記ガイド要素は、前記皮膚貫入部材の貫入の深さを制限するように構成されていることを特徴とする請求項47に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−522593(P2011−522593A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512480(P2011−512480)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/003441
【国際公開番号】WO2009/148624
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(507406873)インテュイティ メディカル インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】