検査用ソケット
【課題】チップコンデンサなどの部品を実装可能な構造を有し、信頼性及び耐久性に優れた検査用ソケットを提供する。
【解決手段】支持ブロックの第1面、第1面と反対側の第2面、第1面と第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われる。第1プローブ及び第2プローブは、第1面側に設けられる被検査デバイスの端子及び第2面側に設けられる検査装置に接続された端子と電気的に接続する。第1プローブは、第1貫通孔に設けられ、第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する。第2プローブは、第2貫通孔に設けられ、第2貫通孔のメッキ被膜と導通する。メッキ被膜を介して第1プローブと導通する第1領域と、メッキ被膜を介して第2プローブと導通し、第1領域と電気的に隔てられた第2領域と、に画定するパターンは、第1面及び第2面のメッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、電子部品の電極が第1領域及び第2領域と接続される。
【解決手段】支持ブロックの第1面、第1面と反対側の第2面、第1面と第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われる。第1プローブ及び第2プローブは、第1面側に設けられる被検査デバイスの端子及び第2面側に設けられる検査装置に接続された端子と電気的に接続する。第1プローブは、第1貫通孔に設けられ、第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する。第2プローブは、第2貫通孔に設けられ、第2貫通孔のメッキ被膜と導通する。メッキ被膜を介して第1プローブと導通する第1領域と、メッキ被膜を介して第2プローブと導通し、第1領域と電気的に隔てられた第2領域と、に画定するパターンは、第1面及び第2面のメッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、電子部品の電極が第1領域及び第2領域と接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICなどの被検査デバイスの電気的特性を、実際に回路に組み込む前に検査するため、被検査デバイスの電極端子(リード端子)と検査装置に接続される配線端子とを支持ブロックで支持されたプローブにより接続する検査用ソケットに関する。さらに詳しくは、プローブ間に部品実装可能な検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ、ICあるいはモジュールなどに、電気信号を入力してそのデバイス(被検査物)の特性を調べる検査が一般的に行われている。このようなデバイスの電気的特性の検査を行う場合、検査装置に接続されるリードの端部が集められた配線基板の配線端子とデバイスの電極端子(リード端子)などとを接続するプローブが設けられたICソケットなどの検査用ソケットが用いられる。
【0003】
この検査用ソケットは、例えば図10に示されるように、プローブ71を支持する支持ブロック72などに貫通孔をあけて、その中に信号用、電源用、およびグランド用などのプローブ71を挿入し、ソケットの一面(図の上面)側に設けられる図示しない被検査デバイスの電極端子(リード端子)とソケットの他面(図の下面)側に設けられる図示しない配線基板の配線端子とを電気的に接続して検査をするものである。この支持ブロック72の被検査デバイスが設けられる側の外周部には、被検査デバイスの位置決めをする被検査デバイスガイド74が、支持ブロック72と一体に、または別部品として形成されて図示しないネジなどにより固定して設けられている。なお、図10において、73はプローブ71が抜け出ないように保持する保持板、76は配線基板との位置決めをする位置決めピンである。
【0004】
近年のデバイス(上記被検査デバイス)の高周波・高速・高性能化に伴い、その被検査デバイスの検査に用いられる検査用ソケットにも様々な性能を付加することが求められている。その一例として、検査用ソケットにバイパス用のチップコンデンサを実装するという要求がある。一般的に、電源用プローブのバイパス用チップコンデンサは、検査用ソケット下面側の配線基板上において、電気的な距離ができるだけデバイスに近い配線パターン上に実装される。つまり被検査デバイス側から見ると、チップコンデンサに到達するまでには検査ソケットのプローブ及び配線基板のパターンを経由する。
【0005】
しかし、近年のデバイスの高速・高周波・高性能化により、検査用ソケットのプローブの持つインダクタンス成分がデバイスの動作を不安定にさせる要因となることがある。そのため、バイパス用チップコンデンサを被検査デバイスのより近くに配置する事が要求されている。すなわち、このチップコンデンサを被検査デバイスの直下であり検査ソケットの上部である位置に実装する事が必要となった。
【0006】
関連技術の検査ソケットは、プローブを支持する支持ブロックが樹脂あるいは金属で構成されており、特定のプローブ間にチップコンデンサなどの部品を接続したくとも簡単ではなかった。
【0007】
プローブチューブにチップコンデンサが半田付けされた関連技術の検査用ソケットの側面図を図11に示す。図11の検査用ソケットでは、支持ブロック82の上側の保持板83が外されており、支持ブロック下側の保持板83のみが示されている。この支持ブロック82及び保持板83は樹脂製である。
【0008】
図12は図11の拡大斜視図である。チップコンデンサ89はプローブチューブ81(ここではプローブと合せて参照番号81を付与する)の支持ブロック82の上側から突出する部分に半田付けされる(半田を図中S2で示す)。そのため、支持ブロック82上側に配置される保持板83にはこのチップコンデンサ89に対応する位置に図示しない逃げ部が設けられ、保持板83とチップコンデンサ89とが干渉しないようにされている。
【0009】
図11及び図12において、プローブ81間のピッチ間隔は1.0mmであり、チップコンデンサ89の大きさは1.0mm×0.5mm×0.5mmであるため、半田付けには専用治具が必要となり、また半田付けの高度な技術も要求される。さらに、チップコンデンサ89を2本のプローブ81に正確に取り付けないと2本のプローブ81にかかる力のバランスが取れないために、プローブ81やチップコンデンサ89の電極に剥離やヒビなどが生じる虞がある。つまり、検査用ソケットの信頼性や耐久性が低下するという問題が生じる。
【0010】
また、プローブ81のピッチ間隔を現在主流の0.5mmまで狭くした場合、取り付けるチップコンデンサ89も更に小型のもの、例えば0.6mm×0.3mm×0.3mmサイズのものを使用する必要があり、半田付けにはより高度な技術が要求され、検査用ソケットの信頼性や耐久性の低下はより顕著になる。さらに、メンテナンスのためにプローブ81を交換する場合には、半田付けより取り付けたチップコンデンサ89を取り外す必要があり、プローブ81交換後に再度チップコンデンサ89を取り付けるためには半田付けをやり直す必要がある。
【0011】
図13に金属製の支持ブロックを用いた関連技術の検査用ソケットの断面図を示す。図示されてはいないが、図13の検査用ソケットでは図11及び図12に示した検査用ソケットと同様にしてチップコンデンサは、プローブチューブに半田付けされ、これに応じて支持ブロック上側の固定板にチップコンデンサとの干渉防止用の逃げ部が設けられている。
【0012】
図13のように、プローブ91を支持する支持ブロック92に金属材料を用いるのは、ノイズ対策として有効である。支持ブロック92には例えば真鍮やアルミニウムなどの金属板が用いられる。
【0013】
また、検査ソケットのRF特性を向上させるためには(アナログで周波数の高いものを高周波といい、デジタルでパルス幅およびパルス間隔が非常に短いものを高速という、両方まとめてRFという)、信号用プローブ91SIGを同軸構造にし、グランド用プローブ91GNDを信号用プローブ91SIGの近くで、確実にグランドと接続させる必要がある。そのため、信号用プローブ91SIGは、プローブを中心導体、支持ブロック92の貫通孔95の内壁を外部導体、その間を空間とする同軸構造にし、所定のインピーダンスになるように、プローブ91SIGの外径dおよび貫通孔95の内径Dが設定されている。
【0014】
このような構造にすることにより、近年のデバイスの小形化、高密度化に伴い電極端子の間隔が非常に狭くなっても、中心導体と外部導体との間が中空で比誘電率が1となり、狭ピッチでも所定のインピーダンスの同軸構造にすることができる。そして、グランド用プローブ91GNDは、支持ブロック92と確実に接触させることができるように、例えばすり割を入れたラッパ状の金属チューブ97を介在させて支持ブロック92の貫通孔95内に挿入されている。なお、電源用プローブ91POWは、支持ブロック92と接触しないように、絶縁チューブ98を介して支持ブロック92の貫通孔95内に挿入されている。
【0015】
高周波・高速用の信号用プローブ91SIGは、支持ブロック92の貫通孔95の内径Dと信号用プローブ91SIGの外径dとが、次式(1)を満たし、所定のインピーダンスZ0の同軸構造になるように設定される。なお、式(1)において、εrは中心導体と外部導体との間の誘電体の比誘電率であるが、図13の構造にすることにより、中心導体となる信号用プローブ91SIGと外部導体となる支持ブロック92の貫通孔95との間は空気層になるため、比誘電率εrは1になり、プローブ91のピッチの縮小化に対応することができる。
【0016】
【数1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図13に示される検査ソケットの場合、金属製の支持ブロックを用いることでシールド特性を向上させたり、同軸プローブを構成したりするのに便利であるが、支持ブロックが金属製であるため、チップコンデンサと支持ブロックが接触し、ショートする危険性があるため、信頼性が低下するという問題がある。
【0018】
本発明の目的は、チップコンデンサなどの部品を実装可能な構造を有し、信頼性及び耐久性に優れた検査用ソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明によると、第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、該第1面、該第2面、該第1貫通孔及び該第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われ、絶縁性材料からなる支持ブロックと、該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子及び該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子と電気的に接続し、該第1貫通孔に設けられ該第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する第1プローブ、及び該第2貫通孔に設けられ該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通する第2プローブと、電子部品と、を有し、
該メッキ被膜を介して該第1プローブと導通する第1領域と、該メッキ被膜を介して該第2プローブと導通し、該第1領域と電気的に隔てられ第2領域と、に画定するパターンは、該第1面及び該第2面の該メッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、該電子部品の電極は、該第1領域及び該第2領域のそれぞれと接続される検査用ソケットが提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の検査用ソケットによれば、チップコンデンサなどの部品を実装可能な構造を有し、信頼性及び耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
つぎに、図面を参照しながら本発明の検査用ソケットの実施形態について説明をする。
【0022】
まず、本発明の第1実施形態について、以下説明する。
本発明による検査用ソケットは、例えば図1に示されるように、RF信号用プローブ1SIG、グランド用プローブ1GND及び電源用プローブ1POW(ここでは便宜的に低周波・低速信号用のプローブも同等に扱う)を挿入し得る貫通孔5が形成された樹脂材料などの絶縁性材料からなる支持ブロック2を有し、その支持ブロック2の外表面及び貫通孔5の露出面にはメッキ被膜10が設けられる。この支持ブロック2の貫通孔5には、信号用プローブ1SIG、グランド用プローブ1GND、および電源用プローブ1POWが挿入され、この支持ブロック2の一面(上面)11側(図1に示される例では図の上側)に設けられる図示しないICなどの被検査デバイスの電極端子と、この支持ブロック2の他面(下面)12側(図1に示される例では図の下側)に設けられる図示しない検査装置と接続された配線基板の配線端子とを各プローブ1で接続することにより検査が為される。
【0023】
関連技術においては、電源用のプローブは、金属製の支持ブロックとの接触を避けるためにポリイミドチューブ(絶縁チューブ)などを介して、支持ブロック内に挿入されるが、本発明においては、プローブ1POWはチップコンデンサ9との接続を行うためにグランド用プローブ用のグランドチューブ13を用いて、支持ブロック2の貫通孔5(の内面に施されたメッキ被膜10)と導通するようにする。なお、プローブ1GNDもグランドチューブと共に貫通孔5に挿入される。また、グランドチューブ13は、例えばリン青銅からなる。
【0024】
なお、支持ブロック2の上面11及び下面12側に設けた樹脂製の保持板3により、各プローブ1を支持ブロック2に保持・固定する。そして、この支持ブロック2の外表面の全面に形成されたメッキ被膜10が所定の位置で削り取られ、支持ブロック2上にメッキ被膜10が削り取られた溝部14,15(図2及び図3)が形成されている。
【0025】
メッキ被膜10は、支持ブロック2の外表面の全面及び各貫通孔5内の全ての露出面にメッキを施すことにより形成され、例えば無電解ニッケルメッキにより2〜3μm程度のNiメッキ被膜と、その上に引き続き無電解メッキにより形成されるフラッシュから3μm程度のAuメッキ被膜とから形成されている。
【0026】
図2は、図1に示す検査用ソケットの上側の保持板3を外した状態を示す拡大斜視図である。また、図3は、図1及び図2に示す検査用ソケットの支持ブロック2のみを示す模式図である。図4は、プローブ1POWが支持ブロック2の貫通孔5に挿入された状態を示す断面図である。図4において、検査ソケット上側及び下側の保持板3は外されている。
【0027】
本発明において、チップコンデンサ9は、バイパスコンデンサとして使用するため、その電極の一方をプローブ1POWに接続し、他方の電極をプローブ1GNDに接続するものとして以下説明する。なお、以下の説明において、プローブ間に実装する部品としてチップコンデンサ用いて説明するが、実装部品としてはインダクタンスやレジスタンスなどの受動部品の他、トランジスタやダイオードなどの能動部品を用いても良い。
【0028】
支持ブロック2の被検査デバイス側の面(上面)11において、プローブ1POWが挿入される貫通孔5がチップコンデンサ9を半田付けできる所定の位置まで絶縁された(電気的に分離された)パターンを形成する様にメッキ被膜10が削られている。図2では支持ブロック2の上面11に矩形状の溝14が形成されている。チップコンデンサ9の一方の電極は、メッキ被膜10上の所定の位置に半田付け(半田を図中S1で示す)により取り付けられることにより、プローブ1POWと接続される。チップコンデンサ9の他方の電極は、メッキ被膜10上のプローブ1POWとは接続されていない(プローブ1POWと絶縁された)領域に半田付けにより取り付けられ、プローブ1GNDに接続される。この様にして、プローブ1POWは、グランドチューブ13、支持ブロック2の貫通孔5の内面及び支持ブロック2の上面10を介して、チップコンデンサ9に接続される。
【0029】
一方、支持ブロック2の配線基板側の面(下面)12においては、プローブ1POWが挿入される貫通孔5の周囲のメッキ被膜10が円形状に削られ、貫通孔5が円形の溝15に囲まれる(図3参照)。これにより、下面12において、支持ブロック2の貫通孔5の内面と支持ブロックの下面12とが絶縁されている。
【0030】
また、支持ブロック2の上面11に取り付けられる保持板3には、上記のようにして支持ブロック2に取り付けられたチップコンデンサ9と干渉しないための図示しない逃げ部が形成される。
【0031】
上述したように、図4に示されるグランドチューブ13は、プローブ1POWと共に支持ブロック2の貫通孔5に挿入される。グランドチューブ13は、ラッパ形状をしており、その上部が狭まり、プローブ1POWを狭持し、その下部は、上部とは逆に広がり支持ブロック2の貫通孔5のメッキ被膜10に安定して接続する。
【0032】
溝部14,15は、例えば歯医者が使うような非常に細いドリル又はルータなどにより0.5mm〜1.0mm程度の幅に形成される。そして、所定のプローブ1が挿入される所定の貫通孔5と支持ブロック2上の所定領域とで電気的に分離されるようにメッキ被膜10を削ることにより形成される。溝部14,15は、メッキ後にメッキ被膜10を剥離することにより形成しなくても、メッキ被膜10の形成の際にメッキが被膜されないように、マスクを形成してからメッキを行うことにより形成してもよい。なお、この溝部14,15は、図5に示されるように、貫通孔5にかかるように形成されてもよい。
【0033】
また、その他の応用例として、チップコンデンサが特定の1つのプローブ(上述の実施形態ではプローブ1POW)とグランド(上述の実施形態ではプローブ1GND)に接続されるのではなく、特定の2つのプローブに接続される実施形態を図6に示す。図6において、プローブが挿入される貫通孔を5’、チップコンデンサを9’、メッキ被膜を削り取って形成した溝部を14’として示してある。さらに、図6では隣り合った2つのプローブ間でチップコンデンサを接続した実施形態を示したが、離れた任意のプローブ間に接続する事も可能である。
【0034】
また、本発明において、プローブとは、配線基板の配線端子と被検査デバイスの電極端子(リード端子)とを接続する接続ピンを意味する。すなわち、プローブ1としては、図7に示される例では、スプリングにより先端部のプランジャ(リード線)が可動するように設けられ、被検査デバイスや配線基板との接触を確実にできるコンタクトプローブが用いられているが、必ずしもこのような可動ピンによるものには限定されない。先端が可動しない一定の長さのピンでもよい。
【0035】
コンタクトプローブ1は、例えば図7に一例の断面図が示されるように、金属パイプ18内にスプリング19とプランジャ16,17の一端部が収納され、金属パイプ18に設けられたくびれ部18aにより、プランジャ16,17が金属パイプ18から抜け出ないようにされると共にスプリング19により外方に付勢された構造になっている。プランジャ16,17の先端部を押し付ければスプリング19が縮んで金属パイプ18内に押し込められ、力が加わらないときはプランジャ16の先端部が例えば1mm程度突出する。なお、被検査デバイスの電極端子と接触するプランジャ16の先端部は、4つ割りにした方が、確実に接触させることができる。
【0036】
なお、プローブ1のプランジャ16は、図示しない被検査デバイスがセッティングされることにより、保持板3の表面まで沈みながら被検査デバイスの電極端子と接続され、下端側のプランジャ17は、図示しない検査装置と接続された配線基板の配線端子上に配置されることにより、下側の保持板3の露出面まで縮んで配線端子と接続される。
【0037】
また、図7に示される例では、両端にプランジャ16,17が設けられる構造になっているが、少なくとも被検査デバイスと接触する一方の側がプランジャ16となる構造になっていればよい。なお、金属パイプ18の長さは数mm程度で、例えば洋白(銅・ニッケル・亜鉛合金)により形成され、プランジャ16,17は、例えばSK材またはベリリウム銅などからなる0.1mm程度の太さの線材が用いられ、スプリング19はピアノ線などにより形成される。このコンタクトプローブ1の構造は、信号用、電源用、およびグランド用のいずれの用途に対するものであってもほぼ同様の構造である。
【0038】
しかし、高周波・高速用(RF用)の信号用プローブ1SIGは、このコンタクトプローブ1SIGを内部導体(中心導体)、貫通孔5の表面(露出部)に形成されたメッキ被膜10を外部導体とする同軸構造にして使用され、その外形d(図1参照)と貫通孔5内のメッキ被膜10の内径D(図1参照)は一定の関係を満たすように形成され、例えば0.4mmピッチ(プローブが0.4mmのピッチでマトリクス状に設けられるもの)の検査ユニットにする場合、dがφ0.15mmに形成され、メッキ被膜10の内径Dがφ0.35mm程度に形成されている。電源用及びグランド用のコンタクトプローブ1POW,1GNDは、できるだけ太い方がよく、ピッチに応じてRF信号用に形成される貫通孔5と同程度の貫通孔22に挿入される太さで形成される。
【0039】
支持ブロック2は、被検査デバイスであるICやモジュールの電極端子と接触させるためのプローブ1SIGやプローブ1POWなどを保持するもので、例えばポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)などの樹脂を用いることができ、板状の樹脂ブロックに前述の各プローブ1用の貫通孔5がマトリクス状に設けられるように、例えば切削又はモールド成形により形成されている。
【0040】
この支持ブロック2の厚さ及び大きさは、被検査デバイスと配線が施された配線基板とを仲介するだけの検査用ソケット(ICソケット)に組み込まれる場合や、同軸ケーブルなどが接続された基板と接続する検査治具に組み込まれる場合など、用途によって異なるが、通常は、3〜8mm程度の厚さで、30〜50mm角程度の大きさに形成される。
【0041】
保持板3は、図1に示される例では、支持ブロック2の両面に設けられ、支持ブロック2の貫通孔5と対応する位置に貫通孔21と凹部22が形成され、チップコンデンサ9が設けられる位置に対応する位置に図示しない逃げ部が形成された絶縁性基板からなっている。保持板3は、例えば樹脂などからなる0.6mm程度の厚さの板状体で、プローブ1の位置に合せてプランジャ16,17を貫通し得る貫通孔21が形成されると共に、その貫通孔21と同心で凹部22が形成され、プローブ1の肩部、すなわち金属パイプ18の端部でプローブ1が抜け出ないようにして固定されている。
【0042】
図1に示される例では、保持板3は、例えばポリエーテルイミド(PEI)などの樹脂製のものを用いれば、プローブ1が狭ピッチで多数並んでいる場合でも、貫通孔21、凹部22及び逃げ部を樹脂成形により簡単に、しかも精密な寸法で形成することができる。しかも、樹脂であれば、機械的強度も大きく、前述の厚さに形成すれば、数百本以上のプローブがある場合でも、反りなどが生じることなく、非常に安定して固定することができる。また、電気絶縁性があり、薄くて機械的強度があれば他の材料でも構わない。なお、図1に示される例では、配線基板側(図の下側)も同様の構造の保持板3により固定されて、どちらにもプローブ1が抜け出ないようにされている。この保持板3は、図示しないネジなどにより支持ブロック2に固定されている。
【0043】
保持板3は、被検査デバイス側と配線基板側とで同じ厚さである必要はなく、自由に選定される。また、検査装置と接続された配線基板と接触する側で、被検査デバイスの種類が変っても同じ配線基板を使用でき、かつ、プローブ1の寿命に比べて使用回数が少ないことが見込まれる場合には、プローブ1の一端側を配線基板などと半田付けなどにより固定しておくことができ、この配線基板と接続する側のプローブ1の一端部をプランジャ17にする必要はなくなる。また、支持ブロック2の一方の面側には、保持板3を設けないで、支持ブロック2に直接凹部22と同様の形状の凹部を形成して、プローブ1を固定する構造にすることもできる。また、その凹部に必要に応じて絶縁性のスペーサを設けてもよい。
【0044】
プローブ1の保持・固定は、樹脂製の保持板3ではなく、同様の形状の金属製の金属板で固定することもできる。ただし、直接金属製の金属板で固定することができないプローブ、例えば、信号用プローブ1SIGや電源用プローブ1POWを固定する場合、金属板の貫通孔(貫通孔21に対応)を有する凹部(凹部22に対応)内には絶縁性スペーサを挿入する必要がある。グランド用プローブ1GNDの場合は、金属板が直接接触しても差し支えないため、金属板で固定してよい。
【0045】
また、プローブ1を保持・固定する樹脂製の保持板又は金属板を用いるのではなく、支持ブロック2の片側だけに貫通孔を有する凹部を形成することも考えられる。
【0046】
以上説明した本発明の第1実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
支持ブロック表面に施したパターンにチップコンデンサが実装できるために、信頼性と耐久性の高い部品実装可能な検査用ソケットが実現できる。また、チップコンデンサとプローブが直接接合されていないので、双方に余計なストレスがかからず、信頼性と耐久性が向上する。また、チップコンデンサまでパターンを引き出すため、プローブのピッチ間隔の長さよりも大きい、又は小さいチップコンデンサを実装できる。また、プローブとチップコンデンサとの接続の自由度が高まり、パターンの引き出し方によっては隣同士のプローブに限らず、任意のプローブとチップコンデンサを接続可能である。また、プローブを交換してもチップコンデンサの再実装が不要となる。また、チップコンデンサを広い場所で実装できるので、実装作業の難しさがない。さらに、チップコンデンサの大きさの制限が殆どないために、自由に仕様が設定できる。
【0047】
また、第1実施形態と同様のコンセプトにおいて、以下に説明する2つの実施形態も考えられる。
【0048】
以下、本発明の第2実施形態について図8を用いて説明する。
図8は、電源用プローブとグランド用プローブの2つのプローブとチップコンデンサを接続する様子を示している。第2実施形態では、第1実施形態と同様に支持ブロック上にチップコンデンサが配置される。
【0049】
図8において、樹脂製の支持ブロック32に形成された貫通孔35に金属製のグランドチューブ45と共にプローブ31POW及びプローブ31GNDがそれぞれ挿入され、樹脂製の保持板33により、プローブ31POW及びプローブ31GNDが保持・固定されている。そして、プローブ31POW及びプローブ31GNDを覆っているグランドチューブ45は延長部46をそれぞれ有し、これらの延長部46がチップコンデンサ39と半田付けなどによってそれぞれ接続する。
【0050】
図8では、説明を簡単にするために、各プローブ31の間にチップコンデンサ39を配置し、それに対応するグランドチューブの部分より延長部46を上側の保持板33に向けて延長し、更にこのチップコンデンサ39の位置に応じて、上側の保持板33は逃げ部47を有している。しかし、チップコンデンサ39の配置位置は、これに限定されず、そのチップコンデンサ39のサイズやその他の要素の配置箇所に応じて、支持ブロック32上の任意の位置に配置可能である。それに応じて、延長部46の位置や長さ及び逃げ部47の保持板33における位置を決めればよい。
【0051】
以下、本発明の第3実施形態について図9を用いて説明する。
図9は、電源用プローブとグランド用プローブの2つのプローブとチップコンデンサを接続する様子を示している。第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり保持板にチップコンデンサが配置される。
【0052】
図9において、金属製の支持ブロック52に形成された貫通孔55にプローブ51POW及びプローブ51GNDがそれぞれ絶縁チューブ65及び金属製のグランドチューブ66を介して挿入され、樹脂製の保持板53により、プローブ51POW及びプローブ51GNDが保持・固定されている。支持ブロック52及び上側の保持板53の間には樹脂製の絶縁フィルム56が介在し、各プローブ51はこの絶縁フィルム56に形成された貫通孔57より突出している。保持板53は、プローブ51の位置に合せてプランジャ58を貫通し得る貫通孔61が形成されると共に、その貫通孔61と同心で凹部62が形成され、プローブ51の肩部、すなわち金属パイプ54の端部でプローブ51が抜け出ないようにして固定されている。また、保持板53には、チップコンデンサ59を配置可能な凹状の逃げ部67が形成される。
【0053】
そして、逃げ部67及びその近傍の貫通孔61からチップコンデンサ59が配置される位置まで、チップコンデンサ59への配線用としてメッキ被膜60が予め形成されている。チップコンデンサ59は、この逃げ部67の表面(図9において支持ブロック52に対向する面)の所定位置に配置される。この保持板53は、プローブ51に対して絶縁フィルム56の上方から、凹部62がプローブ51の肩部に軽く圧入されるように取り付けることにより、このメッキ被膜60を介して各プローブ51の金属パイプ54或いはプランジャ58とチップコンデンサ59に接続しているメッキ被膜60とが接続される。
【0054】
図9に示されるメッキ被膜60の各部分において、金属パイプ54の接続に関与するのは、2つの凹部62の内側部分(チップコンデンサ59)側の部分のみである。また、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、チップコンデンサ59の位置は任意に変更可能である。
【0055】
以上、説明したように、本発明の検査用ソケットにより、非常に安定して、信頼性の高い特性検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係る断面図である。
【図2】図1に示す検査用ソケットの上側の保持板を外した状態を示す拡大斜視図である。
【図3】図1及び図2に示す検査用ソケットの支持ブロックのみを示す模式図である。
【図4】電源用プローブが支持ブロックの貫通孔に挿入された状態を示す断面図である。
【図5】溝部を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態の応用例を示す模式図である。
【図7】プローブの一例であるコンタクトプローブの構成例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を説明する断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を説明する断面図である。
【図10】関連技術の検査用ソケットの一例を示す図である。
【図11】チップコンデンサをプローブに半田付けした関連技術の検査用ソケットの一例を示す側面図である。
【図12】図11の拡大斜視図である。
【図13】関連技術の検査用ソケットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 プローブ
1GND グランド用プローブ
1SIG 信号用プローブ
1POW 電源用プローブ
2 支持ブロック
3 保持板
5 貫通孔
9 チップコンデンサ
10 メッキ被膜
11 上面
12 下面
13 グランドチューブ
14、15 溝部
16、17 プランジャ
18 金属パイプ
19 スプリング
21 貫通孔
22 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICなどの被検査デバイスの電気的特性を、実際に回路に組み込む前に検査するため、被検査デバイスの電極端子(リード端子)と検査装置に接続される配線端子とを支持ブロックで支持されたプローブにより接続する検査用ソケットに関する。さらに詳しくは、プローブ間に部品実装可能な検査用ソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ、ICあるいはモジュールなどに、電気信号を入力してそのデバイス(被検査物)の特性を調べる検査が一般的に行われている。このようなデバイスの電気的特性の検査を行う場合、検査装置に接続されるリードの端部が集められた配線基板の配線端子とデバイスの電極端子(リード端子)などとを接続するプローブが設けられたICソケットなどの検査用ソケットが用いられる。
【0003】
この検査用ソケットは、例えば図10に示されるように、プローブ71を支持する支持ブロック72などに貫通孔をあけて、その中に信号用、電源用、およびグランド用などのプローブ71を挿入し、ソケットの一面(図の上面)側に設けられる図示しない被検査デバイスの電極端子(リード端子)とソケットの他面(図の下面)側に設けられる図示しない配線基板の配線端子とを電気的に接続して検査をするものである。この支持ブロック72の被検査デバイスが設けられる側の外周部には、被検査デバイスの位置決めをする被検査デバイスガイド74が、支持ブロック72と一体に、または別部品として形成されて図示しないネジなどにより固定して設けられている。なお、図10において、73はプローブ71が抜け出ないように保持する保持板、76は配線基板との位置決めをする位置決めピンである。
【0004】
近年のデバイス(上記被検査デバイス)の高周波・高速・高性能化に伴い、その被検査デバイスの検査に用いられる検査用ソケットにも様々な性能を付加することが求められている。その一例として、検査用ソケットにバイパス用のチップコンデンサを実装するという要求がある。一般的に、電源用プローブのバイパス用チップコンデンサは、検査用ソケット下面側の配線基板上において、電気的な距離ができるだけデバイスに近い配線パターン上に実装される。つまり被検査デバイス側から見ると、チップコンデンサに到達するまでには検査ソケットのプローブ及び配線基板のパターンを経由する。
【0005】
しかし、近年のデバイスの高速・高周波・高性能化により、検査用ソケットのプローブの持つインダクタンス成分がデバイスの動作を不安定にさせる要因となることがある。そのため、バイパス用チップコンデンサを被検査デバイスのより近くに配置する事が要求されている。すなわち、このチップコンデンサを被検査デバイスの直下であり検査ソケットの上部である位置に実装する事が必要となった。
【0006】
関連技術の検査ソケットは、プローブを支持する支持ブロックが樹脂あるいは金属で構成されており、特定のプローブ間にチップコンデンサなどの部品を接続したくとも簡単ではなかった。
【0007】
プローブチューブにチップコンデンサが半田付けされた関連技術の検査用ソケットの側面図を図11に示す。図11の検査用ソケットでは、支持ブロック82の上側の保持板83が外されており、支持ブロック下側の保持板83のみが示されている。この支持ブロック82及び保持板83は樹脂製である。
【0008】
図12は図11の拡大斜視図である。チップコンデンサ89はプローブチューブ81(ここではプローブと合せて参照番号81を付与する)の支持ブロック82の上側から突出する部分に半田付けされる(半田を図中S2で示す)。そのため、支持ブロック82上側に配置される保持板83にはこのチップコンデンサ89に対応する位置に図示しない逃げ部が設けられ、保持板83とチップコンデンサ89とが干渉しないようにされている。
【0009】
図11及び図12において、プローブ81間のピッチ間隔は1.0mmであり、チップコンデンサ89の大きさは1.0mm×0.5mm×0.5mmであるため、半田付けには専用治具が必要となり、また半田付けの高度な技術も要求される。さらに、チップコンデンサ89を2本のプローブ81に正確に取り付けないと2本のプローブ81にかかる力のバランスが取れないために、プローブ81やチップコンデンサ89の電極に剥離やヒビなどが生じる虞がある。つまり、検査用ソケットの信頼性や耐久性が低下するという問題が生じる。
【0010】
また、プローブ81のピッチ間隔を現在主流の0.5mmまで狭くした場合、取り付けるチップコンデンサ89も更に小型のもの、例えば0.6mm×0.3mm×0.3mmサイズのものを使用する必要があり、半田付けにはより高度な技術が要求され、検査用ソケットの信頼性や耐久性の低下はより顕著になる。さらに、メンテナンスのためにプローブ81を交換する場合には、半田付けより取り付けたチップコンデンサ89を取り外す必要があり、プローブ81交換後に再度チップコンデンサ89を取り付けるためには半田付けをやり直す必要がある。
【0011】
図13に金属製の支持ブロックを用いた関連技術の検査用ソケットの断面図を示す。図示されてはいないが、図13の検査用ソケットでは図11及び図12に示した検査用ソケットと同様にしてチップコンデンサは、プローブチューブに半田付けされ、これに応じて支持ブロック上側の固定板にチップコンデンサとの干渉防止用の逃げ部が設けられている。
【0012】
図13のように、プローブ91を支持する支持ブロック92に金属材料を用いるのは、ノイズ対策として有効である。支持ブロック92には例えば真鍮やアルミニウムなどの金属板が用いられる。
【0013】
また、検査ソケットのRF特性を向上させるためには(アナログで周波数の高いものを高周波といい、デジタルでパルス幅およびパルス間隔が非常に短いものを高速という、両方まとめてRFという)、信号用プローブ91SIGを同軸構造にし、グランド用プローブ91GNDを信号用プローブ91SIGの近くで、確実にグランドと接続させる必要がある。そのため、信号用プローブ91SIGは、プローブを中心導体、支持ブロック92の貫通孔95の内壁を外部導体、その間を空間とする同軸構造にし、所定のインピーダンスになるように、プローブ91SIGの外径dおよび貫通孔95の内径Dが設定されている。
【0014】
このような構造にすることにより、近年のデバイスの小形化、高密度化に伴い電極端子の間隔が非常に狭くなっても、中心導体と外部導体との間が中空で比誘電率が1となり、狭ピッチでも所定のインピーダンスの同軸構造にすることができる。そして、グランド用プローブ91GNDは、支持ブロック92と確実に接触させることができるように、例えばすり割を入れたラッパ状の金属チューブ97を介在させて支持ブロック92の貫通孔95内に挿入されている。なお、電源用プローブ91POWは、支持ブロック92と接触しないように、絶縁チューブ98を介して支持ブロック92の貫通孔95内に挿入されている。
【0015】
高周波・高速用の信号用プローブ91SIGは、支持ブロック92の貫通孔95の内径Dと信号用プローブ91SIGの外径dとが、次式(1)を満たし、所定のインピーダンスZ0の同軸構造になるように設定される。なお、式(1)において、εrは中心導体と外部導体との間の誘電体の比誘電率であるが、図13の構造にすることにより、中心導体となる信号用プローブ91SIGと外部導体となる支持ブロック92の貫通孔95との間は空気層になるため、比誘電率εrは1になり、プローブ91のピッチの縮小化に対応することができる。
【0016】
【数1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
図13に示される検査ソケットの場合、金属製の支持ブロックを用いることでシールド特性を向上させたり、同軸プローブを構成したりするのに便利であるが、支持ブロックが金属製であるため、チップコンデンサと支持ブロックが接触し、ショートする危険性があるため、信頼性が低下するという問題がある。
【0018】
本発明の目的は、チップコンデンサなどの部品を実装可能な構造を有し、信頼性及び耐久性に優れた検査用ソケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明によると、第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、該第1面、該第2面、該第1貫通孔及び該第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われ、絶縁性材料からなる支持ブロックと、該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子及び該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子と電気的に接続し、該第1貫通孔に設けられ該第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する第1プローブ、及び該第2貫通孔に設けられ該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通する第2プローブと、電子部品と、を有し、
該メッキ被膜を介して該第1プローブと導通する第1領域と、該メッキ被膜を介して該第2プローブと導通し、該第1領域と電気的に隔てられ第2領域と、に画定するパターンは、該第1面及び該第2面の該メッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、該電子部品の電極は、該第1領域及び該第2領域のそれぞれと接続される検査用ソケットが提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の検査用ソケットによれば、チップコンデンサなどの部品を実装可能な構造を有し、信頼性及び耐久性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
つぎに、図面を参照しながら本発明の検査用ソケットの実施形態について説明をする。
【0022】
まず、本発明の第1実施形態について、以下説明する。
本発明による検査用ソケットは、例えば図1に示されるように、RF信号用プローブ1SIG、グランド用プローブ1GND及び電源用プローブ1POW(ここでは便宜的に低周波・低速信号用のプローブも同等に扱う)を挿入し得る貫通孔5が形成された樹脂材料などの絶縁性材料からなる支持ブロック2を有し、その支持ブロック2の外表面及び貫通孔5の露出面にはメッキ被膜10が設けられる。この支持ブロック2の貫通孔5には、信号用プローブ1SIG、グランド用プローブ1GND、および電源用プローブ1POWが挿入され、この支持ブロック2の一面(上面)11側(図1に示される例では図の上側)に設けられる図示しないICなどの被検査デバイスの電極端子と、この支持ブロック2の他面(下面)12側(図1に示される例では図の下側)に設けられる図示しない検査装置と接続された配線基板の配線端子とを各プローブ1で接続することにより検査が為される。
【0023】
関連技術においては、電源用のプローブは、金属製の支持ブロックとの接触を避けるためにポリイミドチューブ(絶縁チューブ)などを介して、支持ブロック内に挿入されるが、本発明においては、プローブ1POWはチップコンデンサ9との接続を行うためにグランド用プローブ用のグランドチューブ13を用いて、支持ブロック2の貫通孔5(の内面に施されたメッキ被膜10)と導通するようにする。なお、プローブ1GNDもグランドチューブと共に貫通孔5に挿入される。また、グランドチューブ13は、例えばリン青銅からなる。
【0024】
なお、支持ブロック2の上面11及び下面12側に設けた樹脂製の保持板3により、各プローブ1を支持ブロック2に保持・固定する。そして、この支持ブロック2の外表面の全面に形成されたメッキ被膜10が所定の位置で削り取られ、支持ブロック2上にメッキ被膜10が削り取られた溝部14,15(図2及び図3)が形成されている。
【0025】
メッキ被膜10は、支持ブロック2の外表面の全面及び各貫通孔5内の全ての露出面にメッキを施すことにより形成され、例えば無電解ニッケルメッキにより2〜3μm程度のNiメッキ被膜と、その上に引き続き無電解メッキにより形成されるフラッシュから3μm程度のAuメッキ被膜とから形成されている。
【0026】
図2は、図1に示す検査用ソケットの上側の保持板3を外した状態を示す拡大斜視図である。また、図3は、図1及び図2に示す検査用ソケットの支持ブロック2のみを示す模式図である。図4は、プローブ1POWが支持ブロック2の貫通孔5に挿入された状態を示す断面図である。図4において、検査ソケット上側及び下側の保持板3は外されている。
【0027】
本発明において、チップコンデンサ9は、バイパスコンデンサとして使用するため、その電極の一方をプローブ1POWに接続し、他方の電極をプローブ1GNDに接続するものとして以下説明する。なお、以下の説明において、プローブ間に実装する部品としてチップコンデンサ用いて説明するが、実装部品としてはインダクタンスやレジスタンスなどの受動部品の他、トランジスタやダイオードなどの能動部品を用いても良い。
【0028】
支持ブロック2の被検査デバイス側の面(上面)11において、プローブ1POWが挿入される貫通孔5がチップコンデンサ9を半田付けできる所定の位置まで絶縁された(電気的に分離された)パターンを形成する様にメッキ被膜10が削られている。図2では支持ブロック2の上面11に矩形状の溝14が形成されている。チップコンデンサ9の一方の電極は、メッキ被膜10上の所定の位置に半田付け(半田を図中S1で示す)により取り付けられることにより、プローブ1POWと接続される。チップコンデンサ9の他方の電極は、メッキ被膜10上のプローブ1POWとは接続されていない(プローブ1POWと絶縁された)領域に半田付けにより取り付けられ、プローブ1GNDに接続される。この様にして、プローブ1POWは、グランドチューブ13、支持ブロック2の貫通孔5の内面及び支持ブロック2の上面10を介して、チップコンデンサ9に接続される。
【0029】
一方、支持ブロック2の配線基板側の面(下面)12においては、プローブ1POWが挿入される貫通孔5の周囲のメッキ被膜10が円形状に削られ、貫通孔5が円形の溝15に囲まれる(図3参照)。これにより、下面12において、支持ブロック2の貫通孔5の内面と支持ブロックの下面12とが絶縁されている。
【0030】
また、支持ブロック2の上面11に取り付けられる保持板3には、上記のようにして支持ブロック2に取り付けられたチップコンデンサ9と干渉しないための図示しない逃げ部が形成される。
【0031】
上述したように、図4に示されるグランドチューブ13は、プローブ1POWと共に支持ブロック2の貫通孔5に挿入される。グランドチューブ13は、ラッパ形状をしており、その上部が狭まり、プローブ1POWを狭持し、その下部は、上部とは逆に広がり支持ブロック2の貫通孔5のメッキ被膜10に安定して接続する。
【0032】
溝部14,15は、例えば歯医者が使うような非常に細いドリル又はルータなどにより0.5mm〜1.0mm程度の幅に形成される。そして、所定のプローブ1が挿入される所定の貫通孔5と支持ブロック2上の所定領域とで電気的に分離されるようにメッキ被膜10を削ることにより形成される。溝部14,15は、メッキ後にメッキ被膜10を剥離することにより形成しなくても、メッキ被膜10の形成の際にメッキが被膜されないように、マスクを形成してからメッキを行うことにより形成してもよい。なお、この溝部14,15は、図5に示されるように、貫通孔5にかかるように形成されてもよい。
【0033】
また、その他の応用例として、チップコンデンサが特定の1つのプローブ(上述の実施形態ではプローブ1POW)とグランド(上述の実施形態ではプローブ1GND)に接続されるのではなく、特定の2つのプローブに接続される実施形態を図6に示す。図6において、プローブが挿入される貫通孔を5’、チップコンデンサを9’、メッキ被膜を削り取って形成した溝部を14’として示してある。さらに、図6では隣り合った2つのプローブ間でチップコンデンサを接続した実施形態を示したが、離れた任意のプローブ間に接続する事も可能である。
【0034】
また、本発明において、プローブとは、配線基板の配線端子と被検査デバイスの電極端子(リード端子)とを接続する接続ピンを意味する。すなわち、プローブ1としては、図7に示される例では、スプリングにより先端部のプランジャ(リード線)が可動するように設けられ、被検査デバイスや配線基板との接触を確実にできるコンタクトプローブが用いられているが、必ずしもこのような可動ピンによるものには限定されない。先端が可動しない一定の長さのピンでもよい。
【0035】
コンタクトプローブ1は、例えば図7に一例の断面図が示されるように、金属パイプ18内にスプリング19とプランジャ16,17の一端部が収納され、金属パイプ18に設けられたくびれ部18aにより、プランジャ16,17が金属パイプ18から抜け出ないようにされると共にスプリング19により外方に付勢された構造になっている。プランジャ16,17の先端部を押し付ければスプリング19が縮んで金属パイプ18内に押し込められ、力が加わらないときはプランジャ16の先端部が例えば1mm程度突出する。なお、被検査デバイスの電極端子と接触するプランジャ16の先端部は、4つ割りにした方が、確実に接触させることができる。
【0036】
なお、プローブ1のプランジャ16は、図示しない被検査デバイスがセッティングされることにより、保持板3の表面まで沈みながら被検査デバイスの電極端子と接続され、下端側のプランジャ17は、図示しない検査装置と接続された配線基板の配線端子上に配置されることにより、下側の保持板3の露出面まで縮んで配線端子と接続される。
【0037】
また、図7に示される例では、両端にプランジャ16,17が設けられる構造になっているが、少なくとも被検査デバイスと接触する一方の側がプランジャ16となる構造になっていればよい。なお、金属パイプ18の長さは数mm程度で、例えば洋白(銅・ニッケル・亜鉛合金)により形成され、プランジャ16,17は、例えばSK材またはベリリウム銅などからなる0.1mm程度の太さの線材が用いられ、スプリング19はピアノ線などにより形成される。このコンタクトプローブ1の構造は、信号用、電源用、およびグランド用のいずれの用途に対するものであってもほぼ同様の構造である。
【0038】
しかし、高周波・高速用(RF用)の信号用プローブ1SIGは、このコンタクトプローブ1SIGを内部導体(中心導体)、貫通孔5の表面(露出部)に形成されたメッキ被膜10を外部導体とする同軸構造にして使用され、その外形d(図1参照)と貫通孔5内のメッキ被膜10の内径D(図1参照)は一定の関係を満たすように形成され、例えば0.4mmピッチ(プローブが0.4mmのピッチでマトリクス状に設けられるもの)の検査ユニットにする場合、dがφ0.15mmに形成され、メッキ被膜10の内径Dがφ0.35mm程度に形成されている。電源用及びグランド用のコンタクトプローブ1POW,1GNDは、できるだけ太い方がよく、ピッチに応じてRF信号用に形成される貫通孔5と同程度の貫通孔22に挿入される太さで形成される。
【0039】
支持ブロック2は、被検査デバイスであるICやモジュールの電極端子と接触させるためのプローブ1SIGやプローブ1POWなどを保持するもので、例えばポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)などの樹脂を用いることができ、板状の樹脂ブロックに前述の各プローブ1用の貫通孔5がマトリクス状に設けられるように、例えば切削又はモールド成形により形成されている。
【0040】
この支持ブロック2の厚さ及び大きさは、被検査デバイスと配線が施された配線基板とを仲介するだけの検査用ソケット(ICソケット)に組み込まれる場合や、同軸ケーブルなどが接続された基板と接続する検査治具に組み込まれる場合など、用途によって異なるが、通常は、3〜8mm程度の厚さで、30〜50mm角程度の大きさに形成される。
【0041】
保持板3は、図1に示される例では、支持ブロック2の両面に設けられ、支持ブロック2の貫通孔5と対応する位置に貫通孔21と凹部22が形成され、チップコンデンサ9が設けられる位置に対応する位置に図示しない逃げ部が形成された絶縁性基板からなっている。保持板3は、例えば樹脂などからなる0.6mm程度の厚さの板状体で、プローブ1の位置に合せてプランジャ16,17を貫通し得る貫通孔21が形成されると共に、その貫通孔21と同心で凹部22が形成され、プローブ1の肩部、すなわち金属パイプ18の端部でプローブ1が抜け出ないようにして固定されている。
【0042】
図1に示される例では、保持板3は、例えばポリエーテルイミド(PEI)などの樹脂製のものを用いれば、プローブ1が狭ピッチで多数並んでいる場合でも、貫通孔21、凹部22及び逃げ部を樹脂成形により簡単に、しかも精密な寸法で形成することができる。しかも、樹脂であれば、機械的強度も大きく、前述の厚さに形成すれば、数百本以上のプローブがある場合でも、反りなどが生じることなく、非常に安定して固定することができる。また、電気絶縁性があり、薄くて機械的強度があれば他の材料でも構わない。なお、図1に示される例では、配線基板側(図の下側)も同様の構造の保持板3により固定されて、どちらにもプローブ1が抜け出ないようにされている。この保持板3は、図示しないネジなどにより支持ブロック2に固定されている。
【0043】
保持板3は、被検査デバイス側と配線基板側とで同じ厚さである必要はなく、自由に選定される。また、検査装置と接続された配線基板と接触する側で、被検査デバイスの種類が変っても同じ配線基板を使用でき、かつ、プローブ1の寿命に比べて使用回数が少ないことが見込まれる場合には、プローブ1の一端側を配線基板などと半田付けなどにより固定しておくことができ、この配線基板と接続する側のプローブ1の一端部をプランジャ17にする必要はなくなる。また、支持ブロック2の一方の面側には、保持板3を設けないで、支持ブロック2に直接凹部22と同様の形状の凹部を形成して、プローブ1を固定する構造にすることもできる。また、その凹部に必要に応じて絶縁性のスペーサを設けてもよい。
【0044】
プローブ1の保持・固定は、樹脂製の保持板3ではなく、同様の形状の金属製の金属板で固定することもできる。ただし、直接金属製の金属板で固定することができないプローブ、例えば、信号用プローブ1SIGや電源用プローブ1POWを固定する場合、金属板の貫通孔(貫通孔21に対応)を有する凹部(凹部22に対応)内には絶縁性スペーサを挿入する必要がある。グランド用プローブ1GNDの場合は、金属板が直接接触しても差し支えないため、金属板で固定してよい。
【0045】
また、プローブ1を保持・固定する樹脂製の保持板又は金属板を用いるのではなく、支持ブロック2の片側だけに貫通孔を有する凹部を形成することも考えられる。
【0046】
以上説明した本発明の第1実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
支持ブロック表面に施したパターンにチップコンデンサが実装できるために、信頼性と耐久性の高い部品実装可能な検査用ソケットが実現できる。また、チップコンデンサとプローブが直接接合されていないので、双方に余計なストレスがかからず、信頼性と耐久性が向上する。また、チップコンデンサまでパターンを引き出すため、プローブのピッチ間隔の長さよりも大きい、又は小さいチップコンデンサを実装できる。また、プローブとチップコンデンサとの接続の自由度が高まり、パターンの引き出し方によっては隣同士のプローブに限らず、任意のプローブとチップコンデンサを接続可能である。また、プローブを交換してもチップコンデンサの再実装が不要となる。また、チップコンデンサを広い場所で実装できるので、実装作業の難しさがない。さらに、チップコンデンサの大きさの制限が殆どないために、自由に仕様が設定できる。
【0047】
また、第1実施形態と同様のコンセプトにおいて、以下に説明する2つの実施形態も考えられる。
【0048】
以下、本発明の第2実施形態について図8を用いて説明する。
図8は、電源用プローブとグランド用プローブの2つのプローブとチップコンデンサを接続する様子を示している。第2実施形態では、第1実施形態と同様に支持ブロック上にチップコンデンサが配置される。
【0049】
図8において、樹脂製の支持ブロック32に形成された貫通孔35に金属製のグランドチューブ45と共にプローブ31POW及びプローブ31GNDがそれぞれ挿入され、樹脂製の保持板33により、プローブ31POW及びプローブ31GNDが保持・固定されている。そして、プローブ31POW及びプローブ31GNDを覆っているグランドチューブ45は延長部46をそれぞれ有し、これらの延長部46がチップコンデンサ39と半田付けなどによってそれぞれ接続する。
【0050】
図8では、説明を簡単にするために、各プローブ31の間にチップコンデンサ39を配置し、それに対応するグランドチューブの部分より延長部46を上側の保持板33に向けて延長し、更にこのチップコンデンサ39の位置に応じて、上側の保持板33は逃げ部47を有している。しかし、チップコンデンサ39の配置位置は、これに限定されず、そのチップコンデンサ39のサイズやその他の要素の配置箇所に応じて、支持ブロック32上の任意の位置に配置可能である。それに応じて、延長部46の位置や長さ及び逃げ部47の保持板33における位置を決めればよい。
【0051】
以下、本発明の第3実施形態について図9を用いて説明する。
図9は、電源用プローブとグランド用プローブの2つのプローブとチップコンデンサを接続する様子を示している。第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態とは異なり保持板にチップコンデンサが配置される。
【0052】
図9において、金属製の支持ブロック52に形成された貫通孔55にプローブ51POW及びプローブ51GNDがそれぞれ絶縁チューブ65及び金属製のグランドチューブ66を介して挿入され、樹脂製の保持板53により、プローブ51POW及びプローブ51GNDが保持・固定されている。支持ブロック52及び上側の保持板53の間には樹脂製の絶縁フィルム56が介在し、各プローブ51はこの絶縁フィルム56に形成された貫通孔57より突出している。保持板53は、プローブ51の位置に合せてプランジャ58を貫通し得る貫通孔61が形成されると共に、その貫通孔61と同心で凹部62が形成され、プローブ51の肩部、すなわち金属パイプ54の端部でプローブ51が抜け出ないようにして固定されている。また、保持板53には、チップコンデンサ59を配置可能な凹状の逃げ部67が形成される。
【0053】
そして、逃げ部67及びその近傍の貫通孔61からチップコンデンサ59が配置される位置まで、チップコンデンサ59への配線用としてメッキ被膜60が予め形成されている。チップコンデンサ59は、この逃げ部67の表面(図9において支持ブロック52に対向する面)の所定位置に配置される。この保持板53は、プローブ51に対して絶縁フィルム56の上方から、凹部62がプローブ51の肩部に軽く圧入されるように取り付けることにより、このメッキ被膜60を介して各プローブ51の金属パイプ54或いはプランジャ58とチップコンデンサ59に接続しているメッキ被膜60とが接続される。
【0054】
図9に示されるメッキ被膜60の各部分において、金属パイプ54の接続に関与するのは、2つの凹部62の内側部分(チップコンデンサ59)側の部分のみである。また、この第3実施形態においても、第2実施形態と同様に、チップコンデンサ59の位置は任意に変更可能である。
【0055】
以上、説明したように、本発明の検査用ソケットにより、非常に安定して、信頼性の高い特性検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係る断面図である。
【図2】図1に示す検査用ソケットの上側の保持板を外した状態を示す拡大斜視図である。
【図3】図1及び図2に示す検査用ソケットの支持ブロックのみを示す模式図である。
【図4】電源用プローブが支持ブロックの貫通孔に挿入された状態を示す断面図である。
【図5】溝部を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態の応用例を示す模式図である。
【図7】プローブの一例であるコンタクトプローブの構成例を示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態を説明する断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を説明する断面図である。
【図10】関連技術の検査用ソケットの一例を示す図である。
【図11】チップコンデンサをプローブに半田付けした関連技術の検査用ソケットの一例を示す側面図である。
【図12】図11の拡大斜視図である。
【図13】関連技術の検査用ソケットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 プローブ
1GND グランド用プローブ
1SIG 信号用プローブ
1POW 電源用プローブ
2 支持ブロック
3 保持板
5 貫通孔
9 チップコンデンサ
10 メッキ被膜
11 上面
12 下面
13 グランドチューブ
14、15 溝部
16、17 プランジャ
18 金属パイプ
19 スプリング
21 貫通孔
22 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、該第1面、該第2面、該第1貫通孔及び該第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われ、絶縁性材料からなる支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、該第1貫通孔に設けられ該第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する第1プローブ及び該第2貫通孔に設けられ該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通する第2プローブと、
電子部品と、を有し、
該メッキ被膜を介して該第1プローブと導通する第1領域と、該メッキ被膜を介して該第2プローブと導通し、該第1領域と電気的に隔てられ第2領域と、に画定するパターンは、該第1面及び該第2面の該メッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、該電子部品の電極は、該第1領域及び該第2領域のそれぞれと接続されることを特徴とする検査用ソケット。
【請求項2】
前記電子部品は、該第1面側に配置されることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項3】
前記第1プローブ及び第2プローブは、導電性カバーに覆われ、該導電性カバーを介して該第1貫通孔及び該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通することを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項4】
前記第1プローブは電源用のプローブであり、前記第2プローブはグランド用のプローブであることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項5】
前記電子部品は、コンデンサであることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項6】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有する支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、導電性の第1カバーに覆われ該第1貫通孔に設けられる第1プローブ及び導電性の第2カバーに覆われ該第2貫通孔に設けられる第2プローブと、
電子部品と、を有し、
該第1カバーの一部及び該第2カバーの一部が、該電子部品に向かって延出され、該電子部品の電極とそれぞれ接続されることを特徴とする検査用ソケット。
【請求項7】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有する支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、該第1貫通孔に設けられる第1プローブ及び該第2貫通孔に設けられる第2プローブと、
設置部及び該第1貫通孔及び該第2貫通孔に対応する孔部を有し、該第1プローブ及び該第2プローブを該支持ブロックに保持する保持板と、
該設置部に設けられ、電極を有する電子部品と、を有し、
互いに接続する該孔部の所定箇所及び該設置部の所定箇所には導電性のメッキ被膜が形成され、該設置部の所定箇所と該電子部品の電極は接続され、該孔部の所定箇所と該プローブは接続され、該メッキ被膜を介して該プローブと該電子部品の該電極が導通されることを特徴とする検査用ソケット。
【請求項1】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有し、該第1面、該第2面、該第1貫通孔及び該第2貫通孔は、導電性のメッキ被膜で覆われ、絶縁性材料からなる支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、該第1貫通孔に設けられ該第1貫通孔の該メッキ被膜と導通する第1プローブ及び該第2貫通孔に設けられ該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通する第2プローブと、
電子部品と、を有し、
該メッキ被膜を介して該第1プローブと導通する第1領域と、該メッキ被膜を介して該第2プローブと導通し、該第1領域と電気的に隔てられ第2領域と、に画定するパターンは、該第1面及び該第2面の該メッキ被膜を部分的に除去することにより形成され、該電子部品の電極は、該第1領域及び該第2領域のそれぞれと接続されることを特徴とする検査用ソケット。
【請求項2】
前記電子部品は、該第1面側に配置されることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項3】
前記第1プローブ及び第2プローブは、導電性カバーに覆われ、該導電性カバーを介して該第1貫通孔及び該第2貫通孔の該メッキ被膜と導通することを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項4】
前記第1プローブは電源用のプローブであり、前記第2プローブはグランド用のプローブであることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項5】
前記電子部品は、コンデンサであることを特徴とする請求項1記載の検査用ソケット。
【請求項6】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有する支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、導電性の第1カバーに覆われ該第1貫通孔に設けられる第1プローブ及び導電性の第2カバーに覆われ該第2貫通孔に設けられる第2プローブと、
電子部品と、を有し、
該第1カバーの一部及び該第2カバーの一部が、該電子部品に向かって延出され、該電子部品の電極とそれぞれ接続されることを特徴とする検査用ソケット。
【請求項7】
第1面、該第1面と反対側の第2面、及び該第1面と該第2面を連通する第1貫通孔及び第2貫通孔を有する支持ブロックと、
該第1面側に設けられる被検査デバイスの端子と該第2面側に設けられる検査装置に接続された端子とを電気的に接続するための、該第1貫通孔に設けられる第1プローブ及び該第2貫通孔に設けられる第2プローブと、
設置部及び該第1貫通孔及び該第2貫通孔に対応する孔部を有し、該第1プローブ及び該第2プローブを該支持ブロックに保持する保持板と、
該設置部に設けられ、電極を有する電子部品と、を有し、
互いに接続する該孔部の所定箇所及び該設置部の所定箇所には導電性のメッキ被膜が形成され、該設置部の所定箇所と該電子部品の電極は接続され、該孔部の所定箇所と該プローブは接続され、該メッキ被膜を介して該プローブと該電子部品の該電極が導通されることを特徴とする検査用ソケット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−85948(P2009−85948A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241331(P2008−241331)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】
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