検査装置及び検査方法
【課題】導電膜と絶縁膜が交互に積層された積層体に形成されたコンタクトホールの異常を検出できる検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る検査装置は、積層体に電子線を照射する電子線照射部と、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、比較部での比較結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定する判定部と、を具備する。
【解決手段】実施形態に係る検査装置は、積層体に電子線を照射する電子線照射部と、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、比較部での比較結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定する判定部と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に関する実施形態は、半導体デバイスの検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの歩留まりを向上させるためには、製造工程において半導体デバイスの異常を早期に検出し、該異常を製造工程にフィードバックすることが欠かせない。例えば、コンタクトホールが形成されている領域に電子線を照射し、該コンタクトホールの貫通電流もしくは二次電子を計測して閾値と比較することにより、コンタクトホールが所望の深さまで形成されているかどうかを検査するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−174077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、三次元積層技術を使用したメモリが提案されている。このメモリでは、導電膜(多結晶シリコン)と絶縁膜(酸化シリコン)を交互に複数積層したのち、この積層体にコンタクトホールを一気に形成する手法が採られている。
この、三次元積層技術を採用したメモリでは、コンタクトホールが所望の深さまで形成されていない場合でも、コンタクトホール底近傍の導電膜を通じて電荷が拡散してしまうため、貫通電流もしくは二次電子を計測すること自体が難しくなる。また、貫通電流もしくは二次電子が計測できたとしても、コンタクトホールが複数あるどの層まで貫通しているかを検出することはできず、異常が存在する箇所(層)を特定することは難しい。
【0005】
本実施形態は、導電膜と絶縁膜が交互に積層された積層体に形成されたコンタクトホールの異常を検出できる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る検査装置は、積層体に電子線を照射する電子線照射部と、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、比較部での比較結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定する判定部と、を具備する。
【0007】
実施形態に係る検査方法は、積層体に電子線を照射するステップと、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測するステップと、計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較するステップと、比較の結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定するステップと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】半導体メモリの構造を示した断面図。
【図2】半導体メモリの上面図。
【図3】第1の実施形態に係る検査装置の構成を示した図。
【図4】第1の実施形態に係る検査装置の機能構成を示した図。
【図5】第1の実施形態に係る検査装置による検査結果を示した図。
【図6】第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図。
【図7】第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図。
【図8】異常コンタクトホールが存在する場合のトンネル電流値の波形の一例を示した概略図。
【図9】第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャート。
【図10】第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャート。
【図11】その他の実施形態に係る検査方法を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
【0010】
図1は、半導体メモリの構造を示した断面図である。図2は、半導体メモリの上面図である。初めに、図1及び図2を参照して、検査対象である、三次元積層技術を使用したメモリ(以下、三次元積層型フラッシュメモリと称する)の構造について説明する。なお、この第1の実施形態では、三次元積層技術をNAND型フラッシュメモリに応用した場合を例に説明する。
【0011】
図1に示すように三次元積層型フラッシュメモリは、半導体基板(ウェハ)21上にシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、ポリシリコン膜からなる導電層3とが交互に積層された構造を有する。図2に示すように、三次元積層型フラッシュメモリには、複数のコンタクトホール4が形成されている。三次元積層型フラッシュメモリは、平面構造のNAND型フラッシュメモリを、縦方向に立体化したものを複数並べた構造をしており、絶縁層2と導電層3の積層数を増やすだけでメモリの集積度を向上させることができる利点を有する。
【0012】
三次元積層型フラッシュメモリは、ウェハ21のほぼ全面上に絶縁層2と導電層3とを交互に積層したのち、コンタクトホール4をドライエッチングにより形成する。このため、積層体5を構成する絶縁層2と導電層3は、ウェハ21のほぼ全面上に連続した膜として形成される。また、ドライエッチングの際、ウェハ21のベベル部分についてもエッチングを行い、積層体5のベベル部分における端面を平坦化している。この第1の実施形態では、上記ドライエッチング後に、ウェハ21のベベル部分における積層体5の端面でトンネル電流値を計測することによりコンタクトホール4の異常を検査する。
【0013】
なお、図1及び図2に示した三次元積層型フラッシュメモリの構造は、作成途中のものであり、コントロールゲートや選択ゲート等の周辺部分については図示を省略している。
【0014】
図3は、第1の実施形態に係る検査装置10の構成の一例を示した構成図である。図4は、第1の実施形態に係る検査装置の機能構成を示した図である。以下、図3及び図4を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の構成及び機能について説明する。
【0015】
検査装置10は、オープナー11、アライナ12、搬送ロボット13、計測室14、制御装置15、UIF(User Interface)16を具備し、ウェハ21に形成されたコンタクトホールの異常を検出する。
【0016】
収容器20は、検査対象である三次元積層型フラッシュメモリが形成されたウェハ21を収容する容器であり、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)やSMIF(Standard of Mechanical Interface)Pod等であり、LotID(識別子)が付与されている。
【0017】
オープナー11は、収容器20のドアを開閉する。また、オープナー11には、収容器20のIDを読みとる機構(例えば、バーコードリーダや二次元コードリーダ)が設けられており、読みとられたLotIDは制御装置15へ送信される。
【0018】
アライナ12は、ウェハ21のエッジを複数点検出し、偏心補正(ウェーハ中心補正)を行う。また、アライナ12は、ウェハ21のノッチもしくはオリエンタルフラット(以下、ノッチ等と称する)を検出する。さらに、アライナ12は、ウェハ21を回転させて、ノッチ等を予め定められた位置まで移動させる。これにより、ウェハ21の向きをそろえて搬送することができる。
【0019】
搬送ロボット13は、オープナー11、アライナ12及び計測室14との間でウェハ21を搬送する。搬送ロボット13は、ウェハ21を搬送するアームを具備する。アームには、真空チャックまたはクランプが備えられている。この真空チャックまたはクランプにより、ウェハ21はアームにしっかりと保持される。
【0020】
計測室14は、ゲートバルブ101、ステージ102、駆動機構103、計測機構104、電子線照射機構105を備える。また、計測室14は、図示しない真空ポンプに接続されており、ウェハ21の検査時には計測室14内が真空引きされる。
【0021】
ゲートバルブ101は、CDA(Clean Dry Air)もしくはドライN2により駆動され開閉する。ゲートバルブ101は、搬送ロボット13が計測室14内へウェハ21を搬送する際にオープン(開)し、ウェハ21が計測室14内へ搬送され、搬送ロボット13が安全位置へ退避するとクローズ(閉)する。
【0022】
ステージ102は、真空チャックもしくは静電チャックを具備し、搬送ロボット13により搬送されたウェハ21を保持する。
【0023】
駆動機構103は、ステージ102を縦方向(X軸方向)に駆動する第1のモータと、ステージ14を横軸方向(Y軸方向)に駆動する第2のモータと、ステージ102を回転方向(θ方向)に駆動する第3のモータを備える。駆動機構103は、第1,第2のモータによりステージ102をX−Y方向に駆動すると共に、第3のモータによりステージ102を回転方向に駆動する。なお、第1,第2のモータの代わりにエアスライダを用いてステージ102を駆動してもよい。
【0024】
電子線照射機構105は、内部に電子銃、該電子銃から放出される電子線を集束する電子レンズ及び電子ビーム走査偏向器等を備える。電子線照射機構105は、ステージ102上に載置されたウェハ21へ電子線を照射する。なお、電子レンズや電子ビーム走査偏向器等により、電子線のスポット径や照射位置を変更することが可能である。
【0025】
計測機構104は、絶縁層2と導電層3から構成される積層体5の端面の形状を調べるための第1のカンチレバーと、この積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する第2のカンチレバーを備える。なお、以下の説明では、積層体5の端面から一定の距離を保った状態でカンチレバーを上下に移動させることを「走査」と称する。
【0026】
この第1の実施形態では、原子間力を利用して積層体5の端面の形状を調べる。具体的には、第1のカンチレバーを圧電素子等で振動させながら、ウェハ21上に形成された絶縁層と導電層との積層体5の端面近く(数ナノメートル)を走査する。端面との距離に応じて、端面と第1のカンチレバーの間に働く原子間力が変化するため、端面との距離に応じて、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が変化する。このため、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が一定となるように、第1のカンチレバーを動作させることで積層体5の端面の形状を調べることができる。
【0027】
次に、ウェハ21上の任意の位置に電子線を照射しながら、第2のカンチレバーで積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する。トンネル電流値を計測は、第1のカンチレバーの走査位置をトレースしながら行う。第1のカンチレバーの走査位置をトレースすることで、積層体5の端面と一定の距離を保ちながらトンネル電流値を計測することができる。
【0028】
なお、第1のカンチレバーの走査位置を第2のカンチレバーでトレースする場合、第1のカンチレバーと第2のカンチレバーとの相対的な位置の違いをオフセットとして記憶しておき、このオフセットを考慮して第1のカンチレバーの走査位置を第2のカンチレバーでトレースすることに留意する。
【0029】
また、第1のカンチレバーによる積層体5の端面の形状調査には、上記以外にも種々の方法をとり得る。例えば、第1のカンチレバーの先端を積層体5の端面に接触させ、その際に生じる第1のカンチレバーのしなりを計測し、このしなりにから積層体5の端面の形状を調べてもよい。しなりの計測は、第1のカンチレバーの先端にレーザー光を照射して、反射させ、この反射したレーザー光の位置の変化から推定すればよい。また、第1のカンチレバーと第2のカンチレバーを、一つのカンチレバーで共用するようにしてもよい。
【0030】
UIF16は、ユーザ(オペレータ)からの指示を受け付け、受け付けた指示を制御装置15へ入力する入力手段(例えば、キーボードやマウス)と、検査装置10の操作に必要な情報を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube))を備える。
【0031】
制御装置15は、HDD201、CPU202、メモリ203を備え、UIF16から入力される指示に基づいてオープナー11、アライナ12、搬送ロボット13及び計測室14を制御し、ウェハ21上の積層体5に形成されたコンタクトホールの異常を検出する。
【0032】
図4に示す機能は、制御装置15が備えるハードウェア(HDD201、CPU202、メモリ203)により実現される。具体的には、CPU202が、HDD201もしくはメモリ203に記録されているプログラムを実行することで以下に説明する機能が実現される。
【0033】
以下、各機能構成について説明する。
第1のDB(Database)301には、計測レシピが半導体デバイスの機種毎に記憶されている。計測レシピは、複数の計測条件(例えば、電子線の照射位置及び電子線のスポット径(例えば、1mm×1mm)、ウェハ21におけるトンネル電流値の計測位置、及び第1,第2のカンチレバーの上下方向の移動量)及び積層体5を構成する各層(絶縁膜2及び導電膜3)の膜厚データから構成される。なお、第1のDB(Database)301には、ウェハ21の半導体デバイスが形成されている領域を複数の領域に分割し、この分割した各領域の位置情報が電子線の照射位置として記憶されている。
【0034】
さらに第1のDB301には、計測機構104で計測されるトンネル電流値が正常であるか否かを判定するための閾値が計測レシピ毎に記憶されている。閾値は、予め実験等により決定される。
【0035】
第2のDB302には、積層体5の端面の形状を調べた際に第1のカンチレバーが走査した位置情報(以下、走査位置情報と称する)、及び電子線301の照射しながらカンチレバー302で計測されたトンネル電流値の波形が、LotID及びWaferIDから構成される識別子と共に記憶される。WaferIDは、制御装置15により付与される。なお、トンネル電流値の波形の形状については、図8を参照して後述する。
【0036】
更新部303は、第2のDB302に記憶されているデータ(電子線の照射領域の位置情報及びトンネル電流値の波形)を更新する。
【0037】
送受信部304は、オープナー11、アライナ12、搬送ロボット13及び計測室14、UIF16及び図示しないホストコンピュータ(以下、単にホストと称する)との間でデータ及び制御信号等を送受信する。ホストとの通信は、例えば、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials institute)で規定されるSECS(SEMI Equipment Communications Standard)やGEM300(Generic Equipment Model for 300mm wafer)等の方式に基づいて行われる。
【0038】
搬送制御部305は、オープナー11、アライナ12及び搬送ロボット13、ゲートバルブ101、ステージ102等から構成される搬送機構を制御する。
【0039】
計測部306は、計測室14が備えるステージ102、駆動機構103、計測機構104、電子線照射機構105を制御して、絶縁層2と導電層3から構成される積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する。
【0040】
比較部307は、第2のDB302に記憶されているトンネル電流値の波形と、第1のDB301に記憶されている閾値と比較し、半導体デバイスの異常を検出する。
【0041】
算出部308は、比較部307による比較に結果、異常が検出された場合、積層体5を構成する複数の層のうちのどの層に異常があったかを掲載により算出する。算出部308は、異常が検出された際の第2のカンチレバーの移動距離と、計測レシピとして記憶されている積層体5を構成する各層(絶縁膜2及び導電膜3)の膜厚データに基づいて異常が検出された層を算出する。
【0042】
具体的には、第2のカンチレバーの上下方向の移動量Lと第1層目の膜厚TNとの比較を行い、第1層目の膜厚T1から第N層目の膜厚TNの合計TMよりも小さな値となるまで、LとTMの比較を繰り返し、Lの値が、TMよりも小さな値となった際のNの値から1を引いた値の層を異常層と判定する(N,M:1以上の自然数)。
【0043】
表示部309は、検査結果をUIF16のディスプレイに表示する。図5は、第1の実施形態に係る検査装置10による検査結果の一例を示した図である。図5に示すように、第1の実施形態では、異常コンタクトホールの存在する位置を導電層3毎に表示する。このため、オペレータは、どの導電層3のどの位置に、どれだけの異常コンタクトホールが存在するかを容易に認識することができ、該異常を容易に製造工程にフィードバックできる。
【0044】
図6及び図7は、第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図である。図8は、異常コンタクトホールが存在する場合のトンネル電流値の波形の一例を示した概略図である。以下、図6〜図8を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の検査方法について説明する。
【0045】
計測部306は、第2のDB302を参照して、計測レシピの計測条件を取得すると、取得した計測条件に基づいて駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、ウェハ21上に形成されている半導体デバイスに電子線401を照射する(図7参照)。
【0046】
次に、計測部306は、計測機構104を制御し、第1のカンチレバーにより取得された走査位置情報に基づいて絶縁体2と導電帯3の積層体5の端面と一定の距離を保って第2のカンチレバー402を走査し、該端面におけるトンネル電流値を計測する(図8参照)。
【0047】
更新部303は、第2の計測部306が計測した積層体5の端面におけるトンネル電流値の波形を第2のDB302に記憶する(図8参照)。絶縁層2の端面近傍では、トンネル電流値が小さくなり、導電層3の端面近傍では、トンネル電流値が大きくなる。また、複数の絶縁層2及び導電層3から構成される積層体4に設けられたコンタクトホール4が貫通せずに積層体5の途中までしか貫通していない場合、該異常コンタクトホール底の導電膜3から電荷が拡散するため、計測されるトンネル電流値が非常に大きくなる。
【0048】
つまり、トンネル電流値は、絶縁層2近傍では小さくなり、導電層3近傍では大きくなる。さらに、異常コンタクトホールがある場合は、異常コンタクトホール底近に存在する導電層3近傍のトンネル電流値は、非常に大きくなる。このため、検査対象に異常コンタクトホールが複数存在する場合、トンネル電流値は、図8に示すような波形となる。
【0049】
図9及び図10は、第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャートである。以下、図9及び図10を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の動作について説明する。
【0050】
(ステップS101)
搬送機械(例えば、RGV(Rail Guided Vehicle)やOHV(Over Head Vehicle))もしくはオペレータにより、収容器20がオープナー11にセットされると、搬送制御部305は、オープナー11を制御して、収容器20のIDを読みとって制御装置15へ送信すると共に、収容器20のドアをオープンする。
【0051】
(ステップS102)
送受信部304は、ステップS101で読みとった収容器20のLotIDを受信すると、このIDをホストへ送信する。ホストは、収容器20のLotIDを受信すると、該LotIDに対応する計測レシピを制御装置15へ送信する。
【0052】
(ステップS103)
搬送制御部305は、搬送ロボット13を制御して、収容器20に収容された検査対象であるウェハ21をアライナ12に搬送する。搬送制御部305は、アライナ12を制御して、ウェハ21のエッジを複数点検出して偏心補正を行うと共に、検出したノッチ等を予め定められた位置まで移動させる。
【0053】
(ステップS104)
搬送制御部305は、搬送ロボット13を制御してアライナ12からウェハ21を搬送し、計測室14内のステージ102上に載置する。搬送制御部305は、ウェハ21がステージ102上に載置されると、ゲートバルブ101をクローズし、図示しない真空ポンプにより計測室14内を真空引きする。
【0054】
(ステップS105)
真空引きが終了すると、搬送制御部305は、駆動機構103を制御してステージ102を計測位置に移動させる。計測部306は、第1のDB301を参照して、ホストから送信された計測レシピの計測条件を取得する。計測部306は、取得した計測条件に基づいて駆動機構103を制御し、第1のカンチレバーがトンネル電流値の計測位置に来るようにステージ102を移動及び回転させる。
【0055】
(ステップS106)
計測部306は、取得した計測条件に基づいて計測機構104を制御し、第1のカンチレバーによりウェハ21上に形成された絶縁層2と導電層3との積層体5の端面近くを走査する。更新部303は、第1のカンチレバーの走査位置情報を第2のDB302へ記憶する。
【0056】
(ステップS107)
計測部306は、取得した計測条件に基づいて駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、ウェハ21上に形成されている積層体5に電子線を照射する。
【0057】
(ステップS108)
計測部306は、計測機構104を制御し、ステップS106で第2のDB302に記憶された走査位置情報に基づいて第2のカンチレバーを絶縁体2と導電帯3の積層体5の端面に沿って走査し、該端面におけるトンネル電流値を計測する。
【0058】
(ステップS109)
更新部303は、計測部306が計測した積層体5の端面におけるトンネル電流値の波形をLotID及びWaferIDと共に第2のDB302に記憶する。
【0059】
(ステップS110,S111)
比較部307は、第1のDB301を参照して、ホストから送信された計測レシピに対応する閾値を取得し、該取得した閾値をステップS109で第2のDB302に記憶されたトンネル電流値の波形と比較する。
【0060】
(ステップS112)
比較部307によるトンネル電流値の波形と比較の結果、トンネル電流値が閾値を超えている箇所が存在する場合、すなわち異常がある場合(ステップS111のYes)、算出部308は、積層体5を構成する複数の層のうちのどの層で異常が検出されたかを算出する。
【0061】
(ステップS113)
算出部308は、異常があると判定した層と、電子線を照射した領域の位置情報とを対応付けて第2のDB302に記憶するよう更新部303に指示する。更新部303は、算出部308の指示に基づいて、異常があると判定した層と電子線を照射した領域の位置情報とを対応付けて第2のDB302に記憶する。
【0062】
(ステップS114)
計測部306は、ステップS107で取得した計測条件に含まれる全ての電子線の照射位置において、トンネル電流値の波形を計測したかどうかを判定する。全ての照射位置において、トンネル電流値の波形を計測している場合(ステップS114のYes)、計測部306は、ステップS116の動作を実施する。
【0063】
(ステップS115)
比較部307によるトンネル電流値の波形と比較の結果、トンネル電流値が閾値以下の場合、すなわち異常がない場合(ステップS111のNo)、又は、ウェハ21の全領域のトンネル電流値の計測が終了していない場合(ステップS114のNo)、計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御して電子線の照射位置を変更し、トンネル電流値の計測を継続する。
【0064】
(ステップS116)
計測部306は、第2のDB302を参照し、異常が検出されたどうかを判定する。第2のDB302には、異常がある層と電子線を照射した領域の位置情報とが対応付けて記憶されていることから、異常が検出されたどうかを判定が可能である。異常が検出されていない場合(ステップS116のNo)、ウェハ21は、搬送ロボット13によりステージ102上から収容器20へ搬送されて検査が終了する。
【0065】
なお、ステップ104において、異常がある場合には、メモリ203の任意のアドレスにフラグを立てておき、このアドレスのフラグの有無を確認して、異常が検出されたどうかを判定するようにしてもよい。
【0066】
(ステップS117)
異常が検出されている場合(ステップS116のYes)、計測部306は、異常が検出された箇所を絞り込むために、異常が検出された全ての領域を、複数のより小さな領域に分割する。
【0067】
(ステップS118)
計測部306は、駆動機構103を制御して、第2のカンチレバーがトンネル電流値の計測位置に来るようにステージ102を移動及び回転させる。
【0068】
(ステップS119,S120)
計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、電子線のスポット径をステップ117で分割した領域に合わせて小さくした後(例えば、50×50μm)、分割した領域の一つに電子線を照射する。
【0069】
(ステップS121)
計測部306は、計測機構104を制御し、第2のカンチレバーを、異常が検出された層の高さまで移動させた後、トンネル電流値を計測する。
【0070】
(ステップS122,S123)
比較部307は、ステップ121で計測したトンネル電流値とステップS110で取得した閾値を比較する。
【0071】
(ステップS124)
異常が検出された場合(ステップS123のYes)、更新部303は、第2のDB302に異常がある層と電子線を照射した領域の位置情報を対応付けて記憶する。なお、ステップS123において、異常が検出されない場合(ステップS123のNo)は、ステップS124の動作を行わずにステップS125の動作へ移行する。
【0072】
(ステップS125)
計測部306は、分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測したかどうかを判定する。
【0073】
(ステップS126)
分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測していない場合(ステップS125のNo)、計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御して、電子線の照射位置を変更し、トンネル電流値の計測を継続する。
【0074】
(ステップS127)
分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測している場合(ステップS125のYes)、表示部309は、図5で説明した検査結果をUIF16のディスプレイに表示する。ウェハ21は、搬送ロボット13によりステージ102上から収容器20へウェハ21を搬送されて検査が終了する。
【0075】
以上のように、第1の実施形態に係る検査装置10は、第2のカンチレバーを、複数の絶縁体2及び導電体3から構成される積層体5の端面に沿って上下方向に移動させながら、積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測するように構成されているので、導電膜と絶縁膜が交互に積層された積層体5に形成されたコンタクトホールの異常を検出することができる。
【0076】
また、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が一定となるように、第1のカンチレバーを積層体5の端面に沿って走査したのち、この第1のカンチレバーと同じ位置を第2のカンチレバーでトレースするので、積層体5の端面と一定の距離を保ちながらトンネル電流値を計測することができる。
【0077】
さらに、ウェハ21を大きな領域(大領域)に分割し、各大領域についてトンネル電流値の計測を行い、異常が検出された領域を、さらに小さな領域(小領域)に分割して、各小領域についてトンネル電流値の計測を行い、異常を検出している。このため、異常コンタクトホールの存在する位置をより詳細に検出することができる。
【0078】
さらに、異常コンタクトホールの存在する位置を各導電層3毎に表示する。このため、オペレータは、どの導電層3のどの位置に、どれだけの異常コンタクトホールが存在するかを容易に認識することができ、該異常を容易に製造工程にフィードバックできる。
【0079】
(その他の実施形態)
図11は、その他の実施形態に係る検査方法を示した図である。第1の実施形態に係る検査装置10では、ウェハ21のベベル部分における積層体5の端面でトンネル電流値を計測したが、図11に示すように、第1,第2のカンチレバーを挿入できる箇所であれば、トンネル電流値を計測することが可能である。このため、トンネル電流値の計測位置は、ウェハ21のベベル部分に限られない。
【0080】
さらに、第1の実施形態では、トンネル電流値を閾値と比較することで、コンタクトホール4の異常を検出しているが、トンネル電流値の変化率(例えば、トンネル電流値を微分した値)が所定の値を超えた場合に、コンタクトホール4に異常があると判定してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…半導体基板、2…絶縁層、3…導電層、4…コンタクトホール、10…検査装置、11…オープナー、12…アライナ、13…搬送ロボット、14…計測室、15…制御装置、16…UIF、20…収容器、21…ウェハ、101…ゲートバルブ、102…ステージ、103…駆動機構、104…計測機構、105…電子線照射機構、201…HDD、202…CPU、203…メモリ、301…第1のDB、302…第2のDB、303…更新部、304…送受信部、305…搬送制御部、306…計測部、307…比較部、308…算出部。
【技術分野】
【0001】
本発明に関する実施形態は、半導体デバイスの検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの歩留まりを向上させるためには、製造工程において半導体デバイスの異常を早期に検出し、該異常を製造工程にフィードバックすることが欠かせない。例えば、コンタクトホールが形成されている領域に電子線を照射し、該コンタクトホールの貫通電流もしくは二次電子を計測して閾値と比較することにより、コンタクトホールが所望の深さまで形成されているかどうかを検査するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−174077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、三次元積層技術を使用したメモリが提案されている。このメモリでは、導電膜(多結晶シリコン)と絶縁膜(酸化シリコン)を交互に複数積層したのち、この積層体にコンタクトホールを一気に形成する手法が採られている。
この、三次元積層技術を採用したメモリでは、コンタクトホールが所望の深さまで形成されていない場合でも、コンタクトホール底近傍の導電膜を通じて電荷が拡散してしまうため、貫通電流もしくは二次電子を計測すること自体が難しくなる。また、貫通電流もしくは二次電子が計測できたとしても、コンタクトホールが複数あるどの層まで貫通しているかを検出することはできず、異常が存在する箇所(層)を特定することは難しい。
【0005】
本実施形態は、導電膜と絶縁膜が交互に積層された積層体に形成されたコンタクトホールの異常を検出できる検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る検査装置は、積層体に電子線を照射する電子線照射部と、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、比較部での比較結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定する判定部と、を具備する。
【0007】
実施形態に係る検査方法は、積層体に電子線を照射するステップと、積層体の端面に沿って上下方向に動作し、端面におけるトンネル電流値を計測するステップと、計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較するステップと、比較の結果に基づいて、コンタクトホールの異常を判定するステップと、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】半導体メモリの構造を示した断面図。
【図2】半導体メモリの上面図。
【図3】第1の実施形態に係る検査装置の構成を示した図。
【図4】第1の実施形態に係る検査装置の機能構成を示した図。
【図5】第1の実施形態に係る検査装置による検査結果を示した図。
【図6】第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図。
【図7】第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図。
【図8】異常コンタクトホールが存在する場合のトンネル電流値の波形の一例を示した概略図。
【図9】第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャート。
【図10】第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャート。
【図11】その他の実施形態に係る検査方法を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
【0010】
図1は、半導体メモリの構造を示した断面図である。図2は、半導体メモリの上面図である。初めに、図1及び図2を参照して、検査対象である、三次元積層技術を使用したメモリ(以下、三次元積層型フラッシュメモリと称する)の構造について説明する。なお、この第1の実施形態では、三次元積層技術をNAND型フラッシュメモリに応用した場合を例に説明する。
【0011】
図1に示すように三次元積層型フラッシュメモリは、半導体基板(ウェハ)21上にシリコン酸化膜からなる絶縁層2と、ポリシリコン膜からなる導電層3とが交互に積層された構造を有する。図2に示すように、三次元積層型フラッシュメモリには、複数のコンタクトホール4が形成されている。三次元積層型フラッシュメモリは、平面構造のNAND型フラッシュメモリを、縦方向に立体化したものを複数並べた構造をしており、絶縁層2と導電層3の積層数を増やすだけでメモリの集積度を向上させることができる利点を有する。
【0012】
三次元積層型フラッシュメモリは、ウェハ21のほぼ全面上に絶縁層2と導電層3とを交互に積層したのち、コンタクトホール4をドライエッチングにより形成する。このため、積層体5を構成する絶縁層2と導電層3は、ウェハ21のほぼ全面上に連続した膜として形成される。また、ドライエッチングの際、ウェハ21のベベル部分についてもエッチングを行い、積層体5のベベル部分における端面を平坦化している。この第1の実施形態では、上記ドライエッチング後に、ウェハ21のベベル部分における積層体5の端面でトンネル電流値を計測することによりコンタクトホール4の異常を検査する。
【0013】
なお、図1及び図2に示した三次元積層型フラッシュメモリの構造は、作成途中のものであり、コントロールゲートや選択ゲート等の周辺部分については図示を省略している。
【0014】
図3は、第1の実施形態に係る検査装置10の構成の一例を示した構成図である。図4は、第1の実施形態に係る検査装置の機能構成を示した図である。以下、図3及び図4を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の構成及び機能について説明する。
【0015】
検査装置10は、オープナー11、アライナ12、搬送ロボット13、計測室14、制御装置15、UIF(User Interface)16を具備し、ウェハ21に形成されたコンタクトホールの異常を検出する。
【0016】
収容器20は、検査対象である三次元積層型フラッシュメモリが形成されたウェハ21を収容する容器であり、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)やSMIF(Standard of Mechanical Interface)Pod等であり、LotID(識別子)が付与されている。
【0017】
オープナー11は、収容器20のドアを開閉する。また、オープナー11には、収容器20のIDを読みとる機構(例えば、バーコードリーダや二次元コードリーダ)が設けられており、読みとられたLotIDは制御装置15へ送信される。
【0018】
アライナ12は、ウェハ21のエッジを複数点検出し、偏心補正(ウェーハ中心補正)を行う。また、アライナ12は、ウェハ21のノッチもしくはオリエンタルフラット(以下、ノッチ等と称する)を検出する。さらに、アライナ12は、ウェハ21を回転させて、ノッチ等を予め定められた位置まで移動させる。これにより、ウェハ21の向きをそろえて搬送することができる。
【0019】
搬送ロボット13は、オープナー11、アライナ12及び計測室14との間でウェハ21を搬送する。搬送ロボット13は、ウェハ21を搬送するアームを具備する。アームには、真空チャックまたはクランプが備えられている。この真空チャックまたはクランプにより、ウェハ21はアームにしっかりと保持される。
【0020】
計測室14は、ゲートバルブ101、ステージ102、駆動機構103、計測機構104、電子線照射機構105を備える。また、計測室14は、図示しない真空ポンプに接続されており、ウェハ21の検査時には計測室14内が真空引きされる。
【0021】
ゲートバルブ101は、CDA(Clean Dry Air)もしくはドライN2により駆動され開閉する。ゲートバルブ101は、搬送ロボット13が計測室14内へウェハ21を搬送する際にオープン(開)し、ウェハ21が計測室14内へ搬送され、搬送ロボット13が安全位置へ退避するとクローズ(閉)する。
【0022】
ステージ102は、真空チャックもしくは静電チャックを具備し、搬送ロボット13により搬送されたウェハ21を保持する。
【0023】
駆動機構103は、ステージ102を縦方向(X軸方向)に駆動する第1のモータと、ステージ14を横軸方向(Y軸方向)に駆動する第2のモータと、ステージ102を回転方向(θ方向)に駆動する第3のモータを備える。駆動機構103は、第1,第2のモータによりステージ102をX−Y方向に駆動すると共に、第3のモータによりステージ102を回転方向に駆動する。なお、第1,第2のモータの代わりにエアスライダを用いてステージ102を駆動してもよい。
【0024】
電子線照射機構105は、内部に電子銃、該電子銃から放出される電子線を集束する電子レンズ及び電子ビーム走査偏向器等を備える。電子線照射機構105は、ステージ102上に載置されたウェハ21へ電子線を照射する。なお、電子レンズや電子ビーム走査偏向器等により、電子線のスポット径や照射位置を変更することが可能である。
【0025】
計測機構104は、絶縁層2と導電層3から構成される積層体5の端面の形状を調べるための第1のカンチレバーと、この積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する第2のカンチレバーを備える。なお、以下の説明では、積層体5の端面から一定の距離を保った状態でカンチレバーを上下に移動させることを「走査」と称する。
【0026】
この第1の実施形態では、原子間力を利用して積層体5の端面の形状を調べる。具体的には、第1のカンチレバーを圧電素子等で振動させながら、ウェハ21上に形成された絶縁層と導電層との積層体5の端面近く(数ナノメートル)を走査する。端面との距離に応じて、端面と第1のカンチレバーの間に働く原子間力が変化するため、端面との距離に応じて、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が変化する。このため、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が一定となるように、第1のカンチレバーを動作させることで積層体5の端面の形状を調べることができる。
【0027】
次に、ウェハ21上の任意の位置に電子線を照射しながら、第2のカンチレバーで積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する。トンネル電流値を計測は、第1のカンチレバーの走査位置をトレースしながら行う。第1のカンチレバーの走査位置をトレースすることで、積層体5の端面と一定の距離を保ちながらトンネル電流値を計測することができる。
【0028】
なお、第1のカンチレバーの走査位置を第2のカンチレバーでトレースする場合、第1のカンチレバーと第2のカンチレバーとの相対的な位置の違いをオフセットとして記憶しておき、このオフセットを考慮して第1のカンチレバーの走査位置を第2のカンチレバーでトレースすることに留意する。
【0029】
また、第1のカンチレバーによる積層体5の端面の形状調査には、上記以外にも種々の方法をとり得る。例えば、第1のカンチレバーの先端を積層体5の端面に接触させ、その際に生じる第1のカンチレバーのしなりを計測し、このしなりにから積層体5の端面の形状を調べてもよい。しなりの計測は、第1のカンチレバーの先端にレーザー光を照射して、反射させ、この反射したレーザー光の位置の変化から推定すればよい。また、第1のカンチレバーと第2のカンチレバーを、一つのカンチレバーで共用するようにしてもよい。
【0030】
UIF16は、ユーザ(オペレータ)からの指示を受け付け、受け付けた指示を制御装置15へ入力する入力手段(例えば、キーボードやマウス)と、検査装置10の操作に必要な情報を表示するディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube))を備える。
【0031】
制御装置15は、HDD201、CPU202、メモリ203を備え、UIF16から入力される指示に基づいてオープナー11、アライナ12、搬送ロボット13及び計測室14を制御し、ウェハ21上の積層体5に形成されたコンタクトホールの異常を検出する。
【0032】
図4に示す機能は、制御装置15が備えるハードウェア(HDD201、CPU202、メモリ203)により実現される。具体的には、CPU202が、HDD201もしくはメモリ203に記録されているプログラムを実行することで以下に説明する機能が実現される。
【0033】
以下、各機能構成について説明する。
第1のDB(Database)301には、計測レシピが半導体デバイスの機種毎に記憶されている。計測レシピは、複数の計測条件(例えば、電子線の照射位置及び電子線のスポット径(例えば、1mm×1mm)、ウェハ21におけるトンネル電流値の計測位置、及び第1,第2のカンチレバーの上下方向の移動量)及び積層体5を構成する各層(絶縁膜2及び導電膜3)の膜厚データから構成される。なお、第1のDB(Database)301には、ウェハ21の半導体デバイスが形成されている領域を複数の領域に分割し、この分割した各領域の位置情報が電子線の照射位置として記憶されている。
【0034】
さらに第1のDB301には、計測機構104で計測されるトンネル電流値が正常であるか否かを判定するための閾値が計測レシピ毎に記憶されている。閾値は、予め実験等により決定される。
【0035】
第2のDB302には、積層体5の端面の形状を調べた際に第1のカンチレバーが走査した位置情報(以下、走査位置情報と称する)、及び電子線301の照射しながらカンチレバー302で計測されたトンネル電流値の波形が、LotID及びWaferIDから構成される識別子と共に記憶される。WaferIDは、制御装置15により付与される。なお、トンネル電流値の波形の形状については、図8を参照して後述する。
【0036】
更新部303は、第2のDB302に記憶されているデータ(電子線の照射領域の位置情報及びトンネル電流値の波形)を更新する。
【0037】
送受信部304は、オープナー11、アライナ12、搬送ロボット13及び計測室14、UIF16及び図示しないホストコンピュータ(以下、単にホストと称する)との間でデータ及び制御信号等を送受信する。ホストとの通信は、例えば、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials institute)で規定されるSECS(SEMI Equipment Communications Standard)やGEM300(Generic Equipment Model for 300mm wafer)等の方式に基づいて行われる。
【0038】
搬送制御部305は、オープナー11、アライナ12及び搬送ロボット13、ゲートバルブ101、ステージ102等から構成される搬送機構を制御する。
【0039】
計測部306は、計測室14が備えるステージ102、駆動機構103、計測機構104、電子線照射機構105を制御して、絶縁層2と導電層3から構成される積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測する。
【0040】
比較部307は、第2のDB302に記憶されているトンネル電流値の波形と、第1のDB301に記憶されている閾値と比較し、半導体デバイスの異常を検出する。
【0041】
算出部308は、比較部307による比較に結果、異常が検出された場合、積層体5を構成する複数の層のうちのどの層に異常があったかを掲載により算出する。算出部308は、異常が検出された際の第2のカンチレバーの移動距離と、計測レシピとして記憶されている積層体5を構成する各層(絶縁膜2及び導電膜3)の膜厚データに基づいて異常が検出された層を算出する。
【0042】
具体的には、第2のカンチレバーの上下方向の移動量Lと第1層目の膜厚TNとの比較を行い、第1層目の膜厚T1から第N層目の膜厚TNの合計TMよりも小さな値となるまで、LとTMの比較を繰り返し、Lの値が、TMよりも小さな値となった際のNの値から1を引いた値の層を異常層と判定する(N,M:1以上の自然数)。
【0043】
表示部309は、検査結果をUIF16のディスプレイに表示する。図5は、第1の実施形態に係る検査装置10による検査結果の一例を示した図である。図5に示すように、第1の実施形態では、異常コンタクトホールの存在する位置を導電層3毎に表示する。このため、オペレータは、どの導電層3のどの位置に、どれだけの異常コンタクトホールが存在するかを容易に認識することができ、該異常を容易に製造工程にフィードバックできる。
【0044】
図6及び図7は、第1の実施形態に係る検査装置による検査方法の説明図である。図8は、異常コンタクトホールが存在する場合のトンネル電流値の波形の一例を示した概略図である。以下、図6〜図8を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の検査方法について説明する。
【0045】
計測部306は、第2のDB302を参照して、計測レシピの計測条件を取得すると、取得した計測条件に基づいて駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、ウェハ21上に形成されている半導体デバイスに電子線401を照射する(図7参照)。
【0046】
次に、計測部306は、計測機構104を制御し、第1のカンチレバーにより取得された走査位置情報に基づいて絶縁体2と導電帯3の積層体5の端面と一定の距離を保って第2のカンチレバー402を走査し、該端面におけるトンネル電流値を計測する(図8参照)。
【0047】
更新部303は、第2の計測部306が計測した積層体5の端面におけるトンネル電流値の波形を第2のDB302に記憶する(図8参照)。絶縁層2の端面近傍では、トンネル電流値が小さくなり、導電層3の端面近傍では、トンネル電流値が大きくなる。また、複数の絶縁層2及び導電層3から構成される積層体4に設けられたコンタクトホール4が貫通せずに積層体5の途中までしか貫通していない場合、該異常コンタクトホール底の導電膜3から電荷が拡散するため、計測されるトンネル電流値が非常に大きくなる。
【0048】
つまり、トンネル電流値は、絶縁層2近傍では小さくなり、導電層3近傍では大きくなる。さらに、異常コンタクトホールがある場合は、異常コンタクトホール底近に存在する導電層3近傍のトンネル電流値は、非常に大きくなる。このため、検査対象に異常コンタクトホールが複数存在する場合、トンネル電流値は、図8に示すような波形となる。
【0049】
図9及び図10は、第1の実施形態に係る検査装置の動作を示したフローチャートである。以下、図9及び図10を参照して、第1の実施形態に係る検査装置10の動作について説明する。
【0050】
(ステップS101)
搬送機械(例えば、RGV(Rail Guided Vehicle)やOHV(Over Head Vehicle))もしくはオペレータにより、収容器20がオープナー11にセットされると、搬送制御部305は、オープナー11を制御して、収容器20のIDを読みとって制御装置15へ送信すると共に、収容器20のドアをオープンする。
【0051】
(ステップS102)
送受信部304は、ステップS101で読みとった収容器20のLotIDを受信すると、このIDをホストへ送信する。ホストは、収容器20のLotIDを受信すると、該LotIDに対応する計測レシピを制御装置15へ送信する。
【0052】
(ステップS103)
搬送制御部305は、搬送ロボット13を制御して、収容器20に収容された検査対象であるウェハ21をアライナ12に搬送する。搬送制御部305は、アライナ12を制御して、ウェハ21のエッジを複数点検出して偏心補正を行うと共に、検出したノッチ等を予め定められた位置まで移動させる。
【0053】
(ステップS104)
搬送制御部305は、搬送ロボット13を制御してアライナ12からウェハ21を搬送し、計測室14内のステージ102上に載置する。搬送制御部305は、ウェハ21がステージ102上に載置されると、ゲートバルブ101をクローズし、図示しない真空ポンプにより計測室14内を真空引きする。
【0054】
(ステップS105)
真空引きが終了すると、搬送制御部305は、駆動機構103を制御してステージ102を計測位置に移動させる。計測部306は、第1のDB301を参照して、ホストから送信された計測レシピの計測条件を取得する。計測部306は、取得した計測条件に基づいて駆動機構103を制御し、第1のカンチレバーがトンネル電流値の計測位置に来るようにステージ102を移動及び回転させる。
【0055】
(ステップS106)
計測部306は、取得した計測条件に基づいて計測機構104を制御し、第1のカンチレバーによりウェハ21上に形成された絶縁層2と導電層3との積層体5の端面近くを走査する。更新部303は、第1のカンチレバーの走査位置情報を第2のDB302へ記憶する。
【0056】
(ステップS107)
計測部306は、取得した計測条件に基づいて駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、ウェハ21上に形成されている積層体5に電子線を照射する。
【0057】
(ステップS108)
計測部306は、計測機構104を制御し、ステップS106で第2のDB302に記憶された走査位置情報に基づいて第2のカンチレバーを絶縁体2と導電帯3の積層体5の端面に沿って走査し、該端面におけるトンネル電流値を計測する。
【0058】
(ステップS109)
更新部303は、計測部306が計測した積層体5の端面におけるトンネル電流値の波形をLotID及びWaferIDと共に第2のDB302に記憶する。
【0059】
(ステップS110,S111)
比較部307は、第1のDB301を参照して、ホストから送信された計測レシピに対応する閾値を取得し、該取得した閾値をステップS109で第2のDB302に記憶されたトンネル電流値の波形と比較する。
【0060】
(ステップS112)
比較部307によるトンネル電流値の波形と比較の結果、トンネル電流値が閾値を超えている箇所が存在する場合、すなわち異常がある場合(ステップS111のYes)、算出部308は、積層体5を構成する複数の層のうちのどの層で異常が検出されたかを算出する。
【0061】
(ステップS113)
算出部308は、異常があると判定した層と、電子線を照射した領域の位置情報とを対応付けて第2のDB302に記憶するよう更新部303に指示する。更新部303は、算出部308の指示に基づいて、異常があると判定した層と電子線を照射した領域の位置情報とを対応付けて第2のDB302に記憶する。
【0062】
(ステップS114)
計測部306は、ステップS107で取得した計測条件に含まれる全ての電子線の照射位置において、トンネル電流値の波形を計測したかどうかを判定する。全ての照射位置において、トンネル電流値の波形を計測している場合(ステップS114のYes)、計測部306は、ステップS116の動作を実施する。
【0063】
(ステップS115)
比較部307によるトンネル電流値の波形と比較の結果、トンネル電流値が閾値以下の場合、すなわち異常がない場合(ステップS111のNo)、又は、ウェハ21の全領域のトンネル電流値の計測が終了していない場合(ステップS114のNo)、計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御して電子線の照射位置を変更し、トンネル電流値の計測を継続する。
【0064】
(ステップS116)
計測部306は、第2のDB302を参照し、異常が検出されたどうかを判定する。第2のDB302には、異常がある層と電子線を照射した領域の位置情報とが対応付けて記憶されていることから、異常が検出されたどうかを判定が可能である。異常が検出されていない場合(ステップS116のNo)、ウェハ21は、搬送ロボット13によりステージ102上から収容器20へ搬送されて検査が終了する。
【0065】
なお、ステップ104において、異常がある場合には、メモリ203の任意のアドレスにフラグを立てておき、このアドレスのフラグの有無を確認して、異常が検出されたどうかを判定するようにしてもよい。
【0066】
(ステップS117)
異常が検出されている場合(ステップS116のYes)、計測部306は、異常が検出された箇所を絞り込むために、異常が検出された全ての領域を、複数のより小さな領域に分割する。
【0067】
(ステップS118)
計測部306は、駆動機構103を制御して、第2のカンチレバーがトンネル電流値の計測位置に来るようにステージ102を移動及び回転させる。
【0068】
(ステップS119,S120)
計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御し、電子線のスポット径をステップ117で分割した領域に合わせて小さくした後(例えば、50×50μm)、分割した領域の一つに電子線を照射する。
【0069】
(ステップS121)
計測部306は、計測機構104を制御し、第2のカンチレバーを、異常が検出された層の高さまで移動させた後、トンネル電流値を計測する。
【0070】
(ステップS122,S123)
比較部307は、ステップ121で計測したトンネル電流値とステップS110で取得した閾値を比較する。
【0071】
(ステップS124)
異常が検出された場合(ステップS123のYes)、更新部303は、第2のDB302に異常がある層と電子線を照射した領域の位置情報を対応付けて記憶する。なお、ステップS123において、異常が検出されない場合(ステップS123のNo)は、ステップS124の動作を行わずにステップS125の動作へ移行する。
【0072】
(ステップS125)
計測部306は、分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測したかどうかを判定する。
【0073】
(ステップS126)
分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測していない場合(ステップS125のNo)、計測部306は、駆動機構103及び電子線照射機構105を制御して、電子線の照射位置を変更し、トンネル電流値の計測を継続する。
【0074】
(ステップS127)
分割したすべての領域においてトンネル電流値を計測している場合(ステップS125のYes)、表示部309は、図5で説明した検査結果をUIF16のディスプレイに表示する。ウェハ21は、搬送ロボット13によりステージ102上から収容器20へウェハ21を搬送されて検査が終了する。
【0075】
以上のように、第1の実施形態に係る検査装置10は、第2のカンチレバーを、複数の絶縁体2及び導電体3から構成される積層体5の端面に沿って上下方向に移動させながら、積層体5の端面におけるトンネル電流値を計測するように構成されているので、導電膜と絶縁膜が交互に積層された積層体5に形成されたコンタクトホールの異常を検出することができる。
【0076】
また、第1のカンチレバーの振動の周期、大きさ等が一定となるように、第1のカンチレバーを積層体5の端面に沿って走査したのち、この第1のカンチレバーと同じ位置を第2のカンチレバーでトレースするので、積層体5の端面と一定の距離を保ちながらトンネル電流値を計測することができる。
【0077】
さらに、ウェハ21を大きな領域(大領域)に分割し、各大領域についてトンネル電流値の計測を行い、異常が検出された領域を、さらに小さな領域(小領域)に分割して、各小領域についてトンネル電流値の計測を行い、異常を検出している。このため、異常コンタクトホールの存在する位置をより詳細に検出することができる。
【0078】
さらに、異常コンタクトホールの存在する位置を各導電層3毎に表示する。このため、オペレータは、どの導電層3のどの位置に、どれだけの異常コンタクトホールが存在するかを容易に認識することができ、該異常を容易に製造工程にフィードバックできる。
【0079】
(その他の実施形態)
図11は、その他の実施形態に係る検査方法を示した図である。第1の実施形態に係る検査装置10では、ウェハ21のベベル部分における積層体5の端面でトンネル電流値を計測したが、図11に示すように、第1,第2のカンチレバーを挿入できる箇所であれば、トンネル電流値を計測することが可能である。このため、トンネル電流値の計測位置は、ウェハ21のベベル部分に限られない。
【0080】
さらに、第1の実施形態では、トンネル電流値を閾値と比較することで、コンタクトホール4の異常を検出しているが、トンネル電流値の変化率(例えば、トンネル電流値を微分した値)が所定の値を超えた場合に、コンタクトホール4に異常があると判定してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…半導体基板、2…絶縁層、3…導電層、4…コンタクトホール、10…検査装置、11…オープナー、12…アライナ、13…搬送ロボット、14…計測室、15…制御装置、16…UIF、20…収容器、21…ウェハ、101…ゲートバルブ、102…ステージ、103…駆動機構、104…計測機構、105…電子線照射機構、201…HDD、202…CPU、203…メモリ、301…第1のDB、302…第2のDB、303…更新部、304…送受信部、305…搬送制御部、306…計測部、307…比較部、308…算出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層及び導電層が交互に複数積層された積層体に形成されたコンタクトホールの検査装置であって、
前記積層体に電子線を照射する電子線照射部と、
前記積層体の端面に沿って上下方向に動作し、前記端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、
前記計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、
前記比較部での比較結果に基づいて、前記コンタクトホールの異常を判定する判定部と、
を具備することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記電子線照射部は、前記積層体を複数の第1の領域に分割して、該分割された各第1の領域に電子線を照射し、
前記計測部は、前記電子線が前記各第1の領域に照射される度に、前記端面におけるトンネル電流値を計測する
ことを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記電子線照射部は、前記判定部により異常と判定されたコンタクトホールが存在する場合、前記異常と判定されたコンタクトホールが存在する前記第1の領域をさらに複数の第2の領域に分割して、議分割された各第2の領域に電子線を照射し、
前記計測部は、前記電子線が前記各第2の領域に照射される度に、前記端面におけるトンネル電流値を計測する
ことを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記判定結果に基づいて、異常と判定されたコンタクトホールの存在位置を前記導電層毎に表示する表示部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の検査装置。
【請求項5】
絶縁層及び導電層が交互に複数積層された積層体に形成されたコンタクトホールの検査方法であって、
前記積層体に電子線を照射するステップと、
前記積層体の端面に沿って上下方向に動作し、前記端面におけるトンネル電流値を計測するステップと、
前記計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて、前記コンタクトホールの異常を判定するステップと、
を具備することを特徴とする検査方法。
【請求項1】
絶縁層及び導電層が交互に複数積層された積層体に形成されたコンタクトホールの検査装置であって、
前記積層体に電子線を照射する電子線照射部と、
前記積層体の端面に沿って上下方向に動作し、前記端面におけるトンネル電流値を計測する計測部と、
前記計測部で計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較する比較部と、
前記比較部での比較結果に基づいて、前記コンタクトホールの異常を判定する判定部と、
を具備することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記電子線照射部は、前記積層体を複数の第1の領域に分割して、該分割された各第1の領域に電子線を照射し、
前記計測部は、前記電子線が前記各第1の領域に照射される度に、前記端面におけるトンネル電流値を計測する
ことを特徴とする請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記電子線照射部は、前記判定部により異常と判定されたコンタクトホールが存在する場合、前記異常と判定されたコンタクトホールが存在する前記第1の領域をさらに複数の第2の領域に分割して、議分割された各第2の領域に電子線を照射し、
前記計測部は、前記電子線が前記各第2の領域に照射される度に、前記端面におけるトンネル電流値を計測する
ことを特徴とする請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記判定結果に基づいて、異常と判定されたコンタクトホールの存在位置を前記導電層毎に表示する表示部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の検査装置。
【請求項5】
絶縁層及び導電層が交互に複数積層された積層体に形成されたコンタクトホールの検査方法であって、
前記積層体に電子線を照射するステップと、
前記積層体の端面に沿って上下方向に動作し、前記端面におけるトンネル電流値を計測するステップと、
前記計測されたトンネル電流値を所定の閾値と比較するステップと、
前記比較の結果に基づいて、前記コンタクトホールの異常を判定するステップと、
を具備することを特徴とする検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−7909(P2012−7909A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141733(P2010−141733)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]