説明

検知装置及び検知システム及び照明制御システム

【課題】例えば、照明制御などを行う際の検知対象の誤検知を減らすことを目的とする。
【解決手段】焦電センサ104は、人体からの赤外線を検知してアナログ検知信号111を出力する。アンプ回路105は、焦電センサ104からのアナログ検知信号111を増幅して増幅アナログ検知信号112を出力する。コンパレータ回路102は、アンプ回路105からの増幅アナログ検知信号112の電圧とスレショルド電圧とを比較して、その結果をデジタル検知信号113として出力する。判定部103は、コンパレータ回路102からのデジタル検知信号113を10μs間隔で監視して、デジタル検知信号113が熱源を検知したことを5回連続して示していた場合には、人体を検知したと判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置及び検知システム及び照明制御システムに関するものである。本発明は、特に、検知装置及び検知システム及び照明制御システムにおける人感センサの感度設定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の人体検知装置とその信号によって負荷を制御する装置としては、負荷の熱量の変化量が、人体を熱源として検知した場合の変化量以下になるように、検知装置内部のウィンドコンパレータの検知幅を一時的に広くするものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−289082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように、従来の検知装置では、ウィンドコンパレータの検知幅を変化させるために、コンパレータ回路のスレショルド電圧の切替えスイッチ、及び、複数の抵抗を必要とする。そのため、部品点数が増加したり、既存の回路の変更が必要となったりするという課題があった。
【0004】
本発明は、例えば、照明制御などを行う際の検知対象の誤検知を減らすことを目的とする。また、そのために、例えば、既存のコンパレータ回路を変更することなく、ソフトウェアによって容易に感度変更ができる検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る検知装置は、
赤外線の変化を検知してアナログ検知信号を出力する検知部と、
前記検知部により出力されたアナログ検知信号の電圧と所定の電圧とを比較して熱源を検知したかどうかを判定し、判定した結果を示すデジタル検知信号を出力する比較部と、
前記比較部により出力されるデジタル検知信号を所定の時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力する判定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、検知装置において、判定部が、比較部により出力されるデジタル検知信号を所定の時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力することにより、照明制御などを行う際の検知対象の誤検知を減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0008】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る検知装置である人感センサ100(人感センサスイッチともいう)の構成を示すブロック図である。
【0009】
本実施の形態において、人感センサ100は、検知部101、コンパレータ回路102(比較部)、判定部103を有する。検知部101は、焦電センサ104、アンプ回路105(増幅部)を含む。
【0010】
焦電センサ104は、人体(検知対象)からの熱線(赤外線)を検知してアナログ検知信号111を出力する。アンプ回路105は、焦電センサ104からのアナログ検知信号111を増幅して増幅アナログ検知信号112を出力する。コンパレータ回路102は、アンプ回路105からの増幅アナログ検知信号112の電圧とスレショルド電圧(所定の電圧)とを比較して、その結果をデジタル検知信号113として出力する。判定部103は、コンパレータ回路102からのデジタル検知信号113を基に、予め設定された感度で人体を検知したかどうかを判別し、その結果を検知判定信号114として出力する。ここで、人体を検知したかどうかを判別するための感度は、デジタル検知信号113を監視する時間間隔(所定の時間間隔、又は、第1の所定の時間間隔)、及び、デジタル検知信号113が熱源を検知したことを何回連続して示した場合に人体を検知したと判定するか(所定の回数、又は、第1の所定の回数)によって決まるものとする。
【0011】
図示していないが、人感センサ100は、プログラムを実行するCPUなどの制御部、メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなど)、磁気ディスク装置などの記憶部を有していてもよい。制御部は、バスを介して記憶部、及びその他の各部と接続され、各部を制御する。記憶部は、データや信号を記憶する。本実施の形態の説明において用いるブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示している。データや信号は、バスや信号線やケーブルその他の伝送媒体により伝送される。判定部103は、ROMに記憶されたファームウェアで実現されていても構わないし、あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、記憶部に記憶される。このプログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。
【0012】
図2は、人感センサ100の動作を示すフローチャートである。ここでは、上記感度として、所定の時間間隔(第1の所定の時間間隔)が10μs(マイクロ秒)、所定の回数(第1の所定の回数)が5回に設定されているものとする。
【0013】
検知ステップにおいて、焦電センサ104は、赤外線の変化を検知してアナログ検知信号111を出力する(ステップS101)。アンプ回路105は、焦電センサ104により出力されたアナログ検知信号111を増幅して増幅アナログ検知信号112を出力する(ステップS102)。
【0014】
比較ステップにおいて、コンパレータ回路102は、アンプ回路105により出力された増幅アナログ検知信号112の電圧とスレショルド電圧とを比較して熱源を検知したかどうかを判定する(ステップS103)。そして、コンパレータ回路102は、判定した結果を示すデジタル検知信号113を出力する(ステップS104)。例えば、コンパレータ回路102は、増幅アナログ検知信号112の電圧がスレショルド電圧より高い場合又は低い場合に、熱源を検知したことを示すデジタル検知信号113を出力する。
【0015】
判定ステップにおいて、判定部103は、コンパレータ回路102により出力されるデジタル検知信号113を10μs間隔で監視する(ステップS105)。デジタル検知信号113が熱源を検知したことを5回連続して示した場合には、判定部103は、人体を検知したことを示す検知判定信号114を出力する(ステップS106)。
【0016】
図3は、本実施の形態に係る検知方法の例を示すタイミングチャートである。ここでは、上記感度として、所定の時間間隔が10ms(ミリ秒)、所定の回数が2回に設定されているものとする。
【0017】
図3において、「コンパレータ出力」は、上記比較ステップにおいて、コンパレータ回路102により出力されるデジタル検知信号113である。「コンパレータ出力」は、コンパレータ回路102が熱源を検知したと判定した場合には「検出」を示し、それ以外の場合には「非検出」を示す。また、「信号出力」は、上記判定ステップにおいて、判定部103により出力される検知判定信号114である。「信号出力」は、判定部103が10ms間隔で監視している「コンパレータ出力」が2回以上連続して「検出」を示していた場合には「検出」を示し、それ以外の場合には「非検出」を示す。なお、本実施の形態では、検出条件と同じく、2回以上連続して「非検出」を示した場合に「非検出」としているので、熱源を検出しなくなったことを誤検知することがない。
【0018】
本実施の形態では、焦電センサ104、アンプ回路105、コンパレータ回路102を備えた人感センサ100で、センサのデジタル信号を任意の時間以上検知した場合のみを人体の検知と判断することで、ノイズなどの誤検知の防止や、検知の感度を調整することが可能となる。例えば、この人感センサ100を照明器具の制御に利用した場合、人体の動作を検知して照明器具をON(点灯)/OFF(消灯)、調光することが可能となり、照明スイッチの自動化と省エネを実現することができる。また、人体の検知感度を任意に調節することで、照明器具の用途、設置箇所に対応することが可能となる。さらに、人感センサ100のコンパレータ回路102の部品定数を変更することなく、ソフトウェアによって、検知感度を設定、変更することが可能となる。アンプ回路105、コンパレータ回路102が内蔵された既存のモジュールを使用する場合も、容易に感度を変更することが可能になる。また、ノイズなどによる瞬時的な信号は誤検知と判断することが可能となり、人体動作の検知と区別することが可能となる。
【0019】
以上のように、本実施の形態では、検知装置において、判定部が、比較部により出力されるデジタル検知信号を所定の時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力することにより、照明制御などを行う際の検知対象の誤検知を減らすことが可能となる。
【0020】
実施の形態2.
図4は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【0021】
本実施の形態において、照明制御システム200は、本実施の形態に係る検知装置である人感センサ100、本実施の形態に係る照明制御装置であるコントローラ300、照明器具400を備える。人感センサ100とコントローラ300とはケーブルなどで接続され、互いに通信を行う。また、同様に、コントローラ300と照明器具400とはケーブルなどで接続され、互いに通信を行う。照明制御システム200は、人感センサ100、コントローラ300、照明器具400をそれぞれ複数備えていてもよい。ここでは、照明制御システム200は、少なくとも1つのコントローラ300に対して2つの人感センサ100、人感センサA100a、人感センサB100bを備えるものとする。
【0022】
人感センサA100a、人感センサB100bは、実施の形態1で説明した人感センサ100と同様であり、それぞれの判定部103は、人体を検知したことを示す検知判定信号114を出力する。人感センサA100a、人感センサB100bを端末器としたとき、コントローラ300はこれらの親機にあたる。コントローラ300は、人感センサA100a、人感センサB100bの状態を定期的に確認し、それぞれの判定部103により出力される検知判定信号114を監視する。そして、検知判定信号114を基に、予め設定された基準で人体を検知したかどうかを判別し、その結果に基づいて照明器具400を制御する。ここで、人体を検知したかどうかを判別するための基準は、検知判定信号114を監視する時間間隔(第2の所定の時間間隔)、及び、検知判定信号114が人体を検知したことを何回連続して示した場合に(誤検知ではなく実際に)人体を検知したと判定するか(第2の所定の回数)によって決まるものとする。
【0023】
図5は、人感センサ100の構成を示すブロック図である。
【0024】
本実施の形態において、人感センサ100は、実施の形態1で説明した図1と同様に、検知部101、コンパレータ回路102(比較部)、判定部103を有する。
【0025】
判定部103は、例えば通信モジュールを含み、コントローラ300と通信を行って、コントローラ300が人感センサ100の状態を確認するための状態確認信号201を受信する。判定部103は、状態確認信号201に対する応答として、検知判定信号114を出力する(コントローラ300に送信する)。このとき、判定部103は、人感センサ100の状態に係るその他の情報を合わせて送信してもよい。
【0026】
図6は、コントローラ300の構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施の形態において、コントローラ300は、入力部301、制御部302を有する。
【0028】
入力部301は、例えば通信モジュールなどであり、人感センサA100a、人感センサB100bと通信を行っており、人感センサA100a、人感センサB100bそれぞれの判定部103に状態確認信号201を送信する。そして、送信した状態確認信号201に対する応答として、人感センサA100a、人感センサB100bそれぞれの判定部103からの検知判定信号114を受信して制御部302に入力する。制御部302は、例えばプログラムを実行するCPUなどであり、入力部301からの検知判定信号114に基づいて照明器具400を制御するための照明制御信号202を出力する(照明器具400に送信する)。
【0029】
図示していないが、コントローラ300は、メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなど)、磁気ディスク装置などの記憶部を有している。制御部302は、バスを介して記憶部、及びその他の各部と接続され、各部を制御する。記憶部は、データや信号を記憶する。本実施の形態の説明において用いるブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示している。データや信号は、バスや信号線やケーブルその他の伝送媒体により伝送される。制御部302は、ROMに記憶されたファームウェアを含んでいても構わないし、あるいは、ソフトウェア、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェア、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせを含んでいても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、記憶部に記憶される。このプログラムはCPUにより読み出され、CPUにより実行される。
【0030】
図7は、コントローラ300の動作を示すフローチャートである。ここでは、上記基準として、第2の所定の時間間隔が20ms、第2の所定の回数が1回に設定されているものとする。また、実施の形態1で説明した判定ステップと同様に、人感センサA100a、人感センサB100bそれぞれの判定部103は、それぞれのコンパレータ回路102により出力されるデジタル検知信号113を10μs間隔で監視し、デジタル検知信号113が熱源を検知したことを5回連続して示した場合には、人体を検知したことを示す検知判定信号114を出力するものとする。このとき、それぞれの判定部103は、人体を検知したことを示す検知判定信号114を20ms(第2の所定の時間間隔で1間隔に相当する時間)の間出力し続けるものとする(短くとも20ms出力し続けていれば、コントローラ300の制御部302は人体を検知したことを示す検知判定信号114を検出できる)。
【0031】
入力ステップにおいて、入力部301は、人感センサA100a、人感センサB100bそれぞれの判定部103により出力された検知判定信号114を入力する(ステップS201)。
【0032】
制御ステップにおいて、制御部302は、入力部301により入力された検知判定信号114を20ms間隔で監視する(ステップS202)。人感センサA100a、人感センサB100bいずれかの判定部103により出力された検知判定信号114が人体を検知したことを示した場合には(第2の所定の回数が複数回に設定されているときは、検知判定信号114が人体を検知したことをその回数分連続して示した場合となる)、制御部302は、人体を検知したと判断する(ステップS203)。そして、制御部302は、判断した結果に基づいて照明器具400を制御する(ステップS204)。例えば、制御部302は、人感センサA100a又は人感センサB100bの判定部103からの検知判定信号114が人体を検知したことを示していた場合に、照明器具400を点灯する。あるいは、制御部302は、人感センサA100a及び人感センサB100bの判定部103からの検知判定信号114が共に人体を検知したことを示していなかった場合に、照明器具400を消灯する。あるいは、制御部302は、照明器具400の調光制御を行う。
【0033】
本実施の形態では、親機が有線通信によって、任意の間隔で複数の端末器の検知状態を読み取る制御方式を用いているため、親機が任意のタイミングで複数の端末器の検知状態を収集することが可能である。したがって、親機がそれぞれの端末器の状態を異なるタイミングで確認しても構わない。この場合には、複数の情報データが衝突する可能性が低くなる。また、親機からの任意の発信によって端末器の状態を確認することにより、端末器の異常などを早急に検知することも可能となる。
【0034】
また、本実施の形態では、状態確認信号201に応動して、検知判定信号114を出力するようにしたが、状態確認信号201がない場合に検知判定信号114を出力してもよい。この場合、人感センサAまたは人感センサBから検知判定信号114が出力されていないことを検出して、このとき検知判定信号114を出力してもよいし、人感センサAまたは人感センサBそれぞれに設定される固有のタイミングで検知判定信号114を出力してもよい。即ち、判定部103は、親機(コントローラ300)からの状態確認信号201を受信するか否かにかかわらず、自発的に検知判定信号114を出力してもよい(このため、図5では状態確認信号201を点線の矢印で示している)。
【0035】
以上のように、本実施の形態では、照明制御システムにおいて、照明制御装置の入力部が、実施の形態1で説明した検知装置の判定部により出力された検知判定信号を入力し、照明制御装置の制御部が、入力部により入力される検知判定信号に基づいて照明器具を制御することにより、照明制御を行う際の検知対象の誤検知を減らすことが可能となる。
【0036】
また、照明制御装置の制御部が、入力部により入力される検知判定信号を第2の所定の時間間隔で監視し、当該検知判定信号が検知対象を検知したことを第2の所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することにより、照明制御を行う際の検知対象の誤検知をさらに減らすことが可能となる。
【0037】
また、検知装置の判定部が、検知判定信号を出力する場合に、短くとも第2の所定の時間間隔で1間隔に相当する時間は検知判定信号を出力し続けることにより、検知対象を確実に検知することが可能となる。
【0038】
また、照明制御装置の入力部が、複数の検知装置それぞれの判定部により出力される検知判定信号を入力し、照明制御装置の制御部が、入力部により入力される検知判定信号を第2の所定の時間間隔で監視し、いずれか検知装置の判定部により出力された検知判定信号が検知対象を検知したことを第2の所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することにより、検知対象をより確実に検知することが可能となる。
【0039】
実施の形態3.
以下では、本実施の形態について、主に実施の形態2との差異を説明する。
【0040】
図8は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【0041】
本実施の形態において、照明制御システム200は、実施の形態2で説明した図4と同様に、人感センサ100、コントローラ300、照明器具400を備えるとともに、検知システム500を備える。検知システム500は、人感センサ100のほかに、本実施の形態に係る設定装置であるリモコン設定器600を備える。人感センサ100とリモコン設定器600とは互いに通信を行う(有線による通信でもよいが、ここでは無線による通信を行うものとする)。リモコン設定器600は、実施の形態1で説明した人感センサ100の判定部103が人体を検知したかどうかを判別するための感度(第1の所定の時間間隔及び第1の所定の回数)を設定する。リモコン設定器600は、例えば操作ボタン、液晶画面、タッチパネルなどを有し、管理者などによる上記感度の設定を可能とする。
【0042】
図9は、人感センサ100の構成を示すブロック図である。
【0043】
本実施の形態において、人感センサ100は、実施の形態2で説明した図5と同様に、検知部101、コンパレータ回路102(比較部)、判定部103を有するとともに、受信部106、記憶部107を有する。
【0044】
受信部106は、例えば無線通信モジュールであり、リモコン設定器600と無線通信を行って、リモコン設定器600から上記感度の設定に係る設定情報115を受信して記憶部107に入力する。記憶部107は、実施の形態1で説明したものと同様に、例えばメモリ、磁気ディスク装置などであり、受信部106からの設定情報115を記憶する。判定部103は、記憶部107から設定情報115を読み取って、コンパレータ回路102からのデジタル検知信号113を基に、設定情報115で設定された設定された感度で人体を検知したかどうかを判別し、その結果を検知判定信号114として出力する(状態確認信号201に対する応答として、検知判定信号114をコントローラ300に送信する)。
【0045】
図10は、検知システム500の動作を示すフローチャートである。
【0046】
第1の設定ステップにおいて、リモコン設定器600は、時間間隔(第1の所定の時間間隔)を10μs、回数(第1の所定の回数)を5回に設定して設定情報115を無線により送信する(ステップS301)。第1の受信ステップにおいて、人感センサ100の受信部106は、リモコン設定器600により送信された設定情報115を受信する(ステップS302)。第1の記憶ステップにおいて、人感センサ100の記憶部107は、受信部106により受信された設定情報115を記憶する(ステップS303)。
【0047】
上記第1の記憶ステップの後、人感センサ100は、実施の形態1で説明した図2と同様に動作する。前述した判定ステップにおいて、判定部103は、記憶部107により記憶された設定情報115に基づいて、コンパレータ回路102により出力されるデジタル検知信号113を、リモコン設定器600により設定された時間間隔である10μs間隔で監視する(図2のステップS105)。デジタル検知信号113が熱源を検知したことを、リモコン設定器600により設定された回数である5回連続して示した場合には、判定部103は、人体を検知したことを示す検知判定信号114を出力する(図2のステップS106)。
【0048】
本実施の形態では、有線又は無線通信によるリモコン設定器600によって、人感センサ100の検知感度を容易に設定、変更することが可能となる。また、人感センサ100がリモコン設定器600と赤外線又は電波による無線通信を行うことで、照明器具400、コントローラ300を天井などに設置した後でも、人体検知を判断する検知回数などの検知感度を容易に変更することが可能となる。人感センサ100は、リモコン設定器600と双方向通信を行うことで、現在の設定値(設定情報115)を自ら取得してもよい。
【0049】
以上のように、本実施の形態では、検知装置において、判定部が、記憶部により記憶された設定情報に基づいて、比較部により出力されたデジタル検知信号を設定装置により設定された時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを設定装置により設定された回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力することにより、検知対象を検知する感度を容易に変更することが可能となる。
【0050】
実施の形態4.
以下では、本実施の形態について、主に実施の形態3との差異を説明する。
【0051】
図11は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【0052】
本実施の形態において、照明制御システム200は、実施の形態3で説明した図8と同様に、人感センサ100、コントローラ300、照明器具400、リモコン設定器600を備える。人感センサ100とコントローラ300とは、互いに無線による通信を行う。また、同様に、コントローラ300と照明器具400とは、互いに無線による通信を行う。人感センサ100とリモコン設定器600とは、実施の形態3で説明した図8と同様に、互いに無線による通信を行う。
【0053】
本実施の形態では、リモコン設定器600と同様に、親機と人感センサ100などの端末器と照明器具400との間の通信方法に赤外線や電波などの無線通信を用いたことで、省施工化を実現することができる。
【0054】
実施の形態5.
以下では、本実施の形態について、主に実施の形態4との差異を説明する。
【0055】
図12は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【0056】
本実施の形態において、照明制御システム200は、実施の形態4で説明した図11と同様に、人感センサ100、コントローラ300、照明器具400、リモコン設定器600を備える。コントローラ300とリモコン設定器600とは、互いに通信を行う(有線による通信でもよいが、ここでは無線による通信を行うものとする)。リモコン設定器600は、実施の形態2で説明したコントローラ300の制御部302が人体を検知したかどうかを判別するための基準(第2の所定の時間間隔及び第2の所定の回数)を設定する。リモコン設定器600は、例えば操作ボタン、液晶画面、タッチパネルなどを有し、管理者などによる上記基準の設定を可能とする。リモコン設定器600は、実施の形態3で説明したものと同様に、人感センサ100の感度(第1の所定の時間間隔及び第1の所定の回数)を設定する機能を兼ね備えていてもよい。
【0057】
図13は、コントローラ300の構成を示すブロック図である。
【0058】
本実施の形態において、コントローラ300は、実施の形態2で説明したと図6と同様に、入力部301、制御部302を有するとともに、受信部303、記憶部304を有する。
【0059】
受信部303は、例えば無線通信モジュールであり、リモコン設定器600と無線通信を行って、リモコン設定器600から上記基準の設定に係る設定情報116を受信して記憶部304に入力する。記憶部304は、実施の形態2で説明したものと同様に、例えばメモリ、磁気ディスク装置などであり、受信部303からの設定情報116を記憶する。制御部302は、記憶部304から設定情報116を読み取って、人感センサA100a、人感センサB100bそれぞれの判定部103からの検知判定信号114を基に、予め設定された基準で人体を検知したかどうかを判別し、その結果に基づいて照明器具400を制御するための照明制御信号202を出力する(照明器具400に送信する)。
【0060】
図14は、照明制御システム200の動作を示すフローチャートである。
【0061】
第2の設定ステップにおいて、リモコン設定器600は、時間間隔(第2の所定の時間間隔)を20msに設定して(第2の所定の回数は1回とする)設定情報116を無線により送信する(ステップS401)。第2の受信ステップにおいて、コントローラ300の受信部303は、リモコン設定器600により送信された設定情報116を受信する(ステップS402)。第2の記憶ステップにおいて、コントローラ300の記憶部304は、受信部303により受信された設定情報116を記憶する(ステップS403)。
【0062】
上記第2の記憶ステップの後、コントローラ300は、実施の形態2で説明した図7と同様に動作する。前述した制御ステップにおいて、制御部302は、記憶部304により記憶された設定情報116に基づいて、入力部301により入力された検知判定信号114を、リモコン設定器600により設定された時間間隔である20ms間隔で監視する(図7のステップS202)。人感センサA100a、人感センサB100bいずれかの判定部103により出力された検知判定信号114が人体を検知したことを示した場合には、制御部302は、人体を検知したと判断する(図7のステップS203)。そして、制御部302は、判断した結果に基づいて照明器具400を制御する(図7のステップS204)。
【0063】
以上のように、本実施の形態では、照明制御装置において、制御部が、記憶部により記憶された設定情報に基づいて、入力部により入力される検知判定信号を設定装置により設定された時間間隔で監視し、当該検知判定信号が検知対象を検知したことを設定装置により設定された回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することにより、検知対象を検知する基準を容易に変更することが可能となる。
【0064】
前述した各実施の形態は組み合わせて実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施の形態1に係る検知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る検知装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係る検知方法の例を示すタイミングチャートである。
【図4】実施の形態2に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2に係る検知装置の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係る照明制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態2に係る照明制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態3に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態3に係る検知装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態3に係る検知システムの動作を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態4に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態5に係る照明制御システムの構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態5に係る照明制御装置の構成を示すブロック図である。
【図14】実施の形態5に係る照明制御システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0066】
100 人感センサ、101 検知部、102 コンパレータ回路、103 判定部、104 焦電センサ、105 アンプ回路、106 受信部、107 記憶部、111 アナログ検知信号、112 増幅アナログ検知信号、113 デジタル検知信号、114 検知判定信号、115 設定情報、116 設定情報、200 照明制御システム、201 状態確認信号、202 照明制御信号、300 コントローラ、301 入力部、302 制御部、303 受信部、304 記憶部、400 照明器具、500 検知システム、600 リモコン設定器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線の変化を検知してアナログ検知信号を出力する検知部と、
前記検知部により出力されたアナログ検知信号の電圧と所定の電圧とを比較して熱源を検知したかどうかを判定し、判定した結果を示すデジタル検知信号を出力する比較部と、
前記比較部により出力されるデジタル検知信号を所定の時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力する判定部とを有することを特徴とする検知装置。
【請求項2】
任意の時間間隔と任意の回数とを設定して設定情報を有線又は無線により送信する設定装置と、
前記設定装置により送信された設定情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された設定情報を記憶する記憶部と、赤外線の変化を検知してアナログ検知信号を出力する検知部と、前記検知部により出力されたアナログ検知信号の電圧と所定の電圧とを比較して熱源を検知したかどうかを判定し、判定した結果を示すデジタル検知信号を出力する比較部と、前記記憶部により記憶された設定情報に基づいて、前記比較部により出力されたデジタル検知信号を前記設定装置により設定された時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを前記設定装置により設定された回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力する判定部とを有する検知装置とを備えることを特徴とする検知システム。
【請求項3】
赤外線の変化を検知してアナログ検知信号を出力する検知部と、前記検知部により出力されたアナログ検知信号の電圧と所定の電圧とを比較して熱源を検知したかどうかを判定し、判定した結果を示すデジタル検知信号を出力する比較部と、前記比較部により出力されたデジタル検知信号を第1の所定の時間間隔で監視し、当該デジタル検知信号が熱源を検知したことを第1の所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したことを示す検知判定信号を出力する判定部とを有する検知装置と、
前記検知装置の判定部により出力された検知判定信号を入力する入力部と、前記入力部により入力される検知判定信号に基づいて照明器具を制御する制御部とを有する照明制御装置とを備えることを特徴とする照明制御システム。
【請求項4】
前記照明制御装置の制御部は、前記入力部により入力される検知判定信号を第2の所定の時間間隔で監視し、当該検知判定信号が検知対象を検知したことを第2の所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記検知装置の判定部は、前記検知判定信号を出力する場合に、短くとも前記第2の所定の時間間隔で1間隔に相当する時間は前記検知判定信号を出力し続けることを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前記照明制御システムは、複数の検知装置を備え、
前記照明制御装置の入力部は、前記複数の検知装置それぞれの判定部により出力される検知判定信号を入力し、
前記照明制御装置の制御部は、前記入力部により入力される検知判定信号を第2の所定の時間間隔で監視し、いずれか検知装置の判定部により出力された検知判定信号が検知対象を検知したことを第2の所定の回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することを特徴とする請求項3に記載の照明制御システム。
【請求項7】
前記照明制御システムは、さらに、
任意の時間間隔と任意の回数とを設定して設定情報を有線又は無線により送信する設定装置を備え、
前記照明制御装置は、さらに、前記設定装置により送信された設定情報を受信する受信部と、前記受信部により受信された設定情報を記憶する記憶部とを有し、
前記照明制御装置の制御部は、前記記憶部により記憶された設定情報に基づいて、前記入力部により入力される検知判定信号を前記設定装置により設定された時間間隔で監視し、当該検知判定信号が検知対象を検知したことを前記設定装置により設定された回数連続して示していた場合に、検知対象を検知したと判断し、判断した結果に基づいて照明器具を制御することを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−256057(P2007−256057A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−80449(P2006−80449)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】