説明

検電器

【課題】検電作業を行う対象物から絶縁操作棒などを用いることなく所望の離隔距離を確保可能でコンパクト化可能な構造を実現することにより、作業者個々に配布して、間接活線工法により安全に検電作業を行うことのできる検電器を提供すること。
【解決手段】検知子12を導通接触させて課電・通電状態にあるか否かを確認する本体部11と、作業者により把持される把持部16と、を備える検電器10であって、本体部と把持部の間に介装されて所望の間隔に離隔させつつ検知子からの絶縁性を確保する中間部21を備えており、該中間部は、断面コの字形状の支持部材22〜24を回動支点25〜27により連結して本体部から順次に内装状態にするように折曲可能にすることによって、所望の長さに伸長・縮小可能な長尺構造に作製されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検電器に関し、詳しくは、対象物からの離隔距離を確保することのできるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、導体物などが電圧の印加されている課電状態にあるか否か、あるいは、電流の流れている通電状態にあるか否かなどを検査する検電作業を行なうときに、例えば、図10に示すようなオン/オフ可能な検電器100を使用する場合には、本体に配設されているテストボタン(スイッチ)101を操作することによりオンした状態で検知子(端子)102を検査の対象物に導通接触させる。すると、この検電器100は、その検査対象が課電・通電状態にある場合には、発音部(報知部)103からブザー音を出力させたり、発光部(報知部)104を発光させるなどして、作業者に感電の可能性があることを知らせる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、この種の検電器には、所謂、釣竿構造に構築されることにより伸縮可能に作製されているものもある。この伸縮可能な検電器では、伸長時と縮小時の外装部分との間に形成される静電容量の変化を利用することにより、検電作業をする対象物の高電圧または低電圧に応じて切換操作を省略するのと同時に、高所の検電作業を行ない得るように工夫している(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−148287号公報
【特許文献2】特開2002−243772号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の検電器にあっては、検電作業を行なう対象物からの離隔距離を確保することができないことから、例えば、課電・通電の可能性のある対象物からの安全な離隔距離を確保して作業を行なう所謂、間接活線作業を行なう場合には、例えば、図10に示す検電器100では、下端部のジョイント部105を不図示の絶縁操作棒の先端に取り付けて作業を行なっている。ここで、上記文献2に記載の検電器では、伸縮部材を伸長させることにより全長を長くすることは可能であるが、外装部分が導電性材料により作製されているので、間接活線工法を行う際には、同様に、絶縁操作棒を利用する必要がある。
【0005】
ここで、このような検電器は、作業を行なう前の安全確認としての検電作業を行なう際に用いるものであり、作業者全員が携帯して利用するのが好ましい。しかるに、このように都度絶縁操作棒を用いるのでは、作業を迅速に行なうことができないとともに、その絶縁操作棒を作業者全員に配布して利用させるのも現実的でない。
【0006】
また、絶縁操作棒の先端側の検電器のテストボタンを都度操作するのでは、その操作がわずらわしくなってオン状態のままにしてしまうことが予想され、使用したいときにバッテリー切れになってしまっている虞がある。
【0007】
そこで、本発明は、検電作業を行う対象物から絶縁操作棒などを用いることなく所望の離隔距離を確保可能でコンパクト化可能な構造を実現することにより、作業者個々に配布して、間接活線工法により安全に検電作業を行うことのできる検電器を提供することを目的とする。また、使用する際に自動的に利用可能な状態にすることにより、利用するための操作を特に行うことなく使用可能な状態にして、使い勝手のよい検電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する検電器の第1の発明は、端子を対象物に導通接触させて課電または通電状態にあるか否かを確認する本体部と、作業者により把持される把持部と、を備える検電器であって、本体部と把持部の間に介装されて該本体部の端子から把持部までの間隔を所望の距離に離隔させつつ当該端子からの絶縁性を確保する中間部を備えており、該中間部は、所望の長さに伸長・縮小させることのできる長尺構造に作製されていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明では、把持部を掴んで本体部の端子を対象物に導通接触させて検電作業を行うことができ、その把持部と本体部の間の絶縁性を有する中間部を縮小状態から電気的な絶縁性を確保する長さに伸長させることにより、その検電作業を、所謂、間接活線工法により行うことができる。したがって、作業者に携行させて、絶縁操作棒などを用いることなく、本体部と把持部との間に間接活線工法に必要な離隔間隔を確保した上で検電作業を安全に行うことができる。
【0010】
上記課題を解決する検電器の第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記中間部が所望の長さに縮小されたときに本体部の利用を制限するとともに、該中間部が所望の長さに伸長されたときに該本体部の利用制限を解除する機構を備えることを特徴とするものである。
【0011】
この発明では、把持部と本体部の間の中間部が縮小状態では本体部を機能させて検電作業を行うことはできず、その中間部を伸長させることによりその本体部の端子を対象物に導通接触させての検電作業を行うことができる。したがって、中間部を伸長させない限り検電作業を行うことができず、信頼性高く安全な状態にしてから検電作業を行なわせることができる。
【0012】
上記課題を解決する検電器の第3の発明は、上記第1または第2の発明の特定事項に加え、前記中間部は、回動支点が複数箇所に配設されている多関節構造に設計されているとともに、少なくとも本体部の基端側を回動支点により相対回動可能に支持することを特徴とするものである。
【0013】
この発明では、中間部の多関節構造を構成する部材を回動支点を中心にして回動させるだけで、直線状に延在する伸長状態や折り曲げられて互いに重なる縮小状態(折り畳み状態)にすることができる。したがって、中間部を容易に直線状の伸長状態にして本体部と把持部との間に所望の離隔間隔を確保することができる一方、その中間部を容易に折り曲げて携帯可能にコンパクトな縮小状態にすることができる。
【0014】
上記課題を解決する検電器の第4の発明は、上記第3の発明の特定事項に加え、前記中間部は、回動支点の間に本体部を利用不能に収装する空間が形成されており、該回動支点を中心に本体部側から順次に回動させて折り曲げることにより該本体部を当該収装空間内に収装することを特徴とするものである。
【0015】
この発明では、回動支点を中心にして本体部側から順次に折り曲げるように回動させることにより、その本体部側を中間部の内部に収装する状態にして伸長状態から縮小させることができる。したがって、回動支点を中心にして回動させて中間部を直線状の伸長状態にしない限り、本体部を使用可能に露出させることができず、伸長状態でのみ利用するように制限することができる。
【0016】
上記課題を解決する検電器の第5の発明は、上記第3または第4の発明の特定事項に加え、前記本体部は、回動支点を中心に中間部に対して伸長方向に相対回動する際にオンする一方、縮小方向に相対回動する際にオフするスイッチを備えることを特徴とするものである。
【0017】
この発明では、使用するために本体部を中間部に対して伸長状態になるように回動支点を中心にして回動させることによりスイッチをオンすることができる一方、その本体部を中間部と重なるように回動支点を中心にして回動させて縮小状態にすることによりスイッチをオフすることができる。したがって、本体部のスイッチをオン/オフする操作を行うのを失念して操作し直すことを回避することができ、信頼性高く快適に作業を開始/終了することができる。
【0018】
上記課題を解決する検電器の第6の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記中間部は、開口面積の異なる複数の筒状部材が組み立てられて構築されており、該中間部は、本体部側の筒状部材から順次に把持部側の筒状部材内に内装または外装されることにより縮小する一方、該把持部から本体部を離隔させる方向に内装状態または外装状態の筒状部材を引き出すことにより伸長する構造に作製されていることを特徴とするものである。
【0019】
この発明では、筒状部材の一端側開口内に別個の筒状部材の他端側が内装されている状態で順次に延伸させることにより全体として伸長状態にすることができ、また、その伸長状態から筒状部材の一端側開口内にその一端側の筒状部材を他端側から順次に差し込んで重なる状態にして多重にすることにより全体として縮小状態にすることができる。したがって、中間部の筒状部材を連続する直線状の伸長状態になるように引き出すことにより所望の離隔間隔を本体部と把持部との間に容易に確保することができる一方、反対に筒状部材を順次に内装されている状態に差し込むことにより携帯可能にコンパクトな縮小状態に容易にすることができる。この中間部は、把持部内に内装可能に設計することにより、また、本体部を内部に内装可能に設計することにより、よりコンパクトな縮小状態にすることができる。また、本体部は、中間部などに内装可能に設計することによってさらに操作できないようにして利用を制限することもできる。さらに、中間部は、筒状部材の先端側開口内に別個の筒状部材の後端側が延伸させたときに嵌着するように設計することにより伸長状態を安定させて維持することができ、縮小させる際には差込方向の小さな衝撃を与えるなどすればよい。
【0020】
上記課題を解決する検電器の第7の発明は、上記第6の発明の特定事項に加え、前記本体部側を牽引する牽引手段が設けられており、該牽引手段には中間部が所望の長さに伸長されている状態で当該牽引を制限するロック機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
この発明では、筒状部材の一端側が筒状部材の他端側に内装される方向に牽引することができ、各筒状部材は自動的に互いに重なる状態に差し込まれてコンパクトな縮小状態にすることができる。また、その筒状部材が連続するように延伸されて所望の長さに伸長させているときにはロックされて縮小方向に牽引されることがない。したがって、中間部の筒状部材を伸長状態にして所望の離隔間隔を本体部と把持部との間に確保しつつ検電作業を行った後に、そのロックを外すことにより縮小方向に牽引させて携帯可能なコンパクトな状態に容易にすることができる。
【0022】
上記課題を解決する検電器の第8の発明は、上記第7の発明の特定事項に加え、前記牽引手段は、回転可能に軸支されて一方向に回転するように付勢されている円盤部材と、該円盤部材の外周面から突出/没入可能に取り付けられて該突出方向に付勢されている突起部材と、円盤部材の外周面に対面するように形成されて該外周面から突出する突起部材を衝止する衝止部材と、円盤部材の外周面に巻き掛けられているとともに本体部自体または本体部の近傍に一端側が固定されている線状部材と、を備えており、円盤部材は線状部材を巻き取る方向に付勢されているとともに、該線状部材は中間部が所望の長さに伸長されている状態では当該円盤部材の外周面から外れる長さに設定されていることを特徴とするものである。
【0023】
この発明では、中間部が所望の長さに伸長されるのに伴って、円盤部材の外周面から線状部材を引き出すことにより、その円盤部材が付勢力に抗して回転されるとともに、その線状部材が円盤部材の外周面から外れて突起部材が突出する。すると、円盤部材が付勢されている方向に回転しようとしても、言い換えると、円盤部材が線状部材を巻き取って本体部側を牽引する方向に回転しようとしても、その突起部材が衝止部材に衝止ロックされて本体部側を牽引することを制限することができ、中間部の筒状部材が延伸する伸長状態を維持することができる。その突起部材を円盤部材の外周面内に没入させることによりその円盤部材が線状部材の巻取方向に付勢・回転することを許容することができ、本体部側を牽引して中間部の筒状部材が重なる縮小状態にすることができる。したがって、突起部材が円盤部材の外周面から突出するまで中間部を延伸・伸長させない限り所望の長さを維持することができず、その突起部材を円盤部材の外周面内に押し込むだけで中間部を携帯可能に縮小させることができる。
【0024】
上記課題を解決する検電器の第9の発明は、上記第6から第8のいずれかの発明の特定事項に加え、前記本体部は、把持部に近接するオン方向または該把持部から離隔するオフ方向に相対移動可能に取り付けられているとともに、該オン方向に付勢されているスイッチを備えており、把持部側には、筒状部材が伸長する際に当該スイッチから離隔する一方、該筒状部材が縮小して本体部の接近する際には当該スイッチに当接してオフ方向に相対移動させる当接部材が配設されていることを特徴とするものである。
【0025】
この発明では、中間部の筒状部材を延伸させて伸長状態にすることにより本体部を把持部から離隔させてスイッチをオンすることができ、本体部を対象物に導通接触させて検電作業を行うことができる。一方、その中間部の筒状部材が重なる縮小状態にすることにより本体部を把持部側に近接させてスイッチをオフすることができる。したがって、中間部を伸長/縮小させるだけで本体部を利用可能にスイッチをオン/オフする操作を行う必要がなく、そのスイッチ操作を失念して操作し直すことを回避することができ、信頼性高く快適に作業を開始することができる。
【発明の効果】
【0026】
このように本発明によれば、絶縁性を有する中間部を伸長させることにより把持部から本体部を離隔させて絶縁性を確保することができ、例えば、検電作業を間接活線工法により安全に行うことができる。その中間部は縮小させることによりコンパクトにすることができ、作業者に配布して携行させることができる。したがって、絶縁操作棒などを用いることなく、安全かつ容易に検電作業を行うことができる。また、中間部が縮小状態のときには本体部の利用を制限して、伸長させたときにその制限を解除することにより、中間部を伸長させることなく検電作業を行うことを防止することができ、使い勝手良く、同時に、信頼性高く安全に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明に係る検電器の第1実施形態を示す図である。
【0028】
図1において、検電器10は、図10に示す従来の検電器100と同様に、検査の対象物が課電・通電状態にある場合には、検知子(端子)12を導通接触させたときにブザー音の出力や発光により感電の虞があることを作業者に知らせる本体部11を備えており、この本体部11は、作業者が把持する把持部16の先端側に連設されている中間部21のさらに先端側に連設されている。
【0029】
把持部16は、把持可能な筒形状に形成されており、表面には滑り止めとして機能するように溝17aの刻設されているゴム材料のグリップ17が固設されている。なお、この把持部16の中間部21に隣接する先端側には、作業者の把持する手が本体部11側に滑ってしまわないように鍔形状のストッパ18が外方に張り出されている。
【0030】
中間部21は、図2に示すように、絶縁性樹脂材料からなる3本の支持部材22〜24の端部に回動支点25〜27が配設された多関節構造に設計されており、本体部11と把持部16を連結する。支持部材22は、先端側の回動支点25を介して本体部11の基端側が相対回動可能に連設されているとともに、後端側の回動支点26を介して支持部材23の先端側が相対回動可能に連設されている。また、支持部材24は、後端側に把持部16が相対回動不能に連設されているとともに、先端側の回動支点27を介して支持部材23の後端側が相対回動可能に連設されている。なお、本実施形態では、3本の支持部材22〜24と3箇所の回動支点25〜27の多関節構造としているが、これに限るものではなく、2本以下の支持部材、4本以上の支持部材を相対回動可能に連結しても良く、また、把持部16に対しても相対回動可能に連設してもよいことは言うまでもない。さらに、把持部16は、中間部21により絶縁性を確保されていることから材料を限定する必要はないが、その中間部21と同様に絶縁性樹脂材料により作製してもよいことは言うまでもない。
【0031】
また、支持部材22は、長さ方向に直交する横断面形状がコの字形状に形成されることにより内部に本体部11を収装可能な空間が画成されており、両側壁板22aの先端側(本体部11側)とその本体部11の基端側とにピン形状の回動支点25が貫通・嵌合することにより相対的に回動することを許容するように互いに軸支されている。
【0032】
同様に、支持部材23は、横断面形状をコの字形状に形成することによりその支持部材22を内部に収装可能な空間が画成されており、両側壁板23aの先端側とその支持部材22の両側壁板22aの後端側にピン形状の回動支点26が貫通・嵌合することにより相対的に回動することを許容するように互いに軸支されている。また、支持部材24は、横断面形状をコの字形状に形成することによりその支持部材23を内部に収装可能な空間が画成されており、両側壁板24aの先端側とその支持部材23の両側壁板23aの後端側の開口内にピン形状の回動支点27が貫通・嵌合することにより相対的に回動することを許容するように互いに軸支されている。
【0033】
これにより、この中間部21は、本体部11と支持部材22、23を回動支点25〜27で相対的に回動させることにより、その本体部11、支持部材22〜24および把持部16を直線状に連続して伸長する姿勢にすることができ、本体部11から把持部16を絶縁部材の支持部材22〜24を介して離隔させることができる。また、この中間部21は、本体部11を支持部材22の側壁板22a間の空間S内に向うように回動させて折り曲げることにより、その支持部材22内に本体部11を収装させることができ、同様に、その支持部材22を支持部材23に対して回動させて折り曲げることにより、その側壁板23a間の空間S内に支持部材22を収装させることができ、また、その支持部材23を支持部材24に対して回動させて折り曲げることにより、その側壁板24a間の空間S内に支持部材23を収装させることができ、全体を支持部材24内に収装するように折り畳んでコンパクトに縮小された姿勢にすることができる。すなわち、中間部21は、支持部材22〜24を本体部11と把持部16に対して相対的に回動させることにより伸長または縮小させることのできる長尺構造に設計されている。なお、支持部材22は本体部11の全長を収装可能な長さに設定されており、支持部材23は回動支点25が反対側の回動支点27に干渉することなくその支持部材22の全長を収装可能に長めに設定され、また、支持部材24はその支持部材23の全長を把持部16に突き当たることなく収装可能に長めに設定されている。
【0034】
また、本体部11と支持部材22、23には、直線状に伸長された姿勢のときに、支持部材22〜24の側壁板22a〜24a間の背面板22b〜24bの先端側端辺に突き当たる衝止片22c〜24cが、対応する本体部11や支持部材22、23の背面板11b、22b、23bの後端側外面に固設されており、この衝止片22c〜24cは、本体部11、支持部材22、23が直線状になる姿勢からさらに相対回動しようとする際に支持部材22〜24の背面板22b〜24bの先端側端辺に突き当たって衝止するようになっている。
【0035】
さらに、本体部11と支持部材22、23には、例えば、図3に支持部材22、23の連結箇所を示すように、回動支点25〜27を挟んだ衝止片22c〜24cの反対側(空間Sの開口側)に位置する本体部11や支持部材22、23の側壁板11a、22a、23aの後端側に突起28が突出/没入可能に配設されており、側壁板11a、22a、23aの内面側にはその突起28を外方に付勢する板バネ29が配置されている。すなわち、突起28は、板バネ29の付勢力により側壁板11a、22a、23aの後端側で外面から突出するとともに、その板バネ29の付勢力に抗する力が加えられることによりその側壁板11a、22a、23aの外面から内方に没入する。なお、図中、22d、23dは軽量化を図るために支持部材22、23の側壁板22a、23aや背面板22b、23bに開口する肉抜き穴であり、支持部材24の側壁板22a、23aや背面板22b、23bにも開口することは言うまでもない。
【0036】
これにより、中間部21は、例えば、図4に支持部材22、23の連結箇所を示すように、先端側の本体部11、支持部材22、23を後端側(把持部16側)の支持部材22〜24の側壁板22a〜24a間の空間S内から順次に引き出すように略180度回動させたときに、その支持部材22〜24の背面板22b〜24bの先端側端辺が衝止片22c〜24cに突き当たってそれ以上回動してしまうことを制限することができ、把持部16から支持部材24、23、22や本体部11へと直線状に伸長させた姿勢にすることができる。このときに、この中間部21は、突起28が板バネ29の付勢力により本体部11と支持部材22、23の側壁板11a、22a、23aの後端側外面から突出して支持部材22〜24の側壁板22a〜24aの先端側端辺に突き当たることにより、本体部11、支持部材22、23が戻る方向に回動することを制限することができ、本体部11を利用可能に露出させる伸長状態を維持することができる。
【0037】
そして、この中間部21は、反対に、先端側の本体部11、支持部材22、23を後端側の支持部材22〜24の側壁板23a間の空間S内に収装させる方向にある程度の力を加えて順次に回動させることにより、突起28を板バネ29の付勢力に抗して側壁板11a、22a、23a内に没入させて折り曲げることができ、本体部11から支持部材22、23へと順次に支持部材22〜24内に収装させてコンパクトな縮小状態(折り畳み状態)にすることができる。このときに、この中間部21は、本体部11を支持部材22〜24の内部に収装する状態にして利用不能な状態にすることができる。すなわち、この中間部21は、本体部11の利用を制限・解除する機構に設計されている。
【0038】
したがって、検電器10は、把持部16のグリップ17を掴んで支持部材24内から支持部材23、22と本体部11を順次に回動させて直線状の伸長状態にすることにより、支持部材22〜24の内部に収装されて利用制限されている本体部11を利用可能に露出させることができるとともに、把持部16から支持部材22〜24を介して間接活線工法に必要な絶縁距離を確保する遠隔位置に本体部11を位置させて使用することができ、本体部11の検知子12を検査対象に導通接触させて課電・通電状態にあるか否かを確認する検電作業を行うことができる。この検電作業が終了した後には、その本体部11と支持部材22、23をそれぞれ内部に収装するように順次に回動させて折り曲げるだけでその本体部11を内部に収装して利用不能な縮小状態にすることができ、携行可能にコンパクトな折り畳み状態にすることができる。すなわち、この検電器10は、本体部11と中間部21を携行可能にコンパクトにすることができるとともに、本体部11と把持部16の間に間接活線工法に必要な絶縁距離を確保するように中間部21を伸長させない限り、検電作業を行うことができない。
【0039】
そして、本体部11は、内蔵回路基板に搭載のスイッチ部品のピン形状が側壁板11aの基端側(後端側)側面から正逆回転可能に突出しており、このピン形状が支持部材22と本体部11全体とを相対回動可能に連結する回動支点25として機能するように設計されている。このピン形状(回動支点)25は、支持部材22の側壁板22aの一方に相対回転不能に固設されており、本体部11が支持部材22に対して正逆方向に相対回動するのに伴って正逆回転することによりその本体部11をオン/オフする。なお、このようにスイッチとして機能する回動支点25は、本体部11の基端側側面の両側に配設する必要はなく、一方のみでよく、他方は回動支点としてのみ機能すればよい。
【0040】
これにより、検電器10は、把持部16を掴んで支持部材24内から支持部材23、22と本体部11を順次に回動させて直線状の伸長状態にする際に、本体部11の回動支点25が回転されることにより、その本体部11を自動的にオンすることができ、また反対に、その本体部11と支持部材22、23をそれぞれ内部に収装するように順次に回動させて折り曲げる際に、本体部11の回動支点25が回転されることにより、その本体部11を自動的にオフすることができる。このため、本体部11をオン/オフすることを忘れて操作し直す手間を省くことができ、特に、検電作業終了後にオフするのを失念してバッテリー切れにしてしまったり、携行可能に折り畳んだ後に気が付いて再度本体部11を露出させて操作する手間を省いて快適に検電作業を繰り返すことができる。
【0041】
このように本実施形態においては、絶縁性を有する中間部21の支持部材22〜24と本体部11を折り畳まれた状態から直線状に伸長させることにより、その本体部11を利用可能に露出させつつオンするとともに把持部16との間に間接活線工法に必要な絶縁距離を確保して検電作業を行うことができる。その検電作業の終了後には、中間部21の支持部材22〜24内に本体部11を収装するように折り畳んで縮小させることにより、その本体部11を利用不能にしつつオフするとともに携行可能にコンパクトにすることができる。
【0042】
したがって、各作業者に配布して携行させることのできるコンパクトなサイズの検電器10を実現しつつ、その検電器10を利用する際には、絶縁操作棒などを準備することなく、また、不注意で本体部11がバッテリー切れになっていることなく、間接活線工法に必要な絶縁距離を確保する位置に本体部11を位置させて快適かつ安全に検電作業を行うことができる。
【0043】
次に、図5〜図9は本発明に係る検電器の第2実施形態を示す図である。
図5において、検電器30は、図10に示す従来の検電器100と同様に、検査の対象物が課電・通電状態にある場合には、検知子12を導通接触させたときにブザー音の出力や発光により感電の虞があることを作業者に知らせる本体部31を備えており、この本体部31は、作業者が把持する把持部36の先端側に連設されている中間部41のさらに先端側に連設されている。
【0044】
把持部36は、把持可能な筒形状に形成されており、表面には滑り止めとして機能するように溝37aの刻設されているゴム材料のグリップ37が固設されている。なお、この把持部36は、上述実施形態のようには鍔形状のストッパ18が設けられていないが、その中間部41に隣接する先端側には、後述する円形部材51が取り付けられていることから、作業者の把持する手が本体部31側に滑ってしまうことはない。また、この把持部36にも、同様に鍔形状のストッパを取り付けてもよいことは言うまでもない。
【0045】
中間部41は、絶縁性樹脂からなる3本の筒形状の支持部材42〜44が順次に内装されて重なる状態からそれぞれの先後端を離隔させないように繰り出すことのできる、所謂、釣竿構造に設計されて本体部31と把持部36を連結しており、この支持部材42〜44は、延在方向に直交する横断面形状が四角の筒形状に作製されて互いに相対回転しないように組み合わされている。なお、中間部41は、後述する線状部材56が外周に巻き付いてしまわないように、相対回転不能に支持部材42〜44を断面四角の筒形状に形成する場合を一例に説明するがこれに限るものではなく、例えば、断面が三角や五角以上になる筒形状にして相対回転不能にしても良く、また、断面が楕円の筒形状にして相対回転不能にしても良い。また、支持部材42〜44は、断面が円形の円筒形状にしてもよいがこの場合には相対回転不能に長さ方向に延在して互いにスライド可能に係合するリブや溝を形成するなどする必要がある。さらに、中間部41は、3本の支持部材42〜44を組み合わせた釣竿構造にしているが、これに限るものではなく、2本以下の支持部材、4本以上の支持部材を組み立ててもよいことは言うまでもない。
【0046】
支持部材42〜44は、それぞれ中空の四角の筒形状に形成されており、そのうちの支持部材42の先端には長さ方向に連続するように本体部31の基端側が固設されている。そして、これら支持部材42〜44は、先端側から後端側に向って壁面間隔が徐々に拡開するように、言い換えると、長さ方向の縦断面形状がハの字形状になるように形成されており、支持部材43の先端側内面間隔が支持部材42の後端側外面間隔よりも狭くなるように、また同様に、支持部材44の先端側内面間隔が支持部材43の後端側外面間隔よりも狭くなるように設定されている。なお、支持部材42は、最も内方に位置することから内部の充填された状態の角柱形状でもよいが、後述するように、軽量化と共に、内部に本体部31をオン/オフする機構を設けることからも、筒形状に形成されている。
【0047】
これにより、支持部材42は、支持部材43内に内装されて長さ方向に重なる状態にすることができる一方、その支持部材43内から引き抜く方向に引き出すことにより長さ方向に連続する姿勢にしつつ後端側外面を支持部材43の先端側内面に対面させて嵌着させることができる。同様に、支持部材43は、支持部材44内に重なる状態で内装させることができるとともに、その支持部材43内から引き出してその先端側内面に後端側外面を嵌着させることができる。すなわち、これら支持部材42〜44は、伸縮可能な長尺構造に構築されており、重なる縮小状態から内側の支持部材42から引き出すことにより支持部材43、44と順次に連続して直線状に伸長された姿勢にすることができ、反対に、その伸長状態から支持部材42側より順次に支持部材43、44内に内装させる方向に付勢することにより、縮小されたコンパクトな状態に戻すことができる。
【0048】
また、把持部36は、支持部材42〜44と同様に、その支持部材42〜44を内装可能に中空の横断面形状が四角になる筒形状に形成されており、その先端側内面間隔が支持部材44の後端側外面間隔よりも狭くなるように設定されることにより、その中間部41を内装してさらにコンパクトな縮小状態にすることができる一方、その内装状態から支持部材42〜44のそれぞれの先後端を離隔させることなく、同時に、相対回転してしまうことなく繰り出すことのできる釣竿構造を中間部41と共に構築するように設計されている。なお、この把持部36は、中間部41により絶縁性を確保されていることから材料を限定する必要はないが、その中間部41と同様に絶縁性樹脂材料により作製してもよいことは言うまでもない。
【0049】
これにより、把持部36は、中間部41の支持部材42〜44と一緒に釣竿構造として、その中間部41をさらに内装する状態にして本体部31の基端側(後端側)を先端側に接近させた縮小状態にしてコンパクトにすることができ、その中間部41の支持部材42〜44を内部から引き出して直線状の伸長状態にする際には、その支持部材44の後端側外面を先端側内面に嵌着させて支持することができる。ここで、これら把持部36と中間部41(支持部材42〜44)は、互いの先端側内面と後端側外面を嵌着させるほど引き出さないでも伸長させた状態の姿勢にすることはできるが、互いに嵌着する状態にした方がその伸長状態を保つことができ、各種作業を安定した姿勢で行うことができる。
【0050】
また、把持部36の先端には、その把持部36よりも外側に張り出す外径寸法に設定されている円形部材51が固設されており、この円形部材51の中心には、図6に示すように、その円形部材51よりも小径に設定された円盤部材52が回転自在に回転軸53に軸支されているとともに、この円盤部材52の外周面に対面する円形枠54が軸心を共通にするように回転不能に固設されている。
【0051】
この円盤部材52は、一方向に付勢するように捻じられている状態で回転軸53に固設されている不図示のコイルネジが連設されており、そのコイルネジの付勢力により図中反時計回り方向に円形枠54内で回転するように付勢されている。
【0052】
また、円盤部材52には、その外周の一部を切り欠いた形状のストッパ部材(突起部材)55が回転方向の下流側一端部に配設された回動支点55aを中心に回動可能に取り付けられている。このストッパ部材55は、その円盤部材52の中心から離隔する方向に不図示のトーションバネなどにより付勢されており、その付勢力により離隔方向に回動したときには円盤部材52の外周面から突出する一方、その付勢力に抗して中心に向って切欠部52a(図7を参照)内に嵌り込む接近方向に回動したときには円盤部材52の外周面の一部を形成するように没入する。円形枠54は、円盤部材52の外周面の一部を外部に開放するように切欠部54aが形成されており、内部で円盤部材52が回転してその切欠部54aの開口位置でストッパ部材55が中心から離隔する方向に回動することを許容するように設計されている。
【0053】
これにより、この円盤部材52は、ストッパ部材55を付勢力に抗して中心に向って押さえたときには円形部材51に固設されている円形枠54内で回転する一方、その円形枠54の切欠部54aの形成位置までにストッパ部材55が回転したときには、そのストッパ部材55が円形枠54の切欠部54aで突出してその先端部55bが円形枠54の一端部54bに突き当たって衝止される。
【0054】
そして、円盤部材52の外周面には、線状部材56の一端側が固設されており、この線状部材56の他端側は、本体部31に固設されている。この線状部材56は、把持部36から本体部31が最も離隔するように中間部41が伸長状態にされたときに、図7に示すように、円盤部材52の外周面に巻き掛けられている状態から完全に引き出される長さに設定されている。
【0055】
これにより、検電器30は、使用しない場合には、本体部31に連結されている線状部材56を巻き取る方向に円盤部材52が回転しようとすることにより、その円盤部材52の外周面に巻き付く線状部材56がストッパ部材55を円盤部材52の外周面から突出しないように押さえる(牽引を許容する)ことができ、その線状部材56が円盤部材52により巻き取られて本体部31を常に牽引して把持部36に隣接する位置に保持することができる。一方、この検電器30は、使用する場合に、本体部31を把持部36から離隔させて中間部41(支持部材42〜44)を十分に伸長させた状態にしたときには、本体部31に連結されている線状部材56が円盤部材52の外周面から引き出されることによりその円盤部材52が付勢力に抗して回転されて、その線状部材56がその円盤部材52の外周面から外れることにより、ストッパ部材55が円形枠54の切欠部54a内に突出することができる。このとき、その円盤部材52が線状部材56を巻き取る方向に回転しようとしてもその円形枠54の一端部54bにストッパ部材55の先端部55bが衝止されて本体部11側を牽引することを制限することができ、把持部36、中間部41および本体部31が直線状に伸長させた状態を維持することができる。すなわち、円盤部材52と線状部材56が牽引手段を構成しており、ストッパ部材55が突起部材を構成するとともに円形枠54が衝止部材を構成してストッパ機構を構成している。この検電器30の使用後には、把持部36や中間部41(支持部材42〜44)の先端側内面と後端側外面が互いに嵌着している状態のときには、縮小方向に多少の力を加えてその嵌着状態を解消させてやれば、牽引手段が機能して本体部31を把持部36に隣接する位置まで牽引して保持することができる。
【0056】
したがって、検電器30は、支持部材42〜44が互いに重なる状態で把持部36内に収装されている状態からグリップ37を掴んで本体部31を離隔させるように引っ張ってその把持部36内から支持部材42〜44を順次に引き出しつつ線状部材56も十分に円盤部材52から引き出して直線状に伸長させることにより、ストッパ部材55の先端部55bを円形枠54の一端部54bに突当・衝止させてロックすることができ、その伸長状態を維持することができる。この状態で、検電器30は、絶縁性を有する支持部材42〜44を介して間接活線工法に必要な離隔距離を確保して本体部31の検知子12を検査対象に導通接触させて課電・通電状態にあるか否かを確認する検電作業を行うことができる。この検電作業が終了した後には、検電器30は、ストッパ部材55を押さえて円形枠54への突当を解消するだけで、円盤部材52の回転制限を解除してその円盤部材52により線状部材56を巻き取って本体部31を把持部36側に牽引することができ、中間部41の支持部材42〜44を順次に重なる状態にしつつ把持部36内に強制的(自動的)に収装させて携行可能なコンパクトな縮小状態にすることができる。
【0057】
そして、本体部31は、図8に示すように、内蔵回路基板のスイッチ部品のピン部材57が本体部31の基端側底面から中間部41の支持部材42内に突出/没入可能に配設されており、その中間部41の支持部材42内にピン部材57が突出する際にオンして、そのピン部材57が本体部31の底面内に没入されている状態でオフするように設計されている。
【0058】
一方、把持部36は、図9に示すように、本体部31を隣接状態に接近させることができるように、中間部41(支持部材44)内に挿通可能であるとともに、この把持部36内に中間部41が収装されたときに、本体部31の底面に先端部58aを対面させる対面部材58が底面部36aに立設されており、この対面部材58は、把持部36内に中間部41が収装された状態では本体部31底面のピン部材57をその先端部58aで押圧するように設計されている。
【0059】
これにより、検電器30は、本体部31を把持部36から離隔させるように引っ張って中間部21を引き出して伸長状態にして検電作業を行う際には、その把持部36内の対面部材58がピン部材57から離隔することにより本体部31が自動的にオンして後述の利用制限を解除することができる。また反対に、この検電器30は、検電作業が終了した後に把持部36内に中間部41が収装されて本体部31が隣接する携行可能なコンパクトな縮小状態になるのと同時に、その本体部31のピン部材57が把持部36内の対面部材58の先端部58aに押されて自動的にオフすることができる。すなわち、検電器30は、把持部36から本体部31が十分に離隔するように中間部41を伸長させない限り、言い換えると、絶縁性を有する中間部41(支持部材42〜44)を介して間接活線工法に必要な絶縁距離を確保しない限り、その本体部31の利用を制限することができる。このため、本体部11をオン/オフすることを忘れて操作し直す手間を省くことができ、特に、検電作業終了後にオフするのを失念してバッテリー切れにしてしまうことなく、信頼性高く快適に検電作業を繰り返すことができる。
【0060】
このように本実施形態においては、絶縁性を有する中間部41の支持部材42〜44を把持部36内から引き出して本体部31が離隔するように直線状に伸長させることにより、その本体部31を利用可能にオンするとともにその本体部31と把持部36の間に間接活線工法に必要な絶縁距離を確保して検電作業を行うことができる。その検電作業の終了後には、中間部41(支持部材42〜44)を把持部36内に収装させて縮小させることにより、その本体部31を利用不能にオフするとともに携行可能にコンパクトな状態にすることができる。
【0061】
したがって、各作業者に配布して携行させることのできるコンパクトなサイズの検電器30を実現しつつ、その検電器30を利用する際には、絶縁操作棒などを準備することなく、また、不注意で本体部31がバッテリー切れになっていることなく、間接活線工法に必要な絶縁距離を確保する位置に本体部31を位置させて快適かつ安全に検電作業を行うことができる。
【0062】
ここで、本実施形態では、中間部41の支持部材42〜44を長さ方向の縦断面形状がハの字形状になる角筒形状に形成することにより、その先端側内面と後端側外面とが互いに嵌着して抜けてしまうことなく安定した伸長状態を維持可能な釣竿構造に設計しているが、これに限るものではなく、例えば、先端側内面と後端側外面に互いに対面するフランジ形状を形成するとともに、上述実施形態における突起28と板バネ29を設けて伸長状態を維持可能にしてもよい。
【0063】
また、本実施形態では、シンプルな構造に設計した場合を一例にして簡易に説明するが、これに限るものではなく、例えば、線状部材56を支持部材42〜44や把持部36の内部に収装するとともに、円盤部材52や円形枠54なども把持部36内にストッパ部材55を外部から操作可能に収装することにより、線状部材36が絡むことなく検電器30を使用することができるように設計してもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る検電器の第1実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す平面図である。
【図2】その図1と異なる方向からの平面図である。
【図3】その構造を説明する一部拡大図であり、(a)は図1と同じ方向からの拡大平面図、(b)は図2と同じ方向からの拡大平面図である。
【図4】その構造の折れ曲げ途中の状態を示す一部拡大図であり、(a)は図1と同じ方向からの拡大平面図、(b)は図2と同じ方向からの拡大平面図である。
【図5】本発明に係る検電器の第2実施形態を示す図であり、その概略全体構成を示す平面図である。
【図6】その本体部を把持部側に牽引する構造を示す拡大平面図である。
【図7】その本体部を把持部から離隔させたときの状態を示す拡大平面図である。
【図8】その本体部のスイッチを説明する一部拡大透視図である。
【図9】その本体部のスイッチのオフ状態を示す一部拡大透視図である。
【図10】検電器の従来例を示す図であり、(a)は一方向からの平面図、(b)はその直交方向からの平面図である。
【符号の説明】
【0066】
10、30……検電器 11、31……本体部 12……検知子 16、36……把持部 17、37……グリップ 18……ストッパ 21、41……中間部 22〜24、42〜44……支持部材 25〜27……回動支点 28……突起 29……板バネ 51……円形部材 52……円盤部材 52a……切欠部 53……回転軸 54……円形枠 54a……切欠部 54b……一端部 55……ストッパ部材 55b……先端部 56……線状部材 57……ピン部材 58……対面部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子を対象物に導通接触させて課電または通電状態にあるか否かを確認する本体部と、作業者により把持される把持部と、を備える検電器であって、
本体部と把持部の間に介装されて該本体部の端子から把持部までの間隔を所望の距離に離隔させつつ当該端子からの絶縁性を確保する中間部を備えており、
該中間部は、所望の長さに伸長・縮小させることのできる長尺構造に作製されていることを特徴とする検電器。
【請求項2】
前記中間部が所望の長さに縮小されたときに本体部の利用を制限するとともに、該中間部が所望の長さに伸長されたときに該本体部の利用制限を解除する機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の検電器。
【請求項3】
前記中間部は、回動支点が複数箇所に配設されている多関節構造に設計されているとともに、少なくとも本体部の基端側を回動支点により相対回動可能に支持することを特徴とする請求項1または2に記載の検電器。
【請求項4】
前記中間部は、回動支点の間に本体部を利用不能に収装する空間が形成されており、該回動支点を中心に本体部側から順次に回動させて折り曲げることにより該本体部を当該収装空間内に収装することを特徴とする請求項3に記載の検電器。
【請求項5】
前記本体部は、回動支点を中心に中間部に対して伸長方向に相対回動する際にオンする一方、縮小方向に相対回動する際にオフするスイッチを備えることを特徴とする請求項3または4に記載の検電器。
【請求項6】
前記中間部は、開口面積の異なる複数の筒状部材が組み立てられて構築されており、
該中間部は、本体部側の筒状部材から順次に把持部側の筒状部材内に内装または外装されることにより縮小する一方、該把持部から本体部を離隔させる方向に内装状態または外装状態の筒状部材を引き出すことにより伸長する構造に作製されていることを特徴とする請求項1に記載の検電器。
【請求項7】
前記本体部側を牽引する牽引手段が設けられており、
該牽引手段には中間部が所望の長さに伸長されている状態で当該牽引を制限するロック機構が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の検電器。
【請求項8】
前記牽引手段は、回転可能に軸支されて一方向に回転するように付勢されている円盤部材と、該円盤部材の外周面から突出/没入可能に取り付けられて該突出方向に付勢されている突起部材と、円盤部材の外周面に対面するように形成されて該外周面から突出する突起部材を衝止する衝止部材と、円盤部材の外周面に巻き掛けられているとともに本体部自体または本体部の近傍に一端側が固定されている線状部材と、を備えており、
円盤部材は線状部材を巻き取る方向に付勢されているとともに、該線状部材は中間部が所望の長さに伸長されている状態では当該円盤部材の外周面から外れる長さに設定されていることを特徴とする請求項7に記載の検電器。
【請求項9】
前記本体部は、把持部に近接するオン方向または該把持部から離隔するオフ方向に相対移動可能に取り付けられているとともに、該オン方向に付勢されているスイッチを備えており、
把持部側には、筒状部材が伸長する際に当該スイッチから離隔する一方、該筒状部材が縮小して本体部の接近する際には当該スイッチに当接してオフ方向に相対移動させる当接部材が配設されていることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の検電器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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