構内交換機、構内交換機における迷惑電話の監視方法
【課題】迷惑電話データベースへの発信者番号の登録後、その発信者番号から、その後、どれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知ること。
【解決手段】本発明の構内交換機は、前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する。
【解決手段】本発明の構内交換機は、前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換機、構内交換機における迷惑電話の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電話によるセールスなどの迷惑電話がさらに活発化して、企業における就業中の従業員に悪影響を及ぼしている。そのため、企業等で利用されている構内交換機では、迷惑電話対策を施している。
【0003】
例えば、特許文献1,2に開示された構内交換機では、公衆加入者電話網からの着信が迷惑電話である場合、その迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベースに登録する。そして、以降、迷惑電話データベースに登録された同一の発信者番号からの着信を受けた場合、通常の着信方式での着信を行わず、予め決められたアナウンス装置に接続させるという仕組みで迷惑電話を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−060674号公報
【特許文献2】特許第3996371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の迷惑電話データベースは、物理的な記憶容量による制限により、限られた数の発信者番号しか登録することができない。例えば、発信者番号を頻繁に変更してかけてくる迷惑電話などに対しては、発信者番号を迷惑電話データベースに登録したとしても、次回以降は別の発信者番号でかけてくるため、先に登録した発信者番号は意味を持たないものになる。このような意味を持たない発信者番号が迷惑電話データベース内に多数存在すると、記憶容量が満杯となり、近々に必要な迷惑電話の発信者番号を登録できず、迷惑電話を規制することができなくなるといった課題がある。
【0006】
また、迷惑電話データベースへの発信者番号の登録後、同一の発信者番号から着信があると、通常の着信先ではなく、アナウンス装置に接続されてしまうため、その後、どれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知る手段がないといった課題もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題のいずれかを解決することができる構内交換機、構内交換機における迷惑電話の監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の構内交換機は、
複数の内線電話機を収容し、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する構内交換機であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する。
【0009】
本発明の構内交換機における迷惑電話の監視方法は、
複数の内線電話機を収容する構内交換機において、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する監視方法であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を迷惑電話データベースに登録するステップと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントするステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構内交換機は、内線電話機から迷惑電話と認識した発信者番号の登録を指示されると、その発信者番号と共に監視期間を迷惑電話データベースに登録し、以降、その発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信回数をカウントする。
【0011】
したがって、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベースに登録した場合も、その後の監視期間中に、その発信者番号からの着信回数、すなわち、その発信者番号からどれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の構内交換機を含む電話システムの構成図である。
【図2】図1に示した迷惑電話データベースの構成図である。
【図3】図1に示した電話システムにおいて、公衆加入者端末の発信者番号を迷惑電話データベースに登録する場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図4】図1に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに発信者番号が登録された公衆加入者端末から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図5】図1に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】図1に示した構内交換機において、図5に示したステップC16の内線電話機のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の構内交換機を含む電話システムの構成図である。
【図8】図7に示した迷惑電話削除用データベースの構成図である。
【図9】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに発信者番号が登録された公衆加入者端末から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図10】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図11】図7に示した構内交換機において、図10に示したステップC26の内線電話機のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【図12】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態の構内交換機100Aを含む電話システムの構成図である。
【0014】
図1を参照すると、構内交換機100Aは、アナログ公衆網やISDN(Integrated Services Digital Network)網といった公衆加入者電話網(公衆網)と局線制御トランク20−1〜20−3(以下、どの局線制御トランクであるかを特定しないときは局線制御トランク20と称す)を介して接続され、また、複数の内線電話機30−1〜30−4(以下、どの内線電話機であるかを特定しないときは内線電話機30と称す)を収容する。
【0015】
また、構内交換機100A内には、迷惑電話データベース40、発信者番号一時記憶メモリ41、アナウンス部50、および制御部60が設けられている。局線制御トランク20および内線電話機30は、構内交換機100Aのプログラム制御により動作する。さらに、構内交換機100Aは、保守端末90と接続されていて、保守端末90から各サービス機能の条件などを構内交換機100Aに設定することができる。
【0016】
内線電話機30は、端末の一例であり、アナログ電話機やデジタル多機能電話機、PHS(Personal Handyphone System)端末やIP(Internet Protocol)電話機など、一般的な構内交換機が収容できる端末を始め、電話アプリケーションなどがインストールされたパーソナルコンピューターに接続された端末で実現することが可能である。
【0017】
構内交換機100Aの制御部60は、回線状態の変化や端末状態の変化の情報を制御信号として受信し、状態変化に応じた処理を行う。例えば、制御部60は、公衆加入者電話網を介して、公衆加入者端末200からの着信を受けた場合、その公衆加入者端末200の電話番号である発信者番号を制御信号で受信する。
【0018】
また、制御部60は、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を発信者番号一時記憶メモリ41内に一時的に保存し、保存した発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された発信者番号のいずれかと一致すれば、その公衆加入者端末200からの着信を迷惑電話と判定し、その着信をアナウンス部50に接続し、アナウンス部50は、自己に接続された着信に対して、予め決められたアナウンスを送出して自動応答する。一方、発信者番号一時記憶メモリ41内に保存した発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された発信者番号のいずれかとも一致しない場合、制御部60は、その公衆加入者端末200と内線電話機30間の通話路を開設し、通常の着信方式で着信させる。
【0019】
また、制御部60は、内線電話機30のボタン操作を監視し、ボタン操作の検出時にはその操作に応じた処理を行う。例えば、制御部60は、迷惑電話を受けた内線電話機30上で、その迷惑電話の発信者番号の登録を指示するボタン操作(例えば、迷惑電話ボタンを押下する操作)が行われると、その発信者番号と共に、予め決められた監視期間と、その内線電話機30の登録内線番号と、を迷惑電話データベース40に登録する。
【0020】
また、制御部60は、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数(すなわち、その発信者番号からの着信回数)をカウントする。
【0021】
また、制御部60は、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間が経過したか否かを定期的にチェックし、監視期間が経過した場合、その発信者番号の登録を指示した内線電話機30を着信鳴動により呼び出し、その内線電話機30の表示盤において、その発信者番号からの着信回数を通知し、監視期間の延長の可否の問い合わせを行う。
【0022】
以下、本実施形態の動作について、図1〜図5を用いて説明する。
【0023】
図2は、図1に示した構内交換機100A内に保持される、迷惑電話データベース40の詳細構成図である。
【0024】
図2を参照すると、迷惑電話データベース40では、発信者番号DB1、監視期間・登録内線DB2、および着信回数カウンタDB3の3つの要素で1BLOCKを構成する。
【0025】
迷惑電話を受けた内線電話機30のユーザがボタン操作により、その迷惑電話の発信者番号の登録を指示すると、構内交換機100Aの制御部60は、迷惑電話データベース40の空きの1BLOCKに対し、その発信者番号をDB1に、予め決められた監視期間およびその内線電話機30の登録内線番号をDB2に、その発信者番号からの着信回数をカウントする着信回数カウンタをDB3に、それぞれ登録する。
【0026】
以降に同一の発信者番号から着信があった場合には、制御部60は、既に登録中の発信者番号のBLOCK内の着信回数カウンタDB3をカウントアップする。
【0027】
さらに、制御部60は、定期処理では、各BLOCK内の監視期間・登録内線DB2の監視期間を現時刻と比較し、監視期間が経過しているか否かを判定する。
【0028】
図3は、図1に示した電話システムにおいて、公衆加入者端末200の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録する場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0029】
図3を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップA10)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップA11)。
【0030】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップA12)、ステップA11で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップA13)。
【0031】
判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号がない場合、制御部60は、迷惑電話ではないと判断し、予め決められたシステムデータに従い、着信させる内線電話機30を選択し、選択した内線電話機30を着信鳴動により呼び出す(ステップA14)。
【0032】
内線電話機30がオフフック操作等により、ステップA14の着信に応答すると、制御部60は、内線電話機30の応答を検出して、公衆加入者電話網に対して応答信号を送信する(ステップA15)。続いて、制御部60は、公衆加入者端末200と内線電話機30間の通話路を開設して、両者間の通常の通話を確立する(ステップA16)。
【0033】
ここで、通話開始後、内線電話機30が、通話内容から迷惑電話と認識し(ステップA17)、「お待ち下さい。」と発声したと同時に、迷惑電話ボタンを押下し(ステップA18)、その後に、オンフック操作をしたとする。
【0034】
制御部60は、内線電話機30の迷惑電話ボタンの押下(ステップA18)を検知すると、迷惑電話データベース40に対し、公衆加入者端末200の発信者番号を登録すると共に、登録操作した内線電話機30の登録内線番号を登録し、さらに、登録時間から予めシステムデータで決められた監視期間を算出し登録する(ステップA19)。さらに、制御部60は、ただちに、公衆網加入者端末200をアナウンス部50と接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などの、通話を拒否するアナウンスを送出する(ステップA20)。
【0035】
一方、図4は、図1に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40に公衆加入者端末200の発信者番号を登録した後、同一の公衆加入者端末200から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0036】
図4を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップB10)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップB11)。
【0037】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップB12)、ステップB11で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップB13)。
【0038】
ここでは、判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号があるため、制御部60は、迷惑電話であると判断し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの着信回数カウンタ(図2;DB3)をカウントアップする(ステップB14)。さらに、制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を通常の着信先である内線電話機30には着信させずに、直接、アナウンス部50に接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などのアナウンスを送出する(ステップB15)。
【0039】
また、図5は、図1に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を登録した後、その監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0040】
図5を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップC10)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップC11)。
【0041】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40の同BLOCK内の登録内線番号(図2:DB2)および着信回数カウンタ(図2:DB3)を読み出し(ステップC12)、読み出した登録内線番号の内線電話機30を、着信鳴動により呼び出す(ステップC13)。
【0042】
続いて、内線電話機30がオフフック操作等による応答を行うと(ステップC14)、制御部60は、内線電話機30をアナウンス部50に接続し、内線電話機30に対し、予め決められた「一定期間監視が経過したことを知らせるアナウンス」を送出するとともに、内線電話機30の表示盤において、監視期間中に受けた着信回数を通知し、監視期間の延長の可否の問い合わせを行う(ステップC15)。
【0043】
続いて、内線電話機30は、ボタン操作により、監視期間の延長の可否の問い合わせに対する回答を選択することができる(ステップC16)。このボタン操作(ステップC16)については、図6にて詳細に説明する。
【0044】
制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、先のステップC15のアナウンスを切断して、ボタン操作完了トーンを送出し(ステップC17)、ボタン操作を受け付けたことを内線電話機30に通知する。
【0045】
図6は、図1に示した構内交換機100Aにおいて、図5のステップC15のアナウンス送出中における、発信者番号の監視期間の延長の可否の問い合わせに対する、内線電話機30のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【0046】
図6を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、操作されたボタンを解析する(ステップE10)。
【0047】
解析の結果、ボタンが“1”の場合には、制御部60は、監視継続と判断し(ステップE11)、監視期間を延長するために、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKの監視期間(図2;DB2)を再設定し、さらに監視を続ける(ステップE12)。このとき、延長する期間は、予めシステムデータで決められた期間とする。
【0048】
一方、解析の結果、ボタンが“2”の場合には、制御部60は、監視終了と判断し(ステップE21)、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する(ステップE22)。ここで削除したエリアは、新たな迷惑電話の発信者番号を登録できるエリアになる。
【0049】
上述したように本実施形態においては、構内交換機100Aは、内線電話機30から迷惑電話と認識した発信者番号の登録を指示されると、その発信者番号と共に監視期間を迷惑電話データベース40に登録し、以降、その発信者番号からの着信を受けると、その着信をアナウンス部50に接続し、その発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数(すなわち、その発信者番号からの着信回数)をカウントする。
【0050】
したがって、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録した場合も、その後の監視期間中に、その発信者番号からの着信回数、すなわち、その発信者番号からどれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知ることができる。
【0051】
また、構内交換機100Aは、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視期間が経過した場合、その発信者番号の登録を指示してきた内線電話機に対し、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数を通知して、その発信者番号の監視期間の延長の可否を問い合わせ、その回答に応じて、迷惑電話データベース40の監視期間を延長するか、迷惑電話データベース40から発信者番号のエントリを削除する。
【0052】
したがって、内線電話機30を使用するユーザは、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40へ登録した後、監視期間が経過した時点で、その発信者番号からの着信回数を確認し、その発信者番号を登録しておく必要があるか否かを判定することができ、例えば、まだ迷惑電話がかかってきている発信者番号については、迷惑データベース40への登録を継続し、一方、もう諦めて電話がかかってきていない発信者番号や、誤って登録してしまった発信者番号については、迷惑データベース40から削除することができる。
【0053】
よって、迷惑データベース40の物理的に限られた記憶容量の中で、本当に必要な発信者番号だけを登録し管理できるようになるため、迷惑データベース40を有効に活用することができ、例えば、近々に必要な迷惑電話の発信者番号を登録できず、迷惑電話を規制できなくなる等の事象を回避することができる。
【0054】
また、内線電話機30を使用するユーザは、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40へ登録した後、その発信者番号からの着信回数を知ることができるため、以降、どれくらいの頻度で迷惑電話がかかってきているのかを判断でき、安心感を得ることができる。
(2)第2の実施形態
上述した第1の実施形態の構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号を一定期間監視し、まだ迷惑電話がかかってきている発信者番号については、監視期間を延長し、一方、もう諦めて電話がかかってきていない発信者番号については、迷惑データベース40から削除することができる。
【0055】
しかし、第1の実施形態の構内交換機100Aには、以下の課題がある。
・構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号を一定期間監視し、ユーザから指示された発信者番号を迷惑データベース40から削除する。しかし、その後に時間をおいて、その発信者番号からさらに迷惑電話をかけてくる悪質なケースがあり、この場合、迷惑電話データベース40への再登録が必要になり、ユーザの業務の妨げとなり負担が大きくなる。
・構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続し、着信拒否をする。しかし、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対しては、単純に着信拒否をするのではなく、根本的な対応ができるようにする必要がある。
・構内交換機100Aは、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視期間が経過した場合、その発信者番号の監視期間の延長の可否を問い合わせるが、頻繁にこの作業が発生すると、逆にユーザの業務の妨げとなり負担が大きくなる。
【0056】
本実施形態は、第1の実施形態の上記の課題を解決するものである。
【0057】
図7は、本発明の第2の実施形態の構内交換機100Bを含む電話システムの構成図である。
【0058】
図7を参照すると、構内交換機100Bは、第1の実施形態の構内交換機100Aと比較して、迷惑電話削除用データベース42を追加した点が異なる。
【0059】
迷惑電話削除用データベース42は、迷惑電話データベース40内の発信者番号のうち監視期間が経過した発信者番号の情報を登録するデータベースである。
【0060】
制御部60は、第1の実施形態と略同様の機能を備えるが、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間が経過した場合の機能として、その発信者番号を登録した内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを点灯させる機能、または、自動的に迷惑電話データベース40内の番号情報を削除して、保守者の保守端末90に通知する機能を備える。
【0061】
以下、本実施形態の動作について、図7〜図12を用いて説明する。
【0062】
なお、本実施形態において、迷惑電話データベース40の構成(図2参照)と、公衆加入者端末200の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録する場合の処理手順(図3参照)は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
図8は、図7に示した構内交換機100B内に保持される、迷惑電話削除用データベース42の詳細構成図である。
【0064】
図8を参照すると、迷惑電話削除用データベース42では、削除対象の発信者番号DB1、監視期間・登録内線DB2、および着信回数カウンタDB3の3つの要素で1BLOCKを構成する。
【0065】
構内交換機100Bの制御部60は、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視を続け、監視期間が経過した場合に、迷惑電話削除用データベース42の空きの1BLOCKに対し、その発信者番号をDB1に、予め決められた監視期間およびその内線電話機30の登録内線番号をDB2に、その発信者番号からの着信回数をカウントする着信回数カウンタをDB3に、それぞれ登録する。
【0066】
また、制御部60は、内線電話機30のユーザが迷惑電話削除用データベース42を確認する操作を行うと、迷惑電話削除用データベース42内のDB1,DB2,DB3の情報を内線電話機30に表示させる。
【0067】
また、制御部60は、内線電話機30のユーザが発信者番号を削除する操作を行うと、迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCK(図8;DB1,DB2,DB3)と共に、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する。
【0068】
図9は、図7に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40に公衆加入者端末200の発信者番号を登録した後、同一の公衆加入者端末200から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0069】
図9を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップB20)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップB21)。
【0070】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップB22)、ステップB21で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップB23)。
【0071】
ここでは、判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号があるため、制御部60は、迷惑電話であると判断し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの着信回数カウンタ(図2;DB3)をカウントアップする(ステップB24)。
【0072】
次に、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)に応じた監視期間を算出し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの監視時刻(図2;DB2)を再設定(算出した監視期間に延長)する(ステップB25)。
【0073】
次に、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)が一定数超過しているか否かを確認し(ステップB26)、超過していない場合には、公衆加入者端末200からの着信を通常の着信先である内線電話機30(内線電話機30−1とする)には着信させずに、直接、アナウンス部50に接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などのアナウンスを送出する(ステップB27)。
【0074】
一方、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)が一定数超過している場合には、公衆加入者端末200からの着信を、予め決められた迷惑電話対応の専門部門の内線電話機30(内線電話機30−4とする)に接続する(ステップB28)。これにより、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対する、専門部門での応対を可能にする
図10は、図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を定期的にチェックする場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0075】
図10を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップC20)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップC21)。
【0076】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40の同BLOCKの情報を読み出し、迷惑電話削除用データベース42に登録すると共に(ステップC22)、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを点灯させる(ステップC23)。なお、迷惑電話削除用の機能ボタンは、点灯および押下が可能であり、点灯したことが容易に判別できれば内線電話機30上の実装位置は任意である。
【0077】
続いて、ユーザが、作業のきりの良い時間に、迷惑電話削除用データベース42の内容を確認するために、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンを押下する(ステップC24)。
【0078】
すると、制御部60は、迷惑電話削除用データベース42を検索して、順番にBLOCKの情報を内線電話機30に表示する(ステップC25)。
【0079】
続いて、内線電話機30は、ボタン操作により、以降の制御を選択することができる(ステップC26)。このボタン操作(ステップC26)については、図11にて詳細を記述する。
【0080】
ステップC25,C26の処理は、迷惑電話削除用データベース42のBLOCK毎に繰り返される(ステップC27)。
【0081】
その後、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンが押下されると、制御部60は、迷惑電話削除用データベース42の確認の完了とみなし(ステップC28)、迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを消灯させる(ステップC29)。
【0082】
図11は、図7に示した構内交換機100Bにおいて、図10のステップC26の内線電話機30のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【0083】
図11を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、操作されたボタンを解析する(ステップE30)。
【0084】
解析の結果、ボタンが“1”の場合には、制御部60は、監視継続と判断し(ステップE31)、監視期間を延長するために、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKの監視期間(図2;DB2)および迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCKの監視期間(図8;DB2)を再設定し、さらに監視を続ける(ステップE32)。このとき、延長する期間は、予めシステムデータで決められた期間とする。
【0085】
一方、解析の結果、ボタンが“2”の場合には、制御部60は、監視終了と判断し(ステップE41)、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する(ステップE42)。また、迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCK(図8;DB1,DB2,DB3)も削除する。ここで削除したエリアは、新たな迷惑電話の発信者番号を登録できるエリアになる。
【0086】
図12は、図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を定期的にチェックする場合の処理手順の他の例を示すシーケンス図である。
【0087】
図12を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップF10)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップF11)。
【0088】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を自動的に削除する(ステップF12)。
【0089】
次に、制御部60は、削除したBLOCKの情報を保守端末90に通知し履歴を残す(ステップF13)。
【0090】
上述したように本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話の発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された後、同一の相手から着信があった場合、その着信回数に応じて、監視期間を延長する。
【0091】
これにより、迷惑データベース40から発信者番号を削除し、その後に時間をおいて、その発信者番号からさらに迷惑電話をかけてくる悪質なケースにおいても、迷惑電話データベース40への再登録を行うことなく、その発信者番号からの着信を引き続き規制することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0092】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話の発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された後、同一の相手から一定数を超過した着信があった場合、その着信を予め決められた迷惑電話対応の専門部門に自動的に接続する。
【0093】
これにより、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対しては、単純に着信拒否をするのではなく、専門部門が応対することで、より臨機応変な対応を行うことができる。
【0094】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号のうち監視期間が経過した削除対象の発信者番号がある場合、その旨を内線電話機30の機能ボタンのランプを点灯することで通知することができる。また、ユーザは、業務の都合の良い時間に、削除対象の発信者番号をまとめて確認し、監視を継続するか/監視を止めるかを選択することができ、作業の効率化が図れる。また、不要な発信者番号の監視を終了し、迷惑電話データベース40からの削除を行うことで、迷惑データベース40を有効に活用することができる。
【0095】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号のうち監視期間が経過した削除対象の発信者番号を自動的に削除する。このように、ユーザに問い合わせを行うことなく、迷惑電話データベース40からの削除を行うため、ユーザの負担を軽減できる。また、迷惑データベース40を有効に活用することができる。
【0096】
また、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40から削除した発信者番号の情報は、自動的に保守端末90に通知することで、保守者は、悪質な発信者番号について、再度監視をするかの判断ができる。
【0097】
その他の効果は第1の実施形態と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、構内交換機を利用している一般オフィス、コールセンタ、病院などの施設に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0099】
20−1〜20−3 局線制御トランク
30−1〜30−4 内線電話機
40 迷惑電話データベース
41 発信者番号一時記憶メモリ
42 迷惑電話削除用データベース
50 アナウンス部
60 制御部
90 保守端末
100A,100B 構内交換機
200 公衆加入者電話網
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換機、構内交換機における迷惑電話の監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、電話によるセールスなどの迷惑電話がさらに活発化して、企業における就業中の従業員に悪影響を及ぼしている。そのため、企業等で利用されている構内交換機では、迷惑電話対策を施している。
【0003】
例えば、特許文献1,2に開示された構内交換機では、公衆加入者電話網からの着信が迷惑電話である場合、その迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベースに登録する。そして、以降、迷惑電話データベースに登録された同一の発信者番号からの着信を受けた場合、通常の着信方式での着信を行わず、予め決められたアナウンス装置に接続させるという仕組みで迷惑電話を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−060674号公報
【特許文献2】特許第3996371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の迷惑電話データベースは、物理的な記憶容量による制限により、限られた数の発信者番号しか登録することができない。例えば、発信者番号を頻繁に変更してかけてくる迷惑電話などに対しては、発信者番号を迷惑電話データベースに登録したとしても、次回以降は別の発信者番号でかけてくるため、先に登録した発信者番号は意味を持たないものになる。このような意味を持たない発信者番号が迷惑電話データベース内に多数存在すると、記憶容量が満杯となり、近々に必要な迷惑電話の発信者番号を登録できず、迷惑電話を規制することができなくなるといった課題がある。
【0006】
また、迷惑電話データベースへの発信者番号の登録後、同一の発信者番号から着信があると、通常の着信先ではなく、アナウンス装置に接続されてしまうため、その後、どれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知る手段がないといった課題もある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題のいずれかを解決することができる構内交換機、構内交換機における迷惑電話の監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の構内交換機は、
複数の内線電話機を収容し、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する構内交換機であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する。
【0009】
本発明の構内交換機における迷惑電話の監視方法は、
複数の内線電話機を収容する構内交換機において、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する監視方法であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を迷惑電話データベースに登録するステップと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントするステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の構内交換機は、内線電話機から迷惑電話と認識した発信者番号の登録を指示されると、その発信者番号と共に監視期間を迷惑電話データベースに登録し、以降、その発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信回数をカウントする。
【0011】
したがって、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベースに登録した場合も、その後の監視期間中に、その発信者番号からの着信回数、すなわち、その発信者番号からどれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の構内交換機を含む電話システムの構成図である。
【図2】図1に示した迷惑電話データベースの構成図である。
【図3】図1に示した電話システムにおいて、公衆加入者端末の発信者番号を迷惑電話データベースに登録する場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図4】図1に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに発信者番号が登録された公衆加入者端末から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図5】図1に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】図1に示した構内交換機において、図5に示したステップC16の内線電話機のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の構内交換機を含む電話システムの構成図である。
【図8】図7に示した迷惑電話削除用データベースの構成図である。
【図9】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに発信者番号が登録された公衆加入者端末から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【図10】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【図11】図7に示した構内交換機において、図10に示したステップC26の内線電話機のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【図12】図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベースに公衆加入者端末の発信者番号と共に登録された監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順の他の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(1)第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態の構内交換機100Aを含む電話システムの構成図である。
【0014】
図1を参照すると、構内交換機100Aは、アナログ公衆網やISDN(Integrated Services Digital Network)網といった公衆加入者電話網(公衆網)と局線制御トランク20−1〜20−3(以下、どの局線制御トランクであるかを特定しないときは局線制御トランク20と称す)を介して接続され、また、複数の内線電話機30−1〜30−4(以下、どの内線電話機であるかを特定しないときは内線電話機30と称す)を収容する。
【0015】
また、構内交換機100A内には、迷惑電話データベース40、発信者番号一時記憶メモリ41、アナウンス部50、および制御部60が設けられている。局線制御トランク20および内線電話機30は、構内交換機100Aのプログラム制御により動作する。さらに、構内交換機100Aは、保守端末90と接続されていて、保守端末90から各サービス機能の条件などを構内交換機100Aに設定することができる。
【0016】
内線電話機30は、端末の一例であり、アナログ電話機やデジタル多機能電話機、PHS(Personal Handyphone System)端末やIP(Internet Protocol)電話機など、一般的な構内交換機が収容できる端末を始め、電話アプリケーションなどがインストールされたパーソナルコンピューターに接続された端末で実現することが可能である。
【0017】
構内交換機100Aの制御部60は、回線状態の変化や端末状態の変化の情報を制御信号として受信し、状態変化に応じた処理を行う。例えば、制御部60は、公衆加入者電話網を介して、公衆加入者端末200からの着信を受けた場合、その公衆加入者端末200の電話番号である発信者番号を制御信号で受信する。
【0018】
また、制御部60は、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を発信者番号一時記憶メモリ41内に一時的に保存し、保存した発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された発信者番号のいずれかと一致すれば、その公衆加入者端末200からの着信を迷惑電話と判定し、その着信をアナウンス部50に接続し、アナウンス部50は、自己に接続された着信に対して、予め決められたアナウンスを送出して自動応答する。一方、発信者番号一時記憶メモリ41内に保存した発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された発信者番号のいずれかとも一致しない場合、制御部60は、その公衆加入者端末200と内線電話機30間の通話路を開設し、通常の着信方式で着信させる。
【0019】
また、制御部60は、内線電話機30のボタン操作を監視し、ボタン操作の検出時にはその操作に応じた処理を行う。例えば、制御部60は、迷惑電話を受けた内線電話機30上で、その迷惑電話の発信者番号の登録を指示するボタン操作(例えば、迷惑電話ボタンを押下する操作)が行われると、その発信者番号と共に、予め決められた監視期間と、その内線電話機30の登録内線番号と、を迷惑電話データベース40に登録する。
【0020】
また、制御部60は、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数(すなわち、その発信者番号からの着信回数)をカウントする。
【0021】
また、制御部60は、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間が経過したか否かを定期的にチェックし、監視期間が経過した場合、その発信者番号の登録を指示した内線電話機30を着信鳴動により呼び出し、その内線電話機30の表示盤において、その発信者番号からの着信回数を通知し、監視期間の延長の可否の問い合わせを行う。
【0022】
以下、本実施形態の動作について、図1〜図5を用いて説明する。
【0023】
図2は、図1に示した構内交換機100A内に保持される、迷惑電話データベース40の詳細構成図である。
【0024】
図2を参照すると、迷惑電話データベース40では、発信者番号DB1、監視期間・登録内線DB2、および着信回数カウンタDB3の3つの要素で1BLOCKを構成する。
【0025】
迷惑電話を受けた内線電話機30のユーザがボタン操作により、その迷惑電話の発信者番号の登録を指示すると、構内交換機100Aの制御部60は、迷惑電話データベース40の空きの1BLOCKに対し、その発信者番号をDB1に、予め決められた監視期間およびその内線電話機30の登録内線番号をDB2に、その発信者番号からの着信回数をカウントする着信回数カウンタをDB3に、それぞれ登録する。
【0026】
以降に同一の発信者番号から着信があった場合には、制御部60は、既に登録中の発信者番号のBLOCK内の着信回数カウンタDB3をカウントアップする。
【0027】
さらに、制御部60は、定期処理では、各BLOCK内の監視期間・登録内線DB2の監視期間を現時刻と比較し、監視期間が経過しているか否かを判定する。
【0028】
図3は、図1に示した電話システムにおいて、公衆加入者端末200の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録する場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0029】
図3を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップA10)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップA11)。
【0030】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップA12)、ステップA11で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップA13)。
【0031】
判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号がない場合、制御部60は、迷惑電話ではないと判断し、予め決められたシステムデータに従い、着信させる内線電話機30を選択し、選択した内線電話機30を着信鳴動により呼び出す(ステップA14)。
【0032】
内線電話機30がオフフック操作等により、ステップA14の着信に応答すると、制御部60は、内線電話機30の応答を検出して、公衆加入者電話網に対して応答信号を送信する(ステップA15)。続いて、制御部60は、公衆加入者端末200と内線電話機30間の通話路を開設して、両者間の通常の通話を確立する(ステップA16)。
【0033】
ここで、通話開始後、内線電話機30が、通話内容から迷惑電話と認識し(ステップA17)、「お待ち下さい。」と発声したと同時に、迷惑電話ボタンを押下し(ステップA18)、その後に、オンフック操作をしたとする。
【0034】
制御部60は、内線電話機30の迷惑電話ボタンの押下(ステップA18)を検知すると、迷惑電話データベース40に対し、公衆加入者端末200の発信者番号を登録すると共に、登録操作した内線電話機30の登録内線番号を登録し、さらに、登録時間から予めシステムデータで決められた監視期間を算出し登録する(ステップA19)。さらに、制御部60は、ただちに、公衆網加入者端末200をアナウンス部50と接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などの、通話を拒否するアナウンスを送出する(ステップA20)。
【0035】
一方、図4は、図1に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40に公衆加入者端末200の発信者番号を登録した後、同一の公衆加入者端末200から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0036】
図4を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップB10)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップB11)。
【0037】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップB12)、ステップB11で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップB13)。
【0038】
ここでは、判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号があるため、制御部60は、迷惑電話であると判断し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの着信回数カウンタ(図2;DB3)をカウントアップする(ステップB14)。さらに、制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を通常の着信先である内線電話機30には着信させずに、直接、アナウンス部50に接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などのアナウンスを送出する(ステップB15)。
【0039】
また、図5は、図1に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を登録した後、その監視期間を定期的にチェックする場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0040】
図5を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップC10)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップC11)。
【0041】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40の同BLOCK内の登録内線番号(図2:DB2)および着信回数カウンタ(図2:DB3)を読み出し(ステップC12)、読み出した登録内線番号の内線電話機30を、着信鳴動により呼び出す(ステップC13)。
【0042】
続いて、内線電話機30がオフフック操作等による応答を行うと(ステップC14)、制御部60は、内線電話機30をアナウンス部50に接続し、内線電話機30に対し、予め決められた「一定期間監視が経過したことを知らせるアナウンス」を送出するとともに、内線電話機30の表示盤において、監視期間中に受けた着信回数を通知し、監視期間の延長の可否の問い合わせを行う(ステップC15)。
【0043】
続いて、内線電話機30は、ボタン操作により、監視期間の延長の可否の問い合わせに対する回答を選択することができる(ステップC16)。このボタン操作(ステップC16)については、図6にて詳細に説明する。
【0044】
制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、先のステップC15のアナウンスを切断して、ボタン操作完了トーンを送出し(ステップC17)、ボタン操作を受け付けたことを内線電話機30に通知する。
【0045】
図6は、図1に示した構内交換機100Aにおいて、図5のステップC15のアナウンス送出中における、発信者番号の監視期間の延長の可否の問い合わせに対する、内線電話機30のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【0046】
図6を参照すると、構内交換機100Aの制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、操作されたボタンを解析する(ステップE10)。
【0047】
解析の結果、ボタンが“1”の場合には、制御部60は、監視継続と判断し(ステップE11)、監視期間を延長するために、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKの監視期間(図2;DB2)を再設定し、さらに監視を続ける(ステップE12)。このとき、延長する期間は、予めシステムデータで決められた期間とする。
【0048】
一方、解析の結果、ボタンが“2”の場合には、制御部60は、監視終了と判断し(ステップE21)、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する(ステップE22)。ここで削除したエリアは、新たな迷惑電話の発信者番号を登録できるエリアになる。
【0049】
上述したように本実施形態においては、構内交換機100Aは、内線電話機30から迷惑電話と認識した発信者番号の登録を指示されると、その発信者番号と共に監視期間を迷惑電話データベース40に登録し、以降、その発信者番号からの着信を受けると、その着信をアナウンス部50に接続し、その発信者番号の監視期間中、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数(すなわち、その発信者番号からの着信回数)をカウントする。
【0050】
したがって、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録した場合も、その後の監視期間中に、その発信者番号からの着信回数、すなわち、その発信者番号からどれくらいの迷惑電話がかかってきたのかを知ることができる。
【0051】
また、構内交換機100Aは、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視期間が経過した場合、その発信者番号の登録を指示してきた内線電話機に対し、その発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続した回数を通知して、その発信者番号の監視期間の延長の可否を問い合わせ、その回答に応じて、迷惑電話データベース40の監視期間を延長するか、迷惑電話データベース40から発信者番号のエントリを削除する。
【0052】
したがって、内線電話機30を使用するユーザは、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40へ登録した後、監視期間が経過した時点で、その発信者番号からの着信回数を確認し、その発信者番号を登録しておく必要があるか否かを判定することができ、例えば、まだ迷惑電話がかかってきている発信者番号については、迷惑データベース40への登録を継続し、一方、もう諦めて電話がかかってきていない発信者番号や、誤って登録してしまった発信者番号については、迷惑データベース40から削除することができる。
【0053】
よって、迷惑データベース40の物理的に限られた記憶容量の中で、本当に必要な発信者番号だけを登録し管理できるようになるため、迷惑データベース40を有効に活用することができ、例えば、近々に必要な迷惑電話の発信者番号を登録できず、迷惑電話を規制できなくなる等の事象を回避することができる。
【0054】
また、内線電話機30を使用するユーザは、迷惑電話の発信者番号を迷惑電話データベース40へ登録した後、その発信者番号からの着信回数を知ることができるため、以降、どれくらいの頻度で迷惑電話がかかってきているのかを判断でき、安心感を得ることができる。
(2)第2の実施形態
上述した第1の実施形態の構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号を一定期間監視し、まだ迷惑電話がかかってきている発信者番号については、監視期間を延長し、一方、もう諦めて電話がかかってきていない発信者番号については、迷惑データベース40から削除することができる。
【0055】
しかし、第1の実施形態の構内交換機100Aには、以下の課題がある。
・構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号を一定期間監視し、ユーザから指示された発信者番号を迷惑データベース40から削除する。しかし、その後に時間をおいて、その発信者番号からさらに迷惑電話をかけてくる悪質なケースがあり、この場合、迷惑電話データベース40への再登録が必要になり、ユーザの業務の妨げとなり負担が大きくなる。
・構内交換機100Aは、迷惑データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号からの着信をアナウンス部50に接続し、着信拒否をする。しかし、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対しては、単純に着信拒否をするのではなく、根本的な対応ができるようにする必要がある。
・構内交換機100Aは、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視期間が経過した場合、その発信者番号の監視期間の延長の可否を問い合わせるが、頻繁にこの作業が発生すると、逆にユーザの業務の妨げとなり負担が大きくなる。
【0056】
本実施形態は、第1の実施形態の上記の課題を解決するものである。
【0057】
図7は、本発明の第2の実施形態の構内交換機100Bを含む電話システムの構成図である。
【0058】
図7を参照すると、構内交換機100Bは、第1の実施形態の構内交換機100Aと比較して、迷惑電話削除用データベース42を追加した点が異なる。
【0059】
迷惑電話削除用データベース42は、迷惑電話データベース40内の発信者番号のうち監視期間が経過した発信者番号の情報を登録するデータベースである。
【0060】
制御部60は、第1の実施形態と略同様の機能を備えるが、迷惑電話データベース40内の発信者番号の監視期間が経過した場合の機能として、その発信者番号を登録した内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを点灯させる機能、または、自動的に迷惑電話データベース40内の番号情報を削除して、保守者の保守端末90に通知する機能を備える。
【0061】
以下、本実施形態の動作について、図7〜図12を用いて説明する。
【0062】
なお、本実施形態において、迷惑電話データベース40の構成(図2参照)と、公衆加入者端末200の発信者番号を迷惑電話データベース40に登録する場合の処理手順(図3参照)は、第1の実施形態と同様である。
【0063】
図8は、図7に示した構内交換機100B内に保持される、迷惑電話削除用データベース42の詳細構成図である。
【0064】
図8を参照すると、迷惑電話削除用データベース42では、削除対象の発信者番号DB1、監視期間・登録内線DB2、および着信回数カウンタDB3の3つの要素で1BLOCKを構成する。
【0065】
構内交換機100Bの制御部60は、迷惑電話データベース40に登録された発信者番号の監視を続け、監視期間が経過した場合に、迷惑電話削除用データベース42の空きの1BLOCKに対し、その発信者番号をDB1に、予め決められた監視期間およびその内線電話機30の登録内線番号をDB2に、その発信者番号からの着信回数をカウントする着信回数カウンタをDB3に、それぞれ登録する。
【0066】
また、制御部60は、内線電話機30のユーザが迷惑電話削除用データベース42を確認する操作を行うと、迷惑電話削除用データベース42内のDB1,DB2,DB3の情報を内線電話機30に表示させる。
【0067】
また、制御部60は、内線電話機30のユーザが発信者番号を削除する操作を行うと、迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCK(図8;DB1,DB2,DB3)と共に、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する。
【0068】
図9は、図7に示した電話システムにおいて、図3により、迷惑電話データベース40に公衆加入者端末200の発信者番号を登録した後、同一の公衆加入者端末200から着信を受けた場合の処理手順を示すシーケンス図である。
【0069】
図9を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、公衆加入者端末200からの着信を検出すると(ステップB20)、公衆加入者端末200から受信した発信者番号を、発信者番号一時記憶メモリ41に保存する(ステップB21)。
【0070】
次に、制御部60は、迷惑電話データベース40に登録されている発信者番号を読み出し(ステップB22)、ステップB21で先に発信者番号一時記憶メモリ41に保存した公衆加入者端末200の発信者番号が、迷惑電話データベース40内の発信者番号のいずれかと一致するかを判定する(ステップB23)。
【0071】
ここでは、判定の結果、迷惑電話データベース40内に一致する発信者番号があるため、制御部60は、迷惑電話であると判断し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの着信回数カウンタ(図2;DB3)をカウントアップする(ステップB24)。
【0072】
次に、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)に応じた監視期間を算出し、迷惑電話データベース40内の該当するBLOCKの監視時刻(図2;DB2)を再設定(算出した監視期間に延長)する(ステップB25)。
【0073】
次に、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)が一定数超過しているか否かを確認し(ステップB26)、超過していない場合には、公衆加入者端末200からの着信を通常の着信先である内線電話機30(内線電話機30−1とする)には着信させずに、直接、アナウンス部50に接続し、公衆網加入者端末200に対して、「現在、おつなぎすることができません」などのアナウンスを送出する(ステップB27)。
【0074】
一方、制御部60は、着信回数カウンタ(図2;DB3)が一定数超過している場合には、公衆加入者端末200からの着信を、予め決められた迷惑電話対応の専門部門の内線電話機30(内線電話機30−4とする)に接続する(ステップB28)。これにより、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対する、専門部門での応対を可能にする
図10は、図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を定期的にチェックする場合の処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0075】
図10を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップC20)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップC21)。
【0076】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40の同BLOCKの情報を読み出し、迷惑電話削除用データベース42に登録すると共に(ステップC22)、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを点灯させる(ステップC23)。なお、迷惑電話削除用の機能ボタンは、点灯および押下が可能であり、点灯したことが容易に判別できれば内線電話機30上の実装位置は任意である。
【0077】
続いて、ユーザが、作業のきりの良い時間に、迷惑電話削除用データベース42の内容を確認するために、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンを押下する(ステップC24)。
【0078】
すると、制御部60は、迷惑電話削除用データベース42を検索して、順番にBLOCKの情報を内線電話機30に表示する(ステップC25)。
【0079】
続いて、内線電話機30は、ボタン操作により、以降の制御を選択することができる(ステップC26)。このボタン操作(ステップC26)については、図11にて詳細を記述する。
【0080】
ステップC25,C26の処理は、迷惑電話削除用データベース42のBLOCK毎に繰り返される(ステップC27)。
【0081】
その後、内線電話機30の迷惑電話削除用の機能ボタンが押下されると、制御部60は、迷惑電話削除用データベース42の確認の完了とみなし(ステップC28)、迷惑電話削除用の機能ボタンのランプを消灯させる(ステップC29)。
【0082】
図11は、図7に示した構内交換機100Bにおいて、図10のステップC26の内線電話機30のボタン操作毎の処理手順を示す図である。
【0083】
図11を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、内線電話機30からのボタン操作を検知すると、操作されたボタンを解析する(ステップE30)。
【0084】
解析の結果、ボタンが“1”の場合には、制御部60は、監視継続と判断し(ステップE31)、監視期間を延長するために、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKの監視期間(図2;DB2)および迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCKの監視期間(図8;DB2)を再設定し、さらに監視を続ける(ステップE32)。このとき、延長する期間は、予めシステムデータで決められた期間とする。
【0085】
一方、解析の結果、ボタンが“2”の場合には、制御部60は、監視終了と判断し(ステップE41)、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を削除する(ステップE42)。また、迷惑電話削除用データベース42内の該当BLOCK(図8;DB1,DB2,DB3)も削除する。ここで削除したエリアは、新たな迷惑電話の発信者番号を登録できるエリアになる。
【0086】
図12は、図7に示した電話システムにおいて、迷惑電話データベース40内の該当BLOCKに監視期間(図2:DB2)を定期的にチェックする場合の処理手順の他の例を示すシーケンス図である。
【0087】
図12を参照すると、構内交換機100Bの制御部60は、周期的に起動する定期処理において(ステップF10)、現時刻と迷惑電話データベース40内の監視期間(図2:DB2)とを比較して、監視期間が経過したか否かをチェックする(ステップF11)。
【0088】
チェックの結果、監視期間が経過した場合には、制御部60は、迷惑電話データベース40内の該当BLOCK(図2;DB1,DB2,DB3)を自動的に削除する(ステップF12)。
【0089】
次に、制御部60は、削除したBLOCKの情報を保守端末90に通知し履歴を残す(ステップF13)。
【0090】
上述したように本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話の発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された後、同一の相手から着信があった場合、その着信回数に応じて、監視期間を延長する。
【0091】
これにより、迷惑データベース40から発信者番号を削除し、その後に時間をおいて、その発信者番号からさらに迷惑電話をかけてくる悪質なケースにおいても、迷惑電話データベース40への再登録を行うことなく、その発信者番号からの着信を引き続き規制することができ、ユーザの負担を軽減できる。
【0092】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話の発信者番号が迷惑電話データベース40に登録された後、同一の相手から一定数を超過した着信があった場合、その着信を予め決められた迷惑電話対応の専門部門に自動的に接続する。
【0093】
これにより、迷惑電話を頻繁にかけてくる悪質な相手に対しては、単純に着信拒否をするのではなく、専門部門が応対することで、より臨機応変な対応を行うことができる。
【0094】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号のうち監視期間が経過した削除対象の発信者番号がある場合、その旨を内線電話機30の機能ボタンのランプを点灯することで通知することができる。また、ユーザは、業務の都合の良い時間に、削除対象の発信者番号をまとめて確認し、監視を継続するか/監視を止めるかを選択することができ、作業の効率化が図れる。また、不要な発信者番号の監視を終了し、迷惑電話データベース40からの削除を行うことで、迷惑データベース40を有効に活用することができる。
【0095】
また、本実施形態においては、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40に登録された迷惑電話の発信者番号のうち監視期間が経過した削除対象の発信者番号を自動的に削除する。このように、ユーザに問い合わせを行うことなく、迷惑電話データベース40からの削除を行うため、ユーザの負担を軽減できる。また、迷惑データベース40を有効に活用することができる。
【0096】
また、構内交換機100Bは、迷惑電話データベース40から削除した発信者番号の情報は、自動的に保守端末90に通知することで、保守者は、悪質な発信者番号について、再度監視をするかの判断ができる。
【0097】
その他の効果は第1の実施形態と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、構内交換機を利用している一般オフィス、コールセンタ、病院などの施設に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0099】
20−1〜20−3 局線制御トランク
30−1〜30−4 内線電話機
40 迷惑電話データベース
41 発信者番号一時記憶メモリ
42 迷惑電話削除用データベース
50 アナウンス部
60 制御部
90 保守端末
100A,100B 構内交換機
200 公衆加入者電話網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の内線電話機を収容し、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する構内交換機であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する構内交換機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数に応じて、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長する、請求項1に記載の構内交換機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数が一定数を超過していれば、当該着信を予め決められた内線電話機に接続する、請求項2に記載の構内交換機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間が経過した場合、当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機に対し、監視期間が経過した発信者番号がある旨の通知を行う、請求項2または3に記載の構内交換機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記通知をした内線電話機から、監視期間が経過した発信者番号の監視継続を指示された場合、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長する、請求項4に記載の構内交換機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通知をした内線電話機から、監視期間が経過した発信者番号の監視終了を指示された場合、前記迷惑電話データベースから、当該発信者番号のエントリを削除する、請求項4または5に記載の構内交換機。
【請求項7】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間が経過した場合、前記迷惑電話データベースから、当該発信者番号のエントリを削除する、請求項2または3に記載の構内交換機。
【請求項8】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースから削除した発信者番号の情報を保守端末に通知する、請求項7に記載の構内交換機。
【請求項9】
複数の内線電話機を収容する構内交換機において、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する監視方法であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を迷惑電話データベースに登録するステップと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントするステップと、を有する監視方法。
【請求項10】
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数に応じて、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長するステップをさらに有する、請求項9に記載の監視方法。
【請求項1】
複数の内線電話機を収容し、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する構内交換機であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を登録する迷惑電話データベースと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントする制御部と、を有する構内交換機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数に応じて、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長する、請求項1に記載の構内交換機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数が一定数を超過していれば、当該着信を予め決められた内線電話機に接続する、請求項2に記載の構内交換機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間が経過した場合、当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機に対し、監視期間が経過した発信者番号がある旨の通知を行う、請求項2または3に記載の構内交換機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記通知をした内線電話機から、監視期間が経過した発信者番号の監視継続を指示された場合、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長する、請求項4に記載の構内交換機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通知をした内線電話機から、監視期間が経過した発信者番号の監視終了を指示された場合、前記迷惑電話データベースから、当該発信者番号のエントリを削除する、請求項4または5に記載の構内交換機。
【請求項7】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間が経過した場合、前記迷惑電話データベースから、当該発信者番号のエントリを削除する、請求項2または3に記載の構内交換機。
【請求項8】
前記制御部は、
前記迷惑電話データベースから削除した発信者番号の情報を保守端末に通知する、請求項7に記載の構内交換機。
【請求項9】
複数の内線電話機を収容する構内交換機において、公衆網から前記複数の内線電話機への迷惑電話を監視する監視方法であって、
前記複数の内線電話機のいずれかから、迷惑電話と認識した発信者番号の登録が指示されると、当該発信者番号と共に、予め決められた監視期間および当該発信者番号の登録を指示してきた内線電話機の内線番号を迷惑電話データベースに登録するステップと、
前記迷惑電話データベースに前記発信者番号と共に登録された監視期間中、前記公衆網を介して、当該発信者番号から着信した回数をカウントするステップと、を有する監視方法。
【請求項10】
前記迷惑電話データベースに発信者番号と共に登録された監視期間内に、前記公衆網を介して、当該発信者番号からの着信を受けた場合、当該発信者番号からの着信回数に応じて、前記迷惑電話データベースに当該発信者番号と共に登録された監視期間を延長するステップをさらに有する、請求項9に記載の監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−44651(P2012−44651A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153747(P2011−153747)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】
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