説明

構成部品内の歪みの測定装置

円筒状構成部品の直径に垂直な薄板内の直径の変化によって影響を与えられる、折り曲げ(圧縮および引張)を監視および測定することによって、円筒状構成部品内の直径の変化を測定するための装置および方法が開示される。該方法に影響を与える装置は、少なくとも1つのウェブを備えるが、通常、円筒状構成部品の直径に垂直な薄板を画定し、ウェブ薄板上に装着された要素を測定する歪み、歪み計測器が装着されたウェブの圧縮および引張(折り曲げ)行為を検知し測定するように配置された2つのウェブを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年12月31日に出願された米国仮出願第61/335,149号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、構成部品内の歪みを測定する装置に関し、より詳細には、円筒状構成部品内の直径の歪みを測定する装置に関し、該測定を使用して円筒状構成部品内の負荷および応力を算出する。
【0003】
多くの業界では、円筒状の部材またはシャフト上に掛り得る様々な動的または静的な軸負荷を測定することが重要である。これは、電動弁を広範囲で使用する原子力業界では特に当てはまる。弁の様々な作動パラメータを監視することは、原子力を規制する機関によって必要とされている。電動弁は、バルブステムおよびバルブステムを部分的に包囲する弁枠に接続された電動機駆動アクチュエータで概して構成される。
【0004】
弁の作動中に生じるある種の動的力および事象を監視する方法の1つは、軸または径伸縮計のいずれかを使用するバルブステムの軸負荷の測定によることが観察されている。
【0005】
バルブステムの直径の変化を測定することにより、バルブステムまたはあらゆる他の同様の部材内の軸の負荷もしくは応力を算出できることは公知である。ポアソン比と呼ばれる直径の変化と軸伸長に対する比率は公知であり、ほとんどの材料に使用可能である。したがって、径伸縮計などの装置を使用して、バルブステムの直径の変化を測定することによって、軸の歪みおよびバルブステムの軸の負荷を容易に算出および決定することができる。しかし、正確な読取りを達成するために、現行の伸縮計の設計の感度および安定性が欠如していることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
米国仮出願第61/335,149号の内容全体に対して優先権を上記に主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
本開示は、円筒状構成部品内の直径の変化を検知し、歪み測定装置の枠上に配置された歪み検知要素を使用して、そのような直径の変化を測定する歪み測定装置を対象とする。歪み検知要素は、構成部品の直径の伸びを介して枠の屈曲の結果として、枠内に生じた引張および圧縮歪みを測定してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡潔に述べると、歪み測定装置は、剛性枠を備える。概して枠は、外面および半径方向に外面から離間した内面を有する。また枠は、概して第2の側平面に平行で第2の側平面から離間した第1の側平面を有する。剛性枠は、弓形枠または「C」字形の枠であってもよい。歪み測定装置は、枠の1端部に、または枠の1端部付近に配置された第1の接触組立体、および枠の反対側の1端部上に配置された第2の接触組立体をさらに備えてもよい。通路は、長手軸に実質的に平行な軸に沿って枠を通って延在し、該通路は第1の接触組立体と第2の接触組立体との間の枠上に配置される。内側ウェブは通路と枠の内面との間に画定され、外側ウェブは枠の外面と通路との間に画定される。歪み測定装置は、内側ウェブまたは外側ウェブのいずれかと接触する、少なくとも第1の歪み検知要素をさらに備える。一部の実施形態では、歪み測定装置は、第1の歪み検知要素によって接触されないウェブに接触する、第2の歪み検知要素をさらに備えてもよい。歪み測定要素は、構成部品の直径の伸びにより、枠内に生じた実質的に純性な引張歪みおよび圧縮歪みを測定するために、枠のウェブに装着されてもよい。
【0009】
別の実施形態では、歪み測定装置は、第1の装着部、および中央本体部から離間し中央本体部によって相互接続された第2の装着部を確定する本体を備えてもよい。第1のクランプヘッドは、シャフトと係合するために、第1の装着部に装着されてもよい。第2のクランプヘッドは、シャフトと係合するために、第1の装着部に装着され、第1のクランプヘッドから離間されてもよい。第1のクランプヘッドおよび該第2のクランプヘッドは、該中央本体部を交差しない共通の中心線に沿って位置合わせされ、共通の中心線に沿って離間される。通路は、該中央本体部を通って延在し、第1のクランプヘッドまたは第2のクランプヘッドのいずれかに近接する。
【0010】
本開示のさらに別の実施形態は、円筒状構成部品上の負荷を測定する方法である。方法は、
(a)少なくとも2つの歪み検知要素を円筒状構成部品に装着するステップと、
(b)負荷を円筒状構成部品に加えるステップと、
(c)負荷によって影響を受けた円筒状構成部品内の直径の変化に応答して、第1の歪み検知要素における実質的に純性な引張歪み、および第2の歪み検知要素における実質的に純性な圧縮歪みを同時に検知するステップと、
(d)第2の引張をシャフトに加えた負荷と等しい値に変換するステップと、を含んでもよい。
【0011】
本発明のこれらの態様および他の態様は、図面と共に検討して以下に記載の好ましい実施形態を読んだ後、当業者には明らかになろう。前述の概要および以下に詳述の両方とも、例示および説明に過ぎず、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0012】
慣習に従って、以下に論じられる図面の様々な特徴は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。図面における様々な特徴および要素の寸法は、本開示の実施形態をより明確に示すために拡大または縮小されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本開示の実施形態に従って導入された構成における、歪み測定装置の等角図である。
【図2】本開示の歪み測定装置の実施形態の等角図である。
【図3】図2に示された実施形態の第2の等角図である。
【図4】より詳細な歪み測定装置要素の通路を示す、図2の実施形態の一部の平面図である。
【図5】例示目的および明確にするためのみに装置の外面を半透明にした、図2の歪み測定装置の一部の等角図である。
【図6】本明細書に開示された歪み測定装置の第1の支持組立体および第2の支持組立体の分解等角図である。
【図7】歪み測定装置と共に使用され得る、歪み検知要素に対する電気回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
検討をわかりやすくするために、以下の3方向の定義および座標系を本明細書に論じた歪み測定装置を論じる際に共通に使用し、本出願全体を通して使用し、本明細書に開示されたすべての実施形態に適用可能である。円筒状座標系1は、長手軸「α」、放射軸「β」、および環軸「φ」を有する。「長手」は、シャフト12の長手軸に平行な方向に配向された長手軸「α」を指す。「放射」は、長手方向に直行する方向で、長手軸から外方に延びる方向に配向された放射軸「β」を指す。「環」は、角度軸「φ」、すなわち長手軸αに垂直な2つの基準軸3、4のいずれかに対して放射軸「β」に配向する方向を指す。集合的に、3方向軸α、β、φは、円筒状座標系1を確立する。本開示のために、長手方向αは、概してシャフト12に沿った方向を指し、横方向βは、概してシャフト12の中央から延びる方向を指す(図面の図1に隣接する「方向羽根」の例を参照されたい)。
【0015】
ここで図面をより詳細に参照すると、同様の参照番号は、複数の図全体を通して同様の部分を示し、図1は、円筒状シャフト12、たとえば原子力発電所または他の施設に見られることがある、電動弁または空気作動弁のためのバルブステムなどに対する設置位置にある、本開示の一実施形態による歪み測定装置10を示す。歪み測定装置10は、円筒状シャフトへの使用に限定される必要はなく、歪み測定を得るためにあらゆる形状の構成部品への使用に適合できる。歪み測定装置10は、径伸縮計に類似した原理で作動してもよく、円筒状シャフト12の直径の伸びまたは収縮は、歪み測定装置10を介して線形歪みおよび/または応力に変換されてもよい。円筒状シャフト12は、平滑な外面を有する部分14および螺合する外面を有する部分16を備えてもよい。歪み測定装置10は、表面14、16のいずれかまたは両方のタイプの使用に適することができる。
【0016】
図2〜6を参照すると、図2および3は、本開示による歪み測定装置10の一実施形態の等角図である。歪み測定装置10は、本体すなわち概して弓形であることがある枠20を有する。本体20は弓形である必要はなく、本体20は、構成部品12内の歪みを測定するために、構成部品12に装置20の取付けを容易にするのに必要なあらゆる形状であってよい。この具体的な実施形態では、本体20は、概ね「C」字形であり、内面22、外面24、ならびに概して平行で平面の第1の側面26および第2の側面28を有する。しかし、本体20は、弓形または「C」字形である必要はなく、他の形状でも適用可能である。たとえば、本体20は、「U」字形または溝形も可能である。例示的実施形態では、本体20は、それを中心に弓形および凹内面22が画定される回転軸(円筒状座標系1を参照すると、回転軸は長手軸αになり、円周方向φに回転する)を有する、少なくとも1つの凹部を含む。凹内面22は、円筒状壁の一部として回転軸αに平行に延びる表面高さで画定される。概して「C」字形本体20は、概して円筒状構成部品12上への歪み測定装置10の設置を容易にすることがある。内面22および外面24は、円筒状座標系1に対して検討すると、円周方向φに延びるとみなされてもよく、側面26、28は、概して内面22および外面24に垂直であってもよい。一部の実施形態では、チャネルまたは凹部31は、本体20の外面24内に機械加工されるか、または製造され、本体20の中に延在してもよい。凹部31は、本体20の局部可撓性を増加させてもよい。一部の実施形態では、チャネルまたは凹部33(図4参照)は、本体20の内面22内に機械加工されるか、または製造され、本体20の中に延在してもよい。本体20は、本体20の一端に向かって配置されたポート29を有してもよい。ポート29は、少なくとも2つの歪み検知要素46、48と接続するために、導線または他の機器に対する通路として少なくとも機能する。ポート29は、本体20を通って延在してもよいが、これは必須条件ではなく、ポート29は、本体20の一端(第1の側部26または第2の側部28のいずれか)のみから出てもよい。図5で最も明確にわかるように、線供給部27は、本体20の表面からポート29に延び、ポート29と交差する。線供給部27は、歪み検知要素46、48と好都合に接続するために、導線を含む線17(図1参照)に対する導管として機能する。通路30は、本体20を通って第1の側面26から第2の側面28に延び、歪み検知要素46、48は、通路30に近接して配置される。第1の支持組立体インターフェース60は、本体20の一側部上に配置され、第2の支持組立体インターフェース61は、本体20の反対側の側部上に配置される。第1の支持組立体インターフェース60および第2の支持組立体インターフェース61の中心線62は共線であり、長手軸αに沿って延在する。第1の支持組立体インターフェース60および第2の支持組立体インターフェース61の中心線62が共線であるという事実は、直径歪みを構成部品12から歪み測定装置10の本体20により有効に転送することがある。第1の支持組立体70は、第1の支持組立体インターフェース60を介して本体20と連通し、調節可能な第2の支持組立体80は、第2の支持組立体インターフェース61を介して本体20と連通する。示された実施形態では、第1の支持組立体インターフェースは、概して平滑な穴であり、第2の支持組立体インターフェース61は、螺合穴である。
【0017】
図4は、通路30の一実施形態のより詳細な説明を提供する。通路30は、歪みを検出するために、歪み測定装置10の本体20の感度を「調整する」手段を提供する。通路30は、測定または試験される構成部品の直径の変化を測定するために、支持組立体70と80との間の本体20に沿って配置されなければならない。これは、本体20が構成部品の直径の変化によって歪んだ状態に配置されるためである。一部の実施形態では、通路30は、第1の支持組立体インターフェース60または第2の支持組立体インターフェース61の付近にあるように、本体20内に配置されることが好ましい。通路30を第1の支持組立体インターフェース60または第2の支持組立体インターフェース61付近に配置することは、歪み検知要素46、48の性能を少なくとも向上させ得る。通路30は、構成部品12内の直径歪みの変化を検出するために、歪み測定装置10の能力を研ぎ澄ませ、向上させるように通路30に近接した本体20の感度を増加させるために、通路30のいくつかのパラメータまたは寸法(以下に論じられている)を調節することにより、適切にサイズ化することができる。これは、通路30に近接した歪み測定装置10の本体20の増加した可撓性にある程度起因する。歪み測定装置10の一般概念は、通路(すなわちウェブ50、52)付近の本体の一部が発達した歪みのレベルを増加させるための、本体20内の通路30の配置である。さらに、通路は、歪み測定装置10が経験し得る熱的効果によって取り込まれたエラーを、低減させるようある程度機能する。これは、本体20の集積が通路30を形成するために除去されたためであり得、歪み検知要素46と48との間に配置された通路30を負荷する熱に対する感度を低減する。歪み検知要素48と48との間への通路30のこの配置は、一検知要素による別の検知要素への相互加熱を低減させるのに役立つため、有益であることがある。全体的に、歪み測定装置10の感度および安定性は、通路30付近に配置された歪み検知要素46、48の感度および応答が増加したために、向上することがある。歪み測定装置のドリフトもまた低減される。したがって、歪み測定装置10の別の一般概念は、通路30の対向する側部上に歪み検知要素46、48を配置させて、歪み検知要素46、48によって高められた熱的加熱から生じるドリフトによって取り込まれるエラーを低減させる。「ドリフト」は、アナログ回路の固有の限界によって引き起こされ、ドリフトは、時間を掛けてなされる測定に関して、基準値の徐々に意図的でない変化によって生じるバイアスを意味すると理解される。
【0018】
通路30は、概して長方形の形状または断面であってもよく、断面は、平面の断面図、すなわち第1の側面26または第2の側面28の平面視におけるものである。他の実施形態では、通路30は、正方形、円形、長円形、多角形、または通路30内の適切な歪み場を提供するあらゆる他の断面であってもよい。適切な歪み場は、構成部品の直径変化に感度が高い歪み場であると理解され、歪み検知要素46、48によって特定された精度で測定することができる。通路30は、内側ウェブ50および外側ウェブ52のそれぞれ、ならびに第1の側壁53および第2の側壁55によって内側および外側に結合される。内側ウェブ50は、第1の平面内にあってもよく、外側ウェブ52は、第2の平面内にあってもよく、第1および第2の面は、概して互いに平行であり、共通の中心線(すなわち中心線62)に概して垂直であってもよい。通路30は、第1の側壁53と第2の側壁55との距離である通路幅32を有してもよい。通路30は、ウェブ50の内部面とウェブ52の内部面との距離である通路高さを有する。内側ウェブ50は、内側ウェブ接触面54からリッジ43までの距離であるウェブ厚さ38を有し、リッジは、内側ウェブ接触面54から距離38延びる。リッジ43は、ウェブ50を超えてより一定である内側ウェブ50内に歪みを作成するように機能してもよい。外側ウェブ52もまた、ウェブ厚さを有し、ウェブ厚さは外側ウェブ接触面56からリッジ43’までの距離である。リッジ43’は、ウェブ52を超えて、より一定である外側ウェブ50内に歪みを作成するように機能してもよい。内側ウェブ接触面54と外側ウェブ接触面56との距離は34によって得られる。概ね長方形の通路30の各角部は、フィレット41を有してもよい。示されたように、各フィレット41は、同じフィレット半径42を有する。しかし、各フィレット41は同じフィレット半径42を有する必要はなく、一部の実施形態では、各フィレット半径42は異なってもよい。フィレット縁端部は、たとえば内側ウェブ接触面54から距離36に配置される。フィレット41は、概して角部に生じる応力集中において発現し得る局部応力を低減するようにある程度機能する。第2の側壁55は、第1の支持組立体インターフェース60の中心線62から距離44に配置される。歪み検知要素46、48は、内側ウェブ接触面54および外側ウェブ接触面56のそれぞれの上に配置される。内側ウェブ接触面54および外側ウェブ接触面56および歪み検知要素46、48は、歪み検知要素46、48がそれぞれのウェブ接触面54、46の大部分を超えて、それらのそれぞれのウェブ50、52において、局部歪みのより正確な測定を少なくとも獲得するようにサイズ化されてもよい。歪み検知要素46、48は、本体20の屈曲に関連した歪みを測定してもよい。歪み検知要素46、48は、曲がりやすくなり、実質的に純性な引張および実質的に純性な圧縮のそれぞれに置かれる。したがって、歪み測定装置の別の一般概念は、本体20上の歪み検知要素46、48の配置であるので、歪み検知要素46の1つは、実質的に純性な引張歪みを測定してもよく、歪み検知要素48の1つは、実質的に純性な圧縮歪みを測定してもよい。一部の実施形態では、歪み検知要素46によって測定された引張歪みの大きさは、構成部品12の試験中、歪み検知要素48によって測定された圧縮歪みの大きさとほぼ同じでもよい。
【0019】
歪み検知要素46、48は、概して円周方向φと正接する測定軸を有してもよい。歪み測定装置10が製造されると、第1の歪み検知要素46は、圧縮して負荷されるように据え付けられ、構成されてもよく、第2の歪み検知要素48は、引張して負荷されるように据え付けられ、構成されてもよい。このような据付けの1つの理由は、歪み測定装置10が据え付けられると、歪み測定装置10は、第1の歪み検知要素46および第2の歪み検知要素48が、歪み「ゼロ」の読取りをあらゆる構成部品の試験または監視に先立って生成するように、調節できるためである。
【0020】
通路30の一部の寸法またはパラメータを調節して、歪み測定装置10の感度および安定性を向上してもよい。通路幅32、内側ウェブ接触面から上部フィレット半径40までの距離36(ならびに外側ウェブ接触面から下部フィレット半径までの対応する距離)、フィレット半径42、および第1の支持組立体インターフェース60の中心線62から通路30の第2の側壁55までの距離44を調節すること。通路の大きさを調節することは、ウェブ50、52内の歪みを増加させることによって、歪み検知要素46、48の感度を調節することを意味する場合があることは、当業者には理解されよう。これらのパラメータ32、40、42、44は、調節され得る想定されるパラメータまたは寸法の内のわずかでしかない。調節され得る他の実行可能なパラメータは、ウェブ50、52内の局部の歪みに著しく影響を与えるあらゆるパラメータである。したがって、歪み測定装置10の別の一般概念は、ウェブ50、52内の歪みを測定するために、歪み検知要素46、48の能力を向上させるように該歪みを増加させるために、通路30の一部の寸法を調節することである。通路30の寸法は、ウェブ50、52内の大きな歪みを生成するように調節される一方で、材料の弾性限界より下に保持し得る。材料の弾性限界は、永久歪みの発現前に材料内に生じる可能性がある最大応力、すなわち単位面積当たりの力であることが、当業者には理解されよう。弾性限界までの応力または歪みが除去されると、材料はその元のサイズおよび形状を回復する。
【0021】
例として、また決して本開示の範囲を限定することを意味せず、以下の表、表1は、通路の寸法の一部の例示的範囲を提供する。
【表1】

別の例では、上の表1に一覧にされた寸法の範囲は、以下の離散値を有してもよい。寸法32は0.130インチでもよい。寸法36は0.180インチでもよい。寸法38は0.028インチでもよい。寸法40は0.049インチでもよい。寸法42は0.031インチでもよい。寸法44は0.240インチでもよい。
【0022】
図6は、第1の支持組立体70および調節可能な第2の支持組立体80の分解等角図である。支持組立体70および調節可能な第2の支持組立体80は、歪み測定装置10をシャフトまたは構成部品12に固定し、歪み検知要素46、48を「ゼロにする」ことを促進する。開示された実施形態では、第2の支持組立体80のみが調節可能である。しかし、他の実施形態では、支持組立体70および第2の支持組立体80の両方が調節可能であってもよい。
【0023】
支持組立体70、80は、本体20の反対側に装着され、歪み測定装置10を構成部品(たとえば図1のシャフト12を参照)に固定して監視または試験する。支持組立体70、80は、インターフェース60、61のそれぞれで本体20と機械的に連通してもよい。構成部品は、概して長手軸αに平行な方向に加えられた負荷を有するシャフトなどの円筒である。支持組立体70、80は、構成部品の外面に接触でき、支持組立体70、80が歪み測定装置10を構成部品に固着されるように調節される。
【0024】
第1の支持組立体70は、支持要素72から構成されてもよい。支持要素72は、「V」字形頭部要素73を含んでもよい。「V」字形頭部要素72は、特に構成部品12が円筒である場合は、構成部品12と位置合わせがより容易にできる。頭部要素73の「V」字形は、「V」字形の頂点が長手軸αと平行であり、したがって構成部品の長手軸に平行であるように、配向されてもよい。一部の実施形態では、構成部品12に対する装置10の位置合わせを向上させるために玉軸受を含んでもよい。第2の支持組立体80は、概して支持要素82、螺合スピンドル84、位置決めねじ86、薄板88、抜け止めピン92および玉軸受90を備える。支持要素82は、「V」字形頭部要素83(図3参照)を含んでもよい。さらに、支持要素82は、支持要素72と交換可能であってもよい。位置決めねじ86は、歪み測定装置10を構成部品12に据付け中に、螺合スピンドル84の回転または調節を容易にするために、螺合スピンドル84の中にねじ込まれ固定される。薄板88は、螺合スピンドル84の座ぐり穴(図示せず)内に据え付けられ、螺合スピンドル84の座ぐり穴の内部面上に置かれる。薄板は、金属またはプラスチックなどのあらゆる硬質材料から製造されてもよい。玉軸受90は、座ぐり穴内に挿入され、薄板88に支えられる。玉軸受90は、支持要素82の端部上の玉軸受空洞部89に支持される。玉軸受90は、構成部品12に対して支持要素82の位置合わせを容易にし、第2の支持組立体80を調節するときに、螺合スピンドル84の回転を容易にし得る。抜け止めピン92は、孔93を通って挿入され、螺合スピンドル84の一部を通って延在する。抜け止めピン92が孔93に挿入されると、玉軸受90は、螺合スピンドル84の座ぐり穴内に留まる。
【0025】
図7は、歪み測定装置10と共に使用され得る歪み検知要素46、48の電気回路の概略図である。歪み検知要素48は、計測器102および104を備えてもよく、これらの計測器は、圧縮歪みを検知する計測器102、104である。歪み検知要素46は、計測器106および108を備えてもよく、これらの計測器は、引張歪みを検知する計測器106、108である。計測器102および104は、基板(図示せず)上に装着され、物理的に外側ウェブ52に装着されてもよい。計測器102および104は、基板(図示せず)上に装着され、物理的に内側ウェブ50に装着されてもよい。さらに歪み検知要素48は、熱ドリフトの一部の効果を低減するために、計測器102、104および抵抗器124に前負荷を加えるために使用され得る、抵抗器120を備えてもよい。歪み検知要素46はさらに、熱ドリフトの一部の効果を低減するために、計測器106、108および抵抗器126に前負荷を加えるために使用され得る、抵抗器122を備えてもよい。抵抗器128は、歪み測定装置10の校正中に生じることがある校正曲線の傾斜を訂正するように機能する。計測器が構成部品12の直径の変化を検知すると、計測器102、104、106、108は、検知した直径の変更(すなわち直径歪み)量に比例した電気信号(すなわち電圧)を生成する。これらの電気信号は、電気信号が保存され評価され得るデータ収集システム110に送信される。
【0026】
歪み測定装置10は、鋼鉄および合金鋼を含むあらゆる適切な材料から製造することができる。好ましくは、該装置は、チタニウムから製造される。歪み測定装置10のための材料は、適切に作動し、かつ負荷条件に適切に応答するために、機械的特性および熱特性を十分に確保するように、、環境およびデューティサイクルを考慮して、選択されるべきである。歪み測定装置10は、機械加工、鋳造、または鍛造などのあらゆる許容される製造方法を使用して製造することができる。装置10は、必要に応じて、複数の異なる材料から製造されてもよい。
【0027】
概して、構成部品または、たとえばバルブステムなどのシャフト12は、たとえば移動範囲を通る弁頭部を移動する間、引張荷重および圧縮荷重に直面する。シャフト上の引張荷重および圧縮荷重の他の例は、当業者には明らかである。引張荷重または圧縮荷重がシャフト12に加えられると、シャフトの直径は、それぞれ低減または増加する。歪み測定装置10は、シャフト12の直径の変化を測定する。この測定から、アルゴリズムが、シャフト12に加えられる負荷、およびその負荷がどのように加えられるか、すなわち負荷の周期性ならびに負荷の大きさを決定できる。直径が増加または低減すると、歪み測定装置10の本体20は、それぞれ外方または内方のいずれかに屈曲する。本文書全体を通して使用される用語「屈曲」は、本体端部が相互に向かってまたは相互から離れて移動する、本体20の歪みを意味することは、当業者には理解されよう。歪み計測器などの歪み検知要素46、48は、歪み測定装置10に取り付けられ、本体10の変化を測定し、次いでシャフト12の直径の変化に関係し、シャフト12に加えられる負荷を決定できる。
【0028】
使用中、歪み測定装置10は、まず監視または評価されるべきシャフト12に装着される。歪み測定装置10は、シャフト12にしっかりと接触するために、第2の支持組立体80の螺合スピンドル84の回転によりシャフト12に固定される。歪み測定装置10は、2つの支持要素70、80によって占められる薄板が、シャフト12の長手軸αにほぼ垂直であるとき、シャフト12に対して適切に位置合わせされる。これが必要なのは、歪み検知要素46、48の配置が、シャフト負荷中にシャフト14の直径変化によって誘発された本体20の引張歪みおよび圧縮歪みを測定するためである。第2の支持要素82は、支持組立体70、80の頭部要素73、83が、シャフト12上に締め付けられるように、構成部品12に向かって前進しなければならない。さらに第2の支持要素82は、歪み検知要素46、48がほぼゼロの歪みを読み取るまで、本体20の歪みを増加させるために前進しなければならない。歪み測定装置10は、ここでは「ゼロ」である。シャフト12が、長手軸αに沿って負荷されると、シャフト12の直径は、増加または低減のいずれかをする。たとえば、長手軸αに沿って加えられた負荷が圧縮の場合、シャフト直径は、圧縮によって増加する。したがって、シャフト12の直径が増加すると、屈曲力は支持要素70、80で本体20に加えられ、本体20は屈曲または折り曲げられる。通路30の設計および頭部要素73、83の行為により、シャフト12に装着されると、引張歪みは、内側ウェブ50内で発現することがあり、圧縮歪みは外側ウェブ52内で発現することがある。歪み要素46、48から引張歪みおよび圧縮歪みを測定して、長手軸αに沿って加えられる負荷を決定することができ、シャフト12の機械的完全性が評価される。
【0029】
前述の説明を読むと、当業者はある種の修正および改善を思いつくであろう。そのようなすべての修正および改善は、簡潔さおよび読みやすさのために本明細書から削除されているが、以下の特許請求の範囲の範囲内に適することを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部品内の歪みを測定する装置であって、
剛性枠と、
前記枠上に配置された第1の接触組立体と、
前記枠の対向する端部上に配置された第2の接触組立体と、
前記枠を通って長手軸に実質的に平行な軸に沿って延在する通路であって、前記通路は、前記第1の接触組立体と前記第2の接触組立体との間に配置される、通路とを備え、
内側ウェブは前記通路と前記枠の内面との間で画定され、外側ウェブは前記枠の外面と前記通路との間で画定され、
少なくとも第1の歪み検知要素は、前記内側ウェブまたは前記外側ウェブのいずれかと接触する、装置。
【請求項2】
前記第1の歪み検知要素によって接触されない前記ウェブに接触する第2の歪み検知要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記枠は、1対の実質的に平滑で平行な側面を有し、各側面は、前記長手軸にほぼ垂直な薄板内に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記歪み検知要素の測定軸は、前記長手軸に垂直で環軸にほぼ平行である軸に沿う、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記通路は、断面が実質的に長方形である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記通路は、前記通路の各角に少なくとも1つの弓形フィレットを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の歪み検知要素は、前記構成部品の引張の直径歪みを測定し、前記第2の歪み検知要素は、前記構成部品の圧縮の直径歪みを測定する、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の歪み検知要素は、前記構成部品の引張の直径歪みを測定し、前記第1の歪み検知要素は、前記構成部品の圧縮の直径歪みを測定する、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記枠は、弓形の枠である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記枠は、「C」字形の枠である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記調節可能な第1の接触組立体、前記第2の接触組立体のそれぞれは、「V」字形の接触要素を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記調節可能な第1の接触組立体は、所定値を有する前記枠内に歪みを生成するように調節された、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の歪み検知要素は、前記内側ウェブの外面または前記内側ウェブの内面上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の歪み検知要素は、前記外側ウェブの外面または前記外側ウェブの内面上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の接触組立体および前記第2の接触組立体は、前記構成部品に対して前記枠を位置合わせし、前記枠を前記構成部品に固定するように協働する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第1および第2の歪み検知要素は、前記構成部品の直径の変化を測定する、請求項2に記載の装置。
【請求項17】
歪みを測定する装置であって、
外面、前記外面から半径方向に離間した内面、および概して第2の側平面に平行で第2の側平面から離間した第1の側平面を有する枠と、
前記上部面と前記下部面との間に配置された第1の支持組立体、および前記上部面と前記下部面との間に配置された第2の支持組立体であって、前記第1の支持組立体および前記第2の支持組立体は、前記枠の対向する端部上に相互にほぼ対向する、第1の支持組立体および第2の支持組立体と、
前記上部面から前記下部面に延在し、前記内面と前記外面との間および前記第1の支持組立体と前記第2の支持組立体との間に配置された通路と、
前記通路および通路内面と前記枠の前記内面との間によって確立される第1のウェブ、ならびに前記通路および通路外面と前記枠の前記外面との間によって確立される第2のウェブと、
前記第1のウェブ上に配置された第1の歪み検知要素、および前記第2のウェブ上に配置された第2の歪み検知要素であって、前記第1の歪み検知要素は引張歪みを測定し、前記第2の歪み検知要素は圧縮歪みを測定する、第1の歪み検知要素および第2の歪み検知要素と、を備える装置。
【請求項18】
前記第1および第2の側面は、長手軸に概して垂直なそれぞれの薄板に延在する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記枠は、弓形の枠である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記装置は、概して円筒状構成部品内の直径の歪みを測定する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、0.5インチ〜5インチの範囲の直径を有する概して円筒状構成部品内の歪みを測定する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記外側ウェブは、前記外面から前記外側ウェブに延びる凹部によってさらに画定される、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記通路は、概して長方形の通路である、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記通路の感度は、通路幅、第1のウェブ接触面から上部フィレット半径までの距離、前記通路のそれぞれの角に配置されたフィレット半径、前記支持組立体の中心線から前記通路の側壁までの距離、およびその組合せからなるパラメータの群から選択された複数のパラメータの少なくとも1つを最適化することによって、最適化される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の支持組立体および第2の支持組立体は、歪みを構成部品から前記枠に転送する、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
円筒状構成部品上の負荷を測定する方法であって、
(a)少なくとも2つの歪み検知要素を前記円筒状構成部品に装着するステップと、
(b)負荷を前記円筒状構成部品に加えるステップと、
(c)前記負荷によって影響を受けた前記円筒状構成部品内の直径の変化に応答して、第1の前記歪み検知要素における実質的に純性な引張歪みおよび第2の前記歪み検知要素における実質的に純性な圧縮歪みを同時に検知するステップと、
(d)前記第2の引張を前記シャフトに加えた前記負荷と等しい値に変換するステップと、を含む方法。
【請求項27】
ステップ(a)に先立って、前記歪み検知要素を枠の内側ウェブおよび外側ウェブのそれぞれに取り付ける、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記枠を前記円筒状構成部品に装着する前記ステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記外側ウェブに取り付けられた前記歪み検知要素で圧縮歪みを測定し、前記内側ウェブに取り付けられた前記歪み検知要素で引張歪みを測定する前記ステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
シャフトの軸負荷によって生成された前記シャフト内の直径の変化を測定する装置であって、
第1の装着部および中央本体部から離間し、中央本体部によって相互接続される第2の装着部を画定する本体と、
シャフトに係合するために、前記第1の装着部に装着された第1のクランプヘッドと、
シャフトに係合するために、前記第2の装着部に装着され、第1のクランプヘッドから離間された第2のクランプヘッドであって、前記第1のクランプヘッドおよび前記第2のクランプヘッドは、共通の中心線に沿って位置合わせされ、共通の中心線に沿って離間され、前記中心線は、前記中央本体部と交差しない、第2のクランプヘッドと、
前記中央本体部を通って延在し、前記第1のクランプヘッドまたは前記第2のクランプヘッドのいずれかに近接する通路であって、第1のウェブは、前記通路と前記本体の内面との間に確定され、第2のウェブは、前記通路と前記本体の外面との間に画定される、通路と、
前記第1のウェブに取り付けられた第1の歪み検知要素と、
前記第2のウェブに取り付けられた第2の歪み検知要素と、を備える装置。
【請求項31】
前記装置が装着されているシャフト内で測定された直径歪みは、前記シャフト内の負荷の代表値に変換される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第1のウェブは、引張歪み状態にあり、前記第2のウェブは、前記装置が据え付けされないときは、圧縮歪み状態にある、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記第1のウェブは、第1の薄板に存在し、前記第2のウェブは、第2の薄板に存在し、前記第1および第2の薄板は、概して互いに平行であり、概して前記共通の中心線に垂直である、請求項30に記載の装置。
【請求項34】
前記第1のウェブおよび前記第2のウェブのそれぞれは、前記通路の中に突出し、前記本体を通って延在する肥厚性リッジ、および前記リッジの各側部に隣接したより薄いウェブ壁で形成される、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
前記通路は、前記共通の中心線から2分の1インチ未満の距離内に配置される、請求項30に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−516611(P2013−516611A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547302(P2012−547302)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/062529
【国際公開番号】WO2011/082317
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(512146111)クレーン ニュークリア,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】