説明

構造体および電子装置

【課題】 簡単な構成で、第1筐体と第2筐体とが、開状態と閉状態とにわたって、所望の位置に配置可能な構造体および電子装置を提供する。
【解決手段】 電子装置20は、各ユニット22,24が重畳する閉状態と、本体ユニット22が表示ユニット24に対して、幅方向Yおよび長手方向Xにわたって相対的に変位(例えば斜めにスライド)する開状態とに切換え可能に構成され、開状態において、本体ユニット22のキーボード21の長手方向Xの中間部付近と、表示部23の長手方向Xの中間部付近とを、長手方向Xに関して略同一の位置に配設させることができ、操作者は、複数のユニットからなる電子装置20であっても、表示部23とキーボード21との中間部付近の位置を長手方向Xに関して略同一の位置に配設して、良好な操作感を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対的に変位可能な2つの筐体を備える構造体および電子装置に関する。
本発明において、用語「略直交」は直交を含み、用語「略平行」は平行を含み、用語「略同一」は、同一を含む。また本発明において、用語「回転」は、360度未満の角変位および360度以上の回転を含む。
【背景技術】
【0002】
表示部など設けられる筐体が、操作部が設けられる筐体に対して、スライド変位可能または角変位可能に構成される電子装置が種々実用に供されている。図26は、第1の従来の技術の電子装置1を簡略化して示す正面図である。電子装置1は、キーボード2を備える第1の筐体3と、方向キーや機能キーなどの操作部4と表示部5とを備える第2の筐体6とが、スライド変位可能に構成される。
【0003】
図26(a)に示すように、電子装置1の各筐体3,6が重複している閉状態では、操作部4が操作者から見て手前側となり、表示部5が操作者から見て奥側となるように縦長方向で用いられる。図26(b)に示すように、電子装置1の第1の筐体3が第2の筐体6に対してスライド変位している開状態では、キーボード2が操作者から見て手前側となり、表示部5が操作者から見て奥側となるように横長方向で用いられる。したがって開状態と閉状態とでは、操作者が電子装置1を把持する方向が異なる。
【0004】
図27は、第2の従来の技術の電子装置7を簡略化して示す正面図である。電子装置7は、キーボード8を全面に備える第1の筐体9と、方向キーや機能キーなどの操作部10と表示部11とを備える第2の筐体12とが、角変位可能に構成される。図27(a)に示すように、電子装置7の各筐体9,12が重複している閉状態では、操作部10が操作者から見て手前側となり、表示部11が操作者から見て奥側となるように縦長方向で用いられる。図27(b)に示すように、電子装置1の第1の筐体9が第2の筐体12に対して180度角変位している開状態では、キーボード8が操作者から見て手前側となり、表示部11が操作者から見て奥側となるように横長方向で用いられる。したがって開状態と閉状態とでは、操作者が電子装置7を把持する方向が異なる。
【0005】
第3の従来の技術の携帯端末は、キーボードを備える第1の部材と、ディスプレイを備える第2の部材とから構成され、各部材は相対的にスライド変位可能および角変位可能に構成される。第1の部材および第2の部材のいずれか一方には、長手方向に延びるガイド長孔が設けられ、ガイド長孔を介して相対的にスライド可能に取り付けられ、かつ第1の部材および第2の部材のいずれか他方には、水平方向へ相対的に回転可能に構成される。第1の部材と第2の部材が重畳している閉状態では、第2の部材は長手方向に延びる縦画面で用いられ、第2の部材を第1の部材に対してスライドした後に90度回転させた開状態では、幅方向に延びる横画面で用いられる(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
第4の従来の技術の小型ビデオカメラは、カメラ本体と表示部との間の中継部が、表示部に対して開閉方向に回動可能であり、かつカメラ本体に対して取付面内方向に回動可能に構成され、中継部のカメラ本体に対する回動軸線を、表示部の幅の中心線からオフセットして構成される。このように2軸ヒンジの回動軸を表示部のセンターからずらすことによって、閉状態にて本体ユニットから表示ユニットがはみ出さないよう配置することができる(たとえば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2004−320549号公報
【特許文献2】特開平11−243498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
第1および第2の従来の技術では、異なる2方向で操作者が電子装置1,7を操作するので、表示部5,11を第2の筐体6,12の中央部に配置することができない。キーボード2,8は、第1の筐体3,9の中間部に配置されるので、開状態では表示部5,11の中間部とキーボード2,8の中間部がずれてしまい、操作性が損なわれるという問題がある。
【0009】
第3および第4の従来の技術の装置では、表示部が操作部に対してスライド変位および角変位可能に構成されるが、このような構成では、閉状態でキーボードと表示部との中央部の位置がずれている場合、開状態でもキーボードと表示部との中央部がずれてしまい、操作性が悪いという問題がある。また第3および第4の従来の技術の装置では、2軸ヒンジ構造であるので、構造的に複雑であり、製造コストが高いという問題がある。
【0010】
したがって本発明の目的は、簡単な構成で、第1の筐体と第2の筐体とが、開状態と閉状態とにわたって、所望の位置に配置可能な構造体および電子装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを係合する係合手段とを含む構造体であって、
前記係合手段は、
前記第1筐体と前記第2筐体とを予め定める第1方向へ重畳配置する第1状態と、
前記第2筐体を前記第1筐体に対して、第1方向に略直交する第2方向と、第1方向および第2方向に略直交する第3方向とにわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成されることを特徴とする構造体である。
【0012】
また本発明は、前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向へ略直交し、第2および第3方向に交差する第4方向へ相対的にスライド変位させて切換え動作させ得ることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して相対的に、第2方向へスライド変位させ、その後、第3方向へスライド変位させて、切換え動作させ得ることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向に略平行な回転軸線まわりに相対的に角変位させて、切換え動作させ得ることを特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記第1筐体は、操作入力部を含み、
前記第2筐体は、表示部を含み、
前記係合手段は、前記第2状態において、前記操作入力部の第3方向の中間部付近と、前記表示部の第3方向の中間部付近とを、第3方向に関して略同一の位置に配設させることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、第2および第3方向の両方向への変位によって外方に露出する特定領域に入力手段または出力手段をさらに備えること特徴とする。
【0017】
また本発明は、第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、前記特定領域に近接し、第1状態で露出している領域に、入力手段または出力手段をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、第1筐体と、
前記第1筐体に電気的に接続される第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを係合する係合手段とを含む電子装置であって、
前記係合手段は、
前記第1筐体と前記第2筐体とを予め定める第1方向へ重畳配置する第1状態と、
前記第2筐体を前記第1筐体に対して、第1方向に略直交する第2方向と、第1方向および第2方向に略直交する第3方向とにわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成されることを特徴とする電子装置である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、係合手段は、各筐体が重畳する第1状態と、第1筐体が第2筐体に対して、第2および第3方向にわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成される。これによって第2筐体は、第2状態では、第1筐体に対して、第2方向および第3方向にずれた位置に配設可能である。従来の技術のように、第2筐体が、第1筐体に対して、予め定める1方向のみにずれた位置に配設される場合とは異なり、第2方向および第3方向の異なる2方向にずれた位置に配設可能である。これによって、操作者は、第1および第2筐体を用いるために好適な配置状態に、各筐体の相対位置を変更することができ、利便性が向上する。第1状態から第2状態にわたる切換え動作を、2軸ヒンジ構造を含む従来の構造などに比べて、簡単な構成で実施することができる。
【0020】
また本発明によれば、係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向へ略直交し、第2および第3方向に交差する第4方向へ相対的にスライド変位させて切換え動作させ得る。これによって係合手段は、第4方向へスライド変位させることによって、第1状態と第2状態とを切換え動作可能である。したがって係合手段は、単純な構成で切換え動作を実現することができ、製造コストを低減することができる。
【0021】
さらに本発明によれば、係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して相対的に、第2方向へスライド変位させ、その後、第3方向へスライド変位させて、切換え動作させ得る。これによって係合手段は、第2筐体を第2方向へスライド変位させた状態から、第3方向へスライド変位させることによって、第1状態と第2状態とを切換え動作可能である。したがって係合手段は、2段階で、第1状態から第2状態とを切換え動作させるので、第2方向だけにスライド変位した状態で、構造体を用いることができ、また第2および第3方向にスライド変位した第2状態でも構造体を用いることができる。したがって操作者は、好適な状態で構造体を用いることができ、汎用性を向上することができる。
【0022】
さらに本発明によれば、係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向に略平行な回転軸線まわりに相対的に角変位させて、切換え動作させ得る。これによって係合手段は、第1状態と第2状態とに切換え動作可能である。したがって係合手段は、簡単な構成で実現することができ、製造コストを低減することができる。
【0023】
さらに本発明によれば、係合手段は、第2状態において、第1筐体の操作入力部の第3方向の中間部付近と、第2筐体の表示部の第3方向の中間部付近とを、第3方向に関して略同一の位置に配設させる。従来の技術のように、第1状態から予め定める1方向にのみ変位させると、表示部の中間部付近と操作入力部の中間部付近とが第3方向に関してずれ、操作感が損なわれるという問題があったが、本発明のように、第2および第3方向へスライド変位させることによって、操作入力部と表示部との第3方向の中間部付近とを、第3方向に関して略同一の位置に配設させる。これによって操作者は、複数の筐体からなる構造体であっても、表示部と操作入力部との中間部付近の位置を略同一の位置に配設して、良好な操作感を得ることができる。
【0024】
さらに本発明によれば、第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、第2および第3方向の両方への変位によって外方に露出する特定領域に入力手段または出力手段をさらに備える。したがって操作者は、第2または第3方向のいずれか一方向のみへの変位では用いることができない特定領域を有効に用いることができる。また入力手段および出力手段を追加することができるので、利便性を向上することができる。
【0025】
さらに本発明によれば、第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、前記特定領域に近接し、第1状態で露出している領域に、入力手段または出力手段をさらに備える。これによって従来技術では入力手段または出力手段を備えても利用しにくかった領域を、第2状態では有効に利用することができる。
【0026】
本発明によれば、係合手段は、各筐体が重畳する第1状態と、第1筐体が第2筐体に対して、第2および第3方向にわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成される。これによって第2筐体は、第2状態では、第1筐体に対して、第2方向および第3方向にずれた位置に配設可能である。従来の技術のように、第2筐体が、第1筐体に対して、予め定める1方向のみにずれた位置に配設される場合とは異なり、第2方向および第3方向の異なる2方向にずれた位置に配設可能である。これによって、操作者は、第1および第2筐体を用いるために好適な配置状態に、各筐体の相対位置を変更することができ、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0028】
図1は、本発明の実施の一形態の電子装置20を簡略化して示す正面図である。図2は、閉状態にある電子装置20の要部を示す正面図である。図3は、図2のS3−S3切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。図4は、図2のS4−S4切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。図5は、開状態にある電子装置20の要部を示す正面図である。図6は、図5のS6−S6切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。図7は、図5のS7−S7切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。電子装置20は、キーボード21を備える本体ユニット22、表示部23を備える表示ユニット24、および本体ユニット22と表示ユニット24を係合するスライドヒンジ25を含んで構成される。
【0029】
電子装置20は、図1(a)に示すように、本体ユニット22と表示ユニット24とを厚み方向Z一方から見て略同位置に配置される第1状態である閉状態と、図1(b)に示すように、厚み方向Z一方から見て幅方向Yおよび長手方向Xに変位した位置に配置される第2状態である開状態とに切換え可能に構成される。換言すると、本体ユニット22上に表示ユニット24を重畳配置した閉状態から、表示ユニット24を、本体ユニット22に対して相対的に幅方向Yおよび長手方向Xに所定量移動した開状態へ切換え可能に構成される。電子装置20は、たとえば携帯電話、情報端末装置およびパーソナルコンピュータ(Personal Computer略称:PC)によって実現される。
【0030】
本体ユニット22および表示ユニット24は、略長方形板状に構成され、各ユニット22,24は略同一の寸法に構成される。本体ユニット22は、第1筐体であって、厚み方向一端面部に操作入力部であるキーボード21および出力手段である発光ダイオード(
Light Emitting Diode:略称LED)27が設けられ、幅方向一端面部に幅方向Y一方に突出して入力手段であるサイドキー26が設けられる。キーボード21は、本体ユニット22の厚み方向一端面部の幅方向Yおよび長手方向Xの中央部に設けられる。LED27は、開状態では、外方に露出する特定領域に設けられる。したがってLED27は、閉状態では表示ユニット24によって覆われている。またサイドキー26は、前記特定領域に近接し、閉状態で露出している領域に設けられる。
【0031】
表示ユニット24は、第2筐体であって、厚み方向一端面部に出力手段である表示部23、方向キーや機能キーなどの操作部28およびスピーカ29が設けられる。表示部23は、表示ユニット24の長手方向一方寄りに設けられ、操作部28は、長手方向他方寄りに設けられる。
【0032】
スライドヒンジ25は、係合手段であって、一方のユニットを他方のユニットに対して、相対的にスライド変位可能に構成される。スライドヒンジ25は、本体ユニット22と表示ユニット24とを厚み方向Zに積層した状態で係合している。スライドヒンジ25は、スライドピン30および案内溝31を含んで構成される。本体ユニット22の厚み方向他端面部には、厚み方向Z他方に突出するスライドピン30が斜め方向Tに沿って対をなして2つ設けられる。第4方向である斜め方向Tは第1方向である厚み方向Zに略垂直な方向であって、厚み方向Zに略直交する第2方向である幅方向Yと、厚み方向Zおよび幅方向Yに略直交する第3方向である長手方向Xに交差する方向である。表示ユニット24の厚み方向他端面部には、厚み方向Zに凹となる案内溝31が斜め方向Tに沿って設けられ、この案内溝31にスライドピン30が嵌合可能に構成される。
【0033】
スライドピン30は、図2に示すように、閉状態では、斜め方向T他方寄りのスライドピン30が案内溝31の斜め方向T他方側に当接し、図5に示すように、開状態では、斜め方向T一方寄りのスライドピン30が案内溝31の斜め方向T一方側に当接する。
【0034】
したがってスライドヒンジ25によって電子装置20は、本体ユニット22と表示ユニット24とを厚み方向Zへ重畳配置する閉状態(図1(a)参照)と、表示ユニット24を本体ユニット22に対して、幅方向Yと長手方向Xとにわたって相対的に変位する開状態(図1(b)参照)とに切換え可能に構成される。
【0035】
本体ユニット22と表示ユニット24とは、厚み方向Zに重畳配置することによって、厚み方向Z両方から見て、一方のユニットと他方のユニットとの外縁とを略同一の位置に配置することができる。このような重複配置されている閉状態から、一方のユニットと他方のユニットに対して、斜め方向Tへスライド変位させることによって、開状態に配置して、キーボード21を露出させることができる。
【0036】
電子装置20が閉状態にある場合、操作部28が操作者から見て手前側となり、表示部23が操作者から見て奥側となるように縦長方向で用いられる。電子装置20が開状態にある場合、キーボード21が操作者から見て手前側となり、表示部23が操作者から見て奥側となるように横長方向で用いられる。したがって開状態と閉状態とでは、操作者が電子装置20を把持する方向が異なり、また表示部23が表示する情報の表示方向が、操作者が視認する方向となるように制御される。
【0037】
またスライドヒンジ25は、本体ユニット22と表示ユニット24とを電気的に接続する信号ケーブル32を含み、信号ケーブル32によって電気的に接続可能に構成される。信号ケーブル32は、柔軟性を有し、開状態および閉状態の場合でも、本体ユニット22と表示ユニット24とを連続して電気的に接続可能に構成される。
【0038】
斜め方向Tの幅方向Yに対する傾きは、開状態の場合に、キーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近とが、長手方向Xに関して略同一となるように規定される。たとえば閉状態で、キーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近との長手方向Xの間隔D1が20mmであり、キーボード21を開状態で露出させるために必要な幅方向Yのスライド量H1が40mmの場合、斜め方向Tの幅方向Yに対するスライド角度θは、次式(1)に示すように、間隔D1をスライド量H1で除した値の逆正接(arctangent)関数から算出される。
θ=arctan(D1/H1) …(1)式(1)によって算出されたスライド角度θを用いて斜め方向Tを規定することによって、開状態でキーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近とが、長手方向Xに関して略同一とすることができる。本実施の形態では、算出されたスライド角度θを用いて斜め方向Tを規定することによって、開状態でのキーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近との長手方向Xの間隔D1が約0mmとすることができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態の電子装置20では、スライドヒンジ25は、各ユニット22,24が重畳する閉状態と、本体ユニット22が表示ユニット24に対して、幅方向Yおよび長手方向Xにわたって相対的に変位する開状態とに切換え可能に構成される。これによって表示ユニット24は、開状態では、本体ユニット22に対して、幅方向Yおよび長手方向Xにずれた位置に配設可能である。従来の技術のように、表示ユニット24が、本体ユニット22に対して、予め定める1方向のみにずれた位置に配設される場合とは異なり、幅方向Yおよび長手方向Xの異なる2方向にずれた位置に配設可能である。これによって、操作者は、各ユニット22,24を用いるために好適な配置状態に、各ユニット22,24の相対位置を変更することができ、利便性が向上する。第1状態から第2状態にわたる切換え動作を、2軸ヒンジ構造を含む従来の構造などに比べて、簡単な構成で実施することができる。
【0040】
また本実施の形態では、スライドヒンジ25は、表示ユニット24を本体ユニット22に対して、斜め方向Tへ相対的にスライド変位させて切換え動作させ得る。これによってスライドヒンジ25は、斜め方向Tへスライド変位させることによって、閉状態と開状態とを切換え動作可能である。したがってスライドヒンジ25は、単純な構成で切換え動作を実現することができ、製造コストを低減することができる。
【0041】
さらに本実施の形態では、スライドヒンジ25は、開状態において、本体ユニット22のキーボード21の長手方向Xの中間部付近と、表示部23の長手方向Xの中間部付近とを、長手方向Xに関して略同一の位置に配設させる。従来の技術のように、閉状態から予め定める1方向にのみ変位させると、表示部23の中間部付近とキーボード21の中間部付近とが長手方向Xに関してずれ、操作感が損なわれるという問題があったが、本発明のように、幅方向Yおよび長手方向Xへスライド変位させることによって、キーボード21と表示部23との長手方向Xの中間部付近とを、長手方向Xに関して略同一の位置に配設させる。これによって操作者は、複数のユニットからなる電子装置20であっても、表示部23とキーボード21との中間部付近の位置を略同一の位置に配設して、良好な操作感を得ることができる。
【0042】
さらに本実施の形態では、各ユニット22,24の少なくともいずれか一方は、幅方向Yおよび長手方向Xの両方向への変位によって外方に露出する特定領域にLED27をさらに備える。特定領域は、換言すると、幅方向Yへ変位しただけでは露出せず、幅方向Yへの変位に加え更に長手方向Xへ変位した場合に露出する領域である。したがって操作者は、従来の技術のように閉状態から予め定める1方向にのみ変位させただけでは用いることができない特定領域を有効に用いることができる。またLED27の他に、たとえば追加キー、小型の表示器、マイクおよびスピーカ29などの入出力手段を追加することができるので、利便性を向上することができる。
【0043】
さらに本実施の形態では、各ユニット22,24の少なくともいずれか一方は、前記特定領域に近接し、閉状態で露出している領域に、サイドキー26をさらに備える。換言すると、サイドキー26は、特定領域に近接し、幅方向一端面の領域に設けられる。これによって従来の技術のように閉状態から予め定める1方向にのみ変位させた開状態ではサイドキー26を備えても利用しにくかった領域を、有効に利用することができる。換言すると、表示ユニット24と本体ユニット22が左右にずれるため、開状態においても、操作者は、サイドキー26の押下が容易となる。またこの特定領域に近接する幅方向一端面の領域にたとえば入出力端子を設ける場合、入出力端子へのジャックの挿抜が容易になる。
【0044】
次に本実施の形態の他の例に関して説明する。図8は、本実施の形態の他の例の電子装置20aを簡略化して示す正面図である。図8に示す電子装置20aでは、各ユニット22a,24aの厚み方向Zから見て示す形状が、略平行四辺形となるように構成される。長手方向両端部の辺部の傾きθは、斜め方向Tと略同一となるように設定される。このように構成されることによって、図8(a)に示す閉状態、および図8(b)に示す開状態ともに表示ユニット24aと本体ユニット22aとが一体感を持たせることができる。
【0045】
次に、実施の他の形態に関して説明する。図9は、本発明の実施の他の形態の電子装置20bを簡略化して示す正面図である。図10は、閉状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。図11は、図10のS11−S11切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。図12は、図10のS12−S12切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。図13は、閉状態と開状態とに移行する中間状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。図14は、図13のS14−S14切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。図15は、図13のS15−S15切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。図16は、開状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。図17は、図16のS17−S17切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。図18は、図16のS18−S18切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。本実施の形態の電子装置20bを構成するスライドヒンジ25は、閉状態から、表示ユニット24を本体ユニット22に対して相対的に、幅方向Yへスライド変位させて中間状態へ切換え、その後、長手方向Xへスライド変位させて、開状態へ切換え動作させ得る点に特徴を有する。
【0046】
スライドピン30は、本体ユニット22の厚み方向他端面部には、厚み方向他方に突出して設けられ、幅方向Yに沿って対をなして2つ設けられる。案内溝31は、表示ユニット24の厚み方向他端面部に、厚み方向Zに凹となる案内溝31が幅方向Yに沿って延びる第1案内溝31a、および長手方向Xに沿って延びる第2案内溝31bを含んで構成される。換言すると、案内溝31は、厚み方向一方から見て略L字状に形成される。
【0047】
スライドピン30は、図9(a)および図10に示すように、閉状態では、幅方向一方寄りのスライドピン30が第1案内溝31aの幅方向一方側に当接する。閉状態では、スライドピン30は、幅方向他方への変位のみが許容される。閉状態から表示ユニット24を本体ユニット22に対して幅方向一方へスライド変位させると、図9(b)および図13に示す中間状態となる。中間状態では、幅方向他方よりのスライドピン30は、第1案内溝31aの幅方向他方側に当接する。中間状態では、スライドピン30は、長手方向一方への変位と、幅方向一方への変位とが許容される。中間状態から表示ユニット24を本体ユニット22に対して長手方向一方へスライド変位させると、図9(c)および図16に示す開状態となる。スライドピン30は、開状態では2つのスライドピン30が第2案内溝31bの長手方向一方側に当接する。開状態では、スライドピン30は、長手方向他方への変位のみが許容される。
【0048】
第1案内溝31aの幅方向Yの寸法は、キーボード21を開状態で露出させるために必要な寸法H2に基づいて設定される。第2案内溝31bの長手方向Xの寸法D2は、開状態でキーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近とが、長手方向Xに関して略同一となるような寸法に設定される。
【0049】
表示ユニット24は、厚み方向他端面部であって、幅方向他端部の長手方向他端部に隠れスイッチ33がさらに設けられる。隠れスイッチ33は、開状態では、外方に露出する特定領域に設けられ、閉状態および中間状態では本体ユニット22によって覆われている。
【0050】
表示部23は、キーボード21の機能を説明するための機能情報を出力可能に構成される。表示部23は、機能情報をキーボード21のキーに最も近い領域34に、各キーに対応して設けられる。機能情報は、たとえば図9(b)に示すように、機能A〜機能Cまで3つあり、中間状態では、機能Aは数字5のキーに割り当てられ、順次、機能Bは数字6のキー、および機能Cは、数字7のキーに割り当てられる。
【0051】
図9(c)に示すように、中間状態から開状態に切換わると、機能情報が出力される領域34と、近接するキーの位置関係が変わるので、割り当てるキーを変更するように制御される。機能情報は、たとえば図9(c)に示すように、機能Aは数字4のキーに割り当てられ、順次、機能Bは数字5のキー、および機能Cは、数字6のキーに割り当てられる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態では、スライドヒンジ25は、閉状態から、表示ユニット24を本体ユニット22に対して相対的に、幅方向Yへスライド変位させ、その後、長手方向Xへスライド変位させて、開状態へ切換え動作させ得る。これによってスライドヒンジ25は、表示ユニット24を幅方向Yへスライド変位させた状態から、長手方向Xへスライド変位させることによって、閉状態と開状態とを切換え動作可能である。したがってスライドヒンジ25は、2段階で、閉状態と開状態とを切換え動作させるので、幅方向Yだけにスライド変位した中間状態で、電子装置20bを用いることができ、また幅方向Yおよび長手方向Xにスライド変位した開状態でも電子装置20bを用いることができる。したがって操作者は、好適な状態で電子装置20bを用いることができ、汎用性を向上することができる。
【0053】
また本実施の形態では、中間状態と開状態とで表示部23によって表示される機能情報を変更するので、操作者は表示部23の位置によって間違うことなく機能が割り当たれるファンクションキーを用いることができる。このファンクションキーは、たとえばサイドキー26および隠れスイッチ33に割り当てるように構成してもよく、たとえば開状態にあるときだけ、サイドキー26および隠れスイッチ33に位置に対応する表示部23の表示領域に、サイドキー26および隠れスイッチ33に割り当てられる機能情報を表示するように表示部23を制御してもよい。
【0054】
次に、実施のさらに他の形態に関して説明する。図19は、本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20cを簡略化して示す正面図である。図20は、閉状態にある電子装置20cの要部を示す正面図である。図21は、閉状態にある電子装置20cを簡略化して示す断面図である。図22は、開状態にある電子装置20cの要部を示す正面図である。図23は、開状態にある電子装置20cを簡略化して示す断面図である。本実施の形態の電子装置20cは、回転ヒンジ35を含んで構成され、回転ヒンジ35によって、表示ユニット24を本体ユニット22に対して、厚み方向Zに略平行な回転軸線L1まわりに相対的に角変位可能に構成される点に特徴を有する。
【0055】
回転ヒンジ35は、本体ユニット22および表示ユニット24の中心線からずれた位置に配置される。たとえば閉状態で、キーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近との長手方向Xの間隔D3が20mmの場合、間隔D3の半分の10mmずれた位置に、回転ヒンジ35の回転軸線L1が配置される。また回転軸線L1の幅方向Yの位置は、キーボード21を開状態で露出させるために必要な位置に配置される。
【0056】
このような位置に回転軸線L1を配置することによって、閉状態から表示ユニット24を本体ユニット22に対して回転軸線L1まわりに180度角変位させると、図19(b)に示すように開状態となり、キーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近とが、長手方向Xに関して略同一とすることができる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態では、回転ヒンジ35は、表示ユニット24を本体ユニット22に対して、厚み方向Zに略平行な回転軸L1線まわりに相対的に角変位させて、切換え動作させ得る。これによって回転ヒンジ35は、閉状態と開状態とに切換え動作可能である。したがって回転ヒンジ35は、簡単な構成で本発明の電子装置20cを実現することができ、製造コストを低減することができる。
【0058】
次に、実施のさらに他の形態に関して説明する。図24は、本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20dを簡略化して示す正面図である。本実施の形態の電子装置20dは、表示部23が表示ユニット24に対してスライド変位可能に構成される点に特徴を有する。
【0059】
図24(a)に示すように、閉状態では、各ユニット22,24が重畳位置に配置され、閉状態から表示ユニット24を本体ユニット22に対して幅方向一方に、相対的にスライド変位させることによって、図24(b)に示すように、中間状態に切換わる。中間状態では、表示部23を表示ユニット24に対して長手方向一方へ相対的にスライド変位させると、図24(c)に示す開状態となる。
【0060】
このように本実施の形態では、表示部23が第2筐体として機能し、第1筐体である本体ユニット22に対して長手方向Xにスライド変位可能に構成される。これによって表示ユニット24全体を本体ユニット22に対して変位させることなく、表示部23だけを変位させることによって、キーボード21の長手方向中間部付近と、表示部23の長手方向中間部付近とが、長手方向Xに関して略同一とすることができる。これによって開状態では、厚み方向一方から見て、略長方形状となるので、形状に均一性があり、開状態において意匠性を損なうことを防ぐことができる。
【0061】
次に、実施のさらに他の形態に関して説明する。図25は、本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20eを簡略化して示す正面図である。本実施の形態の電子装置20eは、表示ユニット24にスピーカ29aを備え、本体ユニット22にスピーカ29bを備える点に特徴を有する。
【0062】
表示ユニット24には、長手方向一端部に、厚み方向Zに貫通し、幅方向Y両端部に挿通する貫通孔36が形成され、厚み方向一端面部であって、長手方向他端部に、第1スピーカ29aが設けられる。本体ユニット22には、厚み方向一端面部であって、長手方向一端部に第2スピーカ29bが設けられる。第1スピーカ29aおよび第2スピーカ29bが出力する音声は、それぞれ異なるように制御することができ、これによってたとえばステレオ出力が可能である。
【0063】
図25(a)に示す閉状態では、第2スピーカ29bは、表示ユニット24の幅方向一端部によって覆われているが、第2スピーカ29bは貫通孔36に臨んで設けられる。これによって第2スピーカ29bから出力される音声は、貫通孔36を介して、外部に出力可能である。したがって閉状態であっても、第1および第2スピーカ29a,29bを用いて、音声情報を出力することができる。
【0064】
図25(b)に示す中間状態では、第2スピーカ29bは、表示ユニット24の幅方向他端部によって覆われているが、前述したように、第2スピーカ29bは貫通孔36に臨んで設けられる。これによって第2スピーカ29bから出力される音声は、貫通孔36を介して、外部に出力可能である。したがって中間状態であっても、第1および第2スピーカ29a,29bを用いて、音声情報を出力することができる。図25(c)に示す開状態では、第2スピーカ29bは露出しているので、第1および第2スピーカ29a,29bを用いて、音声情報を出力することができる。
【0065】
このように、各ユニット22,24の位置関係が変化する電子装置20eであっても、貫通孔36およびスピーカ29などの出力手段の配置関係を、特定領域に配置するなどして、不必要に出力手段を増加させることなく、効果的に出力手段を用いることができる。また開状態では、第1スピーカ29aと第2スピーカ29bとの距離が、閉状態のときよりも大きくなるので、操作者はステレオとしてより臨場感のある音声を聴取することができる。
【0066】
前述の実施の形態では、各ユニット22,24は電気的に接続されているが、これに限ることはなく、電気的に接続されていない電子装置、換言すると、第1筐体および第2筐体を含む構造体であっても、同様の効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の一形態の電子装置20を簡略化して示す正面図である。
【図2】閉状態にある電子装置20の要部を示す正面図である。
【図3】図2のS3−S3切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。
【図4】図2のS4−S4切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。
【図5】開状態にある電子装置20の要部を示す正面図である。
【図6】図5のS6−S6切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。
【図7】図5のS7−S7切断面線から見た電子装置20を簡略化して示す断面図である。
【図8】本実施の形態の他の例の電子装置20aを簡略化して示す正面図である。
【図9】本発明の実施の他の形態の電子装置20bを簡略化して示す正面図である。
【図10】閉状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。
【図11】図10のS11−S11切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図12】図10のS12−S12切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図13】閉状態と開状態とに移行する中間状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。
【図14】図13のS14−S14切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図15】図13のS15−S15切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図16】開状態にある電子装置20bの要部を示す正面図である。
【図17】図16のS17−S17切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図18】図16のS18−S18切断面線から見た電子装置20bを簡略化して示す断面図である。
【図19】本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20cを簡略化して示す正面図である。
【図20】閉状態にある電子装置20cの要部を示す正面図である。
【0068】
【図21】閉状態にある電子装置20cを簡略化して示す断面図である。
【図22】開状態にある電子装置20cの要部を示す正面図である。
【図23】開状態にある電子装置20cを簡略化して示す断面図である。
【図24】本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20dを簡略化して示す正面図である。
【図25】本発明の実施のさらに他の形態の電子装置20eを簡略化して示す正面図である。
【図26】第1の従来の技術の電子装置1を簡略化して示す正面図である。
【図27】第2の従来の技術の電子装置7を簡略化して示す正面図である。
【符号の説明】
【0069】
20 電子装置
21 キーボード
22 本体ユニット
23 表示部
24 表示ユニット
25 スライドヒンジ
26 サイドキー
27 LED
28 操作部
29 スピーカ
30 スライドピン
31 案内溝
32 信号ケーブル
33 隠れスイッチ
34 領域
35 回転ヒンジ
36 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体と、
第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを係合する係合手段とを含む構造体であって、
前記係合手段は、
前記第1筐体と前記第2筐体とを予め定める第1方向へ重畳配置する第1状態と、
前記第2筐体を前記第1筐体に対して、第1方向に略直交する第2方向と、第1方向および第2方向に略直交する第3方向とにわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成されることを特徴とする構造体。
【請求項2】
前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向へ略直交し、第2および第3方向に交差する第4方向へ相対的にスライド変位させて切換え動作させ得ることを特徴とする請求項1記載の構造体。
【請求項3】
前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して相対的に、第2方向へスライド変位させ、その後、第3方向へスライド変位させて、切換え動作させ得ることを特徴とする請求項1記載の構造体。
【請求項4】
前記係合手段は、第2筐体を第1筐体に対して、第1方向に略平行な回転軸線まわりに相対的に角変位させて、切換え動作させ得ることを特徴とする請求項1記載の構造体。
【請求項5】
前記第1筐体は、操作入力部を含み、
前記第2筐体は、表示部を含み、
前記係合手段は、前記第2状態において、前記操作入力部の第3方向の中間部付近と、前記表示部の第3方向の中間部付近とを、第3方向に関して略同一の位置に配設させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の構造体。
【請求項6】
第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、第2および第3方向の両方向への変位によって外方に露出する特定領域に入力手段または出力手段をさらに備えること特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の構造体。
【請求項7】
第1および第2筐体の少なくともいずれか一方は、前記特定領域に近接し、第1状態で露出している領域に、入力手段または出力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の構造体。
【請求項8】
第1筐体と、
前記第1筐体に電気的に接続される第2筐体と、
前記第1筐体と第2筐体とを係合する係合手段とを含む電子装置であって、
前記係合手段は、
前記第1筐体と前記第2筐体とを予め定める第1方向へ重畳配置する第1状態と、
前記第2筐体を前記第1筐体に対して、第1方向に略直交する第2方向と、第1方向および第2方向に略直交する第3方向とにわたって相対的に変位する第2状態とに切換え可能に構成されることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−158970(P2007−158970A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354043(P2005−354043)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】