説明

標示具及びその取付方法

【課題】本発明は、車道又は歩道に対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロックに確実に取付可能な標示具を提供する。
【解決手段】縁石等の境界ブロック2に嵌合可能な取付基部3と、取付基部3の上部に設けられた標示部4とを備えた標示具1であって、取付基部3には、境界ブロック2の上面20に対応した上面部6と、境界ブロック2の両側面21,22を挟持する挟持手段11,12とを備えたことにより、標示具1が取付基部3を介して境界ブロック2に上方から取り付けられ、車道S又は歩道Hに対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロック2に確実に取付可能で且つ簡便に取外可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁石等の境界ブロックに設置して用いられる標示具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車道又は歩道を移動してくる車又は歩行者等に対し視覚的に徐行等の注意を促すものとして使用されるカラーコーンやバリケード等の標示具は、縁石等の境界ブロックの横に設置して使用している為、車道又は歩道に対しその設置スペースを必要とする他、車道又は歩道に設置されたカラーコーンやバリケードが車道又は歩道を移動してくる車又は歩行者等に接触したり、また、いたずらにより移動や転倒させられる恐れがあった。
【0003】
また、バリケードを用いれば、車道と歩道とを所定幅で仕切ることができ、脚部を開閉式にしたもの(例えば特許文献1)では、脚部を畳んでコンパクトに収納することができるものの、脚部を開いて使用すると、車道の幅方向のスペースを取るという問題がある。
【0004】
そこで、車道又は歩道に対して設置スペースを必要としない標示具として、反射体を有する反射具と、この反射具を備えた取付具とよりなり、この取付具が、両側部に互に向き合った保持片を有すると共に、縁石などの取付け対象物に対して、この取付け対象物を、前記保持片間に挾みつけるようにして取付けられることを特徴とする標示具がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平11−21836号公報
【特許文献2】特開平10−176313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文件2における標示具の保持片の構造では、反射具に支柱を立てる等して使用し、標示具全体の重心位置を高くした場合に、保持片による挟み付けによる取付けでは、標示具が揺動してしまう等の虞があり、縁石等の取付け対象物に対する保持が不安定になる課題を有していた。
【0006】
そこで解決しようとする問題点は、前記の課題を克服する車道又は歩道に対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロックに確実に取付可能で且つ簡便に取外可能な標示具とその取付方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、縁石等の境界ブロックに対し上方から嵌合可能な取付基部と、該取付基部の上部に設けられた標示部とを備えた標示具であって、前記取付基部には、前記境界ブロックの上面に対応した上面部と、前記境界ブロックの両側面を挟持する挟持手段とを備えたことである。
【0008】
請求項2の発明は、前記標示具を前記境界ブロックにおける上面の長手方向に対し並設し、それら標示具を水平方向に連続する横杆部材により連結したことである。
【0009】
請求項3の発明は、縁石等の境界ブロックに標示具を取付ける方法であって、前記境界ブロックに対し上方から標示具の取付基部を嵌合させ、前記取付基部の上面部を前記境界ブロックの上面に当接させると共に、前記取付基部に備えられた挟持手段により前記境界ブロックの両側面を挟持することである。
【0010】
請求項4の発明は、前記取付基部の上部に縦方向の標示部を設け、隣り合う前記標示部を横杆部材により連結し、隣り合う境界ブロック間に前記横杆部材を配置することである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、標示具が取付基部を介して境界ブロックに上方から取り付けられることで、車道又は歩道に対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロックに確実に取付けすることができる。また、取付基部に境界ブロックの上面に対応する上面部と境界ブロックの両側面を挟持する挟持手段を備えたことで、標示具を境界ブロックに確実に取り付けることが可能となると共に、特に、異なる幅寸法を有する複数種類の境界ブロックに対し、標示具を確実に取付けることが可能となり、また、取外も容易に行うことができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、複数の標示具が並設されそれぞれを一体に連結して柵状としたことで、標示具の視認性をさらに向上させることができるとともに、この複数の標示具を一体に連結している横杆部材も標示手段の一部として使用することができ、様々な標示方法を用いて車又は歩行者に注意を促すことが可能となる。
【0013】
請求項3の発明によれば、境界ブロックに対し標示具を、境界ブロックの上面に対し標示具の取付基部の上面部を当接させると共に、挟持手段により境界ブロックの両側面を挟持させて取付けることで、より確実な取付が可能となり、また、取外も容易に行うことができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、境界ブロックと境界ブロックとの間のスペースについても、横杆部材によって仕切ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0016】
図1乃至図4は、本発明における実施例1を示しており、標示具1は、縁石等の境界ブロック2に取外し可能に仮設される仮設用標示具であり、この標示具1は境界ブロック2に設置されることで車道Sと歩道Hとの境界を仕切る仕切り具でもある。
【0017】
そして、この標示具1は、境界ブロック2に対し上方から嵌合させて取付可能な取付基部3と、取付基部3の上部に設けられた標示部4とからなる。以下、前述の構成について詳細に説明する。
【0018】
前記取付基部3は、標示部4における標示部本体5の基端が接続された金属製又は合成樹脂製の薄板からなる上面板6(上面部に対応)と、上面板6の両側端にそれぞれ上端が連結された金属製又は合成樹脂製の薄板からなる一対の第1及び第2の側板7,8(側面部に対応)から構成され、下方に向って広くなる略コ字形をなす。また、上面板6及び側板7,8の長さLは、境界ブロック2の幅Mより長く形成されているから、標示具1は境界ブロック2の長さ方向にも安定した取付状態が得られる。
【0019】
また、第1及び第2の側板7,8の互いに向い合った側の面9,10(以後、内向面という)には、それぞれ第1及び第2の弾性部材11,12が設けられている。この第1及び第2の弾性部材11,12にはともに、薄板状のゴム材が用いられる。
【0020】
さらに、第1及び第2の弾性部材11,12について詳細に述べると、第1の側板7の内向面9には、ほぼ全体に第1の弾性部材11が設けられるとともに、第2の側板8の内向面10側には、内向面10の面積より小さく形成された第2の弾性部材12が設けられており、その第2の弾性部材12の内向面10側に一体に設けられた固定部材12aには、その基端を固定部材12aに接続されるとともに、その先端が第2の側板8に形成された貫通部13に連通され、水平方向に略平行に配置された軸部材14が一体に設けられている。軸部材14の表面には螺子溝15が形成されている。
【0021】
また、この第2の弾性部材12と第2の側板8とは、第2の側板8の外向面16(内向面10とは反対側の面)からスライド固定操作部として雌螺子部17を軸部材14に螺着することにより略水平方向にスライド自在な関係に固定されている。本実施例では、雌螺子部17に周知のナットを用い、ナットを側板2に固定している。
【0022】
このように、第2の弾性部材12は、軸部材14と雌螺子部17とを備えた水平方向移動手段18により、第2の側板8に対して略水平方向に移動可能に接続されている。また、この雌螺子部17に限らず同様の作用のもの(つまりは、軸部材14の螺子溝15に対し螺合可能で、軸部材14上を移動可能なもの)であれば、これに限定されるものではない。
【0023】
そして、第1の側板7の内向面9に設けられた第1の弾性部材11と、第2の側板8の内向面10側に設けられ水平方向移動手段18により水平方向にスライド自在に設けられた第2の弾性部材12により、挟持手段は構成される。また、挟持手段において、側板8に雌螺子部17を設けたり、側板8に雌螺子部17を有するナットを設けたりして、その側板8又はナットの雌螺子部17に軸部材14を螺合し、この軸部材14を回すことにより側板8に対して軸部材14を移動可能としてもよく、この場合は、軸部材14の先端に固定部材12aを回動可能に連結してもよいし、固定部材12aは用いずに、軸部材14の先端で前記弾性部材12を直接押し付けるようにしてもよい。
【0024】
また、取付基部3の上面板6に基端が接続された標示部4は、その標示部本体5を高さTに形成された中空柱状のポールとし、このポールを前記上面部6の略中心に立設する。ここで、標示部本体5の高さTは、図1又は図3に図示されるように、境界ブロック2の正面側から見た幅Mより大きくしたものである。また、ポールの材質については、金属製又は合成樹脂製に限らず強度及び耐性を備えたものであれば特にこれについては限定しないものとする。同様に、本実施例では、標示部本体5に中空柱状のポールを用いたが、中実柱状のポールであっても構わないものとする。
【0025】
さらに、図3乃至図4に示すように、標示部4の変形例として、標示部本体5の上部に、周知の点滅灯19を設けたものでもよく、この点滅灯19に替えて反射板や標識等を標示部本体5に取付けてもよいものとする。
【0026】
本発明の実施例1に係る標示具の使用方法及び作用について述べると、車道Sと歩道Hの境界部分に配置されその断面形状を略台形とする境界ブロック2に対し、標示具1の取付基部3を上方から嵌合させる。標示具1の取付基部3と境界ブロック2が嵌合した状態では、取付基部3の上面板6の底面と境界ブロック2の上面20とが当接し、取付基部3の第1及び第2の側板7,8における内向面9,10と境界ブロック2の側面21,22の間には空隙Kが形成されている。
【0027】
そして、取付基部3の第2の側板8に設けられた軸部材14を回転させて、第2の弾性部材12を軸部材14に沿って境界ブロック2の側面22の方向にスライドさせ、第2の弾性部材12を境界ブロック2の側面22に対し押圧させるが、第2の弾性部材12により境界ブロック2の一方の側面22が押圧されると、同時に境界ブロック2の他方の側面21と取付基部3の第1の側板7における第1の弾性部材11とが圧接した状態となる。
【0028】
このように、標示具1は、取付基部3の上面板6を境界ブロック2の上面20に当接させ、同時に境界ブロック2の側面21,22に面接触する第1及び第2の弾性部材11,12によりなる挟持手段により、境界ブロック2の側面21,22を強固に挟持して、境界ブロック2に仮設される。
【0029】
また、この上面部6、第1及び第2の弾性部材11,12による3点の接触からなる標示具1の境界ブロック2への取付構造により、取付基部3の上面に接続された標示部本体5が中空柱状なポールであり、その重心位置が高いものであっても、標示具1と境界ブロック2との接続が不安定になることはない。
【0030】
そして、境界ブロック2に仮設された標示具1の標示部4を視認した車の運転手又は歩行者は、この標示具1によって仕切られた境界ブロック2上の車道Sと歩道Hとの境界に注意を促されることとなる。
【0031】
また、標示具1の取付基部3の上面板6、第1及び第2の側板7,8は、薄板状に形成されたことで、取付時に第1及び第2の側板7,8の下側先端を互いに外側に開いて、一時的に境界ブロック2の幅に対し第1及び第2の側板7,8の間隔を大きくすることが可能となる等の柔軟性を備える。
【0032】
さらに、境界ブロック2の上部に標示具1が配置されたことにより、境界ブロック2の周辺における車道S又は歩道Hの空間を標示具1が侵すことはない。
【0033】
また、標示部本体5が高さTに形成されたポールであることで、遠方からの視認性を備えるとともに、その表面に様々な視認効果を備えた標示部品や標識を取り付けることが出来る。ここでは、標示具本体5の上部に点滅灯19が備えられ、ほぼ高さTの位置で点滅灯19が点滅することで、より視覚的に周囲の車又は通行人に注意を促すことが可能となる。
【0034】
さらに、中空なポールからなる標示具本体5により、標示具1全体の重量の増加が抑えられ、取付作業時の負担が軽減される。
【0035】
以上のように、前記実施例では請求項1に対応して、縁石等の境界ブロック2に対し上方から嵌合可能な取付基部3と、該取付基部3の上部に設けられた標示部4とを備えた標示具1であって、前記取付基部3には、前記境界ブロック2の上面20に対応した上面部6と、前記境界ブロック2の両側面21,22を挟持する挟持手段11,12とを備えたことにより、標示具1が取付基部3を介して境界ブロック2に上方から取り付けられ、車道又は歩道に対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロック2に確実に取付けすることができる。また、取付基部3に境界ブロック1の上面20に対応する上面部6と境界ブロック2の両側面21,22を挟持する挟持手段11,12を備えたことで、標示具1を境界ブロック2に確実に取付けることが可能となると共に、特に、異なる幅寸法を有する複数種類の境界ブロック2に対し、標示具1を確実に取付けることが可能となり、また、取外も容易に行うことができる。
【0036】
また、前記実施例では請求項3に対応して、縁石等の境界ブロック2に標示具1を取付ける方法であって、前記境界ブロック2に対し上方から標示具1の取付基部3を嵌合させ、前記取付基部3の上面部6を前記境界ブロック2の上面20に当接させると共に、前記取付基部3に備えられた挟持手段11,12により前記境界ブロック2の両側面21,22を挟持することにより、境界ブロック2に対し標示具1を、境界ブロック2の上面6に対し標示具1の取付基部3の上面部を当接させると共に、挟持手段11,12により境界ブロック2の両側面21,22を挟持させて取付けることで、より確実な取付が可能となり、また、取外も容易に行うことができる。
【0037】
さらに、前記実施例上の効果として、縁石等の境界ブロック2に対し上方から嵌合可能な取付基部3と、該取付基部3の上部に設けられた標示部4とを備えた標示具1であって、前記取付基部3には、前記境界ブロック2の上面20に対応した上面部6と、前記境界ブロック2の両側面21,22に対応した一対の側面部7,8とを備えるとともに、前記側面部7,8と前記境界ブロックの両側面21,22との間にそれぞれ弾性部材11,12を配置し、該弾性部材11,12の少なくとも一方を、前記側面部8と前記境界ブロック2の前記側面22との間で水平方向に移動可能にする水平方向移動手段18を備えたことにより、標示具1が取付基部3を介して境界ブロック2に上方から取り付けられることで、車道S又は歩道Hに対し設置スペースを必要とせず、縁石等の境界ブロック2に確実に取付けすることができる。また、前記側面部7,8と前記境界ブロック2の側面21,22との間にそれぞれ弾性部材11,12を配置したことで、標示具1を境界ブロック2に確実に取付けできるとともに、標示具1により境界ブロック2が傷付くことが防止される。さらに、弾性部材11,12を水平方向に移動させる水平方向移動手段18を備えたことで、異なる幅寸法に形成された異なる種類の境界ブロック2に対しても、標示具1を的確に取付けることが可能となる。
【0038】
また、前記水平方向移動手段18は、前記弾性部材12に基端が接続され水平方向に平行に配置された軸部材14と、前記軸部材14を水平方向にスライド自在にするスライド固定操作部17とを備えたことにより、標示具1を境界ブロック2に対し簡単な機構で確実に取付けることができる。
【0039】
さらに、前記スライド固定操作部17は、前記側面部8に設けられた雌螺子部17とすることにより、周知のナット等を用いることが可能となり、製造のコストを削減することができる。
【0040】
また、前記標示部4は標示部本体5を備え、この標示部本体5に中空柱状のポールを用いたことで、標示具1の視認性を向上させるとともに、ポールが中空柱状であることにより、標示具1全体の軽量化を図ることができる。
【0041】
さらに、前記標示部本体5に点滅灯19を設けたことにより、標示具1の視認性をさらに向上させることができる。
【実施例2】
【0042】
図5乃至図7は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、境界ブロック2の上面20において、その長手方向Xに対し標示具1,1を複数並設している。この並設された標示具1,1は、標示部本体5,5同士を、標示部本体5を構成するのと同様なポールからなり、標示部本体5と直交し水平方向に平行に2本並設された横杆部材23,24により連結される。この横杆部材23,24は、一つの境界ブロック2に対し並設された標示具1,1のみを連結するものでもよいし、また、図7に図示されるように、間隔をあけて並設された境界ブロック2,2に標示具1をそれぞれ設置し、この標示具1,1を一体に連結するものでもよいものとする。
【0043】
さらに、標示部本体5と横杆部材23,24とが交差した箇所は、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属製の取付金具25を用いてボルト26、ナット27により固定されているが、この交差部分の固定は、この取付金具25以外にも図7に示すように鋼線、天然・合成・人工皮革製紐、合成樹脂製紐又は天然繊維製紐等からなる紐材28により固定してもよいものとする。
【0044】
また、上側に配置された側の横杆部材23の標示具1,1間には、文字、記号又は図形等の情報29が表記された標示体30が設けられたものであり、ポールからなる標示部本体5,5間に位置する横杆部材23に標示体30を設けることにより、長さ方向に長い標示体30を設けることができ、標示効果に優れたものとなる。
【0045】
本実施例における標示具1の作用としては、複数の標示具1,1を並設し、上下多段に設けた横杆部材23,24により一体に連結・固定したことで、標示具1,1は柵状の形態を有することになり、標示具1,1を柵として使用した場合、車又は歩行者に対して注意・勧告する事柄については、標示体30に表すことが可能である。
【0046】
さらに、この柵状の標示具は、1つの境界ブロック2の上面20に標示具1を並設して形成するだけでなく、X方向の延長線上に並設された二つ以上複数の境界ブロック2,2,…の上面20,20,…に標示具1をそれぞれ並設させ、その標示具1,1,…を横杆部材23,24により連結させることで、規模の大きな柵を形成することも可能となる。
【0047】
このように本実施例では、請求項1又は3に対応して、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【0048】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、前記標示具1を前記境界ブロック2における上面20の長手方向Xに対し並設し、それら標示具1を水平方向に連続する横杆部材23により連結したことにより、複数の標示具1が並設されそれぞれを一体に連結して柵状としたことで、標示具1の視認性をさらに向上させることができるとともに、この複数の標示具1を一体に連結している横杆部材23も標示手段の一部として使用することができ、様々な標示方法を用いて車又は歩行者に注意を促すことが可能となる。
【0049】
さらに、前記実施例では請求項4に対応して、前記取付基部3の上部に縦方向の標示部4を設け、隣り合う前記標示部4,4を横杆部材23,24により連結し、隣り合う境界ブロック2,2間に前記横杆部材23,24を配置することにより、境界ブロック2と境界ブロック2との間のスペースについても、横杆部材23,24によって仕切ることが可能となる。
【0050】
また、本実施例上の効果として、標示部本体5と横杆部材23,24とが交差した箇所の固定を取付金具25又は紐材28により行うことで、取付現場に着いてから標示具1を柵状に組立てること及び分解することを可能とし、標示具1と横杆部材23,24とを分けて運ぶことを可能としたことで、作業の効率化が図れるとともに、標示部本体5と横杆部材23,24との固定位置の調整を図ることができ、境界ブロックの上面の長さ方向Xに対応した柵を形成することができる。
【0051】
さらに、この標示具1,1を横杆部材23,24により連結することで形成された柵は、標示具1と横杆部材23,24とが、そして標示具1と境界ブロック2とが、それぞれが着脱自在な構造で接続されているため、標示具1又は横杆部材23,24が単体で損傷した場合にも、標示具、横桟部材及び境界ブロックとが非着脱自在に固定された一般の固定式の安全柵に比べ、その単体ごとに新規のものと交換可能となるなど修復にかかる工程が非常に簡便なものとなる。
【0052】
また、図7に示すように、標示部本体5と取付基部3は、中空柱状の標示部本体5に雌螺子部31を形成し、この雌螺子部31に螺合自在で取付基部3の上面部20に設けられた雄螺子部32に標示部本体5を着脱可能な構造でも構わないものとする。
【0053】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では雄螺子棒からなる軸部材14を示したが、軸部材14としてボルトや、ナットを固定した軸部材を用いてもよい。また、挟持手段は、境界ブロック2に取付基部3を挟持固定及び解除可能なものであれば、各種タイプのものを用いることができ、必ずしも弾性部材及び固定部材を用いる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施例1における標示具の正面図である。
【図2】本発明の実施例1における標示具の側面図である。
【図3】本発明の実施例1における標示具の他の実施形態を表す正面図である。
【図4】本発明の実施例1における標示具の他の実施形態を表す側面図である。
【図5】本発明の実施例2における標示具の正面図である。
【図6】本発明の実施例2における標示具の側面図である。
【図7】本発明の実施例2における他の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 標示具
2 境界ブロック
3 取付基部
4 標示部
5 標示部本体
6 上面板(上面部)
11 第1の弾性部材(挟持手段)
12 第2の弾性部材(挟持手段)
20 上面(境界ブロック)
21,22 側面(境界ブロック)
23,24 横杆部材
X 境界ブロックの上面における長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縁石等の境界ブロックに対し上方から嵌合可能な取付基部と、
該取付基部の上部に設けられた標示部とを備えた標示具であって、
前記取付基部には、前記境界ブロックの上面に対応した上面部と、
前記境界ブロックの両側面を挟持する挟持手段とを備えたことを特徴とする標示具。
【請求項2】
前記標示具を前記境界ブロックにおける上面の長手方向に対し並設し、それら標示具を水平方向に連続する横杆部材により連結したことを特徴とする請求項1記載の標示具。
【請求項3】
縁石等の境界ブロックに標示具を取付ける方法であって、
前記境界ブロックに対し上方から標示具の取付基部を嵌合させ、
前記取付基部の上面部を前記境界ブロックの上面に当接させると共に、
前記取付基部に備えられた挟持手段により前記境界ブロックの両側面を挟持することを特徴とする標示具の取付方法。
【請求項4】
前記取付基部の上部に縦方向の標示部を設け、隣り合う前記標示部を横杆部材により連結し、隣り合う境界ブロック間に前記横杆部材を配置することを特徴とする請求項3記載の標示具の取付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−19585(P2008−19585A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190878(P2006−190878)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.カラーコーン
【出願人】(502362460)小柳建設株式会社 (3)
【Fターム(参考)】